JP2010052043A - 丸鋳片の連続鋳造方法および連続鋳造設備 - Google Patents

丸鋳片の連続鋳造方法および連続鋳造設備 Download PDF

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Abstract

【課題】継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法および設備を提供する。
【解決手段】連続鋳造中の丸鋳片に、一対のロールからなる圧下スタンドとして、上ロールにカリバー底の開き角度δを80〜130°とする鞍型ロール6aが、下ロールに平型ロール6bが配置された一対のロールからなる圧下スタンド6と、上ロールに平型ロール7bが、下ロールにカリバー底の開き角度δを80〜130°とする鞍型ロール7aが配置された一対のロールからなる圧下スタンド7とを、鋳造方向に沿って交互に複数基配置して、凝固完了前に圧下を加える。なお、鋳造パスラインの最上流側に、下ロールにカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールを配置した圧下スタンドとすることが好ましい。これにより、既設の鋳造設備を利用でき、丸鋳片に引張応力を発生させることなく、内部品質に優れた丸鋳片を安価に製造できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、丸鋳片の連続鋳造方法および丸鋳片の連続鋳造設備に係り、詳しくは、従来、連続鋳造ままの内部品質で、継目無鋼管用素材として問題のあった炭素濃度の高い炭素鋼及び合金鋼などの丸鋳片や、鋳造ままの状態では熱間加工性が悪く、継目無鋼管用素材としては使用できなかったCr含有鋼の丸鋳片などの内部品質向上のための、丸鋳片の連続鋳造方法および該丸鋳片を連続鋳造するための連続鋳造設備に関する。
継目無鋼管は、非特許文献1に記載されるように、一般的に、鋳造した鋼塊(インゴット)に加工を加えて製造される丸状または角状の鋼片、或いは、連続鋳造により製造される丸状または角状の鋳片を継目無鋼管用素材として使用し、これらの鋼片或いは鋳片をマンネスマン穿孔法、またはプレス穿孔法、若しくは熱間押出法などを用いて中空の素管に加工し、その後、エロンゲータ、プラグミルまたはマンドレルミルなどの圧延機により延伸し、仕上げ工程としてサイザーやストレッチレデューサにより定径化する工程を経て製造されている。
この継目無鋼管用の素材としては、一般の低炭素鋼のように、内質に優れ、熱間加工性の良い丸鋳片を比較的簡単に連続鋳造により製造可能な鋼種の場合には、鋳造ままの丸鋳片が用いられる。しかし、Crを含有するステンレス鋼などのように、連続鋳造による製造では、その軸芯部にポロシティや偏析が生じやすく、熱間加工性に劣る鋼種の場合には、鋳造ままの丸鋳片を用いると素管(継目無鋼管)の内面に疵が発生する。このため、連続鋳造などにより角形状の鋳片を製造し、その後、該鋳片に加工を加えて所定の寸法の丸状鋼片または角状鋼片とし、継目無鋼管用素材として使用していた。
ステンレス鋼などのCr含有鋼の熱間加工性が劣る主な原因は、耐食性向上のために添加されるCrの含有量増加に起因して、連続鋳造時に偏析やポロシティが鋳片軸芯部に発生しやすく、内質の劣った丸鋳片になるためである。熱間加工性に特に大きな悪影響を与えるポロシティは、丸鋳片の最終凝固部に発生する空隙に、溶鋼の粘度が高いなどの理由により、溶鋼が供給され難いことによって発生する。
図3に、溶鋼中のCr濃度と溶鋼の粘度との関係を示す。図3から、溶鋼中のCr濃度の増加に伴って溶鋼の粘度が増すこと、及び、13質量%前後のCr濃度で溶鋼の粘度がピークを示すことが分かる。また、図4に、Cr濃度の少ない領域における、溶鋼中のCr濃度と溶鋼の粘度との関係を示す。図4から、Cr濃度が0.5質量%を超えると溶鋼の粘度の上昇が顕著になることが分かる。
このような内部欠陥を有する丸鋳片に対して、過酷な加工方法であるマンネスマン穿孔法を施すと、得られる素管の内面には、ポロシティや偏析に起因した疵が発生する。このため、特に難加工性材料と呼ばれる鋼種は当然のこととして、炭素量の多い鋼種やCrが添加された鋼種についても、圧延工程を経て製造された丸鋼片を継目無鋼管用素材として用いることが必須とされてきた。例えば、非特許文献2に記載されるように、高Cr鋼など、連続鋳造ままの丸鋳片を素材として用いると素管の内面疵が懸念される鋼種の場合には、大断面の鋼塊或いは連続鋳造鋳片を製造し、これらを加熱した後に分塊圧延してポロシティを機械的に圧着させ、内部品質の優れた丸鋼片を得て、継目無鋼管用素材としていた。なお、ここでいう「鋼片」とは、分塊圧延などの圧延工程を経て得られるものであり、また「鋳片」とは、連続鋳造したままのものである。
また、近年、ポロシティに加え、ポロシティの周囲に発生する放射状の割れ(以下、「軸芯割れ」と記す)が製管の阻害要因になるとも言われている。この軸芯割れの発生原因は幾つか提唱されているが、最も影響度の大きい因子としては、鋳片の冷却時に発生する軸芯部熱応力であるとされている。
このように、鋳造ままの素材で製管を行うと疵の発生が懸念される場合には、鋳造した素材(鋳片)を分塊圧延して機械的にポロシティを圧着させ、鋳片にポロシティが存在していてもその影響を製管時に発生させないようにしていた。
しかしながら、連続鋳造鋳片に分塊圧延を施すと、圧延後の鋼片の端面が凹凸のある形状となり、そのまま、継目無鋼管用素材として穿孔すると凸部を巻き込み、素管の内面疵になる。そのため、圧延後の鋼片を継目無鋼管用素材とするためには、鋼片端面の形状を整えるための切断工程が必須となる。このため、端部の切断によるクロップが必然的に発生し、製品歩留が低下するという問題がある。また、当然ながら、分塊圧延を行うための再加熱も製品コストを増大させる要因となるという問題もある。
そこで、分塊圧延工程を経ずに、連続鋳造のままの丸鋳片をそのまま、継目無鋼管用素材とするべく、丸鋳片の内質を向上させる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、連続鋳造における鋳片の連続鍛圧方法が記載されている。特許文献1に記載された技術は、鋳片に連続的に鍛圧加工するにあたり、鋳片の中心部の固相率fsが0.5〜0.9を示す位置で、未凝固厚みdの0.5倍以上を満足する総圧下量δからなる圧下を施す、連続鋳造における鋳片の連続鍛圧方法である。この特許文献1に記載された技術によれば、内部割れや負偏析の発生を回避でき、中心偏析の大幅な改善ができるとしている。また、特許文献1に記載された技術では、連続鋳造時に鍛圧加工を行っており、鍛圧加工による圧下のための加熱は必要とせず、ポロシティの圧着については優れた技術である。しかし、大圧下を可能とするために、設備強度を高く設定する必要があり、鍛圧加工設備の設備費が高額になるという問題がある。また、一般の炭素鋼などの鍛圧加工(圧下)を必要としない鋳片に対しても設備費の負担がかかってくるという問題もある。
また、特許文献2には、丸鋳片の連続鋳造装置の鋳型および鋳型直下に配置する電磁撹拌装置によって鋳型内の溶綱を円周方向に撹拌するにあたり、電磁撹拌による電磁撹拌指数を特定の範囲に制御して、連続鋳造する方法が記載されている。この特許文献2に記載された技術によれば、鋳型内及び鋳型直下で溶鋼を電磁撹絆することにより、凝固核を未凝固層中に生成させ、この凝固核によって鋳片の軸芯部を等軸晶で充填させ、中心偏析、鋳片内介在物および表皮下気泡の発生を防止でき、鋳片軸芯部のポロシティ及び偏析を抑制できるとしている。この特許文献2に記載された技術は、広く実施されているものの、その効果はポロシティの発生を防止するほどには大きくない。
また、連続鋳造鋳片の内質を向上させる他の手段として、例えば特許文献3には、連続鋳造法が記載されている。特許文献3に記載された技術は、溶融金属の連続鋳造における2次冷却帯に続く引抜き工程において、1対若しくは複数対の圧下ロールにより鋳片の未凝固相における液相線と固相線の間を一対のロール当たりの圧下率が1.5%以下で圧下することを特徴とする連続鋳造法である。特許文献3に記載された技術では、連続鋳造中の凝固末期の鋳片に、少なくとも凝固収縮量に相当する程度の圧下を加えながら鋳造することが好ましいとしている。この特許文献3に記載された技術によれば、凝固末期の鋳片を凝固収縮量だけロールで圧下し、ポロシティを軽減するとともに、濃化溶鋼の流動を抑えて中心偏析を防止できるとしている。この技術は、スラブ鋳片やブルーム鋳片の内質改善方法として良く知られており、「軽圧下技術」と呼ばれている。また、この技術では、鋳造中に圧下を加えるだけであり、設備費は比較的安価であり、圧下のための再加熱も不要であり、製造コストを低減できるという利点がある。
この軽圧下技術の1例として、例えば、非特許文献3には、高Cr鋼であるSUS304の丸ブルーム鋳片に軽圧下技術を適用した例が開示されている。非特許文献3に記載された、鋳片軸芯部の密度測定結果では、ポロシティの発生していないときの密度が7.8g/cmであるのに対し、圧下を付与したときの鋳片軸芯部の密度は7.7g/cmである。凝固組織の写真からも軸芯部に若干のポロシティの残存が確認でき、この技術によっても、鋳片のポロシティを完全には潰しきれていない。しかし、軽圧下を実施しない場合に比較すると、内部品質の改善効果は大きい。
この軽圧下技術を丸鋳片の連続鋳造に採用したときの最大の問題は、ロールによる圧下で引き起こされる鋳片形状の悪化つまり偏平化と、圧下量の増大に伴って発生の可能性が増大する凝固界面近傍の割れである。
例えば、板状鋳片を圧下するために用いるような、鋳片の移送方向に対しての垂直断面形状が矩形である平型ロールによる圧下を、丸鋳片に対して加えると、丸鋳片のロールに接触した部分は平面化し、他方、ロールに接触していない部分は膨らみ、丸鋳片の断面形状が偏平化し、更には角形に近づく。このため、このような鋳片を穿孔して継目無鋼管とした場合には、偏肉が発生する原因となる。しかも、このような平型ロールによる圧下により鋳片断面内で圧下方向と直交する方向に引張応力が発生し、割れが発生しやすくなる。また、ポロシティの圧着効果を高めるために圧下量を大きくすれば、丸鋳片の断面形状は更に真円から遠ざかる。その結果、得られる継目無鋼管の偏肉が大きくなって所望の規格を外れる恐れが高くなるとともに、割れの発生率が高くなる。また更には、継目無鋼管用素材として使用する際に、鋳片を転動して行う搬送ができなくなったり、また穿孔時に噛込みが不安定になったりするなどの重大な問題が発生する。
この偏平化の問題を解決するべく、特許文献4には、鋳造方向に垂直な断面が楕円形状の鋳片を鋳造し、鋳片内部が未凝固である状態で、鋳片断面の長径方向にカリバー付き成形用ロールを用いて圧下し、鋳片の断面形状が真円となるように圧下する丸ビレット鋳片のセンターポロシティ低減方法が記載されている。しかし、この特許文献4に記載された方法によれば、圧下後の鋳片形状の問題は解決されているが、記載される実施例から判断して、所望する鋳片直径に対し、10%を超える、強圧下を施しても、直径10mm以上のポロシティが残存し、鋳片段階におけるポロシティの低減効果は認められるものの、製管工程での内面疵抑制効果には疑問があり、その効果は小さいと言わざるを得ない。また、圧下量を大きくするためには、楕円形鋳型の長径と短径との差を大きくする必要があり、その場合には、鋳造時の鋳型内湯流れが真円断面の鋳型(円形鋳型)を用いた場合に比較して不均一になり、それに起因する湯面変動やモールドパウダーの巻き込みが、新たな欠陥の原因になる。また、必要な圧下量に対応して鋳型を数多く準備する必要があること、及び、内部品質に問題の無い鋼種の場合も圧下をかけることになり、コストが上昇することなどの問題もある。
これらの問題を解決するために、例えば特許文献5には、クロム合金鋼丸ビレット鋳片の製造方法が提案されている。特許文献5に記載された技術は、Cr含有量が0.5wt%を超えるCr合金鋼を直径340mm以下の丸形状鋳型により連続鋳造し、得られた丸ビレット鋳片の凝固末期の部分に圧下ロールで軽圧下を加える丸ビレット鋳片の製造方法であり、軽圧下を、丸ビレット鋳片を中間にして両側に相対する2個のV型カリバーロールからなる圧下ロールを、丸ビレット鋳片の鋳造方向に沿って2基以上配置し、各圧下ロールによる圧下方向が互いに異なるように圧下する、丸ビレット鋳片の製造方法である。この技術によれば、一定の効果が得られることが確認されている。
しかしながら、実際の鋳造においては、圧下量を多くしようとしても、鋳造方向上流側の圧下ロールが接触して圧下し偏平化した面を、さらに下流側の圧下ロールが接触して圧下し、ポロシティを低減しようとするために、圧下に伴う負荷を増大させても、下流側は圧下がほとんど得られないことが判明した。つまり、一対のV型カリバーロールからなる圧下ロールを2基以上配置し、ほぼ同じ丸鋳片の位置を圧下することになり、実質的には1スタンド(1基)の圧下ロールでの圧下と同じことになることが分かった。
このように、鋳造方向に複数スタンドの圧下ロールを配置し、それぞれの圧下ロールでの圧下量を制限しつつ全体の圧下量を確保することによって、鋳片の特定方向への偏った変形を防止し、圧下後の鋳片の外形を真円に近い状態にしようとしても、実質的には1スタンドの圧下ロールで圧下した場合と同等となる。また、ポロシティを低減するために圧下量を多くした場合には、丸鋳片の偏平化が依然として問題であり、偏平化した鋳片をさらに圧下すると、鋳片に引張応力が発生し、これに起因して割れが発生するなどの問題が発生する。
このように、特許文献5に記載された技術によっても、丸鋳片の偏平化を抑制した状態で、大きな面積減少率を伴う圧下を、安定且つ定常的に丸鋳片に付与することは困難であり、特に、丸鋳片の断面が大きくなるほど、その有用性が低下することが判明した。
また、特許文献6には、丸鋳片の連続鋳造時に、一方のロールがカリバー底の開き角度δが75°以上160°以下の鞍型ロール、相対するロールが平ロールであるロール対により、丸鋳片に圧下を加える継目無鋼管用連続鋳片の製造方法が提案されている。しかし、特許文献6に記載された技術によってもなお、特許文献5に記載された技術と同様の問題を残していた。
特開昭63-183765号公報 特開平1-180762公報 特開昭49-121738公報 特開平7-108358号公報 特開平9−300053号公報 特開平9−174212号公報
第3版鉄鋼便覧III(2)(1980)、p.952、p.971 第3版鉄鋼便覧III(2)(1980)、p.107〜170 材料とプロセス、vo1.7(1994)、No.1、p.195
上記したように、上記した従来の技術では、鋼の丸鋳片、特にCr含有鋼の丸鋳片を連続鋳造するにあたり、ポロシティの生成を完全に抑制することはできず、また、鋳造中の丸鋳片に軽圧下を加えた場合、鋳片断面形状が偏平となり、それによる弊害も発生していた。
即ち、合金成分を多く含む継目無鋼管用の丸鋳片の製造方法においては、軽圧下を行うことなく内質を改善することはほぼ不可能である。一方、軽圧下そのものの実施により真円形状から遠ざかることに起因して生ずる製管工程での損失が大きく、それ故、所望する圧下量での軽圧下を行うことができず、その結果、内質が良く、製管に好適な丸鋳片を得ることは困難であるという問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、熱間加工性の劣る鋼、特にCr含有鋼などの合金元素の多い鋼種であっても、内部品質に優れ、鋳造ままで継目無鋼管用素材とすることのできる丸鋳片を、断面形状を劣化させることなく且つ経済的に安定して製造できる、継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法および連続鋳造設備を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、連続鋳造時の丸鋳片の内部品質に影響する各種要因について、鋭意研究した。その結果、丸鋳片の凝固完了位置より前に、鋳造パスラインに沿って、一対のロールからなる圧下ロールを少なくとも2基(スタンド)配設し、かつ鋳造パスラインより上側のロール(上ロール)が平ロールで、鋳造パスラインより下側のロール(下ロール)が鞍型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドと、上ロールが鞍型ロールで、下ロールが平ロールである一対のロールからなる圧下スタンドとを、すなわち、上下一対のロールの形状を逆にした圧下スタンドを少なくとも2基、鋳造パスラインに沿って交互に配置して、丸鋳片を連続鋳造中に圧下することに想到した。そして、上ロールが平ロールで、下ロールが鞍型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドを、鋳造パスラインの最上流側に配置することが、鋳造作業を円滑に行ううえで、有効であることに思い至った。これにより、丸鋳片の内部品質が格段に向上するとともに、円滑な鋳造作業が可能となることを知見した。なお、このような場合、鞍型ロールのカリバーの開き角度δを、80°以上130°以下とすることが好ましいという知見を得ている。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨とするところは、次のとおりである。
(1)円形鋳型による連続鋳造中の丸鋳片の凝固完了位置近傍の鋳造方向二箇所以上に、一対のロールからなる圧下スタンドを複数基配置し、当該複数基の圧下スタンドを用いて凝固完了前の前記丸鋳片に圧下を加え、次いで、丸鋳片を切断する、継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法であって、前記複数基の圧下スタンドが、上ロールに、カリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールが配置され、下ロールに平型ロールが配置された上下一対のロールからなる圧下スタンドと、上ロールに、平型ロールが配置され、下ロールにカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールが配置された一対のロールからなる圧下スタンドと、を鋳造方向に沿って交互に配置した複数基の圧下スタンドであることを特徴とする、継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
(2)(1)において、前記複数基の圧下スタンドのうちの鋳造方向の最上流側に、前記上ロールが平型ロールで、下ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドを、配置して、丸鋳片を圧下することを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
(3)(1)または(2)において、前記複数基の圧下スタンドを2基の圧下スタンドとし、該2基の圧下スタンドのうち、鋳造方向の下流側に設置された圧下スタンドにおける前記圧下を、前記丸鋳片の軸芯部の固相率fsが0.3〜0.85である時期に、次(1)式
面積減少率(%)={1−(圧下後の丸鋳片の断面積)/(圧下前の丸鋳片の断面積)}×100 ‥‥(1)
で定義される面積減少率が1.5〜5%の範囲内となる圧下とすることを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記複数基の圧下スタンドを2基の圧下スタンドとし、該2基の圧下スタンドのうち、鋳造方向の上流側に設置された圧下スタンドにおける前記圧下を、前記丸鋳片の軸芯部の固相率fsが0.2以上0.5以下の時期に、前記(1)式で定義される面積減少率が1.5〜5%の範囲内となる圧下とすることを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記丸鋳片が、Cr含有量が0.5質量%以上のCr含有鋼製であることを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
(6)円形鋳型と、該円形鋳型の下流側に配置され、前記円形鋳型で形成された丸鋳片を、鋳造パスラインに沿って支持する複数の鋳片支持ロールからなる鋳片支持ロール群と、該鋳片支持ロール群のなかに配設され丸鋳片を冷却する二次冷却帯と、前記鋳片支持ロール群のなかの所定の位置に設置され、凝固完了前の前記丸鋳片を圧下する、一対のロールからなる圧下スタンドを複数基有し、丸鋳片を連続鋳造する丸鋳片の連続鋳造設備であって、前記複数基の圧下スタンドが、上ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールで、下ロールが平型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドと、上ロールが平型ロールで、下ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドと、を鋳造パスラインに沿って交互に配置した複数基の圧下スタンドであることを特徴とする丸鋳片の連続鋳造設備。
(7)(6)において、 前記複数基の圧下スタンドのうち、鋳造パスラインの最上流側に設置された圧下スタンドを、下ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールで、上ロールが平型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドとすることを特徴とする丸鋳片の連続鋳造設備。
(8)(6)において、 前記複数基の圧下スタンドを2基の圧下スタンドとし、該2基の圧下スタンドのうち、鋳造パスラインの上流側に設置する圧下スタンドを、下ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールで、上ロールが平型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドとし、該圧下スタンドの下流側に配置する圧下スタンドを、上ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールで、下ロールが平型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドとすることを特徴とする丸鋳片の連続鋳造設備。
(9)(7)または(8)において、少なくとも前記鋳造パスラインの上流側に設置された圧下スタンドの下ロールが、鋳造パスラインに対する移動機構を有することを特徴とする丸鋳片の連続鋳造設備。
(10)(6)ないし(9)のいずれかにおいて、前記一対のロールが、油圧方式のロール軸心間距離制御機構を有することを特徴とする丸鋳片の連続鋳造設備。
(11)(6)ないし(10)のいずれかにおいて、前記丸鋳片の連続鋳造設備が、湾曲型であることを特徴とする丸鋳片の連続鋳造設備。
本発明によれば、引張応力を発生させることなく、丸鋳片の軸芯部に圧下力を効率良く伝達でき、しかも、特定方向への偏った変形が防止され、少ない圧下量で、丸鋳片の断面形状を損ねることなく、Cr含有鋼などに生じやすい軸芯部のポロシティや軸芯割れの発生を抑制して、内部品質に優れた丸鋳片を製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、既設の鋳造設備を利用でき、高額な設備投資も不要で、製造費の削減が期待できるという効果もある。また、本発明によれば、通常の炭素鋼などの連続鋳造ままの継目無鋼管用丸鋳片の製造においても、内部品質の大幅な改善が得られ、低コストで製品歩留の向上及び生産能率の向上などの効果も期待できる。
本発明の連続鋳造設備の1例を模式的に示す図であり、継目無鋼管用丸鋳片を連続鋳造により製造する状況を示す概略図である。 2基の圧下スタンドを用いて、鋳造中の丸鋳片を圧下する状態を模式的に示す斜視図である。 溶鋼中のCr濃度と溶鋼の粘度との関係の一例を示すグラフである。 溶鋼中のCr濃度(低濃度側)と溶鋼の粘度との関係の一例を示すグラフである。
本発明では、図1に示すような、連続鋳造設備(ビレット連続鋳造機)1を利用して丸鋳片9を鋳造する。本発明で好適に使用する丸鋳片の連続鋳造設備1は、内部空間横断面が真円(円形)である連続鋳造鋳型(円形鋳型)4と、該円形鋳型の下流側に配置され、前記円形鋳型で形成された丸鋳片9を、鋳造パスライン(鋳造方向)に沿って支持する複数の鋳片支持ロール5からなる鋳片支持ロール群と、該鋳片支持ロール5が配置される範囲に配設され丸鋳片を冷却する二次冷却帯(図示せず)と、前記鋳片支持ロール群のなかの所定の位置に設置され、凝固完了前の前記丸鋳片9を圧下する、一対のロールからなる圧下スタンド6,7を複数基有する。二次冷却帯には、鋳造中の丸鋳片9を強制冷却するためのスプレーノズル(図示せず)が多数配置されて、丸鋳片を強制冷却するように構成されている。なお、図1には示されていないが、円形鋳型4或いは二次冷却帯に電磁撹拌装置を配置してもよい。
本発明では、丸鋳片9の凝固完了前に、丸鋳片9に圧下を加える。そのために、本発明では、鋳造パスライン(鋳造方向)に沿って、一対のロールからなる圧下スタンドを少なくとも2基(複数基)、丸鋳片の凝固完了点前に、設置する。図1では、複数基の圧下スタンドを、2基の圧下スタンド6,7としているが、本発明ではこれに限定されず、3基以上の圧下スタンドを配置しても構わない。3基以上の圧下スタンドを配置する場合も、隣り合う圧下スタンドは、上ロールおよび下ロールの形状が逆になるように、配置する必要がある。
圧下スタンド6、7は、それぞれ一対のロール6a,6b;7b,7aを備え、該一対のロール6a,6b;7b,7aには、それぞれ油圧シリンダー6c、7cを備え、連続鋳造中の丸鋳片9に押付け力を付加可能としている。図1中に示す圧下スタンド6は、鋳造パスラインの上流側に配置されたNo.1圧下スタンドであり、圧下スタンド7は、No.1圧下スタンドより鋳造パスラインの下流側に配置されたNo.2圧下スタンドである。なお、図1では、上下一対のロールがそれぞれ油圧シリンダーに接続されているが、油圧シリンダーの接続は、上または下の片側のみとしてもよい。
なお、図1では、圧下スタンド6,7は、鋳片支持ロール5の位置に配置した例を示しているが、鋳片支持ロール5の位置とは異なる、独立した位置に配置してもよい。また、図1では、圧下スタンド6,7を、丸鋳片9が水平方向に移送される位置に設置し、丸鋳片9を水平方向に移送しつつ圧下する例を示しているが、これに限定されないことは言うまでもない。圧下スタンド6,7を、丸鋳片9が垂直または斜め方向に移送される位置に設置し、丸鋳片9を垂直または斜め方向に移送中に圧下を加えることも可能である。
また、本発明では、平型ロールと鞍型ロールとの上下一対のロールから構成されるスタンドを、圧下スタンドとして使用する。丸鋳片に、一対の平型ロールで圧下を施せば、圧下方向では大きな圧縮効果を得ることができるが、圧下方向に垂直な方向では引張応力が作用するようになる。このため、本発明では、圧下方向およびその垂直な方向において、ともに大きな圧縮効果を得るために、鞍型ロールを使用することとした。しかし、上ロール、下ロールともに鞍型ロールとすると、鋳造開始時に使用するダミーバーを鋳造前に鋳型下部まで下流側から逆送して挿入する際に、ダミーバーのリンク構造部が鞍型ロールの孔型部に引掛かり、挿入・引抜きが困難となり、ダミーバーの移送が難しくなることや、孔型の形状によってはダミーバーを保持(拘束)する力が不足する場合があること、さらに鋳造パスラインが低くなるといった問題がある。本発明では、このようなダミーバーの通過安定性や鋳片の圧下という観点から、圧下スタンドの一対のロールのうち片方を、平型ロールとする。鋳片、ダミーバーの通過安定性という観点からは、下ロールには、鋳造パスラインに対する移動機構を有することが好ましい。
そして、配設する、少なくとも2基の圧下スタンドは、上ロールが鞍型ロールで、下ロールが平型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドと、上ロールが平型ロールで、下ロールが鞍型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドとを、鋳造パスラインに沿って交互に配置した、圧下スタンドとする。すなわち、本発明では、平型ロールと鞍型ロールとの上下一対のロールから構成される圧下スタンドを少なくとも2基配置し、鞍型ロールを上ロールにした圧下スタンドと、鞍型ロールを下ロールにした圧下スタンドとを、鋳造パスラインに沿って交互に配置する。このような配置とすることにより、ロールと丸鋳片との接触位置が変更でき、下流側の圧下スタンドにおいても圧下力が有効に軸芯部に伝達でき、圧下による内質改善効果を高めることができる。なお、ダミーバーの通過安定性や鋳片の圧下確保という観点からは、鋳造パスラインの最上流に配置された圧下スタンドでは、上ロールを平型ロールとし、下ロールを所定のカリバー底の開き角度を有する鞍型ロールとすることが好ましい。
なお、ここでいう「下ロール」とは、湾曲部を有するビレット連鋳機の基準面である湾曲部円弧の、外側に配置されるロールであり、一方、「上ロール」とは、下ロールに対し所定の間隔だけ離れた円弧の内側に配置されるロールである。なお、湾曲部では上ロールは、下ロールに対し斜め上方に配置されるが、上ロールと称する。なお、垂直部では左右の配置となるが、その場合には、装置全体として内側を上ロールと称する。
そして、本発明で上下一対のロールからなる圧下スタンドに使用する鞍型ロール6a、7aは、カリバー底の開き角度δを、80°以上130°以下とするロールとする。このようなカリバー底の開き角度δの範囲とすることにより、丸鋳片の軸芯部に対し、圧下により発生する応力・歪が圧縮側となり、ポロシティの低減、軸芯割れの発生防止が可能となる。カリバー底の開き角度δが80°未満では、カリバー底の深さが深くなりすぎて、ロール径が大きくなり、設備の大型化に繋がるという問題がある。また、カリバー底の開き角度δが80°未満では、複数基の圧下スタンドによる圧下のみでは丸鋳片の断面形状を真円に近い状態にできないという問題がある。一方、カリバー底の開き角度δが130°を超えて大きくなると、丸鋳片の軸芯部に作用する応力場が引張り傾向となり、圧下による割れの抑制が困難となる。
図2に、No.1圧下スタンド6とNo.2圧下スタンド7からなる2基の圧下スタンドを配設し、鋳造中の丸鋳片を圧下している状態を示す。
No.1圧下スタンド6では、鋳造パスラインより上側の上ロールを鞍型ロール6aとし、鋳造パスラインより下側の下ロールを平型ロール6bとする。これらのロールはそれぞれ油圧シリンダー6cと連結され、油圧シリンダー6cによって丸鋳片9に対して押付け力が発現されるようになっている。また、No.2圧下スタンド7では、上ロールを平型ロール7bとし、下ロールを鞍型ロール7aとする。これらのロールはそれぞれ油圧シリンダー7cと連結され、油圧シリンダー7cによって丸鋳片9に対して押付け力が発現されるようになっている。なお、鋳造方向(鋳造パスライン)の上流側のNo.1圧下スタンドに対し、No.2圧下スタンド7では、上ロールおよび下ロールの形状がそれぞれ逆に配置されている。
上下一対のロール、鞍型ロール6aと平型ロール6bと、を用いて丸鋳片9を圧下すると、丸鋳片9と接触する箇所が3点となる。これにより、ロールが丸鋳片を拘束しやすくなるとともに、異なる3方向から圧下するため、一対の平型ロールを用いる場合に比べて、圧下後の丸鋳片の偏平率εを小さくできる。
なお、偏平率εは次式
ε(%)={1−(丸鋳片の断面最短径部長さ)/(丸鋳片の同一断面での最長径部長さ)}×100
で定義される。
図2に示すNo.1圧下スタンド6では、上ロールを鞍型ロール6a、下ロールを平型ロール6bとし、一方、下流側のNo.2圧下スタンド7では、上流側の圧下スタンドとは上下反対に、上ロールを平型ロール7bとし、下ロールを鞍型ロール7aとしている。これにより、大きな圧下を加えても、偏平率εを低く抑えることができる。
また、本発明の連続鋳造設備1の、圧下スタンド6,7では、油圧方式のロール軸心間距離制御機構を有することが好ましい。ロール軸心間距離制御機構を有することにより、圧下スタンドの一対のロール間の間隔を一定に保持することができ、丸鋳片の温度が変動し変形抵抗が変化することに起因した丸鋳片の形状のばらつきを抑制でき、安定して所望の形状の丸鋳片を製造することができることになる。制御機構は、電動方式でも可能であるが、油圧方式とすることが、応答性、操業性の観点から好ましい。
ついで、上記した連続鋳造設備を使用して継目無鋼管用丸鋳片を製造する丸鋳片の連続鋳造方法について説明する。
浸漬ノズル3を介してタンディッシュ2から円形鋳型4に注入された溶鋼8は、円形鋳型4の内壁に接触して冷却され、円形鋳型4との接触部に外形が円形の凝固シェル10を形成する。この凝固シェル10を外殻とし、内部が未凝固層11である丸鋳片9は、鋳片支持ロール5のうちのピンチロールによって円形鋳型4から引き抜かれ、鋳片支持ロール5で支持されながら二次冷却帯で冷却されて凝固シェル10の厚みを増大させ、やがて軸芯部までの凝固を完了する。軸芯部までの凝固を完了した丸鋳片9は、鋳片支持ロール5の下流側に配置される鋳片切断機(図示せず)によって、所定の長さに切断され、継目無鋼管用丸鋳片とされる。なお、図1には示されていないが、電磁撹拌装置を配置して未凝固層11を強制的に撹拌し、等軸晶を形成させ、軸芯部のポロシティ及び偏析を改善してもよい。
本発明では、軸芯部のポロシティ、放射状の軸芯割れを改善し、丸鋳片の内部品質を向上させるために、鋳造方向(鋳造パスライン)に沿って配置された少なくとも2基の圧下スタンド6.7を用いて、鋳造中の丸鋳片9を圧下する。図1では、丸鋳片9を水平方向に移送しつつ圧下しているが、丸鋳片9を垂直または斜め方向に移送中に圧下を加えることも可能である。
本発明では、凝固が完了する前の適正な位置で鋳造中の丸鋳片9に、少なくとも2基の、一対のロール6a,6bからなるNo.1圧下スタンド6と、一対のロール7b,7aからなるNo.2圧下スタンド7と、を用いて圧下を加える。これにより、軸芯部のポロシティ及び放射状の軸芯割れが低減し、丸鋳片9の内部品質が向上する。
本発明で使用するロール6aは、カリバー底の開き角度δが80°以上130°以下の鞍型ロールとし、ロール6bは、平型ロールとする。本発明で使用するロール7aは平型ロールとし、ロール7bはカリバー底の開き角度δが80°以上130°以下の鞍型ロールとする。No.1圧下スタンド6で、上ロールを鞍型ロール6aとし、下ロールを平型ロール6bとする上下一対のロールを用いて丸鋳片9を圧下する。これにより、丸鋳片9と接触する箇所が3点となり、ロールが丸鋳片を拘束しやすくなるとともに、異なる3方向から圧下するため、一対の平型ロールを用いる場合に比べて、圧下後の丸鋳片の偏平率εを小さくできる。そして、その下流側の圧下スタンド7では、上下ロールの形状を逆として、上ロールを平型ロール7bとし、下ロールを鞍型ロール7aとする上下一対のロールを用いて丸鋳片9を圧下する。これにより、上流側の圧下スタンド6と下流側の圧下スタンド7とで、ロールと丸鋳片との接触位置が変更され、下流側の圧下スタンド7での圧下が有効に丸鋳片の軸芯部に伝達され、丸鋳片の内部品質がより向上する。
なお、鋳造パスラインの最上流側に設置された圧下スタンドでは、下ロールを鞍型ロールとし、上ロールを平型ロールとすることが好ましい。このように配置することにより、鋳造開始時のダミーバーの移送が容易となり、ダミーバーの通過安定性が確保できる。
本発明では、上記した構成の一対のロールからなる圧下スタンドを使用して、圧下を行うが、圧下は、丸鋳片の凝固末期、すなわち丸鋳片の軸芯部での固相率fsが0超え1未満である時期に行うことが好ましい。なお、ここでいう固相率fsは、当該断面において、凝固・伝熱計算より求められた丸鋳片の軸芯部の温度Tが、鋼種によって決まる液相線温度Tと固相線温度Tの間のどの位置にあるかを表す指標で、次式
fs=(T−T)/(T−T
を用いて算出するものとする。完全凝固状態がfsは1.0であり、未凝固状態がfsは0である。
圧下位置における鋳片の軸芯部の固相率fsが0未満の圧下位置では、まだ凝固開始前である。凝固開始前に圧下しても、未凝固層の領域では溶鋼が自由に流動でき、圧下する意味がない。一方、圧下位置における鋳片の軸芯部の固相率fsが1.0以上の、凝固が完了した領域で圧下すると、軸芯部に圧下による割れが生じる恐れがある。このため、圧下は、鋳片の軸芯部の固相率fsが0超え1未満である領域で行うことが好ましい。
鋳片の軸芯部の固相率fsが0超え1未満であっても、未凝固層が流動性を維持する上限の固相率fsが0.8であり、さらに軸芯部が高温であるほど軸芯部への圧下が効率的に伝達できる。このことから、丸鋳片の軸芯部の固相率fsが0.85以下である時期に圧下を行うことが好ましい。一方、凝固が余り進んでいない状態で圧下を行うと、その後の凝固過程でさらにポロシティが発生するため、軸芯部への圧下効果が結果的に不十分となる。なお、圧下の効果が大きく現れるのは、丸鋳片の軸芯部の固相率fsが0.3以上である場合である。このようなことから、下流側の圧下スタンド(No.2圧下スタンド)での圧下は、丸鋳片の軸芯部の固相率fsが0.3〜0.85である時期に行うことが好ましい。一方、上流側の圧下スタンド(No.1圧下スタンド)での圧下は、丸鋳片の軸芯部の固相率fsが0.2〜0.5である時期に行うことが好ましい。上流側の圧下スタンド(No.1圧下スタンド)での圧下は、fsが0を超えた以降であれば問題はないが、fsが0近傍では圧下の効果が小さいので、下流側の圧下スタンド(No.2圧下スタンド)に照らし合わせて、fsが0.2〜0.5である時期に行うことが好ましい。
さらに、上記した位置で、上記した一対のロールからなる圧下スタンドで行う圧下の圧下量は、丸鋳片の面積減少率で判断する。丸鋳片の面積減少率は次式
面積減少率(%)={1−(圧下後の丸鋳片の断面積)/(圧下前の丸鋳片の断面積)}×100
で定義される値を使用するものとする。上記した少なくとも2基の圧下スタンドでの圧下量は、それぞれ上記した面積減少率で1.5〜5%の範囲となるように圧下することが好ましい。
面積減少率が1.5%未満では、丸鋳片軸芯部への、所望の圧下効果が少なく、一方、面積減少率を5%を超えて大きくすると、その後に、丸鋳片を真円化させるなどの処置が必要になる場合が生ずることがあるからである。このようなことから、少なくとも2基の圧下スタンドでの圧下量(面積減少率)は、合計で3%以上10%以下の範囲の圧下を施すことが好ましい。
本発明は、鋼種を問わず、丸鋳片の内質の向上に有効であるが、溶鋼の粘度が高く、鋳造中にポロシティや偏析が発生しやすい鋼種に対して適用した場合に、特にその効果が著しい。このような鋼種としては、0.5質量%を超えるCrを含有するCr含有鋼が例示できる。
以上のように、本発明によれば、従来は困難であった、Cr含有鋼などの難加工性鋼種の連続鋳造による継目無鋼管用丸鋳片の製造が、連続鋳造設備に大きな変更を加えることなく実現される。そして、丸鋳片の断面形状を損ねることなく、内部品質の大幅に改善された丸鋳片が製造可能になることにより、Cr含有鋼などの継目無鋼管の製造コストが低減可能となる。
本発明が適用できる鋳片サイズについては、特段の規定はしないが、鋳片の直径が340mm超えると、使用する鞍型ロールを大きなロール径を有するロールとする必要があり、必然的に大きな設備とせざるを得ず、結果として既存の設備を用いることが困難であることが想起される。このため、本発明は、鋳片直径が340mm以下の場合に適用することが望ましい。
本発明の効果を検証するため、有限要素法解析や実験にて得た鞍型ロールのロール形状の効果を、図1に示す連続鋳造設備(ビレット連続鋳造機)を使用し、圧下スタンドのロールを種々変更して丸鋳片を連続鋳造した。
(実施例1)
[試験鋳造1]
図1に示す連続鋳造設備(ビレット連続鋳造機)1の圧下スタンド6,7を、表1に示すように、一対のロールを、平型ロール同士、あるいは平型ロールと鞍型ロールとの組合せで種々変更し、さらに鞍型ロールのカリバー底角度を種々変化させたNo.1圧下スタンド及びNo.2圧下スタンドとして、各圧下スタンドでそれぞれ、鋳造中の丸鋳片を圧下した(試験No.1〜9)。なお、鋳造対象の鋼種は、Crを15質量%含有する15%Cr鋼とした。圧下前の丸鋳片は直径210mmであり、圧下後の面積減少率の目標値は、No.1圧下スタンド及びNo.2圧下スタンドにおいてともに4%とした。圧下時の鋳片の軸芯部の固相率fsが、No.1圧下スタンドの位置で0.4、No.2圧下スタンドの位置で0.8となるように、圧下スタンドを設置した。なお、丸鋳片の軸芯部の固相率fsは、凝固・伝熱計算から求められた丸鋳片の軸芯部の温度Tから、次式
fs=(T−T)/(T−T
を用いて算出した値である。Tは、鋼種によって決まる液相線温度、Tは、鋼種によって決まる固相線温度である。また、得られた丸鋳片について、それぞれの軸芯部の有限要素法解析から得た応力状態(引張応力の有無)を比較した。
得られた丸鋳片について、ポロシティの面積、軸芯割れを測定し、軸芯部の性状を評価した。評価方法は次のとおりとした。
得られた丸鋳片から、軸芯部観察用試験材を採取し、該試験材の断面を研磨して、光学顕微鏡(倍率:100倍)を用いて断面のマクロ組織、および軸芯部近傍のミクロ組織を撮像し、画像解析により、該断面におけるポロシティの面積を測定した。ポロシティの面積率は、次式
ポロシティ面積率(%)=(ポロシティの面積)/(丸鋳片断面積)×100
で算出した。
得られたポロシティ面積率(%)を指標とし、評点1〜5の5段階で評価した。ポロシティ面積率が0.3%超えは評点1、面積率が0.15%超え0.3%以下は評点2、面積率が0.1%超え0.15%以下は評点3、面積率が0.025%超え0.1%以下は評点4、面積比が0.025%以下は評点5とした。評点が高いほどポロシティの残存程度が低いことになる。
また、軸芯部のミクロ組織から、軸芯部での割れ発生の有無、および割れが発生している場合には、その長さを測定し、各割れの長さ総計を求め、その試験材の軸芯部割れ長さとして、軸芯割れの程度を評価した。
得られた、軸芯割れの長さ合計を指標として、5段階で評価した。軸芯割れの長さ総計が50mm超えは評点1、長さ総計が50mm以下15mm超えは評点2、長さ総計が15mm以下5mm超えは評点3、長さ総計が5mm以下1mm超えは評点4、長さ総計が1mm以下は評点5、とした。評点が高いほど軸芯割れが少ないことを示している。
得られた結果を表1に示す。
またさらに、上記したような軸芯部内部性状を有する、丸鋳片(外径:210mmφ)を素材(継目無鋼管素材)とし、通常のマンネスマン−方式の製管法により、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を得た。得られた各鋼管について全長に亘り、内面を目視および超音波探傷法で検査し、内面疵の発生の有無を調査した。そして、内面疵の発生した鋼管の、全数に対する割合を、内面疵発生率(%)と定義し、算出した。
なお、得られた内面疵発生率に基づき、5段階で評価し、製管結果(成績)とした。なお、内面疵発生率が15%超えの場合を評点1、内面疵発生率が15%以下10%超えの場合を評点2、内面疵発生率が10%以下5%超えの場合を評点3、内面疵発生率が5%以下3%超えの場合を評点4、内面疵発生率が3%以下の場合を評点5、とした。製管結果が、評点3以上である場合を、合格と評価した。得られた製管の結果を表1に併記する。
Figure 2010052043
本発明例はいずれも、ポロシティおよび軸芯割れを大幅に低減でき、丸鋳片の軸芯部性状が良好で、製管結果(成績)も評点3以上の合格レベルを維持している。複数基の圧下スタンドを配設し、鞍型ロールを上ロールに配置する圧下スタンドと鞍型ロールを下ロールに配置する圧下スタンドとを交互に配置し、しかも鞍型ロールのカリバー底角度を80〜130°とすることにより、丸鋳片の軸芯部性状が顕著に改善できることを確認した。
一方、本発明の範囲を外れる比較例は、ポロシティ発生を抑制できないか、軸芯割れの発生を抑制できなくて、軸芯部性状が低下し、製管結果(成績)が低下している。
試験No.1は、No.1圧下スタンドおよびNo.2圧下スタンドともに、上下ロールを平型ロールを用いて圧下した比較例である。ポロシティが改善されポロシティの評点が3であったが、軸芯割れも改善傾向であるが不十分で、軸芯割れの評点が2であった。しかも、製管成績は評点が1で、圧下の効果が認められなかった。
試験No.2は、No.1圧下スタンドおよびNo.2圧下スタンドともに、上ロールをカリバー底角度が90°の鞍型ロールとし、下ロールを平型ロールとして圧下した比較例である。軸芯部のポロシティは改善されポロシティ評点が4となっているが、No.1圧下スタンドで変形した箇所をNo.2圧下スタンドと圧下しようとするため、No.2圧下スタンドでは圧下効果が得られなかった。そのため、軸芯割れの改善効果は少なく、製管結果の評点は2であった。
試験No.3は、上ロールをカリバー底角度が70°の鞍型ロールとし、下ロールを平型ロールとするNo.1圧下スタンドと、上ロールを平型ロールとし下ロールをカリバー底角度が90°の鞍型ロールとするNo.2圧下スタンドとで圧下した比較例である。No.1圧下スタンドの鞍型ロールのカリバー底角度が本発明範囲を低く外れているため、丸鋳片の軸芯部への圧下力の伝達が十分でなく、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が3、製管結果の評点が2であった。
試験No.4は、上ロールをカリバー底角度が140°の鞍型ロールとし、下ロールを平型ロールとするNo.1圧下スタンドと、上ロールを平型ロールとし下ロールをカリバー底角度が90°の鞍型ロールとするNo.2圧下スタンドとで圧下した比較例である。No.1圧下スタンドの鞍型ロールのカリバー底角度が本発明範囲を高く外れているため、丸鋳片の軸芯部への圧下力の伝達が十分でなく、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が3、製管結果の評点が2であった。
試験No.9は、上ロールをカリバー底角度が90°の鞍型ロールとし、下ロールを平型ロールとするNo.1圧下スタンドと、上ロールを平型ロールとし下ロールをカリバー底角度が140°の鞍型ロールとするNo.2圧下スタンドとで圧下した比較例である。No.2圧下スタンドの鞍型ロールのカリバー底角度が本発明範囲を高く外れているため、丸鋳片の軸芯部への圧下力の伝達が十分でなく、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が3、製管結果の評点が2であった。
[試験鋳造2]
試験鋳造1と同様に、図1に示す連続鋳造設備1を利用し、圧下スタンド6,7を、表2に示すような平型ロールと鞍型ロールとの組み合わせである、一対のロールからなるNo.1圧下スタンドとNo.2圧下スタンドとして、連続鋳造中の丸鋳片をそれぞれ圧下した。圧下位置は、丸鋳片の軸芯部の固相率fsがそれぞれ表2に示す値となる位置とし、該圧下位置で表2に示す面積減少率となるように圧下した。なお、鋳造対象の鋼種は13%Cr鋼であり、圧下前の丸鋳片の直径は210mmである。また、丸鋳片の軸芯部の固相率fsは、凝固・伝熱計算から求められた丸鋳片の軸芯部の温度Tから、試験鋳造1と同様に算出した値である。
得られた丸鋳片について、試験鋳造1と同様に、ポロシティの面積、軸芯割れを測定し、軸芯部の性状を評価した。また、得られた丸鋳片を素材(継目無鋼管用素材)とし、通常のマンネスマン−方式の製管法により、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を得た。試験鋳造1と同様に、得られた各鋼管について全長に亘り、内面を目視および超音波探傷法で検査し、内面疵の発生の有無を調査した。そして、内面疵の発生した鋼管の、全数に対する割合を、内面疵発生率(%)と定義し、算出した。そして、試験鋳造1と同様に、得られた内面疵発生率に基づき、5段階で評価し、製管結果(成績)とした。
得られた結果を表2に併記した。
Figure 2010052043
本発明例はいずれも、ポロシティおよび軸芯割れを大幅に低減でき、丸鋳片の軸芯部性状が良好で、製管結果(成績)も評点3以上の合格レベルを維持している。鞍型ロールを上ロールに配置する圧下スタンドと鞍型ロールを下ロールに配置する圧下スタンドとが交互に配置された複数基の圧下スタンドを、丸鋳片の軸芯部の固相率fsが好ましい範囲である位置に設置し、とくに鋳造パスラインの下流側の圧下スタンド(No.2圧下スタンド)を、軸芯部の固相率fsが好ましい範囲(0.3〜0.85)内である位置に設置し、かつ好ましい範囲内の面積減少率に調整して圧下すれば、丸鋳片の内部品質が改善され、製管成績がさらに良好になることを確認した。
なお、No.1圧下スタンドの設置位置が、固相率fsの好ましい範囲を低く外れる本発明例(試験No.11)は、No.2圧下スタンドが、固相率fsの好ましい範囲内の0.4に設置されており、鋳片軸芯部への圧下力の伝達が十分であったため、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が3、製管結果(成績)の評点が3であった。
また、No.2圧下スタンドの設置位置が、固相率fsの好ましい範囲を高く外れる本発明例(試験No.15)は、鋳片軸芯部への圧下力の伝達が若干不足し、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が3、製管結果(成績)の評点が3であった。
また、No.1圧下スタンドおよびNo.2圧下スタンドにおける圧下が、面積減少率の好ましい範囲を低く外れる本発明例(試験No.18)は、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が3、製管結果(成績)の評点が3であった。
また、No.2圧下スタンドにおける圧下が、面積減少率の好ましい範囲を高く外れる本発明例(試験No.19)は、ポロシティの評点が4、軸芯割れの評点が5、製管結果(成績)の評点が4であった。しかし、好ましい範囲を高く外れる面積減少率で圧下したため、圧下後の鋳片断面形状が円形から大きく乖離し、外形形状の手入れを必要とした。なお、試験No.19は、圧下の負荷が大きく、他の試験と比較して大規模化した設備で実施した。
それ以外の本発明例はいずれも、ポロシティの評点が4、軸芯割れの評点が4または5、製管結果(成績)の評点が4であった。
本発明の範囲を外れる比較例は、鋳片の内部品質の改善が少なく、ポロシティの評点が低く、したがって製管結果の評点も低くなっている。
No.1圧下スタンドの位置で既に丸鋳片が凝固完了した状態で圧下した試験No.10(比較例)は、内部品質の改善効果が、とくにポロシティの抑制に対して少なく(ポロシティの評点2)、製管結果(成績)の評点は1であった。これは、凝固完了後の圧下では、軸芯割れは抑制できるが、ポロシティの改善までの効果は不足したためである。
また、No.2圧下スタンドの位置が、本発明の範囲を外れた、固相率fs1.0の位置である比較例(試験No.16)は、鋳片軸芯部への圧下力の伝達が不足し、ポロシティの評点が2、軸芯割れの評点が3、製管結果(成績)の評点が2であった。
また、No.1圧下スタンドおよびNo.2圧下スタンドともに、圧下を行わなかった比較例(試験No.17)は、ポロシティの評点が1、軸芯割れの評点が1、製管結果(成績)の評点が1であった。
[試験鋳造3]
試験鋳造1と同様に、図1に示す連続鋳造設備1を利用し、圧下スタンド6,7を、平型ロールと鞍型ロールとの組み合わせである、一対のロールからなるNo.1圧下スタンドとNo.2圧下スタンドとして、連続鋳造中の丸鋳片をそれぞれ圧下した。No.1圧下スタンドは、上ロールを鞍型ロール、下ロールを平型ロールとし、No.2圧下スタンドは、上ロールを平型ロール、下ロールを鞍型ロールとした。鞍型ロールはいずれもカリバー底角度が90°のロールを使用した。圧下位置は、丸鋳片の軸芯部の固相率fsがそれぞれ表3に示す値となる位置とし、該圧下位置で表3に示す面積減少率となるように圧下した。なお、一部の試験では、各圧下スタンドでの圧下を行わなった。
なお、鋳造対象の鋼種は、表3に示すように、それぞれ炭素鋼、1%Cr鋼、13%Cr鋼とした。圧下前の丸鋳片の直径はいずれも、210mmである。丸鋳片の軸芯部の固相率fsは、凝固・伝熱計算から求められた丸鋳片の軸芯部の温度Tから、試験鋳造1と同様に算出した値である。
得られた丸鋳片について、試験鋳造1と同様に、ポロシティの面積、軸芯割れを測定し、軸芯部の性状を評価した。また、得られた丸鋳片を素材(継目無鋼管用素材)とし、通常のマンネスマン−方式の製管法により、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を得た。試験鋳造1と同様に、得られた各鋼管について全長に亘り、内面を目視および超音波探傷法で検査し、内面疵の発生の有無を調査した。そして、内面疵の発生した鋼管の、全数に対する割合を、内面疵発生率(%)と定義し、算出した。そして、試験鋳造1と同様に、得られた内面疵発生率に基づき、5段階で評価し、製管結果(成績)とした。
得られた結果を表3に併記した。
Figure 2010052043
本発明例はいずれも、丸鋳片の軸芯部性状が良好で、製管結果(成績)も評点3以上の合格レベルを維持している。
鋳造対象鋼種が炭素鋼の場合には、鋳造中の丸鋳片に圧下を施さなくても、丸鋳片のポロシティ面積は0〜数mmと小さいため、鋳造中の丸鋳片に圧下を施す効果は小さい。しかし、1%Cr鋼の場合は、圧下を施さない丸鋳片ではポロシティ面積は数十〜100mmと観察位置(切断位置)でばらつくが、本発明の適用により、ポロシティ面積が一般炭素鋼並みまで低減することができ、製管結果(成績)の評点も4と高くなる。圧下を施すことなく鋳造した、本発明の範囲を外れる比較例(試験No.24)では、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が2、製管結果(成績)の評点が2であった。
更に、13%Cr鋼の場合には、圧下を施さない丸鋳片ではポロシティ面積は100 mm程度以上のポロシティが多くの切断面で確認され、本発明の適用により、ポロシティを大幅に低減でき、製管結果(成績)の評点も4と高くなる。圧下を施すことなく鋳造した、本発明の範囲を外れる比較例(試験No.26)は、ポロシティの評点が1、軸芯割れの評点が1、製管結果(成績)の評点が1であった。
(実施例2)
[試験鋳造2−1]
実施例1と同様に、図1に示す連続鋳造設備(ビレット連続鋳造機)1の圧下スタンド6,7を、表4に示すように、一対のロールを、平型ロール同士、あるいは平型ロールと鞍型ロールとの組合せで種々変更し、さらに鞍型ロールのカリバー底角度を種々変化させたNo.1圧下スタンド及びNo.2圧下スタンドとして、各圧下スタンドでそれぞれ、鋳造中の丸鋳片を圧下した。なお、鋳造対象の鋼種は、Crを15質量%含有する15%Cr鋼とした。圧下前の丸鋳片は直径210mmであり、圧下後の面積減少率の目標値は、No.1圧下スタンド及びNo.2圧下スタンドにおいてともに4%とした。圧下時の鋳片の軸芯部の固相率fsが、No.1圧下スタンドの位置で0.4、No.2圧下スタンドの位置で0.8となるように、圧下スタンドを設置した。なお、丸鋳片の軸芯部の固相率fsは、実施例1と同様に、凝固・伝熱計算から求められた丸鋳片の軸芯部の温度Tから算出した。
得られた丸鋳片について、それぞれの軸芯部の有限要素法解析から得た応力状態(引張応力の有無)を比較した。
得られた丸鋳片について、実施例1と同様に、ポロシティの面積、軸芯割れを測定し、軸芯部の性状を評価した。評価方法は実施例1と同様とした。
また、得られた丸鋳片の長手方向に垂直な断面を観察し、偏平率εを測定し、鋳片の断面形状を評価した。偏平率εは、次式
ε(%)={1−(丸鋳片の断面最短径部長さ)/(丸鋳片の同一断面での最長径部長さ)}×100
で定義される。評価が○は、偏平率εが3%以下、△はεが3%超7%以下、×はεが7%超である場合とした。
また、得られた丸鋳片を素材として、実施例1と同様に、通常のマンネスマン−方式の製管法により、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を得た。得られた各鋼管について、実施例1と同様に、全長に亘り、内面を目視および超音波探傷法で検査し、内面疵の発生の有無を調査した。そして、内面疵の発生した鋼管の、全数に対する割合を、内面疵発生率(%)と定義し、算出した。そして、実施例1と同様に、得られた内面疵発生率に基づき、5段階で評価し、製管結果(成績)とした。
つぎに、使用した複数基(2基)の圧下スタンドの構成が、連続鋳造の操業に与える影響について、鋳片の引抜き作業、ダミーバーの挿入作業、ダミーバーの引抜き作業の3点に絞り、評価した。連続鋳造の操業性の評価として、従来と同等に前記3点の作業が可能である場合を◎、前記3点の作業のうち1点の作業を行ううえで、圧下スタンドの小規模の改造を必要としている場合を○、前記3点のうちのいずれかの作業を行ううえで、圧下スタンドの大幅な改造を必要としている場合を△、前記3点のうちの全ての作業を行ううえで、圧下スタンドの大幅な改造を必要とする場合を×とした。
得られた結果を表4に示す。
Figure 2010052043
本発明例はいずれも、ポロシティおよび軸芯割れを大幅に低減でき、丸鋳片の軸芯部性状が良好で、製管結果(成績)も評点3以上の合格レベルを維持している。また、本発明例はいずれも、偏平化が抑制され、ほぼ6角形ないし12角形に近い多角形、あるいはほぼ12角形となり、真円に近い断面形状の丸鋳片が得られ、さらに、本発明になる連続鋳造設備の構成も、連続鋳造の操業性に対する影響が比較的少なく、安定した連続鋳造の操業を確保できる。複数基の圧下スタンドを配設し、鞍型ロールを上ロールに配置する圧下スタンドと鞍型ロールを下ロールに配置する圧下スタンドとを交互に配置し、しかも鞍型ロールのカリバー底角度を80〜130°とする本発明になる連続鋳造設備は、丸鋳片の軸芯部性状が顕著に改善できる。
とくに、鋳造パスラインの最上流側に、上ロールを平型ロールとし、下ロールをカリバー底角度を適正範囲内の角度とした鞍型ロールとする圧下スタンドを配設した本発明例は、連続鋳造の操業性に及ぼす悪影響が少なく、操業性に対する評価は○となる。なお、鋳造パスラインの最上流側に、上ロールをカリバー底角度を適正範囲内の角度とした鞍型ロールとし、下ロールを平型ロールとする圧下スタンドを配設した、本発明の好適範囲を外れる本発明例(試験No.10)は、製管結果(成績)、得られる丸鋳片の断面形状は良いが、連鋳の操業性への悪影響が生じ、操業性の評価が低下(×)している。
一方、本発明の範囲を外れる比較例は、ポロシティ発生を抑制できないか、軸芯割れの発生を抑制できなくて、軸芯部性状が低下し、製管結果(成績)が低下しているか、あるいは、得られる丸鋳片の断面形状が真円から外れ、偏平傾向を呈している。
No.1圧下スタンドおよびNo.2圧下スタンドともに、上下ロールを平型ロールを用いて圧下した比較例(試験No.A1)は、ポロシティが改善されポロシティの評点が3であったが、軸芯割れも改善傾向であるが不十分で、軸芯割れの評点が2であった。しかも、製管成績は評点が1で、圧下の効果が認められなかった。試験No.A1では、丸鋳片の断面形状は、真円からはずれ、大きく偏平化している。しかし、圧下スタンドは平型ロールのみを使用しており、鋳片の引抜き、ダミーバーの挿入および引抜きの作業についてはなんの支障もなく、操業性の評価は◎となっている。
No.1圧下スタンドおよびNo.2圧下スタンドともに、上ロールをカリバー底角度が90°の鞍型ロールとし、下ロールを平型ロールとして圧下した比較例(試験No.A2)では、軸芯部のポロシティは改善されポロシティ評点が4となっているが、No.1圧下スタンドで変形した箇所をNo.2圧下スタンドと圧下しようとするため、No.2圧下スタンドでは圧下効果が得られなかった。そのため、軸芯割れの改善効果は少なく、製管結果の評点は2であった。試験No.A2では、丸鋳片の断面形状は、試験No.A1に比べて偏平化の程度は抑制されているが、圧下量が多くなるほど、おにぎり状の形状となる。また、試験No.2では、圧下スタンドは下ロールに平型ロールを使用しており、鋳片の引抜き、ダミーバーの挿入および引抜きの作業については従来と同じ形態での作業が可能で、操業性の評価は◎となっている。
No.1圧下スタンドで使用する鞍型ロールのカリバー底角度が本発明の範囲を低く外れる比較例(試験No.A3)は、丸鋳片の軸芯部への圧下力の伝達が十分でなく、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が3、製管結果の評点が2であった。試験No.A3では、丸鋳片の断面形状は、ややおにぎり状を呈し、多少の矯正あるいは加工を必要とする形状となっており、鋳片形状の評価は△とした。なお、ダミーバーの挿入に際し拘束力が不足するが、設備の延長で対処可能であり、操業性の評価を○とした。
No.1圧下スタンドで使用する鞍型ロールのカリバー底角度が本発明の範囲を高く外れる比較例(試験No.A4)は、丸鋳片の軸芯部への圧下力の伝達が十分でなく、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が3、製管結果の評点が2であった。試験No.A4では、丸鋳片の断面形状は、ややおにぎり状を呈し、多少の矯正あるいは加工を必要とする形状となっており、鋳片形状の評価は△とした。なお、ダミーバーの挿入に際し拘束力が不足するが、設備の延長で対処可能であり、試験No.A3と同様に、操業性の評価を○とした。
No.2圧下スタンドで使用する鞍型ロールのカリバー底角度が本発明の範囲を高く外れる比較例(試験No.A9)は、丸鋳片の軸芯部への圧下力の伝達が十分でなく、ポロシティの評点が3、軸芯割れの評点が3、製管結果の評点が2であった。試験No.A9では、丸鋳片の断面形状は、ややおにぎり状を呈し、多少の矯正あるいは加工を必要とする形状となっており、鋳片形状の評価は△とした。なお、ダミーバーの挿入に際し拘束力が不足するが、設備の延長で対処可能であり、試験No.A3と同様に、操業性の評価を○とした。
1 ビレット連続鋳造機(連続鋳造設備)
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 円形鋳型
5 鋳片支持ロール
6、7 圧下スタンド
6a、7a ロール(鞍型ロール)
6b、7b ロール(平型ロール)
6c、7c 油圧シリンダー
8 溶鋼
9 丸鋳片
10 凝固シェル
11 未凝固層

Claims (11)

  1. 円形鋳型による連続鋳造中の丸鋳片の凝固完了位置近傍の鋳造方向二箇所以上に、一対のロールからなる圧下スタンドを複数基配置し、当該複数基の圧下スタンドを用いて凝固完了前の前記丸鋳片に圧下を加え、次いで、丸鋳片を切断する、継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法であって、
    前記複数基の圧下スタンドが、上ロールに、カリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールが配置され、下ロールに平型ロールが配置された上下一対のロールからなる圧下スタンドと、上ロールに、平型ロールが配置され、下ロールにカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールが配置された一対のロールからなる圧下スタンドと、を鋳造方向に沿って交互に配置した複数基の圧下スタンドであることを特徴とする、継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
  2. 前記複数基の圧下スタンドのうちの鋳造方向の最上流側に、前記上ロールが平型ロールで、下ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドを、配置して、丸鋳片を圧下することを特徴とする請求項1に記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
  3. 前記複数基の圧下スタンドを2基の圧下スタンドとし、該2基の圧下スタンドのうち、鋳造方向の下流側に設置された圧下スタンドにおける前記圧下を、前記丸鋳片の軸芯部の固相率fsが0.3〜0.85である時期に、下記(1)式で定義される面積減少率が1.5〜5%の範囲内となる圧下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。

    面積減少率(%)={1−(圧下後の丸鋳片の断面積)/(圧下前の丸鋳片の断面積)}×100 ‥‥(1)
  4. 前記複数基の圧下スタンドを2基の圧下スタンドとし、該2基の圧下スタンドのうち、鋳造方向の上流側に設置された圧下スタンドにおける前記圧下を、前記丸鋳片の軸芯部の固相率fsが0.2以上0.5以下の時期に、前記(1)式で定義される面積減少率が1.5〜5%の範囲内となる圧下とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
  5. 前記丸鋳片が、Cr含有量が0.5質量%以上のCr含有鋼製であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
  6. 円形鋳型と、該円形鋳型の下流側に配置され、前記円形鋳型で形成された丸鋳片を、鋳造パスラインに沿って支持する複数の鋳片支持ロールからなる鋳片支持ロール群と、該鋳片支持ロール群のなかに配設され丸鋳片を冷却する二次冷却帯と、前記鋳片支持ロール群のなかの所定の位置に設置され、凝固完了前の前記丸鋳片を圧下する、一対のロールからなる圧下スタンドを複数基有し、丸鋳片を連続鋳造する丸鋳片の連続鋳造設備であって、
    前記複数基の圧下スタンドが、上ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールで、下ロールが平型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドと、上ロールが平型ロールで、下ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドと、を鋳造パスラインに沿って交互に配置した複数基の圧下スタンドであることを特徴とする丸鋳片の連続鋳造設備。
  7. 前記複数基の圧下スタンドのうち、鋳造パスラインの最上流側に設置された圧下スタンドを、下ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールで、上ロールが平型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドとすることを特徴とする請求項6に記載の丸鋳片の連続鋳造設備。
  8. 前記複数基の圧下スタンドを2基の圧下スタンドとし、該2基の圧下スタンドのうち、鋳造パスラインの上流側に設置する圧下スタンドを、下ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールで、上ロールが平型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドとし、該圧下スタンドの下流側に配置する圧下スタンドを、上ロールがカリバー底の開き角度δを80°以上130°以下とする鞍型ロールで、下ロールが平型ロールである一対のロールからなる圧下スタンドとすることを特徴とする請求項6に記載の丸鋳片の連続鋳造設備。
  9. 少なくとも前記鋳造パスラインの上流側に設置された圧下スタンドの下ロールが、鋳造パスラインに対する移動機構を有することを特徴とする請求項7または8に記載の丸鋳片の連続鋳造設備。
  10. 前記一対のロールが、油圧方式のロール軸心間距離制御機構を有することを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の丸鋳片の連続鋳造設備。
  11. 前記丸鋳片の連続鋳造設備が、湾曲型であることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の丸鋳片の連続鋳造設備。
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