JP2003169840A - キャップおよびそれを備える薬液容器 - Google Patents

キャップおよびそれを備える薬液容器

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JP2003169840A
JP2003169840A JP2001374578A JP2001374578A JP2003169840A JP 2003169840 A JP2003169840 A JP 2003169840A JP 2001374578 A JP2001374578 A JP 2001374578A JP 2001374578 A JP2001374578 A JP 2001374578A JP 2003169840 A JP2003169840 A JP 2003169840A
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cap
outer frame
sealing body
frame body
ridge
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JP2001374578A
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English (en)
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Yoshiki Maesaki
義樹 前崎
Keiji Shinomiya
圭二 四宮
Fumito Uesugi
文人 上杉
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穿刺具の挿抜時等に外枠体の内壁面から封止
体が剥離するのを防止したキャップと、それを用いる薬
液容器とを提供する。 【解決手段】 キャップ10の構造を、略筒状である熱
可塑性樹脂製の外枠体11と、略円盤状でありかつ外枠
体11の内部を封止する熱可塑性エラストマー製の封止
体21とを備え、外枠体11の内壁面12にその周方向
yに沿って延びる凸条14を備え、かつ封止体21の穿
刺面22にその周縁部を切り欠いてなる、前記凸条14
と吻合する切欠面24を備えるものとする。切欠面24
とキャップ10の軸に垂直な面とのなす角度を30°〜
60°の範囲に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薬液容器の口部フラ
ンジに取り付けて用いられるキャップに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】医療
分野等において用いられる薬液容器の口部には、通常、
略筒状である樹脂製の外枠体91と、当該外枠体91の
内部を封止するゴム製の封止体93とを備えるキャップ
90が取り付けられる〔図8参照〕。このキャップ90
は、薬液容器の口部フランジに、外枠体91のフランジ
部92を熱溶着等によって取り付けて用いるものであ
る。
【0003】かかるキャップの封止体93には、近年、
ゴムに代えて熱可塑性エラストマーが広く採用されつつ
ある。これは、熱可塑性エラストマーは射出成形による
加工成形が可能であって、精度の高い封止体を簡易な方
法で大量に生産できること、さらには、外枠体91に熱
可塑性樹脂を用いることで封止体93と外枠体91の両
方を射出成形によって連続的に成型することが可能とな
り、効率よくキャップ90を製造できること、が大きな
要因である。
【0004】しかしながら、このように外枠体91が熱
可塑性樹脂からなり、封止体93が熱可塑性エラストマ
ーからなる場合には、両者の相溶性、融着性が十分でな
いと、封止体93に中空針等の穿刺具を抜き差しした
り、薬液容器を蒸気滅菌等に供したりして圧をかけたと
きに、図9に白抜き矢印で示すように、外枠体91の内
壁面から封止体93が剥がれるという問題が生じる。こ
の現象は、封止体93が外枠体91の軸方向に移動した
り、外枠体91から脱落したりするおそれを招くことか
ら、十分に防止する必要がある。
【0005】そこで本発明の目的は、略筒状の外枠体と
当該外枠体の内部を封止する封止体とからなるキャップ
において、穿刺具の挿抜時等に外枠体の内壁面から封止
体が剥離するのを防止したキャップと、それを用いる薬
液容器とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するための本発明に係るキャップは、略筒状で
ある熱可塑性樹脂製の外枠体と、略円盤状でありかつ当
該外枠体の内部を封止する熱可塑性エラストマー製の封
止体とを備えるものであって、前記外枠体が周方向に沿
って延びる凸条をその内壁面に備え、前記封止体が、穿
刺具を刺し入れる側の面に、その周縁部を切り欠いてな
る切欠面を備え、当該切欠面がキャップの軸に垂直な面
より30°〜60°の範囲で傾斜しており、かつその全
面に亘って前記凸条と吻合してなるものである。
【0007】本発明のキャップは、前述のように、外枠
体の内壁面に設けられた凸条と、封止体の穿刺面(穿刺
具を刺し入れる側の面)に設けられた切欠面とが吻合す
るものであって、しかも当該切欠面がキャップの軸に垂
直な面より上記30°〜60°の範囲で傾斜するもので
ある。このように切欠面が傾斜していることによって、
外枠体の内壁面と封止体の切欠面とが吻合している面
(接触面)での、封止体が外枠体から剥離しようとする
際の荷重(剥離力)の向きは当該接触面に対して直角に
近い角度となり(図2中の矢印参照。)、それゆえ、剥
離に対する抵抗力は大きくなる。なお、封止体が前記切
欠面を有しない場合には、前記剥離力の向きが両者の接
触面に対して平行に近い角度となることから、剥離に対
する抵抗力は極めて小さなものとなる。従って、本発明
のキャップによれば、穿刺具の挿抜によって封止体の穿
刺面側から圧がかかった場合においても、外枠体の内壁
面から封止体が剥離するのを確実に防止することができ
る。
【0008】本発明のキャップにおいては、前記外枠体
が、さらにその内壁面に、周方向に沿って延びる第2の
凸条を備え、前記封止体が、前記穿刺面と相対する面
に、その周縁部を切り欠いてなる第2の切欠面を備え、
当該第2の切欠面がキャップの軸に垂直な面より30°
〜60°の範囲で傾斜しており、かつその全面に亘って
前記第2の凸条と吻合してなるものであるのが好まし
い。
【0009】上記の好適態様のように、前述の切欠面と
同様な第2の切欠面を備えることによって、封止体の穿
刺面とは逆側の面から圧がかかった場合においても、外
枠体の内壁面から封止体が剥離するのを確実に防止する
ことができる。従って、上記好適態様によれば、例えば
薬液容器を蒸気滅菌処理等に供したりして、薬液容器の
内部側、すなわち封止体の穿刺面とは逆側の面から圧が
かかる場合にも、外枠体と封止体との剥離が生じるのを
防止することができる。
【0010】本発明のキャップにおいては、封止体の剥
離を防止する効果と、封止体を形成する際の容易さとの
バランスの観点から、前記凸条の頂部から前記内壁面ま
での高さが0.1〜2mmであるのが好ましい。これ
は、第2の凸条においても同様であって、前記第2の凸
条の頂部から前記内壁面までの高さは0.1〜2mmで
あるのが好ましい。本発明のキャップにおいては、前記
外枠体が、その内壁面のうち前記封止体と接触する領域
に、周方向に沿って延びる凹部または凸部を備え、か
つ、前記封止体が、その外周面に当該凹部または凸部と
嵌合する凸部または凹部を備えるのが好ましい。
【0011】また、本発明のキャップにおいては、前記
外枠体の内壁面のうち、前記封止体と接触する領域に、
粗面加工が施されているのが好ましい。上記のように、
外枠体の内壁面と封止体の外周面とに互いに嵌合する凹
部または凸部を設けたり、外枠体の内壁面に粗面加工を
施したりすることによって、外枠体内での封止体の固定
をより一層確実なものとすることができる。ここで、前
記凹部または凸部を設ける処理と、前記粗面加工の処理
とは重複して施されていてもよい。
【0012】本発明に係る薬液容器は、本発明のキャッ
プを口部のフランジに溶着してなるものである。かかる
薬液容器は、その口部材として本発明のキャップを備え
ることから、外枠体と封止体との剥離が防止されてい
る。それゆえ、封止体への穿刺具の抜き差しや薬液容器
への蒸気滅菌処理等によって封止体に圧がかかったとし
ても、封止体と外枠体との剥離が十分に抑制されてお
り、剥離に伴う液漏れ等の問題が生じることがない。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るキャップと、
それを用いた薬液容器について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。本発明に係るキャップは、例えば図1に
その一実施形態を示すように、略筒状である外枠体11
と、外枠体11の内部を封鎖する封止体21とを備える
ものである。
【0014】外枠体11は、その内壁面12に、周方向
yに沿って延びる凸条14を備えている。一方、封止体
21は、その穿刺面22の周縁部を切り欠いてなる切欠
面24を備えており、この切欠面24と前記凸条14と
は吻合している。ここで、図1および図2に示すよう
に、外枠体11の凸条14と封止体21の切欠面24と
の接触面23は、キャップ10の軸(キャップの軸方向
を符号xで示す。)に垂直な面19とのなす角θが30
°〜60°となるように傾斜して設定されている。な
お、切欠部24の表面を封止体21の穿刺面22側に延
設すると円錐形状をなすが、上記接触面とキャップの軸
に垂直な面とのなす角θは、より厳密には、かかる円錐
における母線とキャップの軸方向に対して垂直な面との
なす角をいう。
【0015】凸条14と切欠面21との接触面23と、
キャップ10の軸に垂直な面19とのなす角θが上記範
囲を下回ると、凸条14の強度が極めて弱いものとなっ
たり、あるいは凸条14の頂部から外枠体内壁面12ま
での高さhが極めて大きくなって封止体21の有効径が
狭くなったりするおそれがあるために好ましくない。逆
に、前記角度θが上記範囲を超えると、穿刺面22の周
縁部における外枠体内壁12と封止体21との接触面が
当該内壁12と平行に近い角度となることから、穿刺具
の挿抜によって封止体21の穿刺面22側から圧がかか
った場合に、外枠体11と封止体21との剥離に対する
抵抗力が極めて小さくなるおそれがある。
【0016】凸条14の頂部から前記内壁面12までの
高さhは0.1〜2mmであるのが好ましい。凸条14
の高さhが上記範囲を下回ると、その形成が困難になる
だけでなく、凸条を設けたことによる前述の効果が得ら
れなくなるおそれがある。逆に、凸条14の高さhが上
記範囲を超えると、穿刺面22とは逆側の面26からの
圧力によって封止体21が移動するおそれをより一層確
実に防止することができるものの、封止体21の有効径
が狭くなったり、前記角度θを所定の範囲に設定するの
が困難になったりするおそれがある。
【0017】封止体21の穿刺面22はキャップ10の
天面をなす面であって、当該穿刺面22側から中空針等
の穿刺具が刺し通される。符号25は、穿刺具の穿刺位
置を示す凹部である。一方、封止体21の穿刺面22と
は逆側の面26は、例えば本発明のキャップ10を薬液
容器の口部材として使用した場合に、薬液容器の内部側
に接する面である。薬液容器の内部側において、外枠体
11はフランジ部13をなしており、このフランジ部1
4は、後述する図7に示すように、薬液容器の口部51
におけるフランジ52に溶着される。
【0018】図3〜図6は、本発明に係るキャップの他
の実施形態である。図3に示すキャップ10aは、図1
に示すキャップ10と同様に、略筒状である外枠体11
と、外枠体11の内部を封鎖する封止体21とを備える
ものであって、外枠体11の内壁面12には周方向yに
沿って延びる凸条14が、封止体21の穿刺面22に
は、周縁部を切り欠いて前記凸条14と所定の角度で吻
合する切欠面24が、それぞれ設けられている。
【0019】さらに、図3に示すキャップ10aは、外
枠体11の内壁面12に、その周方向yに沿って延びる
第2の凸条15を備えており、封止体21の穿刺面22
とは逆側の面26には、その周縁部を切り欠いてなり、
前記第2の凸条15と吻合してなる第2の切欠面28が
設けられている。ここで、図3に示す第2の凸条15と
第2の切欠面28との接触面は、キャップ10aの軸に
垂直な面とのなす角が30°〜60°となるように傾斜
して設定される。なお、第2の切欠部28の表面を封止
体21の穿刺面22とは逆側の面26側に延設すると円
錐形状をなすが、上記接触面とキャップの軸に垂直な面
とのなす角は、より厳密には、かかる円錐における母線
とキャップの軸方向に対して垂直な面とのなす角をい
う。
【0020】第2の凸条15と第2の切欠面28との接
触面と、キャップ10aの軸に垂直な面とのなす角が上
記範囲を下回ると、第2の凸条15の強度が極めて弱い
ものとなったり、あるいは第2の凸条15の頂部から外
枠体内壁面12までの高さが極めて大きくなって封止体
21の有効径が狭くなったりするおそれがあるために好
ましくない。逆に、前記角度が上記範囲を超えると、前
記逆側の面26の周縁部における外枠体内壁12と封止
体21との接触面が当該内壁12と平行に近い角度とな
ることから、例えばキャップ10aを備える薬液容器を
上記滅菌に供したりしてその内圧が上昇した場合に、す
なわち封止体21に前記逆側の面26側から圧がかかっ
た場合に、外枠体11と封止体21との剥離に対する抵
抗力が極めて小さくなるおそれがある。
【0021】また、第2の凸条15の頂部から前記内壁
面12までの高さは0.1〜2mmであるのが好まし
い。高さが上記範囲を下回ったときの問題点は、前述の
凸条14の場合と同様である。逆に、上記範囲を超える
と、穿刺面22側からの圧力によって封止体21が移動
するおそれをより一層確実に防止できるものの、前述の
場合と同様に、封止体21の有効径が狭くなったり、前
記接触面と軸に垂直な面とのなす角度を所定の範囲に設
定するのが困難になったりするおそれがある。
【0022】図4〜図6に示すキャップ10b,10
c,10dは、いずれも、図1に示すキャップ10と同
様に、略筒状である外枠体11と、外枠体11の内部を
封鎖する封止体21とを備えるものであって、外枠体1
1の内壁面12には周方向yに沿って延びる凸条14
が、封止体21の穿刺面22には、周縁部を切り欠いて
前記凸条14と所定の角度で吻合する切欠面24が、そ
れぞれ設けられている。さらに、図4に示すキャップ1
0bにおいては、外枠体11の内壁面12のうち封止体
21と接触する領域に、その周方向に沿って延びる凸部
16が設けられており、封止体21の外周面には、前記
凸部16と嵌合する凹部29が設けられている。
【0023】図5に示すキャップ10cにおいては、外
枠体11の内壁面12のうち封止体21と接触する領域
に粗面加工が施されている。このように、外枠体11と
封止体21とに、互いに嵌合する凸部16および凹部2
9を設けることによって、あるいは、外枠体11の内壁
面12に粗面加工を施すことによって、前述のように、
外枠体11内での封止体21の固定をより一層確実なも
のとすることができる。
【0024】図4に示す互いに嵌合する凸部16と凹部
29は、外枠体11と封止体21とのそれぞれ逆の側に
設けられていてもよい。すなわち、外枠体11に凹部が
備えられており、封止体21に凸部が備えられていても
よい。また、外枠体11および封止体21に設けられる
凸部または凹部は、図4に示す形状に限定されるもので
はない。例えば、外枠体11の内壁面12に設けられる
凸条は、図6に示すキャップ10dのように、複数のリ
ブ18であってもよい。
【0025】次に、本発明のキャップを構成する各部に
ついて説明する。 〔外枠体〕本発明のキャップにおける外枠体は、熱可塑
性樹脂によって形成される。外枠体に使用可能な熱可塑
性樹脂は特に限定されるものではないが、封止体を形成
する熱可塑性エラストマー(後述)との相溶性が良好な
ものであるのが好ましく、薬液容器の口部に熱溶着等の
方法により溶着可能なものであるのがより好ましい。
【0026】外枠体に使用可能な熱可塑性樹脂の具体例
としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)、ポリ4−メチルペンテン〔例えば三井化学(株)
の商品名「TPX」〕等のポリオレフィン;エチレン−
テトラシクロドデセン共重合体〔例えば、三井化学
(株)の商品名「アペル」〕等のポリ環状オレフィン:
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(A
BS);ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリアリレート等の
ポリエステル;ポリフェニレンサルファイド(PPS)
等のベンゼン系重合体等の、医療器具に従来用いられて
いる種々のプラスチックが挙げられる。
【0027】外枠体の天面(例えば栓体17の穿刺位置
21側,図1参照)には、その使用前に封止体の天面
(例えば栓体17の他方の面19側,図1参照)が汚れ
るのを防止するために、ピールシール等の保護フィルム
を設けてもよい。保護フィルムの材質については特に限
定されるものではなく、従来公知のプラスチックフィル
ムやラミネートフィルムを採用することができる。
【0028】〔封止体〕本発明のキャップにおける封止
体は、熱可塑性エラストマーによって形成される。封止
体に使用可能な熱可塑性エラストマーは特に限定される
ものではないが、外枠体を形成する熱可塑性樹脂(前
述)との相溶性が良好なものであるのが好ましい。
【0029】封止体に使用可能な熱可塑性エラストマー
の具体例としては、スチレン−エチレン/ブチレン−ス
チレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SI
S)、マレイン酸変性等の変性SEBS、スチレン−エ
チレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SE
PS)、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合
体(SEB)、スチレン−エチレン/プロピレンブロッ
ク共重合体(SEP)等のスチレン系エラストマー;エ
チレン−プロピレンブロック共重合体等のオレフィン系
エラストマー;ポリウレタン系エラストマー等の、医療
器具に従来用いられている種々の熱可塑性エラストマー
が挙げられる。外枠体を形成する熱可塑性樹脂にポリエ
チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)を用いる場合
には、封止体を形成する熱可塑性エラストマーとしてS
EBS等を用いるのが、両者の相溶性が良好となり、外
枠体と封止体との接着性が向上することから好ましい。
【0030】封止体の特性については、中空針等の穿刺
具に対する刺通性に優れていることのほかは特に限定さ
れるものではない。一般的には、穿刺具の先端が鋭利で
はない場合であってもこれを貫通させるのが困難なほど
に強靭または高硬度でなく、かつ、通常の保管時や薬液
容器の滅菌処理時等において容易に変形したり、破損し
たりしない程度の強度を有するものであればよい。従っ
て、本発明のキャップに用いられる封止体は、JIS
A硬度〔JISK 6301に記載の方法にて測定した
スプリング硬さHs(JIS A)〕が20〜70であ
るのが好ましく、30〜50であるのがより好ましい。
また、封止体の圧縮永久歪みは、前記穿刺具を繰り返し
抜き差ししても破損することがないように、JIS K
6301に記載の方法にて測定した値〔圧縮永久歪み
率CS(%)、熱処理温度・時間:70℃×22時間〕
が30以下であるのが好ましい。
【0031】中空針等の穿刺具を刺通させる位置(穿刺
位置,図1および図2の符号25参照)における封止体
の厚さについては特に限定されるものではないが、先端
が鋭利ではない穿刺具であってもある程度容易に貫通さ
せることができる程度に、かつ、通常の保管時や薬液容
器の滅菌処理時等において容易に変形したり、破損した
りしない程度の厚みであればよい。通常、穿刺位置にお
ける封止体の厚さは、3〜7mm、好ましくは4〜6m
mの範囲で設定される。
【0032】〔キャップの製造方法〕本発明のキャップ
は、例えば(i) あらかじめ成型された外枠体の内部に封
止体を射出成形によって成型する方法、(ii)あらかじめ
外枠体と封止体とを別々に成型しておき、外枠体の内部
に封止体を挿入する方法、(iii) あらかじめ封止体を成
型しておき、封止体を取り囲むようにして射出成形によ
り外枠体を成型する方法、等の、種々の方法を採用する
ことができる。
【0033】本発明の場合、外枠体と封止体との双方が
射出成形によって成形可能な素材からなることから、上
記(i) の方法を採用するのが最も好ましい。上記(i) の
方法によれば、精度の高い封止体を簡易な方法で成型で
き、大量生産が可能になり、しかも封止体と外枠体とを
連続した工程で効率よく成型することができる。なお、
上記(ii)および(iii) の方法のように、封止体を先にま
たは別個に成型すると、外枠体を成型するために別の金
型に移さなければならないが、本発明の場合、特に封止
体がその形状からして移送しにくいものであること、さ
らには、熱可塑性エラストマーは粘性が高く、金型から
取り出しにくいものであることから、外枠体を先に成形
する方が有利である。逆に、上記(i) の方法のように、
外枠体を先に成形すると、封止体と融着性が低くなる場
合がある。従って、融着性が著しく低下するような場合
には、図4〜図6に示すように、外枠体11の内壁面1
2に凸部16を形成して封止体21の凹部29と係合さ
せたり、外枠体11の内壁面12に粗面加工を施したり
するのが好ましい。
【0034】〔薬液容器〕次に、本発明に係る薬液容器
について説明する。本発明に係る薬液容器は、例えば図
7に示すように、薬液53等を収容するボトルの口部材
として本発明のキャップを使用したものである。図3に
示す薬液容器50において、本発明のキャップ10は、
薬液容器50の口部51におけるフランジ52に融着さ
れる。
【0035】前述のように、本発明のキャップ10,1
0a〜10dは、外枠体11と封止体21との剥離が防
止されている。それゆえ、封止体21への穿刺具の抜き
差しや薬液容器50への蒸気滅菌処理等によって封止体
21に圧がかかったとしても、封止体21と外枠体11
との剥離が十分に抑制されており、剥離に伴う液漏れ等
の問題が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明に係るキャップの一実施形態を示
す断面図であって、(b) はその部分欠截斜視図である。
【図2】図1に示すキャップの外枠体と封止体との境界
部分を示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明に係るキャップの他の実施形態を示す断
面図である。
【図4】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図5】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図6】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図7】本発明に係るキャップを用いた薬液容器の一実
施形態を示す斜視図である。
【図8】従来のキャップの一例を示す断面図である。
【図9】図8に示すキャップの外枠体と封止体との境界
部分を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】 10 キャップ, 11 外枠体, 12 内壁面,
13 フランジ部,14 凸条, 15 第2の凸条,
16 凸部, 17 粗面加工処理面,18 リブ,
21 封止体, 22 穿刺面, 24 切欠面,
25 穿刺位置, 26 他方の面, 28 第2の切
欠面, 29 凹部, 50 薬液容器, 51 口
部, 52 口部フランジ, x キャップの軸方向,
y周方向, θ 切欠面のなす角度.

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略筒状である熱可塑性樹脂製の外枠体と、
    略円盤状でありかつ当該外枠体の内部を封止する熱可塑
    性エラストマー製の封止体とを備えるキャップであっ
    て、 前記外枠体が周方向に沿って延びる凸条をその内壁面に
    備え、 前記封止体が、穿刺具を刺し入れる側の面に、その周縁
    部を切り欠いてなる切欠面を備え、 当該切欠面がキャップの軸に垂直な面より30°〜60
    °の範囲で傾斜しており、かつその全面に亘って前記凸
    条と吻合してなるものであるキャップ。
  2. 【請求項2】前記外枠体が、さらにその内壁面に、周方
    向に沿って延びる第2の凸条を備え、 前記封止体が、前記穿刺面と相対する面に、その周縁部
    を切り欠いてなる第2の切欠面を備え、 当該第2の切欠面がキャップの軸に垂直な面より30°
    〜60°の範囲で傾斜しており、かつその全面に亘って
    前記第2の凸条と吻合してなるものである請求項1記載
    のキャップ。
  3. 【請求項3】前記凸条の頂部から前記内壁面までの高さ
    が0.1〜2mmである請求項1または2記載のキャッ
    プ。
  4. 【請求項4】前記第2の凸条の頂部から前記内壁面まで
    の高さが0.1〜2mmである請求項2記載のキャッ
    プ。
  5. 【請求項5】前記外枠体が、その内壁面のうち前記封止
    体と接触する領域に、周方向に沿って延びる凹部または
    凸部を備え、かつ、前記封止体が、その外周面に当該凹
    部または凸部と嵌合する凸部または凹部を備える請求項
    1〜4のいずれかに記載のキャップ。
  6. 【請求項6】前記外枠体の内壁面のうち、前記封止体と
    接触する領域に、粗面加工が施されてなる請求項1〜4
    のいずれかに記載のキャップ。
  7. 【請求項7】口部のフランジに、請求項1〜6のいずれ
    かに記載のキャップを溶着してなる薬液容器。
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