JP4173302B2 - 医療用針 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば採血、輸血、輸液等に用いられる医療用針に関する。
【0002】
【従来の技術】
先端に鋭利な針先を有する中空針と、この中空針の基端側に設置されたハブと、前記中空針を覆うプロテクタとを有し、例えば採血、輸血、輸液等に用いられる医療用針が知られている。
【0003】
このような医療用針では、プロテクタの基端部と、ハブとが固定されている。また、プロテクタの基端部には、破断して開封し得る開封部が形成されている。この医療用針の使用時には、前記開封部を開封(破断)して、ハブとプロテクタとを分離し、中空針を露出する。
【0004】
分離したハブとプロテクタとは、嵌合可能になっており、使用後には、中空針をプロテクタ内に再び挿入し、ハブとプロテクタとを嵌合する。これにより、使用後の中空針は、プロテクタに覆われ、中空針による誤刺や、中空針の表面・内部に付着・残留した血液による汚染・感染等が防止される。
【0005】
このような医療用針には、誤って再使用するのを防止するため、タンパープルーフ性(一度、使用状態になった事実を後で確認できること)が要求される。
【0006】
しかしながら、従来の医療用針では、タンパープルーフ性が必ずしも十分ではなく、より優れたタンパープルーフ性を有する医療用針が要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、廃棄処理等に際し安全性が高いとともに、タンパープルーフ性に優れた医療用針を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 先端に鋭利な針先を有する針体と、前記針体の基端側に設置されたハブと、前記針体の前記ハブより先端側突出部分を覆うプロテクタとを有する医療用針であって、
前記プロテクタは、ほぼ筒状の外プロテクタと、前記外プロテクタの内側に挿入され、ほぼ筒状の内プロテクタとを有し、
前記内プロテクタの基端部は、前記ハブに固定または一体化され、かつ、分離可能な分離部を有し、
前記分離部を分離することにより、前記内プロテクタの前記分離部より先端側の部分を前記ハブから分離し得るようになっており、
前記分離部は、分離前には前記外プロテクタの基端側に露出しており、
前記分離部の分離後、前記ハブを前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動させることにより、前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動し、これにより、前記分離部が前記外プロテクタの内側に隠れるよう構成されており、
前記内プロテクタは、前記分離部の分離後に前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動したときは、前記内プロテクタの前記分離部より先端側の部分の基端部が押圧されて、前記外プロテクタの先端からの突出長さが増大することを特徴とする医療用針。
【0010】
(2) 前記分離部は、薄肉部で構成され、破断して開封し得る開封部である上記(1)に記載の医療用針。
【0012】
(3) 前記ハブを前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動したときは、前記ハブまたは前記内プロテクタの前記分離部より基端側の部分が前記外プロテクタの内側に嵌合する上記(1)または(2)に記載の医療用針。
【0015】
(4) 前記ハブは、筒状をなすものであり、外径が縮径した第1の縮径部と、該第1の縮径部の先端側に設けられ、外径が前記第1の縮径部の外径よりも小さい第2の縮径部と、前記第1の縮径部と前記第2の縮径部との間に設けられ、外径が前記第1の縮径部の外径よりも大きいフランジ部とを有し、
前記第2の縮径部には、前記内プロテクタの前記分離部よりも基端側の部分が嵌合し、前記第1の縮径部には、前記分離部の分離後に前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動した際に、該外プロテクタの基端部が前記フランジ部を乗り越えて嵌合する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用針。
(5) 前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し一定の限度を超えて相対的に先端方向に移動しないように規制する規制手段を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用針。
【0017】
(6) 前記分離部の分離時に、前記内プロテクタと前記外プロテクタとが相対的に回転するのを防止する回転防止手段を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用針。
【0018】
(7) 前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動する前には露出している位置であって、前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動した後には前記外プロテクタの内側に隠れる位置に、第1のマーカーを有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用針。
【0019】
(8) 前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動する前には前記外プロテクタの内側に隠れている位置であって、前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動した後には露出する位置に、第2のマーカーを有する上記(7)に記載の医療用針。
【0020】
(9) 前記第2のマーカーは、前記第1のマーカーと色が互いに異なる上記(8)に記載の医療用針。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の医療用針を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1および図2は、それぞれ、本発明の医療用針の第1実施形態における使用前の状態を示す縦断面図および側面図、図3は、図2中のX−X線横断面図、図4は、図1に示す医療用針の使用時の状態を示す縦断面図、図5は、図1に示す医療用針の使用後の状態を示す縦断面図である。なお、以下では、図1、図2、図4および図5中の右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
【0023】
図1に示すように、医療用針1は、中空針2と、中空針2の基端側に設置されたハブ3と、中空針2のハブ3より先端側に突出した部分を覆う(被包する)プロテクタ4とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0024】
中空針(針体)2は、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料や、ポリフェニレンサルファイドのような硬質樹脂材料で構成され、その先端に鋭利な針先21を有している。中空針2の基端側は、図示しない接着剤(例えば、エポキシ樹脂)によりハブ3に固着されている。
【0025】
ハブ3は、全体形状として、ほぼ筒状(円筒状)をなしている。
ハブ3の基端側には、環状凹部31と、その内側に位置する突出部32とがそれぞれ同心的に形成されており、この環状凹部31および突出部32に、例えば可撓性を有する接続用チューブ(図示せず)の端部が嵌入され、接続されるように構成されている。この接続用チューブをハブ3に接続した状態では、接続用チューブの内腔と、中空針2の内腔とが連通し、これらの間に液体の流通が可能となる。
【0026】
また、ハブ3は、手で把持する把持部33を有しており、この把持部33を把持して後述する開封部52の開封操作や中空針2の穿刺操作等を行う。図2に示すように、この把持部33の外周には、滑り止めのために、長手方向(軸方向)に沿って延びる複数の凸条34が並設されている。これにより、前記操作を容易かつ確実に行うことができる。
【0027】
図1に示すように、把持部33の先端側には、外径が縮小した第1縮径部35が段差を介して形成されている。また、第1縮径部35の先端側には、第1縮径部35よりもさらに外径が縮小した第2縮径部36が段差を介して形成されている。
【0028】
また、第1縮径部35の先端部には、その外径がやや拡大したフランジ部351が形成されている。
【0029】
プロテクタ4は、ほぼ筒状(円筒状)をなす外プロテクタ6と、外プロテクタ6の内側に挿入され、ほぼ筒状(円筒状)をなす内プロテクタ5とで構成されている。すなわち、プロテクタ4は、内プロテクタ5と外プロテクタ6との二重構造になっている。
【0030】
内プロテクタ5は、その先端が封止部51により閉塞された筒状の部材である。内プロテクタ5は、基端部(基端寄りの位置)に形成された開封部(分離部)52と、開封部52より基端側部分である固定部53と、開封部52より先端側部分である収納部54とで構成されている。この内プロテクタ5は、固定部53がハブ3の第2縮径部36に嵌入されて、ハブ3に対し固定されている。なお、図示と異なり、固定部53と第2縮径部36とが一体的に形成されていてもよい。
【0031】
図1に示す未使用の状態では、中空針2は、プロテクタ4(内プロテクタ5)により好ましくは気密的に収納されている。従って、ハブ3に接続用チューブ(図示せず)を接続した状態、またはハブ3の基端面37を剥離可能なフィルム(図示せず)により封止した場合には、中空針2の無菌性の維持が可能となる。
【0032】
開封部52は、リング状の薄肉部で構成されている。この薄肉部の厚さは、例えば0.1〜0.4mm程度とされる。ハブ3に対しプロテクタ4を相対的に回転してねじると、薄肉部よりなる開封部52に応力が集中して、容易に破断、分離し、開封される。この開封部52を破断して開封すると、固定部53はハブ3側に残留し、収納部54が固定部53から分離する。分離された収納部54および外プロテクタ6を除去すると、中空針2が露出し、中空針2の生体またはゴム栓等への穿刺が可能となる(図4参照)。
【0033】
この開封部52は、図1に示す未使用の状態(分離部の分離前)では、外プロテクタ6の基端側に露出している。これにより、未使用の医療用針1は、開封部52を目視することにより、未使用であることを容易に確認することができる。また、開封部52の開封操作においては、開封部52を目視で確認しながら行うことができることにより、この操作がし易い。
【0034】
固定部53と第2縮径部36との接合は、第2縮径部36の外周に固定部53を嵌合し、好ましくは高圧蒸気滅菌時の熱により生じるブロッキング(溶剤や接着剤等の他の手段を介することなく、2つの部材が高圧蒸気滅菌時の熱等により互いに接着する現象をいう)によりかしめることでなされる。なお、この接合が不十分な場合には、接着剤等を付与して接着することも可能である。接着剤としては、無溶剤型接着剤が好ましく、特に紫外線硬化型接着剤が好ましい。
【0035】
収納部54の外周面には、周方向に沿ってリング状に突出する係合凸部542が形成されている。
【0036】
収納部54の先端部541は、外プロテクタ6の先端から突出(露出)している。この先端部541は、その外径が先端方向に向かって漸減するテーパ状をなしている。
【0037】
また、収納部54の基端付近には、外径がやや拡大された拡径部543が形成されている。
【0038】
外プロテクタ6の基端部には、嵌合部61が形成されている。嵌合部61は、他の部位より外径が拡大されており、よって、厚肉になっている。図1に示す未使用の状態では、この嵌合部61の内側には、内プロテクタ5の拡径部543が嵌合しており、これにより、内プロテクタ5(収納部54)と外プロテクタ6とは、固定されている。
【0039】
また、医療用針1の使用後、プロテクタ4を中空針2にリキャップした状態では、嵌合部61の内側には、第1縮径部35が嵌合する(図5参照)。なお、本発明では、図示の構成と異なり、プロテクタ4を中空針2にリキャップした状態で、例えば固定部53が嵌合部61(外プロテクタ6)の内側に嵌合するような構成であってもよい。
【0040】
図示の構成では、嵌合部61の内周面には、凸条611が周方向に沿ってリング状に突出形成されている。この凸条611は、前記嵌合時、拡径部543または第1縮径部35の外周面に食い込む(めり込む)ような状態となり、これにより、嵌合部61と、拡径部543または第1縮径部35との嵌合が強化される(より強固になる)。
【0041】
なお、プロテクタ4のリキャップ状態で、ハブ3とプロテクタ4(外プロテクタ6)とを再度接続(固定)するための構成としては、図示のような嵌合によるものに限らず、例えば、互いに螺合する雄ネジと雌ネジや、ハブ3とプロテクタ4とを相対的に回転することによりロックされるロック機構等によるものであってもよい。
【0042】
外プロテクタ6は、手で把持する把持部62を有しており、この把持部62を把持して開封部52の開封操作や、後述するリキャップ操作等を行う。図2に示すように、この把持部62の外周には、滑り止めのために、長手方向(軸方向)に沿って延びる複数の凸条63が並設されている。これにより、前記操作を容易かつ確実に行うことができる。
【0043】
図3に示すように、本実施形態では、開封部52の開封時に、内プロテクタ5(収納部54)と外プロテクタ6とが相対的に回転するのを防止する回転防止手段として、嵌合部61の内周面に形成された凸部(突起)64と、拡径部543の外周面に形成され、凸部64が挿入する凹部55とが設けられている。この凸部64と凹部55との係合により、把持部62を把持してハブ3に対しプロテクタ4を相対的に回転してねじった際、外プロテクタ6が収納部54に対して空回りすることをより確実に防止することができる。
【0044】
また、外プロテクタ6の内周面には、周方向に沿ってリング状に突出する係合凸部65が形成されている。医療用針1の使用後、プロテクタ4を中空針2にリキャップして、内プロテクタ5が外プロテクタ6に対し相対的に先端方向に移動したとき、係合凸部65の基端側に係合凸部542が係合(当接)する(図5参照)。これにより、内プロテクタ5が外プロテクタ6から先端側に抜けて離脱することを防止することができる。すなわち、係合凸部542と係合凸部65とは、内プロテクタ5が外プロテクタ6に対し一定の限度を超えて相対的に先端方向に移動するのを規制する規制手段として機能するものである。
【0045】
ハブ3の構成材料としては、各種樹脂材料が挙げられ、そのなかでも、特に、熱収縮性の小さいものが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、MSB樹脂、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ABS樹脂等が挙げられ、内プロテクタ5とのブロッキングに優れることから、特に、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートを用いることが好ましい。
【0046】
また、内プロテクタ5の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられ、開封部52の開封性が優れるという点で、ポリ塩化ビニルを用いることが好ましい。
【0047】
また、外プロテクタ6の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、耐熱性に優れるとともに、高圧蒸気滅菌時に内プロテクタ5とのブロッキングを生じないという点で、ポリプロピレンを用いることが好ましい。
【0048】
以上述べたような医療用針1は、種々の採血用容器、輸血用容器、輸液用容器、薬液投与用のシリンジ等の医療用具に対し接続用チューブを介して接続し、使用することができる。
【0049】
次に、前記医療用針1の使用方法(作用)について説明する。
医療用針1が未使用の状態(図1および図2に示す状態)で、ハブ3の把持部33とプロテクタ4の把持部62とをそれぞれ手指で把持し、互いに反対方向にねじり力を加えると、薄肉の開封部52が破断して、開封され、プロテクタ4(収納部54および外プロテクタ6)がハブ3から離脱する(図4参照)。このとき、固定部53は、ハブ3側に残留する。
【0050】
前述したように、このような開封部52の開封操作は、開封部52を目視で確認しながら行うことができることにより、操作がし易い。また、把持部33および62には、前述したような滑り止め防止の工夫がなされているため、開封部52の開封は、容易かつ確実に行うことができる。
【0051】
分離したプロテクタ4(収納部54および外プロテクタ6)から中空針2を基端方向に引き抜くと、図4に示すように、中空針2が露出する。
【0052】
露出した中空針2の針先21を例えば供血者の血管に刺通し、常法に従って採血を行う。採血された血液は、中空針2およびその基端に接続された接続チューブ(図示せず)を順次経て、血液バッグ(図示せず)等に導入され、貯留される。
【0053】
使用後、不要となった医療用針1は、廃棄処分に供される。このとき、中空針2が露出したままの状態では、危険であるため、プロテクタ4をリキャップする。すなわち、分離されたプロテクタ4の収納部54内に中空針2を収納し、中空針2を覆う(被包する)とともに、図5に示すように、ハブ3を外プロテクタ6に相対的に先端方向に移動させる。この操作は、把持部33と、把持部62とをそれぞれ手指で把持し、互いに近づけるようにして行う。
【0054】
ハブ3を外プロテクタ6に相対的に先端方向に移動させると、これにともなって、固定部53の先端部が収納部54の基端部を押圧することにより、内プロテクタ5も外プロテクタ6に対し相対的に先端方向に移動する。
【0055】
内プロテクタ5は、係合凸部65の基端側に係合凸部542が係合(当接)することにより、それ以上、外プロテクタ6に対して相対的に先端方向に移動しないため、外プロテクタ6から先端側に抜けて離脱することが防止される。
【0056】
第1縮径部35が嵌合部61の内側に嵌合するまで、ハブ3を外プロテクタ6に相対的に先端方向に移動させると、プロテクタ4のリキャップの操作が完了する(図5参照)。
【0057】
第1縮径部35と嵌合部61とが嵌合した状態では、フランジ部351が凸条611を越えて先端側に位置するため、第1縮径部35と嵌合部61との嵌合が維持または強化され、よって、第1縮径部35が嵌合部61から離脱することが防止される。これにより、安全な状態が維持される。
【0058】
このようにプロテクタ4をリキャップした状態では、開封部52(収納部54の基端部および固定部53の先端部)は、外プロテクタ6内に挿入され、よって、外プロテクタ6の内側に隠れる。すなわち、医療用針1では、図1に示す未使用の状態では、開封部52が露出しており、図5に示す使用後の状態では、開封部52が外プロテクタ6の内側に隠れる。これにより、使用済みの医療用針1は、開封部52が見えなくなることにより、使用済みであることを容易に目視で確認することができる。よって、医療用針1は、優れたタンパープルーフ性(一度、使用状態になった事実を後で確認できること)を有しており、誤って再度使用することを確実に防止することができる。
【0059】
また、本発明では、プロテクタ4をリキャップした状態で開封部52が外プロテクタ6の内側に隠れることにより、中空針2に付着、残存した血液、薬液等の漏れ出しを防止することもできる。すなわち、破断した開封部52(収納部54の基端部と固定部53の先端部との隙間)から中空針2に付着、残存した血液、薬液等が外プロテクタ5内に漏れ出した場合であっても、この血液等は、基端側においては嵌合部61と第1縮径部35との嵌合箇所により遮断され、先端側においては係合凸部65と係合凸部542との係合箇所(密着箇所)により遮断され、よって、外プロテクタ5外に漏れ出すことが防止される。これにより、医療用針1では、中空針2に付着、残存した血液、薬液等の漏れ出し・飛散による汚染、感染等をより確実に防止することができる。
【0060】
また、図5に示す使用後の状態(プロテクタ4をリキャップした状態)では、内プロテクタ5が外プロテクタ6に対し相対的に先端方向に移動した状態になっていることにより、図1に示す未使用の状態と比べ、外プロテクタ6の先端からの内プロテクタ5の突出長さが増大する。すなわち、外プロテクタ6の先端からの内プロテクタ5の突出長さは、図1中のLから図5中のLに増大する。これにより、医療用針1は、外プロテクタ6の先端からの内プロテクタ5の突出長さが増大していることによっても、使用済みであることを容易に目視で確認することができ、優れたタンパープルーフ性を発揮する。
【0061】
なお、内プロテクタ5の外プロテクタ6に対する先端方向への移動ストローク(L−L)は、特に限定されないが、5〜15mm程度であるのが好ましい。この移動ストロークが長すぎると、リキャップの操作がしにくくなったり、医療用針1全体が大型化したりする場合がある。また、この移動ストロークが短すぎると、使用済みの状態における外プロテクタ6の先端からの内プロテクタ5の突出長さが短くなって、十分に確認できない(目立ちにくい)場合がある。
【0062】
また、本発明では、外プロテクタ6は、実質的に透明なものであってもよいが、少なくとも、図5に示す状態で開封部52を隠す(覆う)部分は、開封部52が十分に見えなくなる程度の不透明性(光遮断性)を有しているのが好ましい。
【0063】
<第2実施形態>
図6は、本発明の医療用針の第2実施形態における使用前の状態を示す側面図、図7は、図6に示す医療用針の使用後の状態を示す側面図である。
【0064】
以下、これらの図を参照して本発明の医療用針の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0065】
本実施形態の医療用針1’は、未使用であることを示す青色マーカーBと、使用済みであることを示す赤色マーカーRとを有すること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0066】
図6に示すように、未使用状態で外プロテクタ6の基端側に露出している部分の収納部54には、図中斜線で示す青色マーカー(第1のマーカー)Bが付されている。
【0067】
図7に示すように、医療用針1’の使用後、プロテクタ4をリキャップした状態では、この青色マーカーBは、外プロテクタ6の内側に隠れる。すなわち、青色マーカーBは、医療用針1’の未使用状態では見えており、使用済みの状態では見えなくなる。よって、本実施形態では、青色マーカーBによっても未使用状態と使用済みの状態とを区別することができ、より優れたタンパープルーフ性を発揮する。
【0068】
なお、青色マーカーBは、図示の位置に限らず、内プロテクタ5が外プロテクタ6に対し相対的に先端方向に移動する前には露出している位置であって、内プロテクタ5が外プロテクタ6に対し相対的に先端方向に移動した後には外プロテクタ6の内側に隠れる位置(例えば、固定部53)であれば、どの位置に付されていてもよい。
【0069】
図7に示すように、プロテクタ4をリキャップした状態で、外プロテクタ6の先端側に露出(突出)する部分の収納部54には、図中斜線で示す赤色マーカー(第2のマーカー)Rが付されている。
【0070】
図6に示す未使用の状態では、この赤色マーカーRは、外プロテクタ6の内側に隠れている。すなわち、赤色マーカーRは、医療用針1’の未使用状態では見えず、使用済みの状態になると現れる(見えるようになる)。よって、本実施形態では、赤色マーカーRによっても未使用状態と使用済みの状態とを区別することができ、より優れたタンパープルーフ性を発揮する。
【0071】
このような青色マーカーBや赤色マーカーRを設けた場合には、プロテクタ4のリキャップ時における内プロテクタ5の外プロテクタ6の先端からの突出長さが比較的小さく、目立ちにくい場合であっても、優れたタンパープルーフ性を発揮することができる。すなわち、前記移動ストローク(L−L)は、青色マーカーBや赤色マーカーRが隠れたり出現したりする程度の比較的小さい長さがあれば十分であるので、この移動ストロークが小さいような場合にも有利である。
【0072】
また、本実施形態では、青色マーカーBと、赤色マーカーRとの色が互いに異なっていることにより、青色が見えれば未使用であり、赤色が見えれば使用済みであることとなるため、未使用であるか使用済みであるかを一目で確認することができ、特に優れたタンパープルーフ性を発揮する。
【0073】
なお、赤色マーカーRは、図示の位置に限らず、内プロテクタ5が外プロテクタ6に対し相対的に先端方向に移動する前には外プロテクタ6の内側に隠れている位置であって、内プロテクタ5が外プロテクタ6に対し相対的に先端方向に移動した後には露出する位置であれば、どの位置に付されていてもよい。
【0074】
また、医療用針1’は、青色マーカーBと赤色マーカーRとのいずれか一方のみが付されているようなものであってもよい。
【0075】
また、青色マーカーBと、赤色マーカーRとは、それぞれ、青、赤以外の色のものでもよい。また、色に限らず、例えば文字によって未使用または使用済みであることを表示するものであってもよい。
【0076】
なお、本実施形態では、少なくとも青色マーカーBや赤色マーカーRを隠す(覆う)部分の外プロテクタ6は、これらのマーカーが十分に隠れる程度の不透明性(光遮断性)を有しているのが好ましい。
【0077】
以上、本発明の医療用針を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、医療用針を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0078】
例えば、前記開封部52のような分離部は、破断して開封することにより分離可能であるようなものに限らず、例えば、ネジの螺合によって分離可能であるようなものであってもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、優れたタンパープルーフ性が得られ、使用済みのものを誤って再度使用することを確実に防止することができる。
【0080】
また、プロテクタを分離後、確実にリキャップすることができるので、使用後の安全性、特に廃棄処理の際の安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用針の第1実施形態における使用前の状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の医療用針の第1実施形態における使用前の状態を示す側面図である。
【図3】図2中のX−X線横断面図である。
【図4】図1に示す医療用針の使用時の状態を示す縦断面図である。
【図5】図1に示す医療用針の使用後の状態を示す縦断面図である。
【図6】本発明の医療用針の第2実施形態における使用前の状態を示す側面図である。
【図7】図6に示す医療用針の使用後の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1、1’ 医療用針
2 中空針
21 針先
3 ハブ
31 環状凹部
32 突出部
33 把持部
34 凸条
35 第1縮径部
351 フランジ部
36 第2縮径部
37 基端面
4 プロテクタ
5 内プロテクタ
51 封止部
52 開封部
53 固定部
54 収納部
541 先端部
542 係合凸部
543 拡径部
55 凹部
6 外プロテクタ
61 嵌合部
611 凸条
62 把持部
63 凸条
64 凸部
65 係合凸部
B 青色マーカー
R 赤色マーカー

Claims (9)

  1. 先端に鋭利な針先を有する針体と、前記針体の基端側に設置されたハブと、前記針体の前記ハブより先端側突出部分を覆うプロテクタとを有する医療用針であって、
    前記プロテクタは、ほぼ筒状の外プロテクタと、前記外プロテクタの内側に挿入され、ほぼ筒状の内プロテクタとを有し、
    前記内プロテクタの基端部は、前記ハブに固定または一体化され、かつ、分離可能な分離部を有し、
    前記分離部を分離することにより、前記内プロテクタの前記分離部より先端側の部分を前記ハブから分離し得るようになっており、
    前記分離部は、分離前には前記外プロテクタの基端側に露出しており、
    前記分離部の分離後、前記ハブを前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動させることにより、前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動し、これにより、前記分離部が前記外プロテクタの内側に隠れるよう構成されており、
    前記内プロテクタは、前記分離部の分離後に前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動したときは、前記内プロテクタの前記分離部より先端側の部分の基端部が押圧されて、前記外プロテクタの先端からの突出長さが増大することを特徴とする医療用針。
  2. 前記分離部は、薄肉部で構成され、破断して開封し得る開封部である請求項1に記載の医療用針。
  3. 前記ハブを前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動したときは、前記ハブまたは前記内プロテクタの前記分離部より基端側の部分が前記外プロテクタの内側に嵌合する請求項1または2に記載の医療用針。
  4. 前記ハブは、筒状をなすものであり、外径が縮径した第1の縮径部と、該第1の縮径部の先端側に設けられ、外径が前記第1の縮径部の外径よりも小さい第2の縮径部と、前記第1の縮径部と前記第2の縮径部との間に設けられ、外径が前記第1の縮径部の外径よりも大きいフランジ部とを有し、
    前記第2の縮径部には、前記内プロテクタの前記分離部よりも基端側の部分が嵌合し、前記第1の縮径部には、前記分離部の分離後に前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動した際に、該外プロテクタの基端部が前記フランジ部を乗り越えて嵌合する請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用針。
  5. 前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し一定の限度を超えて相対的に先端方向に移動しないように規制する規制手段を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用針。
  6. 前記分離部の分離時に、前記内プロテクタと前記外プロテクタとが相対的に回転するのを防止する回転防止手段を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用針。
  7. 前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動する前には露出している位置であって、前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動した後には前記外プロテクタの内側に隠れる位置に、第1のマーカーを有する請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用針。
  8. 前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動する前には前記外プロテクタの内側に隠れている位置であって、前記内プロテクタが前記外プロテクタに対し相対的に先端方向に移動した後には露出する位置に、第2のマーカーを有する請求項7に記載の医療用針。
  9. 前記第2のマーカーは、前記第1のマーカーと色が互いに異なる請求項8に記載の医療用針。
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