JP2015200591A - 原子力プラントの亜鉛濃度測定方法及び亜鉛濃度測定装置並びに亜鉛濃度制御方法 - Google Patents

原子力プラントの亜鉛濃度測定方法及び亜鉛濃度測定装置並びに亜鉛濃度制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
運転中において冷却水中の亜鉛濃度をより精度良く測定可能な原子力プラントの亜鉛濃度測定方法、亜鉛濃度測定装置及び亜鉛濃度を所定範囲内に保持することができる亜鉛濃度制御方法を提供する。
【解決手段】
亜鉛濃度測定装置1の、クロム酸化物被膜で覆われた金属細線3が、配管12に取り付けられた測定部支持部材13内に配置される。冷却水が配管12、測定部支持部材13内に存在する。定電流測定装置7により、金属細線3に一定の電流を印加し、電圧測定装置8を用いて、金属細線3の電圧を測定する。演算装置9は、測定した電流及び電圧に基づいて金属細線3の抵抗を算出し、金属細線3の抵抗に基づいて金属細線3の腐食速度を求める。さらに、金属細線3の腐食速度から亜鉛濃度を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、原子力プラントの亜鉛濃度の測定方法及び亜鉛濃度制御装置に係り、特に、沸騰水型原子力プラントに適用するのに好適な亜鉛濃度の測定方法及び亜鉛濃度制御方法に関する。
原子力プラントとして、例えば、沸騰水型原子力プラント(以下、BWRプラントという)及び加圧水型原子力プラント(PWRプラント)が知られている。例えば、BWRプラントは、核燃料物質を含む複数の燃料棒を有する複数の燃料集合体を装荷した炉心を原子炉圧力容器(RPV)内に有し、核燃料物質を核分裂させて熱エネルギーを発生させる。再循環系ポンプ(またはインターナルポンプ)によって炉心に供給された冷却水は、核分裂で生じた熱エネルギーにより加熱され、一部が蒸気になる。この蒸気は、原子炉圧力容器からタービンに導入され、タービンに連結された発電機の駆動に利用される。
BWRプラントの運転に伴い、BWRプラントの構造部材(機器または配管)から発生した腐食生成物が冷却水中に放出され、核燃料物質を含む燃料棒の外面に付着する。燃料棒外面に付着した腐食生成物に含まれる金属元素は、核燃料物質の核分裂で発生する中性子の照射により原子核反応を起こし、Co−60、Co−58、Cr−51、Mn−54及びFe−59等の放射性核種になる。これらの放射性核種の一部は、イオンとして冷却水中に溶出したり、クラッドと呼ばれる不溶性固体として冷却水中に再放出されたりする。冷却水中の放射性核種は、原子炉冷却材浄化系の浄化装置によって取り除かれるが、除去されなかった放射性核種は、冷却水とともに再循環系配管などを循環し、構成部材の冷却水に接触する表面に蓄積される。この結果、構成部材表面から放射線が放射され、定検作業時において作業者の放射線被爆の要因となる。
作業者の被爆線量は、各人毎に規定値を超えないように管理されている。近年この規定値が引き下げられ、各人の被爆線量を可能な限り低くする必要が生じている。
そこで、配管の冷却水と接触する表面への放射性核種の付着を低減する方法、及び冷却水中の放射性核種の濃度を低減する方法が様々検討されている。このような方法の一つとして、亜鉛などの金属イオンを冷却水中に共存させるものがある。亜鉛を注入し、制御する方法として、開平7−167989号公報(特許文献1)が提案されている。特許文献1では、原子炉圧力容器に接続された再循環系配管の途中より分岐するサンプリング配管を設け、サンプリング配管を介して冷却水を金属濃度測定装置に送り、亜鉛濃度をモニタリングしている。
特開平7−167989号公報 特開2012−78101号公報
サンプリング配管及び測定対象となる再循環系配管共にステンレス鋼製の配管であるが、サンプリング配管及び再循環系配管における腐食により発生するさび(鉄分)、すなわち鉄濃度がサンプリング配管及び再循環系配管内で異なる可能性がある。
また、亜鉛は鉄との酸化反応により酸化物として析出し、亜鉛濃度が低下する。従って、特許文献1では、この冷却水中の亜鉛濃度の変化がサンプリング配管によるものか、再循環系配管によるものかの判別(識別)は困難であり、亜鉛濃度の測定誤差を招く可能性がある。
本発明は、運転中において冷却水中の亜鉛濃度をより精度良く測定可能な原子力プラントの亜鉛濃度測定方法、亜鉛濃度測定装置及び亜鉛濃度を所定範囲内に保持することができる亜鉛濃度制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の原子力プラントの亜鉛濃度測定装置は、少なくとも原子炉圧力容器内及び当該原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器内に敷設される配管のうち、いずれか一方に設置され、クロム酸化物被膜に覆われた構成部材を有する腐食速度測定部と、前記腐食速度測定部の測定結果に基づき前記原子炉圧力容器内及び/又は原子炉格納容器内の配管を通流する冷却水中の亜鉛濃度に換算する亜鉛濃度測定部を有することを特徴とする。
また、本発明の原子力プラントの亜鉛濃度測定方法は、少なくとも原子炉圧力容器及び当該原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器内に敷設される配管のうち、いずれか一方を通流する冷却水中の亜鉛濃度を測定する方法であって、測定対象箇所に、クロム酸化物被膜で覆われた構成部材を前記冷却水と接触するよう配置し、前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材の腐食速度を測定し、前記測定された腐食速度に基づき亜鉛濃度を求めることを特徴とする。
また、本発明の原子力プラントの亜鉛濃度制御方法は、少なくとも原子炉圧力容器及び当該原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器内に敷設される配管のうち、いずれか一方を通流する冷却水中の亜鉛濃度を制御する方法であって、測定対象箇所に、クロム酸化物被膜で覆われた構成部材を前記冷却水と接触するよう配置し、前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材の腐食速度を測定し、前記測定された腐食速度に基づき亜鉛濃度を求め、 前記求めた亜鉛濃度を予め設定された設定亜鉛濃度範囲の下限値未満か否か判定し、下限値未満の場合、前記下限値と前記求めた亜鉛濃度との差分に所定量加算した値を、前記冷却水へ注入する亜鉛の増加量とし、前記求めた亜鉛濃度を予め設定された設定亜鉛濃度範囲の上限値以上か否か判定し、上限値以上の場合、前記求めた亜鉛濃度と前記上限値との差分に前記所定量加算した値を、前記冷却水へ注入する亜鉛の減少量とすることを特徴とする。
本発明によれば、原子力プラントの運転中において、より精度良く冷却水中の亜鉛濃度を測定することができる。また、冷却水中の亜鉛濃度を所定範囲内に維持することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の原子力プラント内の冷却水中の亜鉛濃度を制御する処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例1による亜鉛濃度測定装置の構成図である。 図2に示す亜鉛濃度測定装置のA−A断面図である。 本発明の実施例形態に係る亜鉛濃度測定装置が設置される沸騰水型原子力プラントの構成図である。 実験により得られた腐食速度と亜鉛濃度の相関を示す図である。 亜鉛濃度測定に用いる腐食速度と亜鉛濃度の関係を示す説明図である。 本発明の他の好適な実施例である実施例2による亜鉛濃度測定装置の構成図である。 図7に示す亜鉛濃度測定装置で得られる電極間のインピーダンスをプロットしたナイキスト線図である。 本発明の他の好適な実施例である実施例3による亜鉛濃度測定装置の配置図である。 本発明の好適な一実施例である実施例4による原子力プラント内の冷却水中の亜鉛濃度を制御する処理手順を示すフローチャートである。
発明者らは、冷却水中の亜鉛濃度を所定範囲内に保持することができる原子力プラントの運転方法を実現するために、より精度良く、冷却水中の亜鉛濃度を測定できる亜鉛濃度測定方法について検討を行った。発明者らは、原子炉圧力容器の炉底部及び原子炉圧力容器に接続された再循環系配管を流れる冷却水中の亜鉛濃度を直接測定するため、亜鉛とクロム酸化物の反応に着目した。例えば、クロム酸化物であるクロミア(Cr23)やクロマイト(MCr24)(ここで、M=Fe,Ni,Co等の2価イオンとなる元素)は、冷却水中の亜鉛(Zn)と反応して亜鉛クロマイト(ZnCr24)になる。この反応は可逆であり、冷却水中の亜鉛濃度の減少に伴いクロム酸化物中の亜鉛量が減少する。そのため、発明者らは、原子力プラントの運転中において、クロム酸化物中の亜鉛量の増減を測定することができれば、冷却水中の亜鉛濃度を求めることができると考えた。
発明者らは、種々の検討を行った結果、冷却水中の測定対象個所に、クロム酸化物被膜に覆われた材料を配置し、このクロム酸化物被膜に覆われた材料の腐食速度を測定する。そして、測定した腐食速度に基づいて冷却水中の亜鉛濃度を求めることにより、亜鉛濃度の測定精度をより向上させることができることを見出した。その詳細を以下に説明する。
運転中の原子力プラントにおいて、冷却水中のクロム酸化物、例えば、MCr24(M=Fe,Ni,Co等の2価イオンとなる元素)は冷却水中の亜鉛と式(1)の反応を起こしZnCr24になる。
MCr24+Zn2+ → ZnCr24+M2+ …(1)
これは、ZnCr24がMCr24に比べて安定なためであり、亜鉛を取り込むことでクロム酸化物は安定化する。また、クロム酸化物による亜鉛の取り込みは可逆であるため、冷却水中の亜鉛濃度が減少すると、クロム酸化物中の亜鉛量が減少する。
例えば、運転中の原子力プラントにおいて、高温高圧の冷却水と接するステンレス鋼(または、ニッケル基合金でもよい)の表面では、クロム酸化物を含む被膜が生成される。これは、ステンレス鋼にクロム(Cr)が含まれているためであり、原子力プラント運転中にクロム酸化物の被膜が生成される。
ここで、発明者らは、冷却水中の亜鉛濃度が上昇すると、クロム酸化物を含む被膜が亜鉛を取り込み安定化することで、耐食性が向上しステンレス鋼の腐食速度は低下する。一方、冷却水中の亜鉛濃度が減少すると、クロム酸化物を含む被膜中の亜鉛量が減少し、耐食性が低下しステンレス鋼の腐食速度は増加するとの知見を得た。すなわち、冷却水中におけるクロム酸化物被膜に覆われた材料、例えばステンレス鋼の腐食速度を測定することができれば、その腐食速度を基に冷却水中の亜鉛濃度を求めることができるとの知見を得たのである。
また、オンラインで腐食速度を測定することができれば、原子力プラントの運転中に、測定点における亜鉛濃度を常時監視できる。これにより、亜鉛濃度の変化を判定するまでの時間差を短縮できると考えた。冷却水中の亜鉛濃度を求めるため腐食速度を測定する材料は、ステンレス鋼やニッケル基合金の他、クロム酸化物で被覆した炭素鋼など、クロム酸化物被膜に覆われた材料を用いることができる。
ここで、クロム酸化物被膜に覆われた材料の腐食速度を求める方法として、例えば、特許文献2に示される、クロム酸化物被膜で覆われた細線を用いて腐食速度を求める原理について説明する。表面にクロム酸化物被膜を施した細線に設定した電流を供給し、電圧を測定する。そしてオームの法則から時間t1での表面にクロム酸化物被膜を施した細線の電気抵抗Rt1を求める。この電気抵抗Rt1を以下の式(2)に代入して時間t1での細線の金属母材の半径rt1を算出する。なお、ρは細線の比抵抗、lは細線の長さ、rは細線の金属母材の平均的な半径である。
Figure 2015200591
さらに、時間t2で測定された電流及び電圧の各値を用いて、オームの法則から時間t2での細線の電気抵抗Rt2を求める。この電気抵抗Rt2を式(2)に代入して、時間t2での細線の金属母材の半径rt2を算出する。
時間t1及びt2、及び算出した半径rt1及びrt2を以下の式(3)式に代入して腐食速度ΔWt1−t2を算出する。
ΔWt1−t2=(rt1−rt2)/(t2−t1) …(3)
この算出された腐食速度ΔWt1−t2を用いて、本発明では、亜鉛濃度を算出する亜鉛濃度測定装置を考案した。この亜鉛濃度測定装置については、実施例にてその詳細を後述するが、亜鉛濃度測定装置は、予め上記測定される腐食速度と亜鉛濃度との相関関係を格納している。測定される腐食速度を亜鉛濃度に換算することで、冷却水中の亜鉛濃度を測定可能とする機能を有する。よって、本発明の亜鉛濃度測定装置は、上記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材(細線)を有する腐食速度測定部と亜鉛濃度測定部より構成される。
図4に、上記亜鉛濃度測定装置が設置されるBWRプラント14の構成図を示す。BWRプラント14は、炉心16を収容する原子炉圧力容器15、タービン23、復水器24、再循環系、給水系、原子炉浄化系、亜鉛注入装置47及び制御装置48を備えている。原子炉圧力容器15は、原子炉格納容器30内に設置されている。制御装置48は、図示しない、例えばRAM、ROM及び外部メモリ置等の記憶装置、及びCPUから構成される。CPUがROMに格納された各種プログラムを読み出し、実行することで、亜鉛濃度測定装置より得られる冷却水中の亜鉛濃度に応じて、亜鉛注入装置47及び制御弁31の開度を制御する。
炉心16の上方に配置された気水分離器17、及び気水分離器17の上方に配置された蒸気乾燥器18が、原子炉圧力容器15内に設置されている。核燃料物質を含む複数の燃料棒を有する複数の燃料集合体が、炉心16に装荷されている。再循環系は再循環ポンプ21及び再循環系配管20を有する。再循環ポンプ21が設けられた2系統の再循環系配管20が、原子炉圧力容器15に接続される。図4では、この2系統の再循環ポンプ21が設けられた再循環系配管20を、原子炉圧力容器15の左右両側に設けている。なお、炉心16に複数装荷される燃料集合体は、横断面四角形状のチャンネルボックス内に、ステンレス製の被覆管内に燃料ペレット(例えば、MOX燃料)が複数充填された燃料棒を正方格子状に配列する。
原子炉圧力容器15に接続された主蒸気配管22が、タービン23に接続される。タービン23は復水器24上に設置される。給水系は、給水配管25及び給水ポンプ26等を有する。給水ポンプ26が設けられた給水配管25が、復水器24及び原子炉圧力容器15に接続される。水素注入装置46及び亜鉛注入装置47が制御弁31を介して給水配管25に接続される。
原子炉浄化系は、再循環系配管20と給水配管25を接続する浄化系配管27を有し、浄化系ポンプ28及び浄化装置29を浄化系配管27に設けている。原子炉圧力容器15の底部に接続されたドレン配管44が、浄化系配管27に接続される。また、原子炉圧力容器15の底部には、原子炉圧力容器15内の中性子束を検出する中性子検出器としての局所出力領域モニタ35が設置されている。
BWRプラント14の運転中、原子炉圧力容器15内で炉心16の周囲に形成されたダウンカマ19内の冷却水が、再循環ポンプ21の駆動により再循環系配管20内に流入し、原子炉圧力容器15内でダウンカマ19内に配置されたジェットポンプ(図示せず)に供給される。ジェットポンプから吐出された冷却水は、炉心16に供給される。この冷却水は、炉心16に装荷された燃料集合体内の燃料棒に含まれた核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。蒸気は、気水分離器17及び蒸気乾燥器18で水分を分離した後、主蒸気配管22を通してタービン23に供給され、タービン23を回転させる。タービン23に連結された発電機(図示せず)も回転し、電力が発生する。
タービン23から排気された蒸気は、復水器24で凝縮されて水になる。この水は、冷却水として、給水ポンプ26で昇圧され、給水配管25を通して原子炉圧力容器15に供給される。再循環系配管20内を流れる冷却水の一部は、浄化系配管27内に流入し、浄化装置29で浄化される。浄化された冷却水は、浄化系配管27及び給水配管25を通って原子炉圧力容器15に戻される。
BWRプラント14の運転中において、水素注入装置46から給水配管25に注入された水素は、冷却水と共に原子炉圧力容器15内に導かれ注入される。また、亜鉛の注入は、BWRプラント14の運転中において、制御装置48により亜鉛注入装置47及び制御弁31を介して行われる。亜鉛を含む溶液が、復水器24の下流において亜鉛注入装置47から給水配管25内を流れる冷却水に注入される。亜鉛を含む冷却水が、給水配管25を通って原子炉圧力容器15内に導かれる。供給された亜鉛を含む冷却水は、炉心16、再循環系配管20、ドレン配管44、さらには、浄化系配管27に導かれる。
気水分離器17で蒸気と分離された冷却水は、ダウンカマ19内に導かれて給水配管25から供給される給水と混合され、ジェットポンプにより炉心16に供給される。
BWRプラント14において、本発明の亜鉛濃度測定装置が取り付けられる測定点は、図4に示す測定点A〜Fのいずれか一つあるいは、これら測定点の組み合わせである。測定点A〜Eは原子炉格納容器30内のドライウェルに配置されている。測定点A及びBは1本の再循環系配管20に設定され、測定点C及びDは他の1本の再循環系配管20に設定される。測定点B及びCは再循環ポンプ21の上流に位置し、測定点A及びDは再循環ポンプ21の下流に位置する。測定点Eは浄化系ポンプ28の上流で浄化系配管27に設定される。測定点Fは、局所出力領域モニタ35に設定され原子炉圧力容器15内に位置する。これにより、測定点A〜Eのいずれかであれは、それぞれが設定される配管内を流れる冷却水中の亜鉛濃度を測定することができる。また、測定点Fであれば原子炉圧力15内での冷却水中の亜鉛濃度を測定することが可能となる。
以上のとおり、本発明では、BWRプラント14の運転中に、測定点において冷却水と接触するクロム酸化物被膜に覆われた構成部材の腐食速度から、測定点における冷却水中の亜鉛濃度を求める構成を有する。そのため、従来のような、再循環系配管とサンプリング配管で水質(特に、鉄濃度)が異なることによる亜鉛濃度測定誤差を回避できる。そのため、測定点における冷却水中の亜鉛濃度をより精度良く求めることができる。さらに、BWRプラント14の運転中に、測定点において冷却水と接触するクロム酸化物被膜に覆われた構成部材の腐食速度を迅速に測定できることにより、測定点における亜鉛濃度を常時監視できるため、亜鉛濃度の変化を判定するまでの時間差を短縮できる。
以下、本発明の実施例、特に亜鉛濃度測定装置、亜鉛濃度測定方法及び冷却水中の亜鉛濃度制御方法について図面を参照し説明する。
図1に、発明の好適な一実施例である実施例1のBWRプラント14内の冷却水中の亜鉛濃度を制御する処理手順であるフローチャートを示し、図2に、本実施例による亜鉛濃度測定装置の構成図を、図3に図2に示す亜鉛濃度測定装置のA―A断面図を示す。
図2に示すように、亜鉛濃度測定装置1は、クロム酸化物被膜で覆われた細線3、リード線4、5及び筺体6からなる測定部2、リード線4、5と接続される定電流測定装置7、演算装置9及び電圧測定装置8を備えている。また、亜鉛濃度測定装置1は、測定部2を収容し、内部を冷却水が通流する配管12に位置付ける測定部支持部材13を有している。測定部支持部材13の一端、すなわち、配管12と接続される側は開放されて配管12に連絡され、他端は封止されている。ここで、配管12は、図4に示す再循環系配管20又は浄化系配管27に相当する。クロム酸化物被膜で覆われた細線3は、例えばステンレス鋼で構成される。細線3は、図2に示すように測定点において、配管12内を通流する冷却水と接触するように設置され、測定部支持部材13にて配管12に固定される。異種間金属接触による腐食及び熱起電力の発生を抑制するため、リード線4、5は、少なくとも測定部支持部材13内の高温部においては、細線3と同じ材料であることが望ましい。リード線4及びリード線5が、クロム酸化物被膜で覆われた細線3の両端に接続される。クロム酸化物被膜で覆われた細線3が、金属で作成された筺体6の外側に配置され、リード線4、5が筺体6を貫通して設けられる。リード線4、5と筺体6の間には電気絶縁体(図示せず)が配置され、リード線4、5と筺体6とが電気的に接続されることを防止している。この電気絶縁体は、例えば、280°Cの冷却水中でも使用可能で且つ耐放射線の高い樹脂(ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂など)及び無機絶縁材料(アルミナ、ジルコニアなど)のいずれかで作製される。また、図3に示すように、測定部2を支持し、細線3が配管12内を通流する冷却水と接触するよう固定する測定部支持部材13は、配管12の途中で上述の通り開放部を介して配管12と連絡されている。そして、測定部支持部材13の封止部、すなわち、底面までの深さは図3に示されるように浅い。従って、従来のサンプリング配管におけるような鉄分濃度の相違による測定誤差の影響を回避できる。
ここで、クロム酸化物被膜で覆われた細線3の配置位置について説明する。図2に示すように内径rの配管12の内周面を基準とし、この内周面と細線3との間隙ΔLは、最小で“0”となるよう配置される。これは、細線3が配管12の内周面より内側に位置すると、配管12内を通流する冷却水の流路抵抗が増大すると共に、場合によっては、細線3の損傷を招く恐れがあるためである。なお、間隙ΔLの最大値、すなわち細線3の測定部支持部材13内での高さの下限は、測定部支持部材13の底面(封止部)の高さとの相関を考慮すると共に、測定部支持部材13へ流入する配管12内を通流する冷却水の流量又は流速を考慮し適宜設定すれば良い。
定電流測定装置7及び電圧測定装置8は、並列に配置されてリード線4、5にそれぞれ接続される。定電流測定装置7で発生する定電流(直流電流)が、リード線4、細線3及びリード線5を通して流れる。定電流測定装置7は、電流計(図示せず)を有し、この電流計で測定される電流に基づいて発生する直流電流を定電流である所定の電流値に調節している。電圧測定装置8は、細線3の電圧を測定する。定電流測定装置7の電流計で測定された電流の値、及び電圧測定装置8で測定した電圧が、演算装置9に入力される。演算装置9は、図示しない、例えば、RAM、ROM又は外部メモリ等の記憶装置とCPU等から構成される。CPUはROMに格納された各種プログラムを読み出し実行する。
ここで、演算装置9は、時間t1で測定された電流及び電圧の各値を用いて、オームの法則から時間t1での細線3の電気抵抗Rt1を求める。演算装置9は、この電気抵抗Rt1を上記式(2)に代入して時間t1での細線3の金属母材の半径rt1を算出する。
さらに、演算装置9は、同様に時間t2で測定された電流及び電圧の各値を用いて、時間t2での細線3の電気抵抗Rt2を求める。演算装置9は、この電気抵抗Rt2を上記式(2)に代入して時間t2での細線3の金属母材の半径rt2を算出する。演算装置9は、時間t1及びt2、及び算出した半径rt1及びrt2を上記(3)式に代入して腐食速度ΔWt1−t2を算出する。演算装置9は、算出した細線3の金属母材の半径rt1及びrt2、細線3の腐食速度ΔWt1−t2を表示装置(図示せず)に出力し、これらの情報が表示装置に表示される。時間がt2からt3、t4、t5、……、tnと経過し、それぞれの時間tn(nは正の整数)における細線3の金属母材の半径rtn、細線3の腐食量Wtn及び細線3の腐食速度ΔWt(n−1)−tnが算出され図示しない表示装置に表示される。
ここで、上記構成の亜鉛濃度測定装置1を用いた実験結果について説明する。実験条件として、細線3として、直径50μm、長さ200mmのステンレス鋼の線を用いた。BWRプラント14の冷却水と同じ条件である280°Cの純水に、亜鉛濃度がZn=0、2、5ppbとなるように亜鉛を溶解させ、この亜鉛を含む純水を配管12に通水し、測定部支持部材13内もこの純水で満たした。測定部支持部材13内に配置される細線3の表面は、亜鉛を含む純水に接触している。
配管12内に亜鉛を含む純水を通水しながら、定電流測定装置7を用いてクロム酸化膜で覆われた細線3に1mAの電流を印加し、電圧測定装置を8用いて細線3の電圧を測定した。定電流測定装置7は測定された印加電流の値を、電圧測定装置8は測定した電圧を、それぞれ演算装置9へ入力した。演算装置9は、時間t1で測定された電流及び電圧の各値を用いて、オームの法則から時間t1での細線3の電気抵抗Rt1を求め、この電気抵抗Rt1を式(2)に代入して時間t1での細線3の金属母材の半径rt1を算出した。演算装置9は、同様に、時間t2で測定された電流及び電圧の各値を用いて、オームの法則から時間t2での細線3の電気抵抗Rt2を求め、この電気抵抗Rt2を式(2)に代入して時間t2での細線3の金属母材の半径rt2を算出した。さらに、演算装置は、時間t1及びt2、及び算出した半径rt1及びrt2を(3)式に代入して腐食速度ΔWt1−t2を算出した。
上記実験により得られた細線3の腐食速度と亜鉛濃度との相関を図5に示す。図5に示すように、Zn=0ppbの場合に対し、Zn=2ppbではステンレス鋼細線3の腐食速度は1/2、Zn=5ppbの場合ではステンレス鋼細線3の腐食速度は1/3となり、亜鉛濃度の増加とともにステンレス鋼細線3の腐食速度は低下した。以上より、ステンレス鋼細線3の腐食速度は冷却水中の亜鉛濃度に依存し、亜鉛濃度が増加するとステンレス鋼細線3の腐食速度が低下することが確認できた。そこで、横軸を亜鉛濃度、縦軸を腐食速度とする直交座標系において、冷却水中の亜鉛濃度ごとに測定した腐食速度を点としてプロットし、各点を結ぶことにより、図6に示す、亜鉛濃度測定に用いる腐食速度と亜鉛濃度の相関を示す特性図を予め作成した。この特性図を、図2に示す亜鉛濃度測定装置1を構成する演算装置9内の図示しない記憶装置に格納し、求めた腐食速度に基づいて対応する冷却水中の亜鉛濃度を求めることができる。すなわち、演算装置9内の記憶装置に予め格納される腐食速度と亜鉛濃度の相関を示す特性図を用いて、得られる腐食速度を亜鉛濃度に換算するよう演算装置9が実行するよう構成する。なお、図示しない記憶装置に格納する特性図に替えて、複数の腐食速度と、それに対応する亜鉛濃度をテーブルとして格納するよう構成しても良い。この場合、演算装置9は、得られた腐食速度を基に上記テーブルを参照し、対応する亜鉛濃度を読み出し換算後の亜鉛濃度として出力する。
なお、予め作成し上記記憶装置に格納する腐食速度と冷却水中の亜鉛濃度との相関を示す特性図又はテーブルを、例えば、亜鉛濃度を1ppbずつ増加させ、10ppbあるはそれ以上まで条件を変化させ、その時に得られる腐食速度に基づいて作成しても良く、また、亜鉛濃度を変化させる幅は適宜設定すれば良い。上記実験条件を満たすよう、BWRプラント14内の配管12及び原子炉圧力容器15を模擬する実験装置により、図6に示す特性図を作成し、亜鉛濃度測定装置1を構成する演算装置9内の記憶装置に予め格納すれば良い。この場合、本実施例では実験条件として、直径50μm、長さ200mmの細線3を用いたが、細線3の直径及び長さをパラメータとして、更に同様に亜鉛濃度と腐食速度との相関を予め求め、細線3の形状(直径及び長さ)毎にそれぞれ特性図又はテーブルを演算装置9の図示しない記憶装置に格納するよう構成しても良い。
次に、本実施例による亜鉛濃度測定装置1を用いてBWRプラント14内の冷却水中の亜鉛濃度を制御する方法について説明する。図1は、原子力プラント内の冷却水中の亜鉛濃度を制御する処理手順を示すフローチャートである。図1において、ステップS1及びステップS2までが、冷却水中の亜鉛濃度測定手順を示し、ステップS3〜ステップS6までが、測定された亜鉛濃度に基づき冷却水中の亜鉛濃度を制御する手順を示している。
以下では、本実施例をBWRプラント14に適用する場合を例とし、図4に示す測定点Aに、図2に示すように亜鉛濃度測定装置1を設定しときを例に説明する。なお、図1に示すステップS1〜S6の各工程は、BWRプラント14の運転中に行われる。このため、測定点Aにおける再循環系配管20内には冷却水が流れており、測定点Aに配置された、亜鉛濃度測定装置1の測定部2を構成する細線3は流動している冷却水と接触している。
まず、測定点Aにおける亜鉛濃度の測定を、ステップS1〜S2の各工程に基づいて説明する。ステップS1〜S2の各演算は、各測定点に対応して配置されたそれぞれの亜鉛濃度測定装置1の演算装置9で同様に行われる。
ステップS1において、細線3の腐食速度を測定する。定電流測定装置7で発生する定電流(直流電流)が、リード線4、細線3及びリード線5を通して流れる。定電流測定装置7は、電流計(図示せず)を有し、この電流計で測定される電流に基づいて発生する直流電流を定電流である所定の電流値に調節している。電圧測定装置8が、細線3の電圧を測定する。定電流測定装置7の電流計で測定された電流の値、及び電圧測定装置8で測定した電圧が、演算装置9に入力される。演算装置9は、時間t1で測定された電流及び電圧の各値を用いて、オームの法則から時間t1での細線3の電気抵抗Rt1を求める。
演算装置9は、この電気抵抗Rt1を式(2)に代入して時間t1での細線3の金属母材の半径rt1を算出する。
さらに、演算装置9は、時間t2で測定された電流及び電圧の各値を用いて、オームの法則から時間t2での細線3の電気抵抗Rt2を求める。演算装置9は、この電気抵抗Rt2を式(2)に代入して時間t2での細線3の金属母材の半径rt2を算出する。
続いて、演算装置9は、時間t1及びt2、及び算出した半径rt1及びrt2を式(3)に代入して腐食速度ΔWt1−t2を算出する。演算装置9は、算出した細線3の金属母材の半径rt1及びrt2、及び細線3の腐食速度ΔWt1−t2を表示装置(図示せず)に出力し、これらの情報が表示装置に表示される。時間がt2からt3、t4、t5、……、tnと経過し、それぞれの時間tn(nは正の整数)における細線3の金属母材の半径rtn、細線3の腐食速度ΔWt(n−1)−tnが算出されて表示装置に表示される。
ステップS2において、ステップS1にて算出した細線3の腐食速度を用いて亜鉛濃度を算出する。まず演算装置9は、予め作成され記憶装置(図示せず)に格納された図6に示す腐食速度と亜鉛濃度の関係を示す特性図を参照する。そして、ステップS1にて算出した腐食速度に対応する亜鉛濃度を特性図より読み出し、冷却水中の亜鉛濃度として算出する(亜鉛濃度への換算)。
従って、演算装置9は、ステップS1において、定電流測定装置7の電流計で測定された電流の値、及び電圧測定装置8で測定した電圧に基づいて細線3の腐食速度を求める第1演算装置(腐食速度測定部)、及びステップS2において、ステップS1で求められた腐食速度に基づいて細線3が接する冷却水中の亜鉛濃度を求める第2演算装置(亜鉛濃度測定部)から構成される。
ステップS3において、亜鉛濃度が設定亜鉛濃度範囲の下限値未満か否か判定する。演算装置9は、記憶装置に格納される設定亜鉛濃度範囲の下限値CZnLと、ステップS2にて換算した現在の亜鉛濃度CZnCとを比較する。現在の亜鉛濃度CZnCが下限値CZnL未満の場合、演算装置9は、現在の亜鉛濃度CZnCを図4に示す制御装置48へ送信しステップS4へ進む。また、現在の亜鉛濃度CZnCが下限値CZnL以上の場合ステップS5へ進む。本実施例では、設定亜鉛濃度範囲の下限値CZnLを5ppbとしている。これは、冷却水中の亜鉛濃度が5ppb未満になると、亜鉛による放射性核種の蓄積抑制効果が不十分となり、放射性核種の蓄積速度が増加する可能性がある。また、亜鉛注入により冷却水中の亜鉛濃度を5ppb以上とすると、放射性核種の蓄積が十分に抑制されることに基づく。
ステップS4において、給水配管25に注入する亜鉛の増加量を求める。制御装置48は、演算装置9より送信された現在の亜鉛濃度CZnCを基に、以下の式(4)にて亜鉛注入増加量ΔZnを算出する。
ΔZn=CZnL−CZnC+α ・・・(4)
αは、亜鉛濃度の上限値CZnHと亜鉛濃度の下限値CZnLとの差分の1/2(すなわち、設定亜鉛濃度範囲の中間値)とするのが望ましい。但し、この値に限らず下限と上限の範囲内で適宜設定しても良い。制御装置48は、亜鉛注入装置47と、給水配管25に接続する注入配管に設けられた制御弁31の開度が増加するよう制御し、求めた亜鉛注入増加量ΔZnを現在の亜鉛注入量に加えて給水配管25へ注入する。亜鉛注入装置47から給水配管25への亜鉛注入量を増加させることにより、測定点Aにおける冷却水中の亜鉛濃度が増加する。すなわち、測定点Aにおける測定部2に接する冷却水中の亜鉛濃度が増加する。その後、ステップS1へ戻る。
ステップS5において、亜鉛濃度が設定亜鉛濃度範囲の上限値以上か否か判定する。演算装置9は、記憶装置に格納される設定亜鉛濃度範囲の上限値CZnHと、ステップS2にて換算した現在の亜鉛濃度CZnCとを比較する。現在の亜鉛濃度CZnCが上限値CZnH以上の場合、演算装置9は、現在の亜鉛濃度CZnCを制御装置48へ送信しステップS6へ進む。また、現在の亜鉛濃度CZnCが上限値CZnH未満の場合、処理を終了する。本実施例では、設定亜鉛濃度範囲の上限値CZnHを10ppbとしている。これは、冷却水中の亜鉛濃度が10ppb以上になると、燃料腐食への影響が懸念される。また、亜鉛注入により冷却水の亜鉛濃度を10ppb未満にすると、燃料腐食への影響を低減できることに基づく。
ステップS6において、給水配管25に注入する亜鉛の減少量を求める。制御装置48は、演算装置9より送信された現在の亜鉛濃度CZnCを基に、以下の式(5)にて亜鉛注入減少量−ΔZnを算出する。
―ΔZn=CZnC−CZnH+α ・・・(5)
αは、亜鉛濃度の上限値CZnHと亜鉛濃度の下限値CZnLとの差分の1/2(すなわち、設定亜鉛濃度範囲の中間値)とするのが望ましい。但し、この値に限らず下限と上限の範囲内で適宜設定しても良い。制御装置48は、亜鉛注入装置47と、給水配管25に接続する注入配管に設けられた制御弁31の開度が減少するよう制御し、求めた亜鉛注入減少量−ΔZn分、現在の亜鉛注入量から減じて給水配管25へ注入する。亜鉛注入装置47から給水配管25への亜鉛注入量を減少させることにより、測定点Aにおける冷却水中の亜鉛濃度が減少する。すなわち、測定点Aにおける測定部2に接する冷却水の亜鉛濃度が減少する。その後、ステップS1へ戻る。
このように、ステップS1〜S6の各工程を実行する周期、すなわちサンプリング周期は、例えば、1回/時間あるいは1回/日等、設定可能である。サプリング頻度を増大させても本実施例では、特にコストの上昇を招くことなく分析が可能で、リアルタイムで冷却水中の亜鉛濃度を制御することが可能となる。
なお、本実施例では、設定亜鉛濃度範囲の下限値CZnLとして5ppb、設定亜鉛濃度範囲の上限値CZnHとして10ppbとしたが、これに限られず、例えば、原子力プラントの構造部材の性状等に応じて適宜設定しても良い。
本実施例によれば、原子力プラント運転中に、測定点における細線3の腐食速度を測定し、測定した腐食速度から測定点における冷却水中の亜鉛濃度の増減を判断する。そのため、細線3の設置された測定点における冷却水の腐食速度から亜鉛濃度に換算可能であり、測定点における冷却水中の亜鉛濃度をより精度良く求めることができる。さらに、測定点における亜鉛濃度を常時監視できるため、亜鉛濃度の変化を判定するまでの時間差を短縮できる。
また本実施例によれば、より精度よく亜鉛濃度の増減を検知できる。そのため、亜鉛注入量の制御の精度が向上し、最小限の亜鉛注入量で冷却水中の亜鉛濃度を設定亜鉛濃度範囲内に維持することができる。
図7に、本発明の好適な一実施例である実施例2の亜鉛濃度測定装置1Aの構成図を示す。図2に示す構成要素と同一の構成要素に同一の符号を付している。実施例1では、配管12内を通流する冷却水にクロム酸化物被膜で覆われた細線3を接触させ、通電し電気抵抗を求め腐食速度を算出する方式とした。本実施例では、クロム酸化物被膜で覆われた作用極及び対極間の電位差に更に所定の交流電圧を印加し、周波数応答解析により交流インピーダンスを求め、求めた交流インピーダンスにより腐食抵抗を算出の上、腐食速度を求める構成とした点が異なる。
図7に示すように、本実施例の亜鉛濃度測定装置1Aは、電極ホルダ53に取り付けられた一対の電極であり、クロム酸化物被膜で覆われた作用極49及び対極50、リード線51、52及び筐体54からなる測定部2Aを有する。また、亜鉛濃度測定装置1Aは、リード線51、52と接続されるポテンショスタット10、周波数応答解析装置11及び演算装置9Aを備えている。更に、亜鉛濃度測定装置1Aは、測定部2Aを収容し、内部を冷却水が通流する配管12に位置付ける測定部支持部材13を有する。測定部支持部材13の一端、すなわち、配管12と接続される側は開放されて配管12と連絡され、他端は封止されている。電極ホルダ53が筺体54に取り付けら、測定部支持部材13内に固定される。
クロム酸化物被膜で覆われた作用極49は電極ホルダ53及び筺体54内を通るリード線51に接続され、リード線51はポテンショスタット10に接続される。対極50は電極ホルダ53及び筺体54内を通るリード線52に接続され、リード線52はポテンショスタット10に接続される。ポテンショスタット10が周波数応答解析装置11に接続され、周波数応答解析装置11が演算装置9Aに接続される。
電極ホルダ53は、作用極49及び対極50の間隔を一定に維持するとともに、これらの電極間に十分な電気抵抗を確保する。電極ホルダ53は、上述の280°Cの冷却水中でも使用可能で且つ耐放射線の高い樹脂及び無機絶縁材料のいずれかで作製される。電極ホルダ53は、クロム酸化物被膜で覆われた作用極49及び対極50を固定するため、例えば、電極を挿入するためのスリットを有する。
作用極49及び対極50のそれぞれは、同じ面積を有する平板である。配管12内を流れる冷却水と接触する作用極49及び対極50の間の水質を、測定部2Aが配置される位置での配管12を流れる冷却水の水質と等しくするため、作用極49及び対極50の間で冷却水を流動させる必要がある。このため、作用極49及び対極50は配管12の軸方向において配管12の軸心に平行に配置される。作用極49及び対極50は互いに平行に配置され、作用極49と対極50の間の間隔は例えば0.5mmに設定されている。また、作用極49及び対極50は、ステンレス鋼で作られている。作用極49及び対極50にそれぞれ接続されたリード線51及び52は、異種間金属接触による腐食及び熱起電力の発生を抑制するため、少なくとも測定部支持部材13内では、作用極49及び対極50と同じ材料、すなわち、ステンレス鋼であることが望ましい。ここで、作用極49及び対極50の先端部と配管12の内周面との間隔は、実施例1と同様の範囲内に設定される。
リード線51及び52と筺体54との間には、電気絶縁体(図示せず)が配置され、リード線51及び52と筺体54とが電気的に接続されることを防止している。この電気絶縁体は、上述の280°Cの冷却水中でも使用可能かつ耐放射線の高い樹脂及び無機絶縁材料のいずれかで作製される。
本実施例において、亜鉛濃度測定装置1Aが取り付けられるBWRプラント14内の測定点は、実施例1と同様に図4に示す測定点A〜Fのいずれかである。測定点A〜Fのいずれか、例えば測定点Aにおいて、一端部が封止された測定部支持部材13が再循環系配管20に取り付けられる。ここで、図7に示す配管12は、図4に示す再循環系配管20及び浄化系配管27に相当する。測定部支持部材13内は、上述のとおり配管12と連通している。配管12は、原子炉圧力容器15に連絡されており、内部を冷却水が流れている。測定部支持部材13内も冷却水で満たされている。測定部2Aは、気密性を保って測定部支持部材13の封止された端部を貫通し、この端部に取り付けられる。
次に、本実施例の亜鉛濃度測定装置1Aを用いて原子力プラント、ここではBWRプラント14内の冷却水中の亜鉛濃度を制御する方法について説明する。実施例1と同様に冷却水中の亜鉛濃度を制御する処理手順は、図1に示されるフローチャートと同様である。図1に示すステップS1〜S6の各工程は、BWRプラント14の運転中に行われる。このため、測定点Aにおける再循環系配管20内には冷却水が流れており、測定点Aに配置された、亜鉛濃度測定装置1Aの測定部2Aを構成する作用極49及び対極50は流動している冷却水と接触している。
まず、測定点Aにおける亜鉛濃度の測定を、ステップS1〜S2の各工程に基づいて説明する。ステップS1〜S2の各演算は、各測定点に対応して配置されたそれぞれの亜鉛濃度測定装置1Aの演算装置9Aで行われる。
ステップS1において、電極である作用極49及び対極50の腐食速度を測定する。ポテンショスタット10は、測定点Aに配置された作用極49と対極50の間に発生する電位差を測定し、測定された電位差に5〜10mVの範囲内の交流電圧(例えば、10mV)を重畳させた交流電圧を、作用極49に印加する。周波数応答解析装置11を用いて、作用極49に印加した交流電圧の周波数を変えて(例えば、0.1mHz〜100kHz)作用極49と対極50の間の交流インピーダンスを測定する。測定された交流インピーダンスは周波数応答解析装置11から演算装置9Aに入力される。
演算装置9Aは、入力された交流インピーダンスから、腐食抵抗を算出する。演算装置9Aは、測定された電極間のインピーダンスを、図8に示すようにインピーダンスの実数部を横軸、インピーダンスの虚数部を縦軸としたナイキスト線図としてプロットする。このとき、R1は電極間の冷却材の導電抵抗、R2は作用極49及び対極50表面の腐食抵抗である。演算装置9Aは、図8の半円と実数軸との二つの交点を求め、それらの値の差から腐食抵抗R2を算出する。腐食抵抗R2と腐食速度は反比例するため、腐食抵抗R2の逆数が作用極49及び対極50表面の腐食速度に相当する。
ステップS2において、ステップS1にて算出した電極の腐食速度を用いて、実施例1と同様の方法で亜鉛濃度を算出する。すなわち、演算装置9Aは、演算装置9A内の図示しない記憶装置に格納された図6に示す腐食速度と亜鉛濃度の関係を示す特性図を参照する。そして、ステップS1にて算出された電極の腐食速度に対応する亜鉛濃度を読み出し、冷却水中の亜鉛濃度として算出する(亜鉛濃度への換算)。
従って、演算装置9Aは、ステップS1において、ポテンショスタット10及び周波数応答解析装置11によって測定された作用極49と対極50の間の交流インピーダンスに基づいて、作用極49及び対極50の腐食速度を求める第1演算装置(腐食速度測定部)、及びステップS2において、ステップS1で求められた腐食速度に基づいて作用極49及び対極50が接する冷却水中の亜鉛濃度を求める第2演算装置(亜鉛濃度測定部)から構成される。
図1に示すステップS3〜S6の判定と亜鉛注入量の制御は、実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。本実施例の冷却水中の亜鉛濃度制御方法では、BWRプラント14の運転中、ステップS1〜S6の各工程を所定の周期で繰り返し実行する。ここで所定の周期、すなわち、サンプリング周期は、例えば、1回/時間あるいは1回/日等、設定可能である。サプリング頻度を増大させても本実施例では、特にコストの上昇を招くことなく分析が可能で、リアルタイムで冷却水中の亜鉛濃度を制御することが可能となる。
本実施例によれば、実施例1と同様に、原子力プラント運転中に、測定点における作用電極40及び対極50の腐食速度を測定し、測定した腐食速度から測定点における冷却水中の亜鉛濃度の増減を判断する。そのため、作用極49及び対極40の設置された測定点における冷却水の腐食速度から亜鉛濃度に換算可能であり、測定点における冷却水中の亜鉛濃度をより精度良く求めることができる。さらに、測定点における亜鉛濃度を常時監視できるため、亜鉛濃度の変化を判定するまでの時間差を短縮できる。
また本実施例によれば、より精度よく亜鉛濃度の増減を検知できる。そのため、亜鉛注入量の制御の精度が向上し、最小限の亜鉛注入量で冷却水中の亜鉛濃度を設定亜鉛濃度範囲内に維持することができる。
図9に、本発明の他の好適な実施例である実施例3による亜鉛濃度測定装置の配置図を示す。本実施例においては、実施例1による亜鉛濃度測定装置1の測定部2、又は実施例2による亜鉛濃度測定装置1Aの測定部2Aを、BWRプラント14の原子炉圧力容器15内に設置された局所出力領域モニタ35内に配置する。すなわち、図4に示す測定点Fに測定部2又は測定部2Aを配置する。以下では、実施例1による亜鉛濃度測定装置1の測定部2を局所出力領域モニタ35内に配置する場合を例とし説明する。
局所出力領域モニタ35の配置構造は、複数の局所出力領域モニタ35が、炉心16に装荷された複数の燃料集合体の間に配置される。図9に示すように、各局所出力領域モニタ35は、原子炉圧力容器15内で、炉心16の下端部に配置された炉心支持板34の下方に設置された複数の局所出力領域モニタ外管(以下、LPRM外管という)38内まで別々に伸びている。炉心支持板34より上方に位置する上部孔36及び炉心支持板34より下方に位置する下部孔37が各局所出力領域モニタ35に形成される。外管孔40がLPRM外管38の上端部に形成される。各LPRM外管38は、原子炉圧力容器15の下鏡33を貫通し、下鏡33に溶接にて取り付けられた複数の局所出力領域モニタハウジング(以下、LPRMハウジングという)41に接続される。ハウジング孔39が、原子炉圧力容器15内でLPRMハウジング41の上端部に形成される。局所出力領域モニタフランジ(以下、LPRMフランジという)42が、LPRMハウジング41の下端に取り付けられ、LPRMハウジング41を封止する。局所出力領域モニタ35はLPRMフランジ41を貫通して下方に伸びる。
局所出力領域モニタ35内に配置された測定部2は、図2に示す筺体6を局所出力領域モニタ35の内面に取り付けることによって、測定部2と局所出力領域モニタ35が接触しない状態で固定される。筺体6の下面に気密性を保って取り付けられたケーブル管45が局所出力領域モニタ35、LPRM外管38及びLPRMハウジング41内を通ってLPRMフランジ42を貫通し、LPRMハウジング41の外部に達している。クロム酸化物被膜で覆われた細線3に接続されたリード線4、5が、ケーブル管45内に配置され、LPRMハウジング41の外部に達している。リード線4、5は、図2に示す定電流測定装置7に接続される(図9では図示省略)。
原子炉圧力容器15内の冷却水は、図9に矢印にて示すように、ハウジング孔39からLPRMハウジング41内に流入し、LPRMハウジング41の内面とLPRM外管38の外面との間を流れ、LPRM外管38内を上昇する。この冷却水は、下部孔37から局所出力領域モニタ35内に注入し、局所出力領域モニタ35内を通って上昇する。その後、局所出力領域モニタ35の上部孔36から原子炉圧力容器15内へと流出する。
測定部2は、局所出力領域モニタ35内を上昇する冷却水に接触する。この冷却水中の亜鉛濃度は、亜鉛注入量増加時には上昇し、亜鉛注入量減少時には低下する。BWRプラント14の運転中において、実施例1と同様に、図2に示す演算装置9は、クロム酸化物被膜で覆われた細線3の腐食速度を測定し、この腐食速度に基づいてクロム酸化物被膜で覆われた細線3が配置された位置での局所出力領域モニタ35内の亜鉛濃度を求める。なお、図4に示す測定点Fで求められる冷却水中の亜鉛濃度は、他の測定点A〜Eにて求められる冷却水中の亜鉛濃度より高い。これは、図4に示す再循環系配管20及び浄化系配管27を通流する冷却水と異なり、原子炉圧力容器15内を流れる冷却水は、燃料集合体内の核燃料物質による核分裂反応により生じる熱エネルギーにより凝縮されるため亜鉛濃度が上昇することによる。本実施例における冷却水中の亜鉛濃度を制御する処理手順は、実施例1及び実施例2において説明した図1に示すフローチャートと同様であるため、説明を省略する。
本実施例では、実施例1による亜鉛濃度測定装置1を用いる場合を説明したが、実施例2による亜鉛濃度測定装置1Aを用いても同様となる。この場合、演算装置9Aは、クロム酸化物被膜で覆われた作用極49及び対極50の腐食速度を測定し、この腐食速度に基づいてクロム酸化物被膜で覆われた作用極49及び対極50が配置された位置での局所出力領域モニタ35内の冷却水中の亜鉛濃度を求めることができる。
本実施例によれば、実施例1及び実施例2による効果に加え、測定部2を局所出力領域モニタ35内に配置することによって、局所出力領域モニタ35を測定部支持部材13の替りに用いることができる。
さらに、本実施例によれば、実施例1及び実施例2に比較し、より炉心に装荷された燃料集合体に近い場所での亜鉛濃度を測定することが可能となる。また、局所出力領域モニタ35内での亜鉛濃度を基に亜鉛注入量を制御することで、亜鉛による燃料腐食への影響を抑制できる。
図9に、本発明の好適な一実施例である実施例4による原子力プラント内の冷却水中の亜鉛濃度を制御する処理手順を示すフローチャートを示す。実施例1では、複数の測定点A〜Eのうち1つの測定点である測定点Aに、亜鉛濃度測定装置1を構成する測定部2を設定し、冷却水中の亜鉛濃度の測定及び制御する手順を説明した。本実施例では、測定点A〜Fのうち複数の測定点において亜鉛濃度を測定する点が実施例1と異なる。
本実施例では、実施例1による亜鉛濃度測定装置1、または実施例2による亜鉛濃度測定装置1Aを用いることができる。
BWRプラント14において、亜鉛濃度測定装置、例えば亜鉛濃度測定装置1が取り付けられる測定点は、図4に示す測定点A〜Fのうちいずれ2か所以上である。測定点A〜Eは原子炉格納容器30内のドライウェルに配置されている。測定点A及び測定点Bは1本の再循環系配管20に設定され、測定点C及びDは他の1本の再循環系配管20に設定される。測定点B及びCは再循環ポンプ21の上流に位置し、測定点A及びDは再循環ポンプ21の下流に位置する。測定点Eは浄化系ポンプ28の上流で浄化系配管27に設定される。測定点Fは、原子炉圧力容器15内で、炉心16の下端部に配置された炉心支持板34の下方に設置されたLPRM外管38内まで伸びている。図4に示す測定点A〜Fのうちいずれ2か所以上に、測定部2が取り付けられる。
例えば、測定点A及び測定点Bに、一端部が封止された測定部支持部材13が該当する配管12に取り付けられる(図2参照)。測定部支持部材13内は、配管12と連通している。配管12は、原子炉圧力容器15に連絡されており、内部を冷却水が流れている。測定部支持部材13内も冷却水で満たされている。測定部2は、気密性を保って測定部支持部材13の封止された端部を貫通し、この端部に取り付けられる。
以下、本実施例の原子力プラント、ここではBWRプラント14内の冷却水中の亜鉛濃度を制御する処理手順について説明する。本実施例のBWR14内の冷却水中の亜鉛濃度制御方法は、複数の測定点で亜鉛濃度を測定する。複数の測定点で測定された亜鉛濃度を基に亜鉛注入量を制御するため、測定点によって判定結果が異なる可能性がある。そのため、本実施例では、測定点に予め優先順位をつける。例えば、本実施例では、優先順位として測定点Aを第一優先、測定点Bを第二優先とする。測定部2が、上述したように、測定点A及び測定点Bにそれぞれ配置されている。図9に示すステップS1A〜S6A、及びステップS1B〜S6Bの各工程は、BWRプラント14の運転中に行われる。このため、測定点A及びBが設定された再循環系配管20内には冷却水が流れており、測定点A及び測定点Bに配置された、クロム酸化物被膜で覆われた細線3は流動している冷却水と接触している。
まず、図9に示すステップS1A〜S2Aにおいて、実施例1のステップS1〜S2と同様の方法で、測定点Aにおける亜鉛濃度を算出する。演算装置9は、測定点Aにおけるクロム酸化物被膜で覆われた細線3の腐食速度を算出し、この算出された腐食速度から測定点Aにおける冷却水中の亜鉛濃度を求める(亜鉛濃度への換算)。
次に、ステップS3Aにおいて、実施例1のステップS3と同様の方法で、測定点Aにおける現在の亜鉛濃度CZnCAが設定亜鉛濃度範囲の下限値CZnLA未満か否か判定する。現在の亜鉛濃度CZnCAが下限値CZnLA未満の場合、演算装置9は、現在の亜鉛濃度CZnCAを図4に示す制御装置48へ送信しステップS4Aへ進む。また、現在の亜鉛濃度CZnCAが下限値CZnLA以上の場合ステップS5Aへ進む。
ステップS4Aにおいて、実施例1のステップS4と同様に給水配管25に注入する亜鉛の増加量を求める。制御装置48は、実施例1にて説明したように、式(4)により亜鉛注入増加量ΔZnAを求め、求めた亜鉛注入増加量ΔZnAを現在の亜鉛注入量に加えて、亜鉛注入装置47及び制御弁31を介して給水配管25へ注入する。これにより、測定点Aにおける冷却水中の亜鉛濃度が増加する。その後、ステップS1Aに戻る。
ステップS5Aにおいて、実施例1のステップS5と同様に、測定点Aにおける現在の亜鉛濃度CZnCAが設定亜鉛濃度範囲の上限値CZnHA以上か否か判定する。現在の亜鉛濃度CZnCAが上限値CZnHA以上の場合、演算装置9は、現在の亜鉛濃度CZnCAを制御装置48へ送信しステップS6Aへ進む。また、現在の亜鉛濃度CZnCAが上限値CZnHA未満の場合ステップS1Bへ進む。
ステップS6Aにおいて、実施例1のステップS6と同様に、給水配管25に注入する亜鉛の減少量を求める。制御装置48は、実施例1にて説明したように、式(5)により亜鉛注入減少量―ΔZnAを求め、求めた亜鉛注入減少量−ΔZnA分、現在の亜鉛注入量から減じて、亜鉛注入装置47及び制御弁31を介して給水配管25へ注入する。これにより測定点Aにおける冷却水中の亜鉛濃度が減少する。その後、ステップS1Aに戻る。
続いて、ステップS1B〜ステップS2Bにおいて、ステップS1A〜ステップS2Aと同様の方法で、測定点Bにおける亜鉛濃度を算出する。上記ステップS5Aの判定が「No」であるとき、すなわち、測定点Aにおける現在の亜鉛濃度CZnCAが設定亜鉛濃度範囲内であるとき、演算装置9は、測定点Bにおけるクロム酸化物被膜で覆われた細線3の腐食速度を算出し、この算出された腐食速度から測定点Bにおける冷却水中の亜鉛濃度を求める(亜鉛濃度への換算)。
ステップS3Bでは、ステップS3Aと同様の方法で、測定点Bにおける現在の亜鉛濃度CZnCBが設定亜鉛濃度範囲の下限値CZnLB未満か否か判定する。現在の亜鉛濃度CZnCBが下限値CZnLB未満の場合、演算装置9は、現在の亜鉛濃度CZnCBを制御装置48へ送信しステップS4Bへ進む。また、現在の亜鉛濃度CZnCBが下限値CZnLB以上の場合ステップS5Bへ進む。
ステップS4Bでは、ステップS4Aと同様に、給水配管25に注入する亜鉛の増加量を求める。制御装置48は、式(4)により亜鉛注入増加量ΔZnBを求め、求めた亜鉛注入増加量ΔZnBを現在の亜鉛注入量に加えて、亜鉛注入装置47及び制御弁31を介して給水配管25へ注入する。これにより、測定点Bにおける冷却水中の亜鉛濃度が増加する。その後、ステップS1Aへ戻る。
ステップS5Bにおいて、ステップS5Aと同様に、測定点Bにおける現在の亜鉛濃度CZnCBが設定亜鉛濃度範囲の上限値CZnHB以上か否か判定する。現在の亜鉛濃度CZnCBが上限値CZnHB以上の場合、演算装置9は、現在の亜鉛濃度CZnCBを制御装置48へ送信しステップS6Bへ進む。また、現在の亜鉛濃度CZnCBが上限値CZnHB未満の場合、処理を終了する。
ステップS6Bにおいて、ステップS6Aと同様に、給水配管25に注入する亜鉛の減少量を求める。制御装置48は、式(5)により亜鉛注入減少量―ΔZnBを求め、求めた亜鉛注入減少量−ΔZnB分、現在の亜鉛注入量から減じて、亜鉛注入装置47及び制御弁31を介して給水配管25へ注入する。これにより測定点Bにおける冷却水中の亜鉛濃度が減少する。その後、ステップS1Aに戻る。
このように、ステップS1A〜ステップS6Bの各工程を実行する周期、すなわちサンプリング周期は、例えば、1回/時間あるいは1回/日等、設定可能である。サプリング頻度を増大させても本実施例では、特にコストの上昇を招くことなく分析が可能で、リアルタイムで冷却水中の亜鉛濃度を制御することが可能となる。
なお、本実施例では、複数の測定点として測定点A及び測定点Bを設定する場合を説明したが、これに限らず3箇所以上の測定点に対し同様の処理を行うよう構成しても良い。また、再循環系配管20に設定される測定点A〜測定点D及び浄化系配管27に設定される測定点Eにおいては、測定部2又は測定部2Aにより測定される腐食速度はほぼ同一となる。それゆえ、測定点A〜測定点Eにおいて、設定亜鉛濃度範囲の上限値CZnH及び下限値CZnLは同一値に設定しても良い。また、測定点Fにおける設定亜鉛濃度範囲の上限値CZnHFは、他の測定点に設定される上限値CZnHよりも低く設定するのが望ましい。これは、上述のとおり、他の測定点と比較し測定点Fで測定される亜鉛濃度は高い値を示す傾向にあること、亜鉛濃度上昇による燃料集腐食への影響を回避するためである。また、測定点として測定点Fを含める場合には、測定点Fを第一優先とするのが好ましい。
本実施例によれば、実施例1から実施例3による効果に加え、BWRプラント14内の複数の測定点において測定した亜鉛濃度に基づいて亜鉛注入量を制御するため、より広範囲において、冷却水中の亜鉛濃度を設定亜鉛濃度範囲内に維持することが可能となる。
上記実施例1乃至4では、BWRプラント14を例に説明したが、同様に、加圧水型原子力プラント(PWR)にも適用することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1,1A…亜鉛濃度測定装置、2,2A…測定部、3…細線、4,5,51,52…リード線、6,54…筐体、7…定電流測定装置、8…電圧測定装置、9,9A…演算装置、10…ポテンショスタット、11…周波数応答解析装置、12…配管、13…測定部支持部材、14…沸騰水型原子力プラント(BWRプラント)、15…原子炉圧力容器、16…ダウンカマ、17…気水分離器、18…蒸気乾燥器、19…ダウンカマ、20…再循環系配管、21…再循環系ポンプ、22…主蒸気配管、23…タービン、24…復水器、25…給水配管、26…給水ポンプ、27…浄化系配管、28…浄化系ポンプ、29…浄化装置、30…原子炉格納容器、31…制御弁、33…下鏡、34…炉心支持板、35…局所出力領域モニタ、36…上部孔、37…下部孔、38…局所出力領域モニタ外管、39…局所出力領域モニタハウジング孔、40…外管孔、41…局所出力領域モニタハウジング、42…局所出力領域モニタフランジ、44…ドレン配管、45…ケーブル管、46…水素注入装置、47…亜鉛注入装置、48…制御装置、49…作用極、50…対極、53…電極ホルダ

Claims (13)

  1. 少なくとも原子炉圧力容器及び当該原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器内に敷設される配管のうち、いずれか一方を通流する冷却水中の亜鉛濃度を測定する方法であって、
    測定対象箇所に、クロム酸化物被膜で覆われた構成部材を前記冷却水と接触するよう配置し、
    前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材の腐食速度を測定し、
    前記測定された腐食速度に基づき亜鉛濃度を求めることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定方法。
  2. 請求項1に記載の原子力プラントの亜鉛濃度測定方法において、
    前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材の腐食速度と亜鉛濃度との相関を示す情報を予め記憶し、
    前記相関を示す情報に基づいて、前記測定された腐食速度に対応する亜鉛濃度を求めることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定方法。
  3. 請求項2に記載の原子力プラントの亜鉛濃度測定方法において、
    前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材として細線を用い、定電流測定装置により前記細線に一定の電流を印加し、電圧測定装置により前記細線の電圧を測定し、前記測定された電流及び電圧に基づき前記細線の電気抵抗を算出し、算出された電気抵抗に基づき前記細線の腐食速度を求めることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定方法。
  4. 請求項2に記載の原子力プラントの亜鉛濃度測定方法において、
    前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材として、対向する一対の電極を用い、前記電極間に交流電圧を印加し、前記電極間の交流インピーダンスを測定し、前記測定された交流インピーダンスに基づき前記電極表面の腐食抵抗を求め、前記求めた腐食抵抗に基づき前記電極の腐食速度を求めることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定方法。
  5. 少なくとも原子炉圧力容器内及び当該原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器内に敷設される配管のうち、いずれか一方に設置され、クロム酸化物被膜で覆われた構成部材を有する腐食速度測定部と、
    前記腐食速度測定部の測定結果に基づき前記原子炉圧力容器内及び/又は原子炉格納容器内の配管を通流する冷却水中の亜鉛濃度に換算する亜鉛濃度測定部を有することを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定装置。
  6. 請求項5に記載の原子力プラントの亜鉛濃度測定装置において、
    前記亜鉛濃度測定部は、予め前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材の腐食速度と亜鉛濃度との相関を示す情報を格納する記憶装置を備え、
    前記記憶装置に格納された腐食速度と亜鉛濃度との相関を示す情報を参照し、前記腐食速度測定部からの測定結果に対応する亜鉛濃度を求めることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定装置。
  7. 請求項6に記載の原子力プラントの亜鉛濃度測定装置において、
    前記記憶装置に格納された腐食速度と亜鉛濃度との相関を示す情報は、予め異なる亜鉛濃度の複数の冷却水を用意し、前記冷却水毎に前記腐食速度測定部による測定結果を取得し、各亜鉛濃度と対応する腐食速度の関係を示す特性図又はテーブルとして前記記憶装置に格納することを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定装置。
  8. 請求項6に記載の原子力プラントの亜鉛濃度測定装置において、
    前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材は細線であって、
    前記細線の一端に接続される第1のリード線と、前記細線の他端に接続される第2のリード線を有し、
    前記第1及び第2のリード線により並列に接続される定電流測定装置と電圧測定装置を備え、
    前記定電流測定装置により前記細線に一定の電流を印加し、前記電圧測定装置により前記細線の電圧を測定し、前記測定された電流及び電圧に基づき前記細線の電気抵抗を算出し、算出された電気抵抗に基づき前記細線の腐食速度を求めることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定装置。
  9. 請求項6に記載の原子力プラントの亜鉛濃度測定装置において、
    前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材は対向する一対の電極であって、前記電極間に交流電圧を印加し、前記電極間の交流インピーダンスを測定し、前記測定された交流インピーダンスに基づき前記電極表面の腐食抵抗を求め、前記求めた腐食抵抗に基づき前記電極の腐食速度を求めることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の原子力プラントの亜鉛濃度測定装置において、
    前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材は、前記原子炉圧力容器内の中性子束を検出する局所出力領域モニタ内に、前記冷却水と接触するよう配置されることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度測定装置。
  11. 少なくとも原子炉圧力容器及び当該原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器内に敷設される配管のうち、いずれか一方を通流する冷却水中の亜鉛濃度を制御する方法であって、
    測定対象箇所に、クロム酸化物被膜で覆われた構成部材を前記冷却水と接触するよう配置し、
    前記クロム酸化物被膜で覆われた構成部材の腐食速度を測定し、前記測定された腐食速度に基づき亜鉛濃度を求め、
    前記求めた亜鉛濃度を予め設定された設定亜鉛濃度範囲の下限値未満か否か判定し、下限値未満の場合、前記下限値と前記求めた亜鉛濃度との差分に所定量加算した値を、前記冷却水へ注入する亜鉛の増加量とし、
    前記求めた亜鉛濃度を予め設定された設定亜鉛濃度範囲の上限値以上か否か判定し、上限値以上の場合、前記求めた亜鉛濃度と前記上限値との差分に前記所定量加算した値を、前記冷却水へ注入する亜鉛の減少量とすることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度制御方法。
  12. 請求項11に記載の原子力プラントの亜鉛濃度制御方法において、
    前記下限値と前記求めた亜鉛濃度との差分に加算及び、前記求めた亜鉛濃度と前記上限値との差分に加算する前記所定量は、前記設定亜鉛濃度範囲の中間値であることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度制御方法。
  13. 請求項11に記載の原子力プラントの亜鉛濃度制御方法において、
    前記設定亜鉛濃度範囲の下限値は5ppbであり、前記設定亜鉛濃度範囲の上限値は10ppbであることを特徴とする原子力プラントの亜鉛濃度制御方法。
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