JP4956220B2 - 薬液注入用具および薬液注入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具と、この薬液注入用具を利用して被験者の血管に薬液を圧入する薬液注入装置と、に関する。
現在、被験者の血管に薬液を注入する場合、シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジに注射針を直接に装着し、その注射針を血管に直接に穿刺することがある。しかし、これは注入が長時間となる場合や大容量の薬液を注入する場合には困難なので、このような場合には、薬液シリンジに柔軟な延長チューブで注射針を連結している。
さらに、被験者が長期間の入院患者などの場合には注射針の穿刺が何度も必要となることがある。このため、このような場合には血管に留置しても被験者の負担が微少な留置針が利用されている。
また、CT(Computed Tomography)スキャナやMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置などの透視撮像装置で被験者から透視画像を撮像する場合、一般的に被験者の血管に造影剤を注入する。しかし、透視画像の撮像は長時間となることがある。このため、このような場合にも造影剤の注入に留置針を利用する場合がある。
上述のような留置針の一従来例を図17を参照して以下に説明する。ここで薬液注入用具として例示する留置針10は、外針11と内針12と管状部材13とを有し、外針11は、例えば、シリコン樹脂で柔軟な管状に形成されている。内針12は、例えば、ステンレス合金で硬質な先鋭の針状に形成されており、この内針12が外針11の内部に挿入されている。
管状部材13は、硬質で透明な樹脂などで前端と後端とが開口した管状に形成されており、その前端開口に外針11の後端が一体に連結されている。また、管状部材13の後端開口には弾性部材であるパッキン14が装着されており、このパッキン14を内針12が貫通している。このパッキン14は管状部材13の後端開口を密閉しており、パッキン14から突出した内針12の後部にはノブ状部16が一体に形成されている。
管状部材13は、側部にも管状部分が形成されており、この管状部分にも開口が形成されている。この管状部分には別体の柔軟な延長チューブ17の前端がジョイント18により着脱自在に装着され、この延長チューブ17の後端には、薬液シリンジや薬液ボトルなどの薬液容器(図示せず)が着脱自在に装着される。なお、延長チューブ17には、気泡排除手段である排気弁(図示せず)が装着されており、この排気弁が延長チューブ17の内部の液体から気泡を排除する。
上述のような構造の留置針10を使用する場合は、図17(a)に示すように、内針12が外針11の内部に配置された状態で、この外針11と内針12とが被験者の血管に穿刺される(図示せず)。
つぎに、図17(b)に示すように、このような状態でノブ状部16が引き出されて内針12が外針11と管状部材13から抜去されると、逆流する被験者の血液で外針11と管状部材13の内部が充填される。なお、このように内針12を離脱させると、パッキン14は弾性により開口が閉止される。
つぎに、図17(c)に示すように、後端に薬液シリンジが連結されて内部が薬液で充填された延長チューブ17の前端が管状部材13に連結され、例えば、排気弁により管状部材13と延長チューブ17との内部の液体から気泡が排除される。
このような状態では、薬液シリンジから延長チューブ17と留置針10とを介して被験者の血管に薬液を注入することができ、それでいて血管に穿刺されている外針11は柔軟なので被験者の身体的な負担が軽減されている。
外針11は柔軟であるが、血管に穿刺されるときには硬質な内針12で保持されている。このため、外針11を血管に容易に穿刺することができる。現在、上述のような留置針として各種の提案がある(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開平07−328116号公報 特開平09−000629号公報 特開平10−015074号公報 特開平10−028739号公報
従来の留置針10は、作業者が薬液シリンジを手作業で操作することを想定して製造されている。このため、内針12が抜去されたパッキン14の貫通孔を弾性により充分に密閉することができた。
しかし、CTスキャナやMRI装置などの透視撮像装置で被験者から透視画像を撮像する場合、造影剤などの薬液を薬液注入装置で被験者の血管に圧入することがある(図示せず)。
このような薬液注入装置は、手作業では不可能な圧力で薬液シリンジを駆動する。このため、上述のようにパッキン14の弾性だけで貫通孔を密閉する構造では薬液の漏出を防止できない。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、薬液が高圧に注入されても内針が抜去された貫通孔から漏出しない薬液注入用具と、この薬液注入用具を利用して薬液を被験者の血管に注入する薬液注入装置と、を提供することを目的とする。
本発明の薬液注入用具は、被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、少なくとも外針の内部に挿入されていて血管に穿刺される前部が硬質な内針と、外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で管状部材の雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、回動操作により前進するネジ部材に押圧されると内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、を有する。
従って、本発明の薬液注入用具では、内針が抜去されてから管状部材に螺合されているネジ部材が回動されて所定位置まで前進されると、そのネジ部材に押圧されることで弾性部材の貫通孔が閉止される。
本発明の第一の薬液注入装置は、被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具に延長チューブで連結された薬液シリンジを駆動する薬液注入装置であって、本発明の薬液注入用具のRFIDチップと無線通信するRFIDリーダと、薬液シリンジを駆動するシリンジ駆動機構と、RFIDリーダがRFIDチップを検出しないとシリンジ駆動機構を作動させない動作制御部と、を有する。
従って、本発明の薬液注入装置では、薬液注入用具のRFIDチップが検出されないと薬液シリンジが駆動されない。薬液注入用具は、ネジ部材が所定位置まで前進されず弾性部材の貫通孔が閉止されていない状態では、RFIDチップとアンテナ部とが離間していて通信距離が短縮されている。一方、ネジ部材が所定位置まで前進されて弾性部材の貫通孔が閉止された状態では、RFIDチップとアンテナ部とが接続されて通信距離が延長される。このため、薬液注入装置のRFIDリーダの通信距離が適正に設定されていれば、薬液注入用具のネジ部材により弾性部材の貫通孔が閉止されているときのみ、RFIDチップが検出されて薬液シリンジが駆動される。
本発明の第二の薬液注入装置では、被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具に延長チューブで連結された薬液シリンジを駆動する薬液注入装置であって、本発明の薬液注入用具のRFIDチップと無線通信するRFIDリーダと、薬液シリンジを駆動するシリンジ駆動機構と、RFIDリーダがRFIDチップを検出しているときはシリンジ駆動機構を作動させない動作制御部と、を有する。
従って、本発明の薬液注入装置では、薬液注入用具のRFIDチップが検出されているときは薬液シリンジが駆動されない。薬液注入用具は、ネジ部材が初期位置のままで弾性部材の貫通孔が閉止されていない初期状態では、RFIDチップのチップ本体とアンテナ部とが接続されていて通信距離が延長されている。一方、ネジ部材が所定位置まで前進されて弾性部材の貫通孔が閉止された状態では、チップ本体とアンテナ部とが破断されて通信距離が短縮される。このため、薬液注入装置のRFIDリーダの通信距離が適正に設定されていれば、薬液注入用具のネジ部材により弾性部材の貫通孔が閉止されると、RFIDチップが検出されなくなって薬液シリンジが駆動される。
なお、本発明で云う各種の構成要素は、かならずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等も可能である。
また、本発明では前後方向を規定しているが、これは各種の構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定したものであり、本発明を実施する場合の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
さらに、本発明で云う円錐凸面および円錐凹面とは、円錐状の凸面および凹面であればよい。このため、可展面からなる完全な円錐形である必要はなく、半球状の非可展面などでもよい。
また、本発明で云う部材が透明とは、その部材を介して下方の部材の発色を視認できることを意味している。このため、その透明な部材が、完全な無色透明である必要はなく、いわゆる半透明や有色透明でもよい。
さらに、本発明で云う前部とは、前端から任意の位置までの部分を意味しており、後部とは、後端から任意の位置までの部分を意味している。
本発明の薬液注入用具では、内針が抜去されてから管状部材に螺合されているネジ部材が回動されて所定位置まで前進されると、そのネジ部材に押圧されることで弾性部材の貫通孔が閉止される。このため、薬液が高圧に圧入されても弾性部材の貫通孔から漏出することがない。しかも、ネジ部材は最初から管状部材に螺合されている。このため、複雑な操作などを必要とすることなく簡単に弾性部材の貫通孔を密閉することができる。
本発明の薬液注入装置では、RFIDリーダの通信距離が適正に設定されていれば、薬液注入用具のネジ部材により弾性部材の貫通孔が閉止されていると薬液シリンジが駆動される。このため、薬液注入用具の弾性部材の貫通孔が閉止されていない状態で薬液シリンジが駆動されて薬液が漏出することを有効に防止することができる。しかも、RFIDチップとRFIDリーダとの無線通信により、薬液注入用具の各種データを取得することもできる。このため、例えば、薬液注入用具の耐圧に対応して薬液シリンジを駆動する応力を適正に調整するようなこともできる。
本発明の実施の一形態を図1ないし図4を参照して以下に説明する。本発明の実施の形態の薬液注入システム1000は、薬液注入装置100、薬液容器である薬液シリンジ200、薬液注入用具である留置針300、透視撮像装置であるMRI装置400、を有する。
このMRI装置400は、撮像実行機構である透視撮像ユニット401と撮像制御ユニット402とを有する。透視撮像ユニット401は被験者(図示せず)から透視画像を撮像し、撮像制御ユニット402は透視撮像ユニット401を動作制御する。
薬液シリンジ200は、図2に示すように、シリンダ部材210とピストン部材220とを有し、シリンダ部材210にピストン部材220がスライド自在に挿入されている。シリンダ部材210は、円筒形の中空の本体部211を有し、この本体部211の閉塞した前端に導管部212が形成されている。
シリンダ部材210の本体部211の後端は開口されており、この開口から本体部211の内部にピストン部材220が挿入されている。シリンダ部材210の後端外周にはシリンダフランジ213が形成されており、ピストン部材220の後端外周にはピストンフランジ221が形成されている。
なお、この薬液シリンジ200としては、薬液として造影剤が充填されている造影シリンジ200Cと、薬液として生理食塩水が充填されている生食シリンジ200Pと、があり、薬液注入装置100には、造影および生食シリンジ200C,200Pが一個ずつ同時に装着される。
本実施の形態の薬液注入装置100は、図3に示すように、注入制御ユニット101と注入ヘッド110とが別体に形成されており、その注入制御ユニット101と注入ヘッド110とは通信ケーブル102で有線接続されている。注入ヘッド110は、装着される薬液シリンジ200を駆動して被験者に薬液を注入し、注入制御ユニット101は、注入ヘッド110を動作制御する。
注入ヘッド110は、キャスタスタンド111の上端に可動アーム112で装着されており、そのヘッド本体113の上面には、薬液シリンジ200が着脱自在に装着される半円筒形の溝状の凹部114が二つ形成されている。
この凹部114には、薬液シリンジ200のシリンダフランジ213を着脱自在に保持するシリンダ保持機構116が凹溝で形成されており、その後方には、ピストンフランジ221を保持してスライド移動させるシリンジ駆動機構117が配置されている。
シリンジ駆動機構117は、作動時にも磁界を発生しない超音波モータ(図示せず)を駆動源として個々に有し、ネジ機構(図示せず)などによりピストン部材220をスライド移動させる。
注入ヘッド110の二つの凹部114には、造影および生食シリンジ200C,200Pが個々に装着される。このため、これら二つの凹部114と二個のシリンジ駆動機構117により、被験者に造影剤を注入する造影注入機構117Cと生理食塩水を注入する生食注入機構117Pとが形成されている。
本実施の形態の薬液注入装置100では、少なくとも注入ヘッド110の各部が非磁性体で形成されており、非磁性体で形成できない部分は防磁されている。例えば、超音波モータなどの金属部分は、燐青銅合金(Cu+Sn+P)、チタン合金(Ti-6Al-4V)、マグネシウム合金(Mg+Al+Zn)、などの非磁性体で形成されており、ヘッド本体113などは非磁性体の樹脂で形成されている。
注入制御ユニット101は、操作パネル103、タッチパネル104、スピーカユニット105、等が本体ハウジング106の前面に配置されており、別体のコントローラユニット107が接続コネクタ108で有線接続されている。
本実施の形態の薬液注入装置100は、基本的には注入制御ユニット101への手動操作で注入ヘッド110が動作制御されるが、簡単な手動操作を受け付ける操作パネルが注入ヘッド110の上面後部にも形成されている。
本実施の形態の留置針300は、図1に示すように、血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針310と、少なくとも外針310の内部に挿入されていて血管に穿刺される前部が硬質な内針320と、外針310の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から内針320の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部333が形成されている管状部材330と、内針320の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部361で管状部材330の雄ネジ部333に回動自在に螺合しているネジ部材360と、回動操作により前進するネジ部材360に押圧されると内針320が挿通されていた貫通孔371が閉止される弾性部材370と、を有する。
より具体的には、外針310は、例えば、柔軟なシリコン樹脂により、湾曲は容易であるが伸縮は困難な細管状に形成されている。内針320は、針本体321とガイドワイヤ322とを有する。
内針320の針本体321は、例えば、硬質なステンレス合金により、先鋭な形状に形成されている。ガイドワイヤ322は、例えば、湾曲は容易であるが伸縮は困難な金属製の柔軟なワイヤで形成されており、その前端が針本体321の後端に一体に連結されている。
なお、針本体321は、前端から後端まで流路323が連通した管状に形成されている。針本体321の後端開口に挿入されたガイドワイヤ322は、かしめや接着などで固定されている。この固定により針本体321の流路323の後端開口は閉塞されているが、流路323に連通する開口324が針本体321の後部側面に形成されている。
管状部材330は、例えば、柔軟な樹脂製のチューブ部材331と硬質な樹脂製の管状本体332とを有し、これらは前端と後端とが開口した中空構造に各々形成されている。
チューブ部材331の後端と管状本体332の前端とは一体に連結されて相互の開口が連通されている。このため、前端と後端とが開口した中空構造の管状部材330が形成されている。
チューブ部材331は、例えば、湾曲は容易であるが伸縮は困難に形成されており、その前端に外針310の後端が一体に連結されて相互の開口が連通している。図1(a)に示すように、出荷状態の留置針300では、外針310の内部に内針320の針本体321が挿入されており、内針320の前端が外針310の前端から突出してる。
さらに、内針320のガイドワイヤ322は管状部材330のチューブ部材331と管状本体332との内部を挿通されており、ガイドワイヤ322の後部は管状本体332の後端開口から突出している。
弾性部材370は、柔軟で薬液と反応しないシリコン樹脂などで形成されている。弾性部材370は、内針320が挿通されている貫通孔371を中心とした円錐凸面372に後面が形成されており、その円錐凸面372が管状部材330の後端から後方に突出している。
ネジ部材360は、例えば、管状部材330の管状本体332と同様に、硬質な樹脂で形成されている。そして、弾性部材370の円錐凸面372が係合する円錐凹面362が内周面に形成されている。
ネジ部材360は、図5(a)に示すように、初期状態では、その円錐凹面362で弾性部材370の円錐凸面372を押圧しない位置で、その雌ネジ部361により管状部材330の雄ネジ部333に螺合されている。
なお、本実施の形態の留置針300は、さらに、カバー部材340、延長チューブ350、なども有する。カバー部材340は、前後方向に伸縮自在な蛇腹構造に形成されており、その内部に内針320が配置されている。内針320とカバー部材340とは後端で一体に固定されており、この部分は把持が容易なノブ状部341として形成されている。
カバー部材340の前端部分342は円筒状に形成されており、管状本体332の後端開口に着脱自在に装着されている。つまり、カバー部材340は、伸縮自在な蛇腹部分343の前後に伸縮困難な前端部分342とノブ状部341とが一体に形成された構造となっている。
そして、カバー部材340は、図1(b)に示すように、伸張状態では内針320より長く形成されている。このため、管状部材330から内針320がカバー部材340とともに分離された状態では、カバー部材340により内針320の全体が収容される。換言すると、図1(a)に示すように、出荷状態の留置針300では、カバー部材340は、管状部材330から後方に突出した内針320の長さに圧縮されている。
カバー部材340は、シリコン樹脂などの弾性材料で形成されており、放置すると弾発的に圧縮状態から伸張状態となる。そして、本実施の形態の留置針300では、内針320を外針310から抜去するためのカバー部材340の後端の移動に必要な力をC、圧縮状態のカバー部材340から内針320に作用している力をDとすると、
C>D
を満足するように各部が調整されている。
より具体的には、図1(a)に示すように、出荷状態の留置針300では、内針320は外針310と弾性部材370との摩擦力により保持されている。このため、この摩擦力が上述の力Cとして作用している。
このような状態で、内針320の弾性部材370から後方に突出している部分には、圧縮状態のカバー部材340から力が作用している。このため、これが上述の力Dとして作用している。そして、本実施の形態の留置針300では、各部の材料や表面処理などにより、上述の力C、Dが「C>D」を満足している。
なお、本実施の形態の留置針300では、管状部材330の管状本体332は、いわゆる二股構造に形成されており、側部から後方に分岐管部335が一体に形成されている。この分岐管部335は、管状本体332の内部に連通する開口として注入口が開口されており、そこに延長チューブ350の先端がジョイント351により一体に連結されている。
さらに、図2に示すように、この延長チューブ350は二股に形成されており、この延長チューブ350の二つの末端には、薬液シリンジである造影および生食シリンジ200C,200Pが個々に着脱自在に装着される。
なお、本実施の形態の留置針300では、出荷時には管状部材330と延長チューブ350との内部が生理食塩水で充填されており、延長チューブ350の末端には密閉キャップ(図示せず)が着脱自在に装着されている。また、延長チューブ350は、所定位置に気泡排除手段である排気弁(図示せず)が装着されている。
上述のような構成において、本実施の形態の薬液注入装置100を使用する場合、図4に示すように、作業者(図示せず)はMRI装置400の透視撮像ユニット401の近傍に薬液注入装置100を配置し、使用する薬液シリンジ200や留置針300などを用意する。
つぎに、例えば、図2に示すように、留置針300の延長チューブ350の二つの末端から密閉キャップが取り外され、その二つの末端に造影および生食シリンジ200C,200Pが個々に連結される。
前述のように、留置針300の内部は事前に生理食塩水で充填されている。このため、その後端に造影および生食シリンジ200C,200Pが連結されると、これら造影および生食シリンジ200C,200Pと留置針300との内部には空気が存在しない状態となる。
なお、本実施の形態の留置針300は、内針320の先端と管状部材330の内部とを連通させる流路323が針本体321に形成されている。このため、被験者の血管(図示せず)に穿刺した外針310から内針320が抜き取られない状態のまま空気抜きを実行することもできる。
そして、上述のように造影および生食シリンジ200C,200Pと留置針300との内部に空気が存在しない状態で、留置針300の外針310と内針320とが被験者の血管に穿刺される。
このような状態で、ノブ状部341が引き出されて内針320が外針310と管状部材330から抜去される。このとき、図5(a)(b)に示すように、管状部材330の内部では内針320が弾性部材370から抜去される。
つぎに、作業者は手動操作でネジ部材360を回動させて前進させる。すると、ネジ部材360の円錐凹面362が弾性部材370の円錐凸面372を押圧することにより、弾性部材370の貫通孔371が閉止される。
上述のような状態で、薬液注入装置100により薬液シリンジ200が駆動される。すると、薬液シリンジ200から延長チューブ350と留置針300とを経由して血管に薬液が圧入される。このとき、留置針300の弾性部材370の貫通孔371は密閉されているので、薬液は漏出することなく血管に注入される。
このように薬液注入装置100により造影剤と生理食塩水とが順番に被験者の血管に注入されると、この被験者からMRI装置400により透視画像が撮像される。なお、上述のように留置針300に造影および生食シリンジ200C,200Pを連結するときに気泡が進入する可能性はある。しかし、その気泡は留置針300の排気弁により外部に排除される。
本実施の形態の留置針300は、上述のように内針320が抜去されてから管状部材330に螺合されているネジ部材360が回動されて所定位置まで前進されると、そのネジ部材360に押圧されることで弾性部材370の貫通孔371が閉止される。
このため、薬液が高圧に圧入されても弾性部材370の貫通孔371から漏出することがない。しかも、ネジ部材360は最初から管状部材330に螺合されている。このため、複雑な操作などを必要とすることなく簡単に弾性部材370の貫通孔371を密閉することができる。
しかも、管状部材330の雄ネジ部333に雌ネジ部361で螺合しているネジ部材360の円錐凹面362で弾性部材370の円錐凸面372を押圧することにより、弾性部材370の貫通孔371が閉止される。このため、過大な労力を必要とすることなく、貫通孔371を強固に密閉することができる。
さらに、本実施の形態の留置針300では、上述のように外針310と管状部材330と延長チューブ350とが一体に連結されている。このため、薬液注入装置100により高圧に注入される薬液が、管状部材330と延長チューブ350との連結部から漏出することもない。しかも、被験者の血管に外針310が穿刺された状態で管状部材330に延長チューブ350を連結する必要がないので作業性が良好である。
さらに、延長チューブ350と管状部材330との内部に薬液として生理食塩水が事前に充填されており、延長チューブ350に液体から気泡を排除する排気弁が装着されている。このため、留置針300を被験者の血管に連結したとき、その内部から簡単に気泡を排除することができる。
しかも、延長チューブ350の末端が二股構造に形成されている。このため、造影剤が充填されている造影シリンジ200Cと生理食塩水が充填されている生食シリンジ200Pとを同時に留置針300に連結することができる。このため、簡単な構造で確実に被験者の血管に造影剤と生理食塩水とを自在に注入することができ、MRI装置400での透視画像の撮像に寄与することができる。
さらに、本実施の形態の留置針300では、上述のように被験者に穿刺された外針310および管状部材330から内針320が抜去されると、図1(b)に示すように、圧縮されていたカバー部材340が弾発的に伸張して抜去された内針320の全体が収容される。
そこで、作業者はカバー部材340で収容された状態の内針320を廃棄することになり、内針320が作業者に穿刺されて二次感染が発生するようなことがない。しかも、本実施の形態の留置針300では、外針310および管状部材330から内針320が抜去されると、カバー部材340が自然に伸張して内針320の全体が自動的に収容される。このため、カバー部材340に内針320を収容させる専用の作業などが必要ない。
さらに、カバー部材340は内針320を収容した状態を弾発的に維持する。このため、例えば、カバー部材340の前端が上方や下方に位置する状態などになっても内針320が露出するようなことがない。このため、被験者の血液が付着した内針320に作業者が接触することがなく、簡単かつ安全に内針320を廃棄することができる。
それでいて、内針320を抜去するために必要な力Cと、圧縮状態のカバー部材340から内針320に作用している力Dとが、「C>D」を満足している。このため、作業者の意図に関係なくカバー部材340の弾発力により内針320が抜去されるようなことはない。
しかも、内針320は前端のみ硬質な針本体321で大部分は柔軟なガイドワイヤ322で形成されており、この内針320の全体が柔軟なカバー部材340に収容される。このため、例えば、この収容状態でカバー部材340とともに内針320のガイドワイヤ322を巻回して廃棄するようなことも可能である(図示せず)。
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では弾性部材370の開口したままの貫通孔371がネジ部材360の押圧により密閉されることを例示した。しかし、これでは内針320を抜去したときに貫通孔371から薬液に気泡が混入する懸念がある。
そこで、これが問題となる場合には、従来の留置針と同様に、弾性部材の貫通孔を弾性により密閉させることがよい(図示せず)。この場合、弾発的に閉止された弾性部材の貫通孔を、ネジ部材360の押圧により、より確実に密閉することができる。
また、上記形態では弾性部材370の後面に円錐凸面372が形成されているとともにネジ部材360の内部前面に円錐凹面362が形成されており、ネジ部材360の円錐凹面362に円錐凸面372が押圧されることで弾性部材370の貫通孔371が密閉されることを例示した。
しかし、このネジ部材360の円錐凹面362より小径な円筒形に弾性部材が形成されていても、ネジ部材360の円錐凹面362による押圧で弾性部材370の貫通孔を密閉することができる(図示せず)。
さらに、上記形態では留置針300の管状部材330にネジ部材360が最初から螺合されているので、その手動操作を作業者が失念しにくいことを例示した。しかし、それでも作業者がネジ部材360の手動操作を失念する可能性はある。
そこで、これが問題となる場合には、図6に例示する留置針500のように、弾性部材370の貫通孔371を閉止する最終位置にネジ部材360が配置されると遮蔽され、閉止しない初期位置に配置されると露出する警戒指標502を、管状部材501に形成しておいてもよい。
より具体的には、この留置針500では、図6(a)に示すように、例えば、管状部材501とネジ部材360とが、不透明な白色の樹脂で形成されている。そして、管状部材501の雄ネジ部333の前半部が、例えば、警戒指標502として赤色に着色されている。
このため、図6(b)に示すように、ネジ部材360が手動操作されておらず弾性部材370の貫通孔371が閉止されていない初期状態では、白色の管状部材501とネジ部材360との間隙に赤色の警戒指標502が露出している。
一方、ネジ部材360が手動操作されて弾性部材370の貫通孔371が閉止された状態では、図6(c)に示すように、白色のネジ部材360により赤色の警戒指標502が遮蔽される。このため、留置針500の貫通孔371が密閉されているかを一目で確認することができる。
従って、作業者がネジ部材360の手動操作を失念する可能性を大幅に削減することができる。なお、ここではネジ部材360や警戒指標502の配色を具体的に説明したが、当然ながら、その配色は様々に設定することができる。
また、警戒指標として「内針を抜いたらネジを閉めてください」などのメッセージを印刷しておいてもよい。さらに、ここではネジ部材360の全体が不透明であることを例示した。
しかし、透明なネジ部材の雌ネジ部361に部分的に不透明な遮蔽部を形成しておき、弾性部材370の貫通孔371を閉止する最終位置にネジ部材360が配置されると遮蔽部により遮蔽され、閉止しない初期位置に配置されると露出する警戒指標を、管状部材に形成しておいてもよい(図示せず)。
さらに、図7に例示する留置針510のように、透明なネジ部材511の雌ネジ部361に有色部512と無色部513とが選択的に形成されており、弾性部材370の貫通孔371を閉止する最終位置にネジ部材511が配置されると、無色部513と対向する位置に有色部512と同色の発色部516が管状部材515に形成されていてもよい。
より具体的には、例えば、図7(a)に示すように、管状部材515を白色の樹脂で形成しておき、その雄ネジ部333にストライプ状に黒色の発色部516を形成しておく。一方、透明なネジ部材511の雄ネジ部333にストライプ状に黒色の有色部512を形成しておく。
このような留置針510では、図7(b)に示すように、ネジ部材511が手動操作されておらず弾性部材370の貫通孔371が閉止されていない初期状態では、黒色の有色部512と発色部516とがストライプ状に視認される。このため、雄ネジ部333と雌ネジ部361とが白黒の縞状に視認される。
一方、ネジ部材511が手動操作されて弾性部材370の貫通孔371が閉止された状態では、黒色の発色部516が透明なネジ部材511の無色部513から視認されることにより、雄ネジ部333と雌ネジ部361との部分が全体的に黒色に視認される。
このため、留置針510の貫通孔371が密閉されているかを一目で確認することができる。従って、作業者がネジ部材511の手動操作を失念する可能性を大幅に削減することができる。
また、上記形態ではネジ部材360の円錐凹面362で弾性部材370の円錐凸面372を押圧することにより貫通孔371が閉止されることを例示した。しかし、図8に例示する留置針520のように、弾性部材521は、貫通孔371が形成されていて管状部材330の後端に固定されているベース部522と、ベース部522の後面から突設されている湾曲自在なアーム部523と、アーム部523の先端に形成されていて貫通孔371に係脱自在に係合する密閉部524と、を有し、ネジ部材526が、前進により密閉部524を後方から貫通孔371に圧入する圧入部527を有してもよい。
弾性部材521の密閉部524は、例えば、円形の貫通孔371を密閉する球状に形成されている。また、ネジ部材526の圧入部527は、例えば、ネジ部材526の内部前面に円筒状に形成されている。
この留置針520では、図8(a)に示すように、ネジ部材526が手動操作されていない初期状態では、弾性部材521の密閉部524は圧入部527に圧接されておらず貫通孔371に圧入されていない。
そして、図8(b)に示すように、内針320が抜去されてからネジ部材526が回動操作されて所定位置まで前進されると、圧入部527により密閉部524が貫通孔371に圧入される。このため、内針320が抜去された弾性部材521の貫通孔371を確実に密閉することができる。
さらに、図9に例示する留置針530のように、上述のような弾性部材531の密閉部524の外面に、ベース部522の後面に接離自在に密着する円環部532が形成されており、ネジ部材526の圧入部527が、密閉部524を後方から貫通孔371に圧入するとともに円環部532をベース部522に圧接させてもよい。この場合、内針320が抜去された弾性部材531の貫通孔371を、密閉部524と円環部532とにより、より確実に密閉することができる。
また、図10に例示する留置針640のように、管状部材641の後端内部に、内針320が貫通されている弾性部材642が挿入されている円筒状の第一穴部643と、内針320が挿通されている貫通孔を中心として前方ほど先鋭な円錐凹面に形成されていて後端が第一穴部643に連通している第二穴部644と、が形成されており、ネジ部材646は、回動操作により前進することで第一穴部643に挿入されている円筒部647で弾性部材642を前方に押圧し、その少なくとも前部を第一穴部643から第二穴部644まで圧入してもよい。
上述のような構造でも、ネジ部材646が回動操作されると円錐凹面からなる第二穴部644に弾性部材642が圧入されるので、その貫通孔648を密閉することができる。
さらに、上記形態では管状部材330の雄ネジ部333にネジ部材360の雌ネジ部361が単純に螺合されていることを例示した。しかし、これでは留置針300の輸送中などにネジ部材360が管状部材330から脱落する可能性がある。また、ネジ部材360を回動操作したときに最適な最終位置に配置することが困難な場合もありえる。
そこで、上述のようなことが問題となる場合には、図11に例示する留置針650のように、弾性部材642の貫通孔648が閉止されない初期位置にネジ部材646を保持する初期保持機構と、弾性部材642の貫通孔648が閉止される最終位置にネジ部材646を保持する最終保持機構と、を形成すればよい。
より具体的には、ここで例示する留置針650では、管状部材653の第一穴部643の内周面に二列に円環状の凹溝654,655が形成されている。そして、ネジ部材656は、第一穴部643に挿入されている円筒部647の外周面に円環状の凸部657が形成されている。
そして、ネジ部材656の凸部657が第一の凹溝654に係脱自在に係合することで、弾性部材642の貫通孔648が閉止されない初期位置にネジ部材656を保持する初期保持機構が形成されている。
また、ネジ部材656の凸部657が第二の凹溝655に係脱自在に係合することで、弾性部材642の貫通孔648が閉止される最終位置にネジ部材656を保持する最終保持機構が形成されている。
上述のような留置針650では、弾性部材642の貫通孔648が閉止されない初期位置にネジ部材656を保持することができる。このため、例えば、留置針650の輸送中にネジ部材656が管状部材653から脱落することなどを防止できる。
しかも、弾性部材642の貫通孔648が閉止される最終位置にネジ部材656を保持することもできる。このため、ネジ部材656を回動操作したときに最適な最終位置に容易に配置することができる。
さらに、この留置針650では、初期保持機構と最終保持機構とがネジ部材656の一つの凸部657を共用している。このため、簡単で生産性が良好な構造を提供することができる。
なお、上述の留置針650では、初期保持機構と最終保持機構との両方が形成されていることを例示した。しかし、その一方のみ形成されていてもよい。また、当然ながら、上述のような初期保持機構と最終保持機構とは、各種の構造に形成することができ、例えば、管状部材330の雄ネジ部333とネジ部材360の雌ネジ部361とに形成してもよい(図示せず)。
また、上記形態では留置針300を利用するとき、必要な各種データを作業者が薬液注入装置100に手作業で入力操作することを想定した。しかし、そのような各種データが記録されているRFIDチップを留置針に搭載しておくとともに、その各種データを読み取るRFIDリーダを薬液注入装置に搭載しておいてもよい(図示せず)。
この場合、留置針のRFIDチップの記録データを薬液注入装置のRFIDリーダに取得させることにより、留置針の利用に必要な各種データを簡単かつ確実に薬液注入装置に入力することができる。
例えば、留置針の耐圧をRFIDチップに記録しておけば、薬液注入装置は、留置針300ごとに相違する耐圧を自動的に取得することができる。この場合、その耐圧を超過しないように注入する薬液の圧力を制御することができる。従って、留置針の内針が抜去された貫通孔から薬液が漏出することを有効に防止でき、留置針が異常な高圧により破壊されることも防止できる。
さらに、上述のようなRFIDチップが、周囲の環境を検出する環境センサと、検出された環境を記録するデータ記憶部と、を有してもよい。このようなRFIDチップは血液パック用に実用化されており、温度、湿度、振動、圧力、等を記録することができる。
この場合、薬液注入装置は、留置針から環境の履歴を取得し、その履歴が所定条件を逸脱しているとシリンジ駆動機構を作動させない。従って、前述のように生理食塩水が事前に封入されている留置針の場合、温度変化などのために劣化した生理食塩水が注入されることを防止できる。
また、図12に例示する留置針540のように、RFIDチップ541がネジ部材360と管状部材330との一方に搭載されており、弾性部材370の貫通孔371を閉止する最終位置にネジ部材360が配置されるとRFIDチップ541に接続され、閉止しない初期位置に配置されると断絶されるアンテナ部542が、ネジ部材360と管状部材330との他方に搭載されていてもよい。
より具体的には、この留置針540では、管状部材330の外面後端にRFIDチップ541が搭載されており、そのRFIDチップ541のチップ本体に結線されている接続端子が管状部材330の後面に配置されている(図示せず)。一方、アンテナ部542は、ネジ部材360の外周面に搭載されており、その接続端子がネジ部材360の前面に配置されている。
この留置針540では、ネジ部材360が所定位置まで前進されず弾性部材370の貫通孔371が閉止されていない初期状態では、図12(a)に示すように、RFIDチップ541とアンテナ部542とが離間していて通信距離が短縮されている。
一方、ネジ部材360が所定位置まで前進されて弾性部材370の貫通孔371が閉止された状態では、図12(b)に示すように、RFIDチップ541とアンテナ部542とが接続されて通信距離が延長される。
そこで、このような留置針540を利用する薬液注入装置は、留置針540のRFIDチップ541と無線通信するRFIDリーダと、RFIDリーダがRFIDチップを検出しないとシリンジ駆動機構を作動させない動作制御部と、を有すればよい(図示せず)。
この薬液注入装置では、RFIDリーダの通信距離が適正に設定されていれば、留置針300のネジ部材360により弾性部材370の貫通孔371が閉止されているときのみ、RFIDチップが検出されて薬液シリンジが駆動される。
従って、この薬液注入装置では、留置針540の弾性部材370の貫通孔371が閉止されていない状態で薬液シリンジ200が駆動されて薬液が漏出することを有効に防止することができる。
また、図13に例示する留置針550のように、RFIDチップ551が、ネジ部材360と管状部材330との一方に搭載されているチップ本体552と、他方に搭載されていてチップ本体552に結線されているアンテナ部553と、を有し、図13(a)に示すように、弾性部材370の貫通孔371を閉止していない初期位置にネジ部材360が配置されている状態ではチップ本体552とアンテナ部553とが接続されており、図13(b)に示すように、ネジ部材360が回動されるとチップ本体552とアンテナ部553とが破断されてもよい。
この留置針550では、ネジ部材360が初期位置のままで弾性部材370の貫通孔371が閉止されていない初期状態では、RFIDチップのチップ本体552とアンテナ部553とが接続されていて通信距離が延長されている。
一方、ネジ部材360が所定位置まで前進されて弾性部材370の貫通孔371が閉止された状態では、チップ本体552とアンテナ部553とが破断されて通信距離が短縮される。
そこで、このような留置針550を利用する薬液注入装置は、留置針550のRFIDチップ551と無線通信するRFIDリーダと、RFIDリーダがRFIDチップ551を検出しているときはシリンジ駆動機構を作動させない動作制御部と、を有する(図示せず)。
この薬液注入装置では、薬液注入装置のRFIDリーダの通信距離が適正に設定されていれば、留置針300のネジ部材360により弾性部材370の貫通孔371が閉止されると、RFIDチップが検出されなくなって薬液シリンジが駆動される。
従って、この薬液注入装置も、留置針550の弾性部材370の貫通孔371が閉止されていない状態で薬液シリンジ200が駆動されて薬液が漏出することを有効に防止することができる。
また、上記形態では内針320の後端のノブ状部341が単純な円柱状に形成されていることを例示した。しかし、図14に例示する留置針560のように、内針571の後端に形成されている円柱状のノブ状部572の外周面の前端と後端とに円環状の凸部573,574が形成されていてもよい。この場合、より確実にノブ状部572を手指により把持することができる。
さらに、ネジ部材561は、後方ほど拡開した円錐状の凹部578が後面に形成されており、内針571のノブ状部572の前端に形成されている円錐状の凸部575が、ネジ部材561の凹部578に係脱自在に係合してもよい。この場合、ノブ状部572がネジ部材561の後部に適正に配置され、内針571のガイドワイヤ322が無用に曲折されて破断されることなどを防止できる。
また、図14および図15に例示する留置針560のように、ネジ部材561は、別体の延長チューブ600が着脱自在に連結される連結機構が後端部に形成されていてもよい。
より具体的には、延長チューブ600は、図15に示すように、柔軟なチューブ部材610の先端に円筒状の雌ネジ部材620が装着されている。ネジ部材561は、連結機構として雌ネジ部材620が係脱自在に螺合される雄ネジ部591が後端部の外周面に形成されている。
この場合、人体に穿刺された留置針560に、延長チューブ600を連結することができる。このため、延長チューブ600を連結したネジ部材561を回動操作して弾性部材370の貫通孔371を開放することにより、留置針560に延長チューブ350とは別個に延長チューブ600から薬液を注入することができる。従って、必要により本来の薬液とは相違する薬液を追加して人体に注入するようなことができる。
なお、上述のような延長チューブ600による薬液の注入が完了したときは、例えば、ネジ部材561を回動操作して弾性部材370の貫通孔371を閉止してから、延長チューブ600を分離させれば薬液が漏出することがない。
なお、上述のような延長チューブ600の雌ネジ部材620は、医療用の規格部品として一般的である。換言すると、一般的な規格部品の雌ネジ部材620が螺合される形状に留置針560のネジ部材561の後端を形成しておくことがよい。さらに、前述の内針571のノブ状部572の凸部575も、このようなネジ部材561の凹部578に対応した形状に形成しておくことがよい。
さらに、上記形態では管状部材330の柔軟なチューブ部材331に柔軟な外針310が連結されており、そこに内針320の硬質な針本体321が挿入されていることにより、この針本体321で支持されているチューブ部材331を把持して内針320を人体に穿刺することを例示した。
しかし、図14および図15に例示する留置針560のように、外針310の後端外周およびチューブ部材331の前端外周に、後方ほど拡開した円錐状に外周面が形成されているハンドル部581が装着されていてもよい。この場合、内針571の針本体321で支持されている外針310を、ハンドル部581を把持することで人体に容易に穿刺することができる。
また、上述のハンドル部581は、外周面の前端から後端まで複数の円環状の凸部582が連続的に形成されていてもよい。この場合、より確実に手指でハンドル部581を把持することができる。このため、さらに容易に外針310を人体に穿刺することができる。
さらに、上記形態では外針310および管状部材330から抜去された内針320が蛇腹構造のカバー部材340に収容されることを例示した。しかし、図16に示すように、抜去された内針320が硬質なカバーユニット700に収容されてもよい。
より具体的には、このカバーユニット700は、前後方向に細長い硬質なユニット本体710を有する。このユニット本体710は、例えば、前端に一体に形成されている雌ネジ部713により、ネジ部材561の後端に着脱自在に装着されている。
ユニット本体710には、スライダ部材720が前後方向にスライド自在に装着されている。このスライダ部材720は、後面が半円形に湾曲した巻回部721と、手指で操作される操作部722と、が形成されている。
ユニット本体710には前後方向に細長い内部空間711が形成されており、そこにスライダ部材720の巻回部721が位置している。内針320は、ガイドワイヤ322の後端がユニット本体710の内部空間711の前端に固定されている。
このガイドワイヤ322は、スライダ部材720の巻回部721に巻回されてユニット本体710の前端からネジ部材561の内部に位置している。なお、ユニット本体710は、内針320の針本体321およびガイドワイヤ322と同等以上の前後長に内部空間711が形成されている。
上述のようなカバーユニット700を有する留置針(図示せず)では、図16(a)に示すように、初期状態ではスライダ部材720が前端に配置された状態のカバーユニット700がネジ部材561の後端に装着されている。
このような状態で、作業者は内針320とともに外針310を被験者に穿刺してから、例えば、カバーユニット700のスライダ部材720を後端までスライド移動させる。すると、図16(b)に示すように、内針320の全体がカバーユニット700の内部に収容される。
そこで、このカバーユニット700をネジ部材561から分離して廃棄する。この場合、内針320の全体がカバーユニット700に収容されているので、安全に内針320を廃棄することができる。
しかも、カバーユニット700の全長を内針320の全長の半分程度とすることができる。このため、留置針の全体を小型化することができ、内針320とともに廃棄するカバーユニット700の全体も小型とすることができる。
さらに、上述のようなカバーユニット700のユニット本体710とスライダ部材720とに分散させて、前述のRFIDチップ541とアンテナ部542とを搭載しておいてもよく、RFIDチップ551のチップ本体552とアンテナ部553とを搭載しておいてもよい(ともに図示せず)。
これらの場合、薬液注入装置はRFIDリーダによりRFIDチップを検出するまで注入動作を実行しない、または、検出しているときは注入動作を実行しないことにより、留置針の準備が完了していない状態で注入動作が開始されることを防止できる。
また、上記形態では留置針300の延長チューブ350の末端が二股構造に形成されていて造影および生食シリンジ200C,200Pが同時に個々に装着されることを例示した。
しかし、例えば、末端が一つで造影および生食シリンジ200C,200Pの一方のみ装着されることや、末端が三つ以上で三種類以上の薬液シリンジが装着されることも可能である(図示せず)。
なお、上述のように末端が一つの留置針300に造影シリンジ200Cが装着される場合、その留置針300に薬液として造影剤を事前に充填しておくことも可能である(図示せず)。
さらに、上記形態では留置針300の延長チューブ350の二股の末端に別体の造影および生食シリンジ200C,200Pを着脱自在に装着することを例示した。しかし、例えば、延長チューブ350の末端に造影および生食シリンジ200C,200Pが一体に装着されている留置針300(図示せず)なども可能である。
一方、上記形態では留置針300の管状部材330に延長チューブ350が一体に連結されていることを例示した。しかし、別体の延長チューブ350が管状部材330に連結される留置針(図示せず)なども可能である。
また、上記形態では管状部材330が柔軟なチューブ部材331と硬質な管状本体332で形成されていることを例示した。しかし、管状部材が硬質な管状本体のみで形成されていてもよい(図示せず)。
同様に、上記形態では内針320が硬質な針本体321と柔軟なガイドワイヤ322で形成されていることを例示した。しかし、内針が硬質な針本体のみで形成されていてもよい(図示せず)。さらに、上記形態では内針320が管状に形成されていることを例示した。しかし、例えば、内針320が、いわゆるムクの針として形成されていてもよい。
本発明の薬液注入用具の実施の形態である留置針の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。 留置針と薬液容器である薬液シリンジと薬液注入装置の注入ヘッドとの連結関係を示す分解斜視図である。 薬液注入装置の外観を示す斜視図である。 薬液注入システムの外観を示す斜視図である。 留置針の要部の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。 一変形例の留置針の要部の構造を示す模式的な側面図である。 他の変形例の留置針の要部の構造を示す模式的な側面図である。 さらに他の変形例の留置針の要部の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。 さらに他の変形例の留置針の要部の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。 さらに他の変形例の留置針の要部の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。 さらに他の変形例の留置針の要部の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。 さらに他の変形例の留置針の要部の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。 さらに他の変形例の留置針の要部の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。 さらに他の変形例の留置針の全体構造を示す模式的な縦断側面図である。 さらに他の変形例の留置針の全体構造を示す模式的な縦断側面図である。 さらに他の変形例の留置針の要部の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。 一従来例の留置針の内部構造を示す縦断側面図である。
符号の説明
10 留置針
11 外針
12 内針
13 管状部材
14 パッキン
16 ノブ状部
17 延長チューブ
18 ジョイント
100 薬液注入装置
101 注入制御ユニット
102 通信ケーブル
103 操作パネル
104 タッチパネル
105 スピーカユニット
106 本体ハウジング
107 コントローラユニット
108 接続コネクタ
110 注入ヘッド
111 キャスタスタンド
112 可動アーム
113 ヘッド本体
114 凹部
116 シリンダ保持機構
117 シリンジ駆動機構
117C 造影注入機構
117P 生食注入機構
200 薬液シリンジ
200C 造影シリンジ
200P 生食シリンジ
210 シリンダ部材
211 本体部
212 導管部
213 シリンダフランジ
220 ピストン部材
221 ピストンフランジ
300 留置針
310 外針
320 内針
321 針本体
322 ガイドワイヤ
323 流路
324 開口
330 管状部材
331 チューブ部材
332 管状本体
333 雄ネジ部
335 分岐管部
340 カバー部材
341 ノブ状部
342 前端部分
343 蛇腹部分
350 延長チューブ
351 ジョイント
360 ネジ部材
361 雌ネジ部
362 円錐凹面
370 弾性部材
371 貫通孔
372 円錐凸面
400 MRI装置
401 透視撮像ユニット
402 撮像制御ユニット
500 留置針
501 管状部材
502 警戒指標
510 留置針
511 ネジ部材
512 有色部
513 無色部
515 管状部材
516 発色部
520 留置針
521 弾性部材
522 ベース部
523 アーム部
524 密閉部
526 ネジ部材
527 圧入部
530 留置針
531 弾性部材
532 円環部
540 留置針
541 RFIDチップ
542 アンテナ部
550 留置針
551 RFIDチップ
552 チップ本体
553 アンテナ部
560 留置針
561 ネジ部材
571 内針
572 ノブ状部
573〜575 凸部
578 凹部
581 ハンドル部
582 凸部
591 雄ネジ部
600 延長チューブ
610 チューブ部材
620 雌ネジ部材
640 留置針
641 管状部材
642 弾性部材
643 第一穴部
644 第二穴部
646 ネジ部材
647 円筒部
648 貫通孔
650 留置針
653 管状部材
654 凹溝
654,655 凹溝
656 ネジ部材
657 凸部
700 カバーユニット
710 ユニット本体
711 内部空間
713 雌ネジ部
720 スライダ部材
721 巻回部
722 操作部
1000 薬液注入システム

Claims (25)

  1. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    を有し、
    前記ネジ部材は、前記内針が挿通されている貫通孔を中心とした円錐凹面に内部前面が形成されている薬液注入用具。
  2. 前記弾性部材は、前記内針が挿通されている前記貫通孔を中心とした円錐凸面に後面が形成されており、少なくとも前記円錐凸面が前記管状部材の後端から後方に突出して前記ネジ部材の前記円錐凹面と対向している請求項に記載の薬液注入用具。
  3. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    を有し、
    前記管状部材は、前記内針が貫通されている前記弾性部材が挿入されている円筒状の第一穴部と、前記内針が挿通されている貫通孔を中心として前方ほど先鋭な円錐凹面に形成されていて後端が前記第一穴部に連通している第二穴部と、が後端内部に形成されており、
    前記ネジ部材は、回動操作により前進することで前記弾性部材の少なくとも前部を前記第一穴部から前記第二穴部まで圧入する薬液注入用具。
  4. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    を有し、
    前記弾性部材は、前記貫通孔が形成されていて前記管状部材の後端に固定されているベース部と、前記ベース部の後面から突設されている湾曲自在なアーム部と、前記アーム部の先端に形成されていて前記貫通孔に係脱自在に係合する密閉部と、を有し、
    前記ネジ部材は、前記前進により前記密閉部を後方から前記貫通孔に圧入する圧入部を有す薬液注入用具。
  5. 前記弾性部材は、前記密閉部の外面に形成されていて前記ベース部の後面に接離自在に密着する円環部を、さらに有し、
    前記ネジ部材の前記圧入部は、前記密閉部を後方から前記貫通孔に圧入するとともに前記円環部を前記ベース部に圧接させる請求項に記載の薬液注入用具。
  6. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    前記弾性部材の前記貫通孔が閉止されない初期位置に前記ネジ部材を保持する初期保持機構と
    を有る薬液注入用具。
  7. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    前記弾性部材の前記貫通孔が閉止される最終位置に前記ネジ部材を保持する最終保持機構と
    を有る薬液注入用具。
  8. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    を有し、
    前記管状部材は、前記ネジ部材が前記弾性部材の貫通孔を閉止する最終位置に配置されると遮蔽されて閉止しない初期位置に配置されると露出する部位に警戒指標が形成されている薬液注入用具。
  9. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    有し、
    前記ネジ部材は、透明に形成されており、前記雌ネジ部に部分的に不透明な遮蔽部が形成されており、
    前記管状部材は、前記ネジ部材が前記弾性部材の貫通孔を閉止する最終位置に配置されると前記遮蔽部により遮蔽されて閉止しない初期位置に配置されると露出する部位に警戒指標が形成されている薬液注入用具。
  10. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    を有し、
    前記ネジ部材は、透明に形成されており、前記雌ネジ部に有色部と無色部とが選択的に形成されており、
    前記管状部材は、前記ネジ部材が前記弾性部材の貫通孔を閉止する最終位置に配置されると前記無色部と対向する位置に前記有色部と同色の発色部が形成されている薬液注入用具。
  11. 前記ネジ部材は、別体の延長チューブが着脱自在に連結される連結機構が後端部に形成されている請求項1ないし10の何れか一項に記載の薬液注入用具。
  12. 前記延長チューブは、円筒状の雌ネジ部材が先端に装着されており、
    前記ネジ部材は、前記連結機構として前記雌ネジ部材が係脱自在に螺合される雄ネジ部が前記後端部の外周面に形成されている請求項11に記載の薬液注入用具。
  13. 前記ネジ部材は、後方ほど拡開した円錐状の凹部が後面に形成されており、
    前記内針は、後端に装着されている円柱状のノブ状部と、前記ノブ状部の前端に形成されていて前記凹部に係脱自在に係合している円錐状の凸部と、を有する請求項1ないし12の何れか一項に記載の薬液注入用具。
  14. 前記内針は、円筒状の前記ノブ状部の外周面の後端に円環状の凸部が形成されている請求項13に記載の薬液注入用具。
  15. 前記外針の後端外周に後方ほど拡開した円錐状に外周面が形成されているハンドル部が装着されている請求項1ないし14の何れか一項に記載の薬液注入用具。
  16. 前記ハンドル部は、前記外周面の前端から後端まで複数の円環状の凸部が連続的に形成されている請求項15に記載の薬液注入用具。
  17. RFID(Radio Frequency Identification)チップが搭載されている請求項1ないし16の何れか一項に記載の薬液注入用具。
  18. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    RFID(Radio Frequency Identification)チップと、
    を有し、
    前記RFIDチップが前記ネジ部材と前記管状部材との一方に搭載されており、
    前記ネジ部材が前記弾性部材の貫通孔を閉止する最終位置に配置されると前記RFIDチップに接続されて閉止しない初期位置に配置されると断絶されるアンテナ部が前記ネジ部材と前記管状部材との他方に搭載されている薬液注入用具。
  19. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具であって、
    前記血管の内部に少なくとも前部が留置される柔軟な中空の外針と、
    少なくとも前記外針の内部に挿入されていて前記血管に穿刺される前部が硬質な内針と、
    前記外針の後端が前端開口に一体に連結されているとともに後端開口から前記内針の後部が突出していて後端近傍の外周面に雄ネジ部が形成されている管状部材と、
    前記内針の後部が後端開口から突出している環状に形成されていて前端開口の内周面に形成されている雌ネジ部で前記管状部材の前記雄ネジ部に回動自在に螺合しているネジ部材と、
    回動操作により前進する前記ネジ部材に押圧されると前記内針が挿通されていた貫通孔が閉止される弾性部材と、
    RFID(Radio Frequency Identification)チップと、
    を有し、
    前記RFIDチップは、前記ネジ部材と前記管状部材との一方に搭載されているチップ本体と、他方に搭載されていて前記チップ本体に結線されているアンテナ部と、を有し、
    前記弾性部材の貫通孔を閉止していない初期位置に前記ネジ部材が配置されている状態では前記チップ本体と前記アンテナ部とが接続されており、前記ネジ部材が回動されると前記チップ本体と前記アンテナ部とが破断される薬液注入用具。
  20. 前記RFIDチップに、前記薬液注入用具の耐圧が記録されている請求項17ないし19の何れか一項に記載の薬液注入用具。
  21. 前記RFIDチップが、周囲の環境を検出する環境センサと、検出された前記環境を記録するデータ記憶部と、を有する請求項17ないし20の何れか一項に記載の薬液注入用具。
  22. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具に延長チューブで連結された薬液シリンジを駆動する薬液注入装置であって、
    請求項18に記載の薬液注入用具のRFIDチップと無線通信するRFIDリーダと、
    前記薬液シリンジを駆動するシリンジ駆動機構と、
    前記RFIDリーダが前記RFIDチップを検出しないと前記シリンジ駆動機構を作動させない動作制御部と、
    を有する薬液注入装置。
  23. 被験者の血管に薬液を注入するための薬液注入用具に延長チューブで連結された薬液シリンジを駆動する薬液注入装置であって、
    請求項19に記載の薬液注入用具のRFIDチップと無線通信するRFIDリーダと、
    前記薬液シリンジを駆動するシリンジ駆動機構と、
    前記RFIDリーダが前記RFIDチップを検出しているときは前記シリンジ駆動機構を作動させない動作制御部と、
    を有する薬液注入装置。
  24. 圧入される前記薬液の圧力を検出する圧力検出部を、さらに有し、
    前記RFIDリーダは、請求項20に記載の薬液注入用具のRFIDチップから耐圧を取得し、
    前記動作制御部は、検出される前記圧力が取得された前記耐圧を超過しないように前記シリンジ駆動機構を動作制御する請求項23または24に記載の薬液注入装置。
  25. 前記RFIDリーダは、請求項21に記載の薬液注入用具のRFIDチップから前記環境の履歴を取得し、
    前記動作制御部は、取得された前記履歴が所定条件を逸脱していると前記シリンジ駆動機構を作動させない請求項22ないし24の何れか一項に記載の薬液注入装置。
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