JP4777835B2 - 隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置 - Google Patents

隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4777835B2
JP4777835B2 JP2006179304A JP2006179304A JP4777835B2 JP 4777835 B2 JP4777835 B2 JP 4777835B2 JP 2006179304 A JP2006179304 A JP 2006179304A JP 2006179304 A JP2006179304 A JP 2006179304A JP 4777835 B2 JP4777835 B2 JP 4777835B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
gap
main body
water quality
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006179304A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008008744A (ja
Inventor
陽一 和田
一成 石田
正彦 橘
元浩 会沢
直志 碓井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2006179304A priority Critical patent/JP4777835B2/ja
Publication of JP2008008744A publication Critical patent/JP2008008744A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4777835B2 publication Critical patent/JP4777835B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

本発明は、隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置に係り、特に、原子炉の冷却水中に暴露される、オーステナイト系ステンレス鋼あるいはニッケル基合金等の金属材料を対象にし、応力腐食割れの水質条件の指標となるき裂内の電気化学的特性を用いてき裂進展速度を評価するのに好適な隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置に関する。
原子力発電所において、ステンレス鋼及びニッケル基合金等は構造材と呼ばれ、原子炉機器の材料として用いられる。これらの構造材は、特定の条件の下では応力腐食割れ(SCC)の感受性を示す。そこで、SCCの防止策が、原子炉の健全性を維持するためにそれらの構造材に対し施されている。また、近年では原子炉の設備利用率の向上と、長寿命化のような経済性向上の観点からもSCCの予防策が適用されている。
SCC防止策には、材料の耐食性向上、応力の改善、あるいは腐食環境の緩和を目的としたものがある。沸騰水型原子炉(BWR)において、構造材が曝されている原子炉冷却水(炉水)の腐食環境の改善に基づくSCC対策の一つとして、水素注入が国内外で広く行われている(例えば、特許文献1参照)。炉水中には、構造材の腐食原因となる酸素及び過酸化水素が存在する。酸素及び過酸化水素は、原子炉内(炉内)で冷却水の放射線分解によって生成される。水素注入は、給水を通じて原子炉内の炉水に注入された水素と炉水中の酸素及び過酸化水素とを反応させてこれらを水に戻す機能を有する。この機能によって、炉水中の酸素及び過酸化水素濃度が減少する結果、構造材の腐食電位(ECP)が低下し、SCCが緩和される。として、BWRで水素注入を実施したときの、給水中水素濃度に対する、サンプリング系で測定した溶存酸素濃度の変化とECPの変化を測定した結果を図1に示す。
さらに、水素注入時の腐食電位の低下を促進させる技術としては、例えば特許文献2に記載された技術が知られている。この技術は、白金族貴金属元素が有する水素の電気化学反応への触媒作用を利用して、水素注入時に腐食電位を大きく低下させるものである。
これらの従来技術では、構造材の腐食電位を精度良く確認する必要がある。そこで、原子炉内(あるいは原子炉に接続された配管)に腐食電位センサを設置し、構造材の腐食電位を測定することが行われている。ところが、近年、き裂の進展は構造材の表面での腐食電位に直接支配されているのではないことを示す知見が報告されている。この報告は、き裂の内部にき裂の進展を駆動する機構が存在することを示している。例えば、白金族貴金属のような触媒作用を有する物質を表面に付着させて腐食電位を低減する技術では、炉水の流れによって水中の酸化剤が触媒付着の効果範囲より深く押し込まれて、割れが進展する場合があることが、非特許文献1に記載されている。そこで、き裂内部の水質を指標にしてき裂進展速度を評価することが必要となる。
構造材に発生したき裂及び隙間内の腐食電位を測定する第一の従来技術として、き裂先端の電位を参照電極で測定し、き裂先端に流れる電流を数値計算により求めてき裂進展速度を評価することが、特許文献3に記載されている。第二の従来技術として、参照電極の電極部を金属で覆って隙間を作り、隙間内の腐食電位を測定する方法が、特許文献4に記されている。第三の従来技術として、隙間内に電極アレイを配して、試験片の表面を含む隙間内に試料水を流通させたときにおける腐食電位を測定することが、特許文献5に記載されている。
なお、特許文献6は水素注入と同時にヒドラジンを注入することを記載している。非特許文献2はECPの酸素濃度依存性について記載している。さらに、非特許文献3は、酸素及び過酸化水素のそれぞれの環境条件下での各き裂進展速度を記載している。
特許第2687780号公報 特開平4−223299号公報 特開平6−58903号公報 特開平6−138079号公報 特開2004−301836号公報 特開2005−43051号公報 P. Andresen, et al.," Effect on Stress Corrosion Cracking of Electrocatalysis and Its Distribution within Cracks", 11th Int'l. Symp. on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, August 10-14, Stevenson, WA, USA, NACE, 512頁 (2003) Y. Wada et al., J. Nucl. SCi. and Technol, 38巻, 183頁、2001年 Y. Wada et al., J. Nucle. Sci. and Tecchnol, 37巻、901頁、2000年
第一、第二及び第三の従来技術の腐食電位測定方法は、以下のような問題がある。
第一の従来技術は、き裂先端の新生面からの溶出電流を算出するために、隙間以外の部位の電位を用いている。このような第一の従来技術は、き裂の進展を駆動する機構(以下、単にき裂駆動機構という)がき裂の外部に存在するという考え方に基づいたものであり、前述のき裂の内部にき裂駆動機構が存在するという知見と一致しない。このため、第一の従来技術はき裂進展速度を適切に求めることができない。また、原子炉内にき裂の新生面を生成するための荷重負荷機構を持ち込むことになり、経済的ではない。第二の従来技術は、き裂の先端の腐食溶出を駆動する対極としてき裂の外部に存在するき裂駆動機構を考えており、隙間の中全体での平均的な腐食電位を測定する構造をなっている。第二の従来技術もき裂駆動機構が適切ではない。
第3の従来技術は、試験片表面についた貴金属の作用を確認することを目的としている。したがって、第3の従来技術の腐食電位測定装置は、電位の検知部がすべて水の流れの中に設置されている。このような腐食電位モニタは、き裂の先端部で腐食溶出により溶け出した金属が加水分解してpHが低下し、き裂先端部がさらに腐食性の環境となることを測定できない。このため、第3の従来技術は、き裂進展速度を評価するための腐食環境評価法としては適していない。
本発明の目的は、き裂内の水質に関する状態量を精度良く測定することができ、き裂進展速度のより精度の良い推定を可能にする隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1発明の特徴は、1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間の開口部に配置された第1電極と、隙間の先端部に配置された第2電極とを備えた隙間水質センサの、少なくとも隙間が水中に存在する状態で、第1電極と第2電極との間を流れる電流、及び第1電極と第2電極との間の電位差のいずれかを測定することにある。
第1発明によれば、隙間の開口部への第1電極の配置、及び隙間の先端部への第2電極の配置によって、隙間外から隙間内に侵入する酸素及び過酸化水素に起因して発生する第1カソード電流に起因した、その隙間(き裂)内の状態量であるそのような電流または電位差を精度良く測定することができる。この電流または電位差の測定値に基づいて、隙間水質センサの隙間が配置された環境におけるき裂進展速度を精度良く推定することができる。そのような電流または電位差の測定値に基づいたき裂進展速度の推定は、例えば、予め求められている、そのような電流または電位差とき裂進展速度(応力腐食割れの進展速度)とを関係付けた情報を用いることによって行われる。上記した第1電極及び第2電極を用いた電流または電位差の測定は、従来技術と異なり、き裂の内部に生じた、き裂進展を駆動するカソード領域及びき裂先端のアノード領域の水質を測定することになる。このため、上記隙間が配置された環境での水質条件におけるき裂進展速度を精度良く推定することができる。
上記の目的を達成する第2発明の特徴は、1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間の開口部に配置された第1電極と、隙間の先端部に配置された第2電極と、隙間内で第1電極と第2電極と間に配置された第3電極とを備えた隙間水質センサの、少なくとも隙間が水中に存在する状態で、第1電極と第2電極との間を流れる第1電流を測定し、第2電極と第3電極との間を流れる第2電流を測定することにある。
第2発明によれば、隙間内に生じる第1電流のほかに、上記のように配置した第2及び第3電極によって隙間内に生じる第2電流も測定できる。測定される第2電流は、隙間内で水の分解による酸化剤の生成によって生じる第2カソード電流に起因した電流である。したがって、第2発明によれば、第1及び第2カソード電流に起因した第1電流及び第2電流をそれぞれ精度良く測定することができる。このような第1電流及び第2電流の測定値に基づいて、隙間水質センサの隙間が配置された環境におけるき裂進展速度を、第1発明よりも更に精度良く推定することができる。すなわち、第2発明は、き裂進展速度の推定に第2電流も考慮している分、第1発明よりも精度良くき裂進展速度を推定できる。き裂進展速度の推定は、第1電流及び第2電流の測定値の総和に基づいて行うことが望ましく、電流とき裂進展速度とを関係付けた情報を用いて行うことが望ましい。
上記の目的を達成する第3発明の特徴は、1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間の開口部に配置された第1電極と、隙間の先端部に配置された第2電極と、隙間内で第1電極と第2電極と間に配置された第3電極とを備えた隙間水質センサの、少なくとも隙間が水中に存在する状態で、第1電極と第2電極との間の第1電位差を測定し、第2電極と第3電極との間の第2電位差を測定することにある。
第3発明においては、第1電位差のほかに、上記した第2及び第3電極の配置により第2電位差も測定している。このため、第1カソード電流に起因して発生する第1電位差、及び第2カソード電流に起因して発生する第2電位差を精度良く測定することができる。第3発明によれば、そのような第1電位差と第2電位差のうち大きい電位差に基づいて、隙間水質センサの隙間が配置された環境におけるき裂進展速度を、第1発明よりも更に精度良く推定することができる。き裂進展速度の推定は、電位差とき裂進展速度とを関係付けた情報を用いて行うことが望ましい。
上記の目的を達成する第4発明の特徴は、1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間の開口部に配置された第1電極と、隙間の先端部に配置された第2電極と、本体部に接続された導電部材とを備えた隙間水質センサの、少なくとも隙間が水中に存在する状態で、第1電極と導電部材の間の第1電位差を測定し、第2電極と導電部材との間の第2電位差を測定することにある。
第4発明は、第1電極と導電部材の間の第1電位差を測定し、第2電極と導電部材との間の第2電位差を測定しているので、第1電位差及び第2電位差に基づいて、第1カソード電流に起因した、第1電極と第2電極との間の電位差を精度良く求めることができる。第1電極と第2電極との間の電位差に基づいて、隙間水質センサの隙間が配置された環境におけるき裂進展速度を、第1発明よりも更に精度良く推定することができる。
第4発明は、好ましくは、隙間水質センサに、本体部の隙間を形成している部分の外表面に形成された、白金族貴金属及びセラミックスのいずれかの被膜と、本体部の外部で前記被膜付近に配置された基準電極とを設け、更に、基準電極と導電部材の間の第3電位差を測定し、基準電極と第1電極の間の第4電位差を測定し、基準電極と第2電極の間の第5電位差を測定するとよい。
本体部の隙間を形成している部分の外表面に白金族貴金属及びセラミックスのいずれかの被膜を形成することによって、その外表面での電位が実質的に一定になり、被膜に接する外部環境においても実質的に一定になる。特に、外部環境のその被膜付近の電位はより一定になる。被膜付近に配置された基準電極を用いて第3、第4及び第5電位差をそれぞれ測定し、更に電極を基準電極と隙間内の第1電極及び第2電極とのそれぞれの間での各電位差(第4及び第5電位差)を測定することによって、第1及び第2電極が配置された隙間内のそれぞれの領域での電位をより正確に求めることができる。このため、隙間水質センサの隙間が配置された環境におけるき裂進展速度を更に精度良く推定することができる。
隙間内に設置された電極の電位を隙間外に設置された電極で測定することは困難である。特に、BWRのような冷却材(例えば、炉水)の導電率の低い条件(一般的には炉水の導電率が0.1μS/cm以下)では隙間による遮蔽効果で電極間に直接電気的な回路を形成しない。そのため、隙間外の基準電極と本体部の隙間を形成している部分の外表面の間の電位差と、隙間の内表面と隙間内に配置された第1電極との間の電位差との和(第4電位差)、及び前者の電位差と、隙間の内表面と隙間内に配置された第2電極との間の電位差との和(第5電位差)がそれぞれ測定される。その外表面の電位は、上記した外部環境での水質の変化及び位置によって変化するため、精度良く隙間内の電極の位置での電位を測定するには、その外表面の電位を一定にする必要がある。白金族貴金属の被膜を外表面に形成すると、水素の酸素に対するモル比が2以上の条件では、水素電極電位(BWRの水素注入条件では約−500mVvsSHE(標準水素電極電位基準))となり、その外表面の電位の変化が無視できるようになる。また、酸化ジルコニウムのようなセラミックスの被膜をその外表面に形成することによっても、白金族貴金属の場合と同様に、その外表面の電位を実質的に一定にすることができる。
第3、第4及び第5電位差のそれぞれの測定値を用いて、隙間内のき裂進展速度をより精度良く推定する一例は、以下の通りである。まず、第3電位差から既知である基準電極とその外表面との間の電位差(基準電位差という)を減じる。これにより、得られた電位差を電位差Aと言う。第4電位差から基準電位差を減じる。これにより、得られた電位差を電位差Bと言う。電位差Aから電位差Bを減じた値と第1電位差を比較する。第1電位差が前者の値と同じであれば、第1電位差は正確な電位差である。もし、第1電位差が前者の値と異なっていれば、第1電位差は前者の値で校正される。第2電位差に対する校正も、同様に行われる。すなわち、第5電位差から基準電位差を減じる。これにより、得られた電位差を電位差Cと言う。電位差Aから電位差Cを減じた値と第2電位差を比較する。第2電位差が前者の値と同じであれば、第2電位差は正確な電位差である。もし、第2電位差が前者の値と異なっていれば、第2電位差は前者の値で校正される。校正されてより正確になった第1及び第2電位差を用いるため、推定されたき裂進展速度の精度は発明4よりも更に向上する。
その都度、第4及び第5電位差を測定することは切替え装置による切替え操作を頻繁に行う必要があるため、第3電位差の計測値が変わらない場合には、電位差Bを用いて第1電位差を校正し、電位差Cを用いて第2電位差を校正する。したがって、切替え装置の切替え操作の回数を著しく低減できる。
好ましくは、上記した白金族貴金属等の被膜は、隙間の開口から5mm以上離すことが望ましい。これによって、その被膜が隙間の開口部の電位に影響を与えることを防止することができ、隙間の先端部とその開口部の間の電位差の検出効率が向上する。したがって、精度良くき裂進展速度を推定できる。図2に示すように、発明者らは、実験によって、上記の被膜を隙間の開口から5mm以上離すことによって、き裂のない平板上の腐食電位において、貴金属などの被覆部の低い電位の影響が無視できることを確認している。
好ましくは、第1及び第2電極の、上記開口部から上記先端部に向かう方向におけるそれぞれの長さが0.5mm以下であるとよい。これにより、隙間の開口部での電気化学反応と隙間の先端部での電気化学反応の差を大きくとることができ、電流または電位差の検出効率が向上する。したがって、き裂進展速度をより精度良く推定できる。
好ましくは、第1電極は、隙間の開口とこの開口から隙間の先端部側に1mm入った位置との間の領域に配置されることが望ましい。これにより、隙間の開口部での電気化学反応と隙間の先端部での電気化学反応の差を大きくとることができ、電流または電位差の検出効率が向上する。したがって、より精度良くき裂進展速度を推定することができる。
好ましくは、本体部の、少なくとも隙間を形成している部分を原子炉構造材によって構成するとよい。隙間水質測定装置の本体部を原子力プラントに設置した場合、本体部が設置された環境における原子炉構造材のき裂進展速度を精度良く推定することができる。
好ましくは、第1及び第2電極を原子炉構造材によって構成することが望ましい。これにより、隙間内に設置された電極面での電気化学反応が、隙間の内面で生じる電気化学反応と同じになり、電流測定時に本体部から隙間内に溶出した金属が隙間内の水質に影響を与えることを防止することができる。このため、隙間内に配置した電極により精度良く電流を測定でき、き裂進展速度の推定を、更に、精度良く行うことができる。
好ましくは、電極をジルコニウム合金によって構成することが望ましい。ジルコニウム合金(例えば、ジルカロイ、ジルコニウム−ニオブ)は、後述するように、広い実効酸素濃度の範囲で−800mVvsSHE程度の低い電位で一定になる(図12参照)。これにより、隙間の開口部での電位及び隙間の先端部での電位を、隙間と電極間でエレクトロメータを用いて測定すると、電極の電位は一定であるので、電位差が隙間の開口部と隙間の先端部の間の電位差として得られる。これによって、精度良くき裂進展速度を推定することができる。
好ましくは、隙間水質測定装置の隙間が、原子炉、及び原子炉に接続された配管の少なくとも一方に設けられ、内部の冷却材と接触する位置に配置されていることが望ましい。これにより、隙間が配置された、原子力プラント内の環境におけるき裂進展速度を精度良く推定することができる。
例えば、原子力プラント(例えば、BWRプラント)の原子炉内は、温度、流速及び放射線強度に分布があるため、腐食環境が原子力プラント内の領域によって異なる。そのため、SCCから守りたい部位の近くに隙間水質測定装置の本体部を設置することにより、より正確に精度良くき裂進展速度を推定することができる。例えば、BWRプラントの炉浄化系、ボトムドレン配管、及び再循環系は、異なる領域の冷却材が流れており、腐食電位も異なる挙動を示す。特に、水素注入等の環境緩和策を適用すると、領域ごとの違いが大きい。再循環系はダウンカマ領域下流の冷却水が流れ込む。ボトムドレン配管は、原子炉内の下部プレナムの冷却水が導かれる。炉浄化系は、再循環系及びボトムドレン配管の冷却水が、BWRプラントの設計条件で決まる一定の比率で混合された冷却水が流れる。原子炉内に隙間水質測定装置を設置する場合は、中性子計装管を利用して、下部プレナム及び炉心領域での電位を測定できる。
上記のように、原子炉内に設置する隙間水質測定装置として、隙間の開口部の第1電極と隙間の先端部の第2電極の間に、少なくとも1つの第3電極を配置した隙間水質測定装置を用いる理由としては、下記のことも挙げられる。BWRプラントの原子炉内は冷却水の流れが数m/sと速く、隙間の開口部、特に、開口近傍で冷却水の流れにより渦が生じる場合がある。このとき、渦によって冷却水の流れが隙間内に持ち込まれると、隙間の開口から1mm程度中に入った位置よりもさらに深い隙間内の位置にまで渦が進入する場合が考えられる。この場合、渦の部位は冷却水(炉水)の低導電率と同じであるので、隙間の先端部(アノード領域)と結合する領域(カソード領域)は侵入した渦の先端部となる。そこで、隙間内に上記の一つ以上の電極を設置すると、このような渦によって炉水から持ち込まれた酸素及び過酸化水素の電気化学反応によって生じた電流または電位を測定することができる。このため、冷却水の流れの速い箇所でも、き裂進展速度を精度良く推定できる。
発明者らは、き裂進展速度の求め方について種々の検討を行った。本発明は、その検討結果に基づいてなされたものである。その検討結果を以下に詳細に説明する。
まず、き裂内に生じる腐食電位(ECP)の分布がバルクの水質及び流動から受ける影響について調べた。模擬き裂内のECP分布を微小な電極を走査して測定し、得られたECP分布の測定結果とバルク水質の関係について考察を行った。模擬き裂を形成する試験片は市販のSUS304を用いて20mm×10mm×3mmの寸法に加工して作成し、模擬き裂(以下、隙間)はドリルで内径Φ1.5mm、長さ15mmの穴を試験片に開けて作成した。微小な電極を挿入したときの隙間の間隔は0.3mmにした。電位の影響範囲を調べる目的で、貴金属を表面に付けた他の試験片は穴を開けた面に白金を蒸着した。
流速がほぼ静止しているとみなせるほど遅い(準停滞水)条件での隙間内のECP分布の測定を、試料水中に浸漬した上記の試験片を用いて行った。その測定結果を図3に示す。400ppbの酸素を含む試料水中の測定結果は、点線で示される。この試料水中でのECPの分布は、隙間の外部で試料片の表面から1mm以上離れた位置では−0.06〜−0.05VvsSHE程度となり安定している。この分布は通常の酸素条件での値を示している。ECPは、隙間に近づくにつれて急激に低下し始め、隙間開口部では−0.26Vまで低下した。ECPは、さらに内部に進むにつれて低下し、開口部から2mmほど入ったところで低下が止まり、−0.35VvsSHE程度で隙間の先端まで安定した値を示した。
ECPが隙間内で低くなる理由は、開口部を通して隙間内に拡散により酸素が供給される速度が、隙間内表面での酸素の消費速度以下であるため、隙間内の酸素濃度が上昇しないことにある。ECPが開口部より2mm程度内側までの領域で隙間先端より高いことから、この領域には開口部から侵入した酸素の影響を受けている。3%水素ガスを用いた脱酸素により試料水中の酸素濃度を25ppbまで低下させた場合には(図3の実線参照)、隙間外のバルクでのECPは−0.4VvsSHE程度まで低下して安定した。このようなバルクでのECPは、図4に示す従来から知られているSUS304のECPの酸素濃度依存性と矛盾の無い値となった。図4に示すECPの酸素濃度依存性は、Y. Wada et al., J. Nucl. SCi. and Technol,38巻,183頁、2001年(非特許文献2)に記載されている。
白金を蒸着した貴金属付着試験片のECP分布も、水素/酸素モル比を約2.5に調整して測定した。図3に破線で示すように、試料水中に酸素が200ppb存在するため、ECPは、通常であれば0mV程度の値を示すが、白金の触媒作用によって隙間の外部では−0.4VvsSHE程度にまで低下した。ECPは、試料片表面から1mmの位置から低下し始め、開口部位置では−0.46VvsSHE程度にまで低下し、そのままの値で隙間の先端まで保たれた。
図3に示したECP分布のそれぞれの測定結果によれば、隙間内のECPが隙間の外部のECPに影響を与えていると考えられる。隙間内のECPの、隙間外部のECPへの影響を確認するため、隙間の外部に試料水の流れを与え、隙間内に流れで生じた渦によって酸素が持ち込まれる条件下で、ECPを測定した。上記の貴金属付着試験片を用いて測定したところ、図5に示すように、隙間の外部でのECPは、貴金属の触媒効果によって−0.3VvsSHE以下に低下した。ところが、ECPは、試料片の表面から1mm程度の位置から隙間に接近すると急激に上昇し始めた。開口部ではすでにECPが高くなっており、ECPが−0.15VvsSHE程度の領域が、隙間内で開口部から5mm程度の位置まで広がっている。ECPは、その領域も先端側で急激に低下し、開口部から10mm以上の深さでは−0.4VvsSHE弱で一定になった。もし、隙間の外部のECPが隙間の内部に影響を与えるのであれば、隙間外部の低いECPが開口部より先端側の隙間内に影響を与え、隙間内にECPの低い領域が生じるはずであった。しかしながら、開口部から5mm程度の位置までの領域のECPは、流れによって持ち込まれた酸素の影響で高い状態となる。
発明者らは、以上に述べた検討結果に基づいて、隙間の外部環境(バルク)が隙間の先端に影響を及ぼしてき裂を進展させることはないと判断した。き裂の外部環境(バルク)と接する構造材表面で酸素及び過酸化水素などの酸化剤が水に還元される反応は、カソード反応である。また、き裂先端の鉄などの金属の溶出はアノード反応である。従来は、図6(a)に示すように、一般の隙間腐食のように、カソード反応によって生じるφbulkの腐食電位と、アノード反応によって生じるφtipの腐食電位のとの電位差が、局部電池を構成し、き裂進展の駆動力になっていると考えられてきた。しかし、先述の非特許文献1の記載、及び発明者らの実験に基づけば、図6(b)に示すように、カソード反応は、き裂の内部で発生し、酸素及び過酸化水素などの酸化剤が拡散によってき裂に侵入することによって生じると考えるのが妥当である。その結果、き裂の開口部付近で生じたカソード反応によるφmouthとき裂先端のアノード反応で生じたφtipとが局部電池を構成してき裂が進展するのである。
そこで、発明者らは、き裂内でのカソード反応を正確に評価する必要があると考え、以下の評価方法を考え出した。き裂内での化学反応、拡散、電気泳動、放射線作用、腐食反応を扱うことができる解析モデルを用いて、酸素及び過酸化水素などの酸化剤がき裂内の内壁面で消費された時に生じるカソード電流の総和がき裂先端に集中するとして、バルクの酸素濃度、腐食電位、及びき裂先端の電流密度を算出した。これらの算出に用いた式は、以下の(数1)及び(数2)である。
Figure 0004777835
Figure 0004777835
ここで(数1)に含まれるζは単位換算係数(1.036×10-7(100eV)mol/J)、gはg値(個/100eV)、Qは放射線の吸収エネルギー(kW/dm3)、kは反応速度定数(mol/dm3s)、Cは濃度(mol/dm3)、wは反応系での全化学種の数(−)、zはイオンの電荷数(−)、uはイオン移動度(dm2/s)、Fはファラデー定数(96485C/mol)、Nはイオンのフラックス(個/dm2s)、εは誘電率(C/Vdm))、Dは拡散係数(dm2mol/Js)、Φは電位(V vs. SHE)、及びVはき裂内の流速(dm/s)である。
(数1)は、き裂内の任意の座標において、化学種成分iの濃度の時間変化が、水の放射線分解(第一項)、化学反応(例示として二次反応)(第二項、第三項)、電位勾配(第四項)、電気泳動(第五項、第六項)、及び濃度拡散(第七項)によって支配されることを意味する。
(数2)は、イオンのフラックスが電磁気力と、拡散、及び流れに支配されることを示している。このときの境界条件は、き裂先端では(数3)を、
Figure 0004777835
また、バルクとき裂開口部の境界ではき裂内の濃度がバルク濃度に等しくなるとして(数4)をそれぞれ与えた。
Figure 0004777835
さらに、き裂内の壁面において酸化剤の腐食反応により生成した全カソード電流Iは、き裂先端での金属の腐食溶解にすべて結合すると仮定し、(数5)で算出する。
Figure 0004777835
ここで、Stipはき裂先端の新生面の面積、iwall,cathodeはき裂内壁面でのカソード反応電流密度である。したがって、(数3)でのき裂先端での金属の溶出速度が、(数5)で算出される全カソード電流Iによって決定されることになる。き裂進展速度da/dtは、得られた全カソード電流Iを(数6)に代入することによって求められる。ここで、
Figure 0004777835
Mは溶出する金属の原子量(g/mol)、及びρはその金属の密度(g/cm3)である。
ある一定の応力条件下で、き裂進展速度を計算した。まず、図7(a)に示すように、バルクの酸素濃度が増加すると、き裂内に侵入する酸素量も増加して、アノード反応によるき裂先端の溶解電流密度が増加する。これを図7(a)の各酸素濃度に対する各バルクの腐食電位を用いて横軸を書き直すと、図7(b)のようになる。このき裂先端の溶解電流密度、及び(数1)〜(数6)を用いて、き裂進展速度を算出した結果を図8に示す。酸素及び過酸化水素のそれぞれの環境条件下で算出した各き裂進展速度(図8参照)の計算値は、それぞれの環境条件下での各実験結果を再現することができた。図8において、□は過酸化水素のみを含む試料水中での測定結果であり、○は酸素のみを含む試料水中での測定結果である。なお、△は脱気した試料水中での測定結果である。これらの実験結果は、Y. Wada et al., J. Nucle. Sci. and Tecchnol,37巻、901頁、2000年(非特許文献3)、に記載されている。図8の横軸はバルクの腐食電位を示している。図8に示す計算結果によって、計算の仮定、すなわち、き裂の開口部からき裂内に侵入した酸化剤がき裂の内壁面で消費されたときに生じるカソード電流がき裂先端に集中するという仮定の妥当性が証明できた。
さらに、き裂内で放射線(γ線、中性子)による水の分解が生じたときの影響も考慮した。き裂内での水の放射線分解によりO,Hが生成されると、図9に示すように、き裂の先端に集中するカソード電流が増加する。カソード電流き裂の先端への集中は、き裂先端でのアノード反応を活発化させ、その先端付近の構造材の鉄等の金属の溶出が進む。例えば、先端からFe2+等の形態で構造材の金属がき裂内の水中に溶出する。これにより、き裂が進展する。したがって、き裂進展速度は、き裂の開口部から侵入する酸素及び過酸化水素の、き裂のない壁面での消費量、及びき裂内で水が分解して発生した酸素及び過酸化水素が、さらに、その内壁面で消費される量に依存することになる。
原子炉内の放射線量を考慮して、炉心近傍の部位ごとに、(数1)〜(数6)を用いてき裂進展速度を計算した。き裂内の腐食環境はバルクの酸素及び過酸化水素濃度のほか、放射線線量率の影響を受ける。その結果、図10に示すように、ひび割れの発生頻度の大小は、き裂内での酸化剤の生成を考慮して算出したき裂進展速度の大小と関係していることが分かった。すなわち、き裂進展速度が大きい箇所では、ひび割れ件数が増大している。放射線線量率の高い部位に溶接線や隙間構造が位置しないように、炉内機器をレイアウトすることが重要になる。
したがって、き裂内の腐食電位分布の測定結果とき裂進展の解析結果から、原子炉構造材で構成される隙間内に、構造材と電気的に絶縁された一つの電極を隙間の開口部近傍に設置し、他の電極を隙間の先端近傍に設置し、前者の電極と後者の電極の間を流れる電流(または電位差)を測定し、この電流(または電位差)の測定値、及び予め求められているその電流(またはその電位差)と応力腐食割れ(き裂)の進展速度とを関係付けた情報を用いて原子炉冷却材(例えば、炉水)の腐食環境、すなわち、き裂進展速度を求めればよいことを、発明者らは見出した。
また、放射線によるき裂内での水の放射線分解を考慮するために、原子炉構造材で構成される隙間内に、構造材と電気的に絶縁された少なくとも3つ以上の電極を設置し、一つの電極を隙間の開口部近傍に設置し、別の一つの電極を隙間の先端近傍に設置し、残る他の電極をそれら2つの電極間の任意の位置に設置し、隙間の先端に設置された電極と開口部に設置された電極の間を流れる電流を測定し、さらに隙間の先端に設置された電極と前述の残りの他の電極間を流れる電流測定を行い、前記電流の総和とあらかじめ決定された応力腐食割れの進展速度との関係を用いて原子炉冷却材(例えば、炉水)の腐食環境、すなわち、き裂進展速度を求めればよいことも、発明者らは見出した。
従来技術はき裂の開口部の領域を具体的には示していない。バルクでの水の流れがないときバルクからき裂の開口部を介してき裂内に酸素が侵入した場合における、き裂及びバルク内での腐食電位を、前述の(数1)〜(数6)を用いた解析方法により計算した。これにより、図11に実線で示すように、き裂の開口部から腐食電位が急激に低下する計算結果を得た。図11に示す黒丸は、図3に示す400ppbの酸素を含む試料水を用いた場合における腐食電位の測定値である(図3の点線参照)。上記の腐食電位の計算結果は、腐食電位の変化の傾向が腐食電位の測定値と良く一致した。このことから、開口部からき裂内に侵入した酸素は、開口部から1mm程度、き裂内に入った位置でほぼ消費されることが分かった。この酸素の消費に伴って発生するカソード電流は、き裂の先端に集中し、応力腐食割れの進展速度を決定する。したがって、き裂の開口部は、き裂の開口の位置とその開口から先端側に1mm入った位置との間の領域とすることが好ましく、特に、開口とその開口から0.5mmの位置との間の領域とすることが最も好ましい。そのような領域は、ほぼ適切にき裂内のカソード領域を代表できる。そこで、その領域内に配置された電極とき裂の先端部に設置された電極との間を流れる電流(またはそれらの電極間の電位差)を測定することによって、き裂が存在する腐食環境でのき裂進展速度を求めることができる。
また、隙間内に配置される電極は、ジルコニウム合金製が好ましい。ジルコニウム合金製の電極は、ジルコニウム合金が腐食しているときの電位を利用する。つまり、ジルコニウム合金の腐食電位が酸素及び過酸化水素濃度に依存せず一定となるような系を作り、その条件を満たす範囲内で基準電極として使用するものである。その基準電位に対して、隙間を構成する構造材の隙間内の腐食電位を測定する。電気化学的には、純粋な平衡反応系とは言えないが、実験によって機能を確認した。構造材として用いられている304ステンレス鋼(SUS304)と金属ジルコニウムを、BWRにおける条件を模擬した280℃,8MPaの高温高圧水中に浸漬し、酸素と過酸化水素の混合した様々の環境で腐食電位を測定した。測定結果を、しばしば行われている、(数7)で定義される実効酸
[実効酸素濃度] = [酸素]+1/2[過酸化水素] ……(数7)
素濃度で整理した。(数7)における括弧は、モルで表した濃度を意味する。実効酸素濃度で整理した上記の測定結果は、図12に示すようになる。SUS304のECPは、実効酸素濃度の値に依存して上昇するとともに、同一の実効酸素濃度であっても、酸素と過酸化水素の比率が違うために、異なる値を示す。このため、SUS304は、基準電極に使用できない。金属ジルコニウムのECPは、300ppb以下の実効酸素濃度でほぼ−750mVvsSHEの値を示した。このような特性によって、ジルコニウム合金そのものを基準電極に使用することができる。ジルコニウム合金の表面を熱処理によって安定化するか、またはその表面に酸化ジルコニウムを溶射することによって、ジルコニウム合金のECPは実効酸素濃度が数ppmまで安定化する。ジルコニウム合金の表面を酸化処理しても同様な効果を得ることができる。
本発明によれば、き裂内の水質に関する状態量を精度良く測定することができ、き裂進展速度のより精度の良い推定を可能にする。
本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
まず、本発明の実施例である隙間水質測定装置が設置されるBWRプラントを、図13を用いて説明する。BWRプラントは、復水系9、給水系10、原子炉11、再循環系12、主蒸気系13、タービン14、復水器15及び炉浄化系16を備える。復水器15には、オフガス系17が接続されている。原子炉11の炉心23で炉水(冷却水)が沸騰して生成した蒸気は、主蒸気系13を通ってタービン14を駆動する。タービンに連結された発電機が回転して電力が発生する。タービン14から排気された蒸気は復水器15で凝縮され、この凝縮水が復水として復水系9を流れる。この復水は、給水系9から原子炉11に戻される。水素注入装置27が給水系10に接続される。
蒸気にならなかった大部分の炉水は、原子炉11の上部で蒸気と分離され、炉心23の周囲のダウンカマ25を通って原子炉11内を下方に向かって流れる。この炉水は、再循環系12に流入し、再循環ポンプ24によって再び炉心23に戻される。蒸気の生成により減少した炉水の分量が、給水の供給により補充される。原子炉11内の炉水は、再循環系12から炉浄化系16に導かれて浄化され、その後、給水系10を経て原子炉11内に戻される。ボトムドレン配管19が原子炉11の底部及び炉浄化系16に接続される。サンプリング配管21が炉浄化系16に、サンプリング配管22がボトムドレン配管19に、サンプリング配管26が給水系10にそれぞれ接続される。また、サンプリング配管28が主蒸気系13に接続される。
バルク炉水の水質を測定するための水質測定装置20a及び20bが、サンプリング配管21及び22にそれぞれ接続されている。水質測定装置20がサンプリング配管26に接続される。蒸気中の酸素濃度、水素濃度及び導電率を測定する測定装置20cがサンプリング配管28に接続される。隙間水質測定装置18aは炉心23(例えば、図示されていない炉心シュラウド)に、隙間水質測定装置18bは再循環系12に、隙間水質測定装置18cはボトムドレン配管19に、及び隙間水質測定装置18dはサンプリング配管21に、それぞれ設置される。隙間水質測定装置18a〜18dは該当する位置での炉水の腐食電位を測定する。
水素注入を実施する場合、水素注入装置27を用いて給水計10内の給水に水素を添加する。特開2005−43051号公報(特許文献6)に開示されているように、水素注入と同時にヒドラジンを注入しても良い。水素注入時における炉水の水質変化は、水質測定装置20a及び20bによりオンラインで測定される。隙間水質測定装置18a、隙間水質測定装置18b、隙間水質測定装置18c、及び隙間水質測定装置18dを用いて、水素注入時の腐食環境の変化を測定する。隙間水質測定装置18aは、炉心23内あるいは近傍の構造材の置かれた腐食環境を測定する。設置した隙間水質測定装置18bは、再循環系12の配管内の腐食環境を計測する。隙間水質測定装置18cは、原子炉11内の下部領域の腐食環境を計測する。隙間水質測定装置18dは、再循環系12及びボトムドレン配管19で混合された炉水の腐食環境を計測する。各部位での腐食環境が応力腐食割れの進展を緩和するのに必要な目標を満たすように、給水に注入する水素量を設定すればよい。注入した水素の余剰分はオフガス系17で酸素と混合した後、触媒で処理される。
隙間水質測定装置18a〜18dとして用いる本発明の好適な一実施例である本発明による隙間水質測定装置18を、図14を用いて説明する。隙間水質測定装置18は、隙間水質センサ36及び測定器37を備える。隙間水質センサ36は、電極2a,2b、及び本体部38を有する。本体部38は、本体7の一端に隙間形成部材31を取り付けることによって構成される。隙間形成部材31は、隙間形成部32a,32bを有する。隙間形成部32bは本体7の一端に取り付けられ、隙間形成部32aは隙間形成部32bに取り付けられる。隙間形成部32a,32bは、BWRプラントの構造材であるSUS304によって作られている。隙間1が隙間形成部32aと隙間形成部32bとの間に形成されている。この隙間1は、一端に開口部33が形成された、細長い閉じられた空間(例えば、細長い孔)である。隙間1の他端は、封鎖され、先端部34になっている。電極2aは、絶縁体3aによって被覆され、隙間形成部32bに固定されている。電極2aの先端部は、隙間1内の水にさらされており、隙間1内に突出していなく隙間1の内面とほほ同じ高さである。開口部33に配置されている。電極2aは、隙間1の開口から先端部34側に0.5mm入った位置に配置される。また、電極2bは、絶縁体3bによって被覆され、隙間形成部32bに固定されている。電極2bの先端部は、隙間1内の水にさらされており、隙間1内に突出していなく隙間1の内面とほぼ同じ高さである。先端部34に配置されている。電極2a,2bも、BWRプラントの構造材であるSUS304で作られている。電極2a,2bと絶縁体3a,3b、及び絶縁体3a,3bと隙間形成部32bは、それぞれロウ付け(またはメカニカルシール)などによって接合され、隙間水質センサ36の設置位置で本体7内に炉水(冷却水)が侵入しない構造となっている。
測定器37は電流計(例えば、無抵抗電流計)5及び電気ケーブル4を有する。配線4a,4bを有する電気ケーブル4が本体7に溶接されている。電気ケーブル4としては、ステンレス被覆のミネラルインシュレータケーブルなどが使用される。配線4aは電極2aに接続され、配線4bは電極2bに接続されている。さらに、配線4a,4bは電流計5に接続される。
隙間水質測定装置18は、隙間水質測定装置18b〜18dとして用いる場合には、再循環系12の配管、ボトムドレン配管19、サンプリング配管21のうち該当する配管に本体7を取り付けて使用される。隙間形成部材31がそれらの配管内に挿入され、隙間1がそれらの配管内に位置している。開口部33を介して配管内を流れる炉水が隙間1内に浸入し、隙間1内が炉水で満たされる。配管内の炉水が配管と本体7との間から外部に流出しないように、本体7と配管の間は完全にシールされている。電気ケーブル4は配管の外側に存在する。また、隙間水質測定装置18は、隙間水質測定装置18aとして用いる場合には、原子炉11内に配置されている中性子計装管(図示せず)に取り付けられ、下部プレナムおよび炉心23にそれぞれ配置される。この場合、電流計5は原子炉11の外側に配置されるため、電気ケーブル4は原子炉11の外側まで引き伸ばされる。
隙間水質測定装置18a〜18dの各電流計5は、図示されていないが、中央制御室に設置されたコンピュータ(演算処理装置)にそれぞれ接続されており、それぞれの電流計測信号をコンピュータに伝える。
前述したように(図6(b)及び図9参照)、BWRプラントに設置された隙間水質測定装置18a〜18dのそれぞれの隙間1内で生じるカソード反応及び隙間1の先端部34で生じるアノード反応によって、電極2aと電極2bの間に電流が流れる。隙間水質測定装置18b〜18dの設置位置ではそれほどでもないが、隙間水質測定装置18aの設置位置では隙間1内で炉水の放射線分解が生じる。このため、図9に示すように、その放射線分解で生じたO,Hにより、先端部34に集中するカソード電流が増加する。電極2aと電極2bの間に流れる電流は電流計5で計測される。この電流計測値である電流計測信号が、上記したようにコンピュータに伝送される。コンピュータは、メモリに、ある腐食環境における、隙間水質測定装置18の隙間1の先端部34での溶解電流密度と、隙間形成部材31の構造材(例えば、SUS304)のき裂進展速度とを関係付けたテーブル情報(例えば、図15参照)を記憶している。そのメモリは、電極2a,2bの配置位置での隙間1の横断面積(具体的には、電極2a,2bの各接水面の面積、具体的には電極2a,2bの各横断面積を含む)の情報を記憶している。コンピュータは、入力した電流計測信号、及びメモリから取り込んだ、隙間1の横断面積の情報を用いて、先端部34における溶解電流密度を算出する。さらに、コンピュータは、上記テーブル情報を用い、その溶解電流密度に対応するき裂進展速度を求める。得られたき裂進展速度の情報は、隙間水質測定装置18の設置位置の情報と共に、中央制御室に配置された操作盤の表示装置に表示される。そのき裂進展速度は、隙間1が配置される環境における原子炉構造材のSCCの進展速度に該当する。表示されたき裂進展速度を見たオペレータは、原子炉構造材におけるSCCの進展の度合いを正確に知ることができる。
なお、コンピュータのメモリには、前述したき裂進展速度の計算方法から隙間水質測定装置の隙間先端の溶解電流密度とき裂進展速度の相関を推定して得られた情報を記憶させてもよい。この場合には、図15に示す情報の替りにその推定により得られた情報を用いてき裂進展速度を求める。
本実施例の隙間水質測定装置18を用いると、腐食環境の酸素と過酸化水素の違いが明瞭に区別できる。図16に示すように、従来は腐食電位とき裂進展速度を対応させて評価していた。腐食電位Eとなる腐食環境は、図16によれば、過酸化水素濃度がCの場合と酸素濃度がCの場合があり、BWRプラントにおいては、これらの電位を満たす様々な酸素濃度と過酸化水素濃度の組み合わせが存在することになる。したがって、図6及び図7で説明した原理により、従来から広く実施されているようにき裂の内表面での腐食電位Eを測定するだけでは、き裂進展速度はある幅をもって評価されることになる。なぜならば、同じ電位であってもき裂先端に流れる電流量が異なるためである。本実施例のように、隙間水質測定装置18における隙間1の開口部33と先端部34の間で流れる電流を測定すれば、図15に示す隙間先端部での溶解電流密度とき裂進展速度の関係を用いて、き裂進展速度を精度良く求めることができる。例えば、図16において腐食電位Eのときに、過酸化水素濃度Cの場合か、酸素濃度Cの場合かは、明瞭に異なる電流量として判別することができる。この判別は、上記したコンピュータで行われる。この判別は、酸素及び過酸化水素の各濃度と腐食電位との関係、及び酸素及び過酸化水素の反応に関与する電子数に基づいて行われる。すなわち、ある腐食電位に対する過酸化水素濃度及び酸素濃度が桁で異なり、また、反応に関与する電子数も過酸化水素は2、酸素は4であることから、腐食電位Eときに、過酸化水素濃度の場合か、酸素濃度の場合かを明瞭に異なる電流量として区別することができる。例えば、酸素の場合には、同じ腐食電位であってもき裂先端部での電流量が10倍程度異なるので、き裂進展速度で大きな差が生じる。その結果、図15の関係を用いてき裂進展速度を精度良く求めることができる。なお、隙間1内の炉水に酸素及び過酸化水素の両方が含まれる場合にも、それぞれの濃度を求めることができる。したがって、本実施例は、過酸化水素濃度及び酸素濃度の違いよって生じる、き裂先端部での電流量の差を求めることができ、その結果、き裂進展速度を従来の腐食電位を用いた評価方法よりも精度よく求めることができる。
本発明では、き裂の進展速度はき裂先端の電流量に依存していると仮定しているので、酸素と過酸化水素濃度そのものを知りたいのではなく、それぞれの濃度の違いよって生じるき裂先端での電流量の差がわかることが重要です。その結果、き裂進展速度を従来の腐食電位を用いた評価方法よりも精度よく知ることができます。
本実施例は、開口部33への電極2aの配置及び先端部34への電極2bの配置によって、隙間1外から隙間2内に侵入する酸素及び過酸化水素によって発生するカソード電流に起因した、その隙間1内の状態量であるそのような電流を精度良く測定することができる。したがって、その電流の測定値に基づいて、隙間水質センサ36の隙間1が配置された、原子力プラントの該当する配管及び原子炉11内の環境におけるき裂進展速度を精度良く推定することができる。
本実施例は、電極2a,2bの、開口部33から先端部34に向かう方向におけるそれぞれの長さが0.5mmであるので、開口部33での電気化学反応と先端部34での電気化学反応の差を大きくとることができる。このため、電流の検出効率が向上する。推定により得られたき裂進展速度の精度をより向上させることができる。
本実施例は、電極2aは、隙間1の開口から先端部34側に0.5mm入った位置に配置されるので、開口部33での電気化学反応と先端部34での電気化学反応の差を大きくとることができる。このため、電流の検出効率が向上し、推定により得られたき裂進展速度の精度をさらに向上させることができる。
本実施例は、隙間1を形成している隙間形成部材31を原子炉構造材(例えば、SUS304)によって構成しているため、本体部38を原子力プラントに設置した場合、隙間1が配置された環境における原子炉構造材のき裂進展速度を精度良く推定することができる。
電極2a,2bが原子炉構造材であるSUS304によって構成されているため、隙間1内に配置された電極2a,2bのそれぞれの表面での電気化学反応が、隙間1の内面で生じる電気化学反応と同じになり、電流測定時に隙間形成部材31から隙間1内に溶出した金属が隙間1内の水質に影響を与えることを防止することができる。このため、隙間1内に配置した電極2a,2bにより精度良く電流を測定でき、推定により得られたき裂進展速度の精度を、更に、向上させることができる。
推定されたき裂進展速度の精度が向上できることは、水素注入装置27から給水への水素注入量の制御を適切に行うことができる。
本実施例によれば、電極2a,2bを上記した各位置に配置することによって上記した電流を測定することができ、原子炉の構造材のSCCの進展速度を適切にモニタすることができる。これにより、原子炉構造材のSCC対策として実施される水素注入などに代表される腐食環境緩和方法の効果を精度良く評価できる。
上記の説明では、き裂進展速度の推定をコンピュータにて行っているが、電流計5から出力され電流計測値(電流計測信号)を操作盤に表示させ、この電流計測値を用いてオペレータがき裂進展速度を求めることも可能である。この場合には、オペレータは、電流計測値及び電極2a,2bの配置位置での隙間1の横断面積を用いて、隙間1の先端部34での溶解電流密度を算出し、上記したテーブル情報(例えば、図15参照)を用いてき裂進展速度を求める。後述の各実施例においても、同様に、オペレータが電流または電位差の計測値に基づいてき裂進展速度を求めることができる。
実施例1は電極2aと電極2bの間に流れる電流を電流計5で計測しているが、それらの電極間の電位差を計測してもよい。この電位差を計測する場合は、隙間水質測定装置18の電流計5をエレクトロメータに替えるだけでよい。この場合、電極2a及び電極2bがエレクトロメータに接続される。エレクトロメータは、電極2aと電極2bの間の電位差を計測し、電位差計測信号を上記したコンピュータに出力する。コンピュータは、ある腐食環境における、隙間水質測定装置18の隙間1の先端部34と開口部33との電位差と、隙間形成部材31及び支持部材31の構造材(例えば、SUS304)のき裂進展速度とを関係付けたテーブル情報において(例えば、図17参照)をメモリに記憶している。コンピュータは、入力した電位差計測信号及び上記テーブル情報を用い、その電位差計測信号(電位差計測値)に対応するき裂進展速度を求める。得られたき裂進展速度の情報は、実施例1と同様に、隙間水質測定装置18の設置位置の情報と共に、表示装置に表示される。このように電位差を測定した場合でも、上記した電流を測定した場合と同様な効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である隙間水質測定装置を、図18を用いて説明する。本実施例の隙間水質測定装置18Aは、図13に示す隙間水質測定装置18a〜18dとして用いられる。隙間水質測定装置18Aは、隙間水質センサ36A及び計測器37Aを備える。隙間水質センサ36Aは、実施例1の隙間水質センサ36の構成を有すると共に、さらに、隙間形成部32aの外部環境に接する外表面に白金被膜35を形成し、腐食電位センサ(基準電極)28を隙間形成部材31に設置した構成を有する。腐食電位センサ(基準電極)28は、電気的な絶縁体3dで覆われて隙間形成部材31に固定される。腐食電位センサ28と絶縁体3d、及び絶縁体3dと隙間形成部32aは、それぞれロウ付け(またはメカニカルシール)などによって接合され、隙間水質センサ36Aの設置位置で本体7内に炉水(冷却水)が侵入しない構造となっている。腐食電位センサ(基準電極)28の先端部は、白金被膜35より外側に突出し、白金被膜35付近に位置している。本実施例においては、電極2a,2b及び腐食電位センサ28は、ジルコニウム合金製である。白金被膜35の替りに、白金以外の他の白金族貴金属の被膜を用いてもよい。
測定器37Aは、電気ケーブル4、エレクトロメータ6及び切替え器8を有する。本体7に取り付けられた電気ケーブル4は配線4a,4b,4c、4dを有する。配線4a,4b、及び隙間形成部32bに接続される配線4cは切替え器8に接続される。配線4cは、隙間形成部32bと本体7が電気的につながっているので、本体7の下端部に接続してもよい。配線4cとして、電気ケーブル4であるステンレス被覆のミネラルインシュレータケーブルの外部被覆(ステンレス鋼)を用いることも可能である。この場合には、その外部被覆が本体7及び切替え器8に接続される。腐食電位センサ28に接続される配線4dも、切替え器8に接続される。切替え器8はエレクトロメータ6に接続される。
隙間水質測定装置18Aは、隙間水質測定装置18と同様にBWRプラントの該当する配管及び中性子計装管に設置される。隙間水質測定装置18Aの隙間1も炉水で満たされる。配線4a,4cがエレクトロメータ6に接続されるように、切替え器8を切替える。これにより、電極2aの電位と隙間1の開口部33の電位との差がエレクトロメータ6で測定される。エレクトロメータ6は、電極2aと隙間1の開口部33の間の電位差計測信号(第1電位差計測信号)を前述のコンピュータに出力する。その後、配線4b,4cがエレクトロメータ6に接続されるように、切替え器8を切替える。これにより、電極2bの電位と隙間1の先端部34の電位との差がエレクトロメータ6で測定される。エレクトロメータ6は、電極2bと隙間1の開口部34の間の電位差計測信号(第2電位差計測信号)を上記のコンピュータに出力する。コンピュータは、第1及び第2電位差信号を用いて、電極2aと電極2bの間の電位差を求める。求められた電位差及び前述のテーブル情報(例えば、図17参照)を用いて、き裂進展速度を求める。
電極2aの電位と隙間1の開口部33の電位との差(第1電位差)、及び電極2bの電位と隙間1の先端部34の電位との差(第2電位差)が測定された後、配線4c、4dがエレクトロメータ6に接続されるように、切替え器8を切替える。エレクトロメータ6によって、腐食電位センサ28と隙間1の間の電位差(第3電位差)が測定される。その後、配線4aと配線4d、及び配線4bと配線4dが、順次、接続されるように切替え器8を切替える。この切替えによって、エレクトロメータ6は、電極2aと腐食電位センサ28の間の電位差(第4電位差)、及び電極2bと腐食電位センサ28の間の電位差(第5電位差)をそれぞれ測定する。本実施例は、第3、第4及び第5電位差を用いて、前述の隙間内のき裂進展速度をより精度良く推定する一例と同様な手法で第1及び第2電位差をそれぞれ校正する。校正された第1及び第2電位差の計測値を用いてき裂進展速度を求めた場合には、そのき裂進展速度の精度が著しく向上する。
電極2a,2bによる電位計測値の校正にあたっては、バルクの酸素濃度と水素濃度のモル比を水素が2倍以上の過剰になるようにすることで、隙間1の表面の電位が白金被膜35の白金の触媒作用で-0.5VvsSHE付近となる。このため、隙間1と腐食電位センサ28の間の電位差が一定となって、電極2a及び電極2bでの電位計測値を正確に知ることができる。このとき、白金被覆35は、隙間1の開口から5mm以上離れるように設ける。
本実施例は、開口部33に配置した電極2aと配線4cの間の第1電位差を測定し、先端部34に配置した電極2bと配線4cの間の第2電位差に基づいて、電極2aと電極2bの間の電位差を精度良く求めることができる。したがって、隙間水質センサ36Aの隙間1が配置された環境におけるき裂進展速度を、実施例1よりも更に精度良く推定することができる。
本実施例は、第3、第4及び第5電位差をそれぞれ測定しているため、これらの電位差の測定値を用いて、前述したように第1及び第2電位差を校正することができ、求められたき裂進展速度の精度を著しく向上させることができる。
本実施例も、電極2a,2bの、開口部33から先端部34に向かう方向におけるそれぞれの長さが0.5mmであり、電極2aが隙間1の開口から先端部34側に0.5mm入った位置に配置され、隙間形成部材31が原子炉構造材(例えば、SUS304)によって構成されている。これらの構成によって、実施例1と同様な効果を得ることができる。
電極2a,2b及び腐食電位センサ28がジルコニウム合金によって構成されているので、電極2a,2b及び腐食電位センサ28の電位を広い実効酸素濃度の範囲において極めて低い電位でほぼ一定に保持できる。このため、精度良くき裂進展速度を推定することができる。
本発明の他の実施例である隙間水質測定装置を、図19を用いて説明する。本実施例の隙間水質測定装置18Bは、図13に示す隙間水質測定装置18a〜18dとして用いられる。隙間水質測定装置18Bは、隙間水質センサ36B及び計測器37Bを備える。隙間水質センサ36Bは、実施例1の隙間水質センサ36の構成を有すると共に、さらに、電極2cを設けた構成を有する。電極2cは、絶縁体3cによって被覆され、隙間形成部32bに固定されている。電極2cの先端部は、隙間1内に突出していなく隙間1の内面と同じ高さであり、しかも電極2aと電極2bとの間に配置される。電極2a,2b,2cは原子炉構造材であるSUS304によって構成されている。
計測器37Bは、電気ケーブル4、切替え器8及び電流計(例えば、無抵抗電流計)5を有する。本体7に取り付けられた電気ケーブル4は配線4a,4b,4eを有する。配線4eは電極2cに接続される。配線4a,4b、4eは切替え器8に接続される。切替え器8は電流計(例えば、無抵抗電流計)5に接続される。
隙間水質測定装置18Bは、隙間水質測定装置18と同様にBWRプラントの該当する配管及び炉心シュラウドに設置される。隙間水質測定装置18Aの隙間1も炉水で満たされる。配線4aと配線4b、及び配線4bと配線4eが、順次、接続されるように切替え器8を切替える。電流計5は、電極2aと電極2bの間に流れる電流、及び電極2cと電極2bの間に流れる電流をそれぞれ計測する。電流計5は、それらの計測によって得られた、電極2aと電極2bの間の電流計測信号(第1電流計測信号)及び電極2cと電極2bの間の電流計測信号(第2電流計測信号)をそれぞれ上記のコンピュータに出力する。
コンピュータのメモリは、ある腐食環境における、隙間水質測定装置18Bの隙間1の先端部34での溶解電流密度と、隙間形成部材31及び支持部材32の構造材(例えば、SUS304)のき裂進展速度とを関係付けたテーブル情報(例えば、図20参照)を記憶している。コンピュータは、入力した第1及び第2電流計測信号の総和を求め、この総和及び前述の隙間1の横断面積を用いて、隙間1の先端部34での溶解電流密度を算出する。さらに、コンピュータは、上記テーブル情報(例えば、図20参照)を用い、その溶解電流密度に対応するき裂進展速度を求める。得られたき裂進展速度の情報は、実施例1と同様に、表示装置に表示される。
第2電流計測信号が発生しない場合、すなわち、水の放射線分解が生じなく電極2cと電極2bの間を流れる電流の計測値が「0」の場合には、上記の総和が第1電流計測信号の値となる。この場合には、図20の「隙間開口部−隙間先端部」の特性に基づいてき裂進展速度が求められる。第1及び第2電流計測信号が発生する場合には、その総和及び図20の「隙間内全体−隙間先端部」の特性に基づいてき裂進展速度が求められる。また、第1電流計測信号が「0」の場合は、第2電流計測信号及び図20の「隙間中央部−隙間先端部」の特性に基づいてき裂進展速度が求められる。
なお、コンピュータのメモリに、実施例1と同様に、き裂進展速度の計算方法により推定して得られた前述の情報を記憶させ、この情報を用いてき裂進展速度を求めてもよい。
本実施例は、実施例1で生じる効果を得ることができる。更に、本実施例は、隙間1内に配置した電極2aと電極2bの間に流れる第1電流のほかに、隙間1内に配置した電極2cと電極2bの間に流れる第2電流も測定できる。この第2電流は、隙間1内で水の放射線分解により酸化剤(酸素及び過酸化水素の少なくとも一方)の生成によって生じるカソード電流(第2カソード電流)に起因した電流である。したがって、本実施例によれば、隙間1外から隙間1内に侵入する酸素及び過酸化水素の少なくとも一方に基づいて発生するカソード電流(第1カソード電流)にそれぞれ起因した第1電流及び第2電流をそれぞれ精度良く測定することができる。このような第1電流及び第2電流の測定値に基づいて、隙間水質センサの隙間が配置された環境におけるき裂進展速度を、第1発明よりも更に精度良く推定することができる。すなわち、本実施例は、き裂進展速度の推定に第2電流も考慮している分、実施例1よりも更に精度良くき裂進展速度を推定できる。
実施例3を、電流を測定する例にて説明したが、隙間水質測定装置18Bにおいて計測器37Bの電流計5をエレクトロメータ6に替えることによって、電位差を測定する実施例にすることができる。この場合、エレクトロメータ6は、切替え器8の切替え操作によって第1及び第2電位差をそれぞれ測定することができる。第1電位差は上記した第1電流に、第2電位差は上記した第2電流に、それぞれ該当する。エレクトロメータ6で得られた第1電位差及び第2電位差の各測定値に基づいた、き裂進展速度の求め方は、第1電位差及び第2電位差のうち大きい電位差と、前述のテーブル情報(例えば、図17参照)によりき裂進展速度を求めるものである。このような電位差を計測する実施例は、電極2a,2bが原子炉構造材である場合に得られる効果を除いて、隙間水質測定装置18Bにて生じる効果を得ることができる。なお、隙間水質測定装置18Bにおいて計測器37Bの電流計5をエレクトロメータ6に替えた場合には、電極2a,2bをジルコニウム合金製にする必要がある。
沸騰水型原子炉における、水素注入時の給水中の水素濃度と炉水の溶存酸素濃度及び腐食電位との関係を示す特性図である。 貴金属を付着した試験片を用いて測定した腐食電位と電極の検知部位との関係を示す特性図である。 準停滞水中において隙間内の腐食電位分布を測定した結果を示す説明図である。 酸素濃度とSUS304の腐食電位の関係を示す特性図である。 流れのある条件で隙間内の腐食電位分布を測定した結果を示す説明図である。 き裂進展モデルを説明する図であり、(a)は従来のき裂進展モデルの説明図、(b)新たに見出したき裂進展モデルの説明図である。 き裂先端の溶解電流密度の変化を示す特性図であり、(a)はバルクの酸素濃度とき裂先端の溶解電流密度の関係を示す特性図、(b)はバルクの腐食電位とき裂先端の溶解電流密度の関係を示す特性図である。 き裂内の腐食電位分布とき裂進展速度実測値の関係を、き裂進展モデルによる解析で得られた計算値、及び測定値で示した特性図である。 水の放射線分解を考慮したき裂進展モデルを示す説明図である。 BWRでの放射線照射量を考慮した解析により得られたき裂進展速度とひび割れ頻度との関係を示す特性図である。 き裂内の腐食電位分布を、き裂進展モデルによる解析で得られた計算値、及び測定値で示した特性図である。 実効酸素濃度と、SUS304及びジルコニウムを用いて測定した腐食電位との関係を示す説明図である。 本発明の実施例である隙間水質測定装置を適用したBWRプラントの系統図である。 本発明の好適な一実施例である隙間水質測定装置の構成図である。 き裂先端部での溶解電流密度とき裂進展速度との関係を示す特性図である。 図4に示す実施例で測定した腐食電位に基づいて酸素と過酸化水素のき裂進展への影響を区別する原理を示す説明図である。 き裂先端部とき裂開口部との間の電位差と、腐食電位との関係を示す特性図である。 本発明の他の実施例である隙間水質測定装置の構成図である。 本発明の他の実施例である隙間水質測定装置の構成図である。 き裂先端での溶解電流密度とき裂進展速度との関係を示す特性図である。
符号の説明
1…隙間、2a,2b,2c…電極、3a,3b,3c…絶縁体、4…電気ケーブル、4a,4b,4c,4d,4e…配線、5…電流計、6…エレクトロメータ、7…本体、8…切替え器、10…給水系、11…原子炉、12…再循環系、13…主蒸気系、16…炉浄化系、18,18a,18b,18c,18d,18A,18B…隙間水質測定装置、19…ボトムドレン、21,22,26…サンプリング配管、23…炉心、28…腐食電位センサ、31…隙間形成部材、32a,32b…隙間形成部、33…開口部、34…先端部、35…白金被覆、36…隙間水質センサ、37…測定器、38…本体部。

Claims (19)

  1. 1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間が形成された本体部と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の開口部に配置された第1電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の先端部に配置された第2電極とを備えた隙間水質センサの、少なくとも前記隙間が水中に存在する状態で、前記第1電極と前記第2電極との間を流れる電流、及び前記第1電極と前記第2電極との間の電位差のいずれかを測定することを特徴とする隙間水質測定方法。
  2. 1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間が形成された本体部と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の開口部に配置された第1電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の先端部に配置された第2電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間内で前記第1電極と前記第2電極との間に配置された第3電極とを備えた隙間水質センサの、少なくとも前記隙間が水中に存在する状態で、前記第1電極と前記第2電極との間を流れる第1電流を測定し、前記第2電極と前記第3電極との間を流れる第2電流を測定することを特徴とする隙間水質測定方法。
  3. 1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間が形成された本体部と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の開口部に配置された第1電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の先端部に配置された第2電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間内で前記第1電極と前記第2電極と間に配置された第3電極とを備えた隙間水質センサの、少なくとも前記隙間が水中に存在する状態で、前記第1電極と前記第2電極との間の第1電位差を測定し、前記第2電極と前記第3電極との間の第2電位差を測定することを特徴とする隙間水質測定方法。
  4. 1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間が形成された本体部と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の開口部に配置された第1電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の先端部に配置された第2電極と、前記本体部に接続された導電部材とを備えた隙間水質センサの、少なくとも前記隙間が水中に存在する状態で、前記第1電極と前記導電部材の間の電位差を測定し、前記第2電極と前記導電部材との間の電位差を測定することを特徴とする隙間水質測定方法。
  5. 前記隙間水質センサが、前記本体部の隙間を形成している部分の外表面に形成された、白金族貴金属及びセラミックスのいずれかの被膜と、前記本体部に取り付けられ、前記本体部の外部で前記被膜付近に配置された基準電極とを備えており、更に、前記基準電極と前記導電部材の間の第3電位差を測定し、前記基準電極と前記第1電極の間の第4電位差を測定し、前記基準電極と前記第2電極の間の第5電位差を測定する請求項4に記載の隙間水質測定方法。
  6. 1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間が形成された本体部と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の開口部に配置された第1電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の先端部に配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間を流れる電流、及び前記第1電極と前記第2電極との間の電位差のいずれかを測定する測定装置とを備えたことを特徴とする隙間水質測定装置。
  7. 1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間が形成された本体部と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の開口部に配置された第1電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の先端部に配置された第2電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間内で前記第1電極と前記第2電極と間に配置された第3電極と、前記第1電極と前記第2電極との間を流れる第1電流、及び前記第2電極と前記第3電極との間を流れる第2電流を測定する測定装置とを備えたことを特徴とする隙間水質測定装置。
  8. 1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間が形成された本体部と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の開口部に配置された第1電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の先端部に配置された第2電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間内で前記第1電極と前記第2電極と間に配置された第3電極と、前記第1電極と前記第2電極との間の第1電位差、及び前記第2電極と前記第3電極との間の第2電位差を測定する測定装置とを備えたことを特徴とする隙間水質測定装置。
  9. それぞれの前記電極の、前記開口部から前記先端部に向かう方向における長さが0.5mm以下である請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の隙間水質測定装置。
  10. 1つの開口を有し閉ざされた空間である隙間が形成された本体部と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の開口部に配置された第1電極と、前記本体部に電気的に絶縁されて設置され、前記隙間の先端部に配置された第2電極と、前記本体部に接続された導電部材と、前記第1電極、前記第2電極及び前記導電部材の接続状態を切替える切替え装置と、前記切替え装置に接続され、電位差を測定する測定装置とを備えたことを特徴とする隙間水質測定装置。
  11. 前記本体部の隙間を形成している部分の外表面に形成された、白金族貴金属及びセラミックスのいずれかの被膜と、前記本体部に取り付けられ、前記本体部の外部で前記被膜付近に配置された基準電極と、前記第1電極、前記第2電極、前記基準電極及び前記導電部材の接続状態を切替える前記切替え装置とを備えた請求項10に記載の隙間水質測定装置。
  12. 前記第1及び第2電極の、それぞれの前記開口部から前記先端部に向かう方向における長さが0.5mm以下である請求項10または請求項11に記載の隙間水質測定装置。
  13. 前記本体部の、少なくとも前記隙間を形成している部分を原子炉構造材によって構成する請求項6ないし請求項8及び請求項10のいずれか1項に記載の隙間水質測定装置。
  14. 前記第1及び第2電極を原子炉構造材によって構成する請求項7に記載の隙間水質測定装置。
  15. それぞれの前記電極をジルコニウム合金によって構成する請求項8または請求項10に記載の隙間水質測定装置。
  16. 前記被膜は前記隙間の開口から5mm以上離して形成する請求項1に記載の隙間水質測定装置。
  17. 前記第1電極は、前記隙間の開口とこの開口から前記先端部側に1mm入った位置との間の領域に配置される請求項6ないし請求項8及び請求項10のいずれか1項に記載の隙間水質測定装置。
  18. 原子炉と、前記原子炉に接続され前記原子炉内の冷却材が流れる配管と、前記原子炉及び前記配管の少なくとも一方に設けられ、前記隙間が前記冷却材と接触する位置に配置されている請求項6ないし請求項17のいずれか1項に記載の隙間水質測定装置とを備えたことを特徴とする原子力プラント。
  19. 請求項6ないし請求項8、請求項10及び請求項11のいずれか1項に記載の隙間水質測定装置の前記隙間が水中に存在する状態において前記測定装置で測定された状態量に基づいて、前記隙間の先端部での溶解電流密度を求め、この溶解電流密度に基づいてき裂進展速度を求める腐食環境推定方法。
JP2006179304A 2006-06-29 2006-06-29 隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置 Expired - Fee Related JP4777835B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006179304A JP4777835B2 (ja) 2006-06-29 2006-06-29 隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006179304A JP4777835B2 (ja) 2006-06-29 2006-06-29 隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008008744A JP2008008744A (ja) 2008-01-17
JP4777835B2 true JP4777835B2 (ja) 2011-09-21

Family

ID=39067089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006179304A Expired - Fee Related JP4777835B2 (ja) 2006-06-29 2006-06-29 隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4777835B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5264402B2 (ja) * 2008-10-14 2013-08-14 日本原子力発電株式会社 腐食電位測定装置
JP5281618B2 (ja) * 2010-08-06 2013-09-04 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 腐食電位計測方法およびその装置
JP5898595B2 (ja) * 2012-09-07 2016-04-06 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 腐食電位センサ
CN110261294B (zh) * 2019-06-04 2022-04-19 中国船舶重工集团公司第七二五研究所 一种模拟深海环境下裂纹区金属腐蚀电化学试验装置
JP7292620B2 (ja) 2020-08-13 2023-06-19 富士電機株式会社 腐食モニタリング装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03218452A (ja) * 1990-01-24 1991-09-26 Hitachi Ltd 電気化学センサ
JPH05142139A (ja) * 1991-11-18 1993-06-08 Babcock Hitachi Kk 金属材料の隙間部腐食予測方法
JPH0658903A (ja) * 1992-08-05 1994-03-04 Hitachi Ltd 亀裂先端電位測定方法及び水質制御方法
JPH06138079A (ja) * 1992-10-23 1994-05-20 Toshiba Corp 隙間水質測定用電極
JP2000329720A (ja) * 1999-05-19 2000-11-30 Hitachi Ltd ジルコニウム合金の耐食性判定方法
JP2001235104A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Hitachi Ltd 亀裂進展モニタリング方法とその装置
JP3760724B2 (ja) * 2000-05-12 2006-03-29 栗田工業株式会社 腐食モニタリング方法
JP2004028818A (ja) * 2002-06-26 2004-01-29 Toshiba Corp 腐食環境モニタ方法およびその装置
JP4363163B2 (ja) * 2003-11-06 2009-11-11 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 腐食電位センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008008744A (ja) 2008-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5571394A (en) Monolithic sensor switch for detecting presence of stoichiometric H2 /O2 ratio in boiling water reactor circuit
JP4777835B2 (ja) 隙間水質測定方法及び隙間水質測定装置
Lin et al. Electrochemical potential measurements under simulated BWR water chemistry conditions
JP6445945B2 (ja) 腐食環境センサ
JPH07174883A (ja) 腐食電位検出方法、反応速度の電位特性シミュレーション方法、およびこれらを用いたプラント監視システム
JP5281618B2 (ja) 腐食電位計測方法およびその装置
US6222307B1 (en) Platinum tip ECP sensor and fabrication thereof
JPH02118446A (ja) 溶液定量分析装置、定量分析方法および原子炉の水質制御システム
JP2015114251A (ja) 溶存水素濃度の測定方法、溶存水素濃度測定装置および原子力プラントの運転方法
JP2008008750A (ja) 原子炉冷却水の腐食環境定量方法およびその装置
EP1794760B1 (en) Device and method for the determination of the electrochemical corrosion potential
JP3061707B2 (ja) 金属材料の腐食性測定方法および測定装置
JP5226975B2 (ja) 応力腐食割れ監視方法及びその監視装置
Saito et al. Crevice corrosion of austenitic alloys in high-temperature water
JPH0658903A (ja) 亀裂先端電位測定方法及び水質制御方法
JP2743717B2 (ja) 構造材の鋭敏化度検出方法及び原子力プラント水質制御システム
Kim et al. Corrosion potential behavior in high-temperature water of noble metal-doped alloy coatings deposited by underwater thermal spraying
Taylor Response of electrochemical sensors to ionizing radiation in high-temperature aqueous environments
JP2015200591A (ja) 原子力プラントの亜鉛濃度測定方法及び亜鉛濃度測定装置並びに亜鉛濃度制御方法
JP2015028433A (ja) 貴金属被覆率監視方法、貴金属被覆率監視装置および原子力プラントの運転方法
Ogawa et al. SCC growth prediction for surface crack in welded joint using advanced FEA
JP5986363B2 (ja) 腐食電位センサおよび腐食電位センサの設置構造
JP6371242B2 (ja) 原子炉内機器材料の防食方法及び防食システム
Saji Radiation induced ‘long-cell’(macrocell) corrosion in water-cooled reactors of Russian design
JP5358554B2 (ja) 腐食電位センサ及び腐食電位センサの設置構造

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20071205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081003

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110628

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140708

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees