JP2010037150A - 中空シリカ粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)粉末X線回折測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、窒素吸着法によるBET比表面積が30m2/g以下である中空シリカ粒子の製造方法であって、中空構造でありかつ外殻部にメソ細孔を有するBET表面積が100m2/g以上のメソポーラスシリカ粒子のメソ細孔内に、非酸化性雰囲気での焼成により炭化する炭素含有化合物を充填し、非酸化性雰囲気下で800℃以上で焼成して炭素支持体とした後、酸化性雰囲気下で加熱して、該炭素支持体を除去する工程を含む中空シリカ粒子の製造方法、及び(2)粉末X線回折測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、平均粒子径が0.05〜2μmであり、かつ窒素吸着法によるBET比表面積が30m2/g以下である中空シリカ粒子である。
【選択図】なし
Description
中空シリカ粒子の製造方法としては、O/W型又はW/O型乳化系を用いる方法が一般的であり、通常、低温で真空乾燥することにより多孔質の中空シリカ粒子を得ている。得られる中空シリカ粒子の粒子径は数μm以上であり、粒子径がより小さく、かつ比表面積が小さいものは得られていない。比表面積が小さい材料は、水の吸着等による機能の低下が少ないため有用である。
例えば、特許文献1には、界面活性剤を含むケイ酸溶液から得られるシリカゲル粉末を高温下(1200℃程度)で発泡させ、ガラス化させることによる中空シリカ粒子の製造方法が開示されている。しかし、この方法で得られる中空シリカ粒子の平均粒子径は20〜70μm程度と大きいものである。
特許文献2には、O/W型乳化液をO/W/O型乳化液とした後、水溶性沈殿を形成することによる中空多孔質粒子の製造方法が開示されているが、得られる粒子の平均粒子径は1〜20μm程度である。
特許文献4には、W/O乳化系を用いる中空多孔質シリカ粒子の製造方法が開示されているが、得られる粒子の平均粒子径は3.5μm程度である。
特許文献5には、第四級アンモニウム塩と有機基を有するシリカ源を含有する水溶液を10〜100℃で撹拌して複合体を析出させた後、焼成又は抽出処理し、該複合体から第四級アンモニウム塩を除去することによる中空シリカ粒子の製造方法が開示されている。この中空シリカ粒子の平均細孔径は1〜10nmであるが、その比表面積は700m2/g以上である。
さらに、非特許文献1には、平均細孔径は7nm程度のシリカ粒子(中実)のメソ細孔内に支持体を充填して焼成し、その後にメソ細孔内に充填した支持体を除去する方法が開示されているが、得られる中実シリカ粒子の比表面積は200m2/g以上であり、比表面積を大幅に低減させることは困難である。
(1)粉末X線回折測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、窒素吸着法によるBET比表面積が30m2/g以下である中空シリカ粒子の製造方法であって、中空構造でありかつ外殻部にメソ細孔を有するBET表面積が200m2/g以上のメソポーラスシリカ粒子(以下、処理後の中空シリカ粒子と区別するために、中空メソポーラスシリカ粒子(M)という場合がある)のメソ細孔内に、非酸化性雰囲気での焼成により炭化する炭素含有化合物を充填し、非酸化性雰囲気下で800℃以上で焼成して炭素支持体とした後、酸化性雰囲気下で加熱して、該炭素支持体を除去する工程を含む、中空シリカ粒子(P)(以下、処理前の中空メソポーラスシリカ粒子(M)と区別するために、中空シリカ粒子(P)という場合がある)の製造方法。
(2)粉末X線回折測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、平均粒子径が0.05〜2μmであり、かつ窒素吸着法によるBET比表面積が30m2/g以下である、中空シリカ粒子。
なお前記(M)や(P)は本発明を理解し易くするための表現手段であって、本発明で規定する構成及び物性以外の意味を限定するものではない。
以下、本発明の各工程、及びそこで用いる各成分等について説明する。
まず、本発明の中空シリカ粒子(P)の製造のために、中空メソポーラスシリカ粒子(M)を製造する必要がある。本発明において原料となる中空メソポーラスシリカ粒子(M)の製造方法は特に制限されないが、下記工程A〜Dを含む方法が好ましい。
工程A:ポリマー粒子(a−1)を0.1〜50グラム/L、又は疎水性有機化合物(a−2)を0.1〜100ミリモル/Lと、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程。
[R1(CH3)3N]+X- (1)
[R1R2(CH3)2N]+X- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程B:工程Aで得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、シリカから構成される外殻を有し、かつ核にポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を有するプロトコアシェル型シリカ粒子の水分散液を調製する工程
工程C:工程Bで得られた水分散液からコアシェル型シリカ粒子を分離する工程
工程D:工程Cで得られたコアシェル型シリカ粒子を焼成、又は有機溶剤による溶出処理を行って、中空メソポーラスシリカ粒子(M)を得る工程
[工程A]
[ポリマー粒子(a−1)]
工程Aで用いられるポリマー粒子(a−1)としては、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマーの粒子が好ましく、実質的に水不溶性のポリマーが好ましい。
工程A〜Dで用いられるポリマー粒子の平均粒子径は、本発明の中空シリカ粒子の特徴である、微小粒子径であってかつ粒子径分布が揃った化合物を得る目的の上で、好ましくは0.02μm〜1μm、より好ましくは0.05μm〜0.9μm、さらに好ましくは0.1μm〜0.8μm、特に好ましくは0.12μm〜0.7μmであることが望ましい。またポリマー粒子は、好ましくは粒子全体の80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有しており、非常に揃った粒子径の粒子群から構成されていることが望ましい。
カチオン性ポリマーとしては、連続相を水系とする媒体中に、陽イオン界面活性剤の存在下で、ポリマーエマルジョンとなって分散可能であるポリマーが好ましく、陽イオン界面活性剤の存在下でカチオン性モノマー、特にはカチオン性基を有するエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を、公知の方法で乳化重合して得られるものが好ましい。
カチオン性モノマーとしては、アミノ基を有する単量体の酸中和物、又は該単量体を4級化剤で4級化した第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
カチオン性モノマーの具体例としては、ジアルキルアミノ基又はトリアルキルアンモニウム基を有する(メタ)アクリレートがより好ましく、ジアルキルアミノ基又はトリアルキルアンモニウム基を有する(メタ)アクリレートが最も好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート又はそれらの両方を意味する。
カチオン性ポリマーを構成するカチオン性モノマー構成単位は少量でよく、カチオン性ポリマーを構成する殆どが疎水性モノマー由来の構成単位によって構成されていてもよい。カチオン性ポリマーに占めるカチオン性モノマー構成単位と疎水性モノマー由来の構成単位の合計量は、70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは95〜100質量%である。特に〔(カチオン性モノマー由来の構成単位)/(疎水性モノマー由来の構成単位)〕の重量比は、粒子形成性の観点から、好ましくは0.001〜0.5、より好ましくは0.002〜0.3、特に好ましくは0.003〜0.1である。
ノニオン性ポリマーは、水溶液中で荷電を有しないポリマーを意味する。ノニオン性ポリマーは、荷電を有しないモノマーすなわちノニオン性モノマーを由来とするポリマーであり、公知の乳化重合法、無乳化剤重合法等によりノニオン性モノマーを重合して得ることができる。
ノニオン性モノマーとしては、カチオン性ポリマーの説明で挙げた疎水性モノマー(段落〔0015〕)を挙げることができる。その好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数3〜22、より好ましくは炭素数3〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、及びスチレンから選ばれる一種以上が挙げられる。
ノニオン性ポリマーの具体例としては、ポリスチレン、エチルアクリレート・エチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート・メチルメタクリレート共重合体、オクチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・ブチルアクリレート・オクチルアクリレート共重合体、酢酸ビニル・スチレン共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、ブチルアクリレート、ポリスチレンアクリル酸樹脂等が挙げられる。
ポリマーは中空メソポーラスシリカ粒子(M)の製造上、実質的に水に溶解しないものが用いられ、そのために疎水性モノマーの重合比率を高める方法、架橋する方法等を採用できる。
かかるポリマーの好適例として、アルキル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる疎水性モノマーとカチオン性基を有する(メタ)アクリレートとのコポリマー、並びにアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる一種以上の疎水性モノマーからなるノニオン性ポリマーを挙げることができる。
上記のポリマーは、単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
ポリマー粒子の形状、形態は特に制限はなく、複合シリカ粒子の使用目的に応じて、粒子の大きさを変えたり、真球状、卵状等に形成することができる。ポリマー粒子の大きさや粒径分布を変えることで、中空メソポーラスシリカ粒子(M)の粒径や中空部分の大きさを適宜調製することができる。
本発明において、疎水性有機化合物(a−2)とは、水に対する溶解性が低く、水と分相を形成する化合物を意味する。好ましくは、前記の第四級アンモニウム塩の存在下で分散可能な化合物である。このような疎水性有機化合物としては、LogP値が1以上、好ましくは2〜25の化合物が挙げられる。
(c)疎水性有機化合物としては、例えば、炭化水素化合物、エステル化合物、炭素数6〜22の脂肪酸、炭素数6〜22のアルコール及びシリコーンオイル等の油剤や、香料、農薬、医薬等の各種基材等を挙げることができる。
疎水性有機化合物を用いる場合、中空メソポーラスシリカ粒子(M)の粒径や中空部分の大きさは、疎水性有機化合物の液滴の大きさに影響されるので、疎水性有機化合物の融点、反応温度、攪拌速度、使用する界面活性剤等により適宜調整することができる。
第四級アンモニウム塩(b)は、メソ細孔の形成とポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)の分散のために用いられる。
前記一般式(1)及び(2)におけるR1及びR2は、炭素数4〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数8〜16の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。炭素数4〜22のアルキル基としては、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種エイコシル基等が挙げられる。
一般式(1)及び(2)におけるXは、高い結晶性を得るという観点から、好ましくはハロゲンイオン、水酸化物イオン、硝酸化物イオン、硫酸化物イオン等の1価陰イオンから選ばれる1種以上である。Xとしては、より好ましくはハロゲンイオンであり、更に好ましくは塩素イオン又は臭素イオンであり、特に好ましくは臭素イオンである。
一般式(2)で表されるジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、ジブチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
これらの第四級アンモニウム塩(b)の中では、規則的なメソ細孔を形成させる観点から、特に一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド又はアルキルトリメチルアンモニウムクロリドがより好ましく、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド又はドデシルトリメチルアンモニウムクロリドが特に好ましい。
シリカ源(c)は、アルコキシシラン等の加水分解によりシラノール化合物を生成するものであり、下記一般式(3)〜(7)で示される化合物を挙げることができる。
SiY4 (3)
R3SiY3 (4)
R3 2SiY2 (5)
R3 3SiY (6)
Y3Si−R4−SiY3 (7)
(式中、R3はそれぞれ独立して、ケイ素原子に直接炭素原子が結合している有機基を示し、R4は炭素原子を1〜4個有する炭化水素基又はフェニレン基を示し、Yは加水分解によりヒドロキシ基になる1価の加水分解性基を示す。)
より好ましくは、一般式(3)〜(7)において、R3がそれぞれ独立して、水素原子の一部がフッ素原子に置換していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基であり、具体的には炭素数1〜22、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜18、特に好ましくは炭素数8〜16のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R4が炭素数1〜4のアルカンジイル基(メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基等)又はフェニレン基であり、Yが炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜8、特に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、又はフッ素を除くハロゲン基である。
・一般式(3)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であるシラン化合物。
・一般式(4)又は(5)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であり、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるトリアルコキシシラン又はジアルコキシシラン。
一般式(6)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であり、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるモノアルコキシシラン。
・一般式(7)において、Yがメトキシ基であって、R4がメチレン基、エチレン基又はフェニレン基である化合物。
これらの中では、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、1,1,1−トリフルオロプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
(a−1)成分の含有量は、好ましくは0.1〜50グラム/L、より好ましくは0.3〜40グラム/L、特に好ましくは0.5〜30グラム/Lである。
(a−2)成分の含有量は、0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lである。
(b)成分の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lであり、(c)成分の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lである。
(a)〜(c)成分を含有させる順序は特に制限はない。例えば、(i)水溶液を撹拌しながら(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分の順に投入する、(ii)水溶液を撹拌しながら(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分を同時に投入する、(iii)(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分の投入後に撹拌する、等の方法を採用することができるが、これらの中では(i)の方法が好ましい。
(a)〜(c)成分を含有する水溶液には、コアシェル粒子の形成を阻害しない限り、その他の成分として、メタノール等の有機化合物や、無機化合物等の他の成分を添加してもよく、前記のように、シリカや有機基以外の他の元素を担持したい場合は、それらの金属を含有するアルコキシ塩やハロゲン化塩等の金属原料を製造時又は製造後に添加することもできる。
工程Bはコアシェル型シリカ粒子の水分散液を調製する工程である。工程Aで得られる水溶液を10〜100℃、好ましくは10〜80℃の温度で所定時間撹拌した後、静置することで、ポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)の表面に、第四級アンモニウム塩(b)とシリカ源(c)によりメソ細孔が形成され、内部にポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を包含したコアシェル型シリカ粒子を析出させることができる。撹拌処理時間は温度によって異なるが、通常10〜80℃で0.1〜24時間でコアシェル型シリカ粒子が形成される。なお、この時点で得られるコアシェル型シリカ粒子のメソ細孔には製造の際に用いた界面活性剤が詰った状態にある。
工程Bで得られたコアシェル型シリカ粒子に陽イオン界面活性剤等を含む場合は、酸性溶液と1回又は複数回接触させることにより陽イオン界面活性剤等を除去することができる。用いる酸性溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;陽イオン交換樹脂等を水やエタノール等に加えた液が挙げられるが、塩酸が特に好ましい。pHは通常1.5〜5.0に調整される。
上記の方法により細孔から界面活性剤が除去された粒子は、メソ細孔構造を表面に有し、比表面積の高い、ポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を包含するコアシェル型シリカ粒子である。
工程Cは、工程Bで得られた水分散液からコアシェル型シリカ粒子を分離する工程であり、工程Dは、工程Cで得られたコアシェル型シリカ粒子を焼成又は有機溶剤による溶出処理によりコア物質を溶出して、中空メソポーラスシリカ粒子(M)を得る工程である。
工程Cでは、水分散液からコアシェル型シリカ粒子を分離し、必要に応じて、酸性水溶液と接触、水洗、乾燥することができる。また、高温で処理した後、工程Dでは、電気炉等で好ましくは350〜800℃、より好ましくは450〜700℃で、1〜10時間焼成し、内部のポリマー(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を除去する。またコア部分が疎水性有機化合物で構成されている場合は、コアの材質やメソ細孔の大きさに依存するが、有機溶剤で溶出させることもできる。得られる中空メソポーラスシリカ粒子(M)は、その外殻部の基本構成は変わらないが、内部のポリマー(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)は焼成又は有機溶剤による溶出により除去されている。
本発明においては、ポリマー(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を包含するコアシェル型シリカ粒子を焼成するため、特に内包されるポリマー粒子(a−1)の形状、形態を所望の状態に予め制御しておくことにより、所望の形状、形態を有する中空メソポーラスシリカ粒子(M)を容易に製造することができる。例えば、内部に真球状のポリマーを有するコアシェル型シリカ粒子を焼成することにより、内部中空及び外形が真球状の中空メソポーラスシリカ粒子(M)を製造することができる。
得られた中空メソポーラスシリカ粒子(M)のメソ細孔構造の平均細孔径は、好ましくは1〜5nm、より好ましくは1〜4nm、更に好ましくは1〜3nmであり、該メソ細孔径は、中空メソポーラスシリカ粒子(M)の70質量%以上、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上が平均細孔径の±30質量%以内に入ることが望ましい。
また、中空メソポーラスシリカ粒子(M)の比表面積は、好ましくは100〜1500m2/g、より好ましくは200〜1400m2/g、更に好ましくは300〜1300m2/gである。
中空メソポーラスシリカ粒子(M)の平均粒子径は、好ましくは0.05〜2μm、より好ましくは0.05〜1.5μm、更に好ましくは0.1〜1.2μmである。中空メソポーラスシリカ粒子(M)は、好ましくは一次粒子全体の80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が平均粒子径±30%以内の一次粒子径を有しており、非常に揃った粒子径の粒子群から構成されていることが望ましい。
外殻部(メソポーラスシリカ部)の平均厚みは、中空メソポーラスシリカ粒子(M)が担体としての強度を維持できる範囲で薄い方が好ましく、中空部の平均直径(平均容積)は、内包物を多く保持する観点から大きい方が好ましい。これらの観点から、外殻部の平均厚みは、通常0.5〜500nm、好ましくは2〜400nm、より好ましくは3〜300nmである。
また、〔外殻部の平均厚み/中空メソポーラスシリカ粒子(M)の平均粒子径〕の比は、通常0.01〜0.9、好ましくは0.05〜0.8、より好ましくは0.1〜0.7である。
中空メソポーラスシリカ粒子(M)の平均粒子径、平均外殻厚み、比表面積、平均細孔径、及び粉末X線回折(XRD)パターンの測定は、実施例記載の方法により行うことができる。
本発明では前記で得られた中空メソポーラスシリカ粒子(M)のメソ細孔内に、まず支持体の原料となる炭素含有化合物を充填する。
[炭素含有化合物]
本発明で用いられる炭素含有化合物は、非酸化性雰囲気での焼成により炭化する化合物であればよく、その他に特に制限はない。炭化含有化合物は、炭化することによりメソ細孔内で支持体として働く。
炭素含有化合物の中では、残炭率が高く酸素を含む化合物が好ましく、例えば、糖類、アルコール類、フェノール類、エーテル類、アルデヒド類、エステル類、カルボン酸類等が挙げられる。また、炭素、酸素、水素以外の原子を含んでいてもよい。
これらの中では、特に糖類又はその誘導体が好ましい。糖類としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、タロース等の単糖類、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、トレハロース、スクロース等の二糖類、マルトトリオース、イソマルトトリオース等の三糖類、でんぷんやセルロース、デキストリン等の多糖類が挙げられる。また、糖類の誘導体としては、天然多糖の部分加水分解から得られるオリゴ糖、及び前記の糖類に置換基を導入した化合物(糖誘導体)が挙げられる。導入可能な置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基等が好ましい。
これらの糖類の中では、中空メソポーラスシリカ粒子(M)のメソ細孔内への充填のし易さ、加熱処理の容易さ、価格等の観点から、重合度1〜5である単糖、少糖類、オリゴ糖、及びそれらの糖の少なくとも一つの水酸基の水素原子がアルキル基で置換された化合物から選ばれる一種以上が好ましく、グルコース等の単糖類、スクロース等の二糖類がより好ましい。
中空メソポーラスシリカ粒子(M)のメソ細孔内への炭素含有化合物の充填方法に特に制限はないが、炭素含有化合物を含む溶液又は分散液中を中空メソポーラスシリカ粒子(M)と接触させる方法が簡便で好ましい。より具体的な好適例としては、中空メソポーラスシリカ粒子(M)に、糖類又はその誘導体と濃硫酸等の酸と水とからなる溶液を接触させ、必要に応じて、減圧下及び/又は加熱下で水を除去していき、中空メソポーラスシリカ粒子(M)のメソ細孔内で酸の濃度を高めていって糖類又はその誘導体の脱水縮合を進め、そのメソ細孔内に炭素含有化合物が充填された粉末を得る方法が挙げられる。この操作は、必要に応じて繰り返し行うことができる。
中空メソポーラスシリカ粒子(M)と炭素含有化合物を接触させる温度に特に制限はなく、通常100℃以下、好ましくは室温〜90℃である。
非酸化性雰囲気下での焼成処理は、中空メソポーラスシリカ粒子(M)のメソ細孔内に充填された炭素含有化合物を、非酸化性雰囲気下で800℃以上で焼成することにより、前記炭素含有化合物をメソ細孔の炭素支持体に変換する工程である。
非酸化性雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、炭酸ガス、又はこれらの混合ガスを系内に導入することにより形成することができる。これらの非酸化性ガスの中では、極性の小ささ、取扱い上の便宜等の観点から、窒素ガスがより好ましい。非酸化性雰囲気は、真空であってもよく、また加圧されていてもよい。
また、炭素含有化合物を焼成する際には、その昇温、温度保持及び降温の各過程で前記のガスの種類や組成を変えて、非酸化性雰囲気を適宜調整して焼成を行なうことができる。例えば、昇温過程では雰囲気を真空とし、温度保持過程及び降温過程でその雰囲気に非酸化性ガスを導入することもできる。
炭素含有化合物を焼成する温度は、炭素含有化合物を十分に炭化させ、炭化後に支持体としての機能を発揮させ、かつ比表面積を30m2/g以下にする観点から、800℃以上であり、好ましくは900℃以上、より好ましくは950℃以上である。その上限は、熱効率観点から、1500℃以下である。焼成時間は焼成温度等により異なるが、通常0.2〜10時間、好ましくは0.5〜6時間、より好ましくは1〜4時間である。
酸化性雰囲気下での加熱処理は、メソ細孔内に充填された炭素支持体を、酸化性雰囲気下で加熱して、除去する工程である。
炭素支持体の加熱温度は、炭素支持体を完全に燃焼させて除去する観点から、好ましくは600℃以上、より好ましくは600〜1000℃であり、更に好ましくは650〜950℃であり、特に好ましくは700〜900℃である。加熱時間は加熱温度等により異なるが、通常0.2〜10時間、好ましくは0.5〜6時間、より好ましくは1〜4時間である。
本発明においては、非酸化性雰囲気下での焼成処理により、中空メソポーラスシリカ粒子(M)のメソ細孔内に一旦炭素支持体が充填された状態になっているため、これを酸化性雰囲気下で加熱することにより、比表面積が30m2/g以下で、平均粒子径が0.05〜2μmである中空シリカ粒子(P)を安定して効率よく製造することができる。
前記製造方法によって得られた中空シリカ粒子(P)は、粉末X線回折測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、平均粒子径が0.05〜2μmであり、かつ窒素吸着法によるBET比表面積(以下、単に「比表面積」ともいう)が30m2/g以下であることを特徴とする。
中空シリカ粒子(P)の平均粒子径は、用途等を考慮して適宜調整しうるが、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.12〜0.8μm、更に好ましくは0.15〜0.7μmである。この中空シリカ粒子は、好ましくは粒子全体の80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有しており、非常に揃った粒子径の粒子群から構成されていることが望ましい。
また、中空シリカ粒子(P)の窒素吸着法による比表面積は、空気等を安定保持させる等の観点から、30m2/g以下であり、好ましくは10m2/g以下であり、より好ましくは8m2/g以下である。また下限値は、厳密には粒子の単純な比表面積に近くなり、0.1m2/g以上である。
本発明の中空シリカ粒子(P)の外殻部の細孔構造の平均細孔径は好ましくは1nm未満である。ここで平均細孔径とは、細孔径分布においてピーク値を示す細孔径を意味する。1nm未満の平均細孔径は、窒素吸着による測定方法による場合、ピーク値が1nm以上に存在せず、細孔径分布において測定下限細孔径1nmにテーリングが見られること、その上で30m2/g以下の比表面積が得られていることから判断される。これは中空シリカ粒子(P)の細孔径が、本発明の製造方法によって窒素分子の大きさよりも小さくなるためであり、1nm以下の細孔を測定できない窒素吸着法では、比表面積が処理前の中空メソポーラスシリカ粒子(M)よりも低下する一方で、X線回折法による分析で、外殻部に規則的な細孔の存在を示すピークが検出される。
また、〔外殻部の平均厚み/中空シリカ粒子(P)の平均粒子径〕の比は、通常0.01〜0.9、好ましくは0.05〜0.8、より好ましくは0.1〜0.7である。
中空シリカ粒子(P)の平均粒子径、外郭部の平均厚みは、後述する原料となる中空メソポーラスシリカ粒子(M)の製造条件、中空部位形成材料の粒子径、焼成条件等により適宜調整することができる。
(1)粉末X線回折(XRD)の測定
粉末X線回折装置(理学電機工業株式会社製、商品名:RINT2500VPC)を用いて、X線源:Cu-kα、管電圧:40mA、管電流:40kV、サンプリング幅:0.02°、発散スリット:1/2°、発散スリット縦:1.2mm、散乱スリット:1/2°、及び受光スリット:0.15mmの条件で粉末X線回折測定を行った。走査範囲を回折角(2θ)1〜70°、走査速度を4.0°/分とした連続スキャン法を用いた。なお、測定は、粉砕した試料をアルミニウム板に詰めて行った。
(2)粒子形状の観察
電解放射型高分解能走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所社製、商品名:FE−SEM S−4000)を用いて粒子形状の観察を行った。
(3)平均一次粒子径、平均中空部径、及び平均外殻部厚みの測定
透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製、商品名:JEM−2100)を用いて加速電圧160kVで粒子の観察を行った。20〜30個の粒子が含まれる5視野中の全粒子の直径、中空部径、及び外殻部厚みを写真上で実測し、平均一次粒子径、平均中空部径、及び平均外殻部厚みを求めた。なお、観察は、高分解能用カーボン支持膜付きCuメッシュ(応研商事株式会社製、200−Aメッシュ)に付着させ、余分な試料をブローで除去したものを用いて行った。
比表面積・細孔分布測定装置(株式会社島津製作所製、商品名:ASAP2020)を用いて、液体窒素を用いた多点法でBET比表面積を測定し、パラメータCが正になる範囲で値を導出した。平均細孔径の導出にはBJH法を採用し、そのピーク値の細孔径を平均細孔径とした。試料には250℃で5時間の前処理を施した。
2L−セパラフルフラスコに、イオン交換水600部、メタクリル酸メチル99.5部、塩化メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム0.5部を入れ、内温70℃まで昇温させた。次いで、これに、水溶性開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩(和光純薬株式会社製、商品名:V−50)0.5部をイオン交換水5部に溶かした溶液を添加し、3時間加熱撹拌(300rpm)を行った。
その後、さらに75℃で3時間加熱撹拌(300rpm)を行って冷却した後、得られた混合液から凝集物を200メッシュ(目開き約75μm)でろ過し、カチオン性ポリマー粒子の懸濁液(固形分(有効分)含有量14質量%、平均一次粒子径280nm、平均粒子径±30%の割合が100%)を得た。
次に、10Lフラスコに、水6kg、メタノール2kg、1M水酸化ナトリウム水溶液45g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド35g、及び上記で得られたカチオン性ポリマー粒子の懸濁液33gを入れて撹拌し、その水溶液に、テトラメトキシシラン34gをゆっくりと加え、5時間撹拌した後、12時間熟成させた。
次いで、得られた白色沈殿物を、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過した後、10Lの水で洗浄し、100℃の温度条件で5時間乾燥した。
得られた乾燥粉末を、焼成炉(株式会社モトヤマ製、商品名:SK−2535E)を用いて、エアーフロー(3L/min)しながら1℃/分の速度で600℃まで昇温し、600℃で2時間焼成することにより有機成分を除去し、中空メソポーラスシリカ粒子(M)を得た。
この中空メソポーラスシリカ粒子(M)粉末について、粉末X線回折(XRD)測定を行った結果、結晶格子面間隔(d)=2.9nmに相当する回折角の非常に強いピーク、d=1.7nm及びd=1.5nmに相当する回折角の弱いピークにより、この中空メソポーラスシリカ粒子(M)粉末のメソ細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。d=1.0nm未満に相当する回折角の領域にXRDピークは見られなかった。また、SEM観察により、この中空メソポーラスシリカ粒子(M)の粒子形状が球状であることを確認した。
さらに、TEM観察より、この中空メソポーラスシリカ粒子(M)が中空構造を有し、平均一次粒子径が560nm、平均中空部径が280nm、平均外殻部厚みが140nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一なメソ細孔を有し、そのメソ細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。
また、この中空メソポーラスシリカ粒子(M)粉末は、比表面積が1200m2/g、平均細孔径が1.6nmであった。
製造例1で得られた中空メソポーラスシリカ(M)5gを500mlのナス型フラスコに入れた。スクロース(シグマアルドリッチジャパン社製)6.25g、濃硫酸(98%)0.7gを蒸留水60mlに溶解させた後、前述のナス型フラスコに注いだ。エバポレータを用い80℃で加熱しながら水を除去することで、粉末は白色から茶色に変色した。茶色粉末を集め、80℃で3時間、更に160℃で12時間乾燥した。その茶色粉末を500mlのナス型フラスコに入れ、その容器にスクロース3.75g、濃硫酸(98%)0.7gを水60mlに溶解した溶液を注いだ。エバポレータを用い80℃で加熱しながら水を除去した後、80℃で3時間、更に160℃で12時間乾燥した。
得られた粉末を、窒素気流下(5L/分)にて1000℃で2時間焼成した。粉末は黒色へ変化した。得られた黒色粉末を、空気気流下(3L/分)にて800℃で2時間加熱した。空気下での加熱処理により、炭素成分が焼却、除去され、粉末は白色に変化した。焼成前後の物性を表1に示す。
製造例1で得られた中空メソポーラスシリカ(M)をそのまま、空気気流下(3L/分)にて1000℃で2時間焼成した。焼成後の物性を表1に示す。
Claims (6)
- 粉末X線回折測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、窒素吸着法によるBET比表面積が30m2/g以下である中空シリカ粒子の製造方法であって、中空構造でありかつ外殻部にメソ細孔を有するBET表面積が100m2/g以上のメソポーラスシリカ粒子のメソ細孔内に、非酸化性雰囲気での焼成により炭化する炭素含有化合物を充填し、非酸化性雰囲気下で800℃以上で焼成して炭素支持体とした後、酸化性雰囲気下で加熱して、該炭素支持体を除去する工程を含む、中空シリカ粒子の製造方法。
- 焼成前のメソポーラスシリカ粒子の平均細孔径が1〜5nmである、請求項1に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
- 非酸化性雰囲気での焼成により炭化する炭素含有化合物が糖類又はその誘導体である、請求項1又は2に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
- 非酸化性雰囲気下での焼成温度が800〜1600℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の中空シリカ粒子の製造方法。
- 酸化性雰囲気下での加熱温度が600〜900℃である、請求項1〜4のいずれかに記載の中空シリカ粒子の製造方法。
- 粉末X線回折測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、平均粒子径が0.05〜2μmであり、かつ窒素吸着法によるBET比表面積が30m2/g以下である、中空シリカ粒子。
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