JP2010023800A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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祐一 淺野
Akira Nakagawa
亮 中川
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Abstract

【課題】円周方向のガタの抑制を図ることができ、しかも、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材との連結作業性に優れた車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】外側継手部材の軸部12とハブ輪1の孔部22の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部35を、軸方向に沿って他方に圧入し、他方に凸部35に密着嵌合する凹部36を凸部35にて形成して、凸部35と凹部36との嵌合接触部位全域が密着する凹凸嵌合構造Mを構成する。外側継手部材の軸部12とハブ輪1の内径面との間に軸部抜け止め構造M1を設け、軸部抜け止め構造M1は、軸部12の軸端部に設けられた円筒状部66が、揺動する加締治具67による揺動加締によって径方向外方に塑性変形してなる引っ掛け構造である。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両において車輪を車体に対して回転自在に支持するための車輪用軸受装置に関する。
車輪用軸受装置には、第1世代と称される複列の転がり軸受を単独に使用する構造から、外方部材に車体取付フランジを一体に有する第2世代に進化し、さらに、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一方の内側軌道面が一体に形成された第3世代、さらには、ハブ輪に等速自在継手が一体化され、この等速自在継手を構成する外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側軌道面が一体に形成された第4世代のものまで開発されている。
例えば、特許文献1には、第3世代と呼ばれるものが記載されている。第3世代と呼ばれる車輪用軸受装置は、図12に示すように、外径方向に延びるフランジ151を有するハブ輪152と、このハブ輪152に外側継手部材153が固定される等速自在継手154と、ハブ輪152の外周側に配設される外方部材155とを備える。
等速自在継手154は、前記外側継手部材153と、この外側継手部材153の椀形部157内に配設される内側継手部材158と、この内側継手部材158と外側継手部材153との間に配設されるボール159と、このボール159を保持する保持器160とを備える。また、内側継手部材158の中心孔の内周面にはスプライン部161が形成され、この中心孔に図示省略のシャフトの端部スプライン部が挿入されて、内側継手部材158側のスプライン部161とシャフト側のスプライン部とが係合される。
また、ハブ輪152は、筒状の軸部163と前記フランジ151とを有し、フランジ151の外端面164(反継手側の端面)には、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部165が突設されている。なお、パイロット部165は、大径の第1部165aと小径の第2部165bとからなり、第1部165aにブレーキロータが外嵌され、第2部165bにホイールが外嵌される。
そして、軸部163の椀形部157側端部の外周面に切欠部166が設けられ、この切欠部166に内輪167が嵌合されている。ハブ輪152の軸部163の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面168が設けられ、内輪167の外周面に第2内側軌道面169が設けられている。また、ハブ輪152のフランジ151にはボルト装着孔162が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ151に固定するためのハブボルトがこのボルト装着孔162に装着される。
外方部材155は、その内周に2列の外側軌道面170、171が設けられると共に、その外周にフランジ(車体取付フランジ)151が設けられている。そして、外方部材155の第1外側軌道面170とハブ輪152の第1内側軌道面168とが対向し、外方部材155の第2外側軌道面171と、内輪167の軌道面169とが対向し、これらの間に転動体172が介装される。この外方部材155には車体取り付け用のフランジ182が設けられている。
ハブ輪152の軸部163に外側継手部材153の軸部173が挿入される。軸部173は、その反椀形部の端部にねじ部174が形成され、このねじ部174と椀形部157との間にスプライン部175が形成されている。また、ハブ輪152の軸部163の内周
面(内径面)にスプライン部176が形成され、この軸部173がハブ輪152の軸部163に挿入された際には、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176とが係合する。
そして、軸部163から突出した軸部173のねじ部174にナット部材177が螺着され、ハブ輪152と外側継手部材153とが連結される。この際、ナット部材177の内端面(裏面)178と軸部163の外端面179とが当接するとともに、椀形部157の軸部側の端面180と内輪167の外端面181とが当接する。すなわち、ナット部材177を締付けることによって、ハブ輪152が内輪167を介してナット部材177と椀形部157とで挟持される。
特開2004−340311号公報
従来では、前記したように、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176とが係合するものである。このため、軸部173側及びハブ輪152側の両者にスプライン加工を施す必要があって、コスト高となるとともに、圧入時には、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176との凹凸を合わせる必要があり、この際、歯面を合わせることによって、圧入すれば、この凹凸歯が損傷する(むしれる)おそれがある。また、歯面を合わせることなく、凹凸歯の大径合わせにて圧入すれば、円周方向のガタが生じやすい。このように、円周方向のガタがあると、回転トルクの伝達性に劣るとともに、異音が発生するおそれもあった。このため、従来のように、スプライン嵌合による場合、凹凸歯の損傷及び円周方向のガタの両者を成立させることは困難であった。
スプライン嵌合において、雄スプラインと雌スプラインとの密着性の向上を図って、円周方向のガタが生じないようにしたとしても、駆動トルクが作用すれば、雄スプラインと雌スプラインとに相対変位が発生するおそれがある。このような相対変位が発生すれば、フレッティング摩耗が発生し、その摩耗粉により、スプラインがアブレーション摩耗を起すおそれがある。これによって、スプライン嵌合部位においてガタつきが生じたり、安定したトルク伝達ができなくなるおそれがある。
また、筒部163から突出した軸部173のねじ部174にナット部材177を螺着する必要がある。このため、組み立て時にはねじ締結作業を有し、作業性に劣るとともに、部品点数も多く、部品管理性も劣ることになっていた。
本発明は、上記課題に鑑みて、円周方向のガタの抑制を図ることができ、しかも、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材との連結作業性に優れた車輪用軸受装置を提供する。
本発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面を有する外方部材と、前記軌道面に対向する複列の軌道面を外周に有しアウトボード側端の外周に車輪取付用のフランジを有する内方部材と、これら外方部材と内方部材の軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、前記内方部材が、前記フランジを有するハブ輪とこのハブ輪の軸部の外周に圧入した内輪とで構成され、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部が凹凸嵌合構造を介してハブ輪に一体化される車輪用軸受装置であって、外側継手部材の軸部とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成し、外側継手部材の軸部とハブ輪の内径面との間に軸部抜け止め構造を設け、その軸部抜け止め構造は、軸部の軸端部に設けられ
た円筒状部が、揺動する加締治具による揺動加締によって径方向外方に塑性変形してなる引っ掛け構造である。
本発明の車輪用軸受装置によれば、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する凹凸嵌合構造を介して、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部がハブ輪に一体化されるので、この嵌合構造において、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。また、外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入することによって、この凸部にて孔部内径面に凸部に密着嵌合する凹部を形成して、凹凸嵌合構造を構成している。すなわち、相手側の凹部形成面に凸部の形状の転写を行うことになる。この際、凸部が相手側の凹部形成面に食い込んでいくことによって、孔部が僅かに拡径した状態となって、凸部の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、孔部が元の径に戻ろうとして縮径することになる。これによって、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する。
外側継手部材の軸部とハブ輪の内径面との間に軸部抜け止め構造を設けたので、外側継手部材の軸部がハブ輪の孔部から軸方向に抜けることを有効に防止できる。しかも、この軸部抜け止め構造は、軸部の軸端部に設けられた円筒状部が、揺動する加締治具による揺動加締によって径方向外方に塑性変形してなる引っ掛け構造である。このため、揺動させることなく、加締治具を軸方向に沿って押し込むことによって、拡径させる場合に比べて、加締時の加締荷重を小さくできる。
加締部と、この加締部に相対面する等速自在継手の外側継手部材のマウス部の対応面(バック面)とを接触させるので、軸部方向の曲げ剛性が向上する。なお、この曲げは、高作動角時に発生する2次モーメントや旋回時にタイヤ側から入力されるアキシャル荷重により発生する。
ハブ輪の加締部と外側継手部材のマウス部の対応面(バック面)との接触面圧を100MPa以下に設定するのが好ましい。この接触面圧が100MPaを越えると、異音を発生するおそれがある。すなわち、大トルク負荷時に、等速自在継手の外側継手部材とハブ輪との捩れ量に差が生じ、この差により、等速自在継手の外側継手部材とハブ輪との接触部に急激なスリップが生じて異音が発生する。これに対して、接触面圧が100MPa以下であれば、急激なスリップが生じることを防止できて、異音の発生を抑えることができる。
等速自在継手の外側継手部材の軸部に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度をハブ輪の孔部内径部よりも高くして、前記軸部をハブ輪の孔部に凸部の軸方向端部側から圧入することによって、この凸部にてハブ輪の孔部内径面に凸部に密着嵌合する凹部を形成して、前記凹凸嵌合構造を構成してもよい。また、ハブ輪の孔部の内径面に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度を等速自在継手の外側継手部材の軸部の外径部よりも高くして、前記ハブ輪側の凸部をその軸方向端部側から外側継手部材の軸部に圧入することによって、この凸部にて外側継手部材の軸部の外径面に凸部に密着嵌合する凹部を形成して、前記凹凸嵌合構造を構成してもよい。
凸部の突出方向中間部位の周方向厚さを、周方向に隣り合う凸部間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法よりも小さくするのが好ましい。このように設定することによって、凸部の突出方向中間部位の周方向厚さの総和を、周方向に隣り合う凸部間に嵌合する相手側の山部における前記突出方向中間部位に対応する位置での周方向厚さの総和よりも小さくする。
前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部を収納するポケット部を軸部に設けたり、ハブ輪の孔部の内径面に設けるのが好ましい。ここで、はみ出し部とは、凸部の凹部嵌合部位が嵌入(嵌合)する凹部の容量の材料分であって、形成される凹部から押し出されたもの、凹部を形成するために切削されたもの、又は押し出されたものと切削されたものの両者等から構成される。
また、はみ出し部を収納するポケット部を、軸部の凸部の圧入始端側に設けるとともに、このポケット部の軸方向反凸部側にハブ輪の孔部との調芯用の案内部を設けるのが好ましい。凸部がハブ輪の孔部に設けられる場合、前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部を収納するポケット部をハブ輪の孔部の内径面に設けるのが好ましい。
本発明では、凹凸嵌合構造において、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されないので、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。さらには、隙間無く密着しているので、トルク伝達部位の強度が向上する。このため、車輪用軸受装置を軽量、コンパクトにすることができる。
この軸部抜け止め構造によって、外側継手部材の軸部がハブ輪の孔部から軸方向に抜けることを有効に防止できる。これによって、安定した連結状態を維持でき、車輪用軸受装置の高品質化を図ることができる。
また、軸部抜け止め構造は、円筒状部が径方向外方に塑性変形してなる引っ掛け構造であるので、従来のようなねじ締結を省略できる。このため、軸部にハブ輪の孔部から突出するねじ部を形成する必要がなくなって、軽量化を図ることができるとともに、ねじ締結作業を省略でき、組み立て作業性の向上を図ることができる。しかも、加締時の加締荷重が比較的小さくて済み、この加締部の肉厚を大きくしたり、ハブ輪内径面とこの加締め部外径面とを確実に接触させることができる。これによって、より強固な抜け止め機構(構造)を設けることができる。さらに、このような強固な抜け止め機構(構造)が設けられることにより、軸部の曲げ剛性が向上し、曲げに強くなる。加締時の加締荷重を小さくすることができれば、荷重を受ける部位(等速自在継手の外側継手部材の荷重受部であって、たとえば、外側継手部材の外径面に設けられた段差面や外側継手部材の開口側端面等)の変形を防止できる。
加締部と、外側継手部材のマウス部の対応面(バック面)とを接触させることによって、軸部方向の曲げ剛性が向上して、曲げに強くなって、耐久性に優れた高品質な製品となる。しかも、この接触によって、圧入時の位置決めを構成できる。これによって、この車輪用軸受装置の寸法精度が安定するとともに、軸方向に沿って配設される凹凸嵌合構造の軸方向長さを安定した長さに確保することができ、トルク伝達性の向上を図ることができる。さらに、この接触によってシール構造を構成でき、この加締部側から凹凸嵌合構造への異物の浸入を防止でき、凹凸嵌合構造は長期にわたって安定した嵌合状態を維持できる。
また、ハブ輪の端部が加締られて車輪用軸受に対して予圧が付与されるので、外側継手部材のマウス部によって予圧を付与する必要がなくなる。このため、予圧を考慮することなく、外側継手部材の軸部を圧入することができ、ハブ輪と外側継手部材との連結性(組み付け性)の向上を図ることができる。
ハブ輪側の加締部と等速自在継手側のマウス部の対応面(バック面)との接触面圧が10
0MPa以下であれば、急激なスリップが生じることを防止できて、異音の発生を抑えることができる。これによって、静粛な車輪用軸受装置を構成することができる。
外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入することによって、この凸部に密着嵌合する凹部を形成することができる。このため、凹凸嵌合構造を確実に形成することができる。しかも、凹部が形成される部材には、スプライン部等を形成しておく必要がなく、生産性に優れ、かつスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができて、安定した嵌合状態を維持できる。
また、等速自在継手の外側継手部材の軸部に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、この凸部の軸方向端部の硬度をハブ輪の孔部内径部よりも高くして、前記軸部をハブ輪の孔部に凸部の軸方向端部側から圧入するものであれば、軸部側の硬度を高くでき、軸部の剛性を向上させることができる。また、ハブ輪の孔部の内径面に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、この凸部の軸方向端部の硬度を等速自在継手の外側継手部材の軸部の外径部よりも高くして、前記ハブ輪側の凸部をその軸方向端部側から外側継手部材の軸部に圧入するものでは、軸部側の熱硬化処理を行う必要がないので、等速自在継手の外側継手部材の生産性に優れる。
凸部の突出方向中間部位の周方向厚さを、周方向に隣り合う凸部間における前記突出方向中間部位に対応する位置での寸法よりも小さくすることによって、凹部が形成される相手側の山部の突出方向中間部位の周方向厚さを大きくすることができる。このため、硬度が低い相手側の山部のせん断面積を大きくすることができ、ねじり強度を確保することができる。しかも、硬度が高い凸部の歯厚が小であるので、圧入荷重を小さくでき、圧入性の向上を図ることができる。
前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部を収納するポケット部を設けることによって、はみ出し部をこのポケット内に保持(維持)することができ、はみ出し部が装置外の車両内等へ入り込んだりすることがない。すなわち、はみ出し部をポケット部に収納したままにしておくことができ、はみ出し部の除去処理を行う必要がなく、組み立て作業工数の減少を図ることができて、組み立て作業性の向上及びコスト低減を図ることができる。
また、ポケット部の軸方向反凸部側にハブ輪の孔部との調芯用の鍔状案内部を設けることによって、ポケット部内のはみ出し部の案内部側への飛び出しがなくなって、はみ出し部の収納がより安定したものとなる。しかも、案内部は調芯用であるので、芯ずれを防止しつつ軸部をハブ輪に圧入することができる。このため、外側継手部材とハブ輪とを高精度に連結でき、安定したトルク伝達が可能となる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1に第1実施形態の車輪用軸受装置を示し、この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と、複列の車輪用軸受2と、等速自在継手3とが一体化されるとともに、ハブ輪1と、ハブ輪1の孔部22に嵌挿される等速自在継手3の外側継手部材の軸部12とが凹凸嵌合構造Mを介して結合されてなる。
等速自在継手3は、外側継手部材としての外輪5と、外輪5の内側に配された内側継手部材としての内輪6と、外輪5と内輪6との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪5と内輪6との間に介在してボール7を保持するケージ8とを主要な部材として構成される。内輪6はその軸孔内径6aに、シャフト10の端部10aを圧入することによりスプライン嵌合してシャフト10とトルク伝達可能に結合されている。なお、シャ
フト10の端部10aには、シャフト抜け止め用の止め輪9が嵌合されている。
外輪5はマウス部11とステム部(軸部)12とからなり、マウス部11は一端にて開口した椀状で、その内球面13に、軸方向に延びた複数の案内溝(トラック溝)14が円周方向等間隔に形成されている。内輪6は、その外球面15に、軸方向に延びた複数の案内溝(トラック溝)16が円周方向等間隔に形成されている。
外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16とは対をなし、各対のトラック溝14、16で構成されるトラックに1個ずつ、トルク伝達要素(トルク伝達部材)としてのボール7が転動可能に組み込んである。ボール7は外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16との間に介在してトルクを伝達する。ケージ8は外輪5と内輪6との間に摺動可能に介在し、外球面にて外輪5の内球面13と接し、内球面にて内輪6の外球面15と接する。なお、この場合の等速自在継手は、各トラック溝14、16の溝底に直線状のストレート部を有するアンダーカットフリー型を示しているが、底に直線状のストレート部を有さないツェパー型等の他の等速自在継手であってもよい。
また、マウス部11の開口部はブーツ18にて塞がれている。ブーツ18は、大径部18aと、小径部18bと、大径部18aと小径部18bとを連結する蛇腹部18cとからなる。大径部18aがマウス部11の開口部に外嵌され、この状態でブーツバンド19aにて締結され、小径部18bがシャフト10のブーツ装着部10bに外嵌され、この状態でブーツバンド19bにて締結されている。
ハブ輪1は、図1と図5に示すように、筒部20と、筒部20の反継手側の端部に設けられるフランジ21とを有する。筒部20の孔部22は、軸部嵌合孔22aと、反継手側のテーパ状孔22bと、継手側の大径部22cとを有する。大径部22cと軸部嵌合孔22aとの間には、テーパ部(テーパ孔)22dが設けられている。このテーパ部22dは、ハブ輪1と外輪5の軸部12を結合する際の圧入方向に沿って縮径している。テーパ部22dのテーパ角度θ1は、例えば15°〜75°とされる。
車輪用軸受2は、ハブ輪1の筒部20の継手側に設けられた段差部23に嵌合する内輪24と、ハブ輪1の筒部20乃至内輪24に跨って外嵌される外方部材25とを備える。外方部材25は、その内周に2列の外側軌道面(アウターレース)26、27が設けられ、第1外側軌道面26とハブ輪1の軸部外周に設けられる第1内側軌道面(インナーレース)28とが対向し、第2外側軌道面27と、内輪24の外周面に設けられる第2内側軌道面(インナーレース)29とが対向し、これらの間に転動体30としてのボールが介装される。このため、この車輪用軸受装置では、ハブ輪1と内輪24とで車輪用軸受2の内方部材39を構成する。なお、外方部材25の両開口部にはシール部材S1,S2が装着されている。
また、外方部材25である外輪には、図示省略の車体の懸架装置から延びるナックルが取り付けられている。すなわち、外方部材25の外面全体を円筒面とし、この円筒面をナックルが圧入される圧入面25aとする。これによって、外方部材25をナックルの円筒状内径面に圧入することができる。この場合、ナックル圧入面25aとナックル内径面との締代によって、ナックルと外方部材25との相対的な軸方向及び周方向のずれを規制するように設定するのが好ましい。例えば、外方部材25とナックルとの間の嵌合い面圧×嵌合い面積を嵌合い荷重としたときに、この嵌合い荷重をこの車輪用軸受の等価ラジアル荷重で割った値をクリープ発生限界係数とし、このクリープ発生限界係数を予め考慮して、外方部材25の設計仕様、すなわち外方部材25とナックルの嵌合締代が設定される。
このため、外方部材25のナックル圧入面25aとナックルのナックル内径面との締代
によって、外方部材25の軸方向の抜け及び周方向のクリープを防止できる。ここで、クリープとは、嵌合締代の不足や嵌合面の加工精度不良等により軸受が周方向に微動して嵌合面が鏡面化し、場合によってはかじりを伴い焼き付きや溶着することをいう。なお、外方部材25のナックル圧入面25aと、ナックルの内径面とにそれぞれ周方向溝を設け、これらの周方向溝の間に抜け止め用の止め輪を装着するのが好ましい。
この場合、ハブ輪1の継手側の端部を加締めて、その加締部31にて内輪24をアウトボード側へ押圧することによって、この軸受2に予圧を付与するものである。これによって、内輪24をハブ輪1に締結することができる。加締部31によって、内輪24のインボード側の端面24aを軸方向に沿ってアウトボード側へ押圧し、内輪24のアウトボード側の端面24bが段差部23の端面23aに接触乃至圧接する。またハブ輪1のフランジ21にはボルト装着孔32が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ21に固定するためのハブボルト33がこのボルト装着孔32に装着される。
凹凸嵌合構造Mは、図2に示すように、例えば、軸部12に設けられて軸方向に延びる凸部35と、ハブ輪1の孔部22の内径面(この場合、軸部嵌合孔22aの内径面37)に形成される凹部36とからなり、凸部35とその凸部35に嵌合するハブ輪1の凹部36との嵌合接触部位38全域が密着している。すなわち、軸部12の反マウス部側の外周面に、複数の凸部35が周方向に沿って所定ピッチで配設され、ハブ輪1の孔部22の軸部嵌合孔22aの内径面37に凸部35が嵌合する複数の凹部36が周方向に沿って形成されている。つまり、周方向全周にわたって、凸部35とこれに嵌合する凹部36とがタイトフィットしている。
この場合、各凸部35は、その断面が凸アール状の頂点を有する三角形状(山形状)であり、各凸部35の嵌合接触部位(凹部嵌合部位)38とは、図2(b)に示す範囲Aであり、断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部35間において、ハブ輪1の内径面37よりも内径側に隙間40が形成されている。
このように、ハブ輪1と等速自在継手3の外輪5の軸部12とを凹凸嵌合構造Mを介して連結できる。この際、前記したように、ハブ輪1の継手側の端部を加締めて、その加締部31にて車輪用軸受2に予圧を付与するものであるので、外輪5のマウス部11にて内輪24に予圧を付与する必要がない。しかしながら、本発明では、ハブ輪1の端部(この場合、加締部31の外端面31a)と、これに相対面する外輪5の対向面(マウス部11のバック面11a)とを接触させている。この場合の接触面圧を100MPa以下としている。
ところで、外輪5の軸部12の端部とハブ輪1の内径面37との間に前記軸部抜け止め構造M1が設けられている。この軸部抜け止め構造M1は、外輪5の軸部12の端部から反継手側に延びてテーパ状孔22bに係止する拡径加締部(テーパ状係止片)65からなる。すなわち、拡径加締部65は、継手側から反継手側に向かって拡径するリング状体からなり、その外周面65aの少なくとも一部がテーパ状孔22bに圧接乃至接触している。
ところで、この車輪用軸受装置を組み立てる場合、後述するように、ハブ輪1に対して外輪5の軸部12を圧入することによって、凸部35によって凹部36を形成するようにしている。この際圧入していけば、凸部35にて形成される凹部36から材料がはみ出してはみ出し部45(図3参照)が形成される。はみ出し部45は、凸部35の凹部嵌合部位が嵌入(嵌合)する凹部36の容量の材料分であって、形成される凹部36から押し出されたもの、凹部36を形成するために切削されたもの、又は押し出されたものと切削されたものの両者等から構成される。このため、前記図1等に示す車輪用軸受装置では、は
み出し部45を収納するポケット部(収納部)50を軸部12に設けている。軸部12のスプライン41の軸端縁に周方向溝51を設けることによって、ポケット部(収納部)50を形成している。
次に、凹凸嵌合構造Mの嵌合方法を説明する。この場合、図5に示すように、軸部12の外径部には熱硬化処理を施し、この硬化層Hに軸方向に沿う凸条41aと凹条41bとからなるスプライン41を形成する。このため、スプライン41の凸条41aが硬化処理されて、この凸条41aが凹凸嵌合構造Mの凸部35となる。なお、この実施形態での硬化層Hの範囲は、クロスハッチング部で示すように、スプライン41の外端縁から外輪5のマウス部11の底壁の一部までである。この熱硬化処理としては、高周波焼入れや浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。ここで、高周波焼入れとは、高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体を加熱する原理を応用した焼入れ方法である。また、浸炭焼入れとは、低炭素材料の表面から炭素を浸入/拡散させ、その後に焼入れを行う方法である。また、ハブ輪1の外径側に高周波焼入れによる硬化層H1を形成するとともに、ハブ輪の内径側を未焼き状態としたものである。この実施形態での硬化層H1の範囲は、クロスハッチング部で示すように、フランジ21の付け根部から内輪24が嵌合する段差部23の加締部近傍までである。
高周波焼入れを行えば、表面は硬く、内部は素材の硬さそのままとすることができ、このため、ハブ輪1の内径側を未焼き状態に維持できる。このため、ハブ輪1の孔部22の内径面37側においては熱硬化処理を行わない未硬化部(未焼き状態)とする。外輪5の軸部12の硬化層Hとハブ輪1の未硬化部との硬度差は、HRCで20ポイント以上とする。具体的には、硬化層Hの硬度を50HRCから65HRC程度とし、未硬化部の硬度を10HRCから30HRC程度とする。
この際、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面(この場合、ハブ輪1の孔部22の内径面37)の位置に対応する。すなわち、図5に示すように、孔部22の内径面37の内径寸法Dを、凸部35の最大外径、つまりスプライン41の凸条41aである前記凸部35の頂点を結ぶ円弧の最大直径寸法(外接円直径)D1よりも小さく、凸部間の谷底(スプライン41の凹条41bの底)を結ぶ円弧の直径寸法D2よりも大きく設定される。すなわち、D2<D<D1とされる。軸部12のスプライン41のモジュールを0.5以下の小さい歯とする。ここで、モジュールとは、ピッチ円直径を歯数で割ったものである。
スプライン41は、従来からの公知公用の手段である転造加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。また、熱硬化処理としては、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
また、軸部12の端面12aの外周縁部から前記拡径加締部65を構成するための円筒状部66を軸方向に沿って突出させている。円筒状部66の外径D4は孔部22の嵌合孔22aの内径寸法Dよりも小さく設定している。すなわち、この円筒状部66が後述するように、軸部12のハブ輪1の孔部22への圧入時の調芯用の案内部となる。また、ハブ輪1の大径部22cの内径D3を前記最大直径寸法(外接円直径)D1よりも大きく設定する。円筒状部66の外径D4が嵌合孔22aの孔径と同一や嵌合孔22aの孔径よりも大きければ、円筒状部66自体を嵌合孔22aを圧入することになる。この際、芯ずれしていれば、このまま凹凸嵌合構造Mの凸部35が圧入され、軸部12の軸心とハブ輪1の軸心とが合っていない状態で軸部1とハブ輪1とが連結されることになる。また、円筒状部66の外径D4が嵌合孔22aの孔径よりも小さすぎると、調芯用として機能しない。このため、円筒状部66の外径面と孔部22の嵌合孔22aの内径面との間の微小隙間と
しては、0.01mm〜0.2mm程度に設定するのが好ましい。
そして、図5に示すように、ハブ輪1の軸心と等速自在継手3の外輪5の軸心とを合わせた状態とする。この状態で、ハブ輪1に対して、外輪5の軸部12を挿入(圧入)していく。この際、前記したように、軸部嵌合孔22aの内径面37の内径寸法Dと、凸部3
5の最大直径寸法D1と、凸部35間の谷底の直径寸法D2とが前記のような関係であり、しかも、凸部35の硬度が内径面37の硬度よりも20ポイント以上大きいので、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入していけば、この凸部35が内径面37に食い込んでいき、凸部35が、この凸部35が嵌合する凹部36を、軸方向に沿って形成していくことになる。
このように圧入されれば、図2(a)(b)に示すように、軸部12の端部の凸部35と、これに嵌合する凹部36との嵌合接触部位38の全体が密着している。すなわち、相手側の凹部形成面(この場合、孔部22の軸部嵌合孔22aの内径面37)に凸部35の
形状の転写を行うことになる。この際、凸部35が孔部22の内径面37に食い込んでいくことによって、孔部22が僅かに拡径した状態となって、凸部35の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、孔部22が元の径に戻ろうとして縮径することになる。言い換えれば、凸部35の圧入時にハブ輪1が径方向に弾性変形し、この弾性変形分の予圧が凸部35の歯面(凹部嵌合部位の表面)に付与される。このため、凸部35の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部36に対して密着する凹凸嵌合構造Mを確実に形成することができる。すなわち、軸部12側のスプライン(雄スプライン)41によって、ハブ輪1の孔部22の内径面に、雄スプライン41に密着する雌スプライン42が形成される。
このように、凹凸嵌合構造Mが構成されるが、この場合の凹凸嵌合構造Mは車輪用軸受2の軌道面26、27、28、29の避直下位置に配置される。ここで、避直下位置とは、軌道面26、27、28、29のボール接触部位置に対して径方向に対応しない位置である。
この凹凸嵌合構造Mでは、図4に示すように、軸部12の最大直径寸法D1と、ハブ輪1の孔部22の嵌合孔22aの内径寸法Dとの径差(D1−D)をΔdとし、軸部12の外径面に設けられた凸部35の高さをhとし、その比をΔd/2hとしたときに、0.3<Δd/2h<0.86とする。これによって、凸部35の突出方向中間部位(高さ方向中間部位)が、凹部形成前の凹部形成面上に確実に配置されるようにすることによって、凸部35が圧入時に凹部形成面に食い込んでいき、凹部36を確実に形成することができる。
ところで、外輪5の軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入する際には、外輪5のマウス部11の外径面に、図7等に示すように段差面Gを設け、圧入用治具Kをこの段差面Gに係合させて、この圧入用治具Kから段差面Gに圧入荷重(軸方向荷重)を付与するようにすることができる。すなわち、外輪5の外径面に断面矩形状の周方向溝49を設け、この周方向溝49の軸部側の径方向端面49aをもって、前記段差面Gを構成することができる。また、圧入用治具Kは、割り型からなるリング状体47にて構成することができる。すなわち、リング状体47は、複数(少なくとも2個)のセグメント47aからなり、セグメント47aを組み合わせることによって、リング状に形成される。セグメント47aがリング状に組み合わされてなるリング状体47は、内径側へ突出する内鍔部53を有する。
このため、リング状体47の内鍔部53が周方向溝49に嵌合して、段差面Gに内鍔部53の段差面対応端面53aが係合して、この段差面Gを介した外輪5の軸部12のハブ
輪1への圧入が可能となる。
この段差面Gとしては、周方向全周に設けても、周方向に沿って所定ピッチで設けてもよい。すなわち、段差面Gを周方向に沿って所定ピッチで設ける場合、外輪5の外径面に周方向に沿って所定ピッチで凹部を設ければよい。なお、このように、所定ピッチで配置する場合の圧入用治具Kとしては、所定ピッチで配設される凹部に対応する内鍔部53を有するものであればよい。
段差面Gを、周方向溝49や周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部等以外に、外輪5の外径面に設けられる周方向突起部や周方向に沿って所定ピッチで配設される突起等にて構成してもよい。
このように、等速自在継手3の外輪5の外径面に段差面Gを設けるようにした場合、図1等にブーツ18を組み付けた状態(アウトボード側等速自在継手と、インボード側等速自在継手と、一端側がアウトボード側等速自在継手に連結されるとともに、他端側がインボード側等速自在継手に連結されるシャフトとを備えたドライブシャフトアッセンブリ状態)で、等速自在継手3の外輪5の軸部12をハブ輪1に圧入することができる。
これに対して、ドライブシャフトアッセンブリ状態ではなく、外輪5のマウス部11の開口端面11bを押圧することができるものでは、外輪5の外径面に段差面Gを設けなくとも軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入することができる。
外輪5の軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入して、凹凸嵌合構造Mを介して外輪5の軸部12とハブ輪1とが一体化された状態では、図6に示すように、円筒状部66が嵌合孔22aからテーパ状孔22b側に突出する。
そこで、図6〜図8で示すような治具67を使用してこの円筒状部66を拡径することになる。加締治具67は、円柱状の本体部67aと、この本体部67aの先端面に設けられる先端膨出部67bとを備える。この場合、先端膨出部67bは遊嵌状に円筒状部66に嵌入することができる。なお、先端膨出部67bの外周面は、その本体部側がゆるやかなアール部とされている。
この場合、加締治具67の先端膨出部67bを円筒状部66に嵌入し、図7と図8等に示すように矢印α方向に押圧しつつ、加締治具67を揺動させる。ここで、揺動とは、装置軸線Oを回転軸とし、治具軸線O1と装置軸線Oとの交点を支点として、治具軸線O1が装置軸線Oに対して傾斜するように、揺動させるものである。これによって、先端膨出部67bの周壁面が円筒状部66の内径面を外径側へ押圧する。このため、円筒状部66が径方向外方に塑性変形して、図1に示すような拡径加締部(テーパ状係止片)65が形成される。すなわち、軸部抜け止め構造M1は、軸部12の軸端部に設けられた円筒状部66が、揺動する加締治具67による揺動加締によって径方向外方に塑性変形してなる引っ掛け構造にて構成される。
この際、等速自在継手3の外輪5を支えるために、例えば治具K1を用いる。治具K1としては、有底短円筒体にて構成できる。すなわち、治具K1は、円筒体からなる本体部55と、この本体部55のインボード側の開口部を塞ぐ底壁56とを備える。この場合、本体部55を外輪5のマウス部11の開口側に嵌合させ、底壁56の内面56aを、マウス部11の開口端面11bに当接させて、揺動加締めによる軸方向荷重を受けることができる。
また、ドライブシャフトアッセンブリ状態で、揺動加締めを行う場合は、前述した圧入
用治具Kを用いることで、揺動加締めによる軸方向荷重を受けることができる。
ところで、圧入時(軸部12をハブ輪1に圧入する際)にはある程度の荷重をかけて等速自在継手3の外輪5のバック面11aを加締部31に突き当てることになるが、除荷後は等速自在継手3の外輪5のスプリングバックにより、バック面11aの突当部(加締部31の端面31a)の接触面圧は低くなる。また、円筒状部66を加締る際には、軸方向に荷重が付加されるが、加締後、軸部12のスプリングバックにより、バック面11aの突当部(加締部31の端面31a)の接触面圧を低く抑えることができる。このため、この接触面圧としては、100MPa以下に設定することがきる。
本発明では、軸部12の凸部35とハブ輪1の凹部36との嵌合接触部位38全域が密着する凹凸嵌合構造Mを確実に形成することができる。しかも、凹部36が形成される部材には、スプライン部等を形成しておく必要がなく、生産性に優れ、しかもスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができ、安定した嵌合状態を維持できる。
凹凸嵌合構造Mは、凸部35と凹部36との嵌合接触部位38の全体が密着しているので、この嵌合構造Mにおいて、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。このため、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。
軸部抜け止め構造M1は、円筒状部が径方向外方に塑性変形してなる引っ掛け構造であるので、従来のようなねじ締結を省略できる。このため、軸部12にハブ輪1の孔部22から突出するねじ部を形成する必要がなくなって、軽量化を図ることができるとともに、ねじ締結作業を省略でき、組み立て作業性の向上を図ることができる。
この軸部抜け止め構造M1によって、外側継手部材の軸部12がハブ輪1の孔部22から軸方向に抜けることを有効に防止できる。これによって、安定した連結状態を維持でき、車輪用軸受装置の高品質化を図ることができる。しかも、加締時の加締荷重が較的小さくて済み、この加締部65の肉厚を大きくしたり、ハブ輪内径面に対して大きな圧接力を介してその加締部65を圧接することができる。これによって、より強固な抜け止め機構(構造)を設けることができる。さらに、このような強固な抜け止め機構(構造)M1が設けられることにより、軸部12の曲げ剛性が向上し、曲げに強くなる。加締時の加締荷重を小さくすることができれば、荷重を受ける部位(等速自在継手3の外側継手部材の荷重受部であって、たとえば、外側継手部材の外径面に設けられた段差面や外側継手部材の開口側端面等)の変形を防止できる。
加締部31と、外輪5のマウス部11のバック面11aとを接触させることによって、軸部方向の曲げ剛性が向上して、曲げに強くなって、耐久性に優れた高品質な製品となる。しかも、この接触によって、圧入時の位置決めを構成できる。これによって、この車輪用軸受装置の寸法精度が安定するとともに、軸方向に沿って配設される凹凸嵌合構造Mの軸方向長さを安定した長さに確保することができ、トルク伝達性の向上を図ることができる。さらに、この接触によってシール構造を構成でき、この加締部31側から凹凸嵌合構造Mへの異物の浸入を防止でき、凹凸嵌合構造Mは長期にわたって安定した嵌合状態を維持できる。
ハブ輪1の端部が加締られて軸受2に対して予圧が付与されるので、外輪5のマウス部11によって予圧を付与する必要がなくなる。このため、予圧を考慮することなく、外輪5の軸部12を圧入することができ、ハブ輪1と外輪5との連結性(組み付け性)の向上を図ることができる。
ハブ輪1の加締部31とマウス部11のバック面11aとの接触面圧が100MPaを越えると、異音を発生するおそれがある。すなわち、大トルク負荷時に、等速自在継手3の外輪5とハブ輪1との捩れ量に差が生じ、この差により、等速自在継手3の外輪5とハブ輪1との接触部に急激なスリップが生じて異音が発生する。これに対して、本発明にように、接触面圧が100MPa以下であれば、急激なスリップが生じることを防止できて、異音の発生を抑えることができる。これによって、静粛な車輪用軸受装置を構成することができる。なお、接触面圧が100MPa以下であっても、シール構造を構成することができる面圧以上とするのが好ましい。
前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部45を収納する収納部50を設けることによって、はみ出し部45をこの収納部50内に保持(維持)することができ、はみ出し部45が装置外の車両内等へ入り込んだりすることがない。すなわち、はみ出し部45を収納部50に収納したままにしておくことができ、はみ出し部45の除去処理を行う必要がなく、組立作業工数の減少を図ることができて、組立作業性の向上及びコスト低減を図ることができる。
ポケット部50の軸方向反凸部側にハブ輪1の孔部22との調芯用の鍔状案内部66を設けることによって、ポケット部50内のはみ出し部45の案内部側への飛び出しがなくなって、はみ出し部45の収納がより安定したものとなる。しかも、案内部は調芯用であるので、芯ずれを防止しつつ軸部12をハブ輪1に圧入することができる。このため、外側継手部材とハブ輪1とを高精度に連結でき、安定したトルク伝達が可能となる。
また、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面上に配置されるようにすることによって、凸部35が圧入時に凹部形成面に食い込んでいき、凹部36を確実に形成することができる。すなわち、凸部35の相手側に対する圧入代を十分にとることができる。これによって、凹凸嵌合構造Mの成形性が安定し、圧入荷重のばらつきも無く、安定した捩り強度が得られる。
軸部12には調芯用の案内部、つまり円筒状部66が設けられているので、芯ずれすることなく、軸部12をハブ輪1に圧入することができ、凸部35による凹部36形成を安定して行うことができる。このため、凹凸嵌合構造Mを精度よく構成することができる。
図1等に示す実施形態では、外輪5の軸部12に凹凸嵌合構造Mの凸部35を設けるとともに、この凸部35の軸方向端部の硬度をハブ輪1の孔部内径部よりも高くして、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入するものであれば、軸部側の硬度を高くでき、軸部の剛性を向上させることができる。
凹凸嵌合構造Mを車輪用軸受2の軌道面の避直下位置に配置することによって、軸受軌道面におけるフープ応力の発生を抑える。これにより、転がり疲労寿命の低下、クラック発生、及び応力腐食割れ等の軸受の不具合発生を防止することができ、高品質な軸受2を提供することができる。
前記実施形態のように、軸部12に形成するスプライン41は、モジュールが0.5以下の小さい歯を用いたので、このスプライン41の成形性の向上を図ることができるとともに、圧入荷重の低減を図ることができる。なお、凸部35を、この種のシャフトに通常形成されるスプラインをもって構成することができるので、低コストにて簡単にこの凸部35を形成することができる。
次に、図9は第2実施形態を示し、この場合、ハブ輪1の孔部22において、テーパ状
孔22bと軸部嵌合孔22aとの間に、径方向に延びる段差面22eを設け、この段差面22eに拡径加締部65が係合している。
すなわち、揺動する加締治具67による揺動加締によって径方向外方に塑性変形してなる拡径加締部65を成形することになる。すなわち、この場合の拡径加締部65は、装置軸心に対して略直角に曲がるように折り曲げることになり、そのインボード側の端面が段差面22eに当接乃至圧接する。
図9に示す車輪用軸受装置の他の構成は、図1に示す車輪用軸受装置と同様であるので、図1と同一部材を図1と同一の符号を附してそれらの説明を省略する。
このため、図9に示す車輪用軸受装置であっても、図1に示す車輪用軸受装置と同様の作用効果を奏する。
前記図2に示すスプライン41では、凸条41aのピッチと凹条41bのピッチとが同一設定される。このため、前記実施形態では、図3(b)に示すように、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さLと、周方向に隣り合う凸部35間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L0とがほぼ同一となっている。
これに対して、図10(a)に示すように、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さL2を、周方向に隣り合う山部43間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L1よりも小さいものであってもよい。すなわち、軸部12に形成されるスプライン41において、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L2を、凸部35間に嵌合するハブ輪1側の凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L1よりも小さくしている。
このため、軸部12側の全周における凸部35の歯厚の総和Σ(B1+B2+B3+・・・)を、ハブ輪1側の山部43の歯厚の総和Σ(A1+A2+A3+・・・)よりも小さく設定している。これによって、ハブ輪1側の山部43のせん断面積を大きくすることができ、ねじり強度を確保することができる。しかも、凸部35の歯厚が小であるので、圧入荷重を小さくでき、圧入性の向上を図ることができる。凸部35の周方向厚さの総和を、相手側の山部43における周方向厚さの総和よりも小さくする場合、全ての凸部35において、周方向厚さL2を、周方向に隣り合う凸部35間における周方向の寸法L1よりも小さくする必要がない。すなわち、複数の凸部35のうち、任意の凸部35の周方向厚さが周方向に隣り合う凸部間における周方向の寸法と同一であっても、この周方向の寸法よりも大きくても、総和で小さければよい。
図10(a)における凸部35は、断面台形(富士山形状)としているが、図10(b)に示すように、インボリュート歯形状であってもよい。
ところで、前記各実施形態では、軸部12側に凸部35を構成するスプライン41を形成するとともに、この軸部12のスプライン41に対して硬化処理を施し、ハブ輪1の内径面を未硬化(生材)としている。これに対して、図11(a)(b)に示すように、ハブ輪1の孔部22の内径面に硬化処理を施されたスプライン111(凸条111a及び凹条111bとからなる)を形成するとともに、軸部12には硬化処理を施さないものであってもよい。なお、このスプライン111も公知公用の手段であるブローチ加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。また、熱硬化処理としても、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
この場合、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面(軸部12の外径面)の位置に対応する。すなわち、スプライン111の凸部111aである凸部35の頂点を結ぶ円弧の径寸法(最小径寸法)D8を、軸部12の外径寸法D10よりも小さく、凸部間の谷底(スプライン111の凹条111b)の底を結ぶ円弧の径寸法D9を軸部12の外径寸法D10よりも大きく設定する。すなわち、D8<D10<D9とされる。この場合、凹条111bの底を結ぶ円で構成される内径面が、ハブ輪1の軸部嵌合孔22aの内径面となり、凸部35が底からの突出部である。
軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入すれば、ハブ輪1側の凸部35によって、軸部12の外周面にこの凸部35が嵌合する凹部36を形成することができる。これによって、凸部35とこれに嵌合する凹部との嵌合接触部位38の全体が密着している。
ここで、嵌合接触部位38とは、図11(b)に示す範囲Bであり、凸部35の断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部35間において、軸部12の外周面よりも外径側に隙間112が形成される。
この場合であっても、圧入によってはみ出し部45が形成されるので、このはみ出し部45を収納する収納部を設けるのが好ましい。はみ出し部45は軸部12のマウス側に形成されることになるので、収納部をハブ輪1側に設けることになる。
このように、ハブ輪1の孔部22の内径面に凹凸嵌合構造Mの凸部35を設けて圧入するものでは、軸部側の硬度処理(熱処理)を行う必要がないので、等速自在継手3の外輪5の生産性に優れる利点がある。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、凹凸嵌合構造Mの凸部35の形状として、前記図2に示す実施形態では断面三角形状であり、図10(a)に示す実施形態では断面台形(富士山形状)であるが、これら以外の半円形状、半楕円形状、矩形形状等の種々の形状のものを採用でき、凸部35の面積、数、周方向配設ピッチ等も任意に変更できる。すなわち、スプライン41、111を形成し、このスプライン41、111の凸条41a、111aをもって凹凸嵌合構造Mの凸部35とする必要はなく、キーのようなものであってもよく、曲線状の波型の合わせ面を形成するものであってもよい。要は、軸方向に沿って配設される凸部35を相手側に圧入し、この凸部35にて凸部35に密着嵌合する凹部36を相手側に形成することができて、凸部35とこれに嵌合する凹部との嵌合接触部位38の全体が密着し、しかも、ハブ輪1と等速自在継手3との間で回転トルクの伝達ができればよい。
ハブ輪1の孔部22としては円孔以外の多角形孔等の異形孔であってよく、この孔部22に嵌挿する軸部12の端部の断面形状も円形断面以外の多角形等の異形断面であってもよい。さらに、ハブ輪1に軸部12を圧入する際に凸部35の圧入始端部のみが、凹部36が形成される部位より硬度が高ければよいので、凸部35の全体の硬度を高くする必要がない。図2等では隙間40が形成されるが、凸部35間の凹部まで、ハブ輪1の内径面37に食い込むようなものであってもよい。なお、凸部35側と、凸部35にて形成される凹部形成面側との硬度差としては、HRCで20ポイント以上とするのが好ましいが、凸部35が圧入可能であれば20ポイント未満であってもよい。
凸部35の端面(圧入始端)は前記実施形態では軸方向に対して直交する面であったが、軸方向に対して、所定角度で傾斜するものであってもよい。この場合、内径側から外径側に向かって反凸部側に傾斜しても凸部側に傾斜してもよい。
さらに、ハブ輪1の孔部22の内径面37に、周方向に沿って所定ピッチで配設される小凹部を設けてもよい。小凹部としては、凹部36の容積よりも小さくする必要がある。このように小凹部を設けることによって、凸部35の圧入性の向上を図ることができる。すなわち、小凹部を設けることによって、凸部35の圧入時に形成されるはみ出し部45の容量を減少させることができて、圧入抵抗の低減を図ることができる。また、はみ出し部45を少なくできるので、収納部50の容積を小さくでき、収納部50の加工性及び軸部12の強度の向上を図ることができる。なお、小凹部の形状は、半楕円状、矩形等の種々のものを採用でき、数も任意に設定できる。
軸受2の転動体30として、円錐ころ等を使用したものであってもよい。また、前記実施形態では、第3世代の車輪用軸受装置を示したが、第1世代や第2世代であってもよい。なお、凸部35を圧入する場合、凹部36が形成される側を固定して、凸部35を形成している側を移動させても、逆に、凸部35を形成している側を固定して、凹部36が形成される側を移動させても、両者を移動させてもよい。なお、等速自在継手3において、内輪6とシャフト10とを前記各実施形態に記載した凹凸嵌合構造Mを介して一体化してもよい。
前記実施形態における車輪用軸受2の外方部材25では車体取付用フランジを有さないものであったが、外方部材25として車体取付用フランジを備えたものであってもよい。
凸部35に鋸歯部を形成してもよい。鋸歯部としては、凸部35の頂部の長手方向に沿って小凹凸部を形成すればよい。例えば、鋸歯部を備えた軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入すれば、圧入の際に、鋸歯部がハブ輪1側に形成される凹部36の底部に食い込む。すなわち、圧入の際に拡径していたハブ輪1の孔部22が拡径しているが、圧入完了時には元の状態に戻るように縮径する。このため、ハブ輪1の孔部22の内径面側から鋸歯部に対して押圧力(縮径力)が作用して、ハブ輪1の孔部22の内径面に鋸歯部の凸部(山部)が食い込む。なお、ハブ輪1側に凸部35に設けられる場合、この凸部35に鋸歯部を形成してもよい。
このように、凸部35側に鋸歯部を設けたことによって、圧入した際に、鋸歯部が軸方向に沿って食い込むことになる。この食い込みによって、ハブ輪1に対する等速自在継手の外側継手部材5の軸方向の抜け止めを構成することができる。これにより、安定した連結状態を維持でき、車輪用軸受装置の高品質化を図ることができる。
本発明の第1実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 前記車輪用軸受装置の凹凸嵌合構造を示し、(a)は横断面図であり、(b)は(a)のX部拡大図である。 前記車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 前記車輪用軸受装置の凹凸嵌合構造の拡大断面図である。 前記車輪用軸受装置の組立前を示す断面図である。 等速自在継手の軸部をハブ輪に圧入した状態の断面図である。 圧入治具を使用して圧入する方法を説明する断面図である。 他の圧入治具を使用して圧入する方法を説明する断面図である。 本発明の第2実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 凹凸嵌合構造を示し、(a)は第1変形例の断面図であり、(b)第2変形例の断面図である。 凹凸嵌合構造の第3変形例を示し、(a)は横断面図である。(b)は(a)のY部拡大図である。 従来の車輪用軸受装置の断面図である。
符号の説明
1 ハブ輪
2 軸受
3 等速自在継手
11a バック面
12 軸部
14 トラック溝(案内溝)
16 トラック溝(案内溝)
18 ブーツ
21 フランジ
22 孔部
24 内輪
25 外方部材
26 外側軌道面
27 外側軌道面
28 内側軌道面
29 内側軌道面
30 転動体
31 加締部
35 凸部
36 凹部
39 内方部材
45 はみ出し部
50 ポケット部
66 円筒状部
M 凹凸嵌合構造
M1 軸部抜け止め構造

Claims (10)

  1. 内周に複列の軌道面を有する外方部材と、前記軌道面に対向する複列の軌道面を外周に有しアウトボード側端の外周に車輪取付用のフランジを有する内方部材と、これら外方部材と内方部材の軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、前記内方部材が、前記フランジを有するハブ輪とこのハブ輪の軸部の外周に圧入した内輪とで構成され、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部が凹凸嵌合構造を介してハブ輪に一体化される車輪用軸受装置であって、
    外側継手部材の軸部とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成し、外側継手部材の軸部とハブ輪の内径面との間に軸部抜け止め構造を設け、その軸部抜け止め構造は、軸部の軸端部に設けられた円筒状部が、揺動する加締治具による揺動加締によって径方向外方に塑性変形してなる引っ掛け構造であることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. ハブ輪のインボード側端を外径側へ加締めて加締部を形成して、この加締部にて車輪用軸受に対して予圧を付与するとともに、加締部と、この加締部に相対面する前記等速自在継手の外側継手部材のマウス部のバック面とを接触させたことを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記ハブ輪の加締部と外側継手部材のマウス部のバック面との接触面圧を100MPa以下に設定したことを特徴とする請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 等速自在継手の外側継手部材の軸部に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度をハブ輪の孔部内径部よりも高くして、前記軸部をハブ輪の孔部に凸部の軸方向端部側から圧入することによって、この凸部にてハブ輪の孔部内径面に凸部に密着嵌合する凹部を形成して、前記凹凸嵌合構造を構成することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  5. ハブ輪の孔部の内径面に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度を等速自在継手の外側継手部材の軸部の外径部よりも高くして、前記ハブ輪側の凸部をその軸方向端部側から外側継手部材の軸部に圧入することによって、この凸部にて外側継手部材の軸部の外径面に凸部に密着嵌合する凹部を形成して、前記凹凸嵌合構造を構成することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  6. 凸部の突出方向中間部位の周方向厚さを、周方向に隣り合う凸部間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法よりも小さくしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  7. 凸部の突出方向中間部位の周方向厚さの総和を、周方向に隣り合う凸部間に嵌合する相手側の凸部における前記中間部位に対応する位置での周方向厚さの総和よりも小さくしたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  8. 前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部を収納するポケット部を外側継手部材の軸部に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4、請求項6、又は請求項7のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  9. 前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部を収納するポケット部をハブ輪の孔部の内径面に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3、請求項5〜請求項7のいずれ
    か1項に記載の車輪用軸受装置。
  10. 前記はみ出し部を収納するポケット部を、外側継手部材の軸部の凸部の圧入始端側に設けるとともに、このポケット部の軸方向反凸部側に、圧入時にハブ輪の孔部との調芯用となる案内部を設けたことを特徴とする請求項8の車輪用軸受装置。
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