JP2008150229A - メソポーラスシリカ粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】メソ細孔構造を有し有機化合物を包含する複合シリカ粒子、メソ細孔構造を有する中空シリカ粒子、及びにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】(1)外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、BET比表面積が100m2/g以上のシリカ粒子であって、該シリカ粒子の内部に疎水性有機化合物を包含してなる複合シリカ粒子、(2)外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、BET比表面積が800m2/g以上の中空シリカ粒子であって、窒素吸着測定を行いBJH法によって求められるメソ細孔の80%以上が平均細孔径±30%以内である中空シリカ粒子、及びそれら製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、メソ細孔構造を有し有機化合物を包含する複合シリカ粒子、メソ細孔構造を有する中空シリカ粒子、及びにそれらの製造方法に関する。
多孔質構造をもつ物質は高い表面積を有するため、触媒担体、酵素や機能性有機化合物等の固定化担体として広く使用されている。特に、多孔質構造を形成する細孔の細孔径の分布がシャープである場合、分子篩としての作用が発現し、構造選択性を有する触媒担体の利用や物質分離剤への応用が可能となる。かかる応用のために、均一で微細な細孔を有する多孔体が求められている。
均一で微細な細孔を有する多孔体として、メソ領域の細孔を有するメソポーラスシリカが開発され、前記用途の他に、ナノワイヤー、半導体材料、光エレクトロニクスへの応用等の分野での利用が注目されている。
メソ細孔構造を有するシリカとして、外殻がメソ細孔構造を有し内部が中空のシリカ粒子が知られている。例えば、特許文献1には、メソ細孔壁を有する中空シリカマイクロカプセルの製造方法が開示されており、有機溶媒の乳化滴を用いてメソ細孔のない中空シリカ粒子を形成した後、界面活性剤の存在下で高熱処理することにより、メソ細孔を形成させると記載されている。また、メソ細孔壁の利用法として、農薬、医薬、化粧料及び芳香剤等を内包させることが開示されている。しかしながら、実際に追試を行うと、中空構造を有するメソポーラスシリカは形成せず、メソ細孔が存在しない中空シリカ粒子及び中実シリカ粒子と、中空構造を有しないメソポーラスシリカ不定形粒子の混合体しか得られなかった。
非特許文献1及び2にはトリメチルベンゼンの乳化滴を利用した中空メソポーラスシリカ粒子が開示されている。しかしながら、メソ細孔構造規定剤として中性のポリマーを用いているため、細孔構造の規則性が低く、BET比表面積も430m2/gと低い。
非特許文献3及び4の中空メソポーラスシリカ粒子は、反応初期に酸で中和することで粒子形成反応を止めて合成されている。このため、BET比表面積は850〜950m2/gと比較的高いが、粒子径の分布がブロードである。
非特許文献5の中空メソポーラスシリカ粒子は、反応溶液に超音波を照射することで形成されている。このため、BET比表面積は940m2/gと比較的高いが、粒子径の分布が非常にブロードであり、粒子形状も不定形である。
また、これら中空メソポーラスシリカ粒子の利用方法として、非特許文献2には、染料を含むトリメチルベンゼンを包含するシリカ粒子を調整し、染料の水溶液中への拡散性を検討した結果が報告されている。しかしながら、このシリカ粒子は、その表面のメソ細孔が中性のコポリマーによって塞がれた状態になっている。
このように、従来技術は実用上到底満足できるものではない。
特開2006−102592号公報 Qianyano Sun他、Adv.Mater.、第15巻、第1097頁(2003年) Nicole E.Botterhuis他,Chem.Eur.J.,第12巻、第1448頁(2006年) Puyam S.Singh他,Chem.Lett.,第101頁(1998年) Christabel E.Fowler他,Chem.Commun.,第2028頁(2001年) Rohit K.Rana他,Adv.Mater.,第14巻、第1414頁(2002年)
本発明は、メソ細孔構造を有し有機化合物を包含する複合シリカ粒子、メソ細孔構造を有する中空シリカ粒子、及びにそれらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、外殻部がメソ細孔構造を有し有機化合物を包含する複合シリカ粒子を見出し、該複合シリカ粒子から更に、比表面積が高く、メソ細孔構造の規則性の高い中空シリカ粒子を得ることができることを見出した。
すなわち本発明は、次の(1)〜(4)を提供する。
(1)外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、BET比表面積が100m2/g以上のシリカ粒子であって、該シリカ粒子の内部に疎水性有機化合物を包含してなる、複合シリカ粒子。
(2)外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、BET比表面積が700m2/g以上の中空シリカ粒子であって、窒素吸着測定を行いBJH法によって求められるメソ細孔の70%以上が平均細孔径±30%以内である、中空シリカ粒子。
(3)下記工程(I)及び(II)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有するシリカ粒子であって、該シリカ粒子の内部に疎水性有機化合物を包含する、複合シリカ粒子の製造方法。
工程(I):下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(a)を0.1〜100ミリモル/L、加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(b)を0.1〜100ミリモル/L、液状の疎水性有機化合物(c)を0.1〜100ミリモル/L、及び水を含有する水溶液を調製する工程
[R1(CH33N]+- (1)
[R12(CH32N]+- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程(II):工程(I)で得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子を析出させる工程
(4)前記工程(I)及び(II)により得られた複合シリカ粒子を分散媒から分離し、焼成する工程(III)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子の製造方法。
本発明によれば、メソ細孔構造を有し有機化合物を包含する複合シリカ粒子、メソ細孔構造を有する中空シリカ粒子、及びにそれらの製造方法を提供することができる。
<複合シリカ粒子>
本発明の複合シリカ粒子は、外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、BET比表面積が100m2/g以上のシリカ粒子であって、該シリカ粒子の内部に疎水性有機化合物を包含してなるメソポーラスシリカ粒子である。
複合シリカ粒子の平均細孔径は、好ましくは1〜8nm、より好ましくは1〜5nmである。メソ細孔構造を有する外殻部と粒子内部の中空部分の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することができ、その細孔径、細孔規則性、外殻部から内部への細孔の繋がり具合を確認することができる。
本発明の複合シリカ粒子のメソ細孔構造は、メソ細孔径が揃っていることが特徴の1つであり、通常、複合シリカ粒子のメソ細孔の70%以上が平均細孔径±30%以内に入る。本発明におけるメソ細孔の平均細孔径は、窒素吸着測定を行い、窒素吸着等温線からBJH法により求めた値である。
本発明の複合シリカ粒子のBET比表面積は、好ましくは300m2/g以上、より好ましくは400m2/g以上、更に好ましくは500m2/g以上である。
また、平均粒子径は、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm、特に好ましくは0.05〜3μmである。複合シリカ粒子の平均粒子径が0.05〜0.1μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜5nmであり、平均粒子径が0.1〜1μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜8nmであり、平均粒子径が1〜10μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜10nmである。
本発明の複合シリカ粒子は、好ましくは粒子全体の80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有しており、非常に揃った粒子径の粒子群から構成されていることが望ましい。
また、複合シリカ粒子のメソ細孔は、好ましくはその75%以上、より好ましくはその80%以上が平均細孔径±30%以内であることが望ましい。
なお、複合シリカ粒子の平均粒子径は、陽イオン界面活性剤や疎水性有機化合物の選択、混合時の撹拌力、原料の濃度、溶液の温度等によって調整することができる。複合シリカ粒子の製造工程において、陽イオン界面活性剤を使用する場合は、陽イオン界面活性剤が複合シリカ粒子内部、メソ細孔内、又はシリカ粒子表面に残留する可能性がある。陽イオン界面活性剤が残留しても問題ない場合は除去する必要はないが、残留する陽イオン界面活性剤の除去を望む場合は、水や酸性水溶液で洗浄処理して置換することにより除去することができる。
本発明の複合シリカ粒子における外殻部の平均厚みは、30〜700nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましく、70〜400nmであることが特に好ましい。
また、〔外殻部の厚み/平均粒子径〕の比は、0.01〜0.6であることが好ましく、0.05〜0.5であることがより好ましく、0.1〜0.4であることが特に好ましい。
なお本発明において、複合シリカ粒子の平均粒子径及びその分布の程度、並びに平均部の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定する。具体的には、透過型電子顕微鏡観察下で、20〜30個の粒子が含まれる視野中の全粒子の直径及び外殻厚みを写真上で実測する。この操作を、視野を5回変えて行う。得られたデータから平均粒子径及びその分布の程度、並びに平均外殻厚みを求める。透過型電子顕微鏡の倍率の目安は1万〜10万倍であるが、シリカ粒子の大きさによって適宜調節される。しかしながら、画面中の粒子のうち、メソ細孔を有する複合シリカ粒子の割合が、30%以下の場合は、観察のための視野を広げて、すなわち倍率を下げて、少なくとも10個の粒子からデータを得るものとする。
複合シリカ粒子の外殻部の構造は、用いるシリカ源により異なる。シリカ源として有機基を有するものを用いた場合、有機基を有するシリカ構造の外殻部が得られ、またシリカ源以外に、他の元素、例えばAl、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mn、Fe等の金属やB、P、N、S等の非金属元素を含有するアルコキシ塩やハロゲン化塩等を製造時又は製造後に添加することで、該金属または非金属元素をシリカ粒子の外殻部に存在させることができる。外殻部の構造としては、安定性の観点から、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランをシリカ源として製造され、シリカ壁が実質上酸化シリカから構成されていることが好ましい。
本発明の複合シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有するメソ領域に周期性のある物質である。なお、規則性が高くなるとピークは明瞭化され、高次ピークが見られる場合がある。
本発明の複合シリカ粒子に包含される疎水性有機化合物は、複合シリカ粒子の製造時に水中で疎水性有機化合物の油滴を形成することから、液体状態にある温度域が0℃以上、特に20℃以上にあればよく、分散媒として水を用いることから、100℃以下、特に90℃以下にあることが好ましく、沸点は100℃以上のものが好ましい。
疎水性有機化合物は、反応温度でも液体状態のものが使用し易く好ましい。また包含したい化合物によって製造時の温度を決定することもできる。本発明では、20℃で液体の疎水性有機化合物が好ましい。なお複数種類の疎水性有機化合物を用いる場合、例えば液体状態の温度が高いものと低いものとを混合する場合は、揮発の程度を考慮しながら、油滴化温度及び反応温度を決定することができる。
なお、本発明の疎水性有機化合物は、水に対する溶解性が低く、水と分相を形成する化合物を意味する。好ましくは、後述する第四級アンモニウム塩の存在下で分散可能な化合物である。このような疎水性有機化合物としては、LogPowが1以上、好ましくは2〜25の化合物が挙げられる。ここで、LogPとは、化学物質の1−オクタノール/水分配係数であり、logKow法により計算で求められた値をいう。具体的には、化合物の化学構造を、その構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数を積算して求められる(Meylan, W.M. and P.H. Howard. 1995. Atom/fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficients. J. Pharm. Sci. 84: 83-92参照)。
疎水性有機化合物としては、炭化水素化合物、エステル化合物、炭素数6〜22の脂肪酸、炭素数6〜22のアルコール及びシリコーンオイル等の油剤や、香料成分、農薬用基材、医薬用基材等の機能性材料を挙げることができる。
炭化水素化合物としては、液状パラフィン又は液状石油ゼリー、スクワラン、スクアレン、ペルヒドロスクワレン、トリメチルベンゼン、キシレン、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。この中ではスクワラン、スクアレンが好ましい。
エステル化合物としては、炭素数6〜22の脂肪酸のグリセリンエステル等の油脂類が挙げられる。例えば、ミンク油、タートル油、大豆油、スイートアーモンド油、ビューティリーフオイル、パーム油、グレープシード油、ゴマ種油、トウモロコシ油、パーレアムオイル、アララ油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、アプリコット油、ひまし油、アボガド油、ホホバ油、オリーブ油、又は、穀物胚芽油等を挙げることができる。
またエステル化合物として、炭素数4〜22の脂肪酸と炭素数1〜22の一価又はグリセリン以外の多価アルコールとの縮合物を挙げることができる。例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルデシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシルが具体的に挙げられる。その他のエステル化合物として、多価カルボン酸化合物とアルコールとのエステルが挙げられる。具体的にはアジピン酸ジイソプロピル、乳酸2−オクチルドデシルエステル、琥珀酸2−ジエチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
炭素数6〜22の脂肪酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸又はイソステアリン酸等が挙げられる。
炭素数6〜22のアルコールとしては、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。これらは多価アルコールであってもよい。
シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、脂肪酸、脂肪族アルコール、又はポリオキシアルキレンで変性されたポリシロキサン、フルオロシリコーン、パーフルオロシリコーンオイル等が挙げられる。
ポリジメチルシロキサン(PDMS)はフェニル化されていてもよく、例えばフェニルトリメチコン、又は任意的に脂肪族基及び/又は芳香族基で置換されていてもよい。また、それらは炭化水素をベースとするオイル又はシリコーンオイルであって、シリコーン鎖のペンダント状であるか又は末端に存在するアルキル基又はアルコキシ基を任意的に含み2〜7の珪素原子を含む直鎖又は環状シリコーンが好ましく、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン等が好ましい。
上記の油剤の中では、スクアレン、炭素数6〜22の脂肪酸のグリセリンエステル、炭素数6〜22の高級アルコールが、水中で後述する第四級アンモニウム塩によって分散され易く、それによって得られた複合シリカ粒子及び中空シリカ粒子は、その外殻部に規則性の高いメソ細孔構造を有することから最も好ましい。
機能性材料としての香料成分としては、天然香料や合成香料を挙げることができる。
天然香料としては、スペアミントオイル、ペパーミントオイル、シトロネラオイル、ユーカリオイル、カスカリラオイル、バーチオイル、シナモンオイル、クローブオイル、ニンニクオイル、ハッカオイル、マジョラムオイル、ナツメグオイル、パルマローザオイル、シソオイル、ローズオイル、セイボリオイル、ローズマリーオイル、ラベンダーオイル等が挙げられる。合成香料としては、酢酸アミル、α−アミルシンナミックアルデヒド、サリチル酸イソアミル、アニスアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ボルネオール、l−カルボン、メントール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、クマリン、オイゲノール、サリチル酸メチル、バニリン、テルピネオール等が挙げられる。
上記の疎水性有機化合物は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、前記疎水性条件を満たさない化合物を疎水性有機化合物に溶かし込んだものであってもよい。また複合シリカ粒子を芳香剤担体として使用する場合は、香料成分を疎水性有機化合物に溶かして希釈したものであってもよい。
<複合シリカ粒子の製造方法>
複合シリカ粒子の製造方法は、下記工程(I)及び(II)を含む。
工程(I):下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(a)を0.1〜100ミリモル/L、加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(b)を0.1〜100ミリモル/L、疎水性有機化合物(c)を0.1〜100ミリモル/L、及び水を含有する水溶液を調製する工程
[R1(CH33N]+- (1)
[R12(CH32N]+- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程(II):工程(I)で得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子を析出させる工程
以下、工程(I)、(II)、及び用いる各成分について説明する。
<第四級アンモニウム塩(a)>
(a)成分の第四級アンモニウム塩は、メソ細孔の形成と疎水性有機化合物の分散のために用いられる。
前記一般式(1)及び(2)におけるR1及びR2は、炭素数4〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数8〜16の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。炭素数4〜22のアルキル基としては、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種エイコシル基等が挙げられる。
一般式(1)及び(2)におけるXは、高い結晶性を得るという観点から、好ましくはハロゲンイオン、水酸化物イオン、硝酸化物イオン、硫酸化物イオン等の1価陰イオンから選ばれる1種以上である。Xとしては、より好ましくはハロゲンイオンであり、更に好ましくは塩素イオン又は臭素イオンであり、特に好ましくは臭素イオンである。
一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、ブチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ブチルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
一般式(2)で表されるジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、ジブチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
これらの第四級アンモニウム塩(a)の中では、規則的なメソ細孔を形成させる観点から、特に一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、アルキルトリメチルアンモニウムブロミドまたはクロリドがより好ましい。
<シリカ源(b)>
(b)成分はアルコキシシラン等の加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源であり、具体的には、下記一般式(3)〜(7)で示される化合物を挙げることができる。
SiY4 (3)
3SiY3 (4)
3 2SiY2 (5)
3 3SiY (6)
3Si−R4−SiY3 (7)
(式中、R3はそれぞれ独立して、ケイ素原子に直接炭素原子が結合している有機基を示し、R4は炭素原子を1〜4個有する炭化水素基又はフェニレン基を示し、Yは加水分解によりヒドロキシ基になる1価の加水分解性基を示す。)
より好ましくは、一般式(3)〜(7)において、R3がそれぞれ独立して、水素原子の一部がフッ素原子に置換していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基であり、具体的には炭素数1〜22、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜18、特に好ましくは炭素数8〜16のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R4が炭素数1〜4のアルカンジイル基(メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基等)又はフェニレン基であり、Yが炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜8、特に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、またはフッ素を除くハロゲン基である。
シリカ源(b)の好適例としては、次の化合物が挙げられる。
・一般式(3)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であるシラン化合物。
・一般式(4)又は(5)において、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるトリアルコキシシラン又はジアルコキシシラン。
・一般式(7)において、Yがメトキシ基であって、R4がメチレン基、エチレン基又はフェニレン基である化合物。
これらの中では、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、1,1,1−トリフルオロプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
疎水性有機化合物(c)については前記のとおりである。
なお、疎水性有機化合物(c)には、目的に応じて他の機能性物質を混合してもよく、それにより複合シリカ粒子を広範囲の分野で使用することができる。
工程(I)における水溶液中の第四級アンモニウム塩(a)、シリカ源(b)、疎水性有機化合物(c)の含有量は次のとおりである。
(a)成分は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lで含有され、(b)成分は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lで含有され、(c)成分は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lで含有される。
(a)〜(c)成分を含有させる順序は特に制限はない。例えば、(i)水溶液を撹拌しながら(a)成分、(b)成分、(c)成分の順に投入する、(ii)水溶液を撹拌しながら(a)〜(c)成分を同時に投入する、(iii)(a)〜(c)成分の投入後に撹拌する、等の方法を採用することができるが、これらの中では(i)の方法が好ましい。
(a)〜(c)成分を含有する水溶液には、本発明の複合シリカ粒子の形成を阻害しない限り、その他の成分として、メタノール等の有機化合物や、無機化合物等の他の成分を添加してもよく、前記のように、シリカや有機基以外の他の元素を担持したい場合は、それらの金属を含有するアルコキシ塩やハロゲン化塩等の金属原料を製造時又は製造後に添加することもできる。
なお、工程(I)において、又は工程(II)の初期において、疎水性有機化合物(c)を液滴化するが、その液滴化は系の温度を調節することで行うことができる。
工程(II)は複合シリカ粒子を形成する工程である。工程(I)で得られる水溶液を10〜100℃、好ましくは10〜80℃の温度で所定時間撹拌した後、静置することで、疎水性有機化合物の油滴の表面に、第四級アンモニウム塩(a)とシリカ源(b)によりメソ細孔が形成され、内部に疎水性有機化合物(c)を包含した複合シリカ粒子を析出させることができる。撹拌処理時間は温度によって異なるが、通常10〜80℃で0.1〜24時間で複合シリカ粒子が形成される。
得られた複合シリカ粒子は、水中に懸濁した状態で得られる。用途によってはこれをそのまま使用することもできるが、好ましくは複合シリカ粒子を分離して使用する。分離方法としは、ろ過法、遠心分離法等を採用することができる。
工程(II)で得られた複合シリカ粒子は、通常陽イオン界面活性剤等を含む状態で得られるが、工程(II)で得られた複合シリカ粒子を酸性溶液と1回又は複数回接触させること、例えば複合シリカ粒子を酸性水溶液中で混合することにより陽イオン界面活性剤を除去することができる。得られた複合シリカ粒子は、疎水性有機化合物(c)が揮発し過ぎない程度の温度で乾燥させてもよい。用いる酸性溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;カチオン交換樹脂等を水やエタノール等に加えた液が挙げられるが、塩酸が特に好ましい。pHは通常1.5〜5.0に調整される。
上記により得られた粒子は、メソ細孔構造を表面に有し、BET比表面積の高い、疎水性有機化合物を包含する複合シリカ粒子である。
<中空シリカ粒子>
本発明の中空シリカ粒子は、外殻部の平均細孔径が揃っており、比表面積が大きく、細孔分布がシャープであることが特徴である。
すなわち、本発明の中空シリカ粒子は、外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、BET比表面積が800m2/g以上の中空シリカ粒子であって、窒素吸着測定を行いBJH法によって求められるメソ細孔の70%以上が平均細孔径±30%以内のものである。
本発明の中空シリカ粒子の外殻部の平均細孔径は、好ましくは1〜8nm、特に好ましくは1〜5nmである。メソ細孔構造を有する外殻部と粒子内部の中空部分の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することができ、その細孔径、細孔規則性、外殻部から内部への細孔の繋がり具合を確認することができる。
本発明の中空シリカ粒子のメソ細孔構造は、メソ細孔径が揃っていることが特徴の1つである。中空シリカ粒子のメソ細孔は、好ましくはその75%以上、より好ましくはその80%以上が平均細孔径±30%以内であることが望ましい。本発明におけるメソ細孔の平均細孔径及びその分布の程度は、窒素吸着測定を行い、窒素吸着等温線からBJH法により求めた値である。
中空シリカ粒子のBET比表面積は、好ましくは900m2/g以上、特に好ましくは950〜1500m2/gである。
また、平均粒子径は、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm、特に好ましくは0.05〜3μmである。中空シリカ粒子の平均粒子径が0.05〜0.1μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜5nmであり、平均粒子径が0.1〜1μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜8nmであり、平均粒子径が1〜10μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜10nmである。
また、本発明の中空シリカ粒子は、好ましくは粒子全体の80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有しており、粉末X線回折(XRD)及び/又は電子線回折パターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有することが好ましい。
本発明の中空シリカ粒子の平均粒子径は、疎水性有機化合物の選択、混合時の撹拌力、試薬の濃度、溶液の温度、焼成条件等によって調整することができる。
本発明の中空シリカ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察において、粒子全体の好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上が中空粒子であることを確認することができる。中空シリカ粒子割合の具体的な測定方法は、まず透過型電子顕微鏡下で、20〜30個の粒子が含まれる視野中の全粒子から、メソ細孔を有しかつ中空である粒子の個数を数え、この操作を視野を5回変えて行った平均値として求めたものである。
本発明の中空シリカ粒子は、好適態様において、透過型電子顕微鏡により観察されたメソ細孔の平均細孔間隔が粉末X線回折(XRD)により得られた構造周期と±30%の範囲で一致する。具体的には、観察されたメソ細孔の中心間距離に√3/2を乗じた値と粉末X線回折により得られた最も低角のピークに対応する面間隔が±30%の範囲で一致する。また上記のとおり、粉末X線回折パターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有する、メソ領域に周期性のある物質である。
本発明の中空シリカ粒子における外殻部の平均厚みは、30〜700nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましく、70〜400nmであることがより好ましい。
また、〔外殻部の厚み/平均粒子径〕の比は、0.01〜0.6であることが好ましく、0.05〜0.5であることがより好ましく、0.1〜0.4であることがより好ましい。
本発明では前記、中空シリカ粒子の平均粒子径及びその分布の程度、並びに外殻部の厚みの程度は、複合シリカ粒子のところで記載した方法と同様にして行う。
中空シリカ粒子は、複合シリカ粒子を焼成して得ることができ、その外殻部の基本構成は変わらないが、内部の疎水性有機化合物や、陽イオン界面活性剤は、焼成することで除去されている。
<中空シリカ粒子の製造方法>
本発明の中空シリカ粒子は、前記の複合シリカ粒子を焼成することにより得ることができる。すなわち、下記工程(I)〜(III)により製造することができる。
工程(I):下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(a)を0.1〜100ミリモル/L、加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(b)を0.1〜100ミリモル/L、液状の疎水性有機化合物(c)を0.1〜100ミリモル/L、及び水を含有する水溶液を調製する工程
[R1(CH33N]+- (1)
[R12(CH32N]+- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程(II):工程(I)の水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、外殻部がメソ細孔構造を有するシリカ粒子であって、該シリカ粒子の内部に液状の疎水性有機化合物を包含する、複合シリカ粒子を析出させる工程
工程(III):複合シリカ粒子を分散媒から分離し、焼成する工程
なお、工程(I)及び(II)は前記と同様である。
工程(III)では、工程(II)で得られた複合シリカ粒子を分散媒から分離し、必要に応じて、酸性水溶液と接触、水洗、乾燥、また、高温で処理して、内部の疎水性有機化合物を除去した後、電気炉等で好ましくは350〜800℃、より好ましくは450〜700℃で、1〜10時間焼成する。
実施例及び比較例で得られたシリカ粒子の各種測定は、以下の方法により行った。
(1)平均粒子径、及び平均外殻厚みの測定
日本電子株式会社製の透過型電子顕微鏡(TEM)JEM−2100を用いて加速電圧160kVで測定を行い、それぞれ20〜30個の粒子が含まれる5視野中の全粒子の直径及び外殻厚みを写真上で実測して、平均粒子径及び平均外殻厚みを求めた。観察に用いた試料は高分解能用カーボン支持膜付きCuメッシュ(200−Aメッシュ、応研商事株式会社製)に付着させ、余分な試料をブローで除去して作成した。
(2)BET比表面積、及び平均細孔径の測定
株式会社島津製作所製、比表面積・細孔分布測定装置、商品名「ASAP2020」を使用し、液体窒素を用いて多点法でBET比表面積を測定し、パラメータCが正になる範囲で値を導出した。前記のBJH法を採用し、ピークトップを平均細孔径とした。前処理は250℃で5時間行った。
(3)粉末X線回折(XRD)パターンの測定
理学電機工業株式会社製、粉末X線回折装置、商品名「RINT2500VPC」を用いて、X線源:Cu-kα、管電圧:40mA、管電流:40kV、サンプリング幅:0.02°、発散スリット:1/2°、発散スリット縦:1.2mm、散乱スリット:1/2°、受光スリット:0.15mmの条件で粉末X線回折測定を行った。走査範囲は回折角(2θ)1〜20°、走査速度は4.0°/分で連続スキャン法を用いた。なお、試料は、粉砕した後、アルミニウム板に詰めて測定した。
実施例1(油剤内包メソポーラスシリカ粒子の製造)
100mlフラスコに水60g、メタノール20g、1M水酸化ナトリウム水溶液0.46g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.35g、菜種油(疎水性有機化合物)0.3gを入れ撹拌した。その水溶液にテトラメトキシシラン0.34gをゆっくりと加え、5時間撹拌後、12時間熟成させた。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗後乾燥した。得られた乾燥粉末を水100mlに分散し、1M塩酸を用いてpH2に調整し、一晩撹拌した。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗後乾燥して、菜種油を内包し、外殻部がメソ細孔構造を有する複合シリカ粒子を得た。
この複合シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本のピークを有していた。得られた複合シリカ粒子のXRD測定結果を図1に示し、性状を表1に示す。
実施例2
菜種油の代わりにスクアレン0.3gを用いて実施例1と同様の操作を行い、複合シリカ粒子を得た。結果を表1に示す。
なお、同様にして、ナタネ油の代わりに機能性有機化合物を用いれば、機能性有機化合物を内包し、外殻部がメソ細孔構造を有する複合シリカ粒子を得ることができる。実施例2の複合シリカ粒子もまた、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本のピークを有する。
Figure 2008150229
実施例3(中空シリカ粒子の製造)
100mlフラスコに水60g、メタノール20g、1M水酸化ナトリウム水溶液0.46g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.35g、菜種油(疎水性有機化合物)0.3gを入れ撹拌した。その水溶液にテトラメトキシシラン0.34gをゆっくりと加え、5時間撹拌後、12時間熟成させた。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗後乾燥した後、1℃/分の速度で600℃まで昇温したのち、2時間600℃で焼成し、菜種油を除去して、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子を得た。
この中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本のピークを有していた。得られた中空シリカ粒子の粒子全体のTEM像を図2に示し、XRD測定結果を図3に示し、性状を表2に示す。
実施例4
実施例1で得られた菜種油内包メソポーラスシリカ粒子を、1℃/分の速度で600℃まで昇温したのち、2時間600℃で焼成し、菜種油を除去して、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子を得た。得られた中空シリカ粒子の性状を表2に示す。
この中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有していた。
比較例1
菜種油を用いなかった以外は実施例3と同様の操作を行った。中空粒子の生成は認められなかった。結果を表2に示す。
比較例2
富士シリシア化学株式会社製の中空シリカ粒子「フジバルーン」の測定結果を表2に示す。窒素吸着による細孔分布の測定では、1〜10nmの範囲にメソ細孔は確認されなかった。また比表面積も非常に低かった。XRD測定結果を図4に示す。
Figure 2008150229
本発明の複合シリカ粒子及び中空シリカ粒子は、メソ細孔構造を有し比表面積が大きいため、例えば構造選択性を有する触媒担体、吸着剤、物質分離剤、酵素や機能性有機化合物の固定化担体等としての利用が可能であり、内包物の制御がし易く利便性が高い。
特に、中空シリカ粒子は、内部に機能性有機化合物を包含させればドラッグデリバリーシステム等に非常に効果的に利用できる。
また、本発明に製造方法によれば、メソ細孔構造を有し有機化合物を包含した複合シリカ粒子及び中空シリカ粒子を効率よく得ることができ、また粒子径の制御も容易であり、メソ細孔規則性、比表面積の整った粒子を得ることができる。
実施例1で得られた複合シリカ粒子のXRD測定結果である。 実施例3で得られた中空シリカ粒子の粒子全体のTEM像である。 実施例3で得られた中空シリカ粒子のXRD測定結果である。 比較例2で用いた中空シリカ粒子のXRD測定結果である。

Claims (8)

  1. 外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、BET比表面積が100m2/g以上のシリカ粒子であって、該シリカ粒子の内部に、疎水性有機化合物を包含してなる、複合シリカ粒子。
  2. 平均粒子径が0.05μm〜10μmであって、粒子全体の80%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有する、請求項1に記載の複合シリカ粒子。
  3. 外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、BET比表面積が800m2/g以上の中空シリカ粒子であって、窒素吸着測定を行いBJH法によって求められるメソ細孔の70%以上が平均細孔径±30%以内である、中空シリカ粒子。
  4. 平均粒子径が0.05μm〜10μmであって、粒子全体の80%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有する、請求項3に記載の中空シリカ粒子。
  5. 粉末X線回折パターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有する、請求項3又は4に記載の中空シリカ粒子。
  6. 下記工程(I)及び(II)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有するシリカ粒子であって、該シリカ粒子の内部に疎水性有機化合物を包含する、複合シリカ粒子の製造方法。
    工程(I):下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(a)を0.1〜100ミリモル/L、加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(b)を0.1〜100ミリモル/L、疎水性有機化合物(c)を0.1〜100ミリモル/L、及び水を含有する水溶液を調製する工程
    [R1(CH33N]+- (1)
    [R12(CH32N]+- (2)
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
    工程(II):工程(I)で得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子を析出させる工程
  7. 工程(II)で得られた複合シリカ粒子を酸性水溶液と接触させる、請求項6に記載の複合シリカ粒子の製造方法
  8. 下記工程(I)〜(III)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子の製造方法。
    工程(I):下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(a)を0.1〜100ミリモル/L、加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(b)を0.1〜100ミリモル/L、疎水性有機化合物(c)を0.1〜100ミリモル/L、及び水を含有する水溶液を調製する工程
    [R1(CH33N]+- (1)
    [R12(CH32N]+- (2)
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
    工程(II):工程(I)の水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、外殻部がメソ細孔構造を有するシリカ粒子であって、該シリカ粒子の内部に疎水性有機化合物を包含する、複合シリカ粒子を析出させる工程
    工程(III):複合シリカ粒子を分散媒から分離し、焼成する工程
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