JP2002000700A - キャップおよびそれを用いた薬剤容器 - Google Patents

キャップおよびそれを用いた薬剤容器

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JP2002000700A
JP2002000700A JP2000305104A JP2000305104A JP2002000700A JP 2002000700 A JP2002000700 A JP 2002000700A JP 2000305104 A JP2000305104 A JP 2000305104A JP 2000305104 A JP2000305104 A JP 2000305104A JP 2002000700 A JP2002000700 A JP 2002000700A
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cap
mouth
elastic body
needle
medicine container
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Fujio Inoue
冨士夫 井上
Isamu Tateishi
勇 立石
Ryuichi Tokunaga
隆一 徳永
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Otsuka Pharmaceutical Factory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端が鋭利な針を用いずに薬剤容器内や輸液
ライン内に薬剤・薬液を注入、混合することができ、か
つ十分な密封性を有し、そのままの状態で滅菌処理に供
することのできるキャップと、かかるキャップを用いた
薬剤容器とを提供する。 【解決手段】 本発明のキャップ10は、医療用注入針
を挿通可能な少なくとも1つの切込み部12を有する弾
性体14と、弾性体14の底部16において薬剤容器等
の口部18を密封するように設けられた薄膜20と、口
部18のフランジ22に固着されて弾性体14を固定す
る外枠体とを有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点滴液、注射液等
を収容する薬剤容器における口部や、点滴等に用いられ
る輸液ラインにおける側注管の口部に用いられるキャッ
プと、かかるキャップを用いた薬剤容器とに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】点滴
液、注射液等を収容する薬剤容器の口部や、点滴液等を
注入するための輸液ラインにおける側注管(混注部)の
口部は、一般に、ゴム栓によって封止されている。従っ
て、かかる口部から薬剤・薬液を注入、混合する場合に
は、先端が鋭利な金属製注射針を有する注射器等が用い
られてきた。一方、近年、感染症等の観点から、前記金
属製注射針等の先端が鋭利な注入針で誤って手指を刺し
てしまう事故が問題視されている。
【0003】そこで、先端が鋭利な針を用いずに薬剤・
薬液を注入、混合する方法として、特開平7−2366
97号公報には、側注管の口部を封止するゴム栓にあら
かじめ切込みを設けた輸液ラインが開示されている。上
記公報に開示のゴム栓のようにあらかじめ切込みを設け
ておけば、先端が鋭利ではない注入針であっても容易に
挿通させることができる。しかしながら、あらかじめ切
込みが設けられていることにより、口部の密封性が損な
われるという新たな問題が生じる。
【0004】とりわけ、薬剤容器に充填される薬剤・薬
液によっては、充填後、高圧蒸気滅菌や熱水滅菌等の滅
菌処理を要する場合があり、ゴム栓にあらかじめ切込み
が設けられていると滅菌蒸気や熱水が浸入するのを防止
できない。従って、ゴム栓にあらかじめ切込みを設ける
方法は、薬剤容器の種類によっては採用できない問題が
あった。そこで、本発明の目的は、先端が鋭利な針を用
いずに薬剤容器内や輸液ライン内に薬剤・薬液を注入、
混合することができ、かつ十分な密封性を有し、そのま
まの状態で滅菌処理に供することのできるキャップを提
供することである。
【0005】また、本発明の他の目的は、十分な密封性
を有し、かつ先端が鋭利な針を用いずに薬剤・薬液の注
入、混合が可能な口部閉塞システムを有する薬剤容器を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するための本発明に係るキャップは、医療用注
入針を挿通可能な少なくとも1つの切込み部を有する弾
性体と、当該弾性体の底部において口部を密封するよう
に設けられた薄膜と、前記口部のフランジに固着されて
前記弾性体を固定する外枠体とを有することを特徴とす
る。上記本発明に係るキャップは、弾性体にあらかじめ
切込みが設けられていることから、医療用注入針の先端
が鋭利でなくても容易に挿通させることができる。ま
た、弾性体の底部には、薬剤容器や側注管の口部を密封
するように設けられた薄膜を有することから、たとえ弾
性体にあらかじめ切込み部が設けられていたとしても、
薬剤容器や側注管の口部における密封性が損なわれるこ
とがない。
【0007】従って、本発明によれば、先端が鋭利な針
を用いなくても当該キャップを設けた薬剤容器の口部ま
たは輸液ラインの側注部から薬液を注入、混合すること
ができ、しかも薬剤容器や輸液ラインの密封性を十分に
確保し、そのままの状態で滅菌処理に供し得る口部閉塞
システムを提供することができる。本発明に係るキャッ
プは、薬剤容器や輸液ライン等を使用する際の安全性を
高めるものとして、医療現場等において好適に用いるこ
とができる。
【0008】上記本発明のキャップは、切込み部が弾性
体の表面において窪み状に形成されているのが好まし
い。この場合、注入針を挿通させる際の操作性をより一
層向上させることができる。本発明の薬剤容器は、プラ
スチック製等の薬剤容器やガラスバイアル容器における
口部に、上記本発明に係るキャップを設けたものであ
る。上記本発明に係る薬剤容器によれば、先端が鋭利な
針を用いなくても当該薬剤容器の口部から薬剤・薬液を
注入、混合することができる。しかも、薬剤容器の密封
性が十分に確保され、そのままの状態で滅菌処理に供す
ることができる。かかる薬剤容器は、使用時の安全性を
高めるものとして、医療現場等において好適に用いるこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るキャップにつ
いて、図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明のキャ
ップは、前述のように、点滴液、注射液等を収容する薬
剤容器の口部や、点滴液等を注入するための輸液ライン
における側注管(混注部)の口部に取り付けて用いられ
る、一般に略円筒状の部材である。図1(a) は本発明に
係るキャップの一実施形態を示す平面図であって、同図
(b) はそのA−A断面図である。
【0010】本発明に係るキャップ10は、図1に示す
ように、医療用注入針を挿通可能な切込み部12を有す
る弾性体14と、弾性体14の底部16において薬剤容
器の口部18(または輸液ラインの側注管における口
部)を密封するように設けられた薄膜20と、口部18
のフランジ22に固着されて弾性体14を固定する外枠
体24とを有するものである。弾性体14には、図1
(a) に示すように切込み部12を1ヶ所にのみ設けるだ
けでなく、例えば図2に示すように複数の切込み部12
を設けてもよい。
【0011】切込み部12の形状は特に限定されるもの
ではなく、弾性体14の天面26から見た形状が、例え
ば図1(a) に示すようにマイナス(−)状〔あるいは、
細長いスリット状〕となるようなものであるほか、単に
点として表されるような針穴状のもの、図2に示すよう
なプラス(+)状〔あるいは、十字状〕のもの、放射線
状のもの等、種々の形状を採用することができる。切込
み部12の大きさは、切込み部の形状、薬剤容器や輸液
ラインの大きさや種類、使用する注入針の太さ等に応じ
て適宜設定されるが、切込み部の形状が図1(a) に示す
ようなマイナス(−)状である場合には、その幅を0.
5〜10mm、好ましくは1〜7mm程度、より好まし
くは2〜4mm程度に設定するのが適当である。なお、
切込み部に注入針を挿通していない場合には、弾性体の
反発力によって切込み部分は塞がれている。
【0012】弾性体14の天面26には保護フィルム2
8を設けることができる。この保護フィルム28を設け
ることによって、使用時までの間、切込み部12を外部
に露出させないようにすることができる。従って、医療
用注入針を挿通させる部位の清潔さを確保することがで
き、薬剤容器や輸液ラインを実際に使用するまでの間
に、キャップ10の天面に埃などが付着するのを防止す
ることができる。保護フィルム28は、キャップ10の
天面のほぼ全面を覆っていなくてもよく、少なくとも切
込み部12とその周囲のみを覆っていればよい。図2に
示すように複数の切込み部12を設けたキャップ21の
場合は、保護フィルム28を各切込み部12毎に剥離可
能となるように設けるのがより好ましい。なお、図2
中、符号14および24は図1と同じである。
【0013】図3〜5は、本発明に係るキャップの他の
実施形態を示す断面図である。本発明のキャップ30
は、例えば図3に示すように、切込み部31が弾性体3
2の表面において窪み状に形成されているものであって
もよい。すなわち、本発明に係るキャップの切込み部
は、図1に示した構造のほかに、弾性体32の天面26
に設けられた窪み(凹部)33と、弾性体32の底部1
6に設けられた針穴状、マイナス状等の切込み34とが
連通し、両者が一体となって切込み部31を構成する構
造であってもよい。
【0014】窪みの形状は特に限定されないが、弾性体
の天面から内部に行くに連れて窪みが狭くなる円錐形状
やすり鉢形状であるのが好ましい。また、弾性体の底部
に設けられた切込みがマイナス(−)状である場合に
は、窪みの形状を、前記切込みの形状に応じた底面を有
する角錐形状とすることができる。図3に示すように、
切込み部31を窪み状とすることによって医療用注入針
の刺し位置を容易に決めることができるようになり、特
に注入針の太さが異なる場合でも、注入針の挿抜がより
一層行い易くなるという利点が得られる。
【0015】また、本発明のキャップは、その切込み部
41,51が、例えば図4および5に示すように、弾性
体42,52の天面26に設けられた窪み43,53
と、弾性体42,52の底部16に前記窪み43,53
と連通して設けられた切込み44,54とを有するもの
であり、かつ窪み43,53の内部に蛇腹状の薄膜4
5,55を有するものであってもよい。かかるキャップ
40,50によれば、窪み43,53内に、略円錐状で
ある蛇腹状の薄膜45,55が設けられていることによ
り、いずれも窪み43,53内に挿通された医療用注入
針との摩擦や密着性が高まり、注入針が弾性体42,5
2の切込み44,54から抜け落ちてしまうのを効果的
に防止することができる。また、針を引き抜いた後に
は、逆止弁としての効果も期待できる。
【0016】上記薄膜45,55は、いずれも弾性体4
2,52に直接差込むなどして保持させればよい。さら
に、本発明に係るキャップの他の実施形態として、図6
および図7に示すものを挙げることができる。図6に示
す実施形態では、弾性体14aの底部16aにおける切
込み12の近傍に突起60が設けられており、弾性体1
4aと薄膜20とが、前記突起60で部分的に固着され
ているので、注入針の薄膜20への挿入がより一層容易
になっている。
【0017】図7に示す実施形態では、弾性体14b全
体の厚さを厚くして全体の密封性を高めたものである
が、切込み部分12も同じ厚さにすると、針刺し抵抗が
高くなってしまう等の不利が生じるので、弾性体14b
の底部16b側に窪み16cを設けたものである。図8
に示す実施形態では、薄膜20aの切り込みに対面する
部分の厚さが、他の部分よりも薄く設定されている。こ
のため、注入針の挿通をより一層容易なものとすること
ができ、併せて、他の部分における薄膜20aの強度を
十分に保つことができる。
【0018】また、図8に示す実施形態では、キャップ
61の外枠体62における弾性体14cの天面に、保護
フィルムに代えて、プルリング63を備えた引きちぎり
可能な封膜部64が設けられていてもよい。この封膜部
64には、プルリング63に代えてタブ部材が設けられ
ていてもよい。また、封膜部64やプルリング63の形
状については図8に示すものに限定されるものではな
く、従来公知の種々のプルオフ方式〔いわゆるリングプ
ル(ring-pull )タイプ、ポップトップ(pop-top )タ
イプ、ジップトップ缶(zip-top can)タイプ〕を採用
することができる。
【0019】なお、図3〜8において、符号12,1
8,20,22,24,26および28はいずれも図1
と同様であって、それぞれ、切込み部12、薬剤容器ま
たは側注管の口部18、口部を密封する薄膜20、口部
のフランジ22、外枠体24、弾性体の天面26、保護
フィルム28を示す。次に、本発明に係るキャップを構
成する各部について説明する。 〔薄膜〕本発明のキャップにおいて、薬剤容器または側
注管の口部を密封するのに用いられる薄膜には、その強
度が、注入針の先端が鋭利でなくても容易に挿通させ得
る程度であること、かつ高圧蒸気滅菌や熱水滅菌等の滅
菌処理時に破損することがない程度の強度と耐熱性とを
有することが求められる。
【0020】本発明において、上記薄膜には、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン
〔例えば三井化学(株)の商品名「TPX」〕等のポリ
オレフィン;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体
〔例えば、三井化学(株)の商品名「アペル」〕等のポ
リ環状オレフィン:アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS);ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリアリレート等のポリエステル;ポリフェニレンサル
ファイド(PPS)等のベンゼン系重合体等の、医療器
具に従来用いられている種々のプラスチック製のものを
用いることができる。
【0021】薄膜の厚さは特に限定されるものではない
が、通常、注入針等の挿通が可能であり、かつ滅菌処理
に耐え得る厚さに、具体的には100〜500μm程度
設定される。なお、薄膜は均一な厚さであってもよい
が、例えば図8に示すように、注入針の挿通部分、すな
わち切込み部12に対面する部分の薄膜20aをそれ以
外の部分よりも肉薄にしてもよい。この場合、注入針の
挿通をより一層容易なものとすることもできる。さら
に、この場合において、薄膜20aの肉薄部分における
厚さは上記範囲となるように設定すればよい。肉薄部分
の径は、切り込みの大きさや用いる注入針の径にもよる
が、通常、底部の径の10〜60%とするのが好まし
く、20〜40%とするのがより好ましい。また、一般
的には、直径3〜10mm程度に設定される。
【0022】薄膜は、薬剤容器や側注管の口部フランジ
に固定され、当該口部を密封する。薄膜は、薬剤容器が
ガラス製容器である場合には口部フランジに接着され、
薬剤容器がプラスチックである場合には口部フランジと
熱溶着、高周波溶着または超音波蒸着される。また、薄
膜は、薬剤容器と一体成形されてもよい。本発明におい
ては、薬剤容器または側注管の口部をあらかじめ上記薄
膜で密封しておくので、薄膜を設けた段階で薬剤容器や
輸液ラインに滅菌処理を施せば、その段階で、内部の無
菌性を保証することができる。
【0023】〔弾性体〕本発明に係るキャップにおける
弾性体には、従来の薬剤容器の栓として用いられている
種々の材料を用いることができ、例えば天然ゴム、シリ
コーンゴム等のゴムや、熱可塑性エラストマー等の弾性
部材が挙げられる。本発明に係るキャップの外枠体と弾
性体とを一体に成形して、キャップの製造工程を簡易な
ものとするには、弾性体として、上記例示の成分のうち
熱可塑性エラストマーを用いるのが好ましく、外枠体を
形成するプラスチックとともに熱成形が可能であるもの
を用いるのが特に好ましい。
【0024】本発明に使用可能な熱可塑性エラストマー
としては、例えばスチレン−エチレン/ブチレン−スチ
レンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、
マレイン酸変性等の変性SEBS、スチレン−エチレン
/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEP
S)、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体
(SEB)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック
共重合体(SEP)等のスチレン系エラストマー;エチ
レン−プロピレンブロック共重合体等のオレフィン系エ
ラストマー;ポリウレタン系エラストマーなどが挙げら
れる。
【0025】本発明に係るキャップにおける弾性体の特
性については特に限定されるものではなく、一般に、医
療用注入針を貫通させるのが困難なほどに強靭または高
硬度でなく、かつ通常の保管時において容易に変形した
り、破損したりしない程度の強度を有するものであれば
よい。本発明のキャップに用いられる弾性体は、JIS
A硬度〔JIS K 6301に記載の方法にて測定
したスプリング硬さHs(JIS A)〕が20〜70
であるのが好ましく、30〜50であるのがより好まし
い。また、弾性体の圧縮永久歪みは、医療用注入針を繰
り返し抜き差ししても破損することがないように、JI
S K 6301に記載の方法にて測定した値〔圧縮永
久歪み率CS(%)、熱処理温度・時間:70℃×22
時間〕が30以下であるのが好ましい。
【0026】〔外枠体〕本発明に係るキャップをガラス
製の薬剤容器に適用する場合、外枠体としては、アルミ
ニウム等の金属板を用いるのが好ましい。この場合、金
属板からなる外枠体を薬剤容器の口部のフランジに巻き
締めることによって、弾性体を固定することができる。
本発明に係るキャップをプラスチック製の薬剤容器、ま
たは輸液ラインの側注部に適用する場合、外枠体には、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル
ペンテン〔例えば三井化学(株)の商品名「TPX」〕
等のポリオレフィン;エチレン−テトラシクロドデセン
共重合体〔例えば、三井化学(株)の商品名「アペ
ル」〕等のポリ環状オレフィン:アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体(ABS);ポリエチレン
ナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリアリレート等のポリエステル;ポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)等のベンゼン系重合体
等の、医療器具に従来用いられている種々のプラスチッ
ク製のものを用いることができる。
【0027】また、この場合には、上記プラスチック製
の外枠体を、前述の弾性体を内包した状態で薬剤容器等
の口部のフランジに溶着させることによって、弾性体を
固定することができる。 〔窪み〕図3〜5に示すキャップにおいて、弾性体3
2,42,52の天面26に設けた窪み33,43,5
3の深さは特に限定されるものではないが、弾性体の厚
さに対して5〜95%の範囲で設定するのが好ましく、
10〜90%の範囲とするのがより好ましい。
【0028】また、図7に示すキャップにおいて、弾性
体14bの底部16bに設けた窪み16cについても、
その深さ(高さ)の範囲は特に限定されるものではない
が、弾性体の厚さに対して5〜95%の範囲で設定する
のが好ましく、10〜90%の範囲とするのがより好ま
しい。窪み33,43,53,16cの形状も特に限定
されるものではないが、弾性体の底部に設けられる切込
み(スリット)と連通させることを考慮した上で、切込
みの形状に応じて円錐状の溝、V字状の溝などの、種々
の形状を採用すればよい。
【0029】〔蛇腹状の薄膜〕図4および5に示すキャ
ップにおいて、窪み43,53内に設けられる蛇腹状の
薄膜45,55は特に限定されるものではないが、医療
用注入針を挿通させることを考慮して、柔軟性に優れた
部材、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−
メチルペンテン〔例えば三井化学(株)の商品名「TP
X」〕等のポリオレフィン;エチレン−テトラシクロド
デセン共重合体〔例えば、三井化学(株)の商品名「ア
ペル」〕等のポリ環状オレフィン:アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体(ABS);ポリエチレ
ンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリアリレート等のポリエステル;ポリ
フェニレンサルファイド(PPS)等のベンゼン系重合
体等の、医療器具に従来用いられている種々のプラスチ
ックから成形されたものであるのが好ましい。
【0030】また、薄膜45,55の大きさや形状も特
に限定されるものではなく、医療用注入針の抜脱を防止
する作用を発揮し得ることなどを考慮した上で、窪み4
3,53の形状、大きさ等に応じて設定すればよい。 〔保護フィルム〕本発明に係るキャップにおいて、外枠
体の天面に設けられる保護フィルムの材質については、
特に限定されるものではなく、従来公知のこの種の保護
フィルムと同様なプラスチックフィルムやラミネートフ
ィルムが用いられる。
【0031】〔キャップの作製方法〕本発明のキャップ
は、例えば、所定の形状に成形した弾性体と外枠体との
一体成形物を、あらかじめ薄膜で口部を覆っておいたフ
ランジ部分に溶着させることによって、または、所定の
形状に成形した弾性体の外周に外枠体を嵌着させたもの
を、あらかじめ薄膜で口部を覆っておいたフランジ部分
に溶着させることによって、製造される。
【0032】あるいは、外枠体を金属製のものとする場
合には、例えば薬剤容器の口部18(または、輸液ライ
ンの側注管における口部)を密封するように、当該口部
18のフランジに前記薄膜20を形成し、次いで、図9
(a) ,(b) に示すように、この薄膜20の表面に弾性体
15を設けて金属製の外枠体25で固定することによっ
て製造される。次に、本発明に係る薬剤容器について説
明する。
【0033】〔薬剤容器〕本発明の薬剤容器は、前述の
ように、上記本発明に係るキャップをプラスチック製等
の薬剤容器やガラスバイアル容器における口部に取り付
けたものである。上記本発明に係る薬剤容器によれば、
先端が鋭利な針を用いなくても当該薬剤容器の口部から
薬液を注入、混合することができる。しかも、薬剤容器
の密封性が十分に確保されており、そのままの状態で滅
菌処理に供することができる。
【0034】本発明のキャップをプラスチック製の薬剤
容器における口部に取り付ける場合、その方法は特に限
定されるものではなく、本発明のキャップにおけるプラ
スチック製の外枠体と、プラスチック製薬剤容器の口部
とを熱溶着させるなど、従来公知の種々の方法を採用す
ることができる。なお、本発明のキャップにおける外枠
体がアルミニウム等の金属の場合には、プラスチック製
薬剤容器の口部に前記外枠体を加締めればよい。
【0035】本発明の薬剤容器は、上記本発明のキャッ
プを薬剤容器の口部に固着させたものだけでなく、例え
ば図10および図11に示すように、キャップの外枠体
に、さらに両頭針を備えた筒状のホルダーを固着してな
る、いわゆるキットタイプのものであってもよい。図1
0に示すキットタイプの薬剤容器70は、図8に示した
キャップ61と同様の構造を有するキャップ61’を薬
剤容器90の口部91に固着したものであって、このキ
ャップ61’の外枠体62には、さらに筒状ホルダー7
1が固着している。筒状ホルダー71はその内部に両頭
針72を摺動自在に保持しており、蓋体73でカバーさ
れている。
【0036】かかる薬剤容器70を使用するには、蓋体
73を取り外して筒状ホルダー71内の両頭針72を摺
動させ、この両頭針72をキャップ61’の切込み部1
2に挿通させればよい。図10に示す薬剤容器70によ
れば、両頭針72があらかじめ薬剤容器90のキャップ
61’に装着されていることから、両頭針72を薬剤容
器90側に摺動させるという簡易な操作を経るだけで両
者を互いに連通させることができ、薬剤容器90内の薬
液を排出するといった処理を行うことができる。
【0037】薬剤容器90の口部に設けられているキャ
ップ61’は、前述のように先端が鋭利でない注入針を
容易に挿通させ得るものであることから、筒状ホルダー
71内に設置される両頭針72もそのキャップ61’側
の針先を丸くすることができる。それゆえ、両頭針72
を取り外す際に誤って手指を指すという問題を防止する
ことができる。両頭針72のキャップ61’側とは反対
側の針先についても丸くすることができるが、この場合
は両頭針にセットされるバイアル瓶等の薬剤容器におけ
るキャップが、先端が鋭利でない注入針を挿通可能なも
のであることが求められる。
【0038】図11に示すキットタイプの薬剤容器7
0’は、図10に示す薬剤容器70の設計変更例であ
る。キットタイプの薬剤容器70’は、キャップ61’
を薬剤容器90の口部91に固着したものであって、こ
のキャップ61’の外枠体62には、さらに筒状ホルダ
ー74が固着している。また、筒状ホルダー74はその
内部に両頭針72を摺動自在に保持しており、筒状ホル
ダー74の外周面には、バイアル瓶76を保持した蓋体
75が摺動自在に冠着されている。
【0039】かかる薬剤容器70’を使用するには、蓋
体75を両頭針72側に摺動させて、バイアル瓶76の
切込み部79に両頭針72の一方の先端を挿通させると
ともに、さらに両頭針72をバイアル瓶76ごとキャッ
プ61’側に摺動させて、両頭針72の他方の先端をキ
ャップ61’の切込み部12に挿通させればよい。図1
1に示す薬剤容器70’によれば、両頭針72やバイア
ル瓶76があらかじめ薬剤容器90のキャップ61’に
装着されていることから、バイアル瓶76および両頭針
72を薬剤容器90側に摺動させるという簡易な操作を
経るだけで薬剤容器90とバイアル瓶76とを互いに連
通させることができ、バイアル瓶76内の薬剤を薬剤容
器90側に移動させるといった処理を行うことができ
る。
【0040】薬剤容器90の口部に設けられているキャ
ップ61’は、前述のように先端が鋭利でない注入針を
容易に挿通させ得るものであることから、筒状ホルダー
74内に設置される両頭針72もそのキャップ61’側
の針先を丸くすることができる。それゆえ、両頭針72
を取り外す際に誤って手指を刺すという問題を防止する
ことができる。両頭針72のキャップ61’側とは反対
側の針先についても、バイアル瓶76に本発明のキャッ
プ装着することにより、針先を両方とも丸くすることが
できる。なお、図11中、符号78は弾性体、80は薄
膜、81は外枠体をそれぞれ示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明に係るキャップの一実施形態を示
す平面図であって、(b) はそのA−A断面図である。
【図2】図1に示すキャップの設計変更例を示す平面図
である。
【図3】本発明に係るキャップの他の実施形態を示す断
面図である。
【図4】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図5】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図6】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図7】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図8】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図9】本発明に係るキャップの製造方法の一例を示す
模式図である。
【図10】本発明に係る薬剤容器の一実施形態を示す断
面図である。
【図11】本発明に係る薬剤容器の他の実施形態を示す
断面図である。
【符号の説明】
10,21,30,40,50,61 キャップ 12,31, 切込み部 14,14a,14b,14c,32,42,52 弾
性体 16,16a,16b 底部 16c,33,43,53 窪み 18 口部 20 薄膜 22 フランジ 24,62 外枠体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AA24 AA32 AB05 BA02 CA01 CC02 CC03 CC04 CC05 CC10 DC02 DC03 DC04 DC05 DC10 FA09 FD13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】医療用注入針を挿通可能な少なくとも1つ
    の切込み部を有する弾性体と、当該弾性体の底部におい
    て口部を密封するように設けられた薄膜と、前記口部の
    フランジに固着されて前記弾性体を固定する外枠体とを
    有するキャップ。
  2. 【請求項2】前記切込み部が、前記弾性体の表面におい
    て窪み状に形成されている請求項1記載のキャップ。
  3. 【請求項3】前記薄膜における前記切り込みと対面する
    部分の厚みを、当該部分以外の厚みよりも薄く形成した
    請求項1記載のキャップ。
  4. 【請求項4】口部に請求項1〜3のいずれかに記載のキ
    ャップを設けたことを特徴とする薬剤容器。
  5. 【請求項5】キャップの外枠体に固着された筒状ホルダ
    ーと、当該ホルダー中に摺動自在に保持された両頭針と
    を備えた請求項4記載の薬剤容器。
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