JP2004167561A - 高炭素鋼ブルーム鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造するに際し、中心偏析や内部割れの少ない高品質のブルーム鋳片を効率良く連続鋳造することのできる方法を提供する。
【解決手段】湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造するに際して、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれが2mm以内になるようロールアライメントを管理すると共に、鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離をLn、該ロール間における平均凝固シェル厚をdnとしたとき、これらの比[Ln/dn]の最大値が7未満となる様に制御する。
【選択図】図1
【解決手段】湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造するに際して、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれが2mm以内になるようロールアライメントを管理すると共に、鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離をLn、該ロール間における平均凝固シェル厚をdnとしたとき、これらの比[Ln/dn]の最大値が7未満となる様に制御する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造する方法に関するものであり、より詳細には、中心偏析や内部割れの少ないブルーム鋳片を効率良く連続鋳造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
線・棒鋼用圧延素材となるブルーム鋳片を連続鋳造する際には、中心偏析や内部割れといった内部欠陥の発生がしばしば問題となる。鋳片に内部欠陥が生じると、最終製品に強度むらを生じさせたり、内部欠陥部分に巨大な炭化物が析出して品質劣化を発生させるからである。特に、軸受鋼やPC鋼線、ピアノ線、タイヤコード、ばね鋼等の様に、最終製品に高強度が要求される線・棒鋼用圧延素材には、Fe−Fe3C系共析組成に近い鋼種や、それ以上の炭素を含有する高炭素鋼(炭素含有量が0.7〜1.2質量%程度)が用いられるが、このような高炭素鋼は、一般の炭素鋼に比べて固液共存温度域が広く、凝固に要する時間が相対的に長くなるため、鋳片に内部欠陥が発生しやすい。
【0003】
鋳片の内部欠陥発生を防止する技術として、例えば、特許文献1や2には、鋳片内部の凝固が完了するクレータエンド近傍で所定圧下率の鍛圧加工を施すことにより、転動疲労寿命に優れた軸受用素材を製造する方法が提案されている。また、本出願人は、鋳片厚さに対して2〜3倍の直径を有する大径圧下ロールで凝固末期部を圧下することにより、中心偏析やセンターポロシティーを低減する方法を先に開示している(例えば特許文献3参照)。しかし、これらの方法では、鋳片と圧下端子(または圧下ロール)の接触面積を広くしなければならないため、圧下力の大きな大型設備が必要となり、設置スペースの制約から既存の連続鋳造機に適用できない場合がある。
【0004】
また、特許文献4には、中心固相率が0.1乃至0.3となる位置から流動限界固相率(0.6乃至0.8)となる位置までの領域を、所定の圧下速度で連続的に圧下することにより、中心偏析を低減する技術が提案されている。この技術で、圧下開始位置を規定した理由としては、中心固相率が小さすぎる位置から圧下を開始するとロールアライメント不整によりかえって中心偏析が悪化する場合があることを挙げている。また、圧下終了位置を規定した理由は、中心固相率が過大な領域まで圧下すると線状偏析が生じるためと説明されている。更に、特許文献5には、中心固相率が0.4乃至0.5に相当する位置から流動限界固相率に相当する位置までの範囲を圧下することで、中心固相率が0.1乃至0.3から流動限界固相率までの全凝固収縮量を補償することにより、内部割れや中心偏析を防止する方法が提案されている。ここで、中心固相率が0.4乃至0.5に相当する位置から圧下を開始する理由は、この位置よりも中心固相率が小さい位置から圧下を開始すると内部割れが発生するためである。さらに、特許文献6には、円形断面の軸受鋼鋳片を連続鋳造するにあたり、中心固相率が0.3〜0.6の領域でフラットロールを用いて圧下することで、内部割れを発生させることなく中心偏析を解消する技術が開示されている。
【0005】
しかし、鋳片の中心固相率は実測困難であり、有限要素法に基づく数値シミュレーション等、何らかの推定計算によらなければ算出できないため、予測通りの結果が得られない場合がある。すなわち、中心固相率の計算には、鋳片サイズや冷却条件、溶鋼の注入条件等の熱的条件、鋼種毎の比熱や潜熱、熱伝導率等の物性値、各合金元素のミクロおよびマクロな偏析、熱力学的に平衡な凝固からのずれ、中心偏析を低減するために実施する連続鋳造機内での圧下条件、鋳型や2次冷却帯における電磁攪拌条件、液相間を漂う固相(等軸晶)の流動(移流)等、様々な要因が複雑に影響するため、実際の鋳造において推定計算モデル通りの固相率が得られるとは限らない。特に、電磁攪拌を採用すると、中心偏析発生に対する固相移流の影響が大きくなると言われているが、固相移流を含めた流動現象を精度良く評価できる計算手法は確立されていない。このため圧下開始位置を中心固相率で特定することは難しい。
【0006】
ところで、特許文献7には、垂直型連続鋳造機を用い、所定の圧下比[=全圧下量(mm)÷未凝固厚み(mm)]と圧下速度で多段圧縮することにより中心偏析の少ない鋳片を製造する方法が開示されている。垂直型連続鋳造機を用いると、鋳片の曲げ戻しに伴う歪が発生しないので、この歪に起因する内部割れは発生し難いと考えられる。ところが、垂直型連続鋳造機の場合、機長(鋳型内のメニスカスから最終サポートロールまでの長さ)を長くするには建屋自体も高くしなければならず、これには自ずと限度があるため、生産効率の飛躍的な向上は望めない。また、前述した様に、高炭素鋼は一般の炭素鋼に比べて固液共存温度域が広く、凝固に要する時間が長いので、機長を考慮すると鋳造速度を大幅に高めて生産効率を高めることは困難である。
【0007】
【特許文献1】
特許第2905241号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献2】
特許第2986829号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献3】
特開平3−124352号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献4】
特開平3−8863号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献5】
特許第2823085号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献6】
特開平7−299550号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献7】
特開平8−132205号公報([特許請求の範囲]参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造するに際し、中心偏析や内部割れの少ない高品質のブルーム鋳片を効率良く連続鋳造することのできる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係る高炭素鋼ブルーム鋳片の連続鋳造方法とは、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造するに際して、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれが2mm以内になるようロールアライメントを管理すると共に、鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離をLn、該ロール間における平均凝固シェル厚をdnとしたとき、これらの比[Ln/dn]の最大値が7未満となる様に制御する点に要旨を有する。
【0010】
本発明では、前回チャージにおける平均凝固シェル厚dnに応じて、ロール間距離Lnを変更することにより前記比[Ln/dn]を確保することが好ましい。なお、前回チャージとは、直前の鋳造のみならず、過去に行なった同一鋼種の鋳造も含む意味である。
【0011】
本発明では、鋳造速度を0.5m/min以上の高速で行なっても中心偏析および内部割れの少ない高品質のブルーム鋳片を効率良く連続鋳造できる。
【0012】
また、本発明では、上記要件を特定することによって幅方向サイズが例えば400〜1000mmで、厚みが250〜450mmの大断面ブルーム鋳片であっても効率良く連続鋳造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態および実施例】
本発明者らは、前述した様な課題を解決すべく、様々な角度から検討してきた。その結果、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれが少なくなる様にロールアライメントを厳密に管理すると共に、鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離と該ロール間における平均凝固シェル厚を適切に制御すれば、上記課題が見事に解決されることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明の作用効果について説明する。
【0014】
一般に中心偏析とは、鋳片の中心部にCやSi、Mn、P、S、Crなどが濃化する現象である。すなわち、溶鋼が凝固するにつれてデンドライト間に取り残されて濃化した低融点成分が、凝固収縮や熱収縮等の影響とも相まって、最終凝固部である鋳片中心部方向へ流動することにより発生するもので、濃化溶湯の通路跡にV偏析を生じたり、最終凝固位置付近に軸心偏析を生じることが多い。また、V偏析を防止するための圧下条件が適切でない場合は、逆V偏析が発生することもある。本発明では、これらの偏析をまとめて「中心偏析」と称する。
【0015】
鋳片に中心偏析が生じると、次の様な弊害がもたらされる。
・圧延後の製品に縞状の偏析が残り、製品横断面内の材料強度が不均一となる。・細線へ伸線加工する際に、カッピー断線を生じる。
・伸線加工時に、肌荒れや太さ変動を生じる要因となる。
・棒鋼を押出加工する際にシェブロンクラックの原因となる。
・軸受鋼、特に玉軸受(ボールベアリング)に用いられる鋼材では、鋳片の中心偏析部に相当する部位が球形に加工された製品表面に露出するため、表面の剥離や偏磨耗が起こり、転動疲労寿命の低下や騒音の原因となる。
【0016】
こうした中心偏析による製品品質への影響を軽減する手段として、鋳造で得られた鋳片に均熱拡散加熱(ソーキング)処理を施して中心偏析を低減する方法がある。しかし、均熱拡散加熱処理を長時間行なうと、次の様な問題が新たに生じてくるので、鋳造時の中心偏析を極力少なくすることが望ましい。
・鋳片の加熱処理に熱エネルギーが必要となる。
・加熱処理時に表層の脱炭が進行するため、脱炭層を除去しなければならず、歩留り率が低下する。
・均熱拡散加熱処理の付加によって生産性が低下するので、生産効率の飛躍的な向上が望めない。
【0017】
他方、内部割れとは、鋳片内部に未凝固溶湯が存在する状態で凝固殻に引張り歪が作用したときに生じる亀裂である。この亀裂部に合金元素が濃化した未凝固溶湯が吸引されると、凝固した鋳片の断面を腐食試験に供したときに偏析線となって現れ、上記中心偏析と同様の弊害をもたらす。また、前記引張り歪の程度が著しく大きい場合は、単なる偏析にとどまらず、空隙を伴う内部割れとなる。
【0018】
内部割れの発生を防止する方法としては、中心固相率が所定値以上となる位置から圧下が開始されるように圧下開始位置を遅らせる方法がある。そこで、メニスカスから圧下開始位置までの距離を一定とし、鋳造速度を変えて連続鋳造実験を行なったところ、鋳造速度が小さく、ブルーム鋳片がメニスカスから圧下開始位置に至るまでの時間が長いほど、内部割れ発生頻度が減少する傾向が認められた。従って、生産効率向上の観点から鋳造速度を大きくするには、中心固相率が所定値以上となる位置から圧下が開始される様に、メニスカスから圧下開始位置までの距離を長くする必要がある。ところが、本発明者らが検討したところ、メニスカスから圧下開始位置までの距離を長くしただけでは、内部割れを充分に低減できない場合があり、このときには中心偏析も生じ易くなることが確認された。また、連続鋳造機によっては、メニスカスから圧下開始位置までの距離を長くするには限度があるため、鋳造速度を大きくして生産効率を高めるには限度があった。
【0019】
本発明では、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造することによりブルーム鋳片を効率良く連続鋳造できる。すなわち、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を使用すると、垂直型連続鋳造機に較べて機長を長くできるのでメニスカスから圧下開始位置までの距離を長くできる。その結果、鋳造速度を高めることができ、鋳片の生産効率を高めることができる。
【0020】
このとき、連続鋳造する鋳片はブルーム鋳片である。ブルーム鋳片を湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて連続鋳造することにより、生産効率の向上を図れるからである。
【0021】
本発明においてブルーム鋳片の大きさは特に限定されず、種々の大きさのものを連続鋳造できる。すなわち、従来のブルーム連鋳では、鋳片幅が400mm未満程度の比較的小さな鋳片を鋳造していたが、本発明では鋳片幅方向に400〜1000mm、厚み方向に250〜450mm程度の大断面鋳片であっても連続鋳造でき、生産効率を飛躍的に高めることができる。
【0022】
鋳片幅方向の上限値を1000mmとしたのは、鋼板用スラブの様に鋳片の幅が大きくなり過ぎると、線材や棒鋼に圧延することが困難になるからである。また、鋳片幅が大きいときは、幅方向に分割・切断した後、線材や棒鋼の素材として用いるのが一般的であるが、中心偏析を生じやすい高炭素鋼では、偏析部が分割面や切断面として露出して表面割れ等の欠陥発生の原因となるので、鋳片幅は1000mm以下とするのが望ましい。
【0023】
厚み方向の上限値を450mmとしたのは、連続鋳造における生産性確保のためである。すなわち連続鋳造では、連鋳機の機長内で鋳片の凝固を完了させる必要があるが、鋳造速度が一定のときは鋳片厚みが大きいほど連続鋳造の生産性(ton/min)を高めることができる。しかし、鋳片厚みを450mmより大きくすると、連鋳機の機長内で鋳片の凝固が完了しないため鋳造速度を小さくする必要がある。その結果、却って生産性を低下させることとなるので、本発明では上限値を450mmとした。
【0024】
本発明では、連続鋳造により得られたブルーム鋳片を加工して最終製品を製造したときに高強度特性を得るため、高炭素鋼からなるブルーム鋳片を対象とする。ここで高炭素鋼とは、炭素を0.7〜1.2質量%含有する鋼である。炭素含量が0.7質量%未満では、固液共存温度域が狭く、凝固に要する時間が短くなるので中心偏析を生じ難い。また、オーステナイトからの初析相がフェライトとなり、巨大な炭化物は殆ど生成しない。この様な観点から本発明では、炭素含量が0.7質量%以上の鋼を対象としている。これに対し、炭素含量が1.2質量%を超えると、鋳造条件を制御しても短時間のソーキングで粗大な炭化物の生成を防止できるレベルまで中心偏析を改善するのが困難となるので、本発明では炭素含量が1.2質量%以下の鋼を対象としている。
【0025】
本発明では、前提要件として未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれが2mm以内になるようロールアライメントを管理する必要がある。鋳片厚み方向のずれを2mm以内とした理由は、ロールアライメント不整合に起因するロール間バルジングによる内部割れを発生させないためである。各ロールにおける鋳片厚み方向ずれを所定値以内にするには、例えば、ロールスタンド交換時にロールアライメント不整合が0.5mm以内となるようロールを設置すると共に、ダミーバー挿入時に各ロール対の間隔を測定してロールの磨耗状態を定期的に把握したり、ロール軸受けの折損やロールフレームの変形等を検出してメンテナンスすれば良い。
【0026】
本発明では、鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離をLn、該ロール間における平均凝固シェル厚をdnとしたとき、これらの比[Ln/dn]の最大値が7未満となる様に制御しつつ操業することが重要である。これを図面を用いて具体的に説明する。
【0027】
図1は、湾曲型連続鋳造機で鋳造を行なっている状況を例示する概略説明図であり、1は鋳型、2は鋳片、3は溶鋼注入ノズル、a〜zはロールを夫々示しており、21は鋳片における凝固部、22は鋳片における未凝固部である。ここで、ロールa〜sはサポートロールであり、ロールt〜wは未凝固部22を含む鋳片を圧下する圧下ロール、ロールx〜zは凝固が完了した鋳片を圧下する圧下ロールである。また、Lnはロール間距離、dnはロール間における平均凝固シェル厚、Xnはメニスカスからロールまでの距離を夫々示しており、nは鋳型1から数えたときのロール位置を示している。なお、鋳片を挟む様に設けられているロールの数は、図1に示した数に限定されるものではない。
【0028】
ロール間距離Lnとは、鋳型1から数えてn番目のロールにおける軸心と、n−1番目のロールにおける軸心の軸間距離を指す。このとき、鋳片の背側と腹側に配置されている夫々のロールについてロール間距離を算出し、これら背側と腹側の平均値をロール間距離Lnとする。
【0029】
ロール間における凝固シェル厚とは、鋳型1から数えてn番目のロールとn−1番目のロール間における凝固シェル厚を指すが、本発明では、鋳型1から数えてn番目のロール位置における凝固シェル厚を、「ロール間における平均凝固シェル厚dn」として用いる。すなわち、溶湯は鋳造が進むにつれて凝固するので、凝固シェルの厚みは鋳造が進むにつれて大きくなり、鋳型1から数えてn−1番目のロール位置における凝固シェル厚とn番目のロール位置における凝固シェル厚では若干の差があるが、本発明では、鋳型1から数えてn番目のロール位置における凝固シェル厚を、鋳型1から数えてn番目のロールとn−1番目のロール間における平均凝固シェル厚dnとして用いる。
【0030】
ロール間における平均凝固シェル厚dnは下記式(1)から算出できる。
dn=K×t1/2 ・・・(1)
式中、Kは凝固速度定数(mm/min1/2)であり、tは鋳片がメニスカスから各ロール位置まで移動するのに要する時間(min)である。よって、メニスカスからn番目のロールまでの距離をXn(m)とし、このときの鋳造速度をVc(m/min)とすると、ロール間における平均凝固シェル厚dnは下記(2)式によって算出できる。
dn=K×(Xn/Vc)1/2 ・・・(2)
【0031】
本発明では、ロール間距離Lnと該ロール間における平均凝固シェル厚dnの比[Ln/dn]の最大値が7未満となる様に操業する必要がある。ここで、比の最大値とは、未凝固部が残存する領域に配置されている全ロールについて前記比を算出し、算出された比の全てが7未満であることを意味する。未凝固部が残存する領域とは、流動し得る未凝固溶鋼が残存する領域を指し、中心固相率では0.8未満程度の領域である。すなわち、図1では、ロールa〜wの各ロール位置で前記比を算出し、算出される比の全てが7未満であれば良く、凝固完了後の鋳片を圧下するために設けられているロールx〜zの位置における比は考慮しなくても良い。
【0032】
次に、前記比の最大値を7未満と定める手順について実施例に基づいて具体的に説明する。
【0033】
高炭素鋼をブルーム連鋳するに際し、内部割れ発生の原因を突き止めるべく種々の実験を行なった。
【0034】
まず、曲率半径が15mの湾曲型連続鋳造機を用いて、ブルーム鋳片を連続鋳造した。ブルーム鋳片の組成は、炭素含量が1.0質量%の高炭素クロム軸受鋼(JIS SUJ2)である。ブルーム鋳片の大きさは、幅方向に600mm、厚み方向に380mmである。メニスカスから圧下開始位置までの距離を26mに固定し、鋳造速度を0.53m/minまたは0.58m/minとして連続鋳造した。なお、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれは、2mm以内になるようにロールアライメントを管理している。
【0035】
得られた鋳片からサンプルを適宜採取し、内部割れ発生の有無を調べた。その結果、0.53m/minで連続鋳造した鋳片には鋳片全体に亘って内部割れは殆ど認められなかったが、0.58m/minで連続鋳造した鋳片には鋳片全体に亘って内部割れが認められた。従って、鋳造速度が小さい程内部割れは発生し難いと考えられる。ところが、鋳片の生産効率を高めるには、鋳造速度を高める必要があり、この観点から鋳造速度と内部割れ発生の関係について検討した。
【0036】
次に、上記と同様に、曲率半径が15mの湾曲型連続鋳造機を用いて、ブルーム鋳片を連続鋳造した。ブルーム鋳片の組成は、炭素含量が1.0質量%の高炭素クロム軸受鋼(JIS SUJ2)である。ブルーム鋳片の大きさは、幅方向に600mm、厚み方向に380mmである。メニスカスから圧下開始位置までの距離を26mに固定し、鋳造中に鋳造速度を変化させて連続鋳造した。このとき、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれは、2mm以内になるようにロールアライメントを管理した。
【0037】
鋳造速度は次に示す様に変化させた。鋳造を開始したときの鋳造速度は0.53m/minとし、鋳造開始時においてメニスカスにある鋳片(鋳造方向に対して最も先端の鋳片)がメニスカスから50mの位置に到達したときに鋳造速度を0.60m/minに変更し、さらに該鋳片がメニスカスから70mの位置に到達したときに鋳造速度を0.53m/minに戻した。鋳造速度の変更パターンを図2に実線(図中a)で示す。図2中、X軸は鋳片先端からの距離(m)、Y軸はメニスカスにおける鋳造速度(m/min)を夫々示している。
【0038】
鋳造開始時においてメニスカスにある鋳片が、メニスカスから50mの位置と70mの位置に到達したときに鋳造速度を変更しているので、図2に示した通り、メニスカスにおける鋳造速度は、鋳片先端からの距離が50mの位置と70mの位置の鋳片で夫々変化している。
【0039】
このとき、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度と、メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置(圧下開始位置)までの平均速度を夫々算出して、前記図2に併せて示す。図2中、点線(図中b)はメニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度、一点鎖線(図中c)はメニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までの平均速度を夫々算出した結果であり、Y軸はメニスカス位置〜夫々の位置までの平均速度(m/min)を示している。
【0040】
鋳造速度が一定であれば、メニスカスにおける鋳造速度と、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置や26mの位置までの平均速度は等しくなるが、鋳造中に鋳造速度を変化させると、例えば図2の点線や一点鎖線で示す如く、メニスカスにおける鋳造速度と、メニスカス位置〜メニスカスから各位置までの平均速度は必ずしも一致しなくなる。
【0041】
すなわち、鋳片先端からの距離が10mの位置における鋳片に注目すると、鋳片の先端がメニスカスから50mの位置に到達したときには、鋳片先端からの距離が10mの位置における鋳片は、メニスカスから40mの位置に到達している。従って、鋳片先端からの距離が10mの位置における鋳片が、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置や26mの位置までに移動するときの平均速度は、メニスカスにおける鋳造速度と等しくなる。
【0042】
これに対し、鋳片先端からの距離が30mの位置における鋳片に注目すると、鋳片の先端がメニスカスから50mの位置に到達したときには、鋳片先端からの距離が30mの位置における鋳片は、メニスカスから20mの位置に到達している。そして、鋳片の先端がメニスカスから50mの位置に到達したときに鋳造速度を0.53m/minから0.60m/minへ変更し、この鋳造速度(0.60m/min)をメニスカスから70mの位置まで維持しているので、鋳片先端からの距離が30mの位置における鋳片は、メニスカスから20mの位置〜40mの位置までの範囲を鋳造速度0.60m/minで移動することとなる。従って、鋳片先端から30mの位置における鋳片が、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までに移動する際の平均速度は0.53m/minとなるが、メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までに移動する際の平均速度は0.53m/minよりも大きくなる。つまり、鋳片先端から30mの位置における鋳片が、メニスカス位置〜メニスカスから20mの位置までの領域を移動するときの平均速度は0.53m/minであるが、メニスカスから20mの位置〜26mの位置までの領域を移動するときの平均速度は0.60m/minとなるからである。
【0043】
次に、鋳造中に鋳造速度を変化させて連続鋳造して得られたブルーム鋳片からサンプルを採取し、内部割れ発生頻度を観察した。
【0044】
サンプルは、前記ブルーム鋳片の幅方向における中央縦断面から21本採取した。サンプルの採取位置は、ブルーム鋳片の先端(鋳造時における最も先端部分)〜80mの位置までの領域における任意の位置とし、サンプルの長さは鋳造方向に250mmとした。内部割れは、採取したサンプル表面を研磨した後、ピクリン酸で腐食する方法により検出し、各サンプル内に発生している複数の内部割れの長さを測定して、これを合計した総長さ(mm)を算出した。サンプルの採取位置(ブルーム鋳片の先端からの距離)に対して、鋳片サンプル内に発生している内部割れの総長さを図3にプロットした。なお、内部割れの総長さが100mm以下であれば、後加工工程で製品の不具合は生じないことを確認している。
【0045】
図3から明らかな様に、ブルーム鋳片の先端〜40m位置までの領域から適宜採取したサンプルには、内部割れが殆ど発生していない。これに対し、ブルーム鋳片の先端からの距離が40m〜70m位置までの領域から適宜採取したサンプルには、内部割れが多く発生しており、内部割れの総長さは100mmを超えている。しかし、ブルーム鋳片の先端から70m位置よりも下流側(メニスカス側)領域から採取したサンプルには、内部割れは殆ど発生していない。
【0046】
ここで、鋳造速度と内部割れ発生の関係について検討すべく、図3に示したグラフへ、前記図2におけるメニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度の変化を示すグラフを重ね合わせて点線で示した。その結果、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度と内部割れ発生頻度の間には、良好な相関関係が認められた。従って、ブルーム鋳片における内部割れ発生の原因は、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度にあると考えられる。
【0047】
そこで、鋳造速度(または平均速度)が内部割れの発生に及ぼす影響を更に定量的に把握するため、前記図2および図3のデータを、X軸:鋳造速度(または平均速度)、Y軸:鋳片サンプル内の内部割れの総長さとしてプロットし直したところ図4〜図6に示す通りとなった。
【0048】
図4は、メニスカス位置における鋳造速度に対して鋳片サンプル内の内部割れの総長さをプロットしたグラフであり、特段の相関関係は認められない。
【0049】
図5は、メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までの平均速度に対して鋳片サンプル内の内部割れの総長さをプロットしたグラフであり、やはり明確な相関関係は認められない。ちなみに、メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までの領域の平均速度が0.58m/minで等しい場合であっても、内部割れの発生が充分に抑制されているときと、全く抑制されておらず総長さで150mm以上の内部割れが発生しているときがある。
【0050】
これに対し、図6はメニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度に対して鋳片サンプル内の内部割れの総長さをプロットしたグラフであり、良好な相関関係が認められる。すなわち、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度が0.53m/min以下では、内部割れは殆ど発生しないけれども、平均速度が0.53m/minを超えると内部割れの発生が多くなり、平均速度が0.58m/min以上になると、内部割れの総長さが常に100mmを超えている。
【0051】
以上の結果から、この実施例においてブルーム鋳片の内部割れ発生は、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度が大きく影響していると考えた。そこで、鋳造速度を高めに維持して生産効率を高める観点から、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度を高めに確保しても内部割れ発生を低減すべく更に研究を重ねた。その過程で、本発明者らは、メニスカスから10mの位置における操業条件に注目し、該位置における操業条件と内部割れ発生の関係について検討した。
【0052】
その結果、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離を調べたところ700mmであり、当該ロール間距離は、該ロールの前後に設けられているロールとのロール間距離よりも長いことが判明した。すなわち、この実験で使用した連鋳機の鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離を測定すると、上流側は狭く下流側は広いステップ状となっており、鋳型直下のロール間距離は120mm、メニスカスから2m付近におけるロール間距離は190mm、メニスカスから4m付近におけるロール間距離は230mm、メニスカスから7m付近におけるロール間距離は300mm、メニスカスから15m付近におけるロール間距離は650mmであったが、メニスカスから10m付近におけるロール間距離は700mmとなっていた。よって、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離が長いため、この位置でロール間バルジングが発生して内部割れが生じたと考えられる。
【0053】
また、鋳片の厚み方向に平行な鋳片断面を観察し、内部割れが発生している位置と鋳片表面からの距離を測定した。その結果、内部割れが発生している位置は、鋳片表面からの距離(深さ)が約100mmの位置であることが分かった。
【0054】
ここで、内部割れは凝固部と未凝固部の界面(つまり、流動し得る溶鋼がわずかに残っている界面)で生じると考えられるので、メニスカスからロールまでの距離をXn(m)、鋳造速度をVc(m/min)としたとき、平均凝固シェル厚dn(mm)は下記式(3)で算出できる。なお、下記(3)式において、23.1は高炭素クロム軸受け鋼(JIS SUJ2)を鋳造したときの凝固速度定数(mm/min1/2)である。
dn=23.1×(Xn/Vc)1/2 ・・・(3)
【0055】
以上の結果より、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離が700mmのときに、該ロール間における平均凝固シェル厚が100mmであれば、内部割れが発生している。すなわち、ロール間距離Lnと平均凝固シェル厚dnの比[Ln/dn]を算出したときに、前記比が7以上である場合は鋳片に内部割れを起こし、この比は内部割れを起こす臨界的な値と考えられ、内部割れを防止するためにはこの比を高くとも7未満に抑えるべきであると思われる。好ましくは前記比が6以下となる様に制御するのが望ましい。但し、前記比が4未満になると、未凝固部が残存する領域に配置するロールの数が多くなり過ぎ、ロールアライメント管理に要するコストが増大するので、比の下限値は4とするのが好ましい。
【0056】
次に、前記比を7未満に制御する方法について種々検討したところ、本発明者らは、当該ロール間距離を小さくしてやればよいことを見出した。すなわち、前記比を7未満に制御するには、前記ロール間における平均凝固シェル厚を大きくすれば良く、平均凝固シェル厚を大きくするには、鋳造速度を小さくする方法が考えられる。つまり、鋳造速度を小さくすると前記ロール位置に到達するまでに凝固シェルが充分に成長するので、シェル厚が大きくなる。ところが、この方法では鋳造速度を高めて鋳片の生産性を高めることはできない。次に、前記ロール間位置における冷却条件を強化し、凝固シェル厚の成長を促進させる方法について検討した。しかし、冷却条件を高めるにしても自ずと限度があり、前記比を7未満に制御することは難しかった。
【0057】
そこで、本発明者らは、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離を小さくすれば、前記比が7未満となって内部割れの発生を抑制できるのではないかと考えた。すなわち、前回チャージにおける平均凝固シェル厚dnに応じてロールの配置位置をずらしてロール間距離Lnを変更し、前記比[Ln/dn]が適切な値になる様に確保して操業すれば良いのではないかと考えた。なお、前回チャージとは、直前の鋳造のみならず、過去に行なった同一鋼種の鋳造も含む意味である。
【0058】
そして、本発明者らは、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離を600mmに変更して鋳造し、得られた鋳片の内部割れ発生状況を前掲の方法により評価した。用いた鋼種は上記実験と同じ炭素含量が1.0質量%の高炭素クロム軸受け鋼(JIS SUJ2)であり、鋳造速度を一定として鋳造した。メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度を表1に示す。なお、鋳造速度を一定として鋳造しているので、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度と鋳造速度は等しい。
【0059】
また、メニスカスから10mの位置に配置されているロールについて平均凝固シェル厚を前記(3)式から算出して表1に併せて示す。このとき、メニスカスから10mの位置に配置されているロールのロール間距離Lnと、該ロール間における平均凝固シェル厚dnの比[Ln/dn]を算出して表1に示す。更に、この条件で得た鋳片の内部割れ発生の有無を観察し、内部割れ総長さが100mm超の場合を内部割れ「有り」、100mm以下の場合を内部割れ「無し」として評価した。
【0060】
【表1】
【0061】
表1から明らかな様に、メニスカスから10mの位置に配置されているロールのロール間距離と平均凝固シェル厚の比が7未満となる様に操業すると、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度が大きくても内部割れは殆ど発生しないことが分かる。
【0062】
なお、No.1〜3では、未凝固部が残存する領域において、メニスカスから10mの位置以外の場所に配置されているロールのロール間距離と、該ロール間における平均凝固シェル厚から算出した比は、何れのロール間においても7未満であることを確認している。
【0063】
次に、表1に示したブルーム鋳片(No.1〜3)を、1250℃まで再加熱し、該温度で4時間保持した後、断面サイズが155mm×155mmとなる様に分解圧延してビレットを得た。得られたビレットを光学顕微鏡で400倍で観察したところ、粗大な炭化物は観察されなかった。すなわち、ブルーム鋳片の中心偏析は充分に低減できていることが確認された。
【0064】
以上の様に、本発明では、ロール間距離Lnと該ロール間における平均凝固シェル厚dnの関係を明らかにした。従って、従来の大断面ブルーム連続鋳造では、鋳造速度が0.5m/min未満の比較的低速で行なわれるのが一般的であったが、本発明では前記比が上記要件を満足すれば中心偏析および内部割れ発生を低減できるので、鋳造速度を0.5m/min以上に高めた場合でも、中心偏析や内部割れといった内部欠陥の少ない高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造でき、ブルーム鋳片の生産効率を飛躍的に高めることができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、中心偏析や内部割れの少ない高炭素鋼ブルーム鋳片を効率良く連続鋳造する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】湾曲型連続鋳造機の一例を示す概略説明図である。
【図2】鋳造速度変更パターンを示すグラフである。
【図3】ブルーム鋳片における内部割れの発生位置と、発生程度を示すグラフである。
【図4】メニスカス位置における鋳造速度と、内部割れ発生の関係を示したグラフである。
【図5】メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までの平均速度と、内部割れ発生の関係を示したグラフである。
【図6】メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度と、内部割れ発生の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 鋳型
2 鋳片
3 溶鋼注入ノズル
21 鋳片における凝固部
22 鋳片における未凝固部
a〜z ロール
Ln ロール間距離
dn ロール間における平均凝固シェル厚
Xn メニスカスからロールまでの距離
【発明の属する技術分野】
本発明は、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造する方法に関するものであり、より詳細には、中心偏析や内部割れの少ないブルーム鋳片を効率良く連続鋳造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
線・棒鋼用圧延素材となるブルーム鋳片を連続鋳造する際には、中心偏析や内部割れといった内部欠陥の発生がしばしば問題となる。鋳片に内部欠陥が生じると、最終製品に強度むらを生じさせたり、内部欠陥部分に巨大な炭化物が析出して品質劣化を発生させるからである。特に、軸受鋼やPC鋼線、ピアノ線、タイヤコード、ばね鋼等の様に、最終製品に高強度が要求される線・棒鋼用圧延素材には、Fe−Fe3C系共析組成に近い鋼種や、それ以上の炭素を含有する高炭素鋼(炭素含有量が0.7〜1.2質量%程度)が用いられるが、このような高炭素鋼は、一般の炭素鋼に比べて固液共存温度域が広く、凝固に要する時間が相対的に長くなるため、鋳片に内部欠陥が発生しやすい。
【0003】
鋳片の内部欠陥発生を防止する技術として、例えば、特許文献1や2には、鋳片内部の凝固が完了するクレータエンド近傍で所定圧下率の鍛圧加工を施すことにより、転動疲労寿命に優れた軸受用素材を製造する方法が提案されている。また、本出願人は、鋳片厚さに対して2〜3倍の直径を有する大径圧下ロールで凝固末期部を圧下することにより、中心偏析やセンターポロシティーを低減する方法を先に開示している(例えば特許文献3参照)。しかし、これらの方法では、鋳片と圧下端子(または圧下ロール)の接触面積を広くしなければならないため、圧下力の大きな大型設備が必要となり、設置スペースの制約から既存の連続鋳造機に適用できない場合がある。
【0004】
また、特許文献4には、中心固相率が0.1乃至0.3となる位置から流動限界固相率(0.6乃至0.8)となる位置までの領域を、所定の圧下速度で連続的に圧下することにより、中心偏析を低減する技術が提案されている。この技術で、圧下開始位置を規定した理由としては、中心固相率が小さすぎる位置から圧下を開始するとロールアライメント不整によりかえって中心偏析が悪化する場合があることを挙げている。また、圧下終了位置を規定した理由は、中心固相率が過大な領域まで圧下すると線状偏析が生じるためと説明されている。更に、特許文献5には、中心固相率が0.4乃至0.5に相当する位置から流動限界固相率に相当する位置までの範囲を圧下することで、中心固相率が0.1乃至0.3から流動限界固相率までの全凝固収縮量を補償することにより、内部割れや中心偏析を防止する方法が提案されている。ここで、中心固相率が0.4乃至0.5に相当する位置から圧下を開始する理由は、この位置よりも中心固相率が小さい位置から圧下を開始すると内部割れが発生するためである。さらに、特許文献6には、円形断面の軸受鋼鋳片を連続鋳造するにあたり、中心固相率が0.3〜0.6の領域でフラットロールを用いて圧下することで、内部割れを発生させることなく中心偏析を解消する技術が開示されている。
【0005】
しかし、鋳片の中心固相率は実測困難であり、有限要素法に基づく数値シミュレーション等、何らかの推定計算によらなければ算出できないため、予測通りの結果が得られない場合がある。すなわち、中心固相率の計算には、鋳片サイズや冷却条件、溶鋼の注入条件等の熱的条件、鋼種毎の比熱や潜熱、熱伝導率等の物性値、各合金元素のミクロおよびマクロな偏析、熱力学的に平衡な凝固からのずれ、中心偏析を低減するために実施する連続鋳造機内での圧下条件、鋳型や2次冷却帯における電磁攪拌条件、液相間を漂う固相(等軸晶)の流動(移流)等、様々な要因が複雑に影響するため、実際の鋳造において推定計算モデル通りの固相率が得られるとは限らない。特に、電磁攪拌を採用すると、中心偏析発生に対する固相移流の影響が大きくなると言われているが、固相移流を含めた流動現象を精度良く評価できる計算手法は確立されていない。このため圧下開始位置を中心固相率で特定することは難しい。
【0006】
ところで、特許文献7には、垂直型連続鋳造機を用い、所定の圧下比[=全圧下量(mm)÷未凝固厚み(mm)]と圧下速度で多段圧縮することにより中心偏析の少ない鋳片を製造する方法が開示されている。垂直型連続鋳造機を用いると、鋳片の曲げ戻しに伴う歪が発生しないので、この歪に起因する内部割れは発生し難いと考えられる。ところが、垂直型連続鋳造機の場合、機長(鋳型内のメニスカスから最終サポートロールまでの長さ)を長くするには建屋自体も高くしなければならず、これには自ずと限度があるため、生産効率の飛躍的な向上は望めない。また、前述した様に、高炭素鋼は一般の炭素鋼に比べて固液共存温度域が広く、凝固に要する時間が長いので、機長を考慮すると鋳造速度を大幅に高めて生産効率を高めることは困難である。
【0007】
【特許文献1】
特許第2905241号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献2】
特許第2986829号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献3】
特開平3−124352号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献4】
特開平3−8863号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献5】
特許第2823085号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献6】
特開平7−299550号公報([特許請求の範囲]参照)
【特許文献7】
特開平8−132205号公報([特許請求の範囲]参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造するに際し、中心偏析や内部割れの少ない高品質のブルーム鋳片を効率良く連続鋳造することのできる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係る高炭素鋼ブルーム鋳片の連続鋳造方法とは、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造するに際して、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれが2mm以内になるようロールアライメントを管理すると共に、鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離をLn、該ロール間における平均凝固シェル厚をdnとしたとき、これらの比[Ln/dn]の最大値が7未満となる様に制御する点に要旨を有する。
【0010】
本発明では、前回チャージにおける平均凝固シェル厚dnに応じて、ロール間距離Lnを変更することにより前記比[Ln/dn]を確保することが好ましい。なお、前回チャージとは、直前の鋳造のみならず、過去に行なった同一鋼種の鋳造も含む意味である。
【0011】
本発明では、鋳造速度を0.5m/min以上の高速で行なっても中心偏析および内部割れの少ない高品質のブルーム鋳片を効率良く連続鋳造できる。
【0012】
また、本発明では、上記要件を特定することによって幅方向サイズが例えば400〜1000mmで、厚みが250〜450mmの大断面ブルーム鋳片であっても効率良く連続鋳造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態および実施例】
本発明者らは、前述した様な課題を解決すべく、様々な角度から検討してきた。その結果、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれが少なくなる様にロールアライメントを厳密に管理すると共に、鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離と該ロール間における平均凝固シェル厚を適切に制御すれば、上記課題が見事に解決されることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明の作用効果について説明する。
【0014】
一般に中心偏析とは、鋳片の中心部にCやSi、Mn、P、S、Crなどが濃化する現象である。すなわち、溶鋼が凝固するにつれてデンドライト間に取り残されて濃化した低融点成分が、凝固収縮や熱収縮等の影響とも相まって、最終凝固部である鋳片中心部方向へ流動することにより発生するもので、濃化溶湯の通路跡にV偏析を生じたり、最終凝固位置付近に軸心偏析を生じることが多い。また、V偏析を防止するための圧下条件が適切でない場合は、逆V偏析が発生することもある。本発明では、これらの偏析をまとめて「中心偏析」と称する。
【0015】
鋳片に中心偏析が生じると、次の様な弊害がもたらされる。
・圧延後の製品に縞状の偏析が残り、製品横断面内の材料強度が不均一となる。・細線へ伸線加工する際に、カッピー断線を生じる。
・伸線加工時に、肌荒れや太さ変動を生じる要因となる。
・棒鋼を押出加工する際にシェブロンクラックの原因となる。
・軸受鋼、特に玉軸受(ボールベアリング)に用いられる鋼材では、鋳片の中心偏析部に相当する部位が球形に加工された製品表面に露出するため、表面の剥離や偏磨耗が起こり、転動疲労寿命の低下や騒音の原因となる。
【0016】
こうした中心偏析による製品品質への影響を軽減する手段として、鋳造で得られた鋳片に均熱拡散加熱(ソーキング)処理を施して中心偏析を低減する方法がある。しかし、均熱拡散加熱処理を長時間行なうと、次の様な問題が新たに生じてくるので、鋳造時の中心偏析を極力少なくすることが望ましい。
・鋳片の加熱処理に熱エネルギーが必要となる。
・加熱処理時に表層の脱炭が進行するため、脱炭層を除去しなければならず、歩留り率が低下する。
・均熱拡散加熱処理の付加によって生産性が低下するので、生産効率の飛躍的な向上が望めない。
【0017】
他方、内部割れとは、鋳片内部に未凝固溶湯が存在する状態で凝固殻に引張り歪が作用したときに生じる亀裂である。この亀裂部に合金元素が濃化した未凝固溶湯が吸引されると、凝固した鋳片の断面を腐食試験に供したときに偏析線となって現れ、上記中心偏析と同様の弊害をもたらす。また、前記引張り歪の程度が著しく大きい場合は、単なる偏析にとどまらず、空隙を伴う内部割れとなる。
【0018】
内部割れの発生を防止する方法としては、中心固相率が所定値以上となる位置から圧下が開始されるように圧下開始位置を遅らせる方法がある。そこで、メニスカスから圧下開始位置までの距離を一定とし、鋳造速度を変えて連続鋳造実験を行なったところ、鋳造速度が小さく、ブルーム鋳片がメニスカスから圧下開始位置に至るまでの時間が長いほど、内部割れ発生頻度が減少する傾向が認められた。従って、生産効率向上の観点から鋳造速度を大きくするには、中心固相率が所定値以上となる位置から圧下が開始される様に、メニスカスから圧下開始位置までの距離を長くする必要がある。ところが、本発明者らが検討したところ、メニスカスから圧下開始位置までの距離を長くしただけでは、内部割れを充分に低減できない場合があり、このときには中心偏析も生じ易くなることが確認された。また、連続鋳造機によっては、メニスカスから圧下開始位置までの距離を長くするには限度があるため、鋳造速度を大きくして生産効率を高めるには限度があった。
【0019】
本発明では、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造することによりブルーム鋳片を効率良く連続鋳造できる。すなわち、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を使用すると、垂直型連続鋳造機に較べて機長を長くできるのでメニスカスから圧下開始位置までの距離を長くできる。その結果、鋳造速度を高めることができ、鋳片の生産効率を高めることができる。
【0020】
このとき、連続鋳造する鋳片はブルーム鋳片である。ブルーム鋳片を湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて連続鋳造することにより、生産効率の向上を図れるからである。
【0021】
本発明においてブルーム鋳片の大きさは特に限定されず、種々の大きさのものを連続鋳造できる。すなわち、従来のブルーム連鋳では、鋳片幅が400mm未満程度の比較的小さな鋳片を鋳造していたが、本発明では鋳片幅方向に400〜1000mm、厚み方向に250〜450mm程度の大断面鋳片であっても連続鋳造でき、生産効率を飛躍的に高めることができる。
【0022】
鋳片幅方向の上限値を1000mmとしたのは、鋼板用スラブの様に鋳片の幅が大きくなり過ぎると、線材や棒鋼に圧延することが困難になるからである。また、鋳片幅が大きいときは、幅方向に分割・切断した後、線材や棒鋼の素材として用いるのが一般的であるが、中心偏析を生じやすい高炭素鋼では、偏析部が分割面や切断面として露出して表面割れ等の欠陥発生の原因となるので、鋳片幅は1000mm以下とするのが望ましい。
【0023】
厚み方向の上限値を450mmとしたのは、連続鋳造における生産性確保のためである。すなわち連続鋳造では、連鋳機の機長内で鋳片の凝固を完了させる必要があるが、鋳造速度が一定のときは鋳片厚みが大きいほど連続鋳造の生産性(ton/min)を高めることができる。しかし、鋳片厚みを450mmより大きくすると、連鋳機の機長内で鋳片の凝固が完了しないため鋳造速度を小さくする必要がある。その結果、却って生産性を低下させることとなるので、本発明では上限値を450mmとした。
【0024】
本発明では、連続鋳造により得られたブルーム鋳片を加工して最終製品を製造したときに高強度特性を得るため、高炭素鋼からなるブルーム鋳片を対象とする。ここで高炭素鋼とは、炭素を0.7〜1.2質量%含有する鋼である。炭素含量が0.7質量%未満では、固液共存温度域が狭く、凝固に要する時間が短くなるので中心偏析を生じ難い。また、オーステナイトからの初析相がフェライトとなり、巨大な炭化物は殆ど生成しない。この様な観点から本発明では、炭素含量が0.7質量%以上の鋼を対象としている。これに対し、炭素含量が1.2質量%を超えると、鋳造条件を制御しても短時間のソーキングで粗大な炭化物の生成を防止できるレベルまで中心偏析を改善するのが困難となるので、本発明では炭素含量が1.2質量%以下の鋼を対象としている。
【0025】
本発明では、前提要件として未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれが2mm以内になるようロールアライメントを管理する必要がある。鋳片厚み方向のずれを2mm以内とした理由は、ロールアライメント不整合に起因するロール間バルジングによる内部割れを発生させないためである。各ロールにおける鋳片厚み方向ずれを所定値以内にするには、例えば、ロールスタンド交換時にロールアライメント不整合が0.5mm以内となるようロールを設置すると共に、ダミーバー挿入時に各ロール対の間隔を測定してロールの磨耗状態を定期的に把握したり、ロール軸受けの折損やロールフレームの変形等を検出してメンテナンスすれば良い。
【0026】
本発明では、鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離をLn、該ロール間における平均凝固シェル厚をdnとしたとき、これらの比[Ln/dn]の最大値が7未満となる様に制御しつつ操業することが重要である。これを図面を用いて具体的に説明する。
【0027】
図1は、湾曲型連続鋳造機で鋳造を行なっている状況を例示する概略説明図であり、1は鋳型、2は鋳片、3は溶鋼注入ノズル、a〜zはロールを夫々示しており、21は鋳片における凝固部、22は鋳片における未凝固部である。ここで、ロールa〜sはサポートロールであり、ロールt〜wは未凝固部22を含む鋳片を圧下する圧下ロール、ロールx〜zは凝固が完了した鋳片を圧下する圧下ロールである。また、Lnはロール間距離、dnはロール間における平均凝固シェル厚、Xnはメニスカスからロールまでの距離を夫々示しており、nは鋳型1から数えたときのロール位置を示している。なお、鋳片を挟む様に設けられているロールの数は、図1に示した数に限定されるものではない。
【0028】
ロール間距離Lnとは、鋳型1から数えてn番目のロールにおける軸心と、n−1番目のロールにおける軸心の軸間距離を指す。このとき、鋳片の背側と腹側に配置されている夫々のロールについてロール間距離を算出し、これら背側と腹側の平均値をロール間距離Lnとする。
【0029】
ロール間における凝固シェル厚とは、鋳型1から数えてn番目のロールとn−1番目のロール間における凝固シェル厚を指すが、本発明では、鋳型1から数えてn番目のロール位置における凝固シェル厚を、「ロール間における平均凝固シェル厚dn」として用いる。すなわち、溶湯は鋳造が進むにつれて凝固するので、凝固シェルの厚みは鋳造が進むにつれて大きくなり、鋳型1から数えてn−1番目のロール位置における凝固シェル厚とn番目のロール位置における凝固シェル厚では若干の差があるが、本発明では、鋳型1から数えてn番目のロール位置における凝固シェル厚を、鋳型1から数えてn番目のロールとn−1番目のロール間における平均凝固シェル厚dnとして用いる。
【0030】
ロール間における平均凝固シェル厚dnは下記式(1)から算出できる。
dn=K×t1/2 ・・・(1)
式中、Kは凝固速度定数(mm/min1/2)であり、tは鋳片がメニスカスから各ロール位置まで移動するのに要する時間(min)である。よって、メニスカスからn番目のロールまでの距離をXn(m)とし、このときの鋳造速度をVc(m/min)とすると、ロール間における平均凝固シェル厚dnは下記(2)式によって算出できる。
dn=K×(Xn/Vc)1/2 ・・・(2)
【0031】
本発明では、ロール間距離Lnと該ロール間における平均凝固シェル厚dnの比[Ln/dn]の最大値が7未満となる様に操業する必要がある。ここで、比の最大値とは、未凝固部が残存する領域に配置されている全ロールについて前記比を算出し、算出された比の全てが7未満であることを意味する。未凝固部が残存する領域とは、流動し得る未凝固溶鋼が残存する領域を指し、中心固相率では0.8未満程度の領域である。すなわち、図1では、ロールa〜wの各ロール位置で前記比を算出し、算出される比の全てが7未満であれば良く、凝固完了後の鋳片を圧下するために設けられているロールx〜zの位置における比は考慮しなくても良い。
【0032】
次に、前記比の最大値を7未満と定める手順について実施例に基づいて具体的に説明する。
【0033】
高炭素鋼をブルーム連鋳するに際し、内部割れ発生の原因を突き止めるべく種々の実験を行なった。
【0034】
まず、曲率半径が15mの湾曲型連続鋳造機を用いて、ブルーム鋳片を連続鋳造した。ブルーム鋳片の組成は、炭素含量が1.0質量%の高炭素クロム軸受鋼(JIS SUJ2)である。ブルーム鋳片の大きさは、幅方向に600mm、厚み方向に380mmである。メニスカスから圧下開始位置までの距離を26mに固定し、鋳造速度を0.53m/minまたは0.58m/minとして連続鋳造した。なお、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれは、2mm以内になるようにロールアライメントを管理している。
【0035】
得られた鋳片からサンプルを適宜採取し、内部割れ発生の有無を調べた。その結果、0.53m/minで連続鋳造した鋳片には鋳片全体に亘って内部割れは殆ど認められなかったが、0.58m/minで連続鋳造した鋳片には鋳片全体に亘って内部割れが認められた。従って、鋳造速度が小さい程内部割れは発生し難いと考えられる。ところが、鋳片の生産効率を高めるには、鋳造速度を高める必要があり、この観点から鋳造速度と内部割れ発生の関係について検討した。
【0036】
次に、上記と同様に、曲率半径が15mの湾曲型連続鋳造機を用いて、ブルーム鋳片を連続鋳造した。ブルーム鋳片の組成は、炭素含量が1.0質量%の高炭素クロム軸受鋼(JIS SUJ2)である。ブルーム鋳片の大きさは、幅方向に600mm、厚み方向に380mmである。メニスカスから圧下開始位置までの距離を26mに固定し、鋳造中に鋳造速度を変化させて連続鋳造した。このとき、未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれは、2mm以内になるようにロールアライメントを管理した。
【0037】
鋳造速度は次に示す様に変化させた。鋳造を開始したときの鋳造速度は0.53m/minとし、鋳造開始時においてメニスカスにある鋳片(鋳造方向に対して最も先端の鋳片)がメニスカスから50mの位置に到達したときに鋳造速度を0.60m/minに変更し、さらに該鋳片がメニスカスから70mの位置に到達したときに鋳造速度を0.53m/minに戻した。鋳造速度の変更パターンを図2に実線(図中a)で示す。図2中、X軸は鋳片先端からの距離(m)、Y軸はメニスカスにおける鋳造速度(m/min)を夫々示している。
【0038】
鋳造開始時においてメニスカスにある鋳片が、メニスカスから50mの位置と70mの位置に到達したときに鋳造速度を変更しているので、図2に示した通り、メニスカスにおける鋳造速度は、鋳片先端からの距離が50mの位置と70mの位置の鋳片で夫々変化している。
【0039】
このとき、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度と、メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置(圧下開始位置)までの平均速度を夫々算出して、前記図2に併せて示す。図2中、点線(図中b)はメニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度、一点鎖線(図中c)はメニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までの平均速度を夫々算出した結果であり、Y軸はメニスカス位置〜夫々の位置までの平均速度(m/min)を示している。
【0040】
鋳造速度が一定であれば、メニスカスにおける鋳造速度と、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置や26mの位置までの平均速度は等しくなるが、鋳造中に鋳造速度を変化させると、例えば図2の点線や一点鎖線で示す如く、メニスカスにおける鋳造速度と、メニスカス位置〜メニスカスから各位置までの平均速度は必ずしも一致しなくなる。
【0041】
すなわち、鋳片先端からの距離が10mの位置における鋳片に注目すると、鋳片の先端がメニスカスから50mの位置に到達したときには、鋳片先端からの距離が10mの位置における鋳片は、メニスカスから40mの位置に到達している。従って、鋳片先端からの距離が10mの位置における鋳片が、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置や26mの位置までに移動するときの平均速度は、メニスカスにおける鋳造速度と等しくなる。
【0042】
これに対し、鋳片先端からの距離が30mの位置における鋳片に注目すると、鋳片の先端がメニスカスから50mの位置に到達したときには、鋳片先端からの距離が30mの位置における鋳片は、メニスカスから20mの位置に到達している。そして、鋳片の先端がメニスカスから50mの位置に到達したときに鋳造速度を0.53m/minから0.60m/minへ変更し、この鋳造速度(0.60m/min)をメニスカスから70mの位置まで維持しているので、鋳片先端からの距離が30mの位置における鋳片は、メニスカスから20mの位置〜40mの位置までの範囲を鋳造速度0.60m/minで移動することとなる。従って、鋳片先端から30mの位置における鋳片が、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までに移動する際の平均速度は0.53m/minとなるが、メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までに移動する際の平均速度は0.53m/minよりも大きくなる。つまり、鋳片先端から30mの位置における鋳片が、メニスカス位置〜メニスカスから20mの位置までの領域を移動するときの平均速度は0.53m/minであるが、メニスカスから20mの位置〜26mの位置までの領域を移動するときの平均速度は0.60m/minとなるからである。
【0043】
次に、鋳造中に鋳造速度を変化させて連続鋳造して得られたブルーム鋳片からサンプルを採取し、内部割れ発生頻度を観察した。
【0044】
サンプルは、前記ブルーム鋳片の幅方向における中央縦断面から21本採取した。サンプルの採取位置は、ブルーム鋳片の先端(鋳造時における最も先端部分)〜80mの位置までの領域における任意の位置とし、サンプルの長さは鋳造方向に250mmとした。内部割れは、採取したサンプル表面を研磨した後、ピクリン酸で腐食する方法により検出し、各サンプル内に発生している複数の内部割れの長さを測定して、これを合計した総長さ(mm)を算出した。サンプルの採取位置(ブルーム鋳片の先端からの距離)に対して、鋳片サンプル内に発生している内部割れの総長さを図3にプロットした。なお、内部割れの総長さが100mm以下であれば、後加工工程で製品の不具合は生じないことを確認している。
【0045】
図3から明らかな様に、ブルーム鋳片の先端〜40m位置までの領域から適宜採取したサンプルには、内部割れが殆ど発生していない。これに対し、ブルーム鋳片の先端からの距離が40m〜70m位置までの領域から適宜採取したサンプルには、内部割れが多く発生しており、内部割れの総長さは100mmを超えている。しかし、ブルーム鋳片の先端から70m位置よりも下流側(メニスカス側)領域から採取したサンプルには、内部割れは殆ど発生していない。
【0046】
ここで、鋳造速度と内部割れ発生の関係について検討すべく、図3に示したグラフへ、前記図2におけるメニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度の変化を示すグラフを重ね合わせて点線で示した。その結果、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度と内部割れ発生頻度の間には、良好な相関関係が認められた。従って、ブルーム鋳片における内部割れ発生の原因は、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度にあると考えられる。
【0047】
そこで、鋳造速度(または平均速度)が内部割れの発生に及ぼす影響を更に定量的に把握するため、前記図2および図3のデータを、X軸:鋳造速度(または平均速度)、Y軸:鋳片サンプル内の内部割れの総長さとしてプロットし直したところ図4〜図6に示す通りとなった。
【0048】
図4は、メニスカス位置における鋳造速度に対して鋳片サンプル内の内部割れの総長さをプロットしたグラフであり、特段の相関関係は認められない。
【0049】
図5は、メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までの平均速度に対して鋳片サンプル内の内部割れの総長さをプロットしたグラフであり、やはり明確な相関関係は認められない。ちなみに、メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までの領域の平均速度が0.58m/minで等しい場合であっても、内部割れの発生が充分に抑制されているときと、全く抑制されておらず総長さで150mm以上の内部割れが発生しているときがある。
【0050】
これに対し、図6はメニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度に対して鋳片サンプル内の内部割れの総長さをプロットしたグラフであり、良好な相関関係が認められる。すなわち、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度が0.53m/min以下では、内部割れは殆ど発生しないけれども、平均速度が0.53m/minを超えると内部割れの発生が多くなり、平均速度が0.58m/min以上になると、内部割れの総長さが常に100mmを超えている。
【0051】
以上の結果から、この実施例においてブルーム鋳片の内部割れ発生は、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度が大きく影響していると考えた。そこで、鋳造速度を高めに維持して生産効率を高める観点から、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度を高めに確保しても内部割れ発生を低減すべく更に研究を重ねた。その過程で、本発明者らは、メニスカスから10mの位置における操業条件に注目し、該位置における操業条件と内部割れ発生の関係について検討した。
【0052】
その結果、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離を調べたところ700mmであり、当該ロール間距離は、該ロールの前後に設けられているロールとのロール間距離よりも長いことが判明した。すなわち、この実験で使用した連鋳機の鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離を測定すると、上流側は狭く下流側は広いステップ状となっており、鋳型直下のロール間距離は120mm、メニスカスから2m付近におけるロール間距離は190mm、メニスカスから4m付近におけるロール間距離は230mm、メニスカスから7m付近におけるロール間距離は300mm、メニスカスから15m付近におけるロール間距離は650mmであったが、メニスカスから10m付近におけるロール間距離は700mmとなっていた。よって、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離が長いため、この位置でロール間バルジングが発生して内部割れが生じたと考えられる。
【0053】
また、鋳片の厚み方向に平行な鋳片断面を観察し、内部割れが発生している位置と鋳片表面からの距離を測定した。その結果、内部割れが発生している位置は、鋳片表面からの距離(深さ)が約100mmの位置であることが分かった。
【0054】
ここで、内部割れは凝固部と未凝固部の界面(つまり、流動し得る溶鋼がわずかに残っている界面)で生じると考えられるので、メニスカスからロールまでの距離をXn(m)、鋳造速度をVc(m/min)としたとき、平均凝固シェル厚dn(mm)は下記式(3)で算出できる。なお、下記(3)式において、23.1は高炭素クロム軸受け鋼(JIS SUJ2)を鋳造したときの凝固速度定数(mm/min1/2)である。
dn=23.1×(Xn/Vc)1/2 ・・・(3)
【0055】
以上の結果より、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離が700mmのときに、該ロール間における平均凝固シェル厚が100mmであれば、内部割れが発生している。すなわち、ロール間距離Lnと平均凝固シェル厚dnの比[Ln/dn]を算出したときに、前記比が7以上である場合は鋳片に内部割れを起こし、この比は内部割れを起こす臨界的な値と考えられ、内部割れを防止するためにはこの比を高くとも7未満に抑えるべきであると思われる。好ましくは前記比が6以下となる様に制御するのが望ましい。但し、前記比が4未満になると、未凝固部が残存する領域に配置するロールの数が多くなり過ぎ、ロールアライメント管理に要するコストが増大するので、比の下限値は4とするのが好ましい。
【0056】
次に、前記比を7未満に制御する方法について種々検討したところ、本発明者らは、当該ロール間距離を小さくしてやればよいことを見出した。すなわち、前記比を7未満に制御するには、前記ロール間における平均凝固シェル厚を大きくすれば良く、平均凝固シェル厚を大きくするには、鋳造速度を小さくする方法が考えられる。つまり、鋳造速度を小さくすると前記ロール位置に到達するまでに凝固シェルが充分に成長するので、シェル厚が大きくなる。ところが、この方法では鋳造速度を高めて鋳片の生産性を高めることはできない。次に、前記ロール間位置における冷却条件を強化し、凝固シェル厚の成長を促進させる方法について検討した。しかし、冷却条件を高めるにしても自ずと限度があり、前記比を7未満に制御することは難しかった。
【0057】
そこで、本発明者らは、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離を小さくすれば、前記比が7未満となって内部割れの発生を抑制できるのではないかと考えた。すなわち、前回チャージにおける平均凝固シェル厚dnに応じてロールの配置位置をずらしてロール間距離Lnを変更し、前記比[Ln/dn]が適切な値になる様に確保して操業すれば良いのではないかと考えた。なお、前回チャージとは、直前の鋳造のみならず、過去に行なった同一鋼種の鋳造も含む意味である。
【0058】
そして、本発明者らは、メニスカスから10mの位置におけるロール間距離を600mmに変更して鋳造し、得られた鋳片の内部割れ発生状況を前掲の方法により評価した。用いた鋼種は上記実験と同じ炭素含量が1.0質量%の高炭素クロム軸受け鋼(JIS SUJ2)であり、鋳造速度を一定として鋳造した。メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度を表1に示す。なお、鋳造速度を一定として鋳造しているので、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度と鋳造速度は等しい。
【0059】
また、メニスカスから10mの位置に配置されているロールについて平均凝固シェル厚を前記(3)式から算出して表1に併せて示す。このとき、メニスカスから10mの位置に配置されているロールのロール間距離Lnと、該ロール間における平均凝固シェル厚dnの比[Ln/dn]を算出して表1に示す。更に、この条件で得た鋳片の内部割れ発生の有無を観察し、内部割れ総長さが100mm超の場合を内部割れ「有り」、100mm以下の場合を内部割れ「無し」として評価した。
【0060】
【表1】
【0061】
表1から明らかな様に、メニスカスから10mの位置に配置されているロールのロール間距離と平均凝固シェル厚の比が7未満となる様に操業すると、メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度が大きくても内部割れは殆ど発生しないことが分かる。
【0062】
なお、No.1〜3では、未凝固部が残存する領域において、メニスカスから10mの位置以外の場所に配置されているロールのロール間距離と、該ロール間における平均凝固シェル厚から算出した比は、何れのロール間においても7未満であることを確認している。
【0063】
次に、表1に示したブルーム鋳片(No.1〜3)を、1250℃まで再加熱し、該温度で4時間保持した後、断面サイズが155mm×155mmとなる様に分解圧延してビレットを得た。得られたビレットを光学顕微鏡で400倍で観察したところ、粗大な炭化物は観察されなかった。すなわち、ブルーム鋳片の中心偏析は充分に低減できていることが確認された。
【0064】
以上の様に、本発明では、ロール間距離Lnと該ロール間における平均凝固シェル厚dnの関係を明らかにした。従って、従来の大断面ブルーム連続鋳造では、鋳造速度が0.5m/min未満の比較的低速で行なわれるのが一般的であったが、本発明では前記比が上記要件を満足すれば中心偏析および内部割れ発生を低減できるので、鋳造速度を0.5m/min以上に高めた場合でも、中心偏析や内部割れといった内部欠陥の少ない高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造でき、ブルーム鋳片の生産効率を飛躍的に高めることができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、中心偏析や内部割れの少ない高炭素鋼ブルーム鋳片を効率良く連続鋳造する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】湾曲型連続鋳造機の一例を示す概略説明図である。
【図2】鋳造速度変更パターンを示すグラフである。
【図3】ブルーム鋳片における内部割れの発生位置と、発生程度を示すグラフである。
【図4】メニスカス位置における鋳造速度と、内部割れ発生の関係を示したグラフである。
【図5】メニスカス位置〜メニスカスから26mの位置までの平均速度と、内部割れ発生の関係を示したグラフである。
【図6】メニスカス位置〜メニスカスから10mの位置までの平均速度と、内部割れ発生の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 鋳型
2 鋳片
3 溶鋼注入ノズル
21 鋳片における凝固部
22 鋳片における未凝固部
a〜z ロール
Ln ロール間距離
dn ロール間における平均凝固シェル厚
Xn メニスカスからロールまでの距離
Claims (4)
- 湾曲型または垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、高炭素鋼ブルーム鋳片を連続鋳造するに際して、
未凝固部が残存する領域における各ロールと鋳片の接触位置と、該領域における予め設計された各ロールと鋳片の接触位置からの鋳片厚み方向ずれが2mm以内になるようロールアライメントを管理すると共に、
鋳造方向に隣り合って配置される相互のロール間距離をLn、該ロール間における平均凝固シェル厚をdnとしたとき、これらの比[Ln/dn]の最大値が7未満となる様に制御することを特徴とする高炭素鋼ブルーム鋳片の連続鋳造方法。 - 前回チャージにおける平均凝固シェル厚dnに応じて、ロール間距離Lnを変更することにより前記比[Ln/dn]を確保する請求項1に記載の連続鋳造方法。
- 鋳造速度を0.5m/min以上で行なう請求項1または2に記載の連続鋳造方法。
- 前記ブルーム鋳片が、幅方向に400〜1000mmであり、厚み方向に250〜450mmである請求項1〜3のいずれかに記載の連続鋳造方法。
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