JP3904636B2 - 医療用針および医療用具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば採血、輸血、輸液等に用いられる医療用針およびこれを備えた例えば血液バッグ、輸液バッグのような医療用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療用具に接続用チューブを介して接続して用いられる医療用針が知られており、例えば、特開昭60−241452号公報には、血液バッグに接続用チューブを介して接続された医療用針が記載されている。
【0003】
この医療用針は、先端に鋭利な針先を有する中空針の基端を支持するハブと、前記中空針を被包するように装着されるプロテクタとを有し、これらの間に分離可能なカプラー(開封部材)が設けられた構造となっており、このカプラーをブロッキング(溶剤や接着剤等の他の手段を介することなく、2つの部材が高圧蒸気滅菌時の熱等により互いに接着する現象をいう。)によりかしめることで、前記ハブと前記プロテクタとが液密に接合されている。
【0004】
そして、この医療用針は、使用時には、カプラーを開封してプロテクタを除去し、中空針を露出できるように構成されている。すなわち、この医療用針は、タンパープルーフ性(一度、使用状態になった事実を後で確認できること)を備えており、再使用することが防止できる。
【0005】
しかしながら、この医療用針は、一度カプラーを開封してプロテクタを除去し、中空針を露出させると、再びプロテクタ内に中空針を収納しても、プロテクタが容易に脱落してしまうため、使用後に投棄する際、中空針が露出状態となることがあり、投棄作業者に危険を及ぼすおそれがあった。
【0006】
この問題を解決するものとして、特開平3−85174号公報には、ハブとプロテクタとの間に設けられたカプラーを覆うように環状の接続部材をプロテクタの基端側に設け、使用後、プロテクタ内に中空針を収納した時に、プロテクタが容易に脱落することを防止する医療用針が記載されている。
【0007】
しかしながら、上述の医療用針は、いずれも、ハブとプロテクタとの間に別部材のカプラーを設けたものであるため、構造が複雑であり、部品点数が増大し、しかも、精密な組立技術を必要とするという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡易な構造かつ少ない部品点数で、タンパープルーフ性を備えるとともに使用後の安全性を確保することができる医療用針およびこれを備えた医療用具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
【0010】
(1) 先端側に鋭利な針先を有する中空針と、
前記中空針の基端部を支持するとともにチューブを前記中空針と連通するように接続可能なハブと、
前記中空針の前記ハブより先端側突出部分を被包する筒状のプロテクタとを有する医療用針であって、
前記ハブは、先端側に段差部が形成されており、
前記プロテクタは、破断して開封し得る開封部と、前記開封部を境界として該開封部より先端側の部分である第1の部分と、前記開封部を境界として該開封部より基端側の部分である第2の部分とを備え、前記第2の部分が前記段差部に嵌入されて前記ハブに対して固定されており、
前記プロテクタは、前記開封部を開封後、前記第1の部分が前記第2の部分の内側に嵌合するように構成されており、
前記第1の部分の外周面には、先端方向へ向かって高さが漸増するテーパ面を有する複数の係合部が形成されており、
前記第2の部分の内側には、顎部が形成されており、
前記第1の部分を前記第2の部分の内側に嵌合した際、前記各係合部の頂部が前記顎部に係合して、それらの嵌合力を維持または強化するように構成されており、かつ、前記開封部を開封する前の状態に比べて、全長が短くなるように構成されていることを特徴とする医療用針。
【0011】
(2) 前記開封部は、薄肉部で構成されている上記(1)に記載の医療用針。
【0015】
(3) 前記プロテクタの前記第1の部分より先端側に、前記第1の部分より拡大した把持部が形成されている上記(1)または(2)に記載の医療用針。
【0016】
(4) 前記プロテクタは、その先端に封止部を有しており、開封後、前記第1の部分と前記第2の部分とが嵌合した状態で、前記針先が前記封止部に接触しない程度の長さを有している上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用針。
【0017】
(5) 前記ハブの外周部に、把持部が形成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用針。
【0018】
(6) 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用針と、前記医療用針を介して採取または排出される液体が収納される容器と、前記医療用針の前記ハブと前記容器とを接続するチューブとを備えることを特徴とする医療用具。
【0019】
(7) 前記容器は、可撓性を有するシート材で構成されたバッグである上記(6)に記載の医療用具。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の医療用針および医療用具を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1、図2および図3は、それぞれ、本発明の医療用針の実施例における使用前の状態、使用時の状態および使用後の状態を示す部分縦断面図である。なお、図1〜図3中の右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
【0022】
図1〜図3に示すように、本発明の医療用針1は、中空針2と、中空針2の基端を支持するハブ3と、中空針2のハブ3より先端側に突出した部分を被包する筒状のプロテクタ4とで構成されている。
【0023】
中空針2は、例えばステンレス鋼、アルミニウム、チタンのような金属またはポリフェニレンサルファイドのような硬質樹脂で構成され、その先端に鋭利な針先21を有している。中空針2の基端側は、図示しない接着剤(例えば、エポキシ樹脂)によりハブ3に固着されている。
【0024】
ハブ3の基端側には、環状凹部31と、その内側に位置する突出部32とがそれぞれ同軸で形成されており、この環状凹部31および突出部32に、例えば可撓性を有する接続用チューブ9の端部が嵌入され、接続されるように構成されている。接続用チューブ9をハブ3に接続した状態では、接続用チューブ9の内腔と、中空針2の内腔とが連通し、これらの間に液体の流通が可能となる。
【0025】
また、ハブ3は、手で把持する把持部33を有しており、この把持部33を把持して開封部5の開封操作や中空針2の穿刺操作等を行う。この把持部33の外面には、滑り止めのために、散点状または筋状に複数の凸部34が形成されている。これにより、前記操作を容易かつ確実に行うことができる。また、把持部33の外周にゴムのような摩擦係数の大きい材料による層(図示せず)を被覆形成することもでき、これによっても、同様に滑り止め効果が得られる。
【0026】
また、ハブ3の先端側には、プロテクタ4の基端が嵌入され、固定される段差部35が形成されている。
【0027】
プロテクタ4は、その先端が封止部41により閉塞された筒状の部材である。このプロテクタ4は、開封部5と、開封部5より基端側部分である接続部(第2の部分)6と、開封部5より先端側部分である収納部7とで構成され、接続部6がハブ3の段差部35に嵌入されて、ハブ3に対し固定されている。なお、図示と異なり、接続部6と段差部35とが一体的に形成されていてもよい。
【0028】
図1に示す未使用の状態では、中空針2は、プロテクタ4により好ましくは気密的に収納されている。従って、ハブ3に接続用チューブ9を接続した状態、またはハブ3の基端面36を剥離可能なフィルム(図示せず)により封止した場合には、中空針2の無菌性の維持が可能となる。
【0029】
開封部5は、リング状の薄肉部で構成されている。この薄肉部の厚さは、例えば0.1〜0.4mm程度とされる。ハブ3に対しプロテクタ4を相対的に回転してねじると、薄肉部よりなる開封部5に応力が集中して、容易に破断、分離し、開封される。この開封部5を破断して開封すると、接続部6はハブ3側に残留し、収納部7が接続部6から分離する。分離された収納部7を除去すると、中空針2が露出し、中空針2の生体またはゴム栓等への穿刺が可能となる(図2参照)。
【0030】
接続部6と段差部35との接合は、段差部35の外周に接続部6の基端部を嵌合し、好ましくは高圧蒸気滅菌時の熱により生じるブロッキングによりかしめることでなされる。なお、この接合が不十分な場合には、接着剤等を付与して接着することも可能である。接着剤としては、無溶剤型接着剤が好ましく、特に紫外線硬化型接着剤が好ましい。
【0031】
また、接続部6の先端部には、その内径が縮径した顎部61が形成されている。
【0032】
収納部7は、開封部5に続く嵌合部(第1の部分)71と、この嵌合部71より先端側の把持部72とを有している。嵌合部71は、開封部5を開封後、再接続の際に、接続部6の内側に嵌合する部分である(図3参照)。なお、嵌合部71と接続部6との嵌合構造は、図示のようなものに限定されず、例えば、嵌合部71が接続部6の外側に嵌合するような構成であってもよい。
【0033】
嵌合部71の外周面には、先端方向へ向かって高さが漸増するテーパ面712を有する複数の係合部711が形成されている。図示の構成では、係合部711は、嵌合部71の外周方向に沿って等間隔で4つ形成されている。
【0034】
嵌合部71を接続部6に嵌合したとき、係合部711の先端(頂部)が接続部6の内側の顎部61と係合し(図3参照)、これにより、嵌合部71と接続部6との嵌合が維持または強化され、嵌合部71が接続部6から抜けにくくなる。
【0035】
なお、本実施例においては、成形が容易であることから、係合部711を嵌合部71の外表面にのみ設けたが、例えば、接続部6の内面に設けてもよく、あるいは、これらの双方に設けてもよい。
【0036】
また、係合部711の形状、構造、設置位置等も、図示のようなものに限らず、例えば、円形の凸部および/または凹部、互いに螺合する雄螺子と雌螺子、ハブ3と収納部7とを相対的に回転することによりロックされるロック機構等であってもよい。
【0037】
プロテクタ4には、嵌合部71より先端側に、手で把持する把持部72が設けられており、この把持部72を把持して開封部5の開封操作を容易に行うことができる。この把持部72は、把持を容易かつ確実に行えるようにするために、嵌合部71より拡大しており、すなわち、その全部または一部が嵌合部71より外径が大きくなっている。この把持部72は、例えば、肉厚扁平な形状であってもよい。また、把持部72の外表面に対し、例えばエンボス加工により微小な凹凸(図示せず)を形成する、ゴムのような摩擦係数の大きい材料による層を被覆形成する等、滑り止めのための処理や加工を行ってもよい。
【0038】
このような医療用針1は、未使用の状態(図1に示す状態)と、使用後、プロテクタ4を再接続(以下、「リキャップ」と言う)した状態(図3に示す状態)とでは、後者の方が医療用針1の全長が短くなる。すなわち、リキャップした状態の方が、中空針2の針先21がプロテクタの封止部41により接近する。
【0039】
従って、プロテクタ4の長さは、リキャップした状態で、針先21が封止部41に接触しない程度の長さを有しているのが好ましく、針先21と封止部41との距離が5.0〜10.0mm程度であるのが好ましい。
【0040】
なお、プロテクタ4が封止部41を有さない場合(プロテクタ4の先端が開放状態の場合)でも、リキャップ時に針先21がプロテクタ4の先端から突出しないように(危険防止のため)、プロテクタ4の長さは、前記と同程度であるのが好ましい。
【0041】
ハブ3の構成材料としては、各種樹脂材料が挙げられ、そのなかでも、特に、熱収縮性の小さいものが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリカーボネート、硬質ポリ塩化ビニル、MSB樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられ、高圧蒸気滅菌時の変形防止、耐熱性向上の観点から、特に、ポリカーボネートを用いることが好ましい。
【0042】
また、プロテクタ4の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられ、開封部5の開封性が優れるという点で、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンを用いることが好ましい。
【0043】
また、プロテクタ4は、収納されている中空針2の存在やその性状(表面の汚れ等)を確認することができるように、透明または半透明であるのが好ましい。
【0044】
以上述べたような医療用針1は、種々の採血用容器、輸血用容器、輸液用容器、薬液投与用のシリンジ等の医療用具に対し接続用チューブを介して接続し、使用することができる。
【0045】
図4は、前記医療用針1を備えた本発明の医療用具の実施例の外観を示す平面図である。同図に示すように、本発明の医療用具10は、図1〜図3に示す医療用針1と、血液バッグ(容器)8と、それらを接続する接続用チューブ9とで構成されている。
【0046】
血液バッグ8は、例えばポリ塩化ビニルのような軟質樹脂製の可撓性を有するシート材81を重ね、その周縁のシール部82において融着(熱融着、高周波融着)または接着し、袋状としたものである。この血液バッグ8のシール部82で囲まれた内側の空間には、採血血液を貯留する貯留空間83が形成されている。また、血液バッグ8の上部には、ピールタブにより開封可能に封止された2つの開口部84が形成されている。
【0047】
なお、貯留空間83内には、例えば、ヘパリンナトリム液、ACD−A液、CPD液、CPD−A液のような抗凝固剤が予め入れられていてもよい。
【0048】
また、血液バッグ8の上部には、例えば軟質ポリ塩化ビニルのような軟質樹脂で構成された可撓性を有する接続用チューブ9の一端が、貯留空間83に連通するように接続されている。この場合、接続用チューブ9は、シート材81間に挟まれ、融着(熱融着、高周波融着)により固着され、接続されている。
【0049】
接続用チューブ9の他端は、医療用針1のハブ3の基端に形成された環状凹部31および突出部32に嵌入され、さらにこの状態で高圧蒸気滅菌することによるブロッキングにより接着されて固定されている。なお、ハブ3と接続用チューブ9との接続には、接着剤を用いてもよい。この接着剤としては、無溶剤型接着剤が好ましく、特に紫外線硬化型接着剤を用いるのが好ましい。
【0050】
なお、接続用チューブ9は、1本のものに限らず、複数本をコネクタ等を介して接続したものや、途中で複数に分岐したものなどであってもよい。
【0051】
また、1つの血液バッグ8に対し複数の接続用チューブ9が接続され、または接続用チューブ9が複数の分岐端を有し、それらの各々に医療用針1が接続されていてもよい。
【0052】
以上のような医療用具10は、医療用針1の中空針2により採取された例えば、血液等の液体を接続用チューブ9を介して血液バッグ8の貯留空間83に導入し、貯留することができる。また、血液バッグ8の貯留空間83に貯留された血液等の液体を接続チューブ9を介して移送し、医療用針1の中空針2の針先21から排出(注入)することができる。
【0053】
なお、本発明の医療用具は、血液バッグに限らず、血漿、赤血球、バフィーコート、血小板のような血液成分を収納するバッグや、生理食塩水、ブドウ糖液、高カロリー液、その他各種薬液のような輸液を収納するバッグであってもよい。
【0054】
また、本発明の医療用具は、以上のようなバッグを複数個有するバッグ連結体(マルチプルバッグ)であってもよい。
【0055】
さらに、本発明の医療用具は、容器の形態が袋状のバッグに限らず、例えば、ボトル(瓶)やシリンジのようなものであってもよい。
【0056】
次に、前記医療用針1およびこれを備えた医療用具10の使用方法(作用)について説明する。
【0057】
図1に示すように、医療用針1が未使用の状態で、ハブ3の把持部33とプロテクタ4の把持部72とをそれぞれ手指で把持し、互いに反対方向にねじり力を加えると、薄肉の開封部5が破断して、開封され、プロテクタ4の収納部7がハブ3から離脱する。このとき、接続部6は、ハブ3側に残留する。
【0058】
把持部33および72には、前述したような滑り止め防止の工夫がなされているため、このような開封部5の開封は、容易かつ確実に行うことができる。分離した収納部7から中空針2を基端方向に引き抜くと、図2に示すように、中空針2が露出する。
【0059】
露出した中空針2の針先21を例えば供血者の血管に刺通し、常法に従って採血を行う。採血された血液は、中空針2およびその基端に接続された接続チューブ9を順次経て、血液バッグ8の貯留空間83に導入され、貯留される。
【0060】
医療用針1は、一旦開封された後は、元の状態には復元できず、タンパープルーフ性を有する。従って、プロテクタ4の開封状態を視認することで、未使用であるか否かを認識することができ、誤って再度使用することが防止される。
【0061】
血液バッグ8内の採血血液等を使用後、不要となった医療用具10は、廃棄処分に供される。このときには、医療用針1の中空針2が露出したままの状態では、危険であるため、プロテクタ4をリキャップする。すなわち、分離されたプロテクタ4の収納部7内に中空針2を収納し、中空針2を被包するとともに、図3に示すように、収納部7をハブ3側に押圧して、嵌合部71を接続部6の内側に嵌合する。
【0062】
嵌合部71と接続部6とが嵌合した状態では、各係合部711が接続部6の顎部61と係合するため、嵌合部71と接続部6との嵌合が維持または強化され、よって、嵌合部71が接続部6から離脱することが防止される。これにより、安全な状態が維持される。
【0063】
このようにプロテクタ4がリキャップされた状態で、医療用針1は、血液バッグ8および接続用チューブ9とともに廃棄される。
【0064】
また、リキャップされた状態では、針先21から液漏れが生じた場合でも、その液が周囲に飛散し、汚染することが防止される。
【0065】
なお、血液バッグ8に血液等を収納した後、接続用チューブ9の途中を融着等により封止し、この封止部を切断、分離し、血液入りの血液バッグ8を保存に供するとともに、血液バッグ8から分離された医療用針1を廃棄する場合もある。この場合にも、安全確保のため、医療用針1は、前記と同様にリキャップされた状態で廃棄される。
【0066】
以上、本発明の医療用針および医療用具を図示の実施例に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0067】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明の医療用針および医療用具は、タンパープルーフ性を有し、使用済みのものを誤って再度使用することを防止することができるとともに、プロテクタを開封後、確実にリキャップすることができるので、使用後の安全性、特に廃棄処理の際の安全性を確保することができる。特に、開封部がプロテクタに形成されているので、別途に開封部材を設ける必要がなく、よって、構造が簡単であり、最小限の部品点数で構成することができ、しかも、組み立てが容易である。
【0068】
また、リキャップ時に嵌合する部分にその嵌合力を維持または強化する係合部材が設けられている場合には、リキャップしたプロテクタがハブから離脱することが防止され、安全な状態を確実に維持することができる。
【0069】
また、開封部が薄肉部で構成されている場合や、ハブやプロテクタに把持部が形成されている場合には、プロテクタの開封操作を容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用針の実施例における使用前の状態を示す部分縦断面図である。
【図2】本発明の医療用針の実施例における使用時の状態を示す部分縦断面図である。
【図3】本発明の医療用針の実施例における使用後の状態(リキャップ状態)を示す部分縦断面図である。
【図4】本発明の医療用具の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 医療用針
2 中空針
21 針先
3 ハブ
31 環状凹部
32 突出部
33 把持部
34 凸部
35 段差部
36 基端面
4 プロテクタ
41 封止部
5 開封部
6 接合部
61 顎部
7 収納部
71 嵌合部
711 係合部
712 テーパ面
72 把持部
8 血液バッグ
81 シート材
82 シール部
83 貯留空間
84 開口
9 接続用チューブ
10 医療用具
Claims (7)
- 先端側に鋭利な針先を有する中空針と、
前記中空針の基端部を支持するとともにチューブを前記中空針と連通するように接続可能なハブと、
前記中空針の前記ハブより先端側突出部分を被包する筒状のプロテクタとを有する医療用針であって、
前記ハブは、先端側に段差部が形成されており、
前記プロテクタは、破断して開封し得る開封部と、前記開封部を境界として該開封部より先端側の部分である第1の部分と、前記開封部を境界として該開封部より基端側の部分である第2の部分とを備え、前記第2の部分が前記段差部に嵌入されて前記ハブに対して固定されており、
前記プロテクタは、前記開封部を開封後、前記第1の部分が前記第2の部分の内側に嵌合するように構成されており、
前記第1の部分の外周面には、先端方向へ向かって高さが漸増するテーパ面を有する複数の係合部が形成されており、
前記第2の部分の内側には、顎部が形成されており、
前記第1の部分を前記第2の部分の内側に嵌合した際、前記各係合部の頂部が前記顎部に係合して、それらの嵌合力を維持または強化するように構成されており、かつ、前記開封部を開封する前の状態に比べて、全長が短くなるように構成されていることを特徴とする医療用針。 - 前記開封部は、薄肉部で構成されている請求項1に記載の医療用針。
- 前記プロテクタの前記第1の部分より先端側に、前記第1の部分より拡大した把持部が形成されている請求項1または2に記載の医療用針。
- 前記プロテクタは、その先端に封止部を有しており、開封後、前記第1の部分と前記第2の部分とが嵌合した状態で、前記針先が前記封止部に接触しない程度の長さを有している請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用針。
- 前記ハブの外周部に、把持部が形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用針。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用針と、前記医療用針を介して採取または排出される液体が収納される容器と、前記医療用針の前記ハブと前記容器とを接続するチューブとを備えることを特徴とする医療用具。
- 前記容器は、可撓性を有するシート材で構成されたバッグである請求項6に記載の医療用具。
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