JPH0622272U - 両頭針付溶解液容器 - Google Patents

両頭針付溶解液容器

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JPH0622272U
JPH0622272U JP2191393U JP2191393U JPH0622272U JP H0622272 U JPH0622272 U JP H0622272U JP 2191393 U JP2191393 U JP 2191393U JP 2191393 U JP2191393 U JP 2191393U JP H0622272 U JPH0622272 U JP H0622272U
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和彦 角村
誠治 黒澤
健司 相原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 押圧変形自在なプラスチック製の溶解液容器
本体1と、上下一対の針体を具備して容器本体1口部の
上方に位置する両頭針6と、該両頭針6の上方に位置し
下端にシールされた口部を有した薬剤バイアルと、溶解
液容器口部を同心状に囲んで前記両頭針6及び薬剤バイ
アルを覆うように上方に延び該口部から適宜取外し得る
ように装着された保護キャップ7とを備えた両頭針付溶
解液容器。 【効果】 溶解液容器本体内を加圧状態に保持する必要
がなくなり、混注操作を常圧下で安定確実に行うことが
でき、溶解液容器はそのまま点滴静注用に使用できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、主として抗生剤などのスモールバイアル瓶入り注射用薬剤を点滴静 注する時の薬剤混注手段を具備する両頭針付溶解液容器に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
従来薬剤混注手段を具備するこの種の容器として、例えば図10に示されるよ うな両頭針付溶解液容器バイアルが知られている。この従来方式のバイアルによ れば、加圧溶解液バイアル(a)に備えた両頭針(c)の一方針(c1 )を減圧 バイアル瓶(e)のゴム栓(f)に穿刺すると同時に他方針(c2 )をバイアル (a)のゴム栓(d)の封膜部(d1 )に穿刺することにより、バイアル(a) 内の溶解液をバイアル(b)内に注入でき、混注の目的を達成できる。ところが この従来方式のものは、次の欠点がある。
【0003】 (i)溶解液バイアル(a)内を加圧、薬剤バイアル(e)内を減圧にする必要 があり、両者のバランスは必ずしも一致しないので、薬剤バイアル(e)の内圧 上昇や減圧化を招いたり或いは加圧不足で溶解液バイアル(a)内に液が残存す るなどの問題を生ずる。
【0004】 (ii)両頭針(c)を溶解液バイアル(a)のゴム栓(d)に直接固定している ので、ゴム栓(d)の中央部に深い凹窪部を形成するなど、ゴム栓の形状に制限 を受けることに加え両頭針の固定が不安定となる。
【0005】 (iii )両頭針(c)が加圧系に穿刺されるため、抜け防止のためのくさび型形 状を必要とし、このくさび型が穿刺時にゴム栓を傷付け、液洩れ原因となる危険 性がある。
【0006】 (iv)バイアル(a)(e)の接合時に両頭針(c)の他方針(c2 )が先に加 圧側のバイアル(a)に穿刺されることがあり、穿刺部よりの溶解液噴出の危険 性がある。
【0007】 (v)薬剤バイアル(e)は溶解液を全て注入できるだけの容量が必要であつて 、通常薬剤量の5〜10倍もの大容量のものが必要となり、経済面での負担が大 きい。
【0008】 (vi)溶解液バイアル(a)は加圧を維持する必要があるので、ガス透過性の点 からガラス製とならざるを得ずプラスチツク容器による軽量化ができない。
【0009】 本考案はこのような従来の問題点を一掃することを目的としてなされたもので ある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】
本考案は、溶解液容器の本体を押圧変形自在なプラスチツク製となし、該本体 の口部のシール部に、本体口部と同心をなす筒状のサポートリングを上方に向け 起立させて且つ適宜取外し得るように装備し、該サポートリングに、上下一対の 相連通する針体を具備する両頭針を、上下スライド自在にして、下方にスライド したとき、下部針体が本体口部のシール部に穿刺されるように、支持せしめたこ とを特徴とする両頭針付溶解液容器に係る。
【0011】
【実施例】
以下に本考案の実施例を添付図面にもとづき説明すると、次の通りである。図 1は本考案の一実施例を示す要部縦断正面図、図2はその分解斜面図であり、溶 解液容器の本体(1)は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのような熱可塑性 合成樹脂から成形され、適宜押圧変形し得るようになつている。
【0012】 上記本体(1)の細頸口部(2)の口端フランジ部(2a)に、プラスチツク 製中栓(3)が、その下端のフランジ部(3a)において、熔着されている。上 記中栓(3)上にはキヤツプ状のゴム栓(4)が嵌着され、このような本体口部 (2)の密封構造は、下記の両頭針の針体を刺入し得るかぎり特に制限されない 。
【0013】 上記ゴム栓(4)は下端部にフランジ部(4a)を有し、該フランジ部(4a )の外周部には突縁(4b)が形成されている。
【0014】 筒状のサポートリング(5)が上記本体(1)の口部(2)と同心をなすよう に、保護キヤツプ(7)の下部内側に嵌装保持され、その下端部は上記ゴム栓( 4)のフランジ部(4a)の突縁(4b)の内側に嵌着されている。 尚サポー トリング(5)の取付け手段はこれに制限されるものではない。該リング(5) の上部はゴム栓(4)より上方に突出し、上端には内方突出の係止突縁(5a) が形成されている。
【0015】 両頭針(6)は外周リング(6a)と、該リング(6a)の中心軸線方向に配 された上下一対の相連通する針体(6b1 )(6b2 )と、之等針体(6b1 ) (6b2 )を外周リング(6a)に結合する結合部材(6c)から構成され、外 周リング(6a)に於て、上記サポートリング(5)に、該リング(5)をガイ ドとして上下方向にスライドできるように接合されている。図には外周リング( 6a)をサポートリング(5)の内側に嵌合し接合した場合が示されているが、 外側に嵌合するようにしてもよい。両頭針(6)は図示の一穴式の他に二穴式で あつてもよい。
【0016】 両頭針(6)は通常は上動上限位置を保持し、この状態のときは、下部針体( 6b2 )の下端はゴム栓(4)の天面に当止し又は近傍に位置している。両頭針 (6)の抜け止めを目的として、外周リング(6a)の下端部に外方突出の係止 突縁(6d)が形成され、該係止突縁(6d)は上記サポートリング(5)上端 の係止突縁(5a)に上動上限位置に於て係止されている。
【0017】 テアオフ操作用のリング(7a)を具備する保護キヤツプ(7)が、中栓(3 )、ゴム栓(4)、サポートリング(5)及び両頭針(6)の周囲を覆うように 備えられる。保護キヤツプ(7)は例えばプラスチツク製であつて、下端部にお いて、上記中栓(3)のフランジ部(3a)及び細頸口部(2)のフランジ部( 2a)と熔着されている。
【0018】 図3(A)〜(C)に本考案容器による混注操作の一実施状況が示され、最初 にテアオフリング(7a)の操作をして保護キヤツプ(7)の上部を分断し、分 断された上部を取り除いて両頭針(6)を露出させる。この状況が図3(A)に 示されている。
【0019】 次に薬剤入りバイアル(8)の保護キヤツプ(図示せず)を取り外し、ゴム栓 (8a)を露出させる。上記バイアル(8)の頭部の外径は、両頭針(6)の外 周リング(6a)の内径に略々等しく、この頭部が外周リング(6a)内に嵌入 されるように、バイアル(8)を両頭針(6)に向けて一気に押し込む。この押 し込みにより、両頭針(6)はサポートリング(5)に沿つて下方へスライドし 、よつて下部針体(6b2 )はゴム栓(4)及び中栓(3)の封膜部(3b)を 突き破つて溶解液容器の本体(1)内に挿入されると共に、上部針体(6b堯) はバイアル(8)のゴム栓(8a)に穿刺されて、バイアル(8)内に挿入され る。この状態が図3(B)に示されている。
【0020】 次に溶解液容器を上方にし、必要あらば本体(1)をプラスチツクの保有弾性 に抗して押圧変形して、溶解液を両頭針(6)を通じてバイアル(8)内に移行 させ、薬剤を溶解させた後、溶解液を再び本体(1)側に戻すことにより混注の 目的を達し得る。混注後はバイアル(8)、両頭針(6)及びサポートリング( 5)を取り外すことにより、図3(C)に示す通り点滴静注に備えることができ る。
【0021】 この図3(C)に示す状態に於ては、溶解液容器のゴム栓(4)は天面全面が 大きく露出され、点滴注入において、輸液セツトなどの採液器具をゴム栓(4) に接続するとき、ゴム栓(4)天面のアルコール清拭を容易に行い得ると共に、 液抜き針を穿刺する位置を自由に選択でき、通常の輸液容器と何ら異なるところ がない。
【0022】 図4は本考案の他の実施の一例を示し、本実施例においては保護キヤツプ(7 )にテアオフリング(7a)を備える代りに、螺合部(7b)が設けられ、螺合 部(7b)に於て、これより上方の保護キヤツプ部分を適宜取り外し得るように なつている。これ以外の構成は、図1に示された実施例のものと実質的に異なる ところがない。
【0023】 図5は本考案の更に他の実施例を示し、本実施例に於ては、ゴム栓(41)と して、平板状のものが用いられ、この平板状のゴム栓(41)は、螺合式保護キ ヤツプ(7)の下部部材(71)に形成された、筒状にして上端に内向フランジ (9a)を有するゴム栓押さえ(9)により中栓(3)上に固定されている。こ れ以外の構造は図4に示された実施例のものと、実質的に異なるところがない。
【0024】 図6は、本考案の更に他の実施例を示し、本実施例においては保護キヤツプ( 7)の下部がサポートリング(5)を共用し得るようになっている以外は、図5 に示された実施例のものと実質的に異なる所がない。本実施例に於て保護キヤツ プ(7)の上部(7e)は、下端部の段部(7e堯)に於て、サポートリング( 5)の上端の段部(5b)に嵌着され、段部(7e1 )(5b)の嵌着部には、 抜止め及び回止めを目的として、第1係合用凹凸部(10a)(10b)の複数 組が円周方向に間隔を隔てて設けられている。更にサポートリング(5)の下端 部は、下部部材(71)の上端部に嵌着結合され、下部部材(71)より適宜取 外し得るようになっている。サポートリング(5)の下端部と下部部材(71) 上端部の嵌着部には、抜止め及び回止めを目的として第2係合用凹凸部(11a )、(11b)の複数組が円周方向に適当な間隔を隔てて設けられている。保護 キヤツプ(7)の上部(7e)の取外し時に、その下端の第1係合用凹凸部(1 0a)(10b)が解かれることを保障するために、第2係合用凹凸部(11a )(11b)の結合強度を、第1係合用凹凸部(10a)(10b)のそれより 、大きく設定しておくことが好ましい。尚本実施例では、両頭針(6)の上部針 体(6b1 )の周囲を囲繞するように、外周リング(6a)と同心の内周リング (6a1 )が形成され、混注操作時に、この内周リング(6a1 )内に、小型の バイアルが結合されるようになってる。
【0025】 図7は本考案の更に他の実施例を示し、本実施例に於ては、保護キヤツプ(7 )の下部がサポートリング(5)を共用し、且つキヤツプ(7)の上部に薬剤バ イアル(8)が収容され、ピール紙(10)を剥がし、バイアル(8)を下方へ 押し込むことにより又は、ピール紙が延びるような構造で作られている場合には 、これを剥がすことなくピール紙外側から下方へ押し込むことにより、混注し得 るような構成になつている。それ以外の構成は図1に示された実施例のものと実 質的に同じである。このような構成は、図8及び図9に示されるように、図4及 び図5に示された各実施例にも適用できる。図7〜9に示された実施例に於て、 保護キヤツプ(7)内に於ける薬剤バイアル(8)の収容状態の安定性を向上す るために、バイアル(8)の底面をピール紙(10)に適宜の接着剤を用いて仮 着しておいてもよいし、またバイアル本体を保護キヤツプ(7)に設けられたリ ブ(7c)で固定したり、更には両頭針の外周リング(6a)にてバイアル頭部 を保持してもよい。また保護キヤツプ(7)は図1、図4に示された実施例と異 なり、混注操作の終了後に、両頭針(6)と共に、本体(1)より取り外される 。
【0026】
【効果】
本考案によれば次の通りの効果が得られる。
【0027】 (i)プラスチツク製であつて適宜押圧変形できるので、一穴式両頭針及び二穴 式両頭針のいずれも使用することができると共に、該本体(1)内を加圧状態に 保持する必要がなくなり、混注操作を常圧下で安定確実に行い得る。
【0028】 (ii)両頭針(6)がサポートリング(5)に支持されているので、ゴム栓(4 )の形状に制限を受けることがなくなり、例えばキヤツプ状や平板状の通常のゴ ム栓を使用できると共に、両頭針(6)の支持の安定性を向上できる。
【0029】 (iii )両頭針(6)の上下針体(6b1 ) (6b2 )に抜止め用のくさび部を設ける必要がないので、穿刺時にゴム栓(4 )を不当に傷付けることがなくなり、点滴静注時に於ける液洩れ要因を一掃でき る。
【0030】 (iv)加圧系がないので、混注時に液洩れを生ずる虞がない。
【0031】 (v)溶解液容器をそのまま点滴静注用に使用できるので、薬剤バイアル(8) は極く小さなものでよく、経済的負担を軽減できる。
【0032】 (vi)溶解液容器をプラスチツク製となしたので、軽量化できる。
【提出日】平成5年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本考案は、主として抗生剤などのスモールバイアル瓶入り注射用薬剤を点滴静 注する時の薬剤混注手段を具備する両頭針付溶解液容器に関する。
【従来の技術とその問題点】
従来薬剤混注手段を具備するこの種の容器として、例えば7に示されるよう な両頭針付溶解液容器バイアルが知られている。この従来方式のバイアルによれ ば、加圧溶解液バイアル(a)に備えた両頭針(c)の一方針(c)を減圧バ イアル瓶(e)のゴム栓(f)に穿刺すると同時に他方針(c)をバイアル (a)のゴム栓(d)の封膜部(d)に穿刺することにより、バイアル(a) 内の溶解液をバイアル(b)内に注入でき、混注の目的を達成できる。ところが この従来方式のものは、次の欠点がある。 (i)溶解液バイアル(a)内を加圧、薬剤バイアル(e)内を減圧にする必要 があり、両者のバランスは必ずしも一致しないので、薬剤バイアル(e)の内圧 上昇や減圧化を招いたり或いは加圧不足で溶解液バイアル(a)内に液が残存す るなどの問題を生ずる。 (ii)両頭針(c)を溶解液バイアル(a)のゴム栓(d)に直接固定してい るので、ゴム栓(d)の中央部に深い凹窪部を形成するなど、ゴム栓の形状に制 限を受けることに加え両頭針の固定が不安定となる。 (iii)両頭針(c)が加圧系に穿刺されるため、抜け防止のためのくさび型 形状を必要とし、このくさび型が穿刺時にゴム栓を傷付け、液洩れ原因となる危 険性がある。 (iv)バイアル(a)(e)の接合時に両頭針(c)の他方針(c)が先に 加圧側のバイアル(a)に穿刺されることがあり、穿刺部よりの溶解液噴出の危 険性がある。 (v)薬剤バイアル(e)は溶解液を全て注入できるだけの容量が必要であつて 、通常薬剤量の5〜10倍もの大容量のものが必要となり、経済面での負担が大 きい。 (vi)溶解液バイアル(a)は加圧を維持する必要があるので、ガス透過性の 点からガラス製とならざるを得ずプラスチック容器による軽量化ができない。 本考案はこのような従来の問題点を一掃することを目的としてなされたもので ある。
【問題点を解決するための手段】
本考案は、上記目的を達成するため、シール部により閉じられた口部を、上部 に有した押圧変形自在なプラスチック製の溶解液容器本体と、相連通する中空部 が形成された上下一対の針体を具備して前記口部の上方に位置する両頭針と、該 両頭針の上方に位置し下端にシールされた口部を有した薬剤バイアルと、前記溶 解液容器口部を同心状に囲んで前記両頭針及び薬剤バイアルを覆うように上方に 延び該口部から適宜取外し得るように装着された保護キャップとを備えており、 前記両頭針の針体は、前記保護キャップ内の薬剤バイアルの口部シール部を上部 の針体に押し付けることにより、前記保護キャップに対する摺動を伴って、下部 の針体による前記溶解液容器の口部シール部の穿刺、及び上部の針体による前記 薬剤バイアルの口部シール部の穿刺を行なって両容器内に挿入され、且つ挿入後の前記両容器を上下反転する毎に該針体を通じて下方へ容器内の薬剤を移動させ 得る長さとされていることを特徴とする両頭針付溶解液容器を提供するものであ る。
【実施例】
以下に本考案の実施例を添付図面にもとづき説明する。先ず、本考案の基礎を なす両頭針付溶解液容器の例を取り上げて本考案と共通する本質的部分につき説 明する。 図1は本考案の基礎をなす両頭針付溶解液容器の一例を 示す要部縦断正面図、 図2はその分解斜面図である。溶解液容器の本体(1)は、適宜押圧変形し得る 合成樹脂から成形されている。 上記本体(1)の細頸口部(2)の口端フランジ部(2a)に、プラスチック 製中栓(3)が、その下端のフランジ部(3a)において、熔着されている。上 記中栓(3)上にはキャップ状のゴム栓(4)が嵌着され密封されている。ゴム 栓(4)は下端部にフランジ部(4a)を有し、該フランジ部(4a)の外周部 には突縁(4b)が形成されている。 筒状のサポートリング(5)が上記本体(1)の口部(2)と同心をなすよう に、保護キャップ(7)の下部内側に嵌装保持され、その下端部は上記ゴム栓 (4)のフランジ部(4a)の突縁(4b)の内側に嵌着されている。該リング (5)の上部はゴム栓(4)より上方に突出し、上端には内方突出の係止突縁 (5a)が形成されている。 両頭針(6)は外周リング(6a)と、該リング(6a)の中心軸線方向に配 された上下一対の相連通する針体(6b)(6b)と、之等針体(6b) (6b)を外周リング(6a)に結合する結合部材(6c)から構成され、外 周リング(6a)に於て、上記サポートリング(5)に、該リング(5)をガイ ドとして上下方向にスライドできるように接合されている。 両頭針(6)は通常は上動上限位置を保持し、この状態のときは、下部針体 (6b)の下端はゴム栓(4)の天面に当止し又は近傍に位置している。両頭 針(6)の抜け止めを目的として、外周リング(6a)の下端部に外方突出の係 止突縁(6d)が形成され、該係止突縁(6d)は上記サポートリング(5)上 端の係止突縁(5a)に上動上限位置に於て係止されている。 テアオフ操作用のリング(7a)を具備する保護キャップ(7)が、中栓(3 )、ゴム栓(4)、サポートリング(5)及び両頭針(6)の周囲を覆うように 備えられる。保護キャップ(7)は例えばプラスチック製であつて、下端部にお いて、上記中栓(3)のフランジ部(3a)及び細頸口部(2)のフランジ部( 2a)と熔着されている。 図3(A)〜(C)に上記容器による混注操作の一実施状況が示され、最初に テアオフリング(7a)の操作をして保護キャップ(7)の上部を分断し、分断 された上部を取り除いて両頭針(6)を露出させる。この状況が図3(A)に示 されている。 次に薬剤入りバイアル(8)の保護キャップ(図示せず)を取り外し、ゴム栓 (8a)を露出させる。上記バイアル(8)の頭部の外径は、両頭針(6)の外 周リング(6a)の内径に略々等しく、この頭部が外周リング(6a)内に嵌入 されるように、バイアル(8)を両頭針(6)に向けて一気に押し込む。この押 し込みにより、両頭針(6)はサポートリング(5)に沿つて下方へスライドし 、よつて下部針体(6b)はゴム栓(4)及び中栓(3)の封膜部(3b)を 突き破つて溶解液容器の本体(1)内に挿入されると共に、上部針体(6b) はバイアル(8)のゴム栓(8a)に穿刺されて、バイアル(8)内に挿入され る。この状態が図3(B)に示されている。 次に溶解液容器を上方にし、必要あらば本体(1)をプラスチックの保有弾性 に抗して押圧変形して、溶解液を両頭針(6)を通じてバイアル(8)内に移行 させ、薬剤を溶解させた後、溶解液を再び本体(1)側に戻すことにより混注の 目的を達し得る。混注後はバイアル(8)、両頭針(6)及びサポートリング (5)を取り外すことにより、図3(C)に示す通り点滴静注に備えることがで きる。 この図3(C)に示す状態に於ては、溶解液容器のゴム栓(4)は天面全面が 大きく露出され、点滴注入において、輸液セットなどの採液器具をゴム栓(4) に接続するとき、ゴム栓(4)天面のアルコール清拭を容易に行い得ると共に、 液抜き針を穿刺する位置を自由に選択でき、通常の輸液容器と何ら異なるところ がない。 このように、上述の両頭針付溶解液容器は、溶解液容器に対して種々の薬剤バ イアルを適用し混注する上で、従来溶解液容器の前述の欠点を解消し、混注操作 を常圧下で安定確実に且つ簡便に行い得るものである。これに対して、本考案は 、溶解液容器と薬剤バイアルとを合体したものにおいても、この利点を生かし得 るようにした両頭針付溶解液容器を提供しようとするものである。 以下、図4から図6に示す本考案の実施例につき説明する。図において前述の 例と共通又は類似の部分には同一の番号を付す。図4に示す 実施例に於ては、保 護キャップ(7)の下部がサポートリング(5)を共用し、且つキャップ(7) の上部に薬剤バイアル(8)が収容され、ピール紙(10)を剥がし、バイアル (8)を下方へ押し込むことにより又は、ピール紙が延びるような構造で作られ ている場合には、これを剥がすことなくピール紙外側から下方へ押し込むことに より、混注し得るような構成になつている。それ以外の構成は図1に示された例 のものと実質的に同じである。 溶解液容器の本体(1)は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのような熱可 塑性合成樹脂から成形される。本体口部(2)の密封構造は、実施例のように中 栓(3)上にキャップ状のゴム栓(4)を嵌着したものの他、下記の両頭針の針 体を刺入し得るかぎり特に制限されない。また、サポートリング(5)の取付け 手段も図示の例に制限されるものではない。図には外周リング(6a)をサポー トリング(5)の内側に嵌合し接合した場合が示されているが、外側に嵌合する ようにしてもよい。両頭針(6)は図示のような一穴式のものの他、二穴式であ つてもよい。 図5に示す実施例においては、保護キャップ(7)にテアオフリング(7a) を備える代りに、螺合部(7b)が設けられ、螺合部(7b)に於て、これより 上方の保護キャップ部分を適宜取り外し得るようになつている。。これ以外の構 成は、図4に示された実施例のものと実質的に異なるところがない。 図6に示す実施例においては、ゴム栓(41)として、平板状のものが用いら れ、この平板状のゴム栓(41)は、螺合式保護キャップ(7)の下部部材(7 1)に形成された、筒状にして上端に内向フランジ(9a)を有するゴム栓押さえ(9)により中栓(3)上に固定されている。これ以外の構造は図7に示され た実施例のものと、実質的に異なるところがない。 図4から図6 に示された実施例に於て、保護キャップ(7)内に於ける薬剤バ イアル(8)の収容状態の安定性を向上するために、バイアル(8)の底面をピ ール紙(10)に適宜の接着剤を用いて仮着しておいてもよいし、またバイアル 本体を保護キャップ(7)に設けられたリブ(7c)で固定したり、更には両頭 針の外周リング(6a)にてバイアル頭部を保持してもよい。また保護キャップ (7)は図1に示された実施例と異なり、混注操作の終了後に、両頭針(6)と 共に、本体(1)より取り外される。
【効果】
本考案によれば次の通りの効果が得られる。 (i) プラスチック製であつて適宜押圧変形できるので、一穴式両頭針及び二 穴式両頭針のいずれも使用することができると共に、該本体内を加圧状態に保持 する必要がなくなり、混注操作を常圧下で安定確実に行い得る。 (ii)溶解液容器本体の口部には、該口部を囲んで上方に延びる保護キャップ が装着され、前記両頭針は保護キャップに対して摺動し案内される。したがって 、両頭針の上方から加えられる薬剤バイアルの押圧力により、両頭針は保護キャ ップに沿って針体方向に適正に案内され、上下両容器のシール部の穿刺を確実に する。また、両頭針が保護キャップに 支持されているので、ゴム栓の形状に制限 を受けることがなくなり、たとえばキャップ状や平板状の通常のゴム栓を使用で きる。 (iii)両頭針の上下針体に抜止め用のくさび部を設ける必要がないので、穿 刺時にゴム栓を不当に傷付けることがなくなり、点滴静注時に於ける液洩れ要因 を一掃できる。 (iv)加圧系がないので、混注時に液洩れを生ずる虞がない。 (v)両頭針により上下両容器のシール部を穿刺し薬剤及び溶解液の混注をした 後は、保護キャップをその内側に支持された両頭針及び薬剤バイアルと共に溶解 液容器本体口部から取外すことができるので、溶解液容器本体の天面が大きく露 出され点滴のための該天面の清拭及び点滴用針の刺入を容易に行なうことができる。また、このようにして 溶解液容器をそのまま点滴静注に使用できるので、薬 剤バイアルは極く小さなものでよく、経済的負担を軽減できる。 (vi)溶解液容器をプラスチツク製となしたので、ガラス製のものに比し、軽 量化でき、分別廃棄が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す要部縦断面図でる。
【図2】図1の分解斜面図である。
【図3】(A)〜(C)は混注操作状況を示す説明図で
ある。
【図4】本考案の他の実施例を示す要部縦断面図であ
る。
【図5】本考案のさらに他の実施例を示す要部縦断面図
である。
【図6】本考案のさらに他の実施例を示す要部縦断面図
である。
【図7】本考案のさらに他の実施例を示す要部縦断面図
である。
【図8】本考案のさらに他の実施例を示す要部縦断面図
である。
【図9】本考案のさらに他の実施例を示す要部縦断面図
である。
【図10】従来品の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
(1) 容器本体 (2) 細頸口部 (3) 中栓 (4) ゴム栓 (5) サポートリング (6) 両頭針 (7) 保護キヤツプ (8) スモールバイアル瓶 (9) ゴム栓押さえ (10) ピール紙
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 両頭針付溶解液容器
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の基礎をなす溶解液容器の例を示す要部
縦断面図である。
【図2】図1の分解斜面図である。
【図3】(A)〜(C)は図1の溶解液容器の混注操作
状況を示す説明図である。
【図4】本考案の1実施例に係る溶解液容器を示す要部
縦断面図である。
【図5】本考案の他の実施例を示す要部縦断面図であ
る。
【図6】本考案のさらに他の実施例を示す要部縦断面図
である。
【図7】従来品の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】 (1) 容器本体 (2) 細頸口部 (3) 中栓 (4) ゴム栓 (5) サポートリング (6) 両頭針 (7) 保護キャップ (8) スモールバイアル瓶 (9) ゴム栓押さえ (10) ピール紙
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月26日
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】削除

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シール部により閉じられた口部を、上部
    に有した押圧変形自在なプラスチック製の溶解液容器本
    体と、相連通する中空部が形成された上下一対の針体を
    具備して前記口部の上方に位置する両頭針と、該両頭針
    の上方に位置し下端にシールされた口部を有した薬剤バ
    イアルと、前記溶解液容器口部を同心状に囲んで前記両
    頭針及び薬剤バイアルを覆うように上方に延び該口部か
    ら適宜取外し得るように装着された保護キャップとを備
    えており、前記両頭針の針体は、前記保護キャップ内の
    薬剤バイアルの口部シール部を上部の針体に押し付ける
    ことにより、前記保護キャップに対する摺動を伴って、
    下部の針体による前記溶解液容器の口部シール部の穿
    刺、及び上部の針体による前記薬剤バイアルの口部シー
    ル部の穿刺を行なって両容器内に挿入され、且つ挿入後
    の前記両容器を上下反転する毎に該針体を通じて下方へ
    容器内の薬剤を移動させ得る長さとされていることを特
    徴とする両頭針付溶解液容器。
JP2191393U 1986-09-05 1993-04-26 両頭針付溶解液容器 Expired - Lifetime JPH0743012Y2 (ja)

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JP2191393U JPH0743012Y2 (ja) 1986-09-05 1993-04-26 両頭針付溶解液容器

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JP61-136741 1986-09-05
JP13674186 1986-09-05
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JPH0622272U true JPH0622272U (ja) 1994-03-22
JPH0743012Y2 JPH0743012Y2 (ja) 1995-10-04

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JP (1) JPH0743012Y2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001187110A (ja) * 1999-10-20 2001-07-10 Otsuka Pharmaceut Factory Inc キャップおよびそれを用いた薬剤容器
JP2002000700A (ja) * 1999-10-05 2002-01-08 Otsuka Pharmaceut Factory Inc キャップおよびそれを用いた薬剤容器

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JP2002000700A (ja) * 1999-10-05 2002-01-08 Otsuka Pharmaceut Factory Inc キャップおよびそれを用いた薬剤容器
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JPH0743012Y2 (ja) 1995-10-04

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