JP2007192745A - フェライト皮膜を形成する薬剤の再生方法およびその装置 - Google Patents

フェライト皮膜を形成する薬剤の再生方法およびその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば原子力プラントの炭素鋼部材のような金属部材の表面にフェライト皮膜を形成する処理液を再生することにより、複数回の処理作業であっても作業時間を短縮化する。
【解決手段】常温から200℃までの範囲の温度条件下で、鉄(II)イオンを含む第1の薬剤と該鉄(II)イオンの一部を鉄(III)イオンに酸化する第2の薬剤と混合し、その混合液にpH値を調整する第3の薬剤を加えてpH5.5から9.0の範囲に調整して作製した処理液を用いて金属部材の表面にフェライト皮膜を成膜する際に、損耗した処理液に前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化する第2の薬剤を加えて鉄を析出させ、フィルターで除去した後、再び前記第1、第2、第3の薬剤を上記順序で添加することを特徴とするフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法と装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば原子力プラントのステンレス鋼や炭素鋼部材のような金属部材の表面にフェライト皮膜を形成する際に使用する処理液を再生する方法およびその方法に用いる装置に関する。
例えば、沸騰水型原子力発電プラント(以下、「BWR」と略記する。)では、圧力容器内に燃料棒を収容してなる原子炉内に、再循環ポンプやインターナルポンプによって冷却水を強制循環することにより、燃料で発生した熱を効率的に冷却水に移動させるようにしている。このようにして原子炉内で発生した冷却水の蒸気は、大部分が蒸気タービン発電機の駆動に利用され、蒸気タービンから排出される蒸気は復水器で凝縮されるとともに、復水器内で凝縮された復水はほぼ完全に脱気されて、再び原子炉の冷却水として給水される。その際、復水器内では、炉心で水の放射線分解によって発生した酸素及び水素もほぼ完全に除去される。また、原子炉に戻される復水は、原子炉における放射性腐食形成物の発生を抑制するため、脱塩器などのイオン交換樹脂濾過装置で主として金属不純物が除去され、200℃近くまで加熱して原子炉に給水される。
また、放射性腐食形成物は、圧力容器内や再循環系等の接水部からも発生することから、主要な一次系の構成部材は腐食の少ないステンレス鋼、ニッケル基合金などの不銹鋼が使用されている。また、低合金鋼製の原子炉圧力容器には、ステンレス鋼の内面肉盛りがなされ、低合金鋼が直接炉水と接触することを防いでいる。このような材料上の配慮に加えて、炉水の一部を炉水浄化装置によって浄化し、炉水中に僅かに形成する金属不純物を積極的に除去している。
しかし、上述のような腐食対策を講じても、炉水中に極僅かな金属不純物の存在は避けられないため、一部の金属不純物が金属酸化物として燃料棒の表面に付着する。燃料棒表面に付着した金属元素は、燃料から放射される中性子の照射を受けて原子核反応を起こし、コバルト60、コバルト58、クロム51、マンガン54等の放射性核種が形成される。これらの放射性核種は、大部分が酸化物の形態で燃料棒表面に付着したままであるが、一部の放射性核種は取り込まれている酸化物の溶解度に応じて炉水中に溶出したり、クラッドと呼ばれる不溶性固体として炉水中に再放出される。炉水中の放射性物質は炉水浄化系によって取り除かれるが、除去できなかったものは炉水とともに再循環系などを循環している間に構成部材の接水部表面に蓄積される。その結果、構成部材表面から放射線が放射され、定検作業時の従事者の放射線被曝の原因となる。作業被曝の線量は、各人毎に規定値を超えないように管理されているが、近年この規定値が引き下げられたので、各人の被曝線量を経済的に可能な限り低くする必要が生じている。
そこで、配管への放射性核種の付着を低減する方法や、炉水中の放射性核種の濃度を低減する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、亜鉛などの金属イオンを炉水中に注入して、炉水と接触する再循環系配管表面に亜鉛を含む緻密な酸化皮膜を形成することにより、酸化皮膜中へのコバルト60やコバルト58等の放射性核種の取り込みを抑制する方法が提案されている。また、特許文献2には、冷却水中に放射性核種が溶出したり放出される状態となる前に、運転中に炉水が通流する再循環系配管及び炉水浄化系配管の内面に、予め一定条件で酸化皮膜を形成させることが提案されている。
特開昭58−79196号公報 特開昭62−95498号公報
しかし、亜鉛などの金属イオンを炉水中に注入する方法の場合、亜鉛自体の放射化を避けるため、同位体を分離した亜鉛イオンを運転中に連続注入する必要があり、この分離作業が高コストとなるという問題点がある。また、酸化皮膜を形成させる方法の場合、例えばBWRの運転温度域(250〜300℃)において酸化皮膜を形成させていることから、炉水浄化系の高温部ではよいが、炉水浄化系の低温部や残留熱除去系のような低温部では施工できないという問題がある。
そこで、低コストで放射性核種の付着速度を低減できる方法として、常温から100℃までの範囲の低温度条件下で、材料の表面にフェライトの緻密な皮膜を形成させる手法が発明されている。金属表面にフェライト皮膜を形成した試験片と皮膜を形成していない試験片について、炉水環境での放射性核種の付着量の比較を図2に示す。皮膜を形成した試験片では放射性核種の付着が抑制されていることが示されている。
図3は膜厚に対する付着量を示したものであり、付着抑制効果を十分に持たせるためには、膜厚を一定値以上にする必要性があることが示されている。
図4は、皮膜形成時間に対する皮膜量の関係を示すものであり、飽和傾向があるために皮膜厚さを増やすためには複数回の処理を行う必要がある。
複数回の処理を行うためには、処理薬剤を分解・除去(浄化)して一度系統水を純水に戻すことが最も確実であるが、分解・除去(浄化)の工程は時間がかかるという問題点がある。
本発明は、金属部材へのフェライト皮膜を形成する処理液を効果的に再生し、その結果、複数回の処理作業であっても、処理液の交換作業などを省略して作業時間を短縮化し、効率的な再生作業を実現することを課題とするものである。
本発明の発明者は、上記課題を解決するため、種々の検討を行った結果、損耗した薬剤中にはマグネタイトの粒子が形成されており、これが対象部材表面の皮膜成長を阻害することがわかった。このマグネタイト粒子を除去するためフィルタに単純に通水しても、フィルタの目開き以下の粒子成分は除去できず、これを核としたマグネタイトの成長が起こるため、処理対象部の皮膜成長を促進する効果は得られない。
マグネタイトを効率よく除去するため、過酸化水素を添加する方法を検討した。過酸化水素と鉄(II)イオンは次のフェントン反応により鉄(III)イオンとヒドロキシラジカル、水酸化物イオンを生じる。
(化1)Fe2+ + H2O2→ Fe3+ + OH + OH
ヒドロキシラジカルは鉄(II)イオンやギ酸、ヒドラジンを酸化して水酸化物イオンになる。鉄(III)イオンは未反応の鉄(II)イオンとの次の加水分解反応によってマグネタイトを生じ、マグネタイトの微細粒子を大きくしてフィルタによる除去を可能とする。
(化2)2Fe3+ + Fe2+ + 4H2O → Fe3O4 + 8H+
鉄(II)イオンが不足した場合、次に示すように水酸化第二鉄を生じる場合も有る。
(化3)Fe3+ + 3H2O → Fe(OH)3 + 3H+
このとき水素イオンが放出され、フェントン反応とその後のヒドロキシラジカルの還元で生じた水酸化物イオンを合わせて考えると、1ないし3モル相当の水素イオンが生じることになり、pHは酸性側にシフトして行く。
図10は、損耗したフェライト皮膜形成薬剤に過酸化水素を添加する前後のpH値の変化を示すものである。
図11は、鉄−水系の鉄化合物について、pH値に対する電位の関係を示すものである。図11をみると、水素イオンの発生によりpHが低下すると、pH6付近でマグネタイトが溶解する領域に入ることがわかる(図11の細線参照)。
微粒子では粒径が小さいほど単位体積当たりの接液面積が大きくなるため、マグネタイトの微粒子は消失しやすくなる。
微細なマグネタイトの粒子が溶解するpHは鉄濃度や温度によって多少前後するが、マグネタイトの微細粒子の溶解はpH4から6.5の範囲で起こる。pH4以下とすると、形成したフェライト皮膜の溶解も無視できなくなるため、pH4以上としておくことが好ましい。これにより、フィルタによって除去できるマグネタイト粒子を除去し、除去できないマグネタイト微粒子はpHの低下によって溶解させて消去させる。
酸化剤を過剰に加えた場合、過酸化水素や酸素が残っているが、酸素についてはサージタンクの窒素バブリングで除去し、過酸化水素の場合は触媒塔に通水することで除去する。
こうして、損耗したフェライト皮膜形成薬剤中から固体成分と酸化剤成分を実質的に除去する。このとき、溶液中に残っている成分はフェントン反応によって濃度を減少させたギ酸、ヒドラジン、鉄(II)イオン、及び鉄(III)イオンとなる。この状態の溶液に再びフェライト皮膜の形成に必要なギ酸、鉄、過酸化水素、ヒドラジンを適量添加することにより、再びフェライト皮膜を成長させことができることを確認した。その実験結果を図5に示す。
したがって、本発明は上記の課題を解決するため、損耗した薬剤に過酸化水素などの酸化剤を加えて、鉄を酸化物や水酸化物として析出させ、フィルタに通水して除去した後、再びギ酸、鉄、過酸化水素、ヒドラジンを必要量添加することを特徴とする。
本発明のフェライト皮膜形成薬剤の再生装置は、処理液を貯留するサージタンクと、該サージタンク内の処理液を吸引する循環ポンプと、該循環ポンプにより吸引された前記処理液を成膜対象の配管系に供給する処理液供給管と、該処理液供給管の処理液に注入する鉄(II)イオンを貯留する第1の薬液タンクと、前記処理液供給管の処理液に注入する酸化剤を貯留する第2の薬液タンクと、前記処理液供給管の処理液を5.5から9.0の範囲のpH値に調整するpH調整剤を貯留する第3の薬液タンクと、前記成膜対象の配管系から戻される処理液を前記サージタンクに戻す処理液戻り管と、前記処理液を60℃から100℃の範囲中の温度に加熱する加熱手段と、鉄の析出物を除去するフィルターと、過剰な酸化剤を分解する触媒とを備えて構成することができる。
各薬剤の循環系統への注入点としては、流れの上流側から鉄(II)イオン、酸化剤、pH調整剤の順で、特にpH調整剤は循環ポンプの下流側で処理対象部位の直前上流側が、仮設配管内で無駄なフェライト皮膜が形成されることがなくなるため好ましい。
また、化学除染と兼用する場合は、成膜対象の配管系と化学除染で使用する酸化剤と還元剤の薬液タンクを、前記処理液供給管に連通して設けて構成することができる。
本発明によれば、フェライト皮膜を形成する処理液を再生することができるので、損耗した処理液の交換やイオン交換樹脂を用いた浄化プロセスを省略できるので、複数回の処理作業を必要とする場合であっても、フェライト皮膜を形成する作業を短時間化し、イオン交換樹脂の廃棄量を低減することができるなどして、再生作業を低コスト化することができるという効果を奏する。
[実施例1]
以下、本発明のフェライト皮膜を形成する処理液を再生する方法について、実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明のフェライト皮膜を形成する処理液を再生する方法の実施の形態として、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法(実施例1)のフローチャートを示したものである。図6は、原子力発電プラントの再循環配管に本発明を適用した実施例1の全体系統構成図を示す。図7は、本発明のマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する薬剤を再生する方法に用いる再生装置(成膜装置)の詳細系統構成図である。
図6が示す実施例1について、以下、詳細に説明する。
原子力発電プラントは、燃料棒を圧力容器に収容してなる原子炉1と、原子炉1に連結された主蒸気配管2と、主蒸気配管2に連結された蒸気タービン3と、蒸気タービン3の蒸気排出口に連結された復水器4とを備えて構成される。復水器4で凝縮された復水は、復水ポンプ5によって抜き出され、復水浄化装置6と、給水ポンプ7と、低圧給水加熱器8と、高圧給水加熱器9とを有してなる給水配管系10を介して原子炉1の給水として戻されるようになっている。低圧給水加熱器8と高圧給水加熱器9の熱源は、蒸気タービン3の抽気により賄われる。
原子炉1内の冷却水を循環する炉水再循環系は複数設けられ、原子炉1の底部に連結された複数の再循環ポンプ21により抜き出された炉水を、それぞれの再循環ポンプ21に連結された炉水再循環配管22を介して原子炉1の上部に戻して循環するように構成されている。原子炉1の炉水を浄化する炉水浄化系は、炉水浄化系配管に設けられた炉水浄化系ポンプ24により炉水再循環配管22から抜き出された炉水を再生熱交換器25と非再生熱交換器26を介して冷却し、冷却された炉水を炉水浄化装置27により浄化し、浄化された炉水を再生熱交換器25で昇温した後、給水配管10の高圧給水加熱器9の下流側で給水系に加えて原子炉1に戻すように構成されている。
図6は更に、本発明のマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する薬剤の再生装置30は、仮設配管を用いて炉水再循環系に連結した状態を示している。図6が示す実施例1では、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する薬剤の再生装置30は、かかる皮膜を形成する装置を兼ねるものである。
原子炉1の供用運転が停止されたとき、例えば炉水再循環配管22から分岐されている炉水浄化系配管のバルブ23のボンネットを開放して炉水浄化装置27側を閉止してバルブ23のフランジを用いて仮設配管の片側を接続し、仮設配管の他側についても、同様な方法あるいはドレン配管や計装配管などを切り離し、その切り離した枝管を用いるなどの方法により接続する。こうして、炉水再循環配管22の再循環ポンプ21の上流側から仮設配管を用いて成膜装置の入口側に導き、その他側から仮設配管を用いて再循環ポンプ21の下流側に戻す循環経路を形成する。
図7は、本発明の再生装置である成膜装置30の系統構成を示す。再生装置30は、化学除染処理にも兼用できるように構成されたものであり、以下に記載するように系統構成されたものである。
処理に用いる水が充填されるサージタンク31と、サージタンク31の水を抜き出してバルブ33、34を介して炉水再循環配管22に供給する循環ポンプ32を備え、バルブ33とバルブ34を結ぶ配管35には、その上流側から下流側に向けて、バルブ41と注入ポンプ43を介して薬液タンク45が、バルブ42と注入ポンプ44を介して薬液タンク46が、バルブ38と注入ポンプ39を介して薬液タンク40がそれぞれ連結されている。
薬液タンク45には、鉄をギ酸で溶解して調製した2価の鉄イオン(鉄(II)イオン)を含む薬剤が保管されている。鉄を溶解させる薬剤としては、ギ酸に限らず、鉄(II)イオンの対アニオンとなる有機酸又は炭酸を用いることができる。
薬液タンク46には、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜の形成時の酸化剤としての過酸化水素が貯蔵されている。薬液タンク40には、pH調整のためのヒドラジンが貯留されている。
また、循環ポンプ32の吐出側からバルブ36、エゼクタ37を介してサージタンク31に戻る流路が形成され、エゼクタ37には配管内の汚染物を酸化溶解するための過マンガン酸又は配管内の汚染物を還元溶解するためのシュウ酸を投入するためのホッパが設けられている。
循環ポンプ32によって炉水再循環配管22の一端に供給された処理液は、炉水再循環配管22内を通って他端からバルブ47に戻される。バルブ47を介して戻された処理液は、循環ポンプ48、バルブ49、加熱器53、バルブ55、56、49、57を介してサージタンク31に戻される。加熱器53とバルブ55からなる流路には、冷却器58とバルブ59が並列に連結され、バルブ56の流路には、カチオン交換樹脂塔60とバルブ61の流路が、また、混床樹脂塔62とバルブ63の流路が、それぞれ並列に連結される。また、バルブ49の流路には、バルブ50とフィルタ51の流路が並列に接続され、バルブ57の流路には、バルブ65と分解装置64の流路が並列に接続される。
分解装置64には、薬液タンク46に貯留された過酸化水素水が注入ポンプ44とバルブ54を介して注入可能に構成されている。実施例1では、フェライトメッキに必要な酸化剤と分解に必要な酸化剤が同一の過酸化水素であるため薬液タンクと注入ポンプを共用しているが、設置場所により接続配管が長くなるような場合にはこれらを分けて設置することもできる。
酸化剤を注入するバルブ42からの注入位置は、鉄(II)イオンを注入するバルブ41からの注入位置の下流側であってpHを調整する薬剤を注入するバルブ38からの注入位置の上流側に設定する。また、処理液は、混合した直後から液中にマグネタイトの微粒子を形成し始めるので処理直前に混合する必要がある。このため、pHを調整する薬剤を注入するバルブ38からの注入位置は、酸化剤を注入するバルブ42の下流側であるだけでなく、処理対象部位にできるだけ近い位置に設定することが好ましい。また、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する際には、循環ポンプ48の下流側にあるフィルタ51を通水可能とすることが好ましい。さらに、鉄(II)イオンを含む薬剤を貯蔵する薬液タンク45とサージタンク31には、水溶液中の酸素を除去するために、窒素又はアルゴンなどの不活性ガスをバブリングすることが好ましい。分解装置64は、鉄(II)イオンの対アニオンとして使用する有機酸とpH調整剤のヒドラジンを分解できるようになっている。また、鉄(II)イオンの対アニオンとして使用する有機酸として、廃棄物量の低減を考慮して水や二酸化炭素に分解できる有機酸又は気体として放出可能で廃棄物量を増やさない炭酸を用いる。さらに、薬剤の使用量を抑えるには、余分な反応形成物を分離除去して未反応薬剤を回収し、再利用することが好ましい。
以上のように構成される再生装置(成膜装置)30を用いて原子炉の炉水再循環系配管にマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する際に、本発明のかかる皮膜形成薬剤の再生方法の処理手順を、図1に示したフローチャートに沿って説明する。まず、ステップ1(以下「S1」といい、後続するステップも同様に記載する。)において、再生装置である成膜装置30を処理対象である原子炉の炉水再循環系配管に連結する。原子炉1が停止されたときに原子炉1と炉水再循環配管22との連結をプラグ28と29で切り離し、炉水再循環配管22から分岐している配管のバルブ12、13を介して仮設配管を接続して再生装置30を連結する。
なお、図8では図7に示した詳細な再生装置30の一部を便宜上省略した。
次に、S2において、炉水と接する金属部材の表面に形成された放射性核種を取り込んだ酸化皮膜などの汚染物について、再生装置30を用いて化学的な処理により、これを除染する。なお、放射性核種の付着を抑制する方法を実施する前に、化学除染を実施することが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、研磨などのような機械的な除染処理を適用して処理対象の金属部材の表面を露出させてもよい。
ステップS2の化学除染は、従来周知の方法によるものであるが、簡単に説明する。まず、バルブ33、34、47、55、56、49、57を開き他のバルブを閉じた状態で、循環ポンプ32と循環ポンプ48を起動して、化学除染の対象の炉水再循環系22内にサージタンク31内の処理液を循環させる。加熱器53により処理液の温度を約90℃まで昇温してから、バルブ36を開いてエゼクタ37につながっているホッパから必要量の過マンガン酸カリウムをサージタンク31に注入する。サージタンク31で溶解した薬剤により、処理対象部に形成された酸化皮膜などの汚染物を酸化溶解する。
上記した汚染物の酸化溶解を終了すると、処理液中に残っている過マンガン酸イオンを分解するため、前記ホッパからシュウ酸をサージタンク31に注入する。続いて、処理液のpHを調整するため、バルブ38を開くと共に注入ポンプ39を起動して薬液タンク40からヒドラジンを処理液中に注入する。このようにして、シュウ酸とヒドラジンを注入した後、バルブ61を開くと共にバルブ56の開度を調整して、処理液の一部をカチオン交換樹脂塔60に通し、処理液中に溶出してきた金属陽イオンをカチオン交換樹脂に吸着させることにより処理液中から除去する。
上記の還元溶解が終了した後、処理液中のシュウ酸を分解するため、分解装置64の入口側のバルブ65と分解装置64と並列に設けられたバルブ57の開度を調整して、処理液の一部を分解装置64に通流させるが、同時にバルブ54を開けて注入ポンプ44を起動し、薬液タンク46の過酸化水素を分解装置64に流入する処理液中に注入することにより、分解装置64でシュウ酸とヒドラジンを分解する。シュウ酸とヒドラジンが分解された後、処理液中の不純物を除去するために加熱器53をオフにしてバルブ55を閉じ、同時に冷却器58のバルブ59を開けて、処理液を冷却器58に通流することにより処理液の温度を下げる。これにより処理液の温度は混床樹脂塔62を通水できる温度、例えば、60℃まで下げた後、カチオン樹脂塔60のバルブ61を閉じると同時に、混床樹脂塔62のバルブ63を開いて、処理液を混床樹脂塔62に通流させて処理液中の不純物を除去する。
上記した一連の昇温から酸化溶解、酸化剤分解、還元溶解、還元剤分解、浄化運転を、2〜3回繰り返すことにより、処理対象の金属部材の酸化皮膜を含む汚染物を溶解して除去することができる。
上記の化学除染処理を実行して金属部材の酸化皮膜を含む汚染物を除去した後、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜の形成処理に切り換えるが、まず、最後の浄化運転終了後、S3において、バルブ50を開くと共にバルブ49を閉じてフィルタ51への通水を開始し、同時に加熱器53への通水を開始して処理液を所定温度(60℃から100℃)に調整する。
処理液の温度については、形成されるマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜に、原子炉の供用運転時の炉水中の放射性核種が取り込まれ難い程度に結晶等の膜構造を緻密に形成するためには200℃以下が好ましいが、100℃以上では処理液の沸騰を抑制するため、加圧しなければならず仮設設備の耐圧性が要求されるようになり設備コストが大きくなるため好ましくない。他方、下限については、常温でもよいが膜の形成速度が実用範囲になる60℃以上が好ましい。
また、フィルタ51へ通水する理由は、水中に微細な固形物が残留しているとマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜の形成処理の際にかかる微細な固形物表面にも皮膜形成を生じて、無駄な薬剤を使用することになるため、これを防止するためであり、また、フィルタ51への通水を除染中に実施することは、溶解してきた高い放射能を含む固形物によってフィルタの線量率が高くなりすぎる危険があるので、化学除染処理の終了後のこの時期に実施する。
マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成させるためには、鉄(II)イオンが成膜対象部の表面に吸着する必要があるが、溶液中の鉄(II)イオンは溶存酸素によって下記(化4)に示す化学式にしたがって鉄(III)イオンに酸化され、鉄(III)イオンは鉄(II)イオンに比べて溶解度が低いため、下記(化5)に示す化学式にしたがって水酸化鉄として析出してしまうから、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜形成に寄与しなくなってしまう。そこで、処理液中の溶存酸素を除去するため、不活性ガスのバブリング又は真空脱気を行うことが好ましい。
(化4)4Fe2++O+2HO→4Fe3++4OH
(化5)Fe3++3OH→Fe(OH)
循環される処理液の温度が所定温度に達したら、バルブ41を開いて注入ポンプ43を起動し、薬液タンク45から鉄をギ酸で溶解して調製した鉄(II)イオンを含む薬剤を処理液中に注入し(S4)、続いて、処理対象の金属部材表面に吸着した鉄(II)イオンをフェライト化させるため、バルブ42を開き注入ポンプ44を起動して、薬液タンク46に貯留されている酸化剤の過酸化水素水を処理液中に注入し(S5)、最後に反応開始条件となる処理液をpH5.5から9.0の範囲のpH値に調整するため、バルブ38を開き注入ポンプ39を起動して、薬液タンク40からヒドラジンを処理液中に注入する。これにより、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する反応が生じる処理液となるが、ヒドラジン注入後の処理液のpH値をpH計66によってモニターし、pH5.5から9.0の範囲のpH値となるようにヒドラジンの注入速度を調整する。こうして、処理対象となる金属部材表面にマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜が形成される。(S6)
ステップ4から6については、鉄イオンが注入された液が酸化剤注入ポイントに達したときに酸化剤の注入が開始され、鉄イオンと酸化剤が混合した処理液がpH調整剤注入ポイントに達したときにpH調整剤の注入が直ちに実施されることが好ましい。仮に鉄イオンだけ先に注入して系統を循環させると系統内に残っている溶存酸素により酸化反応が生じる可能性が高くなり、注入する過酸化水素の量を減らしたり、または注入せずにヒドラジンの注入を開始する必要が出てくるため、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜の形成を制御することが難しくなる。
鉄イオンに酸化剤が供給されると鉄イオンの酸化反応が開始され、鉄(II)イオンと鉄(III)イオンの存在比率が皮膜形成反応に適した条件となるが、このままでは処理液は酸性のため皮膜は形成されない。この処理液にpH調整剤を添加することにより皮膜形成反応が開始される。そこで、仮設配管内面への無駄な皮膜形成を防止するため、pH調整剤の注入ポイントは処理対象物に近く、図8に示すように格納容器11の内部で仮設設備と本設設備の接続点に近い仮設設備に設けられることが好ましい。
薬液の注入の順序については、酸化剤、鉄イオン、pH調整剤の順番でも皮膜を形成できるが、過酸化水素は温度が高い金属表面で分解しやすいため、先に注入すると一部無駄に消費されるし、皮膜を形成するマグネタイトの粒子の大きさが大きくなる。そこで、鉄イオン(S4)、酸化剤(S5)、pH調整剤(S6)の順番で注入することが、薬剤を有効活用し、より緻密な皮膜を形成する観点から必要である。
図8は、再生装置30と再循環配管22を仮設配管で接続した場合の系統構成を示すものであるが、このように接続した場合、再循環配管22には2つの自由液面が生じる。処理液の液面の高さは、処理液が圧力容器1に入らないように制御する必要があるが、ドライウェル内の線量率を低く抑えるためにはできるだけ高い水位とすることが望ましい。これらの液面は、循環ポンプ32と循環ポンプ48の流量バランスを(図示しない)バルブを用いて微妙に調整することにより高さを制御することができる。気液界面近傍ではマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成しやすいので、液面を変動させることにより滞留水となりやすい再循環配管22の上部に位置するライザー管にも効率的に皮膜を形成することができる。
形成した皮膜量が満足すべきものであって皮膜の形成を完了するか、更に継続するかの判断を行う(S7)。マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜の形成を完了する場合は、S11の廃液処理工程に進む。皮膜の形成を継続する場合、本発明のマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する薬剤の再生処理の段階に移る。
S8では、バルブ42を開き注入ポンプ44を起動して、薬液タンク46に貯留されている酸化剤である過酸化水素水を注入する。このときの注入量は、処理液中の鉄(II)イオンすべてが鉄(III)イオンに酸化できる量より多いか、またはpH計66が検出するpH値が4以下とならないようにする。処理液中の鉄(II)イオン全てを鉄(III)イオンに酸化できる量を加えてpHが4以下になる場合は過酸化水素の添加を中止する。
S9では、バルブ50を開きバルブ49を閉じてフィルタ51への通水を開始して析出した鉄を除去する。
S10では、バルブ57を閉じてバルブ65を開き分解装置64に通水して過剰な過酸化水素を分解する。これらのS8からS10の作業は連続的に実施する。鉄の除去と過酸化水素の分解が完了した後、S4に戻って処理液に必要な量の薬液の追加供給を行い、薬剤の再生処理を完了する。
以上の過程を適宜繰り返して、必要な厚みのマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成することができる。
マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜が形成された後の処理液中には、ギ酸やヒドラジンが残存するので、処理液を排水するに際し、S11の廃液処理を実施して不純物を除去しておく必要があるが、混床樹脂塔62で処理すると、イオン交換樹脂の廃棄物が増えることになる。そこで、S11における廃液処理では、除染系統にある分解装置64を用いて、ギ酸は二酸化炭素と水に、ヒドラジンは窒素と水に、それぞれ分解処理することが好ましい。これにより、混床樹脂塔62の負荷を減らしてイオン交換樹脂の廃棄物量を減らすことができる。上記分解処理は、シュウ酸の分解と同様に、処理液の一部を分解装置64に流入させるため、分解装置64をバイパスするバルブ57と分解装置64のバルブ65の開度を調整し、分解装置64に流入する処理液中には薬液タンク46からの過酸化水素を注入してギ酸とヒドラジンの分解を行う。
以上のとおり、本発明のマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜の形成する薬液を再生方法を適用することにより、イオン交換樹脂の廃棄物や放射性廃棄物の発生量を抑制しながら、処理対象の金属表面にマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成して、通常の原子炉供用運転中における対象部位への放射性コバルトイオンなどの放射性核種の付着を抑制することができる。
[実施例2]
図9は、本発明の再生装置の他の実施形態である実施例2の系統構成図を示す。実施例2が、図7が示す実施例1と相違する点は、サージタンク31と、鉄(II)イオンの薬液タンク45に、それぞれ窒素バブリング装置71を接続して設けたことにあり、これにより、それぞれのタンク内の液体中の溶存酸素の排出に、特に、薬剤再生時に触媒塔で過酸化水素が分解された際に発生する酸素の除去に有効である。
その結果、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜の成膜に寄与しない鉄(III)イオンの形成を減らし、マグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する反応が低下することを抑制することができる。
[実施例3]
図12は、本発明の再生装置の更に他の実施形態である実施例3の系統構成図を示す。実施例3が、図9が示す実施例2と相違する点は、サージタンク31の窒素バブリング装置に酸素注入ライン72を接続して設けたことにある。
実施例3では、図1が示す実施例1の再生方法における酸化剤注入(S8)のところで、過酸化水素に換えて酸素を使うというものであり、具体的にはバルブ74を開きバルブ73を閉じることにより、サージタンク31を窒素バブリングから酸素バブリングに切り換える。こうして、過酸化水素を使った場合と同じ効果が得られる。その後、析出物除去(S9)については、実施例1と同様に行い、酸化剤分解(S10)に換えて窒素バブリングによって溶存酸素を排出する。具体的にはバルブ73を開きバルブ74を閉じてサージタンク31を酸素バブリングから窒素バブリングに切り換える。溶存酸素排出後、鉄(II)イオン溶液注入(S4)へ戻って、実施例1と同様にマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜の形成を行うことができる。
本発明のマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法の実施例1一実施の形態を示すフローチャート。 ステンレス鋼表面にマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成した後、BWR供用運転条件の高温水中に浸漬してCo−60の付着量を調べた実験結果を示す図。 皮膜量と放射能付着量抑制効果の関係を示す図。 処理時間と形成した皮膜量の関係を示した図。 再生後の薬剤について累積処理時間に対する形成された皮膜量の関係を示した図。 原子力発電プラントの再循環配管に本発明を適用した場合の全体系統構成図。 本発明のマグネタイトを主成分とするフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法に用いる再生装置(成膜装置)の系統構成図。 本発明に係る再生装置と再循環配管を仮設配管で接続した場合の系統構成図。 本発明の再生装置の実施例2の系統構成図。 フェライト皮膜を形成する処理液の損耗後に過酸化水素を添加する前後のpH値の比較図。 鉄−水系の鉄化合物の形態について、電位とpHの関係を示した図。 本発明の再生装置の実施例3の系統構成図。
符号の説明
1 原子炉
2 主蒸気配管
3 蒸気タービン
4 復水器
5 復水ポンプ
6 復水浄化装置
7 給水ポンプ
8、9 給水加熱器
10 給水配管
11 原子炉格納容器
21 再循環ポンプ
22 再循環配管
23 バルブ
24 浄化系ポンプ
25 再生熱交換器
26 非再生熱交換器
27 炉水浄化装置
28、29 プラグ
30 成膜装置
31 サージタンク
32、48 循環ポンプ
35 処理液配管
37 エゼクタ
39、43、44 注入ポンプ
40、45、46 薬液タンク
51 フィルタ
53 加熱器
58 冷却器
60 カチオン交換樹脂塔
62 混床樹脂塔
64 分解装置
66 pH計
71 窒素バブリング装置
72 酸素注入ライン

Claims (8)

  1. 金属部材の表面にフェライト皮膜を形成する処理液であって、
    鉄(II)イオンを含む第1の薬剤と、該鉄(II)イオンの一部を鉄(III)イオンに酸化する第2の薬剤と、pH値を調整する第3の薬剤を用意して、
    常温から200℃までの範囲の温度条件下で、該第1の薬剤と該第2の薬剤と混合し、その混合液に第3の薬剤を加えてpH5.5から9.0の範囲のpH値に調整した作製した処理液を用いて、前記金属部材の表面にフェライト皮膜を成膜する際に、
    損耗した薬剤に前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化する第2の薬剤を加えて鉄を析出させ、フィルターで除去した後、再び前記第1、第2、第3の薬剤を上記順序で添加することを特徴とするフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法。
  2. 前記損耗した薬剤に加える第2の薬剤は、残留している前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化することにより析出させ、これをフィルタで除去することを特徴とする請求項1に記載のフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法。
  3. 前記損耗した薬剤に加える第2の薬剤は、残留している前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化すると共に、pH値を4.0以下にならないように注入量を調整し、析出している鉄の酸化物をフィルタで除去することを特徴とする請求項1に記載のフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法。
  4. 前記フィルターの目開きは10μm以下、より好ましくは1μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法。
  5. 前記第2の薬剤が過酸化水素であり、フェライト皮膜形成薬剤の再生時に過剰に加えられた前記過酸化水素を触媒で分解することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法。
  6. 前記第2の薬剤が酸素を含む気体若しくは酸素を溶存させた液体であり、フェライト皮膜形成薬剤の再生時に過剰に加えられた前記酸素を不活性ガスのバブリングで除去することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法。
  7. 前記フェライト皮膜形成薬剤の再生プロセスを繰り返すことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のフェライト皮膜を形成する処理液の再生方法。
  8. 処理液を貯留するサージタンクと、該サージタンク内の処理液を吸引する循環ポンプと、該循環ポンプにより吸引された前記処理液を成膜対象の配管系に供給する処理液供給管と、該処理液供給管の処理液に注入する鉄(II)イオンを貯留する第1の薬液タンクと、前記処理液供給管の処理液に注入する酸化剤を貯留する第2の薬液タンクと、前記処理液供給管の処理液をpH5.5乃至9.0に調整するpH調整剤を貯留する第3の薬液タンクと、前記成膜対象の配管系から戻される処理液を前記サージタンクに戻す処理液戻り管と、前記処理液を60から100℃の範囲中の温度に加熱する加熱手段と、鉄の析出物を除去するフィルターと、過剰な酸化剤を分解する触媒とを備えていることを特徴とするフェライト皮膜を形成する処理液の再生装置。
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