JP2010043956A - 原子力プラントの運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子力プラントにおける被ばくをより低減すること。
【解決手段】原子力プラント1は、原子炉2の核燃料2Cが核分裂することによって発生する熱エネルギーによって蒸気を発生させ、この蒸気でタービン8を駆動して発電機10によって発電する原子力発電プラントである。原子力プラント1が新たに建設された後、原子炉2の一次冷却系が初めて出力運転温度近くに昇温する際に、亜鉛注入装置20によって、一次冷却系に存在する一次冷却材C1へ亜鉛を注入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新たに建設された原子炉の運転方法に関するものである。
数年〜数十年運転されてきた原子力プラントの被ばく低減対策のため、原子炉の臨界後、原子炉の冷却材に亜鉛を注入することが行われている。例えば、特許文献1には、原子炉の一次冷却材が接触する一次冷却系の配管の内面に酸化皮膜が形成されている状態から、一次冷却材に亜鉛を注入する技術が開示されている。
特開平2−13894号公報
原子力プラントにおいて、被ばくはできる限り低減されることが好ましく、更なる被ばくの低減が求められている。本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、原子力プラントにおける被ばくをより低減することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る原子力プラントの運転方法は、原子炉の建設後、温態機能試験の実行中に、前記原子炉の一次冷却系に存在する冷却材へ亜鉛を注入することを特徴とする。
このように、本発明に係る原子力プラントの運転方法では、温態機能試験中に亜鉛を注入する。温態機能試験において、一次冷却系(主として一次冷却材)は初めて出力運転温度(約300℃)となるので、原子炉の冷却材(一次冷却系)が通過する配管の内面、蒸気発生器伝熱管及び水室の内面、冷却材が接触する炉内構造物等の表面に酸化皮膜が形成されていない状態で、亜鉛が注入される。これにより、酸化膜の成長とともに亜鉛が酸化膜に取り込まれて亜鉛の腐食抑制作用が効果的に発揮される。その結果、原子炉の臨界前に、被ばく線源であるCo−58の親元素であるNiが冷却材中へ溶け出すことを抑制できるので、被ばく線源であるCo−58の発生量が低減する。また、酸化皮膜に亜鉛が取り込まれることにより、被ばく線源であるCo−58の酸化皮膜への取り込みが抑制される。これらの作用により、更なる被ばく低減効果が得られる。
本発明の望ましい態様としては、前記原子力プラントの運転方法において、前記冷却材の温度が所定の温度(例えば60℃〜90℃)以上になった場合に、前記亜鉛を前記冷却材へ注入することが好ましい。冷却材の温度が低い場合には酸化皮膜がほとんど生成されないので、亜鉛を注入しても酸化皮膜に取り込まれる割合が低くなり、脱塩塔で除去される亜鉛の割合が大きくなるが、上記構成により、酸化皮膜が形成され始めてから亜鉛が供給されるので、亜鉛を酸化皮膜により効果的に取り込ませることができる。その結果、亜鉛の過剰な消費を抑制できるという効果が得られる。
本発明の望ましい態様としては、前記原子力プラントの運転方法において、前記冷却材に含まれる前記亜鉛の濃度が予め定めた所定の値よりも小さい場合、前記亜鉛の注入速度をこれまでよりも大きくすることが好ましい。これによって、亜鉛の注入量の不足を回避して、効率的に酸化膜へ亜鉛を取り込ませることができる。
本発明の望ましい態様としては、前記原子力プラントの運転方法において、前記亜鉛の注入の前期における前記亜鉛の注入速度の増加量は、前記亜鉛の注入の後期における前記亜鉛の注入速度の増加量よりも大きいことが好ましい。これによって、冷却材中の亜鉛の濃度を、酸化皮膜の生成速度及び酸化皮膜の亜鉛の取り込み量に応じた適切な値に維持できる。
本発明の望ましい態様としては、前記原子力プラントの運転方法において、前記冷却材中に含まれる前記亜鉛の濃度が予め定めた所定の値以上である場合、前記亜鉛の注入速度をこれまでよりも小さくすることが好ましい。これによって、亜鉛の過剰な供給を抑制できる。
本発明の望ましい態様としては、前記原子力プラントの運転方法において、前記亜鉛の注入の後期における前記亜鉛の注入速度の減少率は、前記亜鉛の注入の前期における前記亜鉛の注入速度の減少率よりも大きいことが好ましい。これによって、冷却材中の亜鉛の濃度を、酸化皮膜の生成速度及び酸化皮膜の亜鉛の取り込み量に応じた適切な値に維持できる。
本発明の望ましい態様としては、前記原子力プラントの運転方法において、前記冷却材の加熱を停止したら、前記冷却材に対する前記亜鉛の注入を停止することが好ましい。これによって、亜鉛の過剰な供給を抑制して、亜鉛の消費量を低減できる。
本発明の望ましい態様としては、前記原子力プラントの運転方法において、前記亜鉛の注入の前期に前記冷却材へ注入される前記亜鉛の量は、前記亜鉛の注入の後期に前記冷却材へ注入される前記亜鉛の量よりも大きいことが好ましい。これによって、冷却材中の亜鉛の濃度を、酸化皮膜の生成速度及び酸化皮膜の亜鉛の取り込み量に応じた適切な値に維持できる。
本発明は、原子力プラントにおける被ばくをより低減できる。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の説明により本発明が限定されるものではない。また、下記の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
図1は、原子力プラントを示す模式図である。本実施例は、原子炉の建設後、原子炉の冷却系(PWRでは一次冷却系)が初めて出力運転温度近くに昇温する際(PWRでは温態機能試験の実行中)に、前記冷却系に存在する冷却材(PWRでは一次冷却材)に亜鉛(Zn)を注入する点に特徴がある。
本実施例において、原子力プラント1は、原子力発電設備である。原子力プラント1を構成する原子炉2は、PWR(Pressurized Water Reactor:加圧水型原子炉)である。なお、本実施例に係る原子力プラントの運転方法は、特に、原子炉が初臨界となる前に、一次冷却系が出力運転温度近くになる温態機能試験を実行する必要のあるPWRに好適である。
原子力プラント1は、格納容器1W内に原子炉2、蒸気発生器3、加圧器4、一次冷却材ポンプ5、再生熱交換器11が配置される。また、格納容器1Wの外には、タービン8、復水器9及び発電機10が配置される。原子炉2は、圧力容器の内部に核燃料2Cが配置されている。また、前記圧力容器の内部には一次冷却材(冷却水に相当し、例えば軽水が用いられる)C1が満たされている。一次冷却材ポンプ5と原子炉2とは一次冷却材第1供給通路6Aで接続され、原子炉2と蒸気発生器3とは、一次冷却材第2供給通路6Bで接続される。また、蒸気発生器3と一次冷却材ポンプ5とは、一次冷却材回収通路6Cで接続される。
このような構成により、一次冷却材ポンプ5から吐出された一次冷却材C1は、一次冷却材第1供給通路6Aを通って原子炉2の圧力容器内へ供給される。そして、圧力容器の内部に配置される核燃料2Cの核分裂反応によって発生した熱エネルギーで一次冷却材C1が加熱される。加熱された一次冷却材C1は、一次冷却材第2供給通路6Bを通って蒸気発生器3へ供給される。そして、一次冷却材C1は、蒸気発生器3の伝熱管3Tを通過した後、蒸気発生器3から流出し、一次冷却材回収通路6Cを通って一次冷却材ポンプ5へ戻り、再び一次冷却材第1供給通路6Aから原子炉2の圧力容器内へ吐出される。
蒸気発生器3は、前述した伝熱管3Tを複数備えており、伝熱管3T内を流れる一次冷却材C1によって伝熱管3T外の二次冷却材C2が加熱されて沸騰し、二次冷却材C2の高温高圧の蒸気が生成される。蒸気発生器3とタービン8とは、蒸気供給通路7Sで接続されており、復水器9と蒸気発生器3とは、二次冷却材回収通路7Rで接続されている。これによって、蒸気発生器3で生成された二次冷却材C2の高温高圧の蒸気は、蒸気供給通路7Sを通ってタービン8へ供給されてこれを駆動する。そして、タービン8の駆動軸に連結された発電機10によって電力を発生させる。タービン8を駆動した後の二次冷却材C2は、復水器9で液体となり、二次冷却材回収通路7Rを通って再び蒸気発生器3へ送られる。
原子炉2は、加圧水型原子炉であり、加圧器4が一次冷却材第2供給通路6Bに接続されている。そして、加圧器4が一次冷却材第2供給通路6B内の一次冷却材C1に圧力を与える。このような構造により、一次冷却材C1は、核燃料2Cの核分裂反応によって発生した熱エネルギーで加熱されても沸騰せず、液相の状態で原子炉2及びその冷却系を循環する。ここで、原子炉2の冷却系は、一次冷却材ポンプ5、一次冷却材第1供給通路6A、一次冷却材第2供給通路6B、蒸気発生器3、一次冷却材回収通路6Cで構成される一次冷却材C1が流れる系である。
一次冷却材C1に含まれる不純物を除去するため、脱塩塔16が設けられる。脱塩塔16は、第1脱塩塔16A及び第2脱塩塔16Bで構成されており、格納容器1Wの外側に設けられる。第1脱塩塔16Aは冷却材温床式脱塩塔であり、第2脱塩塔16Bは、冷却材陽イオン脱塩塔である。原子炉2の冷却系から脱塩塔16へは、一次冷却材ポンプ5の入口側(上流側)から取り出された一次冷却材C1が供給されて脱塩処理が施され、脱塩後の一次冷却材C1は、一次冷却材ポンプ5の出口側(下流側)に戻される。
一次冷却材C1の脱塩処理系は、一次冷却材取り出し通路13A、再生熱交換器11、一次冷却材通路13B、非再生熱交換器12、一次冷却材通路13C、脱塩塔16、一次冷却材通路13D、体積制御タンク14、一次冷却材戻し通路13E、13Fで構成される。第1冷却材取り出し通路13Aは、原子炉2の冷却系を構成する一次冷却材回収通路6Cと再生熱交換器11とを接続している。再生熱交換器11と非再生熱交換器12とは一次冷却材通路13Bで接続されており、また、非再生熱交換器12と脱塩塔16とは一次冷却材通路13Cで接続される。
脱塩塔16と体積制御タンク14とは一次冷却材通路13Dで接続されており、体積制御タンク14と再生熱交換器11とは一次冷却材戻し通路13Eで接続される。また、再生熱交換器11と一次冷却材第1供給通路6Aとは、一次冷却材戻し通路13Fで接続される。一次冷却材戻し通路13Eには充填ポンプ15が設けられている。
一次冷却材C1は、一次冷却材取り出し通路13A、すなわち、一次冷却材ポンプ5の入口側(上流側)から取り出される。原子炉2の冷却系から取り出された一次冷却材C1は、再生熱交換器11へ導かれた後、一次冷却材通路13B、非再生熱交換器12、一次冷却材通路13Cを通って脱塩塔16へ導かれ、ここで脱塩処理される。脱塩処理された一次冷却材C1は、一次冷却材通路13Dを通って体積制御タンク14へ一時的に貯められた後、一次冷却材戻し通路13Eに設けられる充填ポンプ15によって再生熱交換器11へ送られる。再生熱交換器11を通過した一次冷却材C1は、一次冷却材戻し通路13Fを通って一次冷却材第1供給通路6A、すなわち、一次冷却材ポンプ5の出口側(下流側)に戻される。
亜鉛を一次冷却材C1へ注入することにより、被ばくの低減を図ることができる。これは、次の理由によると考えられる。亜鉛がCoよりも酸化被膜に取り込まれやすいことを利用して、一次冷却系を構成する配管(例えば、伝熱管3Tや一次冷却材第1供給通路6A等、以下、一次冷却系配管という)の内面に形成される酸化被膜中のCoを亜鉛に置き換えることで、被ばく線源となるCo−58が酸化皮膜へ取り込まれることを抑制して、被ばくの低減を図っている。
また、原子炉2においては、蒸気発生器3の一次冷却材C1が接する部分の表面から、被ばく線源となる放射性核種のCo−58の親元素であるニッケル(Ni)が一次冷却材C1に溶け出して、核燃料2Cの核分裂反応によって発生する放射線で一次冷却材C1中のNiが放射化されてコバルト58(Co−58)となる。一次冷却材C1へ注入された亜鉛は、母材(伝熱管3T等)の表面に形成される酸化被膜に取り込まれることにより、母材が酸化皮膜を通過しにくくする作用を有する。
すなわち、亜鉛注入により、原子炉2の一次冷却系配管の腐食抑制効果が得られる。この亜鉛の腐食抑制効果によって、一次冷却材C1へ亜鉛を注入することにより、蒸気発生器3の一次冷却材C1が接する部材の母材に含まれるNiが、酸化皮膜を通過して一次冷却材C1へ溶け出す量を低減できる。その結果、一次冷却材C1中に存在する、被ばく線源となるCo−58の親元素であるNiの量を低減できるので、被ばく低減効果が得られる。
本実施例では、一次冷却材C1に亜鉛を注入するため、亜鉛注入装置20を備える。本実施例において、亜鉛は、減損酢酸亜鉛(DZA:Depleted Zinc Acetate)の形態で、一次冷却材C1の脱塩処理系を構成する体積制御タンク14と充填ポンプ15との間から一次冷却材C1に注入される。
亜鉛注入装置20は、亜鉛タンク21、亜鉛注入手段である亜鉛注入ポンプ22、亜鉛タンク21と亜鉛注入ポンプ22とを接続する亜鉛供給通路24及び亜鉛供給通路24に設けられる流量調整弁23を備える。減損酢酸亜鉛は液体であり、亜鉛タンク21に貯められる。また、流量調整弁23によって、亜鉛の注入速度が調整される。なお、亜鉛注入ポンプ22を制御することで、亜鉛の注入速度を調整してもよい。本実施例では、亜鉛注入ポンプ22と流量調整弁23との少なくとも一方を用いて、亜鉛の注入速度を調整する。
亜鉛注入ポンプ22と一次冷却材戻し通路13Eとは、亜鉛注入通路25で接続される。亜鉛注入通路25には、開閉弁26が設けられる。開閉弁26は、亜鉛の注入が必要な場合に開かれて、亜鉛の注入が不要な場合には閉じられる。また、亜鉛注入通路25には、一次冷却材C1に注入される亜鉛の流量を計測する流量計28が設けられる。これによって、一次冷却材C1に注入される亜鉛の流量が計測される。さらに、一次冷却材C1の脱塩処理系を構成する一次冷却材通路13Cには、一次冷却材C1中における亜鉛の濃度を計測する一次冷却材サンプル採取点29が設けられる。これによって、一次冷却材C1に含まれる亜鉛の濃度を測定する。亜鉛注入ポンプ22、流量調整弁23、開閉弁26は、例えば、作業員によるマニュアル操作によってそれぞれの動作が制御される。また、流量計28が計測した亜鉛の流量及び一次冷却材サンプル採取点29で測定した亜鉛の濃度は、本実施例に係る原子力プラントの運転方法で用いられる。
一次冷却材C1に亜鉛を注入する場合、設定された注入速度で亜鉛を注入できるように流量調整弁23の開度や亜鉛注入ポンプ22の駆動条件が設定される。そして、マニュアル操作により、開閉弁26が開かれるとともに、流量調整弁23が設定された開度に調整され、亜鉛注入ポンプ22が設定された駆動条件で駆動される。これによって、亜鉛タンク21内の減損酢酸亜鉛が亜鉛供給通路24及び亜鉛注入通路25を通って、一次冷却材戻し通路13E内の一次冷却材C1へ注入される。
このように、体積制御タンク14と充填ポンプ15との間から一次冷却材C1へ注入された亜鉛は、充填ポンプ15によって一次冷却材C1とともに再生熱交換器11へ送られる。そして、前記亜鉛及び一次冷却材C1は、一次冷却材戻し通路13Fを通って一次冷却材第1供給通路6A、すなわち、一次冷却材ポンプ5の出口側(下流側)へ流入した後、原子炉2の冷却系全体に行き渡る。このようにして、原子炉2の冷却系に存在する一次冷却材C1に亜鉛が供給される。
原子力プラント1が新たに建設されると、原子炉2内に核燃料2Cを装荷し、初臨界を達成する前に、原子力プラント1の機能を確認するための冷態機能試験及び温態機能試験が実行される。冷態機能試験は常温常圧下で実行され、温態機能試験は高温高圧下で実行される。温態機能試験は、PWR特有の試験である。冷態機能試験は、安全注入系、廃棄物処理系、電源系等、すべての系統について、系統の構成や流量等について可能な限りプラントの運転状態を模擬して、インターロック試験、警報試験、系統運転試験、流量調整試験等が実行され、系統がその目的通りに機能することを確認するものである。
温態機能試験は、原子炉2に核燃料2Cが装荷される前の試験であって、一次冷却系設備の耐圧試験を実行して、昇温昇圧に備えた系統の健全性確認を実行した後、一次冷却材ポンプ5の運転等により一次冷却系を高温高圧(例えば、一次冷却材の温度が286℃、一次冷却材の圧力が15.4MPa)にして、加圧器4の水位制御、圧力制御、逃し弁等の試験や一次冷却系の熱膨張測定試験等を実行して、高温高圧状態での機器の据付状態や動作確認を行うものである。また、温態機能試験は、蒸気発生器3で発生した蒸気を用いて、タービン8の回転上昇試験も実行される。温態機能試験では、原子力プラント1(原子炉2を含む)の建設後、原子炉2の一次冷却系が初めて出力運転温度近くに昇温するものである。温態機能試験の後、原子炉2に核燃料2Cが装荷され、その後臨界前試験、ゼロ出力炉物理試験、出力上昇試験を経て原子力プラント1の安全な運転性能を確認し、営業運転へ移行する。
原子炉2が初臨界を達成した後は、原子炉2の一次冷却系がすでに高温高圧の一次冷却材C1に曝され、一次冷却系配管の内面に、酸化皮膜が形成される。これまでは、初臨界後に一次冷却材へ亜鉛が注入されていたので、一次冷却系配管の内面に酸化皮膜が形成された状態で亜鉛が注入されていた。本実施例においては、原子炉2の一次冷却系配管(少なくとも蒸気発生器3の伝熱管3T)にTT690材を用いる。TT690材は、インコネル(Ni基の合金)690材に熱処理を施したものであり、Niを60%程度含んでいる。
TT690材は、PWR炉の運転条件における温度(300℃程度)の軽水(一次冷却材)中において、酸化被膜が形成されていない状態から亜鉛濃度10ppb(parts per billion:10億分の1)の条件で亜鉛を注入した場合、酸化皮膜が形成されていないTT690材に亜鉛注入をしない場合と比較して、10000時間で約20%〜40%程度の腐食量が低減する結果が得られている。上述したように、TT690材は、60%程度のNiを含む合金であり、上記腐食量低減効果によって、腐食してTT690材から放出されたNiから生成する放射性核種であるCo−58の発生量が低減される。
次に、PWR炉の運転条件における温度(300℃程度)の軽水(一次冷却材)中で、酸化被膜が形成されていないTT690材に亜鉛濃度10ppbの条件で亜鉛を注入して2000時間経過した場合と、PWR炉の運転条件における温度(300℃程度)の軽水(一次冷却材)中に酸化被膜が形成されていないTT690材を1000時間曝した後、亜鉛濃度10ppbの条件で亜鉛を注入して2000時間経過した場合との比較試験について説明する。この比較試験において、2000時間経過後における腐食量から1000時間経過後における腐食量を減算したそれぞれの試験条件での値を比較すれば、酸化皮膜が形成されていない状態で亜鉛注入を実行した場合と、すでに酸化皮膜が形成された状態から亜鉛注入を実行した場合との比較ができる。
PWR炉の運転条件における温度(300℃程度)の軽水(一次冷却材)中で、酸化被膜が形成されていないTT690材に亜鉛濃度10ppbの条件で亜鉛を注入した状態で、1000時間経過した後の腐食量をQ1、2000時間経過した後の腐食量をQ2とする。また、PWR炉の運転条件における温度(300℃程度)の軽水(一次冷却材)中に、酸化被膜が形成されていないTT690材を1000時間曝した場合の腐食量をQ3、その後、亜鉛濃度10ppbの条件で亜鉛を注入した状態で1000時間経過した後の腐食量をQ4とする。
図2は、TT690材に対する亜鉛注入量とpH7.3における腐食量との関係を示す図である。図2は、pH7.3の水中にTT690材を合計2000時間浸漬した腐食試験の結果を示している。図3は、TT690材の腐食量の経時変化を示す図である。亜鉛の注入なしの条件において2000時間腐食試験したもの(Zn0ppb 2000h)、最初の1000時間は亜鉛の注入なしで腐食試験した後、次の1000時間は10ppbの亜鉛条件で2000時間腐食試験したもの(0ppb 1000h+10ppb 1000h)、2000時間10ppbの亜鉛条件で腐食試験したもの(10ppb 2000h)である。この結果から、わずかではあるが2000時間亜鉛注入条件で腐食試験をしたTT690材の腐食量は、亜鉛の注入なしの条件よりも腐食量が低下している。これに対して、最初の1000時間は亜鉛の注入なしの条件で腐食試験した後、次の2000時間は10ppbの亜鉛注入条件で腐食試験した場合の腐食量は、亜鉛の注入なしの条件と同程度である。この結果から、耐食性の高いTT690材においても、最初から亜鉛を注入した方が腐食量を低減できると考えられる。
このように、酸化皮膜が形成されていない状態で亜鉛注入を実行した場合の方が、すでに酸化皮膜が形成された状態から亜鉛注入を実行した場合よりも腐食量は少なくなる。すなわち、酸化皮膜が形成されていない状態で亜鉛注入を実行すれば、腐食してTT690材から放出されるNiの量は、すでに酸化皮膜が形成された状態から亜鉛注入を実行した場合よりも低減される。その結果、Niから生成される放射性核種であるCo−58の発生量が低減され、被ばくが低減できる。
亜鉛注入前に酸化皮膜が形成されているTT690材に亜鉛注入をした場合よりも、酸化被膜が形成されていないTT690材に亜鉛注入をした場合の方が腐食量低減効果が大きくなるのは、次の理由が考えられる。酸化皮膜が形成されていない状態で高温の軽水(一次冷却材)に曝されるTT690材は、時間の経過とともに表面に酸化皮膜が形成されるが、この酸化皮膜の成長とともに亜鉛を注入することで、亜鉛は効率的に酸化皮膜に取り込まれ、酸化皮膜の成長の初期から亜鉛による腐食量抑制効果が得られると考えられる。これによって、酸化皮膜を通過して軽水中に溶け出すNiの量が抑制される。一方、亜鉛注入の前に、TT690材の表面に酸化皮膜が形成されている場合、亜鉛が酸化皮膜中に取り込まれる効率が低くなり、亜鉛注入による腐食量抑制効果が十分に得られなかったと考えられる。
本発明の発明者らは、鋭意研究の結果上記知見を見出し、この知見に基づき、一次冷却材C1と接触する部分にTT690材が用いられる部材を含む一次冷却系配管において、一次冷却系配管の内面に酸化皮膜が形成されていない状態から亜鉛を注入するようにした。すなわち、酸化皮膜の成長時に亜鉛を注入することとした。これによって、TT690材の腐食量が低減されるので、Co−58の発生量が低減され、被ばくが低減できる。
なお、TT690材は、酸化皮膜が形成されていないものに対して亜鉛を注入、すなわち、酸化皮膜の成長時に亜鉛を注入しても、一次冷却材の水質に起因する応力腐食割れは発生しないことが確認されている。また、MA600材(インコネル600材にミルアニールという熱処理を施した材料)においても、一次冷却系配管の内面に酸化皮膜が形成されていない状態から亜鉛を注入することによる腐食量の低減効果は得られる。次に、本実施例に係る原子力プラントの運転方法の手順を説明する。
図4は、本実施例に係る原子力プラントの運転方法の手順を示すフローチャートである。図5は、本実施例に係る原子力プラントの運転方法のタイミングチャートである。本実施例に係る原子力プラントの運転方法は、冷態機能試験後であって、温態機能試験中に実行される。本実施例において、ステップS103までを亜鉛注入の初期とし、ステップS104〜ステップS109までを亜鉛注入の前期とし、ステップS110〜ステップS115までが亜鉛注入の後期とする。
亜鉛注入の前期は、温態機能試験の全期間のうち、試験開始からおよそ半分までの期間である。また、亜鉛注入の後期は、亜鉛注入の前期が終了したときから温態機能試験が終了するまでの期間である。亜鉛注入の初期は、亜鉛注入の前期のうち、亜鉛注入の開始から数時間の間、一定の注入速度で亜鉛が注入される期間である。
温態機能試験が開始されると、一次冷却材C1が加熱されて昇温する。ステップS101において、一次冷却材C1の温度(冷却材温度)Tが、予め定めた亜鉛注入開始温度Ts以上になったか否かが判定される。そして、T≧Tsとなった時点で、運転が開始される。亜鉛注入開始温度Tsは、TT690材で構成される一次冷却配管の内面に酸化皮膜が形成され始める温度である。亜鉛注入開始温度Tsは、例えば、60℃以上90℃以下であり、好ましくは80℃である。
一次冷却材C1が常温Tbであるときから亜鉛を注入してもよいが、一次冷却材C1がある程度の温度に昇温しないと一次冷却配管の内面に酸化皮膜はほとんど形成されない。したがって、一次冷却材C1がある程度の温度まで昇温するまでに亜鉛を注入しても、それを取り込む酸化皮膜がほとんど存在しないため、その分は無駄になってしまう。本実施例のように、一次冷却材C1がある程度昇温してから亜鉛を注入することによって、亜鉛の過剰な消費を抑制できるので好ましい。少なくとも、一次冷却材C1の加熱開始とともに、亜鉛を注入することが好ましい。
ステップS101でNoと判定された場合、すなわち、T<Tsであると判定された場合、T≧Tsとなるまで待機する。ステップS101でYesと判定された場合、すなわち、T≧Tsであると判定された場合、ステップS102へ進み、開閉弁26が開かれるとともに流量調整弁23の開度が調整されて、亜鉛注入ポンプ22が駆動される(図5のt=t0)。このとき、注入速度V=V1で亜鉛(減損酢酸亜鉛)が注入されるように、亜鉛注入ポンプ22の駆動条件及び流量調整弁23の開度が設定される。
ここで、注入速度Vに付される下付のnは、現時点の注入速度を意味する。また、注入速度Vが変更された場合においては、変更後の注入速度がV、変更前の注入速度がVn−1となる。注入速度Vは、一時間あたりにR(m)の一次冷却材C1を、図1に示す充填ポンプ15が原子炉2の一次冷却系へ流入させることを前提としたときにおいて、一時間あたりに原子炉2の一次冷却系へ注入される亜鉛の質量m(g)である。亜鉛の質量mは、亜鉛タンク21内の亜鉛の濃度Dtと、亜鉛注入通路25から一次冷却材戻し通路13Eへ供給される亜鉛の体積Rsとに基づいて求めることができる。一次冷却材戻し通路13Eへ供給される亜鉛の体積Rsは、流量計28から求めることができる。
本実施例において、ステップS102における注入速度Vは、温態機能試験において亜鉛を注入する際の初期に最大の注入速度(最大注入速度)Vmax1の1/2とする。なお、最大注入速度Vmax1は、充填ライン(一次冷却材戻し通路13E)で亜鉛が析出しない濃度(40ppb)から定められる。
亜鉛の注入を開始した時点(図5のt=t0)から数時間の間(t=t1まで)は、注入速度V=Vmax1/2が維持される。亜鉛の注入を開始した直後は、一次冷却配管を構成するTT690材の表面に形成される酸化皮膜の亜鉛取り込み量は比較的大きいが、一次冷却材C1の亜鉛濃度は低い。このため、亜鉛の注入を開始した直後は、速やかに一次冷却材C1の亜鉛濃度を目標値まで上昇させることが好ましいが、最大注入速度Vmax1で亜鉛を注入すると、早期に一次冷却材C1の亜鉛濃度の目標値を超えてしまうおそれがあり、亜鉛濃度の制御が困難になるおそれがある。このため、亜鉛の注入を開始した時点から数時間の間(亜鉛注入の初期)は、注入速度V=Vmax1/2で亜鉛が注入される。
ステップS103へ進み、亜鉛の注入が開始されてからの経過時間(注入時間)tがt1以下であるか否かが判定される。t1は、注入速度V=Vmax1/2で注入する時間であり、例えば、6時間程度である。ステップS103でYesと判定された場合、すなわち、t≦t1であると判定された場合、注入速度V=Vmax1/2で注入する時間は経過していないので、t>t1となるまで注入速度V=Vmax1/2で亜鉛が注入される。
ステップS103でNoと判定された場合、すなわち、t>t1であると判定された場合、注入速度V=Vmax1/2で注入する時間が経過したので、ステップS104へ進む。ステップS104以降(図5のt=t1以降)、すなわち、亜鉛注入の前期においては、一次冷却材C1の亜鉛濃度Dz_nが、一次冷却材C1の亜鉛濃度の目標値Daとなるように、注入速度Vnを保つように運転される。
ステップS104において、図1に示す一次冷却材サンプル採取点29で測定された一次冷却材C1の亜鉛濃度Dz_nが目標値Daよりも小さいか否かが判定される。ステップS104においてYesと判定された場合、すなわち、D_zn<Daであると判定された場合、現時点における亜鉛濃度Dz_nは目標値Daに到達していない。亜鉛注入の前期においては、一次冷却配管を構成するTT690材の表面に形成される酸化皮膜の亜鉛取り込み量が比較的大きいため、D_zn<Daである場合は、酸化皮膜への亜鉛の取り込みが追い付いていない状態であると判定できる。このため、ステップS105へ進み、注入速度Vをこれまでの注入速度Vn−1よりもΔV1分増加させる。すなわち、V=Vn−1+ΔV1となる。ここで、ΔV1は、前期注入速度増加分であり、本実施例において、ΔV1はVmax1/4=V1/2である。
次に、ステップS106へ進み、注入速度Vと最大注入速度Vmax1とが比較される。これは、注入速度Vが最大注入速度Vmax1を超えないようにするためである。ステップS106でYesと判定された場合、すなわち、V≦Vmax1であると判定された場合、ステップS105で設定された注入速度Vで亜鉛が注入されるとともに、ステップS109に進む。また、ステップS106でNoと判定された場合、すなわち、V>Vmax1であると判定された場合、ステップS107で注入速度Vが最大注入速度Vmax1に設定されて亜鉛が注入されるとともに、ステップS109に進む。
ステップS109において、注入時間tがt3(図5参照)以下であるか否かが判定される。これによって、亜鉛注入の前期が終了したか否かが判定される。t3は、亜鉛注入の前期が終了したか否かを判定するための閾値であり、本実施例では、亜鉛の注入開始(図5のt=t0)から350時間である。
ステップS109でYesと判定された場合、すなわち、t≦t3であると判定された場合、まだ亜鉛注入の前期は終了していないので、ステップS104へ戻り、ステップS104以降の手順を繰り返す。ステップS109でNoと判定された場合、すなわち、t>t3であると判定された場合、亜鉛注入の前期は終了したので、ステップS110へ進む。次に、ステップS104へ戻って説明する。
ステップS104においてNoと判定された場合、すなわち、Da≧D_znであると判定した場合(図5のt=t2)、現時点における亜鉛濃度Dz_nは目標値Daに到達したか、目標値Daを超えている。この場合、ステップS108へ進み、注入速度Vをこれまでの注入速度Vn−1よりも減少させる。減少のさせ方は、現時点における亜鉛濃度Dz_nと目標値Daとの差分(D_zn−Da)に相当する注入速度であるΔV2×(D_zn−Da)を、これまでの注入速度Vn−1から減ずる。すなわち、注入速度V=Vn−1−ΔV2×(D_zn−Da)となる。ここで、ΔV2は現時点における亜鉛濃度Dz_nと目標値Daとの差分を注入速度に換算する係数である。
例えば、一時間あたりに27m(27m/h)の一次冷却材C1を原子炉2の一次冷却系へ流入させることを前提とした場合、一次冷却材C1の亜鉛濃度1ppbに相当する注入速度Vは、0.027g/h(1時間)となる。この場合、ΔV2=0.027g/hとなる。
このように、現時点における亜鉛濃度Dz_nと目標値Daとの差分に相当する注入速度ΔV2×(D_zn−Da)をこれまでの注入速度Vn−1から減ずることにより、一次冷却材C1の亜鉛の濃度を、速やかに目標値Daとすることができる。ステップS108で設定された注入速度Vで亜鉛が注入されて、ステップS109へ進む。例えば、ステップS109でYesと判定された場合、ステップS104に戻るが、このときステップS104でYesと判定されると、注入速度Vがこれまでの注入速度Vn−1よりもΔV1分増加される(図5のt=t_f1)。そして、ステップS109でNoと判定されるまで、ステップS104〜ステップS108を繰り返す。次に、ステップS110以降の手順を説明する。
ステップS110は、ステップS109でNoと判定された場合に実行される。すなわち、亜鉛注入の前期が終了した後に実行される。ステップS110以降は、亜鉛注入の後期である。ステップS110以降(図4のt=t3以降)、すなわち、亜鉛注入の後期においても、一次冷却材C1の亜鉛濃度Dz_nが、一次冷却材C1の亜鉛濃度の目標値Daとなるように、注入速度Vnが制御される。
ステップS110において、図1に示す一次冷却材サンプル採取点29から取得された一次冷却材C1の亜鉛濃度Dz_nが目標値Daよりも小さいか否かが判定される。ステップS110においてYesと判定された場合、すなわち、D_zn<Daであると判定された場合、現時点における亜鉛濃度Dz_nは目標値Daに到達していない。この場合、酸化皮膜への亜鉛の取り込みが追い付いていない状態であると判定できるので、ステップS111へ進み、注入速度Vをこれまでの注入速度Vn−1よりもΔV3分増加させる。すなわち、V=Vn−1+ΔV3となる。ここで、ΔV3は、後期注入速度増加分であり、本実施例において、ΔV3はVmax1/8=V1/4である。
ここで、亜鉛注入の前期における亜鉛の注入速度の増加量である前期注入速度増加分ΔV1はVmax1/4なので、亜鉛注入の後期における亜鉛の注入速度の増加量である後期注入速度増加分ΔV3よりも大きい。亜鉛注入の後期においては、一次冷却配管を構成するTT690材の表面に形成される酸化皮膜の亜鉛の取り込みが進行しており、また、酸化皮膜の生成速度も亜鉛注入の前期より低下している。このため、後期注入速度増加分ΔV3を前期注入速度増加分ΔV1よりも小さくして、一次冷却材C1の亜鉛濃度の急激な上昇を回避する。
次に、ステップS112へ進み、注入速度Vと後期最大注入速度Vmax2とが比較される。これは、注入速度Vが後期最大注入速度Vmax2を超えないようにするためである。上述したように、亜鉛注入の後期においては、酸化皮膜の生成速度が亜鉛注入の前期よりも低下し、また、酸化皮膜の亜鉛の取り込みが進行している。このため、注入速度Vが過度に大きくなると、一次冷却材C1の亜鉛濃度Dz_nが目標値Daを超えるおそれがある。これを抑制するため、亜鉛注入の後期においては、後期最大注入速度Vmax2を最大注入速度Vmax1よりも小さくする。本実施例では、Vmax2=Vmax1/2とする。
ステップS112でYesと判定された場合、すなわち、V≦Vmax2であると判定された場合、ステップS111で設定された注入速度Vで亜鉛が注入されるとともに、ステップS115に進む。また、ステップS112でNoと判定された場合、すなわち、V>Vmax2であると判定された場合、ステップS113で注入速度Vが最大注入速度Vmax2に設定されて亜鉛が注入されるとともに、ステップS115に進む。
ステップS115において、注入時間tがt5(図4参照)以下であるか否かが判定される。これによって、亜鉛注入の後期が終了したか否かが判定される。t5は、亜鉛注入の後期が終了したか否かを判定するための閾値であり、本実施例では、亜鉛の注入開始(図4のt=t0)から700時間である。亜鉛注入の後期が終了した後、初臨界や原子力プラント1の営業運転開始後も、亜鉛の注入が実行される。
ステップS115でYesと判定された場合、すなわち、t≦t5であると判定された場合、まだ亜鉛注入の後期は終了していないので、ステップS110へ戻り、ステップS110以降の手順を繰り返す。ステップS115でNoと判定された場合、すなわち、t>t5であると判定された場合、亜鉛注入の後期は終了したので、温態機能試験が終了されるとともに、本実施例に係る原子力プラントの運転方法は終了する。温態機能試験の終了により、一次冷却材C1の加熱も停止するが、一次冷却材C1の加熱の停止とともに、一次冷却材C1への亜鉛の注入も終了する。これによって、亜鉛の過剰な消費を抑制する。次に、ステップS110へ戻って説明する。
ステップS110においてNoと判定された場合、すなわち、D_zn≧Daであると判定された場合(図5のt=t4)、現時点における亜鉛濃度Dz_nは目標値Daに到達したか、目標値Daを超えている。この場合、ステップS114へ進み、注入速度Vをこれまでの注入速度Vn−1よりも減少させる。減少のさせ方は、現時点における亜鉛濃度Dz_nと目標値Daとの差分(D_zn−Da)に相当する注入速度である2×ΔV2×(D_zn−Da)を、これまでの注入速度Vn−1から減ずる。すなわち、注入速度V=Vn−1−2×ΔV2×(D_zn−Da)となる。ここで、ΔV2は現時点における亜鉛濃度Dz_nと目標値Daとの差分を注入速度に換算する係数であり、その内容は上述したので、説明を省略する。
このように、現時点における亜鉛濃度Dz_nと目標値Daとの差分に相当する注入速度2×ΔV2×(D_zn−Da)をこれまでの注入速度Vn−1から減ずることにより、一次冷却材C1の亜鉛の濃度を、速やかに目標値Daとすることができる。ステップS114で設定された注入速度Vで亜鉛が注入されて、ステップS115へ進む。例えば、ステップS115でYesと判定された場合、ステップS110に戻るが、このときステップS110でYesと判定されると、注入速度Vがこれまでの注入速度Vn−1よりもΔV1分増加される(図5のt=t_f2)。そして、ステップS115でNoと判定されるまで、ステップS110〜ステップS114を繰り返す。
また、本実施例では、亜鉛注入の後期における亜鉛の注入速度の減少率、すなわち、現時点における亜鉛濃度Dz_nと目標値Daとの差分の係数2×ΔV2は、亜鉛注入の前期における亜鉛の注入速度の減少率、すなわち、現時点における亜鉛濃度Dz_nと目標値Daとの差分の係数ΔV2よりも大きい。これによって、亜鉛濃度Dz_nを速やかに低下させることができるので、一次冷却材C1の亜鉛濃度の急激な上昇を回避する。
本実施例では、亜鉛注入の前期においては、亜鉛の注入速度の増加量が亜鉛注入の後期における亜鉛の注入速度の増加量よりも大きい。また、亜鉛注入の後期における亜鉛の注入速度の減少率は、亜鉛注入の前期における亜鉛の注入速度の減少率よりも大きい。さらに、亜鉛注入の前期における亜鉛の注入速度の最大値は、亜鉛注入の後期における亜鉛の注入速度の最大値よりも大きい。これによって、亜鉛注入の前期に一次冷却材C1へ注入される亜鉛の量は、亜鉛注入の後期に一次冷却材C1へ注入される亜鉛の量よりも大きくなる。
その結果、一次冷却配管を構成するTT690材の表面に形成される酸化皮膜の亜鉛の取り込み量が大きく、また、酸化皮膜の生成速度も大きい亜鉛注入の前期においては、より多くの亜鉛を一次冷却材C1中に存在させて、酸化皮膜へ亜鉛を効率的に取り込ませることができる。一方、一次冷却配管を構成するTT690材の表面に形成される酸化皮膜の亜鉛の取り込みが進行し、また、酸化皮膜の生成速度が低下する亜鉛注入の後期においては、亜鉛の供給が抑制されるので、亜鉛の過剰な消費を抑制できる。
図6は、本実施例の変形例に係る原子力プラントの運転方法のタイミングチャートである。上述したように、亜鉛注入の前期(t=t2〜t3)においては、酸化皮膜の亜鉛の取り込み量が大きく、また、酸化皮膜の生成速度も大きいが、亜鉛注入の後期(t=t4〜t5)においては、酸化皮膜の亜鉛の取り込みが進行し、また、酸化皮膜の生成速度が低下する。このため、亜鉛注入の前期においては、注入速度Vを大きくし、亜鉛注入の後期においては、注入速度Vを低下させる。
より具体的には、亜鉛注入の前記の開始時(t=t2)において注入速度Vが最大となり、その後時間tの進行、すなわち温態機能試験の進行とともに注入速度Vを低下させる。その結果、亜鉛注入の前期に一次冷却材C1へ注入される亜鉛の量は、亜鉛注入の後期に一次冷却材C1へ注入される亜鉛の量よりも大きくなる。これによって、一次冷却材C1中の亜鉛の濃度を、酸化皮膜の生成速度及び酸化皮膜の亜鉛の取り込み量に応じた適切な値に維持できる。なお、図6に示す例でも、一次冷却材C1の加熱を停止したら(t=t1、t3、t5)、一次冷却材C1に対する亜鉛の注入を停止する。また、t=t0〜t=t1までの期間は、亜鉛注入の初期に相当し、徐々に注入速度を上昇させる期間である。
以上、本実施例では、原子炉の建設後、原子炉の冷却系(PWRでは一次冷却系)が初めて出力運転温度近くに昇温する際(PWRでは温態機能試験の実行中)に、前記冷却系に存在する冷却材(PWRでは一次冷却材)に亜鉛を注入する。すなわち、原子炉の冷却材が通過する配管の内面、冷却材が接触する炉内構造物や蒸気発生器の構造物等の表面に酸化皮膜が形成されていない状態で、亜鉛を注入する。
これにより、亜鉛の腐食抑制効果によって、臨界前に冷却材中に溶け出すNi(被ばく線源であるCo−58の親元素)が抑制されるので、被ばく低減効果が得られる。また、酸化皮膜に亜鉛が取り込まれることにより、被ばく線源であるCo−58の酸化皮膜への取り込みが抑制されるので、被ばく低減効果が得られる。これらの被ばく低減効果により、原子炉の定期検査作業従事者の被ばく線量当量は少なくとも10%程度の低下、被ばく線量としては少なくとも約20人・mSvの低下が見込まれる。また、原子炉の冷却材が通過する配管の内面、冷却材が接触する炉内構造物や蒸気発生器の構造物等がTT690材で構成される場合に、本実施例に係る原子力プラントの運転方法はより好適である。
以上のように、本発明に係る原子力プラントの運転方法は、亜鉛の注入により被ばくを低減することに有用であり、特に、加圧水型の原子炉を備える原子力プラントに適している。
原子力プラントを示す模式図である。 TT690材に対する亜鉛注入量とpH7.3における腐食量との関係を示す図である。 TT690材の腐食量の経時変化を示す図である。 本実施例に係る原子力プラントの運転方法の手順を示すフローチャートである。 本実施例に係る原子力プラントの運転方法のタイミングチャートである。 本実施例の変形例に係る原子力プラントの運転方法のタイミングチャートである。
符号の説明
1 原子力プラント
1W 格納容器
2 原子炉
2C 核燃料
3 蒸気発生器
3T 伝熱管
4 加圧器
5 一次冷却材ポンプ
6A 一次冷却材第1供給通路
6B 一次冷却材第2供給通路
6C 一次冷却材回収通路
7S 蒸気供給通路
7R 二次冷却材回収通路
8 タービン
9 復水器
10 発電機
11 再生熱交換器
12 非再生熱交換器
13A 一次冷却材取り出し通路
13B、13C、13D 一次冷却材通路
13E、13F 一次冷却材戻し通路
14 体積制御タンク
15 充填ポンプ
16 脱塩塔
20 亜鉛注入装置
21 亜鉛タンク
22 亜鉛注入ポンプ
23 流量調整弁
24 亜鉛供給通路
25 亜鉛注入通路
26 開閉弁
28 流量計
29 一次冷却材サンプル採取点

Claims (8)

  1. 原子炉の建設後、温態機能試験の実行中に、前記原子炉の一次冷却系に存在する冷却材へ亜鉛を注入することを特徴とする原子力プラントの運転方法。
  2. 前記冷却材の温度が所定の温度以上になった場合に、前記亜鉛を前記冷却材へ注入することを特徴とする請求項1に記載の原子力プラントの運転方法。
  3. 前記冷却材に含まれる前記亜鉛の濃度が予め定めた所定の値よりも小さい場合、前記亜鉛の注入速度をこれまでよりも大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の原子力プラントの運転方法。
  4. 前記亜鉛の注入の前期における前記亜鉛の注入速度の増加量は、前記亜鉛の注入の後期における前記亜鉛の注入速度の増加量よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の原子力プラントの運転方法。
  5. 前記冷却材中に含まれる前記亜鉛の濃度が予め定めた所定の値以上である場合、前記亜鉛の注入速度をこれまでよりも小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の原子力プラントの運転方法。
  6. 前記亜鉛の注入の後期における前記亜鉛の注入速度の減少率は、前記亜鉛の注入の前期における前記亜鉛の注入速度の減少率よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の原子力プラントの運転方法。
  7. 前記冷却材の加熱を停止したら、前記冷却材に対する前記亜鉛の注入を停止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の原子力プラントの運転方法。
  8. 前記亜鉛の注入の前期に前記冷却材へ注入される前記亜鉛の量は、前記亜鉛の注入の後期に前記冷却材へ注入される前記亜鉛の量よりも大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の原子力プラントの運転方法。
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