JP2010056011A - 粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料を保持している膜の損傷が発生しても、鏡筒の先端部に配置された性能上重要な部分である対物レンズの内部の汚染を防止することができるとともに、鏡筒内での汚染部位を簡便に取り除くことができる粒子線装置を提供する
【解決手段】粒子線装置は、粒子線源と粒子線源からの粒子線が通過するための粒子線通過パイプとを有し、粒子線通過パイプを通過した粒子線を先端から放出する鏡筒と、鏡筒の先端と繋がる真空室とを備え、鏡筒から放出された粒子線を試料に照射する粒子線装置において、鏡筒の先端側に位置する粒子線通過パイプ内部に管状部材が着脱自在に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子線等の粒子線を用いた粒子線装置に関する。特に、粒子線装置に設けられた鏡筒内部の汚染拡大の防止に関連する。
膜に保持された液体を含む試料に、該膜を介して電子線等の一次線(粒子線)を照射し、これにより試料から発生する反射電子等の二次的信号を検出する試料検査装置(粒子線装置)が開発されている。
このような粒子線装置において、大気に開放された状態で膜の上面に保持された試料に対して、該膜の下方に位置する鏡筒(一次線照射手段)から電子線を照射して走査する走査電子顕微鏡(SEM)の構成を備えるものもある。
この場合、電子線は、該膜を介して試料に到達することとなるが、該膜において試料が保持される側の面(上面)は大気圧雰囲気となっているのに対して、その反対側の面(下面:該膜において電子線が入射する側の面)は、所定の真空雰囲気に晒されている。
このため、試料の検査・観察時において、試料を保持している該膜の上下の面に接する各雰囲気の間で、圧力差が生じることとなる。この圧力差により該膜には不要な外力が印加され、場合によってはこの外力により該膜が損傷することがある。該膜が損傷すると、該膜の損傷部を介して試料中の液体が、真空雰囲気側に位置する鏡筒に侵入し、鏡筒内部が該液体により汚染される。
このような鏡筒内部の汚染を防止するために、従来技術においては、該膜と鏡筒との間に介在する真空室内に、該膜と鏡筒との間の空間を仕切るための仕切り弁(開閉バルブ)を配置する構成がある(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された構成において、一次線照射手段としての鏡筒は、電子線を上方に向けて照射する倒立型となっており、真空室内部の真空劣化を真空計にて検出することにより該膜の損傷を検知する。そして、該膜の損傷を検知した際には、直ちに仕切り弁を閉鎖する。
しかしながら、現実的には、該膜の損傷を検知した時点で真空室及び鏡筒内への液体の侵入による影響は出ており、上記構成では当該影響の回避は困難である。
そして、仕切り弁を機械的に高速移動(高速開閉動作)させても、真空と大気圧との圧力差によって押し出される液体の移動速度は非常に速く、十分に対応できる仕切り弁の動作は、数ナノ秒オーダーでの動作で、現実的には機構的に達成困難である。
このような仕切り弁が有効に機能するときは、試料保持体(シャーレ又はディッシュ)を当該装置に載置して、試料保持体の備えられた膜の下面側の雰囲気を真空に排気するときに、その仕切り弁を閉鎖させている場合である。
すなわち、該膜又は該膜近傍の膜支持部材の耐圧力性能、もしくはシャーレ素材と膜支持部材との接着部の耐圧力性能が劣化している場合や、SEM観察の前におけるマニピュレータによる試料へのマニピュレーションの最中に、マニピュレータの針先による該膜の損傷が発生した場合における保護策として、上記仕切り弁が有効となる。
特開2007−292702号公報
上記のような倒立型鏡筒からなるSEMを備える試料検査装置において、試料を保持している膜の損傷時における鏡筒内部の汚染拡大の防止対策としては、現時点において十分に有効な対策は達成されていない。
この問題に対する解決策には、(1)膜損傷発生の頻度や可能性を低下させる、(2)鏡筒の汚染の影響を低下させる、(3)膜損傷の発生を瞬間的に検知して、それに即応した汚染防止策を講じる、がある。
対策(1)は、例えば、膜の高品質化により該膜の強度を増加することや、膜損傷の可能性が高くなる紫外線照射もしくはSEM観察時での長時間の電子線照射に対して警告ないし注意を促すことである。
対策(2)は、膜の下面側の雰囲気を真空に排気する開始時からSEM観察の直前までの間に、SEM鏡筒先端と該膜との間に設置された仕切り弁を動作することにより、該鏡筒内部の汚染を低減するものである。
そして、対策(3)は、膜損傷の発生を瞬間的に検出し、SEM鏡筒先端と該膜との間に設置されたシャッターを動作することにより、瞬間的に汚染を抑えるものである。
しかし、対策(1)について、膜損傷の発生メカニズムの理解は解明されておらず、破れにくい高品質な膜の製作は成功していない。
また、対策(2)及び対策(3)において、シャッターや仕切り弁による開閉動作はメカニカルな動作であり、動作時間をいかに短くしても、真空と大気圧との圧力差によって押し出される液体の移動速度に対応できる数ナノ秒オーダーでの動作実現は不可能である。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、試料を保持している膜の損傷が発生しても、鏡筒の先端部に配置された性能上重要な部分である対物レンズの内部の汚染を防止することができるとともに、鏡筒内での汚染部位を簡便に取り除くことができる粒子線装置を提供することを目的とする。
本発明における粒子線装置は、粒子線源と粒子線源からの粒子線が通過するための粒子線通過パイプとを有し、粒子線通過パイプを通過した粒子線を先端から放出する鏡筒と、鏡筒の先端と繋がる真空室とを備え、鏡筒から放出された粒子線を試料に照射する粒子線装置において、鏡筒の先端側に位置する粒子線通過パイプ内部に管状部材が着脱自在に配置されていることを特徴とする。
本発明においては、粒子線装置を構成する鏡筒の先端側に位置する粒子線通過パイプ内部に、管状部材が着脱自在に配置されている。
これにより、鏡筒の先端側を介して、粒子線通過パイプ内に試料の一部が侵入しても、その試料の一部は管状部材内部に留まることとなる。
従って、鏡筒の先端部に配置された対物レンズ内部に試料が侵入して当該内部が汚染されることを確実に防止することができる。
さらに、管状部材は粒子線通過パイプ内部に着脱自在に配置されているので、この管状部材の交換を行うことにより、鏡筒内部での汚染部位を簡単に取り除くことができる。
以下、図面を参照して、本発明について説明する。図1は、本発明における粒子線装置を示す概略構成図である。この粒子線装置は、走査電子顕微鏡の構成を具備しており、倒立型の鏡筒を備えている。
該粒子線装置に載置された試料保持用のシャーレ30上には、試料10が配置されている。試料10は、培養液10aと、この培養液10a中での観察・検査対象物となる細胞15を含んでいる。シャーレ30の上部は、大気開放されており、シャーレ30の上方に位置する光学顕微鏡(図示せず)により、シャーレ30の上部から細胞15の観察を行うことができる。
シャーレ30において、試料10を保持する領域(内側底面)には、薄膜50が設けられている。さらにシャーレ30には、開口30aが形成されており、この開口30aは、薄膜50により覆われている。この薄膜50は、電子線(粒子線)が通過でき、一気圧の差圧に耐える厚さとなっている。
薄膜50は、具体的には、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、カーボン、酸化シリコン、窒化シリコン、若しくは窒化ボロンのうちの少なくとも一つを含み、該薄膜50の膜厚は10〜1000nmの範囲にある。
このシャーレ30は、該粒子線装置を構成する真空室201の上部に載置されている。真空室201の上部には、開口201aが形成されている。シャーレ30が真空室201の上部に載置された状態では、シャーレ30の薄膜50に覆われた開口30aは、真空室201の開口201aに対応する位置に配置されることとなる。シャーレ30内において、薄膜50上には、培養液10a及び細胞15を含む試料10が配置されている。試料10は、シャーレ30内において、大気圧雰囲気に晒されている。
また、真空室201の下部には、倒立型の鏡筒200が設置されている。鏡筒200の基端部には、電子線源(粒子線源)260が配置されている。電子線源260から上方に向けて放出された電子線270は、集束レンズ205aにより集束されるとともに、偏向コイル205bに入射する。
偏向コイル205bに入射して通過した電子線270は、偏向コイル205bにより偏向作用を受け、その軌道が変化する。軌道が変えられた電子線270は、対物絞り207及び受け皿部800を通過し、スキャンパイプ(粒子線通過パイプ)206の基端側に入射する。対物絞り207には、所定寸法の開口が形成されており、当該開口内を電子線270が通る。受け皿部800は、対物絞り207の当該開口に接近して固定されている。
スキャンパイプ206は、中空の円筒形状となっており、その内部には、中空形状のインナーパイプ700(管状部材)が配置されている。対物絞り207及び受け皿部800を通過した電子線270は、インナーパイプ700内を通過することとなる。インナーパイプ700の内部には、オリフィス部材710が配置されている。
このようにしてスキャンパイプ206及びインナーパイプ700の基端側に入射した電子線270は、スキャンパイプ206の外側面側に配置された偏向コイル205cにより偏向される。これにより、電子線270の軌道は、インナーパイプ700内で変化する。
このようにして軌道が変えられた電子線270は、インナーパイプ700内において、オリフィス部材710を通過し、インナーパイプ700の先端側から放出される。インナーパイプの先端部には、鍔部702が設けられている。この鍔部702は、鏡筒200の先端部に当接されている。これにより、インナーパイプ700の本体部が、スキャンパイプ206内に配置された状態で、鏡筒200に着脱自在に取付けられている。
鏡筒200の先端側には、対物レンズ205dが配置されている。インナーパイプ700を通過する電子線27は、対物レンズ205dにより集束された状態で、鏡筒200の先端部から真空室201内に放出される。
真空室201内には、反射電子検出器210が配置されている。反射電子検出器210は、鏡筒200から放出された電子線270が通過するための開口が形成されている。この反射電子検出器210は、支持部材210aにより、真空室201内で支持されている。この支持部材210aにも、電子線270が通過できる開口が形成されている。
鏡筒200内部及び真空室201内部は、それぞれ設定された所定の真空度の真空雰囲気(減圧雰囲気)となるように、個別に真空引きされる。真空室201は、除振器41を介して、基台42に載置されている。鏡筒200の先端側は、真空室201の底部に固定されている。
上記のごとく鏡筒200の先端部から放出された電子線270は、真空室201内において、反射電子検出器210及びその支持部材210aの各開口を通過する。さらに、電子線270は、真空室201の上部に形成された開口201a及びシャーレ30の底部に形成された開口30aを介して、シャーレ30に設けられた薄膜50に到達する。
そして、電子線270は、薄膜50を通過し、薄膜50上に配置された試料10に照射される。このとき、電子線270は、偏向コイル205cによる偏向作用により偏向され、試料10を走査する。試料10には、観察・検査対象の細胞15が含まれており、電子線270の当該走査に応じて、細胞15等(試料10)から検出対象となる反射電子が発生する。
試料10から発生した反射電子は、薄膜50を通過し、真空室201内に配置された反射電子検出器210に到達する。反射電子検出器210は、この反射電子の検出を行い、その検出信号を図示しない画像データ形成手段に送信する。画像データ形成手段は、当該検出信号に基づいて、試料像となる走査像の画像データを形成する。当該画像データに基づいて画像表示手段(図示せず)が画像を表示することにより、本装置の操作者は細胞15等の観察及び検査を行うことができる。
なお、電子線270の走査に応じて試料10から検出される検出対象(信号)としては、別途検出器を配置することにより、二次電子、カソードルミネッセンス、蛍光、またはX線の検出を行うことができる。
さて、上述のように薄膜50を介して電子線270を試料10に照射(走査)し、これに基づいて試料10から発生する反射電子等の信号を検出して、試料10の走査像等を取得するときには、薄膜50の上面(試料10が配置される面)は大気圧雰囲気に晒されているのに対して、薄膜50の下面(真空室201内の雰囲気に接する面)は真空雰囲気に晒されることとなる。
よって、試料10を保持している薄膜50の上下面にそれぞれ接する雰囲気の圧力差により、薄膜50には外力(圧力)が加わることとなる。特に、薄膜50は、電子線270及び反射電子等が通過できる程度にまで薄膜化されており、当該圧力差に対する耐圧性を備えている必要がある。
しかしながら、電子線270の照射によって、経時的にその耐圧性が損なわれることがある。この場合には、当該圧力差によって、薄膜50が破れて損傷が生じる可能性が高い。
このような薄膜50の損傷トラブルが生じると、大気圧側に配置された液体試料10(培養液10a及び細胞15を含む)が、上記圧力差によって、薄膜50の損傷部分を介して真空室201内部及び鏡筒200内部に侵入することとなる。
ここで、鏡筒200内の雰囲気は、真空室201内の雰囲気よりもさらに低圧となっている。よって、真空室201内に入った試料10の一部は、さらに鏡筒200内にも侵入することとなる。
このような場合には、試料10の侵入により、鏡筒200内部に汚染が生じることとなる。鏡筒200内部にこのような汚染が生じると、コンタミやそれに起因するチャージアップが発生し、電子線270の不要な偏向やフォーカスずれ等が生じる原因となる。
すなわち、コンタミの場合には、対物絞り207の機能劣化により、画質や分解能が低下することがある。チャージアップの場合には、電子線270の照射位置が不定期にずれてしまい、検出画像においてノイズが発生してしまうことがある。
そこで、試料10の侵入による汚染の影響が高い部位を、汚染発生後に速やかに交換するようにすれば、装置のメンテナンス機能が向上する。特に、重要なのは、インナーパイプ700と対物絞り207に設けられた受け皿800の部位である。
本発明においては、インナーパイプ700は、鏡筒200の先端部から抜き取れる構成となっており、通常のSEMにおけるスキャンパイプと同様の機能を備えている。このインナーパイプ700の特徴は当該汚染発生後に交換できる部材であり、通常のSEMにおけるスキャンパイプでは、そのような交換は想定されていない。
本装置において、対物レンズ205を貫通するように鏡筒200内部に配置されたスキャンパイプ206は、その中空構造の内側が真空引きされている。また、このスキャンパイプ206の外側(外側面の側)には、対物レンズ205dのコイルが位置し、該コイルの放熱を考慮して、該スキャンパイプ206の外側は大気開放されており、そのためのOリングとの接触面を備える。
インナーパイプ700は、導電性の非磁性材料から構成され、その中空構造の内部は電子線270が通過する。そして、このインナーパイプ700は、上記汚染による鏡筒200内部への更なる汚染拡散を防止するため、交換可能なように着脱自在となっている。
ここで、インナーパイプ700が導電性を備える必要があることの理由は、チャージアップの発生を防止することである。また、インナーパイプ700が非磁性を備える必要があることの理由は、対物レンズ205d等の磁界レンズにより発生する磁界を乱さないようにすることであり、偏向コイル205cによる電子線270の走査にも影響を及ぼさないようにすることである。さらに、インナーパイプ700内部にオリフィス部材710が配置されており、鏡筒200内部への更なる汚染を抑制することができる。
そして、インナーパイプ700に次いで鏡筒200内部への更なる汚染防止に効果的なのが、対物絞り207に設けられた受け皿800である。この受け皿800は、インナーパイプ700内部を通り、オリフィス部材710によって受けきれずにインナーパイプ700内を通過して落下した試料10を受けるための水受けとしての機能を果たす。この受け皿800があるので、鏡筒200内部において、対物絞り207からその下にある電子源260までの空間への汚染拡散を防止することが可能となる。
さらに、インナーパイプ700内を通過する電子線270の光軸を、電子源260から偏向コイル205bに向けて放出される電子線270の光軸からずらすようにしてもよい。すなわち、対物絞り207の軸を鏡筒200の中心軸に一致させずに、該中心軸に対して100μm以上ずれた位置となるようにしている。これにより、インナーパイプ700から落下する試料10が受け皿800によって確実に受け止められるようになる。よって、電子源260の部分まで試料10が直接侵入することがない。
このとき、電子源260から放出された電子線270の軌道は、鏡筒200の中心軸に対して100μm以上ずれて偏芯しているが、偏向コイル205b,205cの偏向作用により、インナーパイプ700内での電子線270の軌道を補正することにより、当該電子線270の光軸を鏡筒200の中心軸と一致するようにしている。
ここで、電子線270の光軸の偏芯を100μm未満にしないことの理由は、100μm未満とすると、対物絞り207の穴径に対する設計上のゆとりが少なく、安全率が不十分となって効果が薄くなるからである。
対物絞り207に設けられた受け皿800についてさらに言及すると、受け皿800は、対物絞り207の上部又は横に配置し、対物絞り207と固定される。これにより、受け皿800は、対物絞り207と一体的に移動する。インナーパイプ700内への試料10の侵入が発生した後は、受け皿800とともに対物絞り207を一体的に鏡筒200から取り出して、対物絞り207及び受け皿800の洗浄や交換が行われることとなる。
なお、受け皿800の上に、着脱可能な蓋820を配置するようにすれば、受け皿800からの液体の跳ね返りによる汚染拡散を防止することができる。蓋820の洗浄や交換も可能である。
図2は、インナーパイプ700の形状を示す斜視図である。図2の紙面左奥側には、インナーパイプ700の本体部先端に配置された鍔部702が図示されている。また、当該本体部の中空構造の中央位置には、オリフィス部材710が設けられている。当該本体部は円筒形となっている。
インナーパイプ700の素材は、燐青銅又はアルミニウム等の磁場に影響を与えず、加工が比較的容易なものからなる。また、紙や樹脂シートの表面にアルミニウム等をコーティングして、チャージアップしない構成のものを用いることもできる。
なお、インナーパイプ700を分離可能な構成とすることもできる。例えば、図3(a)に示すように、インナーパイプ700において、鍔部702からオリフィス部材710までの先端側部分780と、オリフィス部材710から基端側までの基端側部分781とに分離できるようにする。このように分離可能とすることにより、先端側部分と基端側部分とをそれぞれ別の素材から構成することができる。
基端側部分781の形状としては複数のバリエーションが考えられる。図3(a)に示す基端側部分781は、円筒形状となっており、スキャンパイプ206と同様な形状となっている。しかしながら、基端側部分781が、このような円筒形状であると内径が非常に小さいパイプとなり、汚染後の内部の洗浄は非常に困難となる。また、このような加工は難しいので、当該基端側部分781が高価になる。
そこで、別のバリエーションとしては、アルミ合金や、紙にアルミコーティングしてなる軽い素材を、図3(b)又は(c)に示すように、当該素材からなる1枚のシートを筒状に丸めたり、丸めて折ったり、もしくは組み合わせたりして、断面が円形又は多角形の形状を有する筒状からなる基端側部分781とすることもできる。このような構成でも汚染の封じ込めを行うことができ、本性能を実現することができる。この場合、折り合わせ部705の折り合わせ面は、0.5mm以上が適当であり、冶具等を用いて、基端側部分781の形状を整える。
上記各例において、インナーパイプ700として用いられる素材は、導電性を有する非磁性材料であり、一定以下の低倍率を実現するための電子線270による試料上への走査を行わなければ、上記構成からなるインナーパイプ700を鏡筒200に取付けても、一次線としての電子線270の軌道に対して影響を及ぼすことはない。
なお、水溶性のインクを薄膜50に形成された微小窓領域から真空雰囲気側に漏水させた実験を行ったところ、水溶性インクの粒は、漏水部分からほぼ直線的な飛翔工程で真空内壁面に付着する。漏水部分と内壁面との間に板があると、板の陰になっている部分にはインクの吸着はほとんどないことが判っている。そのため、汚染させたくない部分には、遮蔽板のような部材を前面に配置すればよい。
さらに、図4には、インナーパイプ700の基端側に、偏芯対応の孔710a付きの蓋708を配置した例が示されている。上述したように、対物絞り207だけで汚染拡散の防止は可能であるが、上述のように電子線270の光軸の偏芯を行う際には、このような蓋708を当該基端側に設けることにより、インナーパイプ700からの試料汚染をより確実に防ぐことが可能となる。なお、このとき、蓋708に水受け用の受け皿部を形成するようにしてもよい。
また、インナーパイプ700の基端部及び蓋708に凹部715を形成することもできる。このときスキャンパイプ206の内壁に、当該凹部715と係合する凸部を設けておく。これにより、インナーパイプ700の交換時におけるスキャンパイプ206内におけるインナーパイプ206の位置再現性を向上させることができる。
そして、凹部715を、電子線270が通過する孔710aが位置する側に対して反対側の位置に設けることにより、一次線である電子線270の軌道に影響を与えないようにすることができる。
ここで、蓋708に形成される孔710aは、対物絞り207の開口径に比較して、十分大きく形成される。これにより、対物絞り207を可動とし、SEMの分解能がより適切となるように対物絞り207の軸調整が可能となる。
図5は、対物絞り207と受け皿800とが固定されて一体的に構成されたものの一例を示す図である。対物絞り207の上部に受け皿800が配置されている。受け皿800には、対物絞り207の開口の上に、孔810が設けられている。この孔810により、液体が対物絞り207に流れ込むことを防止できる。対物絞り207の開口及び当該孔810内を電子線270が通過することとなる。
ここで、真空内に噴出される液体量に応じた受け皿800の容積が必要であるが、蒸気圧以下の真空排気条件を実現すれば、試料10に含まれた水分の殆どは気化すると考えられる。昨今のSEM用ロータリーポンプは、排気能力の大きなものが多く使用され、到達真空度が1Pa程度のものもある。このようなロータリーポンプを用いれば、汚染発生から相当時間経過後に受け皿800を交換すれば、受け皿800内の水分は殆ど蒸発して、試料中に溶けていた物質が析出されることとなる。なお、気化に時間がかかる場合を想定して、上述の受け皿のような構成を用いることが望ましい。
上記構成により、鏡筒200の先端側(対物レンズ205dが配置された側)から侵入した試料10の一部からなる汚染物質を、インナーパイプ700内部及び対物絞り207の位置にある受け皿800内部にて封じ込めることができ、汚染物質の鏡筒200内でのさらなる拡散を防止することができる。
インナーパイプ700は、操作者により、鏡筒200の先端側から引き抜くことができ、また受け皿800は、可動とされた対物絞り207とともに一体的に引き抜くことができる。よって、汚染発生後には、これらインナーパイプ700及び受け皿800を簡単に交換することができる。インナーパイプ700内には、オリフィス部材710が配置されているので、汚染物質の拡散をより効果的に防止することができる。
ここで、インナーパイプ700を、アルミホイル等で折り曲げたり、丸めたりして作成すれば、低コストにてインナーパイプ700を形成することができる。インナーパイプ700をアルミホイル等で作成する場合には、円筒や断面多角形となる筒等の芯となる部材を冶具として使用できる。このような芯となる部材(冶具)にアルミホイル等を巻き付け、その外側をテープ等で固定すれば、作成作業が非常に効率的である。外側のテープには、電子線270は照射されないので、チャージアップは生じない。よって、市販されているセロハンテープやビニールテープ等を用いることができる。
また、インナーパイプ700は、シームレスなステンレスである必要はない。よって、複数部材からインナーパイプ700が構成された場合、当該部材の折り合せ部の幅は0.5mm以上であれば十分に必要機能を満たす。
本実施例のような倒立型の鏡筒200を備える装置においては、薄膜50の破損時における試料10(培養液や生物細胞等を含む)の装置内への侵入による汚染に対する保護が必要となる。汚染により装置性能に影響を与えやすい部位については、速やかな交換が必須である。上述したインナーパイプ700を用いることにより、鏡筒200内部において、対物レンズ205dの先端から対物絞り207までの間の領域に対する汚染を確実に防止することができる。
このように、本発明の粒子線装置は、粒子線源260と粒子線源260からの粒子線270が通過するための粒子線通過パイプ206とを有し、粒子線通過パイプ206を通過した粒子線270を先端から放出する鏡筒200と、鏡筒200の先端に繋がる真空室201とを備え、鏡筒200から放出された粒子線270を試料10に照射する粒子線装置であって、鏡筒200の先端側に位置する粒子線通過パイプ206内部に管状部材700が着脱自在に配置されている。
この管状部材700の内部には、オリフィス部材710が設けられている。なお、管状部材700の少なくとも一端に、オリフィス部材710を設けることもできる。オリフィス部710材は、管状部材700の本体部から分離可能とすることもできる。
管状部材700は、非磁性かつ導電性の素材から構成することができる。例えば、管状部材700を、銅、燐青銅、又はアルミニウム合金から作成することができる。
また、管状部材700を、紙又は樹脂シートの表面にアルミニウムコーティングを施してなる導電シート、若しくはアルミニウム合金シートから作成することもできる。具体例として、管状部材700は、前記導電シート若しくは前記アルミニウム合金シートの一枚又は数枚が多角形柱形状ないし円柱形状に丸められて構成されており、その折り合わせ部の幅が0.5mm以上とすることもできる。
鏡筒200内部においては、開口が形成された絞り部材207が管状部材700の基端側に対応して配置されており、絞り部材207には受け皿部800が固定され、受け皿部800と共に絞り部材207が移動可能となっている。
絞り部材207の開口の中心軸は、鏡筒200の軸に対して0.1mm以上偏芯している。そして、粒子線源260が位置する側の鏡筒200の基端部は、粒子線通過パイプ206の先端が位置する側の鏡筒200の先端部に対して下方に位置している。
鏡筒200から放出された粒子線270は、粒子線270が透過する膜50を介して試料10に照射される。これにより試料10から発生する反射電子、二次電子、カソードルミネッセンス、蛍光、もしくはX線を検出する検出器を当該装置に備えることができる。
本発明においては、粒子線装置を構成する鏡筒200の先端側に位置する粒子線通過パイプ206内部に、管状部材700が着脱自在に配置されている。
これにより、鏡筒200の先端側を介して、粒子線通過パイプ206内に試料10の一部が侵入しても、その試料10の一部は管状部材700内部に留まることとなる。
従って、鏡筒200の先端部に配置された対物レンズ205d内部に試料10が侵入して当該内部が汚染されることを確実に防止することができる。
さらに、管状部材700は粒子線通過パイプ206内部に着脱自在に配置されているので、この管状部材700の交換を行うことにより、鏡筒200内部での汚染部位を簡単に取り除くことができる。
このように、本発明の粒子線装置は、粒子線源260と粒子線源260からの粒子線270が通過するための粒子線通過パイプ206とを有し、粒子線通過パイプ206を通過した粒子線260を先端から放出する鏡筒200と、鏡筒200の先端と繋がる真空室201とを備え、鏡筒200から放出された粒子線260を試料10に照射する粒子線装置において、鏡筒200の先端側に位置する粒子線通過パイプ206内部に管状部材700が着脱自在に配置されていることを特徴としている。
特に、管状部材700は、鏡筒200の先端を介して着脱可能に配置されており、管状部材700には、鏡筒200の先端の外側に位置する鍔部702が設けられている。また、管状部材700の内部又は管状部材700の少なくとも一端には、オリフィス部材710が設けられている。オリフィス部材710は、管状部材700の本体部から分離可能とすることができる。
ここで、管状部材700は、非磁性かつ導電性の素材から構成することができる。特に、管状部材700は、銅、燐青銅、又はアルミニウム合金から構成することができる。また、管状部材700は、紙又は樹脂シートの表面にアルミニウムコーティングを施してなる導電シート、若しくはアルミニウム合金シートから構成することができる。さらに、管状部材700は、導電シート若しくはアルミニウム合金シートの一枚又は数枚が多角形柱形状ないし円柱形状に丸められて構成され、その折り合わせ部の幅が0.5mm以上とすることができる。
また、鏡筒200内部において、開口が形成された絞り部材207が管状部材700の基端側に対応して配置されており、絞り部材207には受け皿部800が固定され、受け皿部800と共に絞り部材207が移動可能とすることができる。このとき、絞り部材207の開口の中心軸が、鏡筒200の軸に対して0.1mm以上偏芯していると好適である。
さらに、管状部材700の内壁面に、プラズマ処理又はUV処理を施しておくと、管状部材700の内部に侵入した液体を当該内部に保持させるようにすることができる。このような処理が施された当該内壁面は、親水性となるからである。
また、この他に、管状部材700の内壁面に、吸水性物質を設けるようにすることもできる。このような吸水物質は、高分子吸収剤から構成することが可能である。
具体的には、当該高分子吸水剤として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アクリル酸・アクリル酸ナトリウム共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸塩、若しくは以下の物質(ポリアクリル酸,ポリスチレンスルホン酸,カルボキシルメチルセルロース,マレイン酸無水物,セルロースエーテル,ポリエチレンオキサイド,ポリビニルアルコール)の中の少なくとも一つを架橋させたポリマーを用いることができる。
また、上記吸水性物質としては、高分子吸収剤の他に、シリカゲル、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、又は塩化コバルトを用いることもできる。
このような吸水性物質によっても、管状部材700の内部に侵入した液体を当該内部に保持させるようにすることができる。
また、粒子線源260が位置する側の鏡筒200の基端部は、粒子線通過パイプ206の先端が位置する側の鏡筒200の先端部に対して下方に位置している。鏡筒200から放出された粒子線270は、粒子線270が通過する膜50を介して試料10に照射され、これにより試料10から発生する二次的信号は、検出器210により検出される。
このとき、膜50の第一の面は真空室201内の真空雰囲気に接しており、膜50の第二の面は外部からアクセス可能なように開放された大気圧雰囲気に接している。粒子線270は、膜50の第二の面に保持された試料10に対して、膜50の第一の面側から膜50を介して照射される。膜50の第一の面は膜50の下面となっており、膜50の第二の面は膜50の上面となっている。
ここで、膜50は、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、カーボン、酸化シリコン、窒化シリコン、若しくは窒化ボロンのうちの少なくとも一つを含み、該膜の膜厚は10〜1000nmの範囲に設定することができる。
また、試料10から発生する二次的信号は、反射電子、二次電子、カソードルミネッセンス、蛍光、若しくはX線とすることができる。
本発明では、このような構成により、鏡筒200の先端側を介して、粒子線通過パイプ206内に試料10の一部が侵入しても、その試料10の一部は管状部材700の内部に留まることとなる。
従って、鏡筒200の先端部に配置された対物レンズ205d内部に試料10が侵入して当該内部が汚染されることを確実に防止することができる。
さらに、管状部材700は粒子線通過パイプ206内部に着脱自在に配置されているので、この管状部材700の交換を行うことにより、鏡筒200内部での汚染部位を簡単に取り除くことができる。
本発明における粒子線装置を示す概略構成図である。 インナーパイプの一例を示す図である。 インナーパイプの他の例を示す図である。 インナーパイプのさらなる別の例を示す図である。 受け皿部の構成を示す図である。 図5のA−B断面の図である。
符号の説明
10…試料、15…細胞、30…シャーレ、50…薄膜(膜)、200…鏡筒、201…真空室、205…電磁コイル、206…スキャンパイプ(粒子線通過パイプ)、207…対物絞り、210…反射電子検出器、260…電子線源(粒子線源)、270…電子線(粒子線)、700…インナーパイプ(管状部材)、702…鍔部、705…折り返し部、708…蓋、710…オリフィス部材、715…凹部、800…受け皿、810…開口、820…受け皿用蓋

Claims (23)

  1. 粒子線源と粒子線源からの粒子線が通過するための粒子線通過パイプとを有し、粒子線通過パイプを通過した粒子線を先端から放出する鏡筒と、鏡筒の先端と繋がる真空室とを備え、鏡筒から放出された粒子線を試料に照射する粒子線装置において、鏡筒の先端側に位置する粒子線通過パイプ内部に管状部材が着脱自在に配置されていることを特徴とする粒子線装置。
  2. 前記管状部材は、前記鏡筒の先端を介して着脱可能に配置されていることを特徴とする請求項1記載の粒子線装置。
  3. 前記管状部材には、前記鏡筒の先端の外側に位置する鍔部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の粒子線装置。
  4. 前記管状部材の内部には、オリフィス部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3何れか記載の粒子線装置。
  5. 前記管状部材の少なくとも一端には、オリフィス部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3何れか記載の粒子線装置。
  6. 前記オリフィス部材は、前記管状部材の本体部から分離可能であることを特徴とする請求項4又は5記載の粒子線装置。
  7. 前記管状部材は、非磁性かつ導電性の素材から構成されることを特徴とする請求項1乃至6何れか記載の粒子線装置。
  8. 前記管状部材は、銅、燐青銅、又はアルミニウム合金から構成されることを特徴とする請求項1乃至6何れか記載の粒子線装置。
  9. 前記管状部材は、紙又は樹脂シートの表面にアルミニウムコーティングを施してなる導電シート、若しくはアルミニウム合金シートから構成されることを特徴とする請求項1乃至6何れか記載の粒子線装置。
  10. 前記管状部材は、前記導電シート若しくは前記アルミニウム合金シートの一枚又は数枚が多角形柱形状ないし円柱形状に丸められて構成されており、その折り合わせ部の幅が0.5mm以上あることを特徴とする請求項9記載の粒子線装置。
  11. 前記鏡筒内部において、開口が形成された絞り部材が前記管状部材の基端側に対応して配置されており、絞り部材には受け皿部が固定され、受け皿部と共に絞り部材が移動可能となっていることを特徴とする請求項1乃至10何れか記載の粒子線装置。
  12. 前記絞り部材の開口の中心軸が、前記鏡筒の軸に対して0.1mm以上偏芯していることを特徴とする請求項11記載の粒子線装置。
  13. 前記管状部材の内壁面には、プラズマ処理又はUV処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至12何れか記載の粒子線装置。
  14. 前記管状部材の内壁面には、吸水性物質が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12何れか記載の粒子線装置。
  15. 前記吸水物質は、高分子吸収剤からなることを特徴とする請求項14記載の粒子線装置。
  16. 前記高分子吸水剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アクリル酸・アクリル酸ナトリウム共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸塩、若しくは以下の物質(ポリアクリル酸,ポリスチレンスルホン酸,カルボキシルメチルセルロース,マレイン酸無水物,セルロースエーテル,ポリエチレンオキサイド,ポリビニルアルコール)の中の少なくとも一つを架橋させたポリマーからなることを特徴とする請求項15記載の粒子線装置。
  17. 前記吸水物質は、シリカゲル、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、若しくは塩化コバルトからなることを特徴とする請求項14記載の粒子線装置。
  18. 前記粒子線源が位置する側の前記鏡筒の基端部が、前記粒子線通過パイプの先端が位置する側の前記鏡筒の先端部に対して下方に位置することを特徴とする請求項1乃至17何れか記載の粒子線装置。
  19. 前記鏡筒から放出された粒子線は、該粒子線が通過する膜を介して試料に照射され、これにより試料から発生する二次的信号を検出する検出器を備えることを特徴とする請求項1乃至18何れか記載の粒子線装置。
  20. 前記膜の第一の面は真空雰囲気に接しており、前記膜の第二の面は外部からアクセス可能なように開放された大気圧雰囲気に接しており、前記粒子線は、前記膜の第二の面に保持された試料に対して、前記膜の第一の面側から該膜を介して照射されることを特徴とする請求項19記載の粒子線装置。
  21. 前記膜の第一の面が該膜の下面となっており、前記膜の第二の面が該膜の上面となっていることを特徴とする請求項20記載の粒子線装置。
  22. 前記膜は、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、カーボン、酸化シリコン、窒化シリコン、若しくは窒化ボロンのうちの少なくとも一つを含み、該膜の膜厚が10〜1000nmの範囲にあることを特徴とする請求項19乃至21何れか記載の粒子線装置。
  23. 前記試料から発生する二次的信号は、反射電子、二次電子、カソードルミネッセンス、蛍光、若しくはX線であることを特徴とする請求項19乃至22何れか記載の粒子線装置。
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