JP2009270629A - 車輪用軸受装置およびアクスルモジュール - Google Patents

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清茂 山内
Hikari Umekida
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Abstract

【課題】加工工数、組立工数を削減しつつ、補修時の部品交換費用も抑えた低コストの車輪用軸受装置およびアクスルモジュールを提供する。
【解決手段】軸方向に延びる凸部35を、軸方向に沿って他方に圧入し、他方に凸部35に密着嵌合する凹部36を凸部35にて形成して、凸部35と凹部36との嵌合接触部位38全域が密着する凹凸嵌合構造Mを構成する。凹凸嵌合構造Mは軸方向の引き抜き力付与による分離を許容する。外方部材25を車両のナックル34の孔34aと所定のはめあいで嵌合させる。外方部材25の外周面25aとナックル34の孔34aの内周面にそれぞれ環状溝80、81を形成し、双方の環状溝80、81に係合させた止め輪82によって、ナックル34から外方部材25の抜け止めをする。通常使用時に作用する引き抜き力よりも大きな引き抜き力付与による止め輪82の変形または破断のみによって外方部材25をナックル34から分離可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両において車輪を車体に対して回転自在に支持するための車輪用軸受装置およびアクスルモジュールに関する。
車輪用軸受装置には、第1世代と称される複列の転がり軸受を単独に使用する構造から、外方部材に車体取付フランジを一体に有する第2世代に進化し、さらに、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一方の内側軌道面が一体に形成された第3世代、さらには、ハブ輪に等速自在継手が一体化され、この等速自在継手を構成する外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側軌道面が一体に形成された第4世代のものまで開発されている。
例えば、特許文献1には、第3世代と呼ばれるものが記載されている。第3世代と呼ばれる車輪用軸受装置は、図22に示すように、外径方向に延びるフランジ151を有するハブ輪152と、このハブ輪152に外側継手部材153が固定される等速自在継手154と、ハブ輪152の外周側に配設される外方部材155とを備える。
等速自在継手154は、前記外側継手部材153と、この外側継手部材153の椀形部157内に配設される内側継手部材158と、この内側継手部材158と外側継手部材153との間に配設されるボール159と、このボール159を保持する保持器160とを備える。また、内側継手部材158の中心孔の内周面にはスプライン部161が形成され、この中心孔に図示省略のシャフトの端部スプライン部が挿入されて、内側継手部材158側のスプライン部161とシャフト側のスプライン部とが係合される。
また、ハブ輪152は、筒状の軸部163と前記フランジ151とを有し、フランジ151の外端面164(反継手側の端面)には、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部165が突設されている。なお、パイロット部165は、大径の第1部165aと小径の第2部165bとからなり、第1部165aにブレーキロータが外嵌され、第2部165bにホイールが外嵌される。
そして、軸部163の椀形部157側端部の外周面に切欠部166が設けられ、この切欠部166に内輪167が嵌合されている。ハブ輪152の軸部163の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面168が設けられ、内輪167の外周面に第2内側軌道面169が設けられている。また、ハブ輪152のフランジ151にはボルト装着孔162が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ151に固定するためのハブボルトがこのボルト装着孔162に装着される。
外方部材155は、その内周に2列の外側軌道面170、171が設けられると共に、その外周にフランジ(車体取付フランジ)182が設けられている。そして、外方部材155の第1外側軌道面170とハブ輪152の第1内側軌道面168とが対向し、外方部材155の第2外側軌道面171と、内輪167の軌道面169とが対向し、これらの間に転動体172が介装される。また、外方部材155の外周面(外径面)には車体取付用のフランジ182が設けられ、このフランジ182が図示省略のナックルに取り付けられる。
ハブ輪152の軸部163に外側継手部材153の軸部173が挿入される。軸部173は、その反椀形部の端部にねじ部174が形成され、このねじ部174と椀形部157との間にスプライン部175が形成されている。また、ハブ輪152の軸部163の内周面(内径面)にスプライン部176が形成され、この軸部173がハブ輪152の軸部163に挿入された際には、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176とが係合する。
そして、軸部163から突出した軸部173のねじ部174にナット部材177が螺着され、ハブ輪152と外側継手部材153とが連結される。この際、ナット部材177の内端面(裏面)178と軸部163の外端面179とが当接するとともに、椀形部157の軸部側の端面180と内輪167の外端面181とが当接する。すなわち、ナット部材177を締付けることによって、ハブ輪152が内輪167を介してナット部材177と椀形部157とで挟持される。
特開2004−340311号公報
従来では、前記したように、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176とが係合するものである。このため、軸部173側及びハブ輪152側の両者にスプライン加工を施す必要があって、コスト高となるとともに、圧入時には、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176との凹凸を合わせる必要があり、この際、歯面を合わせることによって、圧入すれば、この凹凸歯が損傷する(むしれる)おそれがある。また、歯面を合わせることなく、凹凸歯の大径合わせにて圧入すれば、円周方向のガタが生じやすい。このように、円周方向のガタがあると、回転トルクの伝達性に劣るとともに、異音が発生するおそれもあった。このため、従来のように、スプライン嵌合による場合、凹凸歯の損傷及び円周方向のガタの両者を同時に除去することは困難であった。
ところで、スプライン嵌合において、雄スプラインと雌スプラインとの密着性の向上を図って、円周方向のガタが生じないようにしたとしても、駆動トルクが作用すれば、雄スプラインと雌スプラインとに相対変位が発生するおそれがある。このような相対変位が発生すれば、フレッティング摩耗が発生し、その摩耗粉により、スプラインがアブレーション摩耗を起すおそれがある。これによって、スプライン嵌合部位においてガタつきが生じたり、安定したトルク伝達ができなくなるおそれがある。
また、この種の車輪用軸受装置は、前記したように、外方部材155が車体側のナックルに装着される。近年では、フランジ182を設けることなく、外方部材155の外径面が円筒面となる圧入面を設け、この圧入面をナックルの孔部に圧入するものがある。しかしながら、このような圧入のみでは、抜け防止の信頼性に劣ることになる。このため、抜け防止手段に止め輪が用いられる。
止め輪を用いると、補修等に際して、ナックルから外方部材を取り外すことが容易でなく、大きな引き抜き荷重を負荷して分解せざるをえない。その結果、ナックルの止め輪溝が破壊されてしまうので、ナックルをも交換する必要が生じ、補修コストが嵩む。
本発明は、上記課題に鑑みて、加工工数、組立工数を削減しつつ、補修時の部品交換費用も抑えた低コストの駆動車輪用軸受装置およびアクスルモジュールを提供する。





本発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の外側軌道面を形成した外方部材と、外周に複列の内側軌道面を形成した内方部材と、外方部材の外側軌道面と内方部材の内側軌道面との間に配置される転動体とを有する車輪用軸受を備え、内方部材は外径面に車輪取付用フランジが突設されるハブ輪を有し、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部とが凹凸嵌合構造を介して分離可能に結合された車輪用軸受装置であって、外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成し、かつこの凹凸嵌合構造は軸方向の引き抜き力付与による分離を許容し、前記外方部材を車両のナックルの孔と所定のはめあいで嵌合させるとともに、前記外方部材の外周面と前記ナックルの孔の内周面にそれぞれ環状溝を形成し、双方の環状溝に係合させた止め輪によって、前記ナックルから前記外方部材の抜け止めをするとともに、通常使用時に作用する引き抜き力よりも大きな引き抜き力付与による前記止め輪の変形または破断のみによって前記外方部材を前記ナックルから分離可能としたものである。
本発明の車輪用軸受装置によれば、凹凸嵌合構造は、凸部の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部に対して密着しているので、この嵌合構造において、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。
しかも、外側継手部材の軸部に軸方向の引き抜き力を付与すれば、ハブ輪の孔部から外側継手部材を取外すことができる。また、外側継手部材の軸部をハブ輪の孔部から引き抜いた後において、再度、外側手部材の軸部をハブ輪の孔部に圧入すれば、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成することができる。
外方部材とナックルの孔とのはめあいを締まりばめ(タイトフィット)とすることにより、軸方向の抜け止めはある程度可能である。しかし、過大な締め代にはできないことから、確実な抜け止めをしてフェールセーフおよび想定外の高荷重が負荷されたときの対策を図るため、本発明では止め輪を併用する。しかも、通常使用時に作用する引き抜き力よりも大きな引き抜き力付与による前記止め輪の変形または破断のみによって前記外方部材を前記ナックルから分離可能としているので、通常使用時に作用する引き抜き力では、止め輪は変形や破断することがなく、外方部材のナックルからの分離が規制される。また、通常使用時に作用する引き抜き力よりも大きな引き抜き力を付与した場合、止め輪が変形または破断して、外方部材をナックルから分離させることができる。
外側継手部材のステム軸の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、この他方に凸部にて凸部に密着嵌合する凹部を形成して、前記凹凸嵌合構造を構成する。すなわち、相手側の凹部形成面に凸部の形状の転写を行うことになる。この際、凸部が相手側の凹部形成面に食い込んでいくことによって、孔部が僅かに拡径した状態となって、凸部の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、孔部が元の径に戻ろうとして縮径することになる。これによって、凸部の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部に対して密着する。
等速自在継手の外側継手部材のステム軸に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度をハブ輪の孔部内径部よりも高くして、前記ステム軸をハブ輪の孔部に凸部の軸方向端部側から圧入することによって、この凸部にてハブ輪の孔部内径面に凸部に密着嵌合する凹部を形成して、前記凹凸嵌合構造を構成してもよい。また、ハブ輪の孔部の内径面に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度を等速自在継手の外側継手部材のステム軸の外径部よりも高くして、前記ハブ輪側の凸部をその軸方向端部側から外側継手部材のステム軸に圧入することによって、この凸部にて外側継手部材のステム軸の外径面に凸部に密着嵌合する凹部を形成して、前記凹凸嵌合構造を構成してもよい。
そして、ナックル及び外方部材よりもせん断応力が小さい材料の止め輪を使用するのが好ましい。具体的には、止め輪のせん断応力は5〜150MPaの範囲とするのがよい。これによって、止め輪よりも早くナックルまたは外方部材が変形または破断するのを有効に防止できる。そのような止め輪の材料の一例として熱可塑性合成樹脂を挙げることができる。
止め輪の外径側稜線部を面取りしてもよい。これは止め輪の断面形状が矩形の場合であるが、断面形状が円形の止め輪を採用してもよい。つまり、円形断面の線材を素材とした止め輪を採用することができる。ナックルの孔のアウトボード側の端縁を面取りしてもよい。
外方部材がナックルの孔に圧入によって嵌合するとともに、この圧入時には、外方部材の外周面の環状溝に係合している止め輪がナックルの孔の内周面に案内されて縮径してナックルの孔の環状溝への摺動が許容され、止め輪がナックルの孔の環状溝に対応した状態で拡径して、この環状溝に係合するものが好ましい。このようなものであれば、外方部材の外周面に止め輪を装着して弾性変形により縮径させた状態でナックルの孔に挿入し、軸方向に移動させると、止め輪がナックルの孔の止め輪溝の位置に到達し次第、弾性により拡径してナックルの孔内に拡がり、双方の止め輪溝に係合するに至る。
本発明のアクスルモジュールは、アウトボード側等速自在継手と、インボード側等速自在継手と、一端側がアウトボード側等速自在継手に連結されるとともに、他端側がインボード側等速自在継手に連結される中間軸とを備え、前記アウトボード側等速自在継手に、前記車輪用軸受装置の等速自在継手を用いたものである。
本発明の車輪用軸受装置では、ハブ輪とハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材のステム軸とを一体化する凹凸嵌合構造を備えているため、凹凸嵌合構造部の円周方向のガタを無くすことができる。また、通常使用時に作用する引き抜き力では、止め輪は変形や破断することがなく、外方部材のナックルからの分離が規制される。このため、この車輪用軸受装置はナックルに対して安定した状態で連結される。
車輪用軸受装置がナックルに装着されている状態において、通常使用時に作用する引き抜き力よりも大きな引き抜き力を付与することによって、止め輪が変形または破断することになる。これによって、ナックルの環状溝や外方部材の環状溝等を損傷させることなく、外方部材、延いては車輪用軸受装置全体をナックルから分離することができる。また、外側継手部材の軸部に軸方向の引き抜き力を付与することによって、ハブ輪の孔部から外側継手部材を取外すことができ、取外した後、再圧入することができる。このため、この車輪用軸受装置の各部品の補修・点検・交換作業の容易化を図ることができ、しかも、必要な部品のみ交換可能であって、補修時の部品交換費用を抑えることができ、低コストな車輪用軸受装置を提供できる。
外側継手部材のステム軸の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入することによって、この凸部に密着嵌合する凹部を形成することができる。このため、凹凸嵌合構造を確実に形成することができる。しかも、凹部が形成される部材には、スプライン部等を形成しておく必要がなく、加工工数の削減が可能となって生産性に優れ、かつスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立工数の削減が可能となって組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができて、安定した嵌合状態を維持できる。
また、等速自在継手の外側継手部材のステム軸に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、この凸部の軸方向端部の硬度をハブ輪の孔部内径部よりも高くして、前記ステム軸をハブ輪の孔部に凸部の軸方向端部側から圧入するものであれば、ステム軸側の硬度を高くでき、ステム軸の剛性を向上させることができる。また、ハブ輪の孔部の内径面に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、この凸部の軸方向端部の硬度を等速自在継手の外側継手部材のステム軸の外径部よりも高くして、前記ハブ輪側の凸部をその軸方向端部側から外側継手部材のステム軸に圧入するものでは、ステム軸側の硬度処理(熱処理)を行う必要がないので、等速自在継手の外側継手部材の生産性に優れる。
さらに、ナックルや外方部材よりも止め輪のせん断応力が小さいため、補修等に際してナックルから外方部材を取り外すときナックルや外方部材に損傷を与える心配がない。したがって、補修時等の部品交換も必要最小限に抑えられ、総じて低コストな車輪用軸受装置を提供することができる。
止め輪に、外径側稜線部を面取りしたものや断面形状が円形のものを使用すれば、外方部材をナックルの孔に圧入する作業を容易にすることができる。つまり、円形断面の線材を素材とした止め輪を採用することにより、ナックルの孔への圧入作業が容易となる。
ところで、ナックルの孔のアウトボード側は、車両に取り付けた状態で車両の外側になる側であって、外方部材を圧入する際の入口部となる。このため、ナックルの孔のアウトボード側の端縁を面取りすれば、ナックルに外方部材を圧入する際、この面取りが止め輪を徐々に縮径させて外方部材の止め輪溝内に沈み込みやすくする役割を果たし、外方部材をナックルの孔にスムーズに挿入することができる。
また、止め輪が弾性変形によって縮径するものであれば、止め輪がナックルの孔の止め輪溝の位置に到達し次第、弾性により拡径して、双方の止め輪溝に係合することになり、この止め輪の装着作業の容易化を図ることができる。
前記のような車輪用軸受装置を用いたアスクルモジュールは、加工工数、組立工数を削減しつつ、車輪用軸受装置を交換するような不具合が生じた場合、ナックルからこの車輪用軸受装置を分離できるとともに、車輪用軸受と等速自在継手とを分離でき、必要な部品のみ交換可能であり、補修時の部品交換費用も抑えることができる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図21に基づいて説明する。図1にアクスルモジュールの例を示す。このアクスルモジュールは、アウトボード側等速自在継手T1と、インボード側等速自在継手T2と、一端側がアウトボード側等速自在継手T1に連結されるとともに、他端側がインボード側等速自在継手T2に連結される中間軸(シャフト)10とを備えたものである。
アウトボード側の等速自在継手T1は、ここではツェッパ型の例を示してあるが、ボール溝の溝底に直線部分を有するアンダーカットフリー型等、他の固定式等速自在継手を採用することもできる。等速自在継手T1は、外側継手部材としての継手外輪5と、内側継手部材としての継手内輪6と、トルク伝達要素としての複数のボール7と、ボール7を保持するケージ8とを主要な部材として含む。
継手外輪5はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼でつくられ、マウス部11と軸部12とからなる。マウス部11は一端にて開口した椀状で、その球面状の内周面(内球面)13に、軸方向に延びた複数のボール溝14が円周方向に等間隔に形成してある。継手外輪5の軸部12は、図10のクロスハッチングで示すように、バックフェイス11aから軸部にかけて表面硬さ58〜64HRC(ロックウエル硬さCスケール)の範囲の所定の硬化層Hが形成してある。
継手内輪6はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼でつくられ、
軸心部のスプライン孔6aにてシャフト10の端部のスプライン軸10aとスプライン嵌合させることにより、シャフト10とトルク伝達可能に結合してある。シャフト10の端部10aに装着した止め輪9によって継手内輪6からのシャフト10の抜け止めをしてある。継手内輪6は球面状の外周面(外球面)15を有し、軸方向に延びた複数のボール溝16が円周方向に等間隔に形成してある。
図2に示すように、継手外輪5のボール溝14と継手内輪6のボール溝16とは対をなし、各対のボール溝14,16で形成されるボールトラックに1個ずつ、ボール7が転動可能に組み込んである。ボール7は継手外輪5のボール溝14と継手内輪6のボール溝16との間に介在してトルクを伝達する。すべてのボール7はケージ8によって同一平面内に保持される。ケージ8は継手外輪5と継手内輪6との間に球面接触状態で介在し、球面状の外周面にて継手外輪5の内球面13と接し、球面状の内周面にて継手内輪6の外球面15と接する。
内部に充填した潤滑剤の漏洩を防止するとともに、外部から異物が侵入するのを防止するため、マウス部11の開口部はブーツ18で塞いである。ブーツ18は、大径部18aと、小径部18bと、大径部18aと小径部18bとを連結する蛇腹部18cとからなる。大径部はマウス部11の開口部に取り付けてブーツバンド19aで締め付けてある。小径部はシャフト10のブーツ装着部10bに取り付けてブーツバンド19bで締め付けてある。
インボード側の等速自在継手T2は、ここではトリポード型の例を示してあるが、ダブルオフセット型等、他のしゅう動式等速自在継手を採用することもできる。等速自在継手T2は、外側継手部材としての継手外輪131と、内側継手部材としてのトリポード132と、トルク伝達要素としてのローラ133とを主要な構成要素としている。
継手外輪131はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼でつくられ、マウス部131aと軸部131bとからなり、軸部131bにてデイファレンシャルの出力軸とトルク伝達可能に連結するようになっている。マウス部131aは一端にて開口したカップ状で、内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝136が形成してある。このためマウス部131aの横断面形状は花冠状を呈する。トラック溝136と軸部131bの外周には高周波焼入れによって表面硬さ58〜64HRCの範囲の所定の硬化層が形成してある。
トリポード132はボス138と脚軸139とからなり、ボス138のスプライン孔138aにてシャフト10の端部スプライン10cとトルク伝達可能に結合している。脚軸139はボス138の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。各脚軸139にはローラ133を回転自在に支持させてある。
ここでも、ブーツ140を取り付けて継手外輪131の開口部を塞いである。これにより、内部に充填した潤滑剤の漏洩を防止するとともに、外部から異物が侵入するのを防止する。ブーツ140は、大径部140aと、小径部140bと、大径部140aと小径部140bとの間の蛇腹部140cとからなり、大径部140aをマウス部131aの開口端部に取り付けてブーツバンド141aで締め付け、小径部140bをシャフト10のブーツ装着部10dに取り付けてブーツバンド141bで締め付けてある。
ハブ輪1は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼でつくられ、図2と図10に示すように、筒部20と、筒部20の反継手側の端部に設けられるフランジ21とを有する。筒部20の孔部22は、軸部嵌合孔22aと、反継手側のテーパ孔22bとを有し、軸部嵌合孔22aとテーパ孔22bとの間に、内径方向へ突出する位置決め用内壁22cが設けられている。すなわち、軸部嵌合孔22aにおいて、後述する凹凸嵌合構造Mを介して等速自在継手3の外輪5の軸部12とハブ輪1とが結合される。なお、この位置決め用内壁22cの反軸部嵌合孔側の端面には凹窪部51が設けられている。
孔部22は、軸部嵌合孔22aよりも反位置決め用内壁側の開口側に大径部46と、軸部嵌合孔22aよりも位置決め用内壁側に小径部48とを有する。大径部46と軸部嵌合孔22aとの間には、テーパ部(テーパ孔)49aが設けられている。このテーパ部49aは、ハブ輪1と外輪5の軸部12を結合する際の圧入方向に沿って縮径している。
転がり軸受2は、軸受外輪に相当する外方部材25と、ハブ輪1と、ハブ輪1の筒部20の継手側に設けられた段差部23に嵌合する内輪24と、転動体としてのボール30とを備える。外方部材25は、その内周に2列の外側軌道面(アウターレース)26、27が設けられ、第1外側軌道面26とハブ輪1の軸部外周に設けられる第1内側軌道面(インナーレース)28とが対向し、第2外側軌道面27と、内輪24の外周面に設けられる第2内側軌道面(インナーレース)29とが対向し、これらの間に転動体30としてのボールが介装される。なお、外方部材25の両開口部にはシール部材S1,S2が装着されている。ハブ輪1と内輪24とで、外周に軌道面28,29が形成された内方部材39を構成する。また、外方部材25である外輪には、図示省略の車体の懸架装置から延びるナックル34(図1参照)が取り付けられている。
この場合、ハブ輪1の継手側の端部を加締めて、その加締部31にて内輪24を介して転がり軸受2に予圧を付与するものである。これによって、内輪24をハブ輪1に締結することができる。またハブ輪1のフランジ21にはボルト装着孔32が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ21に固定するためのハブボルト33がこのボルト装着孔32に装着される。
外輪5の軸部12には、その軸心部に反継手側(反マウス側)の端面に開口するねじ孔50が設けられている。このねじ孔50は、その開口部が開口側に向かって拡開するテーパ部50aとされている。また、軸部12の反継手側(反マウス側)の端部には小径部12bが設けられている。すなわち、軸部12は大径の本体部12aと小径部12bとを備える。
凹凸嵌合構造Mは、図3と図4に示すように、例えば、軸部12に設けられて軸方向に延びる凸部35と、ハブ輪1の孔部22の内径面(この場合、軸部嵌合孔22aの内径面37)に形成される凹部36とからなり、凸部35とその凸部35に嵌合するハブ輪1の凹部36との嵌合接触部位38全域が密着している。すなわち、軸部12の反マウス部側の外周面に、複数の凸部35が周方向に沿って所定ピッチで配設され、ハブ輪1の孔部22の軸部嵌合孔22aの内径面37に凸部35が嵌合する複数の凹部36が周方向に沿って形成されている。つまり、周方向全周にわたって、凸部35とこれに嵌合する凹部36とがタイトフィットしている。
この場合、各凸部35は、その断面が凸アール状の頂点を有する三角形状(山形状)であり、各凸部35の嵌合接触部位(凹部嵌合部位)38とは、図4(b)に示す範囲Aであり、断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部35間において、ハブ輪1の内径面37よりも内径側に隙間40が形成されている。
このように、ハブ輪1と等速自在継手3の外輪5の軸部12とを凹凸嵌合構造Mを介して連結できる。この際、前記したように、ハブ輪1の継手側の端部を加締めて、その加締部31にて内輪24を介して転がり軸受2に予圧を付与するものであるので、外輪5のマウス部11にて転がり軸受2に予圧を付与する必要がなく、ハブ輪1の端部(この場合、加締部31)に対してマウス部11を接触させない非接触状態としている。
ハブ輪1の端部(この場合、加締部31)に対してマウス部11を接触させない非接触状態としているので、ハブ輪1の加締部31とマウス部11の底外面11aとの間に隙間58が設けられる。このため、図7(a)(b)に示すように、この隙間58をシール部材59にて塞ぐようにするのが好ましい。この場合、隙間58は、ハブ輪1の加締部31とマウス部11の底外面11aとの間から軸部嵌合孔22aと軸部12の本体部12aとの間まで形成される。この実施形態では、シール部材59はハブ輪1の加締部31と本体部12aとのコーナ部に配置される。なお、シール部材59としては、図7(a)に示すようなOリング等のようなものであっても、図7(b)に示すようなガスケット等のようなものであってもよい。
また、反継手側から軸部12のねじ孔50にボルト部材54を螺着している。ボルト部材54は、図10に示すように、フランジ付き頭部54aと、ねじ軸部54bとからなる。ねじ軸部54bは、大径の基部55aと、小径の本体部55bと、先端側のねじ部55cとを有する。この場合、位置決め用内壁22cに貫通孔56が設けられ、この貫通孔56にボルト部材54の軸部54bが挿通されて、ねじ部55cが軸部12のねじ孔50に螺着される。貫通孔56の孔径d1は、軸部54bの大径の基部55aの外径d2よりも僅かに大きく設定される。具体的には、0.05mm<d1−d2<0.5mm程度とされる。なお、ねじ部55cの最大外径は、大径の基部55aの外径と同じか基部55aの外径よりも僅かに小さい程度とする。
本車輪用軸受装置では、図3に示すように、圧入時に軸部12の圧入のガイドを行う軸部圧入ガイド構造M1を凸部圧入開始側に設けている。この場合、孔部22のテーパ部49aに設けられる雌スプライン44からなる。すなわち、図5(a)に示すように、テーパ部49aの軸部嵌合孔22a側に周方向に沿って所定ピッチ(この場合、凸部35の配置ピッチと同一ピッチ)にガイド用凹部44aを設ける。
この場合、図10に示すように、ガイド用凹部44aの底部径寸法D7を凸部35の最大外径、つまりスプライン41の凸部41aである前記凸部35の頂点を結ぶ円の最大直径寸法(外接円直径)D1よりも大きくして、凸部35の頂部とガイド用凹部44aの底部との間に、図5(a)に示すように、径方向隙間C1を形成している。
ところで、外方部材25である外輪には、図示省略の車体の懸架装置から延びるナックル34が取り付けられている。すなわち、外方部材25の外面全体を円筒面とし、この外周面25aをナックル34が圧入される圧入面とする。これによって、外方部材25をナックル34の円筒状内径面34aに圧入することができる。この場合、外周面(ナックル圧入面)25aと内径面34aとの締代によって、ナックル34と外方部材25との相対的な軸方向及び周方向のずれを規制するように設定するのが好ましい。例えば、外方部材25とナックル34との間の嵌合い面圧×嵌合い面積を嵌合い荷重としたときに、この嵌合い荷重をこの転がり軸受の等価ラジアル荷重で割った値をクリープ発生限界係数とし、このクリープ発生限界係数を予め考慮して、外方部材25の設計仕様、すなわち外方部材25とナックル34の嵌合締代が設定されるものであって、図12に示すように、外方部材25の外径D11と、ナックル34の内径D14とが設定される。
このため、外方部材25の外周面(ナックル圧入面)25aとナックル34のナックル内径面34aとの締代によって、外方部材25の軸方向の抜け及び周方向のクリープを防止できる。ここで、クリープとは、嵌合締代の不足や嵌合面の加工精度不良等により軸受が周方向に微動して嵌合面が鏡面化し、場合によってはかじりを伴い焼き付きや溶着することをいう。この場合、外方部材25の外周面(ナックル圧入面)25aと、ナックル34の内径面34aとにそれぞれ周方向溝(環状溝)80,81を設け、これらの周方向溝80,81の間に抜け止め用の止め輪82を装着することになる。
図8および図9に止め輪82を示し、これらの止め輪82は、一部に欠損部82aを有するリング体からなり、図8は矩形断面の止め輪の例、図9は円形断面の止め輪の例である。このため、止め輪82は、図8(a)と図9(a)に示す自由状態から内径方向への縮径力の付与によって、縮径し、この縮径力の付与の解除によって、図8(a)と図9(a)に示す自由状態に戻る。
矩形断面の止め輪82の場合、図8(b)に示すように、外径側稜線部に面取部83,83を形成している。このように、外径側稜線部を面取りした矩形断面の止め輪82、あるいは、円形断面の止め輪82を採用することにより、ナックル34の孔に外方部材25を圧入するとき、止め輪82をスムーズに縮径させて外方部材25の環状溝80内に沈み込みやすくすることができる。同様の目的で、ナックル34の孔のアウトボード側端部も面取りするのが好ましい。ナックル34の孔のアウトボード側端部は、外方部材25を圧入するときの入口部となることから、圧入をスムーズに開始するためである。なお、図8に示す止め輪82は、外径面の断面形状を凸曲面としているが、平坦面形状にて構成してもよい。
止め輪82の材料は、外方部材25、ナックル34の材料よりもせん断応力が小さいものを採用する。ナックル34の材料には種々のものがあるが、一般に、鋳鉄、アルミニウム合金ダイカスト、アルミニウム合金鋳物等である。また、許容せん断応力は、材料、形状、肉厚等々によっても異なるが、一応の目安として例示するならば、アルミニウム合金ダイカストの場合200MPa以下である。
一方、1500ccクラスの車両の場合、5.7kN(580kgf)程度の耐力が必
要である。耐力5.7kNとは、スラスト荷重として5.7kNが止め輪に負荷されても止め輪が変形または破損しないことを意味する。すなわち、この止め輪82は、このように装着された状態でのこのアクスルモジュールの通常使用時に生じる引き抜き力では、変形または破損しない。この場合のせん断応力は、止め輪82の寸法にもよるが、10MPa程度(5〜15MPa)になる。したがって、止め輪82の材料が備えるべきせん断応力としては、5MPa以上150MPa以下の範囲が好ましい。
そのような材料の一例としては熱可塑性合成樹脂も挙げられる。具体例を挙げるならば、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ABS樹脂(アクリルニトリルブタジェンスチレン樹脂)等である。樹脂製の止め輪は射出成型により比較的安価に量産することができる。したがって、分解時には止め輪82のせん断応力を越える引き抜き力を付与してナックル34から外方部材25を引き抜くことができる。このとき、止め輪82が変形または破損して分解を許容するので、外方部材25やナックル34の破損が防止される。再組付けに当たっては、変形または破損した止め輪は新品と交換する。
次に、凹凸嵌合構造Mの嵌合方法を説明する。この場合、図10に示すように、軸部12の外径部には熱硬化処理を施し、この硬化層Hに軸方向に沿う凸部41aと凹部41bとからなるスプライン41を形成する。このため、スプライン41の凸部41aが硬化処理されて、この凸部41aが凹凸嵌合構造Mの凸部35となる。このスプライン41は、軸部12の本体部12aの小径部側に設けられている。なお、この実施形態での硬化層Hの範囲は、クロスハッチング部で示すように、スプライン41の外端縁から外輪5のマウス部11の底壁の一部までである。この熱硬化処理としては、高周波焼入れや浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。ここで、高周波焼入れとは、高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体を加熱する原理を応用した焼入れ方法である。また、浸炭焼入れとは、低炭素材料の表面から炭素を浸入/拡散させ、その後に焼入れ行う方法である。軸部12のスプライン41のモジュールを0.5以下の小さい歯とする。ここで、モジュールとは、ピッチ円直径を歯数で割ったものである。
ハブ輪1の孔部22の内径面37(つまり、軸部嵌合孔22aの内径面)側においては
熱硬化処理を行わない未硬化部(未焼き状態)とする。外輪5の軸部12の硬化層Hとハブ輪1の未硬化部との硬度差は、HRCで20ポイント以上とする。さらに、具体的には、硬化層Hの硬度を50HRCから65HRC程度とし、未硬化部の硬度を10HRCから30HRC程度とする。
この際、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面(この場合、孔部22の軸部嵌合孔22aの内径面37)の位置に対応する。すなわち、図10に示すように、軸部嵌合孔22aの内径面37の内径寸法Dを、凸部35の最大外径、つまりスプライン41の凸部41aである前記凸部35の頂点を結ぶ円の最大直径寸法(外接円直径)D1よりも小さく、凸部間の軸部外径面の外径寸法、つまりスプライン41の凹部41bの底を結ぶ円の直径寸法D2よりも大きく設定される。すなわち、D2<D<D1とされる。また、孔部22の大径部46の孔径寸法D3よりもD1を小さく設定する。
スプライン41は、従来からの公知公用の手段である転造加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。また、熱硬化処理としては、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。なお、スプライン41を形成することによって構成された凸部35の圧入開始端面35aは、軸部12の軸線方向に対して直交する平坦面とされる。
そして、図10に示すように、軸部12にシール部材59を外嵌し、ハブ輪1の軸心と等速自在継手3の外輪5の軸心とを合わせた状態とする。この状態で、ハブ輪1に対して、外輪5の軸部12を挿入(圧入)していく。すなわち、軸部圧入ガイド構造M1の各ガイド用凹部44aに、軸部12の各凸部35を挿入させる。これによって、ハブ輪1の軸心と外輪5の軸心とが一致した状態となる。この際、各ガイド用凹部44aの凹凸嵌合構造側の端部が、圧入方向に対して直交する平坦面77a(図3参照)であるので、凸部35の圧入開始端面35aを受けることができ、この状態から圧入していくことができる。この際、前記したように、軸部嵌合孔22aの内径面37の内径寸法Dと、凸部35の最大外径寸法D1と、スプライン41の凹部の直径寸法D2とが前記のような関係であり、しかも、凸部35の硬度が内径面37の硬度よりも20ポイント以上大きいので、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入していけば、この凸部35が内径面37に食い込んでいき、凸部35が、この凸部35が嵌合する凹部36を、軸方向に沿って形成していくことになる。
この圧入は、軸部12の小径部12bの端面52が位置決め用内壁22cの端面53に当接するまで行われる。これによって、図4(a)(b)に示すように、軸部12の凸部35と、これに嵌合する凹部36との嵌合接触部位38の全体が密着している。すなわち、相手側の凹部形成面(この場合、孔部22の軸部嵌合孔22aの内径面37)に凸部35の形状の転写を行うことになる。この際、凸部35が孔部22の内径面37に食い込んでいくことによって、孔部22が僅かに拡径した状態となって、凸部35の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、孔部22が元の径に戻ろうとして縮径することになる。言い換えれば、凸部35の圧入時にハブ輪1が径方向に弾性変形し、この弾性変形分の予圧が凸部35の歯面(凹部嵌合部位の表面)に付与される。このため、凸部35の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部36に対して密着する凹凸嵌合構造Mを確実に形成することができる。すなわち、軸部12側のスプライン(雄スプライン)41によって、ハブ輪1の孔部22の内径面に、雄スプライン41に密着する雌スプライン42が形成される。
このように、凹凸嵌合構造Mが構成されるが、この場合の凹凸嵌合構造Mは転がり軸受2の軌道面26、27、28、29の避直下位置に配置される。ここで、避直下位置とは、軌道面26、27、28、29のボール接触部位置に対して径方向に対応しない位置である。
圧入後には、反継手側から軸部12のねじ孔50にボルト部材54を螺着する。このように、ボルト部材54を軸部12のねじ孔50に螺着することによって、ボルト部材54の頭部54aのフランジ部60が位置決め用内壁22cの凹窪部51に当接する。これによって、軸部12の反継手側の端面52とボルト部材54の頭部54aとで位置決め用内壁22cが挟持される。
軸部12に外嵌されたシール部材59によって、ハブ輪1の加締部31とマウス部11の底外面11aとの間の隙間58を塞ぐことができる。
この場合、ボルト部材54の座面60aと位置決め用内壁22cとの間もシール材(図
示省略)を介在させてもよい。例えば、ボルト部材54の座面60aに、塗布後に硬化し
て座面60aと位置決め用内壁22cの凹窪部51の底面との間において密封性を発揮できる種々の樹脂からなるシール材(シール剤)を塗布すればよい。なお、このシール材としては、この車輪用軸受装置が使用される雰囲気中において劣化しないものが選択される。
このように、本発明では、軸部12の凸部35とハブ輪1の凹部36との嵌合接触部位38全域が密着する凹凸嵌合構造Mを確実に形成することができる。しかも、凹部36が形成される部材には、スプライン部等を形成しておく必要がなく、生産性に優れ、しかもスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができ、安定した嵌合状態を維持できる。
凹凸嵌合構造Mは、凸部35と凹部36との嵌合接触部位38の全体が密着しているので、この嵌合構造Mにおいて、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成され
ない。このため、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。
軸部圧入ガイド構造M1を設けたので、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入する際には、軸部圧入ガイド構造M1に沿って圧入させていくことができる。
ところで、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入していけば、形成されるはみ出し部45は、図3と図6に示すように、カールしつつ軸部12の小径部12bの外径側に設けられる空間からなる空間の収納部57に収納されて行く。ここで、はみ出し部45は、凸部35が嵌入(嵌合)する凹部36の容量の材料分であって、形成される凹部36から押し出されたもの、凹部36を形成するために切削されたもの、又は押し出されたものと切削されたものの両者等から構成される。このため、孔部22の内径面から削り取られたり、押し出されたりした材料の一部であるはみ出し部45が収納部57内に入り込んでいく。
このように、前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部45を収納する収納部57を設けることによって、はみ出し部45をこの収納部57内に保持(維持)することができ、はみ出し部45が装置外の車両内等へ入り込んだりすることがない。すなわち、はみ出し部45を収納部57に収納したままにしておくことができ、はみ出し部45の除去処理を行う必要がなく、組立作業工数の減少を図ることができて、組立作業性の向上及びコスト低減を図ることができる。
ボルト固定によって、ハブ輪1からの軸部12の軸方向の抜けが規制され、長期にわたって安定したトルク伝達が可能となる。特に、外輪5の軸部12の反継手側の端面52とボルト部材54の頭部54aとで挟持される位置決め用内壁22cを設けたことによって、ボルト固定が安定するとともに、位置決めされたことによって、この車輪用軸受装置の寸法精度が安定するとともに、軸方向に沿って配設される凹凸嵌合構造Mの軸方向長さを安定した長さに確保することができ、トルク伝達性の向上を図ることができる。
ハブ輪1の端部が加締られて転がり軸受2に対して予圧が付与されるので、外輪5のマウス部11によって転がり軸受2に予圧を付与する必要がなくなる。このため、転がり軸受2への予圧を考慮することなく、外輪5の軸部12を圧入することができ、ハブ輪1と外輪5との連結性(組み付け性)の向上を図ることができる。マウス部11がハブ輪1と非接触状であるので、マウス部11とハブ輪1との接触による異音の発生を防止できる。
外輪5のマウス部11と、ハブ輪1の端部が加締られてなる加締部31との間の隙間58をシール部材59にて密封しているので、この隙間58から雨水や異物の侵入が防止され凹凸嵌合構造Mへの雨水や異物等の侵入による密着性の劣化を回避することができる。ハブ輪1と外輪5の軸部12とのボルト固定を行うボルト部材54の座面60aと、位置決め用内壁22cとの間にシール材を介在させたので、このボルト部材54からの凹凸嵌合構造Mへの雨水や異物の侵入が防止され、品質向上を図ることができる。
また、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面上に配置されるようにすることによって、凸部35が圧入時に凹部形成面に食い込んでいき、凹部36を確実に形成することができる。すなわち、凸部35の相手側に対する圧入代を十分にとることができる。これによって、凹凸嵌合構造Mの成形性が安定し、圧入荷重のばらつきも無く、安定した捩り強度が得られる。
図1等に示す実施形態では、外輪5の軸部12に凹凸嵌合構造Mの凸部35を設けるとともに、この凸部35の軸方向端部の硬度をハブ輪1の孔部内径部よりも高くして、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入するものであれば、軸部側の硬度を高くでき、軸部の剛
性を向上させることができる。
凹凸嵌合構造Mを転がり軸受2の軌道面の避直下位置に配置することによって、軸受軌道面におけるフープ応力の発生を最小限に抑えることができる。これにより、転がり疲労寿命の低下、クラック発生、及び応力腐食割れ等の軸受の不具合発生を防止することができ、高品質な軸受2を提供することができる。
前記実施形態のように、軸部12に形成するスプライン41は、モジュールが0.5以下の小さい歯を用いたので、このスプライン41の成形性の向上を図ることができるとともに、圧入荷重の低減を図ることができる。なお、凸部35を、この種のシャフトに通常形成されるスプラインをもって構成することができるので、低コストにて簡単にこの凸部35を形成することができる。
ところで、図11に示すように組立られたアスクルモジュールは、ナックル34に装着されることになる。この場合、図12に示すように、外方部材25の外径D11を等速自在継手T1の最大外径寸法D12よりも大径とする。ここで、等速自在継手T1の最大外径寸法D12は、ブーツ18およびブーツバンド19a,19b等の付属品も含めた状態でのこの等速自在継手T1の最大外径寸法を意味する。また、インボード側等速自在継手T2の最大外径寸法D13を外方部材25の外径D11よりも小径に設定する。インボード側等速自在継手T2の最大外径寸法D13は、アウトボード側等速自在継手T1の場合と同様に、ブーツ140およびブーツバンド141a,141b等の付属品も含めた状態でのインボード側等速自在継手T2の最大外径寸法を意味する。また、ナックル34の孔34aのアウトボード側端縁には面取部90が設けられている。
アクスルモジュールの車両への組み付けは、ナックル34にこのアクスルモジュールをインボード側の等速自在継手T2側から通し、続いてアウトボード側の等速自在継手T1を通過させ、最後に、車輪用軸受装置の外方部材25をナックル34の孔の内径面34aに圧入することになる。これによって、外方部材25がナックル34に圧入された状態で、止め輪82が外方部材25の外周面25aの環状溝80とナックル34の内径面34aの環状溝81とに係合する。
この圧入時には、外方部材25の外周面の環状溝80に係合している止め輪82がナックル34の孔34aの内周面に案内される。これによって、止め輪82が縮径してナックル34の孔34aの環状溝81への摺動が許容される。そして、止め輪82がナックル34の孔34aの環状溝81に対応した状態で縮径力が解除され、拡径して(自由状態に戻って)、この環状溝81に係合することになる。すなわち、外方部材25の外周面に止め輪82を装着して弾性変形により縮径させた状態でナックル34の孔34aに挿入し、軸方向に移動させると、止め輪82がナックル34の孔34aの止め輪溝(環状溝)81の位置に到達し次第、弾性により拡径してナックル34の孔34a内に拡がり、双方の止め輪溝80、81に係合するに至る。
また、ナックル34の孔34aのアウトボード側端縁には面取部90が設けられているので、ナックル34の孔34aへのアクスルモジュールの挿入作業の容易化を図ることができる。特に、外方部材25に装着されている止め輪82が面取部90にガイドされて滑らかに順次縮径することになって、圧入時に止め輪82がナックル34の孔34aの内周面を滑らかに摺動することになる。
ところで、この実施形態におけるハブ輪1はパイロット部を設けていないため、冷間鍛造が容易な形状であり、したがって生産性の向上に寄与する。この場合、ハブ輪1とは別体の、パイロット部をもった部材をハブ輪1に取り付けることになる。すなわち、ブレーキロータ142にパイロット部144を設けるとともに、ハブ輪1のフランジ21の外周面21aをブレーキパイロットとしてある。この場合、ホイールパイロット部を設けないことでハブ輪1が簡略形状となり、鍛造が容易となる。したがって、ハブ輪1を冷間鍛造により低コストで製造することができる。
この車輪用軸受装置では、図1に示す状態から、ボルト部材54を螺退させることによって、ボルト部材54を取外せば、ハブ輪1から外輪5を引き抜くことができる。すなわち、凹凸嵌合構造Mの嵌合力は、外輪5に対して所定力以上の引き抜き力を付与することにより引き抜くことができるものである。
例えば、図13に示すような治具70にてハブ輪1と等速自在継手3とを分離することができる。治具70は、基盤71と、この基盤71のねじ孔72に螺進退可能に螺合する押圧用ボルト部材73と、軸部12のねじ孔50に螺合されるねじ軸76とを備える。基盤71には貫孔74が設けられ、この貫孔74にハブ輪1のボルト33が挿通され、ナット部材75がこのボルト33に螺合される。この際、基盤71とハブ輪1のフランジ21とが重ね合わされて、基盤71がハブ輪1に取り付けられる。
このように基盤71をハブ輪1に取り付けた後、又は基盤71を取り付ける前に、基部76aが位置決め用内壁22cから反継手側へ突出するように、軸部12のねじ孔50にねじ軸76を螺合させる。この基部76aの突出量は、凹凸嵌合構造Mの軸方向長さよりも長く設定される。ねじ軸76と、押圧用ボルト部材73とは、同一軸心上(この車輪用軸受装置の軸心上)に配設される。
その後は、図13に示すように、押圧用ボルト部材73を反継手側から基盤71のねじ孔72に螺着し、この状態で、矢印のようにねじ軸76側へ螺進させる。この際、ねじ軸76と、押圧用ボルト部材73とは、同一軸心上(この車輪用軸受装置の軸心上)に配設されているので、この螺進によって、押圧用ボルト部材73がねじ軸76を矢印方向へ押圧する。これによって、外輪5がハブ輪1に対して矢印方向へ移動して、ハブ輪1から外輪5が外れる。
また、ハブ輪1から外輪5が外れた状態からは、例えば、ボルト部材54を使用して再度、ハブ輪1と外輪5とを連結することができる。すなわち、ハブ輪1から基盤71を取外すとともに、軸部12からねじ軸76を取外した状態として、図15(a)に示すように、軸部12の凸部35をガイド用凹部44aに挿入させる。これによって、軸部12側の雄スプライン41と、前回の圧入によって形成されたハブ輪1の雌スプライン42との位相が合う。この際、図5(a)に示すように、凸部35の頂部とガイド用凹部44aの底部との間に径方向隙間C1が形成される。
この状態で、図14に示すように、ボルト部材54を貫通孔56を介して軸部12のねじ孔50に螺合させ、ボルト部材54をねじ孔50に対して螺進させる。これによって、図15(b)に示すように、軸部12がハブ輪1内へ嵌入していく。この際、孔部22が僅かに拡径した状態となって、軸部12の軸方向の進入を許容し、軸部12の小径部12bの端面52が位置決め用内壁22cの端面53に当接するまで侵入する。この場合、位置決め用内壁22cと小径部12bが当接し、同時に図15(c)に示すように、凸部35の端面35aが凹部36の端面36aに当接する。軸方向の移動が停止した状態となれば、孔部22が元の径に戻ろうとして縮径することになる。これによって、前回の圧入と同様、凸部35の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部36に対して密着する凹凸嵌合構造Mを確実に構成することができる。
なお、軸部12のねじ孔50の開口部が開口側に向かって拡開するテーパ部50aとさているので、ねじ軸76やボルト部材54をねじ孔50に螺合させ易い利点がある。
ところで、1回目(孔部22の内径面37に凹部36を成形する圧入)では、圧入荷重が比較的大きいので、圧入のために、プレス機等を使用する必要がある。これに対して、このような再度の圧入では、圧入荷重は1回目の圧入荷重よりも小さいため、プレス機等を使用することなく、安定して正確に軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入することができる。このため、現場での外輪5とハブ輪1との分離・連結が可能となる。
このように、外輪5の軸部12に軸方向の引き抜き力を付与することによって、ハブ輪1の孔部22から外輪5を取外すことができるので、各部品の修理・点検の作業性(メンテナンス性)の向上を図ることができる。しかも、各部品の修理・点検後に再度外輪5の軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入することによって、凸部35と凹部36との嵌合接触部位38全域が密着する凹凸嵌合構造Mを構成することができる。このため、安定したトルク伝達が可能な車輪用軸受装置を再度構成することができる。
この軸部圧入ガイド構造M1では、凸部35の位相と、他方の凹部36の位相とを一致させるガイド用凹部44aを有しているので、再度、外側手部材の軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入する際に、前回の圧入によって形成された凹部36に嵌入して行き、凹部36を損傷させることがない。このため、再度、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が生じない凹凸嵌合構造Mを高精度に構成することができる。
凸部35の頂部とガイド用凹部44aの底部との間等に隙間を形成することによって、圧入前工程での凸部35のガイド用凹部44aへの嵌入を容易にでき、しかも、ガイド用凹部44aが凸部35の圧入の妨げにならない。このため、組立性の向上を図ることができる。
ボルト部材54をねじ孔50に対して螺進させる際に、図10に示すように、ボルト部材54の基部55aが、貫通孔56に対応した状態となる。しかも、貫通孔56の孔径d1は、軸部54bの大径の基部55aの外径d2よりも僅かに大きく設定される(具体的には、0.05mm<d1−d2<0.5mm程度とされる)ので、ボルト部材54の基部55aの外径と、貫通孔56の内径とが、ボルト部材54がねじ孔50を螺進する際のガイドを構成することができ、芯ずれすることなく、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入することができる。なお、貫通孔56の軸方向長さとしても、短すぎると、安定したガイドを発揮できず、逆に長すぎると、位置決め用内壁22cの厚さ寸法が大となって、凹凸嵌合構造Mの軸方向長さを確保できないとともに、ハブ輪1の重量が大となる。このため、これらを考慮して種々変更することができる。
前記実施形態では、図5(a)に示すように、凸部35の頂部とガイド用凹部44aの底部との間に径方向隙間C1が形成されているが、図5(b)に示すように、凸部35の側部とガイド用凹部44aの側部との間に周方向隙間C2、C2を形成するようにしてもよい。また、図5(c)に示すように、凸部35の頂部とガイド用凹部44aの底部との間に径方向隙間C1、および凸部35の側部とガイド用凹部44aの側部との間に周方向
隙間C2を形成するようにしてもよい。このような隙間を形成することによって、圧入前工程での凸部35のガイド用凹部44aへの嵌入を容易にでき、しかも、ガイド用凹部44aが凸部35の圧入の妨げにならない。
前記図4に示すスプライン41では、凸部41aのピッチと凹部41bのピッチとが同一設定される。このため、前記実施形態では、図4(b)に示すように、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さLと、周方向に隣り合う凸部35間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L0とがほぼ同一となっている。
これに対して、図16(a)に示すように、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さL2を、周方向に隣り合う凸部35間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L1よりも小さいものであってもよい。すなわち、軸部12に形成されるスプライン41において、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L2を、凸部35間に嵌合するハブ輪1側の凸部43の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L1よりも小さくしている。
このため、軸部12側の全周における凸部35の歯厚の総和Σ(B1+B2+B3+・・・)を、ハブ輪1側の凸部43(凸歯)の歯厚の総和Σ(A1+A2+A3+・・・)よりも小さく設定している。これによって、ハブ輪1側の凸部43のせん断面積を大きくすることができ、ねじり強度を確保することができる。しかも、凸部35の歯厚が小であるので、圧入荷重を小さくでき、圧入性の向上を図ることができる。凸部35の周方向厚さの総和を、相手側の凸部43における周方向厚さの総和よりも小さくする場合、全凸部35の周方向厚さL2を、周方向に隣り合う凸部35間における周方向の寸法L1よりも小さくする必要がない。すなわち、複数の凸部35のうち、任意の凸部35の周方向厚さが周方向に隣り合う凸部間における周方向の寸法と同一であっても、この周方向の寸法よりも大きくても、総和で小さければよい。
なお、図16(a)における凸部35は断面台形(富士山形状)としているが、凸部35の形状としては、図16(b)に示すように、インボリュート歯形状であってもよい。
軸部圧入ガイド構造M1としては、図17に示すものであってもよい。図17(a)では、ガイド用凹部44aの凹凸嵌合構造M側の端部が、圧入方向(圧入進行方向)に沿って縮径する傾斜する傾斜面77bとしている。すなわち、傾斜面77bの傾斜角度θとしては、例えば30°〜60°程度としている。
図17(b)(c)は、ガイド用凹部44aの径方向深さ寸法が圧入方向に沿って縮径するものである。また、図17(b)では、凹凸嵌合構造M側の端部を圧入方向に直交する平坦面77aとし、図17(c)では、凹凸嵌合構造M側の端部を圧入方向(圧入進行方向)に沿って縮径する傾斜する傾斜面77bとしている。
ガイド用凹部44aの凹凸嵌合構造M側の端部が、圧入方向に直交する平坦面77aであれば、軸部12を孔部22に圧入する際において、この平坦面77aで軸部12を受けることができる。また、傾斜面77bであれば、凸部35をガイド用凹部44aから相手側の凹部36へ安定して嵌入させることができる。ガイド用凹部44aの径方向深さが圧入方向に沿って縮径するものであっても、凸部35をガイド用凹部44aから相手側の凹部36へ安定して嵌入させることができる。
次に、図18は他の実施形態を示し、この場合、ハブ輪1のアウトボード側の端面に、ブレーキパイロット部148aとホイールパイロット部148bとからなるパイロット部148が設けられている。
この図18に示すアクスルモジュールの他の構成は前記図1に示すアクスルモジュールと同様であり、図1と同一の構成は同一の符号を附してそれらの説明を省略する。
このため、図19に示すように組み立てた後、図20に示すように、ナックル34にこのアクスルモジュールをインボード側の等速自在継手T2側から通し、続いてアウトボード側の等速自在継手T1を通過させ、最後に、車輪用軸受装置の外方部材25をナックル34の孔の内径面34aに圧入することになる。
このため、図18に示すアクスルモジュールであっても、図1に示すアクスルモジュールと同様の作用効果を奏する。
ところで、前記各実施形態では、軸部12側に凸部35を構成するスプライン41を形成するとともに、この軸部12のスプライン41に対して硬化処理を施し、ハブ輪1の内径面を未硬化(生材)としている。これに対して、図21に示すように、ハブ輪1の孔部
22の内径面に硬化処理を施されたスプライン61(凸条61a及び凹条61bとからなる)を形成するとともに、軸部12には硬化処理を施さないものであってもよい。なお、このスプライン61も公知公用の手段であるブローチ加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。また、熱硬化処理としても、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
この場合、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面(軸部12の外径面)の位置に対応する。すなわち、スプライン61の凸部61aである凸部35の頂点を結ぶ円の径寸法(凸部35の最小径寸法)D4を、軸部12の外径寸法D6よりも小さく、スプライン61の凹部61bの底を結ぶ円の径寸法(凸部間の嵌合用孔内径面の内径寸法)D5を軸部12の外径寸法D6よりも大きく設定する。すなわち、D4<D6<D5とされる。
軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入すれば、ハブ輪1側の凸部35によって、軸部12の外周面にこの凸部35が嵌合する凹部36を形成することができる。これによって、凸部35とこれに嵌合する凹部36との嵌合接触部位38の全体が密着している。
ここで、嵌合接触部位38とは、図21(b)に示す範囲Bであり、凸部35の断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部35間において、軸部12の外周面よりも外径側に隙間62が形成される。
この図21に示すものでも、軸部圧入ガイド構造M1を設けるのが好ましい。この場合、軸部12側にガイド用凹部44aを設ければよい。また、凸部35の頂部とガイド用凹部44aの底部との間に径方向隙間C1を形成したり、凸部35の側部とガイド用凹部44aの側部との間に周方向隙間C2、C2を形成したり、さらには、径方向隙間C1及び周方向隙間C2、C2を形成したりすることができる。
図21に示す場合であっても、圧入によってはみ出し部45が形成されるので、このはみ出し部45を収納する収納部57を設けるのが好ましい。はみ出し部45は軸部12のマウス側に形成されることになるので、収納部をハブ輪1側に設けることになる。
このように、ハブ輪1の孔部22の内径面37に凹凸嵌合構造Mの凸部35を設けるとともに、この凸部35の軸方向端部の硬度を外輪5の軸部12の外径部よりも高くして、圧入するものでは、軸部側の硬度処理(熱処理)を行う必要がないので、等速自在継手の外側継手部材(外輪5)の生産性に優れる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、凹凸嵌合構造Mの凸部35の形状として、前記図4に示す実施形態では断面三角形状であり、図16(a)に示す実施形態では断面台形(富士山形状)であるが、これら以外の半円形状、半楕円形状、矩形形状等の種々の形状のものを採用でき、凸部35の面積、数、周方向配設ピッチ等も任意に変更できる。すなわち、スプライン41を形成し、このスプライン41の凸部(凸歯)41aをもって凹凸嵌合構造Mの凸部35とする必要はなく、キーのようなものであってもよく、曲線状の波型の合わせ面を形成するものであってもよい。要は、軸方向に沿って配設される凸部35を相手側に圧入し、この凸部35にて凸部35に密着嵌合する凹部36を相手側に形成することができて、凸部35とこれに嵌合する凹部との嵌合接触部位38の全体が密着し、しかも、ハブ輪1と等速自在継手3との間で回転トルクの伝達ができればよい。
ハブ輪1の孔部22としては円孔以外の多角形孔等の異形孔であってよく、この孔部22に嵌挿する軸部12の端部の断面形状も円形断面以外の多角形等の異形断面であっても
よい。さらに、ハブ輪1に軸部12を圧入する際に凸部35の圧入始端部のみが、凹部36が形成される部位より硬度が高ければよいので、凸部35の全体の硬度を高くする必要がない。図4等では隙間40が形成されるが、凸部35間の凹部まで、ハブ輪1の内径面37に食い込むようなものであってもよい。なお、凸部35側と、凸部35にて形成される凹部形成面側との硬度差としては、HRCで20ポイント以上とするのが好ましいが、凸部35が圧入可能であれば20ポイント未満であってもよい。
凸部35の端面(圧入始端)は前記実施形態では軸方向に対して直交する面であったが、軸方向に対して、所定角度で傾斜するものであってもよい。この場合、内径側から外径側に向かって反凸部側に傾斜しても凸部側に傾斜してもよい。
さらに、ハブ輪1の孔部22の内径面37に、周方向に沿って所定ピッチで配設される小凹部を設けてもよい。小凹部としては、凹部36の容積よりも小さくする必要がある。このように小凹部を設けることによって、凸部35の圧入性の向上を図ることができる。すなわち、小凹部を設けることによって、凸部35の圧入時に形成されるはみ出し部45の容量を減少させることができて、圧入抵抗の低減を図ることができる。また、はみ出し部45を少なくできるので、収納部57の容積を小さくでき、収納部57の加工性及び軸部12の強度の向上を図ることができる。なお、小凹部の形状は、半楕円状、矩形等の種々のものを採用でき、数も任意に設定できる。
軸受2の転動体30として、ローラを使用したものであってもよい。また、前記実施形態では、第3世代の車輪用軸受装置を示したが、第1世代や第2世代さらには第4世代であってもよい。なお、凸部35を圧入する場合、凹部36が形成される側を固定して、凸部35を形成している側を移動させても、逆に、凸部35を形成している側を固定して、凹部36が形成される側を移動させても、両者を移動させてもよい。なお、等速自在継手3において、内輪6とシャフト10とを前記各実施形態に記載した凹凸嵌合構造Mを介して一体化してもよい。
ハブ輪1と軸部12とのボルト固定を行うボルト部材54の座面60aと、位置決め用内壁22cとの間に介在されるシール材は、前記実施形態ではボルト部材54の座面60a側に樹脂を塗布して構成していたが、逆に、位置決め用内壁22c側に樹脂を塗布するようにしてもよい。また、座面60a側および位置決め用内壁22c側に樹脂を塗布するようにしてもよい。なお、ボルト部材54を螺着した際において、ボルト部材54の座面60aと、位置決め用内壁22cの凹窪部51の底面とが密着性に優れるものであれば、このようなシール材を省略することも可能である。すわなち、凹窪部51の底面を研削することによって、ボルト部材54の座面60aとの密着性を向上させたりすることができる。もちろん、凹窪部51の底面を研削することなく、いわゆる旋削仕上げ状態であっても、密着性を発揮できれば、シール材を省略することができる。
ガイド用凹部44aとしては、図5(a)(b)(c)に示すように、凸部35との間に隙間C1、C2が形成されることになるが、これらの隙間寸法としては、圧入時に芯ずれや芯傾きが生ぜず、しかも、凸部35がガイド用凹部44aの内面に圧接して圧入荷重の増大を招かないものであればよい。また、ガイド用凹部44aの軸方向長さとしても任意に設定でき、長ければ、芯合わせ上好ましいが、ハブ輪1の孔部22の軸方向長さからその上限は限られる。逆にハブ輪1の孔部22の軸方向長さが短ければ、ガイドとして機能せずに、芯ずれや芯傾きが生じるおそれがある。このため、ガイド用凹部44aの軸方向長さをこれらを考慮して決定する必要がある。
また、ガイド用凹部44aの断面形状としては、凸部35が挿入可能なものであればよく、図5に示すものに限るものではない。凸部35の断面形状等に応じて種々変更できる
。ガイド用凹部44aの数としても、凸部35の数に合わせることなく、凸部35の数よりも少なくても、多くてもよい。要は、いくつかの凸部35がいくつかのガイド用凹部44aに挿入して、凸部35の位相と、前回の圧入で形成された凹部36の位相とが一致すればよい。
ガイド用凹部44aの端部の傾斜面77bの傾斜角度θやガイド用凹部44aの底部の傾斜角度θ1も任意に変更できる。傾斜面77bの傾斜角度θが90°に近ければ、圧入方向に直交する平坦面77aと機能的に同じとなり、傾斜角度θが小さければ、ガイド用凹部44aが長くなって、凹凸嵌合構造Mの軸方向長さが短くなる。また、底部の傾斜角度θ1が大きくなれば、ガイド用凹部44aの構成が困難となり、逆に小さければ、傾斜させる場合の機能を発揮できない。このため、各傾斜角度θ、θ1をこれらを考慮して設定する必要がある。
前記実施形態では、外輪5のマウス部11の底部裏面11aと加締部31の端面31aとを非接触としているが、これらを当接させてもよい。外輪5のマウス部11の底部裏面11aと加締部31の端面31aとが当接している場合、当接面同士が擦れ合うことが原因で異音が発生するおそれがある。しかしながら、当接した状態であっても、その当接力、当接面の材質、当接面の仕上がり状態等によっては異音が発生しないように設定できる。このため、本発明では、当接(接触)させている。
すなわち、接触させた場合、ハブ輪1の加締部31とマウス部11の底部裏面(バック面)11aとの接触面圧が100MPaを越えると、異音を発生するおそれがある。これは、大トルク負荷時に、等速自在継手3の外輪5とハブ輪1との捩れ量に差が生じ、この差により、等速自在継手3の外輪5とハブ輪1との接触部に急激なスリップが生じて異音が発生する。これに対して、接触面圧が100MPa以下であれば、急激なスリップが生じることを防止できて、異音の発生を抑えることができる。これによって、静粛な車輪用軸受装置を構成することができる。ハブ輪1の加締部31の外端面31aとマウス部11のバック面11aとの接触部の面圧は、ボルト部材54の締付けトルクの大きさに左右されるが、締付けトルクにより発生する軸力は、凹凸嵌合部の軸方向摩擦力や凹凸嵌合部をさらに成形する力(凹凸嵌合部成形時の圧入荷重)で消費されるため、それ以上の軸力をかけた場合にしか接触面圧は高くならない。従って容易に接触面圧を100MPa以下に抑えることができ、スティックスリップ音は発生しない。なお、接触面圧が100MPa以下であっても、シール構造を構成することができる面圧以上である必要がある。
止め輪82の断面形状は、図8や図9に示すものに限るものではなく、楕円乃至長円形、三角形、5角形以上の多角形等の種々のものを採用することができる。
本発明の第1実施形態を示すアクスルモジュールの縦断面図である。 前記アクスルモジュールの車輪用軸受装置の縦断面図である。 車輪用軸受装置の凹凸嵌合構造の拡大縦断面図である。 前記車輪用軸受装置の凹凸嵌合構造を示し、(a)は図3のZ−Z線断面図であり、(b)は(a)のX部拡大図である。 前記車輪用軸受装置の軸部圧入ガイド構造を示し、(a)は図2のW−W線断面であり、(b)は軸部圧入ガイド構造の第1変形例を示す拡大断面図であり、(c)は軸部圧入ガイド構造の第2変形例を示す拡大断面図である。 前記車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 前記車輪用軸受装置の外輪のマウス部とハブ輪の加締部との間の隙間を密封するシール部材を示し、(a)はOリングを用いたときの拡大断面図であり、(b)がガスケットを用いたときの拡大断面図である。 外方部材とナックルとの間に装着される止め輪を示し、(a)は正面図であり、(b)は拡大断面図である。 外方部材とナックルとの間に装着される他の止め輪を示し、(a)は正面図であり、(b)は拡大断面図である。 車輪用軸受装置の組立方法を示す断面図である。 組立られた状態のアクスルモジュールの断面図である。 アクスルモジュールをナックルに装着する方法を示す断面図である。 車輪用軸受装置の分離方法を示す断面図である。 再圧入方法を示す断面図である。 再圧入方法を示し、(a)は圧入直前状態を示す断面図であり、(b)は圧入途中を示す断面図であり、(c)は圧入完了状態を示す断面図である。 凹凸嵌合構造の変形例を示す断面図である。 軸部圧入ガイド構造を示し、(a)は第1変形例の断面図であり、(b)は第2変形例の断面図であり、(c)は第3変形例の断面図である。 本発明の第2実施形態を示すアクスルモジュールがナックルに装着された状態の縦断面図である。 前記図18のアクスルモジュールの縦断面図である。 前記図18のアクスルモジュールのナックルへの装着方法を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態を示す車輪用軸受装置を示し、(a)は横断面図である。(b)は(a)のY部拡大図である。 従来の車輪用軸受装置の断面図である。
符号の説明
1 ハブ輪
2 軸受
3 等速自在継手
10 中間軸(シャフト)
11 マウス部
12 軸部
22 孔部
25 外方部材
26 外側軌道面
27 外側軌道面
28 内側軌道面
29 内側軌道面
30 転動体
34 ナックル
34a 孔
35 凸部
36 凹部
37 内径面
38 嵌合接触部位
80,81 周方向溝
82 止め輪
M 凹凸嵌合構造
T1 アウトボード側等速自在継手
T2 インボード側等速自在継手

Claims (11)

  1. 内周に複列の外側軌道面を形成した外方部材と、外周に複列の内側軌道面を形成した内方部材と、外方部材の外側軌道面と内方部材の内側軌道面との間に配置される転動体とを有する車輪用軸受を備え、内方部材は外径面に車輪取付用フランジが突設されるハブ輪を有し、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部とが凹凸嵌合構造を介して分離可能に結合された車輪用軸受装置であって、
    外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成し、かつこの凹凸嵌合構造は軸方向の引き抜き力付与による分離を許容し、
    前記外方部材を車両のナックルの孔と所定のはめあいで嵌合させるとともに、前記外方部材の外周面と前記ナックルの孔の内周面にそれぞれ環状溝を形成し、双方の環状溝に係合させた止め輪によって、前記ナックルから前記外方部材の抜け止めをするとともに、通常使用時に作用する引き抜き力よりも大きな引き抜き力付与による前記止め輪の変形または破断のみによって前記外方部材を前記ナックルから分離可能としたことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 外側継手部材の軸部に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度をハブ輪の孔部内径部よりも高くして、前記軸部をハブ輪の孔部に凸部の軸方向端部側から圧入することによって、この凸部にてハブ輪の孔部内径面に凸部に密着嵌合する凹部を形成して、前記凹凸嵌合構造を構成することを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. ハブ輪の孔部の内径面に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、少なくともこの凸部の軸方向端部の硬度を等速自在継手の外側継手部材の軸部の外径部よりも高くして、前
    記ハブ輪側の凸部をその軸方向端部側から外側継手部材の軸部に圧入することによって、この凸部にて外側継手部材の軸部の外径面に凸部に密着嵌合する凹部を形成して、前記凹凸嵌合構造を構成することを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記止め輪の材料のせん断応力が前記ナックルの材料のせん断応力よりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記止め輪のせん断応力が5〜150MPaの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記止め輪の材料が熱可塑性合成樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  7. 前記止め輪の外径側稜線部を面取りしたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  8. 前記止め輪の断面形状が円形であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  9. 前記ナックルの孔のアウトボード側端縁を面取りしたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  10. 外方部材がナックルの孔に圧入によって嵌合するとともに、この圧入時には、外方部材の外周面の環状溝に係合している止め輪がナックルの孔の内周面に案内されて縮径してナックルの孔の環状溝への摺動が許容され、止め輪がナックルの孔の環状溝に対応した状態で拡径して、この環状溝に係合することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  11. アウトボード側等速自在継手と、インボード側等速自在継手と、一端側がアウトボード側等速自在継手に連結されるとともに、他端側がインボード側等速自在継手に連結される中間軸とを備え、前記アウトボード側等速自在継手に、前記請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置の等速自在継手を用いたことを特徴とするアクスルモジュール。
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