JP2010047058A - 車輪用軸受装置およびアクスルモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】円周方向のガタの抑制を図ることができ、しかも、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材との連結作業性に優れるとともに、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材との分離が可能とされてメンテナンス性に優れた車輪用軸受装置およびアクスルモジュールを提供する。
【解決手段】外側継手部材の軸部12の外径面とハブ輪1の孔部22の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部35を、軸方向に沿って他方に圧入し、この他方に凸部35に密着嵌合する凹部36を凸部35にて形成して、凸部35と凹部36との嵌合接触部位全域が密着する凹凸嵌合構造Mを構成する。外側継手部材の外径面に転がり軸受2のインボード側の軌道面29を形成する。凹凸嵌合構造Mは軸方向の引き抜き力付与による分離を許容する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両において車輪を車体に対して回転自在に支持するための車輪用軸受装置およびこのような車輪用軸受装置を用いたアクスルモジュールに関する。
自動車等の車両のエンジン動力を車輪に伝達する動力伝達装置は、エンジンから車輪へ動力を伝達するとともに、悪路走行時における車両のバウンドや車両の旋回時に生じる車輪からの径方向や軸方向変位、およびモーメント変位を許容する必要がある。このため、例えば、エンジン側と駆動車輪との間に介装されるドライブシャフトの一端を、摺動型等速自在継手を介してディファレンシャルに連結し、他端を、固定側等速自在継手を含む車輪用軸受装置を介して車輪に連結している。
車輪用軸受装置には、第1世代と称される複列の転がり軸受を単独に使用する構造から、外方部材に車体取付フランジを一体に有する第2世代に進化し、さらに、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一方の内側軌道面が一体に形成された第3世代、さらには、ハブ輪に等速自在継手が一体化され、この等速自在継手を構成する外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側軌道面が一体に形成された第4世代のものまで開発されている。
例えば、特許文献1には、第3世代と呼ばれるものが記載されている。第3世代と呼ばれる車輪用軸受装置は、図14に示すように、外径方向に延びるフランジ151を有するハブ輪152と、このハブ輪152に外側継手部材153が固定される等速自在継手154と、ハブ輪152の外周側に配設される外方部材155とを備える。
等速自在継手154は、前記外側継手部材153と、この外側継手部材153の椀形部157内に配設される内側継手部材158と、この内側継手部材158と外側継手部材153との間に配設されるボール159と、このボール159を保持する保持器160とを備える。また、内側継手部材158の中心孔の内周面にはスプライン部161が形成され、この中心孔に図示省略のシャフトの端部スプライン部が挿入されて、内側継手部材158側のスプライン部161とシャフト側のスプライン部とが係合される。
また、ハブ輪152は、筒部163と前記フランジ151とを有し、フランジ151の外端面164(反継手側の端面)には、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部165が突設されている。なお、パイロット部165は、大径の第1部165aと小径の第2部165bとからなり、第1部165aにブレーキロータが外嵌され、第2部165bにホイールが外嵌される。
そして、筒部163の椀形部157側端部の外周面に切欠部166が設けられ、この切欠部166に内輪167が嵌合されている。ハブ輪152の筒部163の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面168が設けられ、内輪167の外周面に第2内側軌道面169が設けられている。また、ハブ輪152のフランジ151にはボルト装着孔162が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ151に固定するためのハブボルトがこのボルト装着孔162に装着される。
外方部材155は、その内周に2列の外側軌道面170、171が設けられると共に、その外周にフランジ(車体取付フランジ)182が設けられている。そして、外方部材155の第1外側軌道面170とハブ輪152の第1内側軌道面168とが対向し、外方部材155の第2外側軌道面171と、内輪167の第2内側軌道面169とが対向し、これらの間に転動体172が介装される。
ハブ輪152の筒部163に外側継手部材153の軸部173が挿入される。軸部173は、その反椀形部の端部にねじ部174が形成され、このねじ部174と椀形部157との間にスプライン部175が形成されている。また、ハブ輪152の筒部163の内周面(内径面)にスプライン部176が形成され、この軸部173がハブ輪152の筒部163に挿入された際には、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176とが係合する。
そして、筒部163から突出した軸部173のねじ部174にナット部材177が螺着され、ハブ輪152と外側継手部材153とが連結される。この際、ナット部材177の内端面(裏面)178と筒部163の外端面179とが当接するとともに、椀形部157の軸部側の端面180と内輪167の外端面181とが当接する。すなわち、ナット部材177を締付けることによって、ハブ輪152が内輪167を介してナット部材177と椀形部157とで挟持される。
特開2004−340311号公報
従来では、前記したように、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176とが係合するものである。このため、軸部173側及びハブ輪152側の両者にスプライン加工を施す必要があって、コスト高となるとともに、圧入時には、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176との凹凸を合わせる必要があり、この際、歯面を合わせることによって、圧入すれば、この凹凸歯が損傷する(むしれる)おそれがある。また、歯面を合わせることなく、凹凸歯の大径合わせにて圧入すれば、円周方向のガタが生じやすい。このように、円周方向のガタがあると、回転トルクの伝達性に劣るとともに、異音が発生するおそれもあった。このため、従来のように、スプライン嵌合による場合、凹凸歯の損傷及び円周方向のガタの両者を成立させることは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みて、円周方向のガタの抑制を図ることができ、しかも、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材との連結作業性に優れるとともに、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材との分離が可能とされてメンテナンス性に優れた車輪用軸受装置およびアクスルモジュールを提供する。
本発明の第1の車輪用軸受装置は、内周に複列の外側軌道面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側軌道面に対向する一方の内側軌道面と、この内側軌道面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側軌道面に対向する他方の内側軌道面と、この内側軌道面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両軌道面間に転動自在に収容された複列のボールとを有する転がり軸受を備え、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部が凹凸嵌合構造を介してハブ輪に一体化される車輪用軸受装置であって、外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、この他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成するとともに、外側継手部材の外径面に前記軸受のインボード側の軌道面を形成し、かつこの凹凸嵌合構造は軸方向の引き抜き力付与による分離を許容するものである。
また、本発明の第2の車輪用軸受装置は、内周に複列の外側軌道面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側軌道面に対向する一方の内側軌道面と、この内側軌道面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側軌道面に対向する他方の内側軌道面と、この内側軌道面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両軌道面間に転動自在に収容された複列のボールとを有する転がり軸受を備え、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部が凹凸嵌合構造を介してハブ輪に一体化される車輪用軸受装置であって、外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、この他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成するとともに、外側継手部材の外径面に前記軸受のインボード側の軌道面を形成し、かつ、前記転がり軸受の外方部材の外径面に、ナックル内径面に圧入されるナックル嵌合面を設けるとともに、ナックル嵌合面とナックル内径面との締代にて、ナックルと外方部材との相対的な軸方向及び周方向のずれを規制したものである。
この第2の車輪用軸受装置は、前記転がり軸受の外方部材の外径面全体を円筒面として、この円筒面を前記ナックル嵌合面とするのが好ましい。これによって、外方部材のナックルへの圧入範囲を大きくとることができる。しかも、外方部材において、ナックル連結用のフランジを設けなくてもよい。転がり軸受の外方部材のナックルからの抜けを規制する抜け止め機構を設けるのが好ましい。
本発明の第1及び第2の車輪用軸受装置によれば、凹凸嵌合構造は、凸部と凹部との嵌合接触部位の全体が密着しているので、この嵌合構造において、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。しかも、外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、この他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、前記凹凸嵌合構造を構成する。すなわち、相手側の凹部形成面に凸部の形状の転写を行うことになる。
等速自在継手の外側継手部材の軸部に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度をハブ輪の孔部内径部よりも高くして、前記軸部をハブ輪の孔部に凸部の軸方向端部側から圧入することによって、このハブ輪の孔部内径面に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、前記凹凸嵌合構造を構成してもよい。この際、凸部が相手側の凹部形成面(ハブ輪の孔部内径面)に食い込んでいくことによって、孔部が僅かに拡径した状態となって、凸部の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、孔部が元の径に戻ろうとして縮径することになる。これによって、凸部の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部に対して密着する。
また、ハブ輪の孔部の内径面に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度を等速自在継手の外側継手部材の軸部の外径部よりも高くして、前記ハブ輪側の凸部をその軸方向端部側から外側継手部材の軸部に圧入することによって、外側継手部材の軸部の外径面に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、前記凹凸嵌合構造を構成してもよい。凸部が軸部の外径面に食い込んでいくことによって、軸部が僅かに縮径した状態となって、凸部の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、軸部が元の径に戻ろうとして拡径することになる。これによって、凸部とその凸部に嵌合する相手部材の凹部(シャフトの外径面)との嵌合接触部位全域が密着する。
第1及び第2の車輪用軸受装置によれば、等速自在継手の外側継手部材の外周に、転がり軸受のインボード側の軌道面(転走面)が一体に形成されたいわゆる第4世代のものを構成することができる。
第1の車輪用軸受装置によれば、外側継手部材の軸部に軸方向の引き抜き力を付与すれば、ハブ輪の孔部から外側継手部材を取外すことができる。また、外側継手部材の軸部をハブ輪の孔部から引き抜いた後において、再度、外側手部材の軸部をハブ輪の孔部に圧入すれば、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成することができる。
第2の車輪用軸受装置によれば、外方部材の外径面のナックル嵌合面を、ナックル内径面に圧入することによって、ナックルへの取付けを行うことができる。しかも、ナックル嵌合面とナックル内径面との締代によって、ナックルと外方部材との相対的な軸方向及び周方向のずれを規制することができ、クリープを防止することができる。
ハブ輪と外側継手部材の軸部とをねじ構造を介して固定するとともに、ねじ構造のボルト部材の座面となる内壁をハブ輪の内径面に形成するのが好ましい。これによって、ハブ輪からの外側継手部材の軸部の軸方向の抜けが規制される。しかも、ボルト部材の座面をこの内壁にて受けることができ、安定したねじ固定が可能となる。
ハブ輪のインボード側の端面に外側継手部材のマウス部の底壁外端面を突き合せて、転がり軸受に対して予圧を付与するとともに、軸部の圧入量を規制するようにしてもよい。すなわち、軸部を孔部に圧入する際に、マウス部の底壁外端面がハブ輪のインボード側の端面に当接するまで圧入することによって、転がり軸受に対して予圧を付与することができ、しかも、軸部の圧入量を規制することによって、凹凸嵌合構造の軸方向長さを規定の長さに設定できる。
前記ハブ輪は、前記孔部を有する筒部と、筒部に連設されるフランジ部とを備え、フランジ部よりもインボード側の筒部外径面に、前記軸受のアウトボード側の軌道面を形成するとともに、前記凹凸嵌合構造をこのアウトボード側の軌道面よりもアウトボード側に設けるのが好ましい。なお、アウトボード側とは、自動車等の車両に組付けた状態で車両の外側となる方であり、また、自動車等の車両に組付けた状態で車両の内側となる方をインボード側と呼ぶ。
軸部をハブ輪の孔部に圧入すれば、ハブ輪は膨張する。この膨張によって、転がり軸受の軌道面にフープ応力を発生させる。ここで、フープ応力とは、外径方向に拡径しようとする力をいう。このため、軸受軌道面にフープ応力が発生した場合は、転がり疲労寿命の低下やクラック発生を引き起こすおそれがある。そこで、凹凸嵌合構造を、アウトボード側の軌道面よりもアウトボード側に設けることよって、軸受軌道面におけるフープ応力の発生を最小限に抑えることができる。
特に、第2の車輪用軸受装置において、転がり軸受の外方部材の外径面全体を円筒面として、この円筒面を前記ナックル嵌合面としたり、転がり軸受の外方部材のナックルからの抜けを規制する抜け止め機構を備えたりするのが好ましい。
ハブ輪のアウトボード側開口部をシール部材にて密封することも可能である。
軸受のインボード側の開口部をシール装置で密封するとともに、このシール装置を、一対の環状のシール板と、一方のシール板に付設されて他方のシール板に接触する2枚のサイドリップを有するリップ部材とを備えたものとするのが好ましい。
シール装置によって、軸受のインボード側の開口部からの軸受内への異物の侵入を防止することができる。しかも、リップ部材が2枚のサイドリップを有するので、シール性の向上を図ることができる。
本発明のアクスルモジュールは、前記記載の車輪用軸受装置を備え、アウトボード側の等速自在継手に連結されたドライブシャフトと、このドライブシャフトの他方に連結されたインボード側の摺動型の等速自在継手とを備えたものである。
本発明では、凹凸嵌合構造において、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されないので、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。さらには、隙間無く密着しているので、トルク伝達部位の強度が向上する。このため、車輪用軸受装置を軽量、コンパクトにすることができる。
また、外側継手部材の軸部に軸方向の引き抜き力を付与することによって、ハブ輪の孔部から外側継手部材を取外すことができるので、各部品の修理・点検の作業性(メンテナンス性)の向上を図ることができる。しかも、各部品の修理・点検後に再度外側継手部材の軸部をハブ輪の孔部に圧入することによって、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する凹凸嵌合構造を構成することができる。このため、安定したトルク伝達が可能な車輪用軸受装置を再度構成することができる。車輪用軸受装置を第4世代のものとして構成することができ、部品点数の削減と高剛性化および耐久性の向上を図ることができる。
ねじ構造によって、ハブ輪からの外側継手部材の軸部の軸方向の抜けが規制される。しかも、このねじ構造によれば、安定したねじ固定が可能となり、ガタついたり、凹凸嵌合構造の雄スプラインと雌スプラインとがずれたりするのを有効に防止できる。
マウス部の底壁外端面がハブ輪のインボード側の端面に当接するまで圧入することによって、軸受に対して安定して所定の大きさの予圧を付与することができる。しかも、軸部の圧入量を規制することによって、凹凸嵌合構造の軸方向長さを規定の長さに設定でき、トルク伝達機能が安定するとともに、トルク伝達機能に必要のない長さまで圧入する必要がなく、作業性の向上を図ることができる。
凹凸嵌合構造をこのアウトボード側の軌道面よりもアウトボード側に設けた場合、軸受軌道面におけるフープ応力の発生を抑えることができる。これにより、転がり疲労寿命の低下、クラック発生、及び応力腐食割れ等の軸受の不具合発生を防止することができ、高品質な軸受を提供することができる。
外方部材の外径面全体を円筒面として、この円筒面をナックル嵌合面とすることによって、ナックルへの圧入範囲を大きくとることができ、軸方向の抜け及び周方向のクリープをより安定して防止できる。この場合、外方部材のナックル連結用のフランジを省略でき、軽量化及びコンパクト化を図ることができ、しかも、外方部材の自体の形状が簡素化されるので、外方部材を冷間鍛造等にて成形することができる。このため、大量に生産できる、製品強度が増加する、加工時間が短縮する、材料を節減出来る、磨耗強度が向上するといった冷間鍛造の利点を生かせることができる。また、転がり軸受の外方部材のナックルからの抜けを規制する抜け止め機構を設けることによって、圧入締代に加え、この抜け止め機構にてより安定して外方部材の抜けを規制することができる。
また、ハブ輪のアウトボード側開口部をシール部材にて密封することによって、アウトボード側からの凹凸嵌合構造への雨水や異物等の侵入防止性の向上を図ることができる。
軸受のインボード側の開口部をシール装置で密封することによって、軸受のインボード側の開口部からの軸受内への異物の侵入を防止することができ、しかも、リップ部材が2枚のサイドリップを有するものであれば、シール性の向上を図ることができる。これにより、インボード側からの凹凸嵌合構造への雨水や異物等の侵入による密着性の劣化を回避することができる。
本発明のアクスルモジュールは、前記記載の車輪用軸受装置を備えたものであり、長期にわたって安定した機能を発揮する製品となる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図13に基づいて説明する。図1に第1実施形態の車輪用軸受装置を示し、この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と、複列の転がり軸受2と、等速自在継手3とが一体化されるとともに、ハブ輪1と、ハブ輪1の孔部22に嵌挿される等速自在継手3の外側継手部材の軸部12とが凹凸嵌合構造Mを介して分離可能に結合されてなる。
等速自在継手3は、外側継手部材としての外輪5と、外輪5の内側に配された内側継手部材としての内輪6と、外輪5と内輪6との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪5と内輪6との間に介在してボール7を保持するケージ8とを主要な部材として構成される。内輪6はその軸孔内径6aに、図8等に示すように、シャフト10の端部10aを圧入することによりスプライン嵌合してシャフト10とトルク伝達可能に結合されている。なお、シャフト10の端部10aには、シャフト抜け止め用の止め輪9が装着されている。
外輪5はマウス部11とステム部(軸部)12とからなり、マウス部11は一端にて開口した椀状で、その内球面13に、軸方向に延びた複数のトラック溝14が円周方向等間隔に形成されている。内輪6は、その外球面15に、軸方向に延びた複数のトラック溝16が円周方向等間隔に形成されている。
外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16とは対をなし、各対のトラック溝14,16で構成されるボールトラックに1個ずつ、トルク伝達要素としてのボール7が転動可能に組み込んである。ボール7は外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16との間に介在してトルクを伝達する。ケージ8は外輪5と内輪6との間に摺動可能に介在し、外球面8aにて外輪5の内球面13と接し、内球面8bにて内輪6の外球面15と接する。なお、この場合の等速自在継手は、溝底に直線状のストレート部を有するアンダーカットフリー型を示しているが、ストレート部を有さないツェパー型等の他の等速自在継手であってもよい。
また、マウス部11の開口部はブーツ18にて塞がれている。ブーツ18は、大径部18aと、小径部18bと、大径部18aと小径部18bとを連結する蛇腹部18cとからなる。大径部18aがマウス部11の開口部に外嵌され、この状態でブーツバンド19aにて締結され、小径部18bがシャフト10のブーツ装着部10bに外嵌され、この状態でブーツバンド10bにて締結されている。
ハブ輪1は、図1と図7に示すように、筒部20と、筒部20の反継手側の端部に設けられるフランジ部21とを有する。筒部20の孔部22は、軸部嵌合孔22aと、反継手側のテーパ状孔22bとを有し、軸部嵌合孔22aとテーパ状孔22bとの間に、内径方向へ突出する内壁22cが設けられている。すなわち、軸部嵌合孔22aにおいて、後述する凹凸嵌合構造Mを介して等速自在継手3の外輪5の軸部12とハブ輪1とが結合される。なお、この内壁22cの反軸部嵌合孔側の端面には凹窪部51が設けられている。
孔部22は、軸部嵌合孔22aよりも反内壁側の開口側に大径部46と、軸部嵌合孔22aよりも内壁側に小径部48とを有する。大径部46と軸部嵌合孔22aとの間には、テーパ部(テーパ孔)49aが設けられている。このテーパ部49aは、ハブ輪1と外輪5の軸部12を結合する際の圧入方向に沿って縮径している。テーパ部49aのテーパ角度θ(図5参照)は、例えば15°〜75°とされる。マウス部11の底壁外端面11aとハブ輪1のインボード側の端面23とが当接された状態で組み付けられる。なお、軸部嵌合孔22aと小径部48との間にテーパ部49bが設けられている。
転がり軸受2は、ハブ輪1の外周側に配設される複数の外側軌道面26、27と、この複数の外側軌道面26、27に対向する複数の内側軌道面28,29と、対向する外側軌道面26、27と内側軌道面28,29との間に配置された複数列の転動体30とを有するものである。すなわち、転がり軸受2は、ハブ輪1のインボード側の筒部20乃至マウス部11の底壁に跨って外嵌される外方部材25とを備える。外方部材(外輪)25は、その内周に2列の外側軌道面(アウタレース)26、27が設けられる。また、ハブ輪1のインボード側の筒部20の外径面には、第1外側軌道面26と対向する第1内側軌道面(インナレース)28が設けられ、マウス部11の底壁の外径面には、第2外側軌道面27と対向する第2内側軌道面(インナレース)29が設けられている。第1外側軌道面26と第1内側軌道面28との間、第2外側軌道面27と第2内側軌道面29との間に、それぞれ転動体30としてのボールが介装される。なお、外方部材25はねじ孔31aが形成された車体取付フランジ31を有する。
転がり軸受2のインボード側及びアウトボード側の開口部は、それぞれシール装置S1、S2にて塞がれている。シール装置S1は、図4に示すように、等速自在継手3の外輪5のマウス部11側に付設される第1シール板55と、軸受2の外方部材25側に付設される第2シール板56と、第2シール板56に付設されるリップ部材57と、第1シール板55に付設される弾性部材61とを備える。
すなわち、第1シール板55は、等速自在継手3の外輪5のマウス部11の底壁に外嵌固定される短筒部55aと、この短筒部55aのインボード側の端部から外径方向に延びる外鍔部55bとからなり、この外鍔部55bの外面に前記弾性部材61が取付られている。また、第2シール板56は、外方部材25に内嵌固定される短円筒部56aと、この短円筒部56aのアウトボード側の端部から内径方向に延びる内鍔部56bとからなり、リップ部材57が第2シール板56の短円筒部56a乃至内鍔部56bにわたって付設されている。
リップ部材57は、短円筒部56a乃至内鍔部56bにわたって付設される本体部57aと、本体部57aとから突設される2枚のサイドリップ57b、57cとを備える。サイドリップ57b、57cは、内径側から外径側に向かってインボード側へ傾斜して、第1シール板55の外鍔部55bに接触する。このため、このシール装置S1は2重シール構造を構成することになる。
また、シール装置S2は、図5等に示すように、シール板58と、このシール板58に付設されるリップ部材59とを備える。すなわち、シール板58は、断面略Vの字状のリング体からなり、軸受2の外方部材25に内嵌固定され、そのアウトボード側の外面にリップ部材59が付設されている。リップ部材59は、ハブ輪1のフランジ部21のインボード側の付け根部外面に接触するリップ部59a,59bが設けられている。
ハブ輪1のフランジ部21にはボルト装着孔32が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ部21に固定するためのハブボルト33がこのボルト装着孔32に装着される。
外輪5の軸部12には、その軸心部に反継手側(反マウス側)の端面65に開口するねじ孔50が設けられている。このねじ孔50は、その開口部が開口側に向かって拡開するテーパ部50aとされている。また、軸部12の反継手側(反マウス側)の端部には小径部12bが設けられている。すなわち、軸部12は大径の本体部12aと小径部12bとを備える。
凹凸嵌合構造Mは、図2に示すように、例えば、等速自在継手3の外輪5の軸部12の端部に設けられて軸方向に延びる凸部35と、ハブ輪1の孔部22の内径面(この場合、軸部嵌合孔22aの内径面37)に形成される凹部36とからなり、凸部35とその凸部35に嵌合するハブ輪1の凹部36との嵌合接触部位38全域が密着している。すなわち、等速自在継手3の外輪5の軸部12の反マウス部側の外周面に、複数の凸部35が周方向に沿って所定ピッチで配設され、ハブ輪1の孔部22の軸部嵌合孔22aの内径面37に凸部35が嵌合する複数の凹部36が周方向に沿って形成されている。つまり、周方向全周にわたって、凸部35とこれに嵌合する凹部36とがタイトフィットしている。
この場合、各凸部35は、その断面が凸アール状の頂点を有する三角形状(山形状)である。嵌合接触部位38とは、図2(b)に示す範囲Aであり、断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部35間において、ハブ輪1の内径面37よりも内径側に隙間40が形成されている。
また、軸部12とハブ輪1とはねじ構造M1を介して固定されている。すなわち、反継手側から軸部12のねじ孔50と、ボルト部材54とでねじ構造M1を構成し、ねじ孔50にボルト部材54を螺着することによって、軸部12とハブ輪1とを固定している。ボルト部材54は、図1に示すように、フランジ付き頭部54aと、ねじ軸部54bとからなる。ねじ軸部54bは、図7に示すように、大径の基部70aと、小径の本体部70bと、先端側のねじ部70cとを有する。この場合、内壁22cに貫通孔71が設けられ、この貫通孔71にボルト部材54の軸部54bが挿通されて、ねじ部70cが軸部12のねじ孔50に螺着される。貫通孔71の孔径d1は、軸部54bの大径の基部70aの外径d2よりも僅かに大きく設定される。具体的には、0.05mm<d1−d2<0.5mm程度とされる。なお、ねじ部70cの最大外径は、大径の基部70aの外径と同じか基部70aの外径よりも僅かに小さい程度とする。
また、この実施形態においては、図1に示すように、軸受2のインボード側の転動体30のピッチ円直径PCDIBをアウトボード側の転動体30のピッチ円直径PCDOBよりも大径としている。この場合、インボード側の転動体30とアウトボード側の転動体30とを同一サイズのものを採用している。このため、インボード側の転動体30がアウトボード側の転動体30よりも多く配設することができる。ここで、インボード側の転動体30のピッチ円直径PCDIBとは、インボード側の転動体30の中心が描く円の直径である。また、アウトボード側の転動体30のピッチ円直径PCDOBとは、アウトボード側の転動体30の中心が描く円の直径である。
次に、凹凸嵌合構造Mの嵌合方法を説明する。この場合、図5に示すように、等速自在継手3の軸部12の外径部には熱硬化処理を施し、この硬化層Hに軸方向に沿う凸部41aと凹部41bとからなる雄スプライン41を形成する。このため、スプライン41の凸部41aが硬化処理されて、この凸部41aが凹凸嵌合構造Mの凸部35となる。なお、この実施形態での硬化層Hの範囲は、クロスハッチング部で示すように、雄スプライン41の外端縁から等速自在継手3の外輪5のマウス部11の第1シール板55の嵌合部までである。この熱硬化処理としては、高周波焼入れや浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。ここで、高周波焼入れとは、高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体を加熱する原理を応用した焼入れ方法である。また、浸炭焼入れとは、低炭素材料の表面から炭素を浸入/拡散させ、その後に焼入れを行う方法である。軸部12のスプライン41のモジュールを0.5以下の小さい歯とする。ここで、モジュールとは、ピッチ円直径を歯数で割ったものである。
また、ハブ輪1の外径側に高周波焼入れによる硬化層H1を形成するとともに、ハブ輪1の内径側を未焼き状態としたものである。この実施形態での硬化層H1の範囲は、クロスハッチング部で示すように、フランジ部21の付け根部からインボード側の端面23までである。高周波焼入れを行えば、表面は硬く、内部は素材の硬さそのままとすることができ、ハブ輪1の内径側を未焼き状態に維持できる。このため、ハブ輪1の孔部22の内径面37側においては熱硬化処理を行わない未硬化部(未焼き状態)とすることができる。
通常、ハブ輪1は、S53C等の中炭素鋼(例えば炭素0.40〜0.80wt%を含む鋼)を熱間鍛造した後、旋削加工によって所望の形状・寸法に形成され、その後、必要部位に高周波焼入等により硬化層を形成している。一方、ハブ輪1の軽量化を図りつつ、回転曲げ条件下でのハブ輪の強度、耐久性を向上させるため、熱間鍛造した後のハブ輪に調質処理を施す場合がある。
ハブ輪1の調質処理は、鍛造後に焼入れをし、400℃以上の比較的高温で焼戻しをして、トルースタイトまたはソルバイト組織にしている。この調質処理により組織は粒状化し、引張、曲げ、衝撃値等の機械的性質が上昇して延性や靭性が高まる。表面硬さを上げることにより機械的強度は向上するが、ここでは調質処理後の表面硬さを35HRC以下に設定している。表面硬さを35HRCを超えて設定すると、切削等の加工性が低下すると共に熱処理変形が大きくなり、車輪取付フランジ21のブレーキロータ取付面(アウトボード側端面)の面振れ精度が劣化すると共に、硬さアップによってハブボルト33の圧入性が低下する。
等速自在継手3の外輪5の軸部12の硬化層Hとハブ輪1の未硬化部との硬度差は、HRCで20ポイント以上とする。具体的には、硬化層Hの硬度をHRCで50〜65程度とし、凹部形成側(ハブ輪1の孔部22の内径面37)の硬度をHRCで10〜30であるのが好ましい。なお、硬化層H、H1は図5〜図7のみに表示し、他の図面においては表示していないが、これらは図示の簡略化のために省略したものであって、実際には硬化層H、H1が形成されている。
この際、図5に示すように、孔部22の内径面37の内径寸法Dを、スプライン41の凸部41aの頂点を結ぶ円の最大直径寸法(外接円直径)D1よりも小さく、スプライン41の凹部41bの底を結ぶ円の最大直径寸法D2よりも大きく設定される。すなわち、D2<D<D1とされる。
また、等速自在継手3の軸部12の付け根部には、最大直径寸法(外接円直径)D1よりも大径であり、大径孔46の内径寸法D6とほぼ同じは若干小径の径差部12a1が設けられている。径差部12a1の外径寸法D5と孔部22の大径孔46の内径寸法D6との径差を、例えば30μm以下としている。なお、若干の締代(圧入)状態となっても良い。
なお、スプライン41は、従来からの公知公用の手段である転造加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。
そして、図5に示すように、ハブ輪1の軸心と等速自在継手3の外輪5の軸心とを合わせた状態で、ハブ輪1に対して、外輪5の軸部12を挿入(圧入)していく。この際、ハブ輪1の孔部22に圧入方向に沿って縮径するテーパ部49aを形成しているので、このテーパ部49aが圧入開始時のガイドを構成することができる。ハブ輪1のテーパ部49aに内径部には、ガイド溝49cが設けられている。このガイド溝49cは、凸部41aの最大外径寸法D1よりも僅かに大径とされ、外輪5の軸部12の雄スプライン41のかみ合わせの向上を図っている。また、孔部22の内径面37の径寸法Dと、凸部41aの最大外径寸法D1と、雄スプライン41の凹部の最大外径寸法D2とが前記のような関係であり、しかも、雄スプライン41の硬度が孔部22の内径面37の硬度よりも20ポイント以上大きいので、外輪5の軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入していけば、この雄スプライン41が内径面37に食い込んでいき、雄スプライン41が、この雄スプライン41が嵌合する雌スプライン42(凸部42aと凹部42bとからなる)を軸方向に沿って形成していくことになる。すなわち、凸部35に密着嵌合する凹部36を凸部35にて形成することになる。この圧入は、図6に示すように、ハブ輪1のインボード側の端面23にマウス部11の底壁外端面11aが当接するまで圧入される。
これによって、図2に示すように、凸部35と凹部36との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造Mを構成することができる。すなわち、孔部22の内径面37に、雄スプライン41の凸部41aである凸部35の形状の転写を行うことになる。この際、凸部41a(35)が孔部22の内径面37に食い込んでいくことによって、孔部22が僅かに拡径した状態となって、雄スプライン41の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、孔部22が元の径に戻ろうとして縮径することになる。言い換えれば、雄スプライン41の圧入時にハブ輪1が径方向に弾性変形し、この弾性変形分の予圧が凸部41a(35)の歯面(凹部嵌合部位の表面)に付与される。
このため、雄スプライン41と雌スプライン42との嵌合接触部位全域が密着する凹凸嵌合構造Mを確実に形成することができる。この凹凸嵌合構造Mがハブ輪1のアウトボード側の軌道面28よりもアウトボード側に設けられることになる。
この圧入には、雄スプライン41によるハブ輪1の内径面37への圧入開始前に径差部12a1のハブ輪1の孔部22の大径部46への嵌合が開始されるように設定される。すなわち、図6と図7に示すように、雄スプライン41の反マウス部側の端部から径差部12a1までの寸法をaとし、雄スプライン41によるハブ輪1の内径面37への圧入開始前における径差部12a1の圧入範囲をbとし、孔部22の大径部46のインボード側端部から軸部嵌合孔22aと凸部41aのアウトボード側端部が圧入開始時に接触する位置までの長さをLとし、凹凸嵌合構造Mの軸方向長さをmとしたときに、次の数1及び数2の式が成立する。
Figure 2010047058
Figure 2010047058
なお、cは数1及び数2から求まる寸法である。mは凹凸嵌合構造Mの強度から決まる設計値であり、aはmと加工面の制約から決まる設計値である。
圧入後には、反継手側から軸部12のねじ孔50にボルト部材54を螺着する。このように、ボルト部材54を軸部12のねじ孔50に螺着することによって、ボルト部材54の頭部54aのフランジ部60が内壁22cの凹窪部51に接触する。
この状態では、等速自在継手3の軸部12のアウトボード側の端部(小径部12b)が内壁22cに対して非接触状態となっている。すなわち、小径部12bの端面65と内壁22cの内面66との間に隙間が形成されている。
この場合、ボルト部材54の座面60aと内壁22cの座面(凹窪部51の底面)との間にシール材(図示省略)を介在させてもよい。例えば、ボルト部材54の座面60aに、塗布後に硬化して座面60aと内壁22cの凹窪部51の底面との間において密封性を発揮できる種々の樹脂からなるシール材(シール剤)を塗布すればよい。なお、このシール材としては、この車輪用軸受装置が使用される雰囲気中において劣化しないものが選択される。
このように、本発明では、凹凸嵌合構造Mは、嵌合接触部位の全体が密着しているので、この嵌合構造Mにおいて、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。このため、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。さらには、隙間無く密着しているので、トルク伝達部位の強度が向上する。このため、車輪用軸受装置を軽量、コンパクトにすることができる。また、予めハブ輪側には雌スプラインを形成する必要がないので、ハブ輪1の生産性に優れ、しかも、スプラインの位相合わせを行う必要がないので、組立性にも優れる。
しかも、等速自在継手3の外輪5の軸部12の凸部35をハブ輪1の孔部22に圧入することによって、凸部35がハブ輪1の孔部22の内径面37に食い込んでいって、孔部22の内径面37に凹部36が形成されていくことになる。すなわち、雄スプライン41がハブ輪1の孔部22の内径面37に食い込むことになって、この食い込みによって、孔部22が僅かに拡径した状態となって、雄スプライン41の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、孔部22が元の径に戻ろうとして縮径することになる。これによって、凸部35と凹部36との嵌合接触部位全域が密着する。
ハブ輪1の孔部22の内径面37の硬さを、雄スプライン41の硬さよりも低くすることによって、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入する際に、比較的小さい圧入力(圧入荷重)を付与するのみで圧入することができ、圧入性の向上を図ることができる。また、大きな圧入荷重を付与しないで済むので、形成される凹凸歯が損傷する(むしれる)のを防止でき、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が生じない凹凸嵌合構造Mを安定して構成することができる。特に、雄スプライン側と、ハブ輪1の孔部22の内径面側との硬度差をHRCで20以上とすれば、より圧入性の向上を図ることができる。
雄スプライン側の硬度がHRCで50〜65であれば、雄スプライン側が硬く、より安定した凹凸嵌合構造Mを構成することができる。また、ハブ輪1の孔部22の内径面37の硬度がHRCで10〜30であれば、孔部の内径面が軟らかく圧入性の向上を図ることができる。
車輪用軸受装置を第4世代のものを構成することができ、部品点数の削減と軽量化、さらに高剛性化および耐久性の向上を図ることができる。
ねじ構造M1によって、ハブ輪1からの外輪5の軸部12の軸方向の抜けが規制される。しかも、このねじ構造によれば、安定したねじ固定が可能となり、ガタついたり、凹凸嵌合構造Mの雄スプライン41と雌スプライン42とがずれたりするのを有効に防止できる。
マウス部11の底壁外端面11aがハブ輪1のインボード側の端面23に当接するまで圧入することによって、軸受2に対して安定して所定の大きさの予圧を付与することができる。しかも、軸部12の圧入量を規制することによって、凹凸嵌合構造Mの軸方向長さを規定の長さに設定でき、トルク伝達機能が安定するとともに、トルク伝達機能に必要のない長さまで圧入する必要がなく、作業性の向上を図ることができる。
ハブ輪1のインボード側の端面23に外輪5のマウス部11の底壁外端面11aを突き合せた圧入状態において、軸部12のアウトボード側の端部が前記内壁22cに対して非接触状態となるようにすれば、ハブ輪1のインボード側の端面23にマウス部11の底壁外端面11aが当接する前に軸部12のアウトボード側の端部が接触(当接)することがなくなって、軸方向の圧入長さが短くなるのを回避することができる。
凹凸嵌合構造Mをこのアウトボード側の軌道面よりもアウトボード側に設けた場合、軸受軌道面におけるフープ応力の発生を抑えることができる。これにより、転がり疲労寿命の低下、クラック発生、及び応力腐食割れ等の軸受の不具合発生を防止することができ、高品質な軸受を提供することができる。
内壁22cの座面と、ねじ構造M1のボルト部材54の頭部座面との間にシール材を介在させるによって、アウトボードからの凹凸嵌合構造Mへの雨水や異物等の侵入による密着性の劣化を回避することができる。
径差部12a1を設けることによって、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入する際の芯合わせを行うことができ、芯ずれを防止しつつ軸部12をハブ輪1に圧入することができる。このため、外輪5とハブ輪1とを高精度に連結でき、安定したトルク伝達が可能となる。特に、雄スプライン41によるハブ輪1の内径面37への圧入開始前に径差部12a1のハブ輪1の孔部22の大径部46への嵌合が開始されるものでは、圧入開始時に安定した芯合わせを行うことができ、芯ずれの防止性能が向上する。
インボード側の軌道面27、29を転動する転動体30のピッチ円直径が、アウトボード側の軌道面26、28を転動する転動体のピッチ円直径よりも大径であったり、インボード側の軌道面27、29を転動する転動体30の数を、アウトボード側の軌道面26、28を転動する転動体30の数よりも多くしたりすることによって、この軸受2の全体の負荷容量を大きくすることができる。特に、インボード側の軌道面27、29を転動する転動体30のピッチ円直径を大きくすることによって、インボード側のボール数が増加し、軸受スペースを有効に活用し、軽量・コンパクト化を図りつつ軸受の剛性向上と長寿命化を図ることができる。
インボード側の軌道面27、29を転動する転動体30と、アウトボード側の軌道面26、28を転動する転動体30とを同一のサイズに設定したりすることによって、軸受組立時に誤組(ボールを間違って組み込むこと)を防止でき、組立精度の向上を図ることができる。
軸受2のインボード側の開口部をシール装置S1で密封することによって、軸受2のインボード側の開口部からの軸受内への異物の侵入を防止することができ、しかも、リップ部材57が2枚のサイドリップ57b、57cを有するものであれば、シール性の向上を図ることができる。これにより、インボード側からの軸受2の凹凸嵌合構造Mへの雨水や異物等の侵入による密着性の劣化を回避することができる。
また、調質処理を行ったハブ輪1を用いれば、材料の疲れ強さの向上を図ることができるため、小型・軽量化を図りつつ、ハブ輪1の強度及び耐久性を向上させることができる。また、ブレーキジャダーの原因となる面振れを悪化させることなく、ハブボルト33の固定強度を確保することができる。
実施形態では、ハブ輪1の調質を行うとともに、フランジ部21の付け根部からインボード側の端面23まで硬化層H1を設けている。このため、車輪取付フランジ21のアウトボード側付け根部の表面硬さを35HRC以下に設定することができる。このように、前記車輪取付フランジ21のアウトボード側付け根部の表面硬さを35HRC以下に設定すれば、切削等の加工性が向上すると共に、熱処理変形を抑制することができて、熱処理変形による車輪取付フランジ21のブレーキロータ取付面(アウトボード側端面)の面振れ精度の劣化を防止することができる。また、ハブボルト33が圧入されるボルト孔32の表面硬さがそのハブボルト33の表面硬さに近付けることができるため、ハブボルト33のセレーション33aが潰れて固着力が低下するのを防止することができる。
なお、ハブ輪1を、炭素0.40wt%〜0.80wt%を含む中炭素鋼とした場合、鍛造の容易性、切削性、熱処理性、あるいは経済性の面から有利であると共に、特に、高周波焼入れ等に好適である。
ところで、図1に示す状態から、ボルト部材54を螺退させることによって、ボルト部材54を取外せば、ハブ輪1から外輪5を引き抜くことができる。すなわち、凹凸嵌合構造Mの嵌合力は、外輪5に対して所定力以上の引き抜き力を付与することにより引き抜くことができるものである。
また、ハブ輪1から外輪5が外れた状態からは、例えば、ボルト部材54を使用して再度、ハブ輪1と外輪5とを連結することができる。すなわち、軸部12側の雄スプライン41と、前回の圧入によって形成されたハブ輪1の雌スプライン42との位相を合わせた状態として、ボルト部材54を貫通孔71を介して軸部12のねじ孔50に螺合させ、ボルト部材54をねじ孔50に対して螺進させる。これによって、軸部12がハブ輪1内へ嵌入していく。この際、孔部22が僅かに拡径した状態となって、軸部12の軸方向の進入を許容し、ハブ輪1のインボード側の端面23にマウス部11の底壁外端面11aが当接するまで圧入する。軸方向の移動が停止した状態となれば、孔部22が元の径に戻ろうとして縮径することになる。これによって、前回の圧入と同様、凹凸嵌合構造Mを確実に構成することができる。
なお、軸部12のねじ孔50の開口部が開口側に向かって拡開するテーパ部50aとさているので、ボルト部材54をねじ孔50に螺合させさせ易い利点がある。
ところで、1回目(孔部22の内径面37に雌スプライン42を成形する圧入)では、圧入荷重が比較的大きいので、圧入のために、プレス機等を使用する必要がある。これに対して、このような再度の圧入では、圧入荷重は1回目の圧入荷重よりも小さいため、プレス機等を使用することなく、安定して正確に軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入することができる。このため、現場での外輪5とハブ輪1との分離・連結が可能となる。
このように、外輪5の軸部12に軸方向の引き抜き力を付与することによって、ハブ輪1の孔部22から外輪5を取外すことができるので、各部品の修理・点検の作業性(メンテナンス性)の向上を図ることができる。しかも、各部品の修理・点検後に再度外輪5の軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入することによって、雄スプライン41と雌スプライン42との嵌合接触部位38全域が密着する凹凸嵌合構造Mを構成することができる。このため、安定したトルク伝達が可能な車輪用軸受装置を再度構成することができる。
ボルト部材54をねじ孔50に対して螺進させる際に、図7に示すように、ボルト部材54の基部70aが、貫通孔71に対応した状態となる。しかも、貫通孔71の孔径d1は、軸部54bの大径の基部70aの外径d2よりも僅かに大きく設定される(具体的には、0.05mm<d1−d2<0.5mm程度とされる)ので、ボルト部材54の基部70aの外径と、貫通孔71の内径とが、ボルト部材54がねじ孔50を螺進する際のガイドを構成することができ、芯ずれすることなく、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入することができる。なお、貫通孔71の軸方向長さとしても、短すぎると、安定したガイドを発揮できず、逆に長すぎると、内壁22cの厚さ寸法が大となって、凹凸嵌合構造Mの軸方向長さを確保できないとともに、ハブ輪1の重量が大となる。このため、これらを考慮して種々変更することができる。
ところで、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入していけば、形成されるはみ出し部45は、図3に示すように、カールしつつ軸部12の小径部12bの外径側に設けられる空間からなる収納部72に収納されて行く。ここで、はみ出し部45は、雄スプライン41が嵌入(嵌合)する雌スプライン42の容量の材料分であって、形成される雌スプライン42から押し出されたもの、雌スプライン42を形成するために切削されたもの、又は押し出されたものと切削されたものの両者等から構成される。このため、孔部22の内径面から削り取られたり、押し出されたりした材料の一部であるはみ出し部45が収納部72内に入り込んでいく。
このように、前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部45を収納する収納部72を設けることによって、はみ出し部45をこの収納部72内に保持(維持)することができ、はみ出し部45が装置外の車両内等へ入り込んだりすることがない。すなわち、はみ出し部45を収納部72に収納したままにしておくことができ、はみ出し部45の除去処理を行う必要がなく、組立作業工数の減少を図ることができて、組立作業性の向上及びコスト低減を図ることができる。
次に図8は前記のように構成された車輪用軸受装置を使用したアクスルモジュールである。アクスルモジュールは、アウトボード側の等速自在継手T1(3)と、インボード側の等速自在継手T2と、これら等速自在継手T1、T2に連結されるシャフト(ドライブシャフト)10とを備える。この場合、アウトボード側においては、ハブ輪1と、複列の転がり軸受(軸受構造部)2と、等速自在継手T1(3)とが一体化されて前記車輪用軸受装置が構成される。
インボード側の等速自在継手T2は、外側継手部材としての外輪131と、内側継手部材としてのトリポード部材132と、トルク伝達部材としてのローラ133を主要な構成要素としている。
外輪131は一体に形成されたマウス部131aとステム部131bとからなる。マウス部131aは、一端にて開口したカップ状で、内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝136が形成してある。
トリポード部材132はボス138と脚軸139とを備える。ボス138にはシャフト10の端部スプライン10cとトルク伝達可能に結合するスプライン孔138aが形成してある。脚軸139はボス138の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。トリポード部材132の各脚軸139はローラ133を担持している。
そして、外側継手部材131の開口部はブーツ140にて塞がれている。ブーツ140は、大径部140aと、小径部140bと、大径部140aと小径部140bとの間の蛇腹部140cとからなり、ブーツバンド141を介してマウス部131aの開口側の外周面にブーツ140の大径部140aが固定され、シャフト10のブーツ装着部10dの外周面には、ブーツバンド142を介してブーツ140の小径部140bが固定されている。
ところで、本発明のアクスルモジュールにおいては、軸受2の外方部材25の外周面が車体側のナックル(図示省略)に嵌合組込まれる。この場合、外方部材25の外周面がナックル嵌合面25aとなって、このナックル嵌合面25aをナックルの内周面に嵌合させるとともに、ナックルとフランジ31とが図示省略のボルト部材を介して固着される。外方部材25のナックル嵌合面25aの外径D11を等速自在継手T1(3)の最大外径寸法D12よりも大径とする。ここで、等速自在継手T1(3)の最大外径寸法D12は、ブーツ18およびブーツバンド19a等の付属品も含めた状態でのこの等速自在継手T1の最大外径寸法を意味する。
また、インボード側等速自在継手T2の最大外径寸法D13を外方部材25のナックル嵌合面25aの外径D11よりも小径に設定する。インボード側等速自在継手T2の最大外径寸法D13は、アウトボード側等速自在継手T1(3)の場合と同様に、ブーツ140およびブーツバンド141等の付属品も含めた状態でのインボード側等速自在継手T2の最大外径寸法を意味する。なお、ナックルの内径寸法は、外方部材25のナックル嵌合面25aの外径D11と略同一に設定されている。
アクスルモジュールの車両への組み付けは、ナックルにこのアクスルモジュールをインボード側の摺動式等速自在継手T2側から挿通し、アウトボード側の車輪用軸受装置の外方部材25をナックルの内周面に嵌入することになる。
本発明のアクスルモジュールでは、組み立てられた状態での車両への組み付けが可能となる。これにより、組付け作業現場での作業工数を減じることができ、作業性が高まる。この場合、従来工程のようにナックルを旋回させる必要もないので、作業スペースも最小限で足りる。しかも、分解・組立等における部品の損傷を防止して品質を安定させることができる。また、前記図1に示す車輪用軸受装置を使用したので、この車輪用軸受装置の作用効果を奏することができ、長期にわたって安定した機能を発揮する製品となる。特に、車輪用軸受装置の軸受2の外輪(外方部材)25にナックル嵌合面25aを設け、このナックル嵌合面25aを等速自在継手3の最大外径よりも大径とすることによって、ナックルを挿通してアクスルモジュールを車両に取付けることが可能となり、客先での取付工数の削減を図ることができる。
図9は本車輪用軸受装置の第2の実施形態を示し、この車輪用軸受装置では、ハブ輪1のアウトボード側の開口部をシール部材80にて塞いでいる。シール部材80は、円盤状の本体部80aと、この本体部80aの外周縁から外径側にインボード側へ傾斜するように延びる傾斜壁80bと、この傾斜壁80bの外周縁から外径側に径方向に延びる径方向壁80cと、この径方向壁80cの外周縁からアウトボード側へ延びる外周壁80dとからなる。
そして、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部81の内径面81aに嵌合される。この場合、パイロット部81にシール部材80が内嵌されることになって、径方向壁80cがハブ輪1のアウトボード側の端面82に圧接し、外周壁80dがパイロット部81の内径面81aに圧接する。このため、シール部材80は、インボード側に開口する凹部83が形成され、この凹部83にボルト部材54の頭部54aが収容される。
これによって、ハブ輪1のアウトボード側開口部をシール部材80にて密封することによって、アウトボード側からの凹凸嵌合構造Mへの雨水や異物等の侵入防止性の向上を図ることができる。シール部材80として、金属製であっても、樹脂製であってもよく、使用する環境等に応じて種々の材質のものを選択することができる。
この図9に示す車輪用軸受装置の他の構成は、前記図1と同様であるので、図1と同一の部材には、同一の符号を付してこれらの説明を省略する。このため、図9に示す車輪用軸受装置であっても、図1に示す車輪用軸受装置と同様の作用効果を奏する。
図10は第3実施形態を示し、この車輪用軸受装置は、軸受2の外方部材25に車体取付用フランジを有さないものである。すなわち、外方部材(外輪)25の外面全体が円筒面とされ、この円筒面がナックル嵌合面25aを構成する。このため、外方部材25のナックル嵌合面25aをナックル90の円筒状内径面90aに圧入することによりアクスルモジュールの車両への組み付けを行うことができる。
この場合、外方部材25とナックル90とは、例えば止め輪98を備えた抜け止め機構95を介して連結されている。すなわち、外方部材25のナックル嵌合面25aの軸方向中央部に周方向溝96が形成されると共に、ナックル90の内径面90aに周方向溝96に対向する周方向溝97が形成され、これら周方向溝96、97に止め輪98を嵌着している。
また、ナックル90の内径面90aには内鍔部99が設けられ、この内鍔部99のアウトボード側の端面99aが外方部材25のインボード側の端面に係止している。なお、軸受2のインボード側の軌道面27、29を転動する転動体30と、アウトボード側の軌道面26、28を転動する転動体30とを同一のサイズに設定するとともに、インボード側の軌道面27、29を転動する転動体30のピッチ円直径と、アウトボード側の軌道面26、28を転動する転動体30のピッチ円直径とを同一径としている。
ナックル内径面90aには内径側に突出する内鍔部99が設けられているので、アウトボード側から軸受2を圧入することによって、外方部材25のインボード側の端面が内鍔部99に当接する。この場合、軸受2の外方部材25のナックルとの嵌合面25aの外径寸法D11を、ナックル90の内径面90aの内径寸法D10よりも僅かに大きく設定する。すなわち、ナックル嵌合面25aとナックル内径面90aとの締代によって、ナックル90と外方部材25との相対的な軸方向及び周方向のずれを規制するように設定する。
この場合、例えば、外方部材25とナックル90との間の嵌合い面圧×嵌合い面積を嵌合い荷重としたときに、この嵌合い荷重をこの転がり軸受の等価ラジアル荷重で割った値をクリープ発生限界係数とし、このクリープ発生限界係数を予め考慮して、外方部材25の設計仕様、すなわち外方部材25とナックル90の嵌合締代が設定される。
このため、外方部材25のナックル嵌合面25aとナックル90のナックル内径面90aとの締代によって、外方部材25の軸方向の抜け及び周方向のクリープを防止できる。ここで、クリープとは、嵌合締代の不足や嵌合面の加工精度不良等により軸受が周方向に微動して嵌合面が鏡面化し、場合によってはかじりを伴い焼き付きや溶着することをいう。
図11に示すように、ナックル90の最小径D14を等速自在継手T1の最大外径寸法D12よりも大径とする。ここで、等速自在継手T1の最大外径寸法D12は、ブーツ18およびブーツバンド18a等の付属品も含めた状態でのこの等速自在継手T1の最大外径寸法を意味する。
また、インボード側等速自在継手T2の最大外径寸法D13をナックル90の内径面の最小径D14よりも小径に設定する。インボード側等速自在継手T2の最大外径寸法D13は、アウトボード側等速自在継手T1の場合と同様に、ブーツ140およびブーツバンド141等の付属品も含めた状態でのインボード側等速自在継手T2の最大外径寸法を意味する。
アクスルモジュールの車両への組み付けは、ナックル90にこのアクスルモジュールをインボード側の摺動式等速自在継手T2側から挿通し、アウトボード側の車輪用軸受装置の外方部材25をナックル90の内周面に圧入することになる。
この図10に示す車輪用軸受装置の他の構成は、前記図1と同様であるので、図1と同一の部材には、同一の符号を付してこれらの説明を省略する。このため、図10に示す車輪用軸受装置であっても、図1に示す車輪用軸受装置と同様の作用効果を奏する。
次に図12は第4実施形態を示し、この車輪用軸受装置では、内周に複数の外側軌道面26、27が形成された外方部材25の外径面に、車体取付フランジを設けることなく、ナックル内径面90aに圧入されるナックル嵌合面25aを設けるとともに、図9に示す車輪用軸受装置と同様、ハブ輪1のアウトボード側の開口部をシール部材80にて塞いでいる。
この図12に示す車輪用軸受装置の他の構成は、前記図10と同様であるので、図10と同一の部材には、同一の符号を付してこれらの説明を省略する。このため、図12に示す車輪用軸受装置であっても、図1に示す車輪用軸受装置と同様の作用効果を奏する。
前記図10と図12に示す車輪用軸受装置では、車輪用軸受装置の軸受2の外方部材25のナックル嵌合面25aをナックル内径面90aに圧入することによって、ナックル90への取り付けを行うことができるので、ボルト結合作業を無くすことができ、組立作業性の向上を図ることができるとともに、部品点数の減少を図ってコスト低減を達成できる。しかも、ナックル嵌合面25aとナックル内径面90aとの締代によって、軸方向の抜け及び周方向のクリープを防止でき、ナックル90への取付け状態を長期にわたって安定して維持でき、高精度な回転伝達機能を発揮する。
特に、外方部材25の内径面全体を円筒面として、この円筒面をナックル嵌合面25aとすることによって、ナックル90への圧入範囲を大きくとることができ、軸方向の抜け及び周方向のクリープをより安定して防止できる。
また、転がり軸受2の外方部材25のナックル90からの抜けを規制する抜け止め機構95を設けることによって、圧入締代に加え、この抜け止め機構にてより安定して外方部材25の抜けを規制することができる。抜け止め機構95としては、止め輪98にて構成でき、構成の複雑化を招かず、低コスト及び組立性向上を図ることができる。
ところで、前記各実施形態では、軸部12側に凸部35を構成するスプライン41を形成するとともに、この軸部12のスプライン41に対して硬化処理を施し、ハブ輪1の内径面を未硬化(生材)としている。これに対して、図13(a)(b)に示すように、ハブ輪1の孔部22(図1等参照)の内径面に硬化処理を施されたスプライン101(凸条101a及び凹条101bとからなる)を形成するとともに、軸部12には硬化処理を施さないものであってもよい。なお、このスプライン101も公知公用の手段であるブローチ加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。また、熱硬化処理としても、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
この場合、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面(軸部12の外径面)の位置に対応する。すなわち、スプライン101の凸部101aである凸部35の頂点を結ぶ円の径寸法(凸部35の最小径寸法)D15を、軸部12の外径寸法D17よりも小さく、スプライン101の凹部101bの底を結ぶ円の径寸法D16を軸部12の外径寸法D17よりも大きく設定する。すなわち、D15<D17<D16とされる。この場合、凹部101bの底を結ぶ円で構成される内径面が、ハブ輪1の軸部嵌合孔22aの内径面となり、凸部35が底からの突出部である。
軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入すれば、ハブ輪1側の凸部35によって、軸部12の外周面にこの凸部35が嵌合する凹部36を形成することができる。これによって、凸部35とこれに嵌合する凹部との嵌合接触部位38の全体が密着している。
ここで、嵌合接触部位38とは、図13(b)に示す範囲Bであり、凸部35の断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部35間において、軸部12の外周面よりも外径側に隙間102が形成される。
この場合であっても、圧入によってはみ出し部45が形成されるので、このはみ出し部45を収納する収納部を設けるのが好ましい。はみ出し部45は軸部12のマウス側に形成されることになるので、収納部をハブ輪1側に設けることになる。
前記図1等に示すように、等速自在継手3の外輪5の軸部12に凹凸嵌合構造Mの凸部35を設けるとともに、この凸部35の軸方向端部の硬度をハブ輪1の孔部内径部37よりも高くして、等速自在継手3の外輪5の軸部12をハブ輪1の孔部22に凸部の軸方向端部側から圧入するものであれば、軸部側の硬度を高くでき、軸部12の剛性を向上させることができる。これに対して、ハブ輪1の孔部22の内径面37に凹凸嵌合構造Mの凸部35を設けるとともに、この凸部35の軸方向端部の硬度を等速自在継手3の外輪5の軸部12の外径部よりも高くして、ハブ輪側の凸部35をその軸方向端部側から外輪5の軸部12に圧入するものでは、軸部側の硬度処理(熱処理)を行う必要がないので、等速自在継手の外輪の生産性に優れる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、凹凸嵌合構造Mの雄スプライン41の凸部41aの形状として、前記実施形態では断面三角形状であったが、断面台形(富士山形状)であっても、これら以外の半円形状、半楕円形状、矩形形状等の種々の形状のものを採用でき、凸部41aの面積、数、周方向配設ピッチ等も任意に変更できる。
また、ハブ輪1の孔部22としては円孔以外の多角形孔等の異形孔であってよく、この孔部22に嵌挿する軸部12の端部の断面形状も円形断面以外の多角形等の異形断面であってもよい。さらに、ハブ輪1に軸部12を圧入する際に雄スプライン41の圧入始端部のみが、内径面37より硬度が高ければよいので、雄スプライン41の全体の硬度を高くする必要がない。図2等では隙間40が形成されるが、このような隙間40が形成されずに、ハブ輪1の内径面37に食い込むようなものであってもよい。
雄スプライン41の端面(圧入始端)は前記実施形態では軸方向に対して直交する面であったが、軸方向に対して、所定角度で傾斜するものであってもよい。この場合、内径側から外径側に向かって反凸部側に傾斜しても凸部側に傾斜してもよい。
また、ハブ輪1の孔部22の内径面37に、周方向に沿って所定ピッチで配設される小凹部を設けてもよい。小凹部としては、凹部42bの容積よりも小さくする必要がある。このように小凹部を設けることによって、雄スプライン41の圧入性の向上を図ることができる。すなわち、小凹部を設けることによって、雄スプライン41の圧入時に形成されるはみ出し部45の容量を減少させることができて、圧入抵抗の低減を図ることができる。なお、小凹部の形状は、三角形状、半楕円状、矩形等の種々のものを採用でき、数も任意に設定できる。
軸受2の転動体30として、ローラを使用したものであってもよい。なお、圧入する場合、ハブ輪1側を固定して、軸部12側を移動させても、逆に、軸部12を固定して、ハブ輪1側を移動させても、両者を移動させてもよい。なお、等速自在継手3において、内輪6とシャフト10とを前記各実施形態に記載した凹凸嵌合構造Mを介して一体化してもよい。
インボード側の摺動式の等速自在継手としては、トリポード式に限ることなく、他の摺動式等速自在継手を使用することができる。
ハブ輪1と軸部12とのボルト固定を行うボルト部材54の座面60aと、内壁22cとの間に介在されるシール材は、前記実施形態ではボルト部材54の座面60a側に樹脂を塗布して構成していたが、逆に、内壁22c側に樹脂を塗布するようにしてもよい。また、座面60a側および内壁22c側に樹脂を塗布するようにしてもよい。なお、ボルト部材54を螺着した際において、ボルト部材54の座面60aと、内壁22cの凹窪部51の底面とが密着性に優れるものであれば、このようなシール材を省略することも可能である。すわなち、凹窪部51の底面を研削することによって、ボルト部材54の座面60aとの密着性を向上させたりすることができる。もちろん、凹窪部51の底面を研削することなく、いわゆる旋削仕上げ状態であっても、密着性を発揮できれば、シール材を省略することができる。
本発明の第1実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 前記車輪用軸受装置の凹凸嵌合構造を示し、(a)は拡大断面図であり、(b)は(a)のX部拡大図である。 前記車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 前記車輪用軸受装置の他の要部拡大断面図である。 前記車輪用軸受装置の分解状態を示す断面図である。 前記車輪用軸受装置の組立方法を示す断面図である。 前記車輪用軸受装置の組立方法を示す断面図である。 本発明のアクスルモジュールの断面図である。 本発明の第2実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 本発明の第3実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 前記図10に示す車輪用軸受装置を用いたアクスルモジュールの断面図である。 本発明の第4実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 凹凸嵌合構造の変形例を示し、(a)は拡大断面図であり、(b)は(a)のY部拡大図である。 従来の車輪用軸受装置の断面図である。
符号の説明
1 ハブ輪
2 軸受
3 等速自在継手
10 シャフト
10a 端部
11 マウス部
11a 底壁外端面
12 軸部
20 筒部
21 フランジ部
22 孔部
22c 内壁
23 端面
25 外方部材
25a ナックル嵌合面
29 内側軌道面
37 内径面
38 嵌合接触部位
55 シール板
56 シール板
57 リップ部材
57b、57c サイドリップ
S1、S2 シール装置
T1 アウトボード側等速自在継手
T2 インボード側等速自在継手
M 凹凸嵌合構造
M1 ねじ構造

Claims (10)

  1. 内周に複列の外側軌道面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側軌道面に対向する一方の内側軌道面と、この内側軌道面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側軌道面に対向する他方の内側軌道面と、この内側軌道面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両軌道面間に転動自在に収容された複列のボールとを有する転がり軸受を備え、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部が凹凸嵌合構造を介してハブ輪に一体化される車輪用軸受装置であって、
    外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、この他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成するとともに、外側継手部材の外径面に前記軸受のインボード側の軌道面を形成し、かつこの凹凸嵌合構造は軸方向の引き抜き力付与による分離を許容することを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 内周に複列の外側軌道面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側軌道面に対向する一方の内側軌道面と、この内側軌道面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側軌道面に対向する他方の内側軌道面と、この内側軌道面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両軌道面間に転動自在に収容された複列のボールとを有する転がり軸受を備え、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部が凹凸嵌合構造を介してハブ輪に一体化される車輪用軸受装置であって、
    外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、この他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成するとともに、外側継手部材の外径面に前記軸受のインボード側の軌道面を形成し、かつ、前記転がり軸受の外方部材の外径面に、ナックル内径面に圧入されるナックル嵌合面を設けるとともに、ナックル嵌合面とナックル内径面との締代にて、ナックルと外方部材との相対的な軸方向及び周方向のずれを規制したことを特徴とする車輪用軸受装置。
  3. ハブ輪と外側継手部材の軸部とをねじ構造を介して固定するとともに、ねじ構造のボルト部材の座面となる内壁をハブ輪の内径面に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. ハブ輪のインボード側の端面に外側継手部材のマウス部の底壁外端面を突き合せて、転がり軸受に対して予圧を付与するとともに、軸部の圧入量を規制したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記ハブ輪は、前記孔部を有する筒部と、筒部に連設されるフランジ部とを備え、フランジ部よりもインボード側の筒部外径面に、前記軸受のアウトボード側の軌道面を形成するとともに、前記凹凸嵌合構造をこのアウトボード側の軌道面よりもアウトボード側に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記転がり軸受の外方部材の外径面全体を円筒面として、この円筒面を前記ナックル嵌合面としたことを特徴とする請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  7. 転がり軸受の外方部材のナックルからの抜けを規制する抜け止め機構を備えたことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  8. ハブ輪のアウトボード側開口部をシール部材にて密封したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  9. 軸受のインボード側の開口部をシール装置で密封するとともに、このシール装置が、一対の環状のシール板と、一方のシール板に付設されて他方のシール板に接触する2枚のサイドリップを有するリップ部材とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  10. 前記請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置を備え、アウトボード側の等速自在継手に連結されたドライブシャフトと、このドライブシャフトの他方に連結されたインボード側の摺動型の等速自在継手とを備えたことを特徴とするアクスルモジュール。
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