JP2008209418A - 原子力プラント構成部材への放射性核種の付着抑制方法及び成膜装置 - Google Patents

原子力プラント構成部材への放射性核種の付着抑制方法及び成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】原子力プラント構成部材への放射性核種の付着を効果的に抑制し、かつ、フェライト皮膜形成後の廃液処理に用いられるイオン交換樹脂の廃棄物量を低減する方法を提供する。
【解決手段】鉄(II)イオン、鉄(II)イオンを作成するために鉄を溶解した有機酸(ギ酸)、鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化する酸化剤(過酸化水素)及びpH調整剤(ヒドラジン)を含みpHが5.5〜9.0に調整された処理液を、原子力プラントを構成する金属部材の表面に接触させ、この表面に鉄(II)イオンを吸着させる。吸着された鉄(II)イオンを20℃〜200℃の温度条件下で酸化させて金属部材の表面にフェライト皮膜を形成する。フェライト皮膜の形成終了後、フェライト皮膜の形成に使用した処理液に含まれているpH調整剤及び有機酸を、酸化剤が供給される分解装置を用いて分解する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発電プラント等の原子力プラントの構成部材への放射性核種の付着を抑制する方法及びその方法を実施する成膜装置に関する。
沸騰水型原子力発電プラント(以下、BWRと略記する。)では、圧力容器内に燃料棒
を収容してなる原子炉内に、再循環ポンプやインターナルポンプによって冷却水を強制循
環することにより、燃料で発生した熱を効率的に冷却水に移動させるようにしている。こ
のようにして原子炉内で発生した冷却水の蒸気は、大部分が蒸気タービン発電機の駆動に
利用され、蒸気タービンから排出される蒸気は復水器で凝縮されるとともに、復水器内で
凝縮された復水はほぼ完全に脱気されて、再び原子炉の冷却水として給水される。その際
、復水器内では、炉心で水の放射線分解によって発生した酸素及び水素もほぼ完全に除去
される。また、原子炉に戻される復水は、原子炉における放射性腐食生成物の発生を抑制
するため、脱塩器などのイオン交換樹脂濾過装置で主として金属不純物が除去され、20
0℃近くまで加熱して原子炉に給水される。
また、放射性腐食生成物は、圧力容器内や再循環系等の接水部からも発生することから
、主要な一次系の構成部材は腐食の少ないステンレス鋼、ニッケル基合金などの不銹鋼が
使用されている。また、低合金鋼製の原子炉圧力容器には、ステンレス鋼の内面肉盛りが
なされ、低合金鋼が直接炉水と接触することを防いでいる。このような材料上の配慮に加
えて、炉水の一部を炉水浄化装置によって浄化し、炉水中にわずかに生成する金属不純物
を積極的に除去している。
しかし、上述のような腐食対策を講じても、炉水中のごくわずかな金属不純物の存在は
避けられないため、一部の金属不純物が金属酸化物として燃料棒の表面に付着する。燃料
棒表面に付着した金属元素は、燃料から放射される中性子の照射を受けて原子核反応を起
こし、コバルト60、コバルト58、クロム51、マンガン54等の放射性核種となる。
これらの放射性核種は、大部分が酸化物の形態で燃料棒表面に付着したままであるが、一
部の放射性核種は取り込まれている酸化物の溶解度に従って冷却水に溶出したり、クラッ
ドと呼ばれる不溶性固体として炉水中に再放出される。炉水中の放射性物質は、炉水浄化
系によって取り除かれるが、除去できなかったものは炉水とともに再循環系などを循環し
ている間に構成部材の接水部表面に蓄積される。その結果、構成部材表面から放射線が放
射され、定検作業時の従事者の放射線被曝の原因となる。作業被曝の線量は、各人毎に規
定値を超えないように管理されているが、近年この規定値が引き下げられ、各人の被曝線
量を経済的に可能な限り低くする必要が生じている。
そこで、配管への放射性核種の付着を低減する方法や、炉水中の放射性核種の濃度を低
減する方法が様々検討されている。例えば、亜鉛などの金属イオンを炉水中に注入して、
炉水と接触する再循環系配管表面に亜鉛を含む緻密な酸化皮膜を形成させることにより、
酸化皮膜中へのコバルト60やコバルト58等の放射性核種の取り込みを抑制する方法が
提案されている(特許文献1)。また、冷却水中に放射性核種が溶出又は放出される状態
になる前に、運転中に炉水が通流する再循環系配管及び炉水浄化系配管の内面に、予め一
定条件で酸化皮膜を形成させることが提案されている(特許文献2)。
特開昭58−79196号公報 特開昭62−95498号公報
しかし、特許文献1に記載のように、亜鉛などの金属イオンを炉水中に注入する方法で
は、運転中に常に亜鉛イオンを注入し続けなければならず、また、亜鉛自体の放射化を避
けるために同位体分離した亜鉛を使用しなければならないという問題がある。
また、特許文献2に記載の酸化皮膜を形成させる方法の場合は、例えばBWRの運転温
度域(250〜300℃)において酸化皮膜を形成させていることから、次のような問題
があることが判明した。すなわち、本発明者らの研究によると、酸化皮膜を生成する対象
の構成部材がステンレス鋼の場合、構成部材の表面にまずクロム成分の多い内層酸化皮膜
が形成され、その内層酸化皮膜の表面にクロム成分の少ない外層酸化皮膜が形成されるこ
とが判った。特に、このような2層構造の酸化皮膜の場合、内層酸化皮膜に放射性のCo
−60やCo−58が取込まれ易いという性質があり、放射性核種の付着抑制効果があま
り大きくないということが判明した。
本発明は、原子力プラント構成部材への放射性核種の付着を効果的に抑制し、かつ、フェライト皮膜形成後の廃液処理に用いられるイオン交換樹脂の廃棄物量を低減することを課題とする。
上記課題を解決するため、種々の検討を行った結果、溶存酸素の金属母材中への拡散速
度が遅い温度条件(例えば、100℃以下)でフェライト(例えば、マグネタイト)の緻
密な皮膜のみを形成させることにより、放射性核種のコバルトの取り込みを抑制できるこ
とを明らかにした。
すなわち、ステンレス鋼表面にマグネタイト皮膜を形成した後、BWR供用運転条件の
高温水中に浸漬してCo−60の付着量を調べた結果、図2に示すようにCo付着量を大
きく抑制できることが分かった。図2において、縦軸は試料A、B、CのCo−60付着
量の相対値を示している。試料Aはステンレス鋼の表面を機械的に研磨した試料、試料B
はステンレス鋼の表面にBWR供用運転条件下で予め酸化皮膜を形成した試料、試料Cは
ステンレス鋼の表面に100℃以下の条件でマグネタイト皮膜を形成した試料である。図
2から明らかなように、試料A、Bに比べて、マグネタイト皮膜を形成した試料CのCo
付着量は大きく抑制されていることが分かる。なお、マグネタイト皮膜を形成する方法と
しては、磁気記録媒体のフェライト膜を形成する技術(例えば、特公昭63−15990
号公報)が挙げられる。しかしながら、同公報に記載の方法は塩素を用いており、原子力
プラントの構成部材の健全性を確保する観点から、塩素を用いることができないので、従
来の方法とは異なる方法を採用する必要がある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、原子力プラントを構成す
る金属部材の表面に塩素の代りに有機酸を使って鉄(II)イオンを吸着させ、20℃〜20
0℃(好ましくは20℃〜100℃、さらに好ましくは60〜100℃)において、前記
吸着した鉄(II)イオンを酸化することにより、塩素を使用することなく、原子力プラント
を構成する金属部材の表面に放射性核種が付着するのを抑制できるフェライト皮膜を形成
できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)原子力プラントを構成する金属部材の表面にフェライト皮膜を形成し、前記金属部材の表面への前記フェライト皮膜の形成が終了した後、発生した廃液に含まれている薬剤を分解することを特徴とする原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
(2)鉄(II)イオン及び有機酸を含む第1の薬剤が蓄えられる第1タンクと、前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化する酸化剤が蓄えられる第2タンクと、pH調整剤が蓄えられる第3タンクと、前記第1タンク、前記第2タンク及び前記第3タンクに接続され、前記原子力プラントに接続される処理液配管と、前記処理液配管に設けられたポンプと、前記処理液配管に接続され、前記pH調整剤及び前記有機酸を分解する分解装置とを備えたことを特徴とする成膜装置。
本発明によれば、原子力プラント構成部材への放射性核種の付着を効果的に抑制することができ、かつ、フェライト皮膜形成後の廃液処理に用いられるイオン交換樹脂の廃棄物量を低減することができる。
本明細書において「原子力プラントを構成する金属部材」とは、原子力発電プラント等
の原子炉で生成する放射性物質を含む炉水が通流、接触する一切の金属部材を言う。この
ようなものとしては、例えば、BWRプラントの炉水再循環系又は炉水浄化系を構成する
金属部材が挙げられるが、これに限るものではない。また、本発明の方法はBWRプラン
トに限らず、加圧水型(PWR)原子力プラントにおける炉水と接触する金属構成部材に
も適用できる。これらの金属部材には主にステンレス鋼が使用される。
また、本明細書において「常温」及び「常圧」とは、それぞれ20℃及び1気圧のこと
を言う。
本発明の方法は、原子力プラントを構成する金属部材の表面に鉄(II)イオンを吸着させ
、前記吸着した鉄(II)イオンを常温〜200℃(好ましくは、60℃〜100℃)におい
て酸化して該金属部材の表面にフェライト皮膜を成膜させることを含む。
本発明の方法は、典型的には、鉄(II)イオンを含む第1の薬剤と、前記鉄(II)イオンを
鉄(III)イオンに酸化するための第2の薬剤と、pHを5.5〜9.0に調整するための
第3の薬剤とを混合した処理液を原子力プラントを構成する金属部材の表面に接触させ、
常温〜200℃(好ましくは、60℃〜100℃)において該金属部材の表面にフェライ
ト皮膜を成膜させることにより行われる。好ましくは、前記処理液として、鉄(II)イオン
を含む第1の薬剤と、前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化するための第2の薬剤と
、pH5.5〜9.0に調整するための第3の薬剤とをこの順に混合して得られるものが
用いられる。
第1の薬剤
鉄(II)イオンを含む第1の薬剤としては、鉄(II)イオンを含む化合物又はその水溶液で
あれば特に限定されるものではなく、例えば、鉄と有機酸又は無機酸との塩の水溶液を用
いることができる。特に、有機酸や炭酸は、使用後に二酸化炭素や水に分解することがで
きるため好ましい。有機酸としては、例えば、ギ酸、マロン酸、ジグリコール酸、シュウ
酸等を例示することができる。フェライト皮膜の生成量や均一性の観点から、第1の薬剤
としてはギ酸鉄(II)の水溶液を用いることが好ましい。図3にギ酸鉄(II)及びジグリコー
ル酸鉄(II)を用いた場合でのそれぞれのフェライト皮膜の生成量を相対値で示す。
或いは、金属鉄を電極として用いる電解により鉄電極から溶出する鉄(II)イオンを含む
水溶液を第1の薬剤として用いることもできる。
第2の薬剤
第2の薬剤としては、前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化する作用を有する酸化
剤又はその水溶液を用いることができる。
鉄(II)イオンを含む溶液からフェライトを形成させるためには、まずその一部を酸化し
て鉄(III)イオンとする必要がある。酸化剤としては、例えば、過酸化水素が挙げられる
鉄(II)イオンを酸化して鉄(III)イオンとする際に、鉄(III)イオンが多くなりすぎると
フェライトが形成されずに水酸化鉄(Fe(OH)3)が析出するので、水酸化鉄が析出しない程
度の量の酸化剤を使用することが好ましい。そこで、酸化剤濃度/鉄(II)イオン濃度の比
とフェライト皮膜生成量との関係を調べた。その結果を図5に示す。この結果より、酸化
剤(過酸化水素)濃度の鉄(II)イオン濃度に対する比が1/4を超えるとフェライト皮膜
はほとんど生成しないことが分かり、フェライト皮膜形成のためにはこの比を1/4(0
.25)以下、さらには0.15以下にすることが好ましい。
第3の薬剤
本発明の方法では、前記第1の薬剤及び第2の薬剤を含む処理液(好ましくは、水溶液
)を用いるが、この処理液は所定の範囲のpHに調整して用いることが好ましい。そこで
、本発明では第3の薬剤としてpH調整剤又はその水溶液を用いる。pH調整剤により処
理液のpHは5.5〜9.0に調整される。本発明で用いられるpH調整剤としては特に
限定されるものではなく、例えば、ヒドラジン等の有機塩基を用いることができる。
金属構成部材表面へのフェライト膜の形成
上記第1、第2及び第3の薬剤を用いて原子力プラントの金属構成部材の表面にフェラ
イト膜を形成させる。
第1、第2及び第3の薬剤はそれぞれ別々に金属構成部材に接触させてもよいし、又は
第1、第2及び第3の薬剤を含む混合液(処理液)として用いてもよい。
第1、第2及び第3の薬剤を混合して処理液として用いる場合、これらは混合するとす
ぐに液中にフェライトの微粒子が生成し始めるので、処理液は金属構成部材を処理する直
前に調製(混合)されることが好ましい。
また、本発明者らは、第1、第2及び第3の薬剤を混合する順序によりフェライト皮膜
の形成しやすさや、形成されるフェライト膜の緻密性が変化することを見出した。本発明
者らの実験によると、第1の薬剤、第2の薬剤そして第3の薬剤の順で混合した処理液を
用いた場合に、フェライト皮膜の形成性がよく(図4)、さらには均一で緻密なフェライ
ト膜が形成されることがわかった。特に、pH調整剤である第3の薬剤は原子炉格納容器
内で添加混合することが好ましい。
また、前記第1の薬剤及び処理液は、窒素又はアルゴン等の不活性ガスをバブリングし
て水溶液中の酸素を除去しておくことが好ましい。
本発明の方法は、例えば:
a)循環する処理液を貯留するサージタンク;と、
b)サージタンク内に貯留された処理液を吸引する循環ポンプ;と、
c)鉄(II)イオンを含む第1の薬剤を貯留する第1の薬液タンク;と、
d)前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化するための第2の薬剤を貯留する第2の薬
液タンク;と、
e)pHを5.5〜9.0に調整するための第3の薬剤を貯留する第3の薬液タンク;と

f)第1の薬液タンク、第2の薬液タンク及び第3の薬液タンクからの薬剤と、循環ポン
プにより吸引された処理液とを混合し、この処理液を成膜対象の配管系に供給するための
供給配管;と、
g)成膜対象の配管系から戻される処理液を前記サージタンクに戻す戻り管;と、
h)処理液の温度を60℃〜100℃に加熱する加熱手段;
とを備えた成膜装置を用いて実施することができる。ここで、好ましくは、第3の薬剤の
注入位置は原子炉格納容器内に設置される。
流れの上流側から第1の薬剤(鉄(II)イオン)、第2の薬剤(酸化剤)、そして第3の
薬剤(pH調整剤)の順で循環系統に注入されるように各薬剤の注入位置を設定し、特に
第3の薬剤は処理対象部位の直前で注入されるようにすることが好ましい。このように注
入位置を配置することにより、処理対象部位以外に無駄なフェライト皮膜が形成されるこ
とを防止できる。
成膜装置からの処理液は、供給配管を通って、フェライト皮膜を成膜しようとする金属
部材に供給される。
処理の対象としている金属部材が2系統の配管に分かれている場合、処理液をその2系
統の間で交互にフィルアンドドレイン(fill and drain)することにより、両系統の金属
部材の表面にフェライト皮膜の成膜を行うこともできる。
処理液中に微細な固形物等の浮遊する粒子状物質が存在するとフェライト皮膜の成膜処
理の際にその粒子状物質表面でも皮膜の形成が起こり、それによって無駄な薬剤が使用さ
れるので、これを防止するために、処理液から粒子状物質を除去するフィルタを処理液の
循環路に設置することが好ましい。
金属部材の表面には原子炉の運転によって生成した放射性核種を取り込んだ酸化皮膜が
形成されている場合があるので、金属部材の表面にフェライト皮膜を形成させる前に、そ
の酸化皮膜等の汚染物を取り除いておくことが好ましい。この汚染酸化皮膜を除去する方
法(除染処理)としては、例えば、研磨等の機械的処理の他に金属部材表面を酸化剤及び
還元剤で処理する化学除染が挙げられる。また、処理液の流路において自由液面が存在す
る箇所(即ち、気相が存在する箇所)は、処理液の酸化を防ぐために気相を窒素及びアル
ゴン等の不活性ガスでパージすることが好ましい。除染工程の終了後、原子力プラントの
起動までの間にフェライト皮膜の成膜処理を行なう。
フェライト皮膜の成膜後、使用した薬剤はその一部又は全部を気体(常温常圧において
)及び/又は水に分解することが好ましく、さらには、その後、再度上記のようにしてフ
ェライト皮膜の形成処理を行なうことが特に好ましい。
以下に、実施例及び図面により本発明の具体例を説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
(実施例1)
図6に原子力発電プラントの再循環配管に本発明の成膜装置を接続する場合の全体系統
構成図を示し、図7にその成膜装置の詳細系統構成図を示す。
図6は、本発明の成膜装置30を炉水再循環系に適用する場合を示している。図6に示
すように、原子力発電プラントは、燃料棒を圧力容器に収容してなる原子炉1と、原子炉
1に連結された主蒸気配管2と、主蒸気配管2に連結された蒸気タービン発電機3と、蒸
気タービン発電機3の蒸気排出口に連結された復水器4とを備えて構成される。復水器4
で凝縮された復水は、復水ポンプ5によって抜き出され、復水浄化装置6と、給水ポンプ
7と、低圧給水加熱器8と、高圧給水加熱器9とを有してなる給水配管系10を介して原
子炉1の給水として戻されるようになっている。低圧給水加熱器8と高圧給水加熱器9の
熱源は、蒸気タービン発電機3の抽気により賄われるようになっている。
また、原子炉1内の冷却水を循環する炉水再循環系は複数設けられ、原子炉1の底部に
連結された複数の再循環ポンプ21により抜き出された炉水を炉水再循環配管22を介し
て原子炉1の上部に戻して循環するように構成されている。また、原子炉1の炉水を浄化
する炉水浄化系は、炉水再循環配管22に連結された浄化系ポンプ24により抜き出され
た炉水を再生熱交換器25及び非再生熱交換器26を介して冷却し、冷却された炉水を炉
水浄化装置27により浄化し、浄化された炉水を再生熱交換器25で昇温した後、給水系
の高圧給水加熱器9の下流側から原子炉1に戻すように構成されている。
成膜装置30は原子炉1へ以下のようにして接続することができる。原子炉1の運転を
停止し、炉水再循環配管22から分岐した炉水浄化系配管のバルブ23のボンネットを開
放して炉水浄化装置27側を閉止する。そして、成膜装置に連結された仮設配管をバルブ
23のフランジを経由して炉水再循環配管22の再循環ポンプ21の上流側に接続する。
成膜装置30のもう一方に連結された仮設配管を再循環ポンプ21の下流側に接続する。
即ち、炉水再循環配管22からの一部の炉水が成膜装置を通過し、再び炉水再循環配管2
2に戻るように各装置及び配管を連結する。
成膜装置30の一実施形態としては、例えば、図7に示すものが挙げられる。本実施形
態の成膜装置30は、化学除染処理に兼用できるように構成されている。フェライト皮膜
処理に用いる水(処理液)が充填されるサージタンク31は、循環ポンプ32、バルブ3
3、34等を介して炉水再循環配管22の一端に接続されている。
処理液配管35には、バルブ41、42及び注入ポンプ43、44を介して、薬液タン
ク45、46が連結されている。上流側の薬液タンク45には第1の薬剤(鉄(II)イオン
:例えば、鉄をギ酸で溶解して調製した2価の鉄(II)イオンを含む水溶液)が貯留されて
いる。下流側の薬液タンク46には第2の薬剤(酸化剤:例えば、過酸化水素水)が貯留
されている。そして、薬液タンク46の下流側に第3の薬剤(pH調整剤:例えば、ヒド
ラジン)を貯留する薬液タンク40が処理液配管35に連結されている。
バルブ36及びエゼクタ37を介してサージタンク31に戻る流路を設け、エゼクタ3
7から配管内の汚染物を化学除染するための薬剤(例えば、酸化溶解するための過マンガ
ン酸、及び還元溶解するためのシュウ酸等)を投入できるように構成されていてもよい。
循環ポンプ32によって炉水再循環配管22の一端に供給された処理液は、炉水再循環
配管22内を通って他端からバルブ47を通過して再び成膜装置30へと戻ってくる。バ
ルブ47を介して戻された処理液は、循環ポンプ48、バルブ49、加熱器53とバルブ
55、56、57を介してサージタンク31へと運ばれる。
バルブ49には、バルブ50とフィルタ51が並列に連結されている。フィルタ51は
処理液に浮遊する粒子状物質を捕捉するためのものである。フェライト皮膜形成時にはバ
ルブ50を開放してフィルタ51が通水可能となるようにすることが好ましい。
加熱器53とバルブ55には、冷却器58とバルブ59が並列に連結されている。
バルブ56には、カチオン交換樹脂塔60がバルブ61を介して、また、混床樹脂塔6
2がバルブ63を介して、それぞれ並列に連結されている。
バルブ57には、分解装置64がバルブ65を介して並列に接続されている。分解装置
64には、バルブ54を介して薬液タンク46に接続された注入ポンプ44の吐出側に連
結され、薬液タンク46に貯留された過酸化水素水を分解装置64に注入可能なように構
成されている。第1の薬剤において鉄(II)イオンの対アニオンとして有機酸や炭酸を使用
した場合や、第3の薬剤においてpH調整剤としてヒドラジン等の化合物を使用した場合
には、これらは分解装置64で水や常温常圧において気体である物質に分解することがで
きる。分解装置64で第1の薬剤及び第3の薬剤の一部又は全部を水、二酸化炭素、又は
放出可能な気体に分解することにより、廃棄物量を低減することができる。また、薬剤の
使用量を抑えるために、反応しなかった薬剤を処理液から分離回収し、再利用することが
好ましい。
この例では、フェライト皮膜形成に必要な酸化剤と分解に必要な酸化剤とが同一の過酸
化水素であるため薬液タンクと注入ポンプを共用することにより設備を少なくしているが
、設置場所により接続配管が長くなる場合には分けて設置することもできる。
第2の薬剤(酸化剤)を注入するバルブ42の位置は、第1の薬剤(鉄(II)イオン)を
注入するバルブ41の下流側であって、第3の薬剤(pH調整剤)を注入するバルブ38
の上流側に設定し、第3の薬剤を注入するバルブ38の位置は、酸化剤を注入するバルブ
42の下流側であって、かつ処理対象部位にできるだけ近い位置(好ましくは、原子炉格
納容器内)に設定することが好ましい。
さらに、薬液タンク45及びサージタンク31には、水溶液中の酸素を除去するために
窒素又はアルゴン等の不活性ガスをバブリングすることが好ましい。
次に、本発明の成膜装置30を用いる放射性核種の付着抑制方法を、図1に示したフロ
ーチャートに沿って説明する。
工程S1(成膜装置の設置)
本発明方法を実施するに際しては、成膜装置30を処理対象の構成部材を含む配管系に
連結する。例えば、図8のように、炉水再循環系の金属部材を処理対象とする場合は、原
子炉1が停止されたときに原子炉1と炉水再循環配管22との連結をプラグ28と29で
切り離し、炉水再循環配管22から分岐したバルブ12と13を介して成膜装置30を連
結する。ここで、図8では図7に示した詳細な成膜装置30の一部を省略している。
工程S2(除染処理)
次に、本実施形態の場合では、炉水と接する金属部材の表面に形成された放射性核種を
取り込んだ酸化皮膜などの汚染物を、成膜装置30を用いて化学的な処理により除染する
。なお、本発明の放射性核種の付着抑制方法を実施するに当たって、化学除染を実施する
ことが好ましいが、汚染酸化皮膜が存在せずフェライト皮膜の処理対象である金属部材の
表面が露出されていれば行なわなくてもよい。また、化学除染に代えて研磨などのような
機械的な除染処理を行なってもよい。
化学除染は周知の方法であり、例えば以下のようにして行なうことができる。バルブ3
3、34、47、49、55、56、57を開き、他のバルブを閉じた状態で、循環ポン
プ32、循環ポンプ48を起動して、化学除染の対象の炉水再循環系22内にサージタン
ク31内の処理液を循環させる。そして、加熱器53により処理液の温度を約90℃まで
昇温する。次いで、バルブ36を開いてエゼクタ37に設置されたホッパから必要量の酸
化剤(例えば、過マンガン酸カリウム)及び/又は還元剤(例えば、シュウ酸)をサージ
タンク31に注入する。次いで、サージタンク31の溶液を除染対象部位まで流し、形成
されている汚染酸化皮膜等の汚染物を酸化溶解及び/又は還元溶解して除去することがで
きる。具体的には、過マンガン酸カリウムを流して汚染物の酸化溶解した後、処理液中に
残っている過マンガン酸イオンを分解するため、同じくホッパからシュウ酸をサージタン
ク31に注入する。このとき下記式の反応が起こる:
2KMnO+5C+6H→2K+2Mn2++10CO+8H
続いて、汚染物の還元溶解を行うためさらにシュウ酸を処理液に注入するとともに、処
理液のpHを調整するため、バルブ38を開いて薬液タンク40からpH調整剤(例えば
、ヒドラジン)を処理液中に注入する。この一連の処理により処理液中に溶出した金属カ
チオンはカチオン交換樹脂塔60に通して処理液中から除去する。
化学除染終了後、処理液中のシュウ酸を分解するため処理液の一部を分解装置64に通
流させる。このとき、バルブ54を開けて薬液タンク46の第2の薬剤(酸化剤:例えば
、過酸化水素水)を同時に分解装置64に流入させてシュウ酸とヒドラジンとを以下の化
学反応式に基づいて分解する:
(COOH)+H→2CO+2H
+2H→N+4H
シュウ酸とヒドラジンとを分解した後、処理液中の不純物を除去するため、加熱器53
をオフにすると共に、バルブ55を閉じる。これと同時に、冷却器58のバルブ59を開
けて、処理液を冷却器58に通して処理液の温度を下げる。これにより処理液の温度が混
床樹脂塔62に通水できる温度(例えば、60℃)まで下げた後、カチオン樹脂塔60の
バルブ61を閉じ、混床樹脂塔62側のバルブ63を開いて、処理液を混床樹脂塔62に
通流させて処理液中の不純物を除去する。
これら一連の工程、即ち、昇温、汚染物の酸化溶解、酸化剤の分解、汚染物の還元溶解
、還元剤の分解、浄化運転(汚染物、不純物の除去)を、2〜3回程度繰り返すことによ
り、金属部材表面に堆積した汚染された酸化皮膜を含む汚染物を溶解して除去することが
できる。そして、最後の浄化運転により除染液の除染剤及び金属イオン等の濃度が、放射
性物質取扱施設で受け入れ可能となるレベルまで除染工程を行なうのが好ましい。
工程S3(処理液の加熱)
除染工程終了後、処理液を加熱する。バルブ49を閉じ、バルブ50を開いてフィルタ
51への通水を開始する。処理液中に微細な固形物が残留していると、フェライト皮膜の
生成処理の際に該固形物表面でも皮膜生成が生じて無駄な薬剤が使用されることになるた
め、これを防止するためにフィルタ51が使用される。なお、フィルタ51への通水を前
記工程S2中に実施すると、高い放射能を含む固形物を捕捉してフィルタの線量率が高く
なりすぎる恐れがあるため適切ではない。
加熱器53により処理液を所定温度(常温〜200℃、好ましくは60℃〜100℃)
に調整する。バルブ56を開いてバルブ63を閉止することにより混床樹脂塔62への通
水を停止する。このときの処理液の温度は、放射性核種が取り込まれない程度に緻密なフ
ェライト皮膜が形成される温度であれば特に限定されないが、好ましくは200℃以下で
ある。下限は常温でもよいが、フェライト皮膜の生成速度を考慮すると60℃以上が好ま
しい。また、100℃を超える温度でも本発明の方法は実施可能であるが、処理液の沸騰
を抑制するために系を加圧しなければならず、装置の耐圧性が要求されるようになり設備
コストが大きくなるため、100℃以下で行なうことが好ましい。
工程S4(処理液への第1の薬剤(鉄(II)イオン)の添加)
フェライト皮膜を形成させるためには、鉄(II)イオンが成膜対象部の表面に吸着させる
必要がある。この溶液中の鉄(II)イオンは溶存酸素によって下記式に従って鉄(III)イオ
ンに酸化され、また生じた鉄(III)イオンは下記式に従って水酸化鉄として析出してくる

4Fe2++O+2HO→4Fe3++4OHFe3++3OH→Fe(OH)
しかしながら、この水酸化鉄はフェライト皮膜形成には寄与しないので、これらの反応
が起こらないように第1の薬剤の溶液及び処理液中の溶存酸素はできる限り除去しておく
ことが好ましい。溶液中の溶存酸素を除去する方法としては、例えば、窒素ガス及びアル
ゴンガス等の不活性ガスによるバブリングや真空脱気等が挙げられる。
循環される処理液の温度が所定温度に達したら、バルブ41を開いて薬液タンク45か
ら鉄を第1の薬剤(例えば、鉄(II)イオンを含むギ酸)を処理液中に添加する。
工程S5(処理液への第2の薬剤(酸化剤)の添加)
続いて、処理対象の金属部材表面に吸着した鉄(II)イオンをフェライト化させるため、
バルブ42を開いて薬液タンク46に貯留されている酸化剤(例えば、過酸化水素水)を
処理液中に添加する。
工程S6(処理液への第3の薬剤(pH調整剤)の添加)
最後に処理液のpHを5.5〜9.0に調整するため、バルブ38を開けて薬液タンク
40からpH調整剤(例えば、ヒドラジン)を処理液中に添加する。第1、第2及び第3
の薬剤が全て添加された処理液を処理対象部位に接触させてフェライト皮膜(例えば、マ
グネタイト皮膜)が形成される。
工程S4、5、6は連続的に、すなわち、第1の薬剤が第2の薬剤注入点に達すると同
時に第2の薬剤の注入が開始され、第1の薬剤と第2の薬剤とを添加した処理液が第3の
薬剤注入点に達すると同時に第3の薬剤の注入が開始されるようにすることが好ましい。
第1の薬剤だけ先に注入して系を循環させると系内に残っている溶存酸素により酸化反応
が生じる可能性が高くなり、無駄な反応による薬剤の損失と反応の阻害につながる。この
ため、薬液タンク45とサージタンク31のバブリングだけでなく、自由液面が生じる再
循環配管22の気相を図9に示すようにプラグ28と29に連結された不活性ガス(例え
ば、窒素ガス)供給ラインとベントラインとを用いて不活性ガスでパージすることが望ま
しい。
第1の薬剤に第2の薬剤が供給されると鉄(II)イオンの酸化反応が開始される。このと
き、第1の薬剤中の鉄(II)イオン濃度に対する、第2の薬剤中の酸化剤(例えば、過酸化
水素)の濃度の比が1/4(0.25)以下、好ましくは0.15以下とすると、鉄(II)
イオンと鉄(III)イオンとの存在比率が皮膜生成反応に適した条件となる。ただし、この
ままでは処理液は酸性になっておりフェライト皮膜を形成することができないので、この
処理液にpH調整剤を添加して処理液のpHを中性付近に調整する必要がある。pH調整
剤の添加と同時にフェライト皮膜生成反応が開始するので、対象部位以外への無駄な皮膜
形成を防止するため、第3の薬剤(pH調整剤)の注入ポイントは、図8に示すように、
格納容器11の内部の処理対象物の直前(上流側)に設置することが好ましい。
第1、第2及び第3の薬剤の添加の順序は、第1、第2及び第3の薬剤の順序で添加す
るのが好ましい。第2、第1及び第3の薬剤の順番で添加してもよいが、過酸化水素は温
度が高い金属表面で分解し易く、先に注入すると一部が無駄に消費されるので好ましくな
い。第1、第3及び第2の薬剤の添加順序の場合ではフェライト皮膜の形成は認められる
ものの、フェライト皮膜を形成する粒子の大きさが大きくなる。したがって、薬剤を効率
的に利用し、より緻密なフェライト皮膜を形成させるために、第1、第2及び第3の薬剤
の順序で添加することが望ましい。
図8に示した場合では、再循環配管22の2箇所で自由液面が生じる。処理液の液面の
高さは、処理液が圧力容器1に入らないように制御する必要があるが、ドライウェル内の
線量率を低く抑えるためにはできるだけ高い水位とすることが望ましい。これらの液面の
高さは、循環ポンプ32と48の流量バランスをバルブ33や49(図7)を用いて微妙
に調整することにより制御することができる。気液界面近傍ではフェライト皮膜が形成し
やすく、液面を変動させることにより再循環配管22の上部に位置するライザー管にも効
率的にフェライト皮膜を形成させることも可能である。
工程S7(フェライト皮膜の形成確認)
このようにして、フェライト皮膜の形成が十分であると認めれらる場合には、次の工程
S8(廃液処理)へと進む。
フェライト皮膜の形成が不完全又は十分ではないと認められる場合には、工程S4に戻
って、必要に応じて処理液に第1、第2及び第3の薬剤を追加し、目標とする厚さのフェ
ライト皮膜が形成されるまでフェライト皮膜形成の操作を繰り返す。
工程S8(廃液処理)
フェライト皮膜が形成された後の処理液中には第1の薬剤で使用したギ酸や第3の薬剤
で使用したヒドラジン等の物質が残存するので、処理液を廃棄する前に工程S8の廃液処
理を実施してそれらを分解・除去しておくことが好ましい。これらの物質をイオン交換樹
脂塔60で処理することもできるが、イオン交換樹脂の廃棄物が増えてしまうので、これ
らの物質は分解装置64で分解処理するのが好ましい。この分解処理により、ギ酸は下記
式に従って二酸化炭素と水に、ヒドラジンは窒素と水に分解される。
HCOOH+H→CO+2H
+2H→N+4H
これにより、イオン交換樹脂塔60の負荷を減らしてイオン交換樹脂の廃棄物量を減ら
すことができる。なお、分解処理は、シュウ酸の分解と同様に、分解装置64に流入する
処理液中に過酸化水素を導入してギ酸及びヒドラジンの分解を行う。
このようにして、対象部位に緻密なフェライト皮膜を形成して通常の原子炉供用運転中
における対象部位への放射性核種(例えば、放射性コバルトイオン等)の付着を抑制する
ことができる。その結果、炉水再循環系の配管の線量率を抑制して定検作業時における検
査作業員の被曝を低減できる。また、イオン交換樹脂に蓄積する放射性廃棄物の発生量も
少なくすることができる。さらに、本発明の方法はフェライト成膜形成に塩素等の薬剤を
用いていないので、原子炉構成部材の健全性を害することがない。
(実施例2)
図10に、2系統の再循環系配管22を有する場合の系統構成図を示す。
成膜装置30は基本的に図8及び図7に示したものと同じであるが、両方の再循環系配
管22に処理液を流すことができるように流路を切り替えるためのバルブを追加している
点で異なる。
化学除染やフェライト皮膜生成にかかわる基本的な作業の流れは図1に示すものと同じ
であるが、2系統(以下、一方を「A系統」、他方を「B系統」という)の再循環配管2
2を一度にフェライト皮膜処理するため、次に示すように処理液がA系統からB系統に、
次いでB系統からA系統へと交互に移送するように流れる点で異なっている。
実施例1の装置(図8)では成膜装置と再循環配管22とは2本の配管で連結されてい
たが、これに対して実施例2の装置(図10)では、成膜装置とA系統及びB系統の再循
環配管22とはそれぞれ1本の配管で連結されている。排水等を考慮すれば再循環配管2
2の最も低い位置に成膜装置からの配管を接続することが好ましい。これに伴って第3の
薬剤(pH調整剤)を注入するポイントもそれぞれの再循環配管22の直前となるように
2ヶ所必要になるため、pH調整剤を貯留する第3の薬液タンクから原子炉格納容器11
内に敷設される注入ラインも2系統必要になり、バルブで注入ラインを選択するように構
成されている。
具体的な運転手順としては、例えば、まずA系統(22a)と成膜装置30に水(処理
液)を注入して除染に必要な液位となるようにする。次いで、バルブ77、78を開き、
バルブ76、79を閉じた状態で、循環ポンプ32と48を起動すればA系統に保持され
ていた水はB系統(22b)に移送される。処理液を移送しながら加熱器53で加温する
。A系統の水が全てB系統に移送し終わったら、バルブ77、78を閉じ、バルブ76、
79を開くと今後はB系統からA系統に水が移送される。フェライト皮膜形成させる際に
は、処理液を注入する側の系統に第3の薬剤(pH調整剤)が注入されるように、バルブ
38aと38bの開閉を制御する。
バルブを操作して処理液の流れを制御する点以外は、実施例1と同じ手順で化学除染と
フェライト皮膜の生成を行うことができる。
このような操作により2系統の再循環配管22を同時にフェライト皮膜形成することが
できる。バルブの切り替えは自動化することが好ましい。
なお、この方法では再循環配管22への処理液の注入・排出により再循環配管22の内
部の液面が移動することにより管内表面の多くの部分が気液界面となる時間を有するため
、フェライト皮膜の生成が均一になりやすい。また、一定の液量を満たす方式のため、最
高液面が設定上限値を越えるリスクが減って、運転ミスによる原子炉内への処理水の流出
が発生する可能性が小さくなる。
(実施例3)
図11に、実施例3の系統構成図を示す。実施例3の実施形態は、実施例1(図7)の実
施形態と比較して、装置及び配管の基本的な配置は同じだが、サージタンク31及び第1
の薬剤の薬液タンク45に不活性ガス(例えば、窒素)のバブリング装置71を設置した
点で異なる。
第1の薬剤及びサージタンク内の処理液を不活性ガスでバブリングすることにより、そ
れぞれの溶液中の溶存酸素を除去して、実質的に酸素を含まない溶液にすることができる
。その結果、フェライト皮膜の成膜に寄与しない鉄(III)イオンの溶液中における生成を
抑制し、フェライト皮膜の生成反応を促進することができる。
(実施例4)
図12に、実施例4の系統構成図を示す。実施例4の実施形態は、実施例1(図7)の実
施形態と比較して、装置及び配管の基本的な配置は同じだが、第1の薬剤の薬液タンク4
5に代わって、電解槽81が設置されており、電解槽81内で直流電源83から供給され
る電気で鉄板82(金属鉄電極)から溶解する鉄(II)イオンを利用する点で異なる。鉄(I
I)イオンを含む処理液は注入ポンプ43でフィルタ51を介して処理液配管35へと導か
れる。
また、電解時には水の電導度を大きくして電解電流を流れやすくするために炭酸ガス供
給装置84から炭酸ガスを電解槽81にバブリングして供給することが好ましい。
電解の極性を変更する際に金属の微粒子が発生するので、これを除去するためフィルタ
51を電解槽81の出口側に設置するのが好ましい。
このような系統を構成するメリットは、鉄(II)イオンの溶解性は低いので通常は大きな
薬液タンク45が必要だが、本実施例の方法ではコンパクトな電解槽で鉄(II)イオンを効
率的に供給でき、また、炭酸ガスを利用するので廃棄物処理が簡単になる点にある。
(実施例5)
図13に、実施例5の系統構成図を示す。実施例5の実施形態は、実施例1(図7)の実
施形態と比較して、装置及び配管の基本的な配置は同じだが、フィルタ51の下流側に分
岐を設け、その先に鉄(II)イオン濃度測定用クロマトグラムが接続されて処理液中の鉄(I
I)イオン濃度が測定できるように構成されている点で異なる。
図14は各薬剤混合後の経過時間と鉄(II)イオン濃度及び皮膜量との関係を示したグラ
フである。薬剤混合後約2時間でフェライト皮膜の成長は飽和しており、その時の鉄(II)
イオン濃度は初期濃度の約1/6になっていることがわかる。このことから、フェライト
皮膜の形成の程度を鉄(II)イオン濃度から見積もることができる。
図13の鉄(II)イオン濃度測定用クロマトグラムは白金電極電位測定装置に置き換えて
もよい。図15は、各薬剤混合後の経過時間と処理液の白金電極電位及び皮膜量との関係
を示したグラフである。薬剤混合後約2時間でフェライト皮膜の成長は飽和しており、そ
の時の白金電極電位は約-400mVを示していた。このことから、フェライト皮膜の形成の
程度を白金電極電位から見積もることができる。
(実施例6)
図16に、実施例6の手順をフローチャートにして示す。実施例1では、フェライト皮
膜の形成が不十分だった場合に処理液に各薬剤を更に添加してフェライト皮膜形成処理を
繰り返しているが、実施例6では、同じ処理液は使用せずに新たな処理液に交換してフェ
ライト皮膜形成処理をする点で異なる。
この方法ではフェライト皮膜の形成効率が優れている。図17に実施例1及び実施例6
の場合との比較実験の結果を示した。フェライト皮膜の形成処理を繰り返して行なう場合
、実施例6の方法のほうがフェライト皮膜の形成効率が優れていることが示された。
商業的には反応溶液の量が多く、取り替えることが困難であるが、分解装置64によっ
てギ酸とヒドラジンを分解した処理液に、各薬剤を再添加した処理液を用いることにより
同様の効果を得ることができる。
本発明の放射性核種の付着抑制方法の一実施形態を示すフローチャートである。 種々の方法により表面が加工されたステンレス鋼をBWR供用運転条件の高温水中に浸漬した時のCo−60の付着量(相対値)を示す図である。 種々の有機酸鉄(II)とフェライト皮膜生成量(相対値)との関係を示した図である。 薬剤の添加順序とフェライト皮膜生成量(相対値)との関係を示した図である。 過酸化水素/鉄(モル比)とフェライト皮膜生成量(相対値)との関係を示す図である。 実施例1の実施形態による全体系統構成図である。 実施例1の実施形態による成膜装置の詳細系統構成図である。 実施例1の実施形態において、第3の薬剤の注入点を原子炉格納容器内とした場合の構成を示した図である。 実施例1の実施形態において、再循環配管上部の気相を窒素パージした場合の構成を示した図である。 実施例2の実施形態による全体系統構成図である。 実施例3の実施形態による成膜装置の構成を示す図である。 実施例4の実施形態による成膜装置の構成を示す図である。 実施例5の実施形態による成膜装置の構成を示す図である。 フェライト皮膜形成量(相対値)と処理液中の鉄(II)イオン濃度(相対値)との関係を示す図である。 フェライト皮膜形成量(相対値)と処理液の白金電極電位との関係を示す図である。 本発明の放射性核種の付着抑制方法の別の一実施形態を示すフローチャートである。 処理液に試薬を追加する方法と処理液を交換する方法とのフェライト皮膜生成量(相対値)を比較した図である。
符号の説明
1・・・原子炉圧力容器
2・・・主蒸気配管
3・・・タービン
4・・・復水器
5・・・復水ポンプ
6・・・復水浄化装置
7・・・給水ポンプ
8、9・・・給水加熱器
10・・・給水配管
11・・・原子炉格納容器
21・・・再循環ポンプ
22・・・再循環配管
28、29・・・プラグ
30・・・成膜装置
31・・・サージタンク
32、48・・・循環ポンプ
35・・・処理液配管
37・・・エゼクタ
39、43、44・・・注入ポンプ
40、45、46・・・薬液タンク
51・・・フィルタ
53・・・加熱器
58・・・冷却器
60・・・カチオン交換樹脂塔
62・・・混床樹脂塔
64・・・分解装置
81・・・電解槽
82・・・鉄板
83・・・直流電源
84・・・炭酸ガス供給装置
86・・・鉄(II)イオン濃度測定用イオンクロマトグラム

Claims (19)

  1. 原子力プラントを構成する金属部材の表面にフェライト皮膜を形成し、
    前記金属部材の表面への前記フェライト皮膜の形成が終了した後、発生した廃液に含まれている薬剤を分解することを特徴とする原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  2. 前記金属部材の表面に付着している酸化皮膜を含む汚染物を化学除染によって除去し、前記化学除染の終了後、前記化学除染に用いられた還元剤を分解し、前記還元剤の分解後に前記フェライト皮膜の形成を行う請求項1に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  3. 前記廃液に含まれた前記薬剤の分解が、前記還元剤の分解に用いた分解装置によって行われる請求項2に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  4. 前記薬剤の分解を行うとき、前記分解装置に酸化剤を供給する請求項3に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  5. 前記薬剤が、有機酸、及び前記フェライト皮膜の形成に用いられた第1pH調整剤である請求項1に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  6. 前記有機酸がギ酸である請求項5に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  7. 前記金属部材の表面に付着している酸化皮膜を含む汚染物を化学除染によって除去し、前記化学除染の終了後、前記化学除染に用いられた還元剤及び第2pH調整剤を分解し、前記還元剤及び前記第2pH調整剤の分解後に前記フェライト皮膜の形成を行う請求項5に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  8. 前記第1pH調整剤及び前記有機酸の分解が、前記還元剤及び前記第2pH調整剤の分解に用いた分解装置によって行われる請求項7に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  9. 前記第1pH調整剤及び前記有機酸を分解するとき、及び前記還元剤及び前記第2pH調整剤を分解するとき、前記分解装置に還元剤を供給する請求項8に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  10. 前記フェライト皮膜の形成が、前記金属部材の前記表面に鉄(II)イオンを吸着させ、前記吸着した鉄(II)イオンを20℃〜200℃の温度条件下で酸化することによって行われる請求項1ないし9のいずれか1項に記載原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  11. 鉄(II)イオン、有機酸、前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化する酸化剤及び第1pH調整剤を含む処理液を、原子力プラントを構成する金属部材の表面に接触させて前記金属部材の表面にフェライト皮膜を形成し、
    前記金属部材の表面への前記フェライト皮膜の形成が終了した後、前記フェライト皮膜の形成に使用した処理液に含まれている前記有機酸及び前記第1pH調整剤を分解することを特徴とする原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  12. 前記第1pH調整剤及び前記有機酸の分解が、分解装置を用いて行われる請求項11に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  13. 前記第1pH調整剤及び前記有機酸を分解するとき、前記分解装置に酸化剤を供給する請求項12に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  14. 前記金属部材の表面に付着している酸化皮膜を含む汚染物を化学除染によって除去し、前記化学除染の終了後、前記化学除染に用いられた還元剤及び第2pH調整剤を分解し、前記還元剤及び前記第2pH調整剤の分解後に前記フェライト皮膜の形成を行う請求項11に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  15. 前記第1pH調整剤及び前記有機酸の分解が、前記還元剤及び前記第2pH調整剤の分解に用いた分解装置によって行われる請求項14に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  16. 前記フェライト皮膜の形成が、前記金属部材の前記表面に接触する前記処理液のpHを5.5〜9.0に調整し、前記表面に鉄(II)イオンを吸着させ、前記吸着した鉄(II)イオンを20℃〜200℃の温度条件下で酸化させることによって行われる請求項11または14に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  17. 前記フェライト皮膜の形成が60℃〜100℃の温度条件下で行われる請求項10または16に記載の原子力プラント構成部材の放射性核種の付着抑制方法。
  18. 鉄(II)イオン及び有機酸を含む第1の薬剤が蓄えられる第1タンクと、前記鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化する酸化剤が蓄えられる第2タンクと、pH調整剤が蓄えられる第3タンクと、前記第1タンク、前記第2タンク及び前記第3タンクに接続され、原子力プラントに接続される処理液配管と、前記処理液配管に設けられたポンプと、前記処理液配管に接続され、前記pH調整剤及び前記有機酸を分解する分解装置とを備えたことを特徴とする成膜装置。
  19. 前記分解装置に酸化剤を供給する酸化剤供給装置を接続した請求項18に記載の成膜装置。
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