JP5143442B2 - 駆動車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両において車輪を車体に対して回転自在に支持するための駆動車輪用軸受装置に関する。
エンジンからの動力を駆動車輪に伝達するドライブシャフトは、図3に示すように、アウトボード側(車両に組付けた状態で車両の外側となる方)の固定型等速自在継手104と、インボード側(車両に組付けた状態で車両の内側となる方)の摺動型等速自在継手(図示省略)とを図示省略の中間軸で結合した構成を有する。アウトボード側の等速自在継手104は、車輪用軸受装置で回転自在に支持されたハブ輪102に結合される。
第3世代と呼ばれる車輪用軸受装置は、図3に示すように、外径方向に延びるフランジ101を有するハブ輪102と、このハブ輪102に外側継手部材103が固定される等速自在継手104と、ハブ輪102の外周側に配設される外方部材105とを備える。
等速自在継手104は、前記外側継手部材103と、この外側継手部材103の椀形部107内に配設される内側継手部材108と、この内側継手部材108と外側継手部材103との間に配設されるボール109と、このボール109を保持する保持器110とを備える。また、内側継手部材108の中心孔の内周面にはスプライン部111が形成され、この中心孔に図示省略のシャフトの端部スプライン部が挿入されて、内側継手部材108側のスプライン部111とシャフト側のスプライン部とが係合される。
また、ハブ輪102は、筒部113と前記フランジ101とを有し、フランジ101の外端面114(反継手側の端面)には、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部115が突設されている。なお、パイロット部115は、大径の第1部115aと小径の第2部115bとからなり、第1部115aにブレーキロータが外嵌され、第2部115bにホイールが外嵌される。
そして、筒部113の椀形部107側端部の外周面に小径段部116が設けられ、この小径段部116に内輪117が嵌合されている。ハブ輪102の筒部113の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面118が設けられ、内輪117の外周面に第2内側軌道面119が設けられている。また、ハブ輪102のフランジ101にはボルト装着孔112が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ101に固定するためのハブボルト135がこのボルト装着孔112に装着される。
外方部材105は、その内周に複列の外側軌道面120、121が設けられると共に、その外周にフランジ(車体取付フランジ)132が設けられている。そして、外方部材105の第1外側軌道面120とハブ輪102の第1内側軌道面118とが対向し、外方部材105の第2外側軌道面121と、内輪117の軌道面119とが対向し、これらの間に転動体122が介装される。
ハブ輪102の筒部113に外側継手部材103のステム軸123が挿入される。ステム軸123は、その反椀形部の端部にねじ部124が形成され、このねじ部124と椀形部107との間にスプライン部125が形成されている。また、ハブ輪102の筒部113の内周面(内径面)にスプライン部126が形成され、このステム軸123がハブ輪102の筒部113に挿入された際には、ステム軸123側のスプライン部125とハブ輪102側のスプライン部126とが係合する。
そして、特許文献1に記載のように筒部113から突出したステム軸123のねじ部124にナット部材127が螺着され、ハブ輪102と外側継手部材103とが連結される。この際、ナット部材127の内端面(裏面)128と筒部113の外端面129とが当接するとともに、椀形部107の軸部側の端面130と内輪117の外端面131とが当接する。すなわち、ナット部材127を締め付けることによって、ハブ輪102が内輪117を介してナット部材127と椀形部107とで挟持される。これにより、外側継手部材107とハブ輪102とが軸方向で位置決めされ、かつ車輪用軸受装置に所定の予圧が付与される。
特開2004−270855号公報
しかしながら、上記従来工程では、車輪用軸受装置およびハブ輪102を組付けたナックル部材を、予め中立位置からキングピンセンタを中心として旋回させた位置で待機させ、この状態で等速自在継手104をハブ輪102に固定し、さらにナックル部材を中立位置に戻してからインボード側等速自在継手(図示省略)をディファレンシャル(図示省略)に固定するという煩雑な作業が必要となる。加えて、外輪105のナックル部材へのボルト止めやねじ部124の締め込み等の多くの締結作業が必要となる。従って、ドライブシャフトの組付け工程が煩雑化しており、この点がコスト高の要因となっている。また、多くのナットやボルトを必要とし、部品点数が多くなることもコスト面で不利になっている。
そこで、近年、等速自在継手104の外側継手部材103とハブ輪102との締結方法として、外側継手部材103のステム軸123の外径面とハブ輪102の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を軸方向に沿って他方に圧入し、この他方に凸部にて凸部に密着嵌合する凹部を形成して凹凸嵌合構造を構成して一体化するものが提案されている。この構成とすることによって、ハブ輪102と等速自在継手104とを一体化するためのナット締結作業を省略することができる。
前記密着嵌合方法では、内側部品であるステム軸123を外側部品であるハブ輪102に圧入するため、ハブ輪102及び内輪117は膨張する。この膨張は、各々の部品の軌道溝(軸受軌道面)118、119、内輪肩部117a、両側軌道溝間133、内輪小径外径部134にフープ応力を発生させる。ここで、フープ応力とは、外径方向に拡径しようとする力をいう。このため、このフープ応力が過大となると、軸受不具合の原因となる。軸受軌道面118、119にフープ応力が発生した場合は、転がり疲労寿命の低下やクラック発生を引き起こすおそれがある。また、内輪117は、ハブ輪102に締代をもって圧入した段階でもフープ応力が発生するため、内輪軌道面119、内輪肩部117aにおけるフープ応力の発生が特に大きい。内輪117にフープ応力が発生した場合は、外部に露出した端面部の錆の影響により応力腐食割れを引き起こすおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みて、ナット締結作業が省略でき、コスト低減が可能になるとともに、しかもフープ応力の発生を低減することができて、軸受の不具合の発生を防止できる駆動車輪用軸受装置を提供する。
本発明の駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪と内輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側軌道面に対向する一方の内側軌道面と、円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、及びこのハブ輪に外嵌され、外周に前記複列の外側軌道面に対向する他方の内側軌道面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両軌道面間に転動自在に収容された複列のボールとを備えた駆動車輪用軸受装置において、ハブ輪とハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材のステム軸とを一体化する凹凸嵌合構造を備え、凹凸嵌合構造が、ハブ輪または外側継手部材のステム軸のどちらか一方に設けた凸部とその凸部に嵌合する他方の相手部材の凹部とを嵌合接触部全域で密着させたものであり、かつ、この嵌合接触部が、複列の転がり軸受の両内側軌道面の直下を避けて、インボード側の内側軌道面とアウトボード側の内側軌道面との間に配置されていることを特徴とするものである。
凹凸嵌合構造は、例えば凸部を他方に圧入し、他方に凸部にて凹部を形成することで構成することができる。
本発明の駆動車輪用軸受装置によれば、ハブ輪または外側継手部材のステム軸のどちらか一方に設けた凸部とその凸部に嵌合する他方の相手部材の凹部とを嵌合接触部全域で密着させた凹凸嵌合構造を備えているため、ステム軸とハブ輪との結合においてボルト等を必要としない。また、嵌合接触部を、複列の転がり軸受の両内側軌道面の直下を避けて、複列の転がり軸受のインボード側の内側軌道面とアウトボード側の内側軌道面との間に配置しているので、アウトボード側およびインボード側の内側軌道面、さらには内輪肩部等におけるフープ応力の発生を最小限に抑えることができる。
本発明の駆動車輪用軸受装置によれば、嵌合接触部の範囲外におけるフープ応力の発生を最小限に抑えることができる。これにより、転がり疲労寿命の低下、クラック発生、及び応力腐食割れ等の軸受の不具合発生を防止することができ、高品質な軸受を提供することができる。また、ステム軸をハブ輪の内周面に圧入する凹凸嵌合構造を形成しているので、ステム軸とハブ輪との結合においてナット締結作業を必要とすることがない。このため、組立作業を容易に行うことができて、組立作業におけるコスト低減を図ることができる。また、軽量化を図ることができる。
特に、前記嵌合接触部を前記複列の転がり軸受のインボード側の軌道面とアウトボード側の軌道面との間に配置したり、前記嵌合接触部を前記複列の転がり軸受のアウトボード側の軌道面のアウトボード側端部よりもアウトボード側等に配置することにより、嵌合接触部の範囲外であるアウトボード側及びインボード側の軌道面、軌道面間、及び内輪肩部等におけるフープ応力の発生を最小限に抑えることができる。これにより、転がり疲労寿命の低下、クラック発生、及び応力腐食割れ等の軸受の不具合発生を一層防止することができ、一層高品質な軸受を提供することができる。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示す第1実施形態の駆動輪用軸受装置は、ハブ輪10、軸受構造部20、および等速自在継手30で構成される。
ハブ輪10は、軸部16と、この軸部16から突設されるフランジ17とからなる。ハブ輪10は、その外周面に車輪(図示省略)を取り付けるための車輪取付フランジ17を備えている。車輪取付フランジ17には周方向に沿ってボルト装着孔18が設けられ、このボルト装着孔18にハブボルト25が装着されている。すなわち、ブレーキロータ及びホイールが車輪取付フランジ17の端面に重ね合わされて、前記ハブボルト25にて固定される。また、ハブ輪10の内径面は、反フランジ側に向かって縮径するテーパ面54と、テーパ面54から連続する小径部55と、小径部55から反フランジ側に向かって拡径するテーパ面56と、このテーパ面56から連続する大径部57とからなる。ハブ輪10のフランジ側端面63には、切欠部58を設けている。
軸受構造部20は、ハブ輪10に外嵌固定される内方部材(内輪)12と、ハブ輪10及び内輪12の周囲に配設される外方部材(外輪)11と、この外輪11とハブ輪10との間に介装されるアウトボード側の転動体(ボール)13aと、外輪11と内輪12との間に介装されるインボード側の転動体(ボール)13bと、転動体13a、13bを保持するポケットを有するアウトボード側及びインボード側の保持器14とを備える。なお、自動車等の車両に組付けた状態で車両の外側となる方をアウトボード側、自動車等の車両に組付けた状態で車両の内側となる方をインボード側という。
外輪11は、その内周に複列の外側軌道面21、22が設けられている。そして、外輪11の第1外側軌道面21とハブ輪10の第1内側軌道面23とが対向し、外輪11の第2外側軌道面22と、内輪12の第2内側軌道面24とが対向し、これらの間に転動体(ボール)13a、13bが介装される。外輪11の軸方向両端の内周面には、シール部材19a、19bが圧入固定されている。
内輪12は、ハブ輪10の軸部16の反フランジ側端部が加締られて、この加締部15にて内輪12が軸部16に締結されている。
等速自在継手30は、外側継手部材32と、外側継手部材32の内側に配された内側継手部材31と、外側継手部材32と内側継手部材31との間に介在してトルクを伝達する複数のボール33と、外側継手部材32と内側継手部材31との間に介在してボール33を保持するケージ34とを主要な部材として構成される。
内側継手部材31は、その外周面(凸球状外周面)に複数のトラック溝36が形成されている。この内側継手部材31の中心孔(内径孔)35にシャフト38を挿してスプライン嵌合させ、そのスプライン嵌合により両者間でトルク伝達可能としている。なお、シャフト38の端部には、シャフト抜け止め用の止め輪40が嵌合されている。
外側継手部材32は、内側継手部材31、ケージ34およびトルク伝達ボール33を収容したマウス部32aと、マウス部32aから軸方向に一体的に延びるステム軸32bとを有する。そして、その内周面(円筒状内周面)に内側継手部材31のトラック溝36と同数のトラック溝37が形成されている。外側継手部材32のトラック溝37と内側継手部材31のトラック溝36との間にトルクを伝達する複数のボール33が組み込まれている。内側継手部材31と外側継手部材32の間にケージ34が配置され、ボール33は、ケージ34のポケット39内に保持されている。そして、ブーツバンド47を介してマウス部32aの開口側の外周面にブーツ40の大径部が固定され、シャフト38の外周面には、ブーツ40の小径部が固定されている。
この駆動車輪用軸受装置においては、ハブ輪10とハブ輪10の孔部65に嵌挿される等速自在継手30の外側継手部材32のステム軸32bとを一体化する凹凸嵌合構造Mを備える。凹凸嵌合構造Mは、例えば、ステム軸32bの端部に設けられて軸方向に延びる凸部と、ハブ輪10の孔部65の内径面に形成される凹部とからなり、凸部の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部に対して密着している。すなわち、ステム軸32bの反マウス部側の外周面に、複数の凸部が周方向に沿って所定ピッチで配設され、ハブ輪10の孔部65の軸部嵌合孔の内径面に凸部が嵌合する複数の凹部が周方向に沿って形成されている。つまり、周方向全周にわたって、凸部とこれに嵌合する凹部とがタイトフィットしているものであって、凸部とその凸部に嵌合する他方の相手部材の凹部とが嵌合接触部50全域で密着している。
このため、ハブ輪10と等速自在継手30の外側継手部材32のステム軸32bとを凹凸嵌合構造Mを介して連結できる。この際、ハブ輪10の継手側の端部を加締めて、その加締部15にて内方部材(内輪)12に予圧を付与するものである。
次に、この駆動車輪用軸受装置におけるハブ輪10と等速自在継手30との組立方法について説明する。なお、ハブ輪10と等速自在継手30の外側継手部材32とを連結する前に、前記したように、ハブ輪10の軸部16の反フランジ側端部が加締られて、この加締部15にて内輪12が軸部16に締結されている。これによって、内輪12に予圧(予備予圧)が付与される。
ステム軸32bの外径部には、全周に亘って高周波焼入れ等により硬化層が形成されて嵌合部位51(ステム軸32bの軸方向中間部位)には円周方向に沿う凹凸部としてスプライン62が形成されている。このため、スプライン62の凸部が硬化処理されて、この凸部が凹凸嵌合構造Mの凸部となる。また、ハブ輪10の内径面は硬化処理がなされていない状態である。これによって、嵌合部位(つまり、スプライン)側は被嵌合部位52(つまり、ハブ輪10の小径部55の内径面)側よりも硬度が高くなっている。
そして、ステム軸32bをハブ輪10に反フランジ側から圧入する。この際、ステム軸32bのスプライン62は硬化され、ハブ輪10の内径面は硬化処理されていない生材のままであるため、ステム軸32bのスプライン62がハブ輪10の内径面に形状転写される。すなわち、ステム軸32bをハブ輪10の孔部65に圧入していけば、凸部がハブ輪10の孔部65の内径面に食い込んでいき、凸部が、この凸部が嵌合する凹部を、軸方向に沿って形成していくことになる。これにより、ハブ輪10の内周面とステム軸32bの外周面とが一体化され、ハブ輪10とステム軸32bとが一体化される。すなわち、スプライン62の凸部の圧入時にハブ輪10の軸部16が径方向に弾性変形し、この弾性変形分の予圧が凸部の歯面に付与される。このため、スプライン62の凸部の凹部嵌合部の全体が凹部に対して密着する。このように、ステム軸32bとハブ輪10とは一体化される。この場合の嵌合接触部50は、車輪用軸受装置のインボード側の軌道面24(内輪12の軌道面)とアウトボード側の軌道面23(ハブ輪10の軌道面)との間に配置している。
本発明では、等速自在継手のステム軸32bを前記ハブ輪10の内周面に圧入して、嵌合部位51をこの嵌合部位51よりも硬度が低い被嵌合部位52に転写せしめて、ステム軸32bとハブ輪10とを一体化することができるので、ステム軸32bとハブ輪10との結合においてボルト等を必要としない。また、ステム軸32bとハブ輪10との嵌合接触部50を、インボード側の軌道面24とアウトボード側の軌道面23との間に配置したものであるので、嵌合接触部50の範囲外では、ステム軸32bの組込みの際のハブ輪10の拡径を最小限に抑えることができる。このため、嵌合接触部50の範囲外であるアウトボード側及びインボード側の軌道面23、24、及び内輪肩部12a等におけるフープ応力の発生を最小限に抑えることができる。これにより、転がり疲労寿命の低下、クラック発生、及び応力腐食割れ等の軸受の不具合発生を防止することができて、高品質な軸受を提供することができる。また、ステム軸32bをハブ輪10の内周面に圧入して凹凸嵌合構造Mを形成することができるので、ステム軸32bとハブ輪10との結合においてナット締結作業を必要とすることがない。このため、組立作業を容易に行うことができて、組立作業におけるコスト低減を図ることができると共に軽量化を図ることができる。
次に、図2は第2実施形態を示し、この場合のハブ輪10の内径面は、反等速自在継手側の小径部59と、等速自在継手側の大径部61と、大径部61と小径部59との間のテーパ部60とを備える。また、このハブ輪10の内径面には熱硬化処理を施さない。
この際、ステム軸32bのスプライン62は硬化され、ハブ輪10の内径面は硬化処理されていない生材のままであるため、ステム軸32bのスプライン62がハブ輪10の内径面に形状転写される。すなわち、ステム軸32bをハブ輪10の孔部65に圧入していけば、凸部がハブ輪10の孔部65の内径面に食い込んでいき、凸部が、この凸部が嵌合する凹部を、軸方向に沿って形成していくことになる。これにより、ハブ輪10の内周面とステム軸32bの外周面とが一体化され、ハブ輪10とステム軸32bとが一体化される。そして、この場合の嵌合接触部50は、アウトボード側の軌道面23のアウトボード側端部よりもアウトボード側に配置されることになる。
このため、第2実施形態の駆動車輪用軸受装置でも、前記第1実施形態の駆動車輪用軸受装置と同様の作用効果を奏する。特に、ステム軸32bとハブ輪10との嵌合接触部50を、アウトボード側軌道面23のアウトボード側端部よりもアウトボード側に配置したものであるので、嵌合接触部50の範囲外では、ステム軸32bの組込みの際のハブ輪10の拡径を最小限に抑えることができる。このため、嵌合接触部50の範囲外であるアウトボード側及びインボード側の軌道面23、24、軌道面間53、及び内輪肩部12a等におけるフープ応力の発生を最小限に抑えることができて、前記第1実施形態における駆動車輪用軸受装置よりも、一層高品質な軸受を提供することができる。なお、図2に示す駆動車輪用軸受装置において、図1に示す駆動車輪用軸受装置と同様の構成については、図1と同一符号を付してその説明を省略する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、実施形態では、転動体13a、13bをボールにて構成したが、転動体に円すいころを使用してもよい。また、図1に示す駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪10の外周に直接軌道面23を形成した第3世代と呼ばれるものであったが、駆動車輪用軸受装置として、ハブ輪10に一対の内輪が装着(圧入)された第1世代や第2世代と呼ばれるものであっても、ハブ輪10と等速自在継手の外側継手部材32の外周にそれぞれ軌道面を形成した第4世代と呼ばれるものであってもよい。
雌側円筒孔(ハブ輪10)を焼入で硬化して、雄側(ステム軸32b)を圧入することによりハブ輪10とステム軸32bとを結合することができる。この場合、予めハブ輪10の内周面に凹凸部(スプライン)を形成し、この凹凸部を焼入にて硬化させて、ステム軸32bの外周面に食い込ませることにより凹凸嵌合構造Mを形成することができる。
熱硬化処理を行う方法としては、前記実施形態では、高周波焼入れを行ったが、浸炭焼入れ等の他の処理方法であってもよい。また、ステム軸32bやハブ輪10に形成するスプラインとしては、従来からの公知公用の手段である転造加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって形成することができる。また、硬化する側に設ける凹凸部としては、スプラインでなくてもよい。要は、相手側に食い込む凸部を有するものであればよい。このため、この凸部の形状、数等は任意に設置することができる。
本発明の第1実施形態を示す駆動車輪用軸受装置の断面図である。 本発明の第2実施形態を示す駆動車輪用軸受装置の断面図である。 従来の駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。
符号の説明
10 ハブ輪
11 外方部材
12 内輪
13a、13b ボール
17 車輪取付フランジ
20 転がり軸受
21、22、23、24 軌道面
30 等速自在継手
32 外側継手部材
32b ステム軸
50 嵌合接触部
M 凹凸嵌合構造

Claims (2)

  1. ハブ輪と内輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側軌道面に対向する一方の内側軌道面と、円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、及びこのハブ輪に外嵌され、外周に前記複列の外側軌道面に対向する他方の内側軌道面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両軌道面間に転動自在に収容された複列のボールとを備えた駆動車輪用軸受装置において、
    ハブ輪とハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材のステム軸とを一体化する凹凸嵌合構造を備え、凹凸嵌合構造が、ハブ輪または外側継手部材のステム軸のどちらか一方に設けた凸部とその凸部に嵌合する他方の相手部材の凹部とを嵌合接触部全域で密着させたものであり、かつ、この嵌合接触部が、複列の転がり軸受の両内側軌道面の直下を避けて、インボード側の内側軌道面とアウトボード側の内側軌道面との間に配置されていることを特徴とする駆動車輪用軸受装置。
  2. 凹凸嵌合構造を、凸部を他方に圧入し、他方に凸部にて凹部を形成することで構成した請求項1記載の駆動車輪用軸受装置。
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