JP2015114251A - 溶存水素濃度の測定方法、溶存水素濃度測定装置および原子力プラントの運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原子力プラントの運転中において溶存水素濃度をより精度良く測定できる溶存水素濃度測定装置を提供する。【解決手段】溶存水素濃度測定装置1の、貴金属(例えば、白金)製の作用極3および対極4を有する測定部2が、配管12に取り付けられた分岐管13内に配置される。冷却水が配管12、分岐管13内に存在する。ポテンショスタット7により、それらの電極間の電位差を測定し、この電位差に交流電圧を重畳させた電圧を印加する。周波数応答解析装置8を用いて、交流電圧の周波数を変えて電極間の交流インピーダンスを測定する。演算装置9は、交流インピーダンスに基づいて水素電極反応の抵抗を算出し、さらに、水素電極反応の抵抗に基づいて冷却水中の溶存水素濃度を求める。このため、原子力プラントの運転中において溶存水素濃度をより精度良く測定できる。【選択図】図1
Description
本発明は、溶存水素濃度の測定方法、溶存水素濃度測定装置および原子力プラントの運転方法に係り、特に、沸騰水型原子力プラントに適用するのに好適な溶存水素濃度の測定方法、溶存水素濃度測定装置および原子力プラントの運転方法に関する。
原子力プラントとして、例えば、沸騰水型原子力プラント(BWRプラント)および加圧水型原子力プラント(PWRプラント)が知られている。例えば、BWRプラントは、原子炉圧力容器の内部に核燃料を格納した炉心を有し、核燃料を核分裂させて熱エネルギーを発生させる。再循環ポンプ、またはインターナルポンプによって炉心に供給された冷却水は、核分裂で生じた熱エネルギーにより加熱され、一部が蒸気になる。この蒸気は、原子炉からタービンに導入され、蒸気タービン発電機の駆動に利用される。
原子力プラントにおいて、ステンレス鋼およびニッケル基合金等は構造材料と呼ばれ、原子炉機器および配管等の構造部材に用いられる。ステンレス鋼(またはニッケル基合金)で製造された構造部材は、特定の条件下で応力腐食割れ(SCC)の感受性を示す。例えば、BWRプラントでは、炉心に装荷された複数の燃料集合体の各燃料棒内の核燃料物質から放出される放射線が照射されることにより各燃料集合体内を流れる冷却水が分解され、酸素および過酸化水素などの酸化剤が冷却水中に生成される。これらの酸化剤が冷却水中に存在すると、この冷却水と接触する構造部材の腐食電位(ECP)が高くなり、その構造部材に応力腐食割れ(SCC)を生じる確率が高くなる。
BWRプラントでは、SCC防止策の1つとして、前述の構造材料で構成された構造部材に接触する冷却水の腐食環境を改善するために、水素注入技術が広く用いられている。水素注入技術の例が、特許第2687780号公報に記載されている。原子炉を構成する原子炉圧力容器内の冷却水は、冷却水に含まれる酸素および過酸化水素などの酸化剤によって腐食環境を形成している。水素注入は、給水配管等を通して原子炉圧力容器内の冷却水に水素を注入し、冷却水に含まれている酸素および過酸化水素を注入された水素と反応させて水に戻す技術である。この反応により冷却水中の酸素および過酸化水素の濃度が低減される結果、冷却水に接触する構造部材の腐食電位が低下し、構造部材のSCCが緩和される。
構造部材の腐食電位の低減度合いは、原子炉圧力容器内の冷却水への水素の注入量が多くなるほど大きくなる。しかしながら、BWRプラントでは、原子炉圧力容器内の炉心で発生した蒸気を用いて、直接、タービンを回転させている関係上、冷却水への水素注入量を多くすると、冷却水に溶けていた放射性窒素化合物が水素により還元されて、蒸気へ放出され易くなる。この結果、放射性窒素(例えば、N−16)が蒸気と共にタービンに供給され、タービンが設置されているタービン建屋内の線量率が増大する。いずれのBWRプラントにおいても、給水中の水素濃度が約0.4ppmを超えると、タービン建屋の線量率の上昇が始まり、高水素濃度では線量率は4倍から5倍にまで達する。これは、作業員の被ばく低減および原子力発電所の敷地境界での線量率管理の上から望ましくない。したがって、SCCの発生および進展を抑えるためには、放射性窒素の蒸気への放出量を増加させずに腐食電位を低下させる技術が必要であった。
水素注入時の腐食電位の低下をさらに促進させる技術として、例えば、特開平4−223299号公報に記載された貴金属元素(例えば、白金、パラジウム等)を冷却水に注入する技術(貴金属注入技術)が知られている。この貴金属注入技術は、水素注入技術と併用され、貴金属元素が有する水素の電気化学反応への触媒作用を利用して、水素注入による腐食電位の低減効果をさらに大きくする。
水素注入および貴金属注入を実施する際には、冷却水への水素の注入量を制御するために、原子力プラントに溶存水素濃度センサを設置し、冷却水の溶存水素濃度を測定する必要がある。溶存水素濃度センサとしては、特開平5−232082号に記載された隔膜型ポーラログラフ式の溶存水素濃度センサが実用化されている。この溶存水素濃度センサは、円筒状のセンサ本体、隔膜、スペーサ、支持管、作用極および対極を有する。撥水性多孔質膜のようなガス透過性の良好な隔膜が、センサ本体の先端部に取り付けられてその先端部を塞いでいる。スペーサがセンサ本体内で隔膜に接して配置され、作用極がスペーサに接して配置される。作用極を支持する支持管が本体内に配置され、対極が支持管内に取り付けられる。支持管とセンサ本体の間に電解液を充填している。センサ本体の先端部に存在する隔膜を通して溶存水素をセンサ本体内部の電解液中に取り込み、電解液中の作用極と対極の間で水素ガスの酸化反応を生じさせる。この酸化反応によって生じた電流値に基づいて溶存水素濃度を求める。
特開2011−232145号公報には腐食電位センサの例が記載されている。特開平9−90087号公報には中性子束モニタハウジング内に中性子束計測器を配置した状態が記載されている。特開2012−247322号公報には白金メッキ処理の方法が記載されている。
特開平5−232082号公報に記載された溶存水素濃度センサは、隔膜および電解液が劣化するため、長期間使用する場合には隔膜および電解液を交換しなければならなく、また、劣化が激しい高温環境での使用は難しい。このため、従来、その溶存水素濃度センサは、高温高圧の冷却水が存在する炉底部および再循環系での水素濃度の測定には使用されず、低温部のサンプリング系での溶存水素濃度の測定に使用されていた。しかし、冷却水がサンプング系に到達するまでに溶存水素が反応し消費されてしまうため、サンプリング系での測定では溶存水素濃度が低めに指示される。特に、貴金属注入実施時では、配管に付着した白金族貴金属によって溶存水素の消費が加速されるため、サンプリング系における溶存水素濃度の測定値はより低い値を示している。このため、隔膜型ポーラログラフ式の溶存水素濃度センサを用いた場合には、過大な量の水素を原子炉圧力容器内の冷却水に注入する必要があった。
特開2003−139889号公報、特開平9−90087号公報および特開2012−247322号公報は溶存水素濃度の測定方法について言及していない。
本発明の目的は、運転中において溶存水素濃度をより精度良く測定できる溶存水素濃度の測定方法、溶存水素濃度測定装置および原子力プラントの運転方法を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、冷却水と接触する原子力プラントの構造部材に取り付けられた保持部材に設けられて表面が貴金属である一対の電極間に、冷却水がその一対の電極の表面に接触している状態で、これらの電極間に交流電圧を印加し、電極間の交流インピーダンスを測定し、測定された交流インピーダンスに基づいて電極表面の水素電極反応の抵抗を求め、求められた水素電極反応の抵抗に基づいて冷却水の溶存水素濃度を求めることにある。
原子力プラントの運転中に、冷却水と接触する表面が貴金属である一対の電極間の交流インピーダンスを測定し、測定した交流インピーダンスに基づいて電極表面の水素電極反応の抵抗を求め、得られた水素電極反応の抵抗に基づいて冷却水中の溶存水素濃度を求めているため、原子力プラントの運転中において、冷却水中の溶存水素濃度をより精度良く求めることができる。
上記した目的は、保持部材に互いに対向して取り付けられて表面が貴金属である一対の電極と、それぞれの電極にリード線により接続されたポテンショスタットと、ポテンショスタットに接続された周波数応答解析装置と、周波数応答解析装置から出力される交流インピーダンスに基づいてその電極の表面の水素電極反応の抵抗を求める第1演算装置と、この水素電極反応の抵抗に基づいて電極が接触する冷却材中の溶存水素濃度を求める第2演算装置とを備えたことによっても達成できる。
本発明によれば、原子力プラントの運転中において、より精度良く冷却材中の溶存水素濃度を求めることができる。
発明者らは、冷却水中の溶存水素濃度を所定範囲内に保持することができる原子力プラントの運転方法を実現するために、より精度良く、冷却水中の溶存水素濃度を測定できる溶存水素濃度測定装置および方法について検討を行った。この検討の内容および検討により得られた結果を以下に説明する。
発明者らは、原子炉圧力容器の炉底部および原子炉圧力容器に接続された再循環系配管を流れる冷却水の溶存水素濃度を直接測定するために、式(1)の水素電極反応に着目した。溶存水素濃度の増加に伴い水素電極反応の抵抗が減少するため、発明者らは、原子力プラントの運転中において、冷却水中における水素電極反応の抵抗を測定することができれば、冷却水中の溶存水素濃度を求めることができると考えた。
1/2H2 → H++e- …(1)
発明者らは、種々の検討を行った結果、測定対象個所の、原子力プラントの構造部材(例えば、炉内構造物および配管)に接触する冷却水内に一対の電極を配置し、これらの電極間に交流電圧を印加し、交流周波数を変化させて電極間のインピーダンスを測定し、測定したインピーダンスから水素電極反応の抵抗を分離し、分離した水素電極反応の抵抗に基づいて溶存水素濃度を求めることにより、得られた溶存水素濃度の精度をより向上させることができることを見出した。その詳細を以下に説明する。
発明者らは、種々の検討を行った結果、測定対象個所の、原子力プラントの構造部材(例えば、炉内構造物および配管)に接触する冷却水内に一対の電極を配置し、これらの電極間に交流電圧を印加し、交流周波数を変化させて電極間のインピーダンスを測定し、測定したインピーダンスから水素電極反応の抵抗を分離し、分離した水素電極反応の抵抗に基づいて溶存水素濃度を求めることにより、得られた溶存水素濃度の精度をより向上させることができることを見出した。その詳細を以下に説明する。
運転中の原子力プラントにおいて、冷却水中の溶存水素は、溶存酸素および過酸化水素といった酸化剤と再結合反応を起こし水に戻る。この再結合反応は、酸化剤を含む冷却水に接触する貴金属元素が存在すると加速される。これは、貴金属が式(1)の水素電極反応の触媒であり、貴金属の表面では溶存水素が活性なプロトンと電子に解離するためである。ここで、貴金属表面における再結合反応のインピーダンスは、最も抵抗の低い反応のインピーダンスに支配される。つまり、貴金属表面における再結合反応のインピーダンスは、触媒作用によって加速される抵抗の低い水素電極反応のインピーダンスと等しいとみなせる。水素電極反応は単純な電子の授受であるため、水素電極反応のインピーダンスは単純な抵抗として表わすことができる。また、貴金属表面における水素電極反応の抵抗は冷却水中の溶存水素濃度に依存し、溶存水素濃度が増加すると水素電極反応の抵抗が低下する。このため、冷却水中の貴金属表面における水素電極反応の抵抗を測定することができれば、その水素電極反応の抵抗を基に冷却水中の溶存水素濃度を求めることができる。
溶存水素濃度を求める方法を、以下に説明する。溶存水素濃度を求めるために、図2に示すように、一対の電極(作用極3および対極4)を、測定点において、原子力プラントの構造部材、例えば、原子炉圧力容器に接続されて冷却水が流れる配管内に、その冷却水と接触するように配置する。この一対の電極は、水素電極反応を起こす材料である貴金属、例えば白金で構成される。貴金属としては、白金以外に、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよびオスミウムのいずれかを用いてもよい。また、それらの電極は、貴金属以外の金属板(例えば、ステンレス鋼製の板材)の表面を白金等の貴金属で覆ってもよい。一対の電極である作用極と対極は、配管内で互いに対向して配置される。これらの電極はポテンショスタットに接続されている。発明者らが考えた溶存水素濃度測定方法の概念を図4に基づいて以下に説明する。
電極間の交流インピーダンスを測定する(ステップS1)。例えば、それぞれ貴金属(例えば、白金)で製作された作用極および対極を、原子炉圧力容器に接続されて内部に冷却水が流れる配管内に配置する。作用極と対極の間には、配管内を流れる冷却水が存在する。原子力プラントが運転されている状態で、作用極と対極の間に発生する電位差をポテンショスタットにより測定する。次に、測定した電位差に交流電圧を重畳させた電圧を作用極に印加する。この印加する交流電圧は、作用極と対極の間の交流インピーダンスが測定可能で且つ可能な限り低い値の交流電圧とする。作用極に印加する交流電圧の値が大きすぎると、電極の表面で電気化学反応が起こり、電極の表面状態が変化するなどの問題が生じる。また、その交流電圧の値が低すぎるとSN比が低下し、交流インピーダンスの測定が不正確になる。このため、作用極と対極の間に印加する電圧は、具体的には、5〜10mVが適切である。
そして、周波数応答解析装置を用いて、印加する交流電圧の周波数を変えて作用極と対極の間の交流インピーダンスを測定する。この周波数の可変範囲は0.1mHzから100kHzの範囲が適切である。しかし、低周波数の領域ほど、交流インピーダンスの測定に時間が必要となり、測定間隔が長くなってしまうため、周波数の下限は1mHz程度が望ましい。また、周波数が増大するとノイズの影響を受け易く、また、溶存水素濃度を測定するには交流インピーダンスのうち10Hz以下の周波数に対する応答を用いる。このため、交流電圧の実用上の周波数範囲は1mHz〜10Hzで十分である。
水素電極反応の抵抗を算出する(ステップS2)。図5は電極間のインピーダンスを解析するための等価回路を示している。図5において、R1は作用極と対極の間の導電抵抗、Cはそれぞれの電極表面の電気容量、R2は水素電極反応の抵抗である。
配管内に配置された作用極および対極を同じ大きさの平行な平板とした場合、それぞれの電極表面の幾何学的条件および水化学的条件は等しく、電極表面の交流インピーダンスも両者で同じと考えることができる。測定された交流インピーダンスを、図5に示す等価回路を基に解析する。図6は、この解析によって得られた結果に基づいて描かれるナイキスト線図を示している。図6において、半円の左側の実部軸との交点は電極間の導電抵抗R1となる。一方、半円の右側の実部軸との交点は電極間の液抵抗と両電極表面における水素電極反応の抵抗の和である(R1+2R2)となる。よって、半円と実数軸との2つの交点から、水素電極反応の抵抗R2を求めることができる。すなわち、半円(高DH)の左側と実部軸との交点の値がn1、および半円(高DH)の右側と実部軸との交点の値がn2であるとき、水素電極反応の抵抗R2は、(n2−n1)/2となる。なお、導電抵抗R1はn1である。
溶存水素濃度を算出する(ステップS3)。水素電極反応の抵抗は冷却水中の溶存水素濃度に依存し、溶存水素濃度が増加すると水素電極反応の抵抗が低下する。図7に示すように抵抗R2と溶存水素濃度の相関を示す特性図を予め作成し、この特性図を用いて、求めた水素電極反応の抵抗R2に基づいて溶存水素濃度を求めることができる。
発明者らは、ステンレス鋼製の配管にステンレス鋼製分岐管を取り付け、作用極および対極をステンレス鋼製分岐管内に配置した実験装置(図2に示す配管12、分岐管13および測定部2を含む構造)を作製し、この実験装置を用いて、特開2012−247322号公報に記載の方法で白金被覆処理をしたステンレス鋼の作用極および対極の間のインピーダンスの測定を行った。ステンレス鋼製の分岐管の一端は開放されてステンレス鋼製の配管に連絡され、ステンレス鋼製分岐管の他端は封鎖されている。作用極および対極はステンレス鋼製分岐管内に配置され、作用極に接続されたリード線および対極に接続されたリード線が、ステンレス鋼製分岐管の封鎖された端部から外部に取り出され、ポテンショスタットに接続される。
作用極および対極は、特開2012−247322号公報に記載の方法で白金被覆処理をした面積15mm×4mm、厚さ1mmのステンレス鋼の平板を用い、作用極と対極の間の間隔は0.5mmとした。BWRプラントの冷却水と同じ条件である280°Cの純水をステンレス鋼製配管に通水し、ステンレス鋼製分岐管内もこの純水で満たした。ステンレス鋼製分岐管内に配置された作用極および対極のそれぞれの表面は、その純水に接触している。ステンレス鋼製配管内に純水を通水しながら、作用極および対極に印加した交流電圧の周波数を1mHz〜1kHzの範囲内で変化させ、作用極と対極の間の交流インピーダンスを測定した。
測定された交流インピーダンスは、作用極と対極の間に存在する冷却水である純水の抵抗を含む。純水の280°Cにおける抵抗率は約4×105Ω・cmと大きいため、作用極と対極の間に存在する純水の抵抗の影響により、作用極と対極の間を流れる電流が小さくなって、外来ノイズの影響を受けやすくなり、測定誤差が大きくなる。この測定誤差を低減するためには、作用極と対極の間隔を狭くし、冷却水の抵抗による影響を低減する必要がある。一方、作用極と対極が接触すると交流インピーダンスの測定が不可能となるため、裕度を考慮する必要がある。例えば、今回のように表面積15mm×4mmの作用極と対極を用いた場合、作用極と対極の間隔は具体的には0.5〜3.0mmが望ましい。
作用極および対極は、水素電極反応を示す材料、例えば、貴金属、または表面に貴金属をめっきしたステンレス鋼で作製される。また、作用極および対極は、測定した交流インピーダンスの解析を簡単にするため、同一面積の平行平板であることが望ましい。異種間の金属接触による腐食および熱起電力の発生を抑制するため、前述の2本のリード線は、少なくともステンレス鋼製分岐管内の高温部においては、作用極および対極と同じ材料であることが望ましい。
上記の実験装置を用いて測定した、特開2012−247322号公報に記載の方法で白金被覆処理をしたステンレス鋼の作用極と対極の間の交流インピーダンスの一例を、図8に示す。図8に示すように、交流インピーダンスの測定結果には一つの半円が現れ、この半円の半径R2が水素電極反応の抵抗を表わしている。DH<5ppbの半円ではR2=12kΩ、DH=50ppbの半円ではR2=0.7kΩとなり、溶存水素濃度の増加に伴い前記半円の半径は減少した。この結果から分かるように、水素電極反応の抵抗R2の値から、図7の相関を用いて溶存水素濃度を求めることができる。
以上に述べたように、原子力プラントの運転中に、交流インピーダンスを測定することにより、サンプリング系に到達するまでに溶存水素が消費され、溶存水素濃度が低下した冷却水ではなく、溶存水素濃度を知りたい高温部での溶存水素濃度を直接測定できるため、過大な量の水素注入を実施する必要がなく、水素注入量を減らすことができる。
以上に述べた検討結果を反映した、本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の溶存水素濃度測定方法を、図1及び図2を用いて説明する。
本実施例の溶存水素濃度測定方法に用いられる溶存水素濃度測定装置1は、図2に示す電極ホルダ(保持部材)5に取り付けられた一対の電極である作用極3および対極4、ポテンショスタット7、周波数応答解析装置8および演算装置9を有する。電極ホルダ5が筺体6に取り付けられる。作用極3、対極4および電極ホルダ5は、溶存水素濃度測定装置1の測定部2を構成する。作用極3は電極ホルダ5および筺体6内を通るリード線10に接続され、リード線10はポテンショスタット7に接続される。対極4は電極ホルダ5および筺体6内を通るリード線11に接続され、リード線11はポテンショスタット7に接続される。ポテンショスタット7が周波数応答解析装置8に接続され、周波数応答解析装置8が演算装置9に接続される。
溶存水素濃度を測定する溶存水素濃度測定装置1が設置されるBWRプラントを、図3を用いて説明する。
BWRプラントは、炉心16を内蔵した原子炉圧力容器15、タービン23、復水器24、再循環系、給水系、原子炉浄化系、水素注入装置46および制御装置48を備えている。原子炉圧力容器15は原子炉格納容器30内に設置されている。
炉心16の上方に配置された気水分離器17および気水分離器17の上方に配置された蒸気乾燥器18が、原子炉圧力容器15内にそれぞれ設置されている。核燃料物質を含む複数の燃料棒を有する複数の燃料集合体が、炉心16に装荷されている。再循環系は再循環ポンプ21および再循環系配管20を有する。再循環ポンプ21がそれぞれ設けられた2系統の再循環系配管20が、原子炉圧力容器15に接続される。
原子炉圧力容器15に接続された主蒸気配管22が、タービン23に接続される。タービン23は復水器24の上に設置される。給水系は、給水配管25および給水ポンプ26等を有する。給水ポンプ26が設けられた給水配管25が、復水器24および原子炉圧力容器15に接続される。水素注入装置46が給水配管25に接続される。
原子炉浄化系は、再循環系配管20と給水配管25を接続する浄化系配管27を有し、浄化系ポンプ28および浄化装置29を浄化系配管27に設けている。原子炉圧力容器15の底部に接続されたドレン配管44が、浄化系配管27に接続される。貴金属注入装置47が浄化装置29の下流で浄化系配管27に接続される。
BWRプラントの運転中、原子炉圧力容器15内で炉心16の周囲に形成されたダウンカマ19内の冷却水が、再循環ポンプ21の駆動により再循環系配管20内に流入し、原子炉圧力容器15内でダウンカマ19内に配置されたジェットポンプ(図示せず)に供給される。ジェットポンプから吐出された冷却水は、炉心16に供給される。この冷却水は、炉心16に装荷された燃料集合体内の燃料棒に含まれた核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。蒸気は、気水分離器17および蒸気乾燥器18で水分を分離した後、主蒸気配管22を通してタービン23に供給され、タービン23を回転させる。タービン23に連結された発電機(図示せず)も回転し、電力が発生する。
タービン23から排気された蒸気は、復水器24で凝縮されて水になる。この水は、給水として、給水ポンプ26で昇圧され、給水配管25を通して原子炉圧力容器15に供給される。再循環系配管20内を流れる冷却水の一部は、浄化系配管27内に流入し、浄化装置29で浄化される。浄化された冷却水は、浄化系配管27および給水配管25を通って原子炉圧力容器15に戻される。
BWRプラントの運転中において、水素注入装置46から給水配管25に注入された水素は、給水と共に原子炉圧力容器15内に導かれ、冷却水に注入される。また、貴金属(例えば、白金)の注入は、BWRプラントの運転中において、貴金属注入装置47によって行われる。白金を含む溶液が、浄化装置29の下流において貴金属注入装置47から浄化系配管27内を流れる冷却水に注入される。白金を含む冷却水が、給水配管25を通って原子炉圧力容器18内に導かれる。供給された冷却水に含まれる白金は、炉心16を取り囲む炉心シュラウド等の炉内構造物の表面、および原子炉圧力容器18に連絡されて冷却水が流れる再循環系配管20および浄化系配管27のそれぞれの内面に付着する。
気水分離器17で蒸気と分離された冷却水は、ダウンカマ19内に導かれて給水配管25から供給される給水と混合され、ジェットポンプにより炉心16に供給される。
BWRプラントにおいて、溶存水素濃度測定装置1は、図3に示す測定点A〜Eのそれぞれに設置される。測定点A〜Eは原子炉格納容器30内のドライウェルに配置されている。測定点AおよびBは1本の再循環系配管20に設定され、測定点CおよびDは他の1本の再循環系配管20に設定される。測定点BおよびCは再循環ポンプ21の上流に位置し、測定点AおよびDは再循環ポンプ21の下流に位置する。測定点Eは浄化系ポンプ28の上流で浄化系配管27に設定される。測定点A〜Eでは、一端部が封鎖された分岐管(電極支持管状部材)13が該当する配管12に取り付けられる(図2参照)。分岐管13内は、配管12と連通している。
配管12は、原子炉圧力容器15に連絡されており、内部を冷却水が流れている。分岐管13内も冷却水で満たされている。筺体6に取り付けられた電極ホルダ5は分岐管13内に配置される。筺体6は、気密性を保って分岐管13の封鎖された端部を貫通し、この端部に取り付けられる。電極ホルダ5に取り付けられた作用極3および対極4は、分岐管13に形成されて配管12内に連通する開口部に配置され、その冷却水と接触する。
電極ホルダ5は、作用極3および対極4の間隔を一定に維持するとともに、これらの電極間に十分な電気抵抗を確保する。電極ホルダ5は、例えば、280°Cの冷却水中でも使用可能で且つ耐放射線の高い樹脂(ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂など)および無機絶縁材料(アルミナ、ジルコニアなど)のいずれかで作製される。電極ホルダ5は、作用極3および対極4を固定するため、例えば、電極を挿入するためのスリットを有する。
作用極3および対極4のそれぞれは、同じ面積を有する平板である。配管12内を流れる冷却水と接触する作用極3および対極4の間の水質を、測定部2が配置される位置での配管12を流れる冷却水の水質と等しくするため、作用極3および対極4の間で冷却水を流動させる必要がある。このため、作用極3および対極4は配管12の軸方向において配管12の軸心に平行に配置される。作用極3および対極4は互いに平行に配置され、作用極3と対極4の間の間隔は0.5mmになっている。また、作用極3および対極4は、白金で作られている。作用極3および対極4にそれぞれ接続されたリード線10および11は、異種間金属接触による腐食および熱起電力の発生を抑制するため、少なくとも分岐管13内では、作用極3および対極4と同じ材料、すなわち、白金であることが望ましい。
リード線10および11と筺体12との間には、電気絶縁体(図示せず)が配置され、リード線10および11と筺体12とが電気的に接続されることを防止している。この電気絶縁体は、上記の280°Cの冷却水中でも使用可能かつ耐放射線の高い樹脂および無機絶縁材料のいずれかで作製される。
溶存水素濃度測定装置1を用いた本実施例の原子力プラントの運転方法を、図1に示す手順に基づいて以下に説明する。本実施例の原子力プラントの運転方法は、BWRプラントに適用された運転方法である。測定部2が、前述したように、測定点A〜Eにそれぞれ配置されている。本実施例の溶存水素濃度測定方法の、図1に示すステップS1〜S7の各工程は、BWRプラントの運転中に行われる。このため、測定点A〜Eが設定された再循環系配管20および浄化系配管27内には冷却水が流れており、各測定点に配置された作用極3および対極4は流動している冷却水と接触している。
まず、測定点A〜Eのそれぞれにおける本実施例の溶存水素濃度の測定方法を、ステップS1〜S3の各工程に基づいて説明する。ステップS2およびS3の各演算は、各測定点に対応して配置されたそれぞれの溶存水素濃度測定装置1の演算装置9で行われる。
電極間の交流インピーダンスを測定する(ステップS1)。ポテンショスタット7は、測定点A〜Eのそれぞれに配置された作用極3と対極の間に発生する電位差を測定し、測定された電位差に交流電圧を重畳させた、5〜10mVの範囲内の電圧(例えば、10mV)を作用極3に印加する。周波数応答解析装置8を用いて、作用極3に印加した交流電圧の周波数を変えて作用極3と対極4の間の交流インピーダンスを測定する。変化させる周波数の範囲は、例えば、1mHz〜10Hzである。周波数を変化させて測定された交流インピーダンスは周波数応答解析装置8から演算装置9に入力される。
測定された交流インピーダンスに基づいて水素電極反応の抵抗を算出する(ステップS2)。演算装置9は、入力された交流インピーダンスを、図5に示す等価回路を基に解析する。前述したように、水素電極反応の抵抗R2は、この等価回路を用いた交流インピーダンスの解析結果に基づいて得られたナイキスト線図である、図6に示す半円(低DH)と、実数軸との二つの交点のそれぞれの値(n1およびn2)を求め、これらの値を用いて算出される。
算出した水素電極反応の抵抗を用いて溶存水素濃度を算出する(ステップS3)。演算装置9は、算出した水素電極反応の抵抗R2と、図7に示す水素電極反応の抵抗R2と溶存水素の関係から、溶存水素濃度を算出する。
演算装置9は、ステップS2において、周波数応答解析装置8から出力される交流インピーダンスに基づいてそれぞれの電極の表面の水素電極反応の抵抗を求める第1演算装置、および求められた水素電極反応の抵抗に基づいて電極が接触する冷却水中の溶存水素濃度を求める第2演算装置を有していると言える。
溶存水素濃度が設定溶存水素濃度の下限値未満であるかを判定する(ステップS4)。演算装置9においてステップS3で求めた溶存水素濃度が、制御装置48に入力される。制御装置48は、入力した溶存水素濃度が設定溶存水素濃度の下限値未満であるとき、すなわち、ステップS4の判定が「Yes」であるとき、ステップS5の工程の制御を実施する。設定溶存水素濃度の下限値は30ppbである。冷却水の溶存水素濃度が30ppb未満になると、冷却水の放射線分解により生成される酸化剤(酸素及び過酸化水素)が水素との再結合反応により除去されずに残る可能性がある。水素注入により冷却水の溶存水素濃度を30ppb以上にすると、冷却水中に酸化剤が残る確率が極めて小さくなる。また、入力した溶存水素濃度が設定溶存水素濃度の下限値以上であるとき、すなわち、ステップS4の判定が「No」であるとき、制御装置48はステップS6の工程の制御を実施する。
水素の注入量を増加させる(ステップS5)。溶存水素を含む溶液が、復水器24の下流において水素注入装置46から給水配管25内を流れる冷却水に注入されている。給水配管25への水素の注入量は、制御装置48により、水素注入装置46と給水配管25を接続する注入配管に設けられた制御弁(図示せず)の開度を調節することによって制御される。溶存水素を含む冷却水が、給水配管25を通って原子炉圧力容器15内に導かれる。供給された溶存水素を含む冷却水は、炉心16、再循環系配管20、ドレン配管44、さらには、浄化系配管27に導かれる。ステップS4の判定が「Yes」であるとき、制御装置48による上記の制御弁の開度を増加させることによって、水素注入装置46から給水配管25に注入する水素の注入量を増加させる。この結果、測定点A、B、C、D、Eのそれぞれにおける溶存水素濃度が増加する。つまり、測定点A、B、C、D、Eのそれぞれに配置された溶存水素濃度測定装置1A、1B、1C、1Dおよび1Eのそれぞれの作用極3および対極4に接触する冷却水の溶存水素濃度が増加する。その後、ステップS1〜S3の各工程が実施されて、水素の注入量増加後における測定点A〜Eのそれぞれで冷却水中の溶存水素濃度が測定され、水素濃度の測定値に基づいてステップS4の判定が行われる。
溶存水素濃度が設定溶存水素濃度の上限値以上であるかを判定する(ステップS6)。ステップS3で求めた溶存水素濃度が設定溶存水素濃度の上限値(例えば、70ppb)以上であるとき、制御装置48で行われるステップS4の判定が「No」になる。このとき、制御装置48は、ステップS6の判定、すなわち、「溶存水素濃度が設定溶存水素濃度の上限値以上であるか」の判定を行う。ステップS6の判定が「Yes」であるとき、制御装置48は、ステップS7の工程の制御を実施する。制御装置48が、演算装置9から入力した溶存水素濃度が設定溶存水素濃度の上限値未満であるとき、すなわち、ステップS6の工程での判定が「No」であるとき、ステップS1〜S3の各工程が実施されて、水素の注入量増加後における測定点A〜Eのそれぞれで冷却水中の溶存水素濃度が測定され、水素濃度の測定値に基づいてステップS4の判定が行われる。
原子炉圧力容器15内の冷却水中の溶存水素濃度が70ppb以上になると、蒸気と共にタービン23に供給される放射性窒素の量が著しく増加し、タービン建屋内の線量率が4倍から5倍に増加する。このため、原子炉圧力容器15内の冷却水中の溶存水素濃度が70ppb未満になるように、給水配管25を通して原子炉圧力容器15内の冷却水に水素を注入する必要がある。
水素注入量を減少させる(ステップS7)。制御装置48がステップS6における「溶存水素濃度が設定溶存水素濃度の上限値以上であるか」の判定を行った結果、ステップS6の判定が「Yes」になったとき、制御装置48は水素注入装置46と給水配管25を接続する注入配管に設けられた制御弁(図示せず)の開度を減少させる。水素注入装置46から給水配管25への水素注入量を減少させる。この結果、測定点A、B、C、D、Eのそれぞれに配置された溶存水素濃度測定装置1A、1B、1C、1Dおよび1Eのそれぞれの作用極3および対極4に接触する冷却水の溶存水素濃度が減少する。その後、ステップS1〜S3の各工程が実施されて、水素の注入量増加後における測定点A〜Eのそれぞれで冷却水中の溶存水素濃度が測定され、水素濃度の測定値に基づいてステップS4の判定が行われる。
このように、本実施例の原子力プラントの運転方法では、BWRプラントの運転中、ステップS1〜S7の各工程を繰り返し実施する。
本実施例では、原子力プラントの運転中に、冷却水と接触する表面が貴金属(例えば、白金)である電極間の交流インピーダンスを測定し、測定した交流インピーダンスに基づいて電極表面の水素電極反応の抵抗R2を求め、得られた水素電極反応の抵抗R2に基づいて冷却水中の溶存水素濃度を求めているため、原子力プラントの運転中において冷却水中の溶存水素濃度をより精度良く求めることができる。特に、作用極3および対極4が貴金属(例えば、白金)製であるため、冷却水中の水素が作用極3および対極4との反応性が良くなり、それだけ、測定される交流インピーダンスの値が大きくなる。これは、冷却水の溶存水素濃度の測定精度のさらなる向上に貢献する。
作用極3と対極4の間の交流インピーダンスは、原子炉の運転中における280°C、7MPaの高温高圧条件下で直接冷却水の溶存水素濃度を測定することが可能であり、溶存水素濃度測定装置1を低温部のサンプリング系に設置する必要がない。そのため、冷却水が測定部に到達するまでに溶存水素が反応し消費されてしまうことがなく、運転中のプラントにおいて、冷却水中の溶存水素濃度をより精度良く測定することができる。
本実施例では、溶存水素濃度測定装置1により冷却水の溶存水素濃度を測定するため、冷却水の溶存水素濃度の増減をより精度良く検知することができる。このため、BWRプラントの原子炉圧力容器15内の冷却水への水素の注入量の制御の精度がさらに向上し、適切な水素注入量で冷却水に含まれる酸化剤の濃度を効率良く低減することができる。
上記の実施例では、制御装置48を用いて水素注入装置46と給水配管25を接続する注入配管に設けられた制御弁の開度を増加または減少する制御を行うことにより、ステップS5での水素注入量の増加またはステップS7での水素注入量の減少を行っている。しかし、制御装置48を設置しないで、手動にてその制御弁の開度を調節し、ステップS5での水素注入量の増加またはステップS7での水素注入量の減少を行ってもよい。
本発明の他の好適な実施例である実施例2の原子力プラントの運転方法を、図9を用いて説明する。本実施例の原子力プラントの運転方法では、実施例1と同様に、溶存水素濃度測定装置1が用いられ、溶存水素濃度測定装置1の測定部2の健全性を判断し、さらに、導電率を評価することができる。本実施例では、溶存水素濃度測定装置1が、実施例1と同様に、BWRプラントの図3に示す測定点A〜Eにそれぞれ取り付けられる。
本実施例の原子力プラントの運転方法において実施される図9に示された手順は、実施例1の原子力プラントの運転方法で実施される図1に示された手順において、ステップS2をステップS2Aに替え、そしてステップS3AおよびS3Bの各工程を新たに追加している。図9に示された手順は図1に示されたステップS1及びS3〜S7の各工程を含んでいる。
ステップS1,S2A,S3A,S3B及びS3Cの各工程は、測定点A〜Eのそれぞれに配置された各溶存水素濃度測定装置1で測定された交流インピーダンスを用いて演算装置9で行われる。本実施例の溶存水素濃度の測定方法は、ステップS1,S2A,S3A,S3B及びS3Cの各工程を含んでいる。
実施例1と同様に、電極間の交流インピーダンスを測定する(ステップS1)。
測定された交流インピーダンスに基づいて導電抵抗および溶存水素電極反応の抵抗を算出する(ステップS2A)。演算装置9は、入力された交流インピーダンスを、図5に示す等価回路を基に解析する。水素電極反応の抵抗R2は、実施例1と同様に、交流インピーダンスの解析結果に基づいて得られたナイキスト線図である、図6に示す半円(低DH)と、実数軸との二つの交点のそれぞれの値(n1およびn2)を求め、これらの値を用いて算出される。作用極3と対極4との間、すなわち、電極間の導電抵抗R1は、図6に示す半円(低DH)と実数軸との左側の交点の値(例えば、n1)から算出される。
導電抵抗を用いて測定部の健全性を評価する(ステップS3A)。溶存水素濃度測定装置1の測定部2の健全性の評価は、ステップS2Aで求められた電極間の導電抵抗R1を用いて行われる。例えば、測定部2に含まれる作用極3および対極4のそれぞれの表面積が60mm2であり、作用極3と対極4の間隔が0.5mmであり、さらに、炉水の導電率が10μS/cm以下に管理されているとする。測定部2が健全であれば導電抵抗R1は8.3kΩ以上になる。測定部2が故障して電極ホルダ5または筺体6内に配管12内を流れる冷却水が浸入した場合には、浸入した冷却水を介してリード線10とリード線11がショートするため、導電抵抗R1は8.3kΩ未満になる。このため、ステップS2Aで求められた導電抵抗R1の値に基づいて測定部2の健全性(または故障)を判断することができる。演算装置9は、求めた導電抵抗R1の値が8.3kΩ以上であるか、または8.3kΩ未満であるかを判定する。判定結果は、表示装置(図示せず)に表示される。
導電抵抗を用いて冷却水の導電率を求める(ステップS3B)。ステップS2Aで求められた導電抵抗R1を式(2)に代入することによって、冷却水の導電率σを求めることができる。ここで、Sは電極の表面積、Lは電極間の間隔である。
σ=S/(L×R1) …(2)
本実施例で用いられる演算装置9は、ステップS2Aにおいて、周波数応答解析装置8から出力される交流インピーダンスに基づいて、それぞれの電極の表面の水素電極反応の抵抗を求め、一対の電極間の導電抵抗を求める第1演算装置、ステップS3Cにおいて、求められた水素電極反応の抵抗に基づいて電極が接触する冷却水中の溶存水素濃度を求める第2演算装置、ステップS3Aにおいて、第1演算装置で求められた導電抵抗に基づいて一対の電極を保持する保持部材の健全性を評価する評価装置、およびその導電抵抗に基づいて一対の電極に接触する冷却水の導電率を求める第3演算装置を有していると言える。
本実施例で用いられる演算装置9は、ステップS2Aにおいて、周波数応答解析装置8から出力される交流インピーダンスに基づいて、それぞれの電極の表面の水素電極反応の抵抗を求め、一対の電極間の導電抵抗を求める第1演算装置、ステップS3Cにおいて、求められた水素電極反応の抵抗に基づいて電極が接触する冷却水中の溶存水素濃度を求める第2演算装置、ステップS3Aにおいて、第1演算装置で求められた導電抵抗に基づいて一対の電極を保持する保持部材の健全性を評価する評価装置、およびその導電抵抗に基づいて一対の電極に接触する冷却水の導電率を求める第3演算装置を有していると言える。
本実施例において、ステップS3Bの工程の後に実施されるステップS3Cの工程は、実施例1のステップS3の工程と同じ処理が、演算装置9で実施される。ステップS3Cの工程の後に実施されるステップS4〜S7の各工程は、実施例1と同様に、実施される。本実施例の原子力プラントの運転方法では、BWRプラントの運転中、ステップS1〜S7の各工程を繰り返す。測定点A〜Eにそれぞれ配置された溶存水素濃度測定装置1の測定部2の健全性の評価は、BWRプラントの運転中において、繰り返し実施される。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例では、原子力プラントの運転中において、測定部2の健全性を継続的に判断することができる。さらに、本実施例では、前述したように冷却水の導電率を得ることができる。BWRプラントの原子炉圧力容器15内、および原子炉圧力容器15に連絡される配管(例えば、再循環系配管20等)内を流れる冷却水の導電率が上昇すると、原子力プラント、例えば、BWRプラントのステンレス鋼製の構造部材(炉内構造物及び配管)にSCCを発生させ、SCCによる構造部材のき裂を進展させることが知られている。実施例2では、溶存水素濃度と共に、同じ測定点における冷却水の導電率を測定することができるため、それらの測定値に基づいてBWRプラントに対してより適切な水質管理が可能となる。例えば、貴金属注入を実施しているときに、本実施例により導電率を連続測定し、導電率が設定基準値を超えた場合、貴金属注入量を低下させる、または貴金属注入を停止する。このような操作を行うことにより、冷却水の導電率の上昇を抑えることができ、この結果として、構造部材におけるSCCの発生、およびSCCによるき裂の進展を抑制することができる。
本発明の他の好適な実施例である実施例3の溶存水素濃度測定装置を、図10を用いて説明する。本実施例の溶存水素濃度測定装置1Aは、実施例1の溶存水素濃度測定装置1にエレクトロメータ49を追加した構成を有している。エレクトロメータ49は、作用極4に接続されたリード線11に1本のリード線により接続され、分岐管13が取り付けられる配管12に他のリード線により接続されている。エレクトロメータ49は、リード線11の替りに、作用極3に接続されたリード線10に接続してもよい。溶存水素濃度測定装置1Aの他の構成は実施例1の溶存水素濃度測定装置1と同じである。
溶存水素濃度測定装置1Aは、図3に示すBWRプラントの測定点A〜Eにそれぞれ設置されている。溶存水素濃度測定装置1Aの作用極3および対極4は、水素電極反応を示し、冷却水中において所定の電位(基準電位)を発生する材料、例えば、貴金属である白金で作製される。
溶存水素濃度測定装置1Aを用いた本実施例の原子力プラントの運転方法では、実施例1と同様に、図1に示されたステップS1〜S7の各工程が繰り返し実施される。
溶存水素濃度測定装置1Aでは、エレクトロメータ49が、対極4(または作用極3)が示す基準電位と、配管12が接触する冷却水の温度、この冷却水に含まれる溶存水素、溶存酸素および過酸化水素のそれぞれの濃度、および流れている冷却水の流速の条件下で、溶存水素濃度測定装置1Aが設置された配管12が有する電位との電位差を測定する。測定されたこの電位差に基づいて、その配管12の腐食電位を求める。
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。さらに、本実施例は、作用極3と対極4の間に発生する交流インピーダンスに基づいて配管12内を流れる冷却水の溶存水素を求めると共に、同じ測定点における構造部材、すなわち、配管12の腐食電位を測定することができる。このため、溶存水素濃度に基づく水素注入量の制御とともに、水素注入によるSCC抑制効果を、測定された腐食電位を指標に確認することができる。
溶存水素濃度測定装置1Aを用いた本実施例の原子力プラントの運転方法では、実施例1で実施される、図1に示されたステップS1〜S7の各工程の替りに、実施例2で実施される、図9に示されたステップS1,S2A,S3A,S3B,S3C及びS4〜S7の各工程を実施してもよい。この場合には、実施例2で生じる各効果を得ることができる。
本発明の他の好適な実施例である実施例4の溶存水素濃度測定方法を、図11を用いて説明する。本実施例の溶存水素濃度測定方法では、溶存水素濃度測定装置として実施例1で用いられる溶存水素濃度測定装置1が使用される。本実施例では、溶存水素濃度測定装置1の測定部2は、BWRプラントの原子炉圧力容器15内に設置された局所出力領域モニタ(中性子検出器)35内に配置される。
局所出力領域モニタ35の配置構造は、例えば、特開平9−90087号公報に記載されているが、概要を以下に説明する。複数の局所出力領域モニタ35が、炉心16に装荷された複数の燃料集合体の間に配置される。各局所出力領域モニタ35は、原子炉圧力容器15内で、炉心16の下端部に配置された炉心支持板34の下方に設置された複数の局所出力領域モニタ外管(以下、LPRM外管という)38内まで別々に伸びている。すなわち、局所出力領域モニタ35は、各LPRM外管38内にそれぞれ配置されている。炉心支持板34より上方に位置する上部孔36および炉心支持板34より下方に位置する下部孔37が各局所出力領域モニタ35に形成される。外管孔40がLPRM外管38の上端部に形成される。各LPRM外管38は、原子炉圧力容器15の下鏡33を貫通し、下鏡33に溶接にて取り付けられた複数の局所出力領域モニタハウジング(以下、LPRMハウジングという)41に接続される。ハウジング孔39が、原子炉圧力容器15内でLPRMハウジング41の上端部に形成される。局所出力領域モニタフランジ(以下、LPRMフランジという)42が、LPRMハウジング41の下端に取り付けられ、LPRMハウジング41を封鎖する。局所出力領域モニタ35はLPRMフランジ41を貫通して下方に伸びる。
局所出力領域モニタ35内に配置された測定部2は、電極ホルダ5の下端に取り付けられた筺体6を局所出力領域モニタ35の内面に取り付けることによって、測定部2と局所出力領域モニタ35が接触しない状態で固定される。筺体6の下面に気密性を保って取り付けられたケーブル管45が、局所出力領域モニタ35、LPRM外管38およびLPRMハウジング41内を通ってLPRMフランジ42を貫通し、LPRMハウジング41の外部に達している。作用極3に接続されたリード線10および対極4に接続されたリード線11が、ケーブル管45内に配置され、LPRMハウジング41の外部に達している。リード線10,11はポテンショスタット7に接続される。
原子炉圧力容器15内の冷却水は、ハウジング孔39からLPRMハウジング41内に流入し、LPRM外管38内を上昇する。この冷却水は、下部孔37から局所出力領域モニタ35内を通って上昇し、その後、局所出力領域モニタ35の上部孔36から流出する。
測定部2の作用極3および対極4は、局所出力領域モニタ35内を上昇する冷却水に接触する。この冷却水中の溶存水素濃度は、水素注入量増加時には上昇し、水素注入量減少時には低下する。BWRプラントの運転中において、実施例1と同様に、ステップS1〜S3の各工程が実施され、作用極3および対極4が配置された位置での局所出力領域モニタ35内の溶存水素濃度を求めることができる。
本実施例の溶存水素濃度測定方法を適用した原子力プラントの運転方法では、ステップS1〜S3の各工程と共に、ステップS4〜S7の各工程も実施される。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、作用極3および対極4を局所出力領域モニタ35内に配置することによって、局所出力領域モニタ35を分岐管13の替りに用いることができる。
本実施例において、実施例1で実施される、図1に示されたステップS1〜S7の各工程の替りに、実施例2で実施される、図9に示されたステップS1,S2A,S3A,S3B,S3C及びS4〜S7の各工程を実施してもよい。この場合には、実施例2で生じる各効果を得ることができる。
さらに、本実施例において、溶存水素濃度測定装置1の替りに、溶存水素濃度測定装置1Aを局所出力領域モニタ35内に配置してもよい。この場合には、実施例3で生じる各効果を得ることができる。この場合には、エレクトロメータ49が原子炉圧力容器15外に配置され、エレクトロメータ49は、原子炉圧力容器15外において、リード線10または11および局所出力領域モニタ35に接続される。
実施例1乃至4は、加圧水型原子力プラントに適用することができる。
1,1A…溶存水素濃度測定装置、2…測定部、3…作用極、4…対極、5…電極ホルダ、6…筐体、7…ポテンショスタット、8…周波数応答解析装置、9…演算装置、12…配管、13…分岐管、15…原子炉圧力容器、19…ダウンカマ、20…再循環系配管、27…浄化系配管、34…炉心支持板、35…局所出力領域モニタ、38…局所出力領域モニタ外管、41…局所出力領域モニタハウジング、46…水素注入装置、49…エレクトロメータ、A、B、C、D、E…測定点。
Claims (10)
- 冷却水と接触する原子力プラントの構造部材に取り付けられた保持部材に設けられて表面が貴金属である一対の電極間に、前記冷却水が前記一対の電極の表面に接触している状態で、前記電極間に交流電圧を印加し、前記電極間の交流インピーダンスを測定し、前記測定された交流インピーダンスに基づいて前記電極表面の水素電極反応の抵抗を求め、求められた前記水素電極反応の抵抗に基づいて前記冷却水の溶存水素濃度を求めることを特徴とする溶存水素濃度の測定方法。
- 前記構造部材が前記原子力プラントの原子炉圧力容器に接続された配管であり、前記一対の電極が設けられた前記保持部材が、前記配管に連通して前記配管に取り付けられた電極支持管状部材に取り付けられ、前記一対の電極が前記電極支持管状部材内に配置されて前記配管内を流れる前記冷却水と接触しているとき、前記求められる溶存水素濃度が前記配管を流れる冷却水の溶存水素濃度である請求項1に記載の溶存水素濃度の測定方法。
- 前記測定された交流インピーダンスに基づいて前記一対の電極間の導電抵抗を求め、前記導電抵抗に基づいて前記一対の電極を保持する前記保持部材の健全性を評価する請求項1または2に記載の溶存水素濃度の測定方法。
- 前記測定された交流インピーダンスに基づいて前記一対の電極間の導電抵抗を求め、前記導電抵抗に基づいて前記冷却材の導電率を求める請求項1に記載の溶存水素濃度の測定方法。
- 前記構造部材の測定点に配置された前記一対の電極のうちの1つの前記電極を用いて前記測定点での前記構造部材の腐食電位を測定する請求項1に記載の溶存水素濃度測定方法。
- 前記構造部材が、前記原子力プラントの原子炉圧力容器内に配置された中性子検出器であり、前記中性子検出器内に、前記保持部材に設けられた前記一対の電極が配置されているとき、前記求められる溶存水素濃度が前記中性子検出器内を流れる冷却水の溶存水素濃度である請求項1に記載の溶存水素濃度測定方法。
- 保持部材に互いに対向して取り付けられて表面が貴金属である一対の電極と、それぞれの電極にリード線により接続されたポテンショスタットと、前記ポテンショスタットに接続された周波数応答解析装置と、前記周波数応答解析装置から出力される交流インピーダンスに基づいて前記電極表面の水素電極反応の抵抗を求める第1演算装置と、前記水素電極反応の抵抗に基づいて前記電極が接触する冷却材中の溶存水素濃度を求める第2演算装置とを備えたことを特徴とする溶存水素濃度測定装置。
- 前記周波数応答解析装置から出力される交流インピーダンスに基づいて、前記水素電極反応の抵抗および前記一対の電極間の導電抵抗を求める前記第1演算装置、前記導電抵抗に基づいて前記一対の電極を保持する前記保持部材の健全性を評価する評価装置、および前記導電抵抗に基づいて前記冷却材の導電率を求める第3演算装置を有する請求項7に記載の溶存水素濃度測定装置。
- 前記一対の電極相互間の間隔が0.5〜3.0mmの範囲内である請求項7または8に記載の溶存水素濃度測定装置。
- 原子力プラント運転中に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の溶存水素濃度測定方法によって求められた前記溶存水素濃度が設定溶存水素濃度の下限値未満であるとき、前記原子力プラントの冷却水に注入する水素の量を増加させ、前記溶存水素濃度測定方法によって求められた前記溶存水素濃度が前記設定溶存水素濃度の上限値以上であるとき、前記原子力プラントの冷却水に注入する水素の量を減少させることを特徴とする原子力プラントの運転方法。
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JP2013257701A JP2015114251A (ja) | 2013-12-13 | 2013-12-13 | 溶存水素濃度の測定方法、溶存水素濃度測定装置および原子力プラントの運転方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017044609A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 腐食環境センサ |
US10457583B2 (en) | 2016-03-31 | 2019-10-29 | Hitachi-Ge Nuclear Energy, Ltd. | Method for relieving corrosive environment of boiling water reactor, nuclear power plant, and method for injecting noble metal which is carried out in nuclear power plant |
CN112466491A (zh) * | 2020-11-18 | 2021-03-09 | 三门核电有限公司 | 一种用于压水堆一回路冷却剂中溶解氢含量的在线测定系统及方法 |
JP7446960B2 (ja) | 2020-09-10 | 2024-03-11 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 予測モデル構築装置および予測装置 |
JP7480641B2 (ja) | 2020-08-28 | 2024-05-10 | 三浦工業株式会社 | 水質センサ取付部材、水質センサ取付構造及びボイラ |
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2013
- 2013-12-13 JP JP2013257701A patent/JP2015114251A/ja active Pending
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