JP2014185052A - 中空シリカナノ粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子外径が30〜500nm、特に50〜200nmの範囲内の粒子を多く含む中空シリカナノ粒子の、温和で効率的かつ簡便な製造方法の提供。
【解決手段】一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン鎖と疎水性有機セグメントとを有する共重合体を水と溶剤との混合媒体中で会合体を形成させた後、溶剤の全部または一部を除去し、会合体の分散体を得る工程、前記工程で得られた会合体の分散液にシリカソースを加え、該会合体をテンプレートとして当該シリカソースのゾルゲル反応を行い、シリカを析出させて、コア−シェル型シリカナノ粒子を得る工程、得られたコア−シェル型シリカナノ粒子から共重合体を除去する工程、を有することを特徴とする中空シリカナノ粒子の製造方法、及びが該製造方法で得られた中空シリカナノ粒子。
【選択図】図1

Description

本発明は、コア−シェル型シリカナノ粒子から有機成分を除去することによる中空シリカナノ粒子の製法と該製法による中空シリカナノ粒子に関する。
近年、中空構造を有するナノ材料は、特にシェルがシリカからなる中空シリカナノ粒子が低屈折率、低誘電率、低熱伝導率、低密度などの特性を有し、反射防止材、低誘電材、断熱材、低密度フィラーとして用いることができることから、注目を集めている。さらに、粒子内部の空洞を利用し、ターゲット物質を内包及び/又は徐放し、様々な機能を付与することができる。例えば、中空シリカナノ粒子を用いたドラッグデリバリーシステムの研究が盛んに行われている。
中空シリカ粒子の合成は界面反応法とテンプレート法に大別できる。界面反応法は気/液或いは液/液界面を設計し、その界面でシリカを析出させる。例えば、シリカソースと発泡剤を混合噴霧した後に、ゾルゲル反応を行うことにより、中空シリカ粉末を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法で得られた中空シリカ粒子の粒径は数ミクロン〜数百ミクロンであり、ナノオーダーの中空シリカ粒子の合成は困難であった。
一方、テンプレート法はシリカ以外の物質からなる粒子の表面にシリカシェルを形成させた後に、コア材料のみを選択的に除去することで中空シリカ粒子を得る方法である。この方法ではナノサイズのテンプレートを用いれば、中空シリカナノ粒子を好適に作製することができる。テンプレートとなるコア粒子は、無機化合物からなるものと、有機ポリマーからなるものとが利用できる。無機化合物からなるテンプレートを用いる方法としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化鉄などのナノ粒子表面にシリカシェルを形成した後に、酸によるコアの溶解除去で中空シリカナノ粒子を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかしながら、これらの無機化合物からなるテンプレートは基本的には結晶体を用いており、真球状の中空シリカナノ粒子合成できないという問題点を有していた。
無機化合物からなるコア粒子(ナノ粒子)と比べると、有機ポリマーからなるナノ粒子は粒子の形状、粒径、構造や化学組成などが容易に制御できる点で有利である。例えば、ポリマーラテックスナノ粒子を用い、粒子の表面にゾルゲル反応を行った後に、焼成又は溶媒抽出によるコアポリマー除去を経て、粒径が100nm以上の中空シリカ粒子を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献4、5、及び非特許文献1、2参照)。しかしながら、この方法では、テンプレートとなるポリマーナノ粒子の粒径を制御するための条件やゾル−ゲル反応における条件が煩雑であり、環境負荷が大きく且つ生産性も低いものであった。
また、ブロックコポリマーミセルを用いた中空シリカナノ粒子の製造方法も報告されている(例えば、非特許文献3参照)。この方法では、ミセルのシェル層でシリカを析出させ、焼成によりポリマーを除くことで直径30nmの中空シリカナノ粒子が得ることができる。しかしながら、ブロックコポリマーミセルは、そのコポリマーを合成しなければならず、さらに粒径が例えば、50nm以上の比較的大きなサイズの中空粒子を得るには、重合度の高いコポリマーを合成してそのミセル形成を行わなければならず、外径が30nm以上の、比較的大きな中空シリカナノ粒子を環境対応型の簡便なプロセスで製造することが困難であった。
特開平06−091194号公報 特開2005−263550号公報 特表2010−030791号公報 特開2011−042527号公報 特表2009−504632号公報
M.Pi,et al.,Colloids and Surfaces B Biointerfaces,2010,78,193. J.Yang,et al.,Chem.Mater.,2008,20,2875. A.Khanal,et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,1534.
上記実情を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、粒子外径が30〜500nmの範囲内、特には50〜200nmの範囲内である比較的大きな中空シリカナノ粒子の環境対応型で簡便、効率的なプロセスで製造する方法と、該製造方法による中空シリカナノ粒子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミンと疎水性有機セグメントとを有する共重合体を水と溶剤との混合溶媒に溶解し、これと水とを混合すると、容易に比較的粒径の大きなコア−シェル構造を有する会合体が得られること、その会合体をシリカ析出に触媒機能するテンプレートとし、シリカソースのゾルゲル反応を会合体のシェル層で選択的に進行させることによって、当該共重合体を主成分とするコア層と、脂肪族ポリアミン部分とシリカとが複合されてなるシェル層とを有するコア−シェル型シリカナノ粒子が得られること、このコア−シェル型シリカナノ粒子から、容易に共重合体を除去することができ、その除去工程によってシリカ粒子に中空構造を発現させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、中空シリカナノ粒子を製造する方法であって、(1)一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)とを有する共重合体(A)を水と溶剤との混合媒体中で会合体を形成させた後、溶剤の全部または一部を除去し、会合体の分散体を得る工程、
(2)(1)の工程で得られた会合体の分散液にシリカソース(b)を加え、該会合体をテンプレートとして当該シリカソースのゾルゲル反応を行い、シリカ(B)を析出させることで、コア−シェル型シリカナノ粒子を得る工程、
(3)(2)の工程で得られたコア−シェル型シリカナノ粒子から共重合体(A)を除去する工程、
を有することを特徴とする中空シリカナノ粒子の製造方法を提供するものである。さらに、本発明は、上記製造方法によって、粒径が30−500nmの範囲内である中空シリカナノ粒子も提供するものである。
本発明で得られる中空シリカナノ粒子は、シリカ材料ナノサイズ特有の物質特性を有すると共に、前躯体であるコア−シェル型シリカナノ粒子の合成条件などを調節することで、中空シリカナノ粒子の外径、空洞及び構造が制御できる。特に、粒子外径が30nm〜500nm、シェル層の厚さが5〜20nmの多分散性の中空シリカナノ粒子を製造できる。このため、本発明の中空シリカナノ粒子は各種応用展開に有用であり、例えば、反射防止材、断熱材、低誘電率材、触媒、触媒担体、化粧品など多くの領域への利用が可能である。また、本発明の製造方法によれば、前述の中空シリカナノ粒子を容易に形成できる。特に共重合体からなる会合体と前躯体であるコア−シェル型シリカナノ粒子の形成は、温和な条件下で簡便に調整できることから、本発明の製造方法は環境負荷が少なく、生産プロセスも簡便であり、工業的製造に好適である。
実施例1で得た中空シリカナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得た中空シリカナノ粒子の窒素ガス吸着(下)−脱着(上)の等温線である。 実施例2で得た中空シリカナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例3で得た中空シリカナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
中空シリカナノ粒子を得るには、除去可能なコアを有し、シェル部にシリカが含まれるコア−シェル型シリカナノ粒子を製造することが必要となる。このような前駆体を得るには、三つの条件が不可欠であると考えられる。それは、(i)コア−シェル型シリカナノ粒子を誘導するポリマーテンプレート、(ii)シリカソースを濃縮する足場、(iii)ゾル−ゲル反応を加速させる条件である。
本発明においては、これら条件を満たすため、一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)とを有する共重合体(A)を使用する。該共重合体(A)を水と溶剤との混合媒体中に溶解し、これと水とを更に混合すると、容易に会合体が得られる。その会合体はコア−シェル構造を有し、コアは共重合体(A)を主成分とし、シェルは脂肪族ポリアミン鎖(a1)を主成分とする。その会合体をテンプレートとし、シリカソースのゾルゲル反応を会合体のシェル層で選択的に進行させることによって、共重合体(A)を主成分とするコア層とポリアミン鎖(a1)とシリカ(B)とを主成分とする複合体からなるシェル層とのコア−シェル型シリカナノ粒子が得られる。ここで得られたコア−シェル型シリカナノ粒子から共重合体(A)を除去すると、シェル層の形状を保持したまま、有機成分が除去されることになり、中空構造を発現し、その結果、中空シリカナノ粒子が得られるものである。
上記製法で得られる中空シリカナノ粒子は、その外径が30〜500nm、好ましくは50〜200nmの範囲であり、内径が40〜490nm程度、好ましくは40〜190nmの範囲のものである。該中空シリカナノ粒子は、球状であり、上記の範囲で多分散性を有することも可能である。このような中空シリカナノ粒子はナノサイズ特有の物質特性を発現しやすく、また、内部にある空洞部を利用して各種の機能性物質を内包することも可能である。以下、本発明の中空シリカナノ粒子の製造方法について詳述する。
本発明の製造方法は、
(1)一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)とを有する共重合体(A)を水と溶剤との混合媒体中で会合体を形成させた後、溶剤の全部または一部を除去し、会合体の分散体を得る工程、
(2)(1)の工程で得られた会合体の分散液にシリカソース(b)を加え、該会合体をテンプレートとして当該シリカソースのゾルゲル反応を行い、シリカ(B)を析出させることで、コア−シェル型シリカナノ粒子を得る工程、
(3)(2)の工程で得られたコア−シェル型シリカナノ粒子から共重合体(A)を除去する工程、
を有することを特徴とする
本発明の製造方法において使用する共重合体(A)中の一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン鎖(a1)は、水性媒体に混合した際に、シェル層の脂肪族ポリアミン(a1)と結合した疎水性有機セグメント(a2)及び共重合体(A)をコアとする会合体を形成できれば特に限定されず、例えば、分岐状ポリエチレンイミン鎖、直鎖状ポリエチレンイミン鎖、ポリアリルアミン鎖などが使用できる。中空シリカナノ粒子の前駆体となるコア−シェル型シリカナノ粒子を効率的に製造でき、且つ、会合体が水性媒体中で分散安定化できる観点から、分岐状ポリエチレンイミン鎖を用いることが望ましい。また、ポリアミン鎖(a1)部分の分子量としては、疎水性有機セグメント(a2)とのバランスを取って、会合体を形成できる範囲であれば特に制限されないが、好適に会合体を形成できる観点から、ポリアミン鎖部分の重合単位の繰り返し単位数が5−10,000の範囲であることが好ましく、特に50−8,000の範囲であることが好ましい。
又脂肪族ポリアミン鎖(a1)部分の分子構造も特に限定されず、例えば、直鎖状、分岐状、デンドリマー状、星状、又は櫛状などが好適に使用できる。シリカ析出にテンプレートとする会合体を効率的に形成でき、製造コストや分散安定化などの観点から、分岐状ポリエチレンイミン鎖を用いることが好ましい。
一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン鎖(a1)の骨格には一種のアミン重合単位のみからなるものであっても、二種類以上のアミン単位の共重合からなるポリアミン鎖(共重合体)であっても良い。また、脂肪族ポリアミン鎖(a1)の骨格には、水性媒体中で会合体を形成できる範囲であれば、アミン以外の重合単位が存在していてもよい。好適に会合体を形成できる点からは、脂肪族ポリアミン鎖(a1)のアミン骨格の中に、他の重合単位の割合が50モル%以下で含まれていることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、15モル%以下であることが最も好ましい。
共重合体(A)中の疎水性有機セグメント(a2)は、水性溶媒中、疎水作用によってシェル層の脂肪族ポリアミンと結合した当該疎水性有機セグメント(a2)及び共重合体(A)をコアとする安定な会合体を形成できれば、特に制限されず、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステルなどの疎水性ポリマーからなるセグメントを挙げることが出来る。ポリメタクリル酸エステル又はポリアクリル酸エステルの場合、エステル基は炭素数が1以上のアルキレン鎖を有する化合物であることが好ましく、疎水性の強さから特に炭素数4以上のアルキレン鎖を有する化合物であることがより好ましい。疎水性ポリマー鎖の長さとしては、会合体をナノサイズで安定化できる範囲であれば特に制限されないが、好適に会合体を形成できる点から、ポリマー鎖の重合単位の繰り返し単位数が5−10,000の範囲であることが好ましく、特に40−1000の範囲であることが好ましい。また、疎水性有機セグメント(a2)部分の分子量としては、1,000〜100,000の範囲であることが、共重合体(A)を主成分とするコアを有する会合体を容易に形成できる点から好ましい。
脂肪族ポリアミン鎖(a1)に疎水性有機セグメント(a2)を結合させるその方法としては、安定な化学結合であれば特に制限されず、例えば、ポリアミンの末端にカップリングすることによって結合したもの、又はポリアミンの骨格の上にグラフト化によって結合したものであってもよい。一個のポリアミン鎖(a1)に一個の疎水性有機セグメント(a2)が結合してなるものであっても、複数の疎水性有機セグメント(a2)が結合してなるものであっても良い。
共重合体(A)中の脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)との割合は、水性媒体中で安定な会合体を形成できる範囲であれば特に制限されない。容易に会合体を形成できる点からは、ポリアミン鎖(a1)の割合が10−90質量%の範囲であることが好ましく、30−70質量%の範囲であることがより好ましい。
該製造方法は、まず一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)とを有する共重合体(A)を用いて、コア−シェル型シリカナノ粒子を得ることが重要である。該コア−シェル型シリカナノ粒子は、脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)とを有する共重合体(A)が水性媒体中で自己組織的に得られるコア−シェル構造を有する会合体である。
本発明の製造方法においては、まず、一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)とを有する共重合体(A)を、水と溶剤との混合媒体である水性溶媒に溶解する。共重合体(A)が水性溶媒に直接溶解しない場合、良溶媒に溶解させた溶液を調整するか、もしくは合成した反応溶液をそのまま用いて、その溶液に水性溶媒を滴下するか、もしくはその溶液を水性媒体に滴下する方法を用いてもよい。これにより、コア−シェル構造を有する会合体を自己組織化によって形成させることができる。該会合体のコアは共重合体(A)を主成分とするものであり、シェル層は脂肪族ポリアミン鎖(a1)を主成分とするものであって、疎水性有機セグメント(a2)の疎水相互作用とそれを囲むシェル層による分散安定化効果によって、媒体中に安定な会合体を形成すると考えられる。
また、該会合体を形成する際、共重合体(A)が水に対して溶解しない場合、共重合体(A)が溶解する溶剤に一度溶解させてもよい。共重合体(A)を溶解させる溶剤は、脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)ともに溶解し、且つ水と混合できる極性溶媒が好ましい。例えば、プロピレングリコールなどのグリコール系溶媒、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトールなどのエーテル系溶媒、N,N―ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N―ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N’―ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−エチルピロリドン(NEP)、N−ビニルピロリドンなどのアミド系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン系溶媒などが好ましい。
調整した共重合体(A)溶液は、その溶液に水を滴下するか、もしくはその溶液を水に滴下することで、会合体を形成することができる。その溶液に水を滴下する場合、その溶液を撹拌した状態で少量ずつ滴下していくことが望ましい。その溶液の濃度は低い方が好ましいが、生産性を考慮すれば、0.1〜5質量%程度が好ましい。また、滴下する水の量は、共重合体(A)の濃度により異なるが、溶液の量の0.01〜0.2倍であることが好ましい。
また、調整した共重合体(A)溶液を水に滴下する場合、水を撹拌した状態で共重合体(A)溶液を滴下していくことが望ましい。その溶液の濃度には特に制限はなく、20〜25質量%の溶液でも少量ずつ滴下すれば問題はないが、粒径や分散性を制御する場合にはできるだけ低い方が好ましく、生産性を考慮すれば、0.1〜5質量%程度が好ましい。また、水の量は、共重合体(A)が溶解している水性溶媒にもよるが、共重合体(A)溶液の1〜10倍量であることが好ましく、生産性を考慮すれば、1〜2倍量であることが特に好ましい。
該会合体を形成する際の水は単独で用いてもよいが、安定な会合体を形成できるものであれば、他の水溶性溶媒を併用してもよい。この時、水と水溶性溶媒の混合溶液中の水の量は、体積比として水/水溶性溶媒が0.5/9.5〜3/7の範囲であればよく、0.1/9.9〜5/5の範囲であればより好ましい。生産性、環境やコストなどの観点から、水とアルコールの混合溶液を用いてもよいが、水のみを用いることが好ましい。
共重合体(A)の濃度は、基本的に会合体同士の融合が起こらない範囲であれば良いが、通常、濃度範囲としては、0.05〜15質量%であり、好ましい濃度範囲は0.1〜10質量%であり、最も好ましい濃度範囲は0.2〜5質量%である。
該会合体を含む水性媒体は、通常シェル層にある脂肪族ポリアミン鎖(a1)により塩基性を示すが、酸の滴下によるpHの調整を行ってもよい。用いる酸は、例えば、塩酸、硝酸等の一価の無機酸、もしくは酢酸、酒石酸等のカルボン酸が挙げられる。硫酸やリン酸等の多価の無機酸、クエン酸やシュウ酸等の多価のカルボン酸の場合には、会合体が凝集してしまうため、粒子の分散性を求める場合には使用しないほうが好ましい。
本発明での水性媒体中における、共重合体(A)の自己組織化による会合体形成は、プロセス的には簡便であるが、官能基を2以上持つ有機化合物を用いて、その会合体のシェル層のポリアミン鎖(a1)を架橋することも可能であり、会合体類似のものを得ることもできる。例えば、官能基を2個以上持つアルデヒド類化合物、エポキシ化合物、不飽和二重結合含有化合物、カルボキシル基含有化合物などを使用してもよい。
本発明の製造方法においては、前記会合体形成の工程に引き続き、用いた溶剤の全部または一部を除去する工程を有する。当該除去の工程は、上記で得られた会合体の形状を維持できるものであれば、いずれの方法を用いてもよい。特に溶剤の除去が容易である観点から、減圧留去による除去または透析膜や限外濾過による除去が好ましい。
上記工程の後、シリカ形成の工程、即ち水の存在下で、前記会合体をテンプレートとし、シリカソースのゾルゲル反応を行う。シリカ析出後に、有機シランを用いてさらにゾルゲル反応を行う事で、コア−シェル型シリカ複合粒子にポリシルセスキオキサンを含有させることもできる。
ゾルゲル反応を行う方法としては、会合体の溶液とシリカソースとを混合することで、コア−シェル型シリカ複合粒子を容易に得ることができる。シリカソースとしては、水ガラス、テトラアルコキシシラン類、テトラアルコキシシランのオリゴマー類などが挙げられる。
テトラアルコキシシラン類としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどを挙げられる。
又、テトラメトキシシランの4量体、テトラメトキシシランの7量体、テトラエトキシシラン5量体、テトラエトキシシラン10量体などが挙げられる。
コア−シェル型シリカ複合粒子を与える上記ゾルゲル反応は、溶媒の連続相では起こらず、会合体ドメインだけで選択的に進行する。従って、会合体が解体することがなければ、反応条件は任意である。
ゾルゲル反応においては、会合体の量に対するシリカソースの量は特に制限されない。目的とするコア−シェル型シリカ複合粒子の組成に応じて、会合体とシリカソースとの割合は適宜に設定することが出来る。また、シリカ析出後に、有機シランを用いて、コア−シェル型シリカ複合粒子にポリシルセスキオキサンの構造を導入する場合は、有機シランの量としては、シリカソースの量に対して、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
ポリシルセスキオキサンを複合粒子に導入する場合に用いることができる有機シランとしては、アルキルトリアルコキシシラン類、ジアルキルアルコキシシラン類、トリアルキルアルコキシシラン類などが挙げられる。
アルキルトリアルコキシシラン類としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシトキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシトキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトメトキシシラン、3−メルカプトトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリメトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
ジアルキルアルコキシシラン類としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシランなどが挙げられる。
トリアルキルアルコキシシラン類としては、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシランなどが挙げられる。
ゾルゲル反応の温度は特に制限されず、例えば、0〜90℃の範囲であることが好ましく、10〜40℃の範囲であることがより好ましい。効率的にコア−シェル型シリカ複合粒子を製造するために、反応温度を15〜30℃の範囲に設定すればさらに好適である。
ゾルゲル反応の時間は1分から数週間まで様々であり任意で選択できるが、水ガラスやアルコキシシランの反応活性の高いメトキシシラン類の場合は、反応時間は1分〜24時間でよく、反応効率を上げることから、反応時間を30分〜5時間に設定すればさらに好適である。また、反応活性が低い、エトキシシラン類、ブトキシシラン類の場合は、ゾルゲル反応時間は5時間以上であることが好ましく、その時間を一週間程度とすることも好ましい。有機シランでのゾルゲル反応の時間としては、反応の温度によって、3時間〜1週間の範囲にあることが望ましい。
前記で得られるコア−シェル型シリカナノ粒子は、シェル層の脂肪族ポリアミンと結合した疎水性有機セグメント及び共重合体(A)を主成分とするコア層と脂肪族ポリアミン鎖(a1)とシリカ(B)を主成分とする複合体をシェル層とする。ここで、主成分とするとは、意図的に第三成分を導入しない限りにおいて、共重合体(A)とシリカ(B)以外の成分が入らないこと、および、水性媒体中での共重合体(A)の会合体形成において、例えば、コア部に少量の溶剤が入っていたり、シェル層部分に疎水性有機セグメント(a2)が一部入っていたりすることがあることを示すものである。特に前駆体であるコア−シェル型シリカナノ粒子におけるシェル層は、シリカが形成するマトリックスに脂肪族ポリアミン鎖(a1)が複合化されてなる有機無機複合体である。また、共重合体(A)の脂肪族ポリアミン鎖(a1)部分がシェル層を形成している分子では、それに結合している疎水性有機セグメント(a2)部分は疎水相互作用によりコア層に存在するため、コア層は必然的に共重合体(A)の脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)の比率よりも疎水性有機セグメント(a2)部分を多く含むこととなる。
前記コア−シェル型シリカナノ粒子の粒径は30〜500nmの範囲であり、特に50−200nmの範囲のコア−シェル型シリカナノ粒子を好適に得ることができる。該コア−シェル型シリカナノ粒子の粒径は会合体の調製〔例えば、用いる共重合体(A)の種類、組成、分子量など〕や、シリカソース(b)の種類及びゾルゲル反応条件等により調整できる。
コア−シェル型シリカナノ粒子中のシリカの含有量は、反応条件などにより一定の幅で変化させることが可能であり、一般的にはコア−シェル型シリカナノ粒子全体の30〜95質量%、好ましくは60〜90質量%の範囲とすることができる。シリカの含有量はゾルゲル反応の際に用いた共重合体(A)中の脂肪族ポリアミン鎖(a1)の含有量、会合体の量、シリカソース(b)の種類及び量、ゾルゲル反応時間や温度などを変えることで変化させることができる。
本発明の製造方法では、このようにして得られた前駆体であるコア−シェル型シリカナノ粒子から共重合体(A)を除去することにより、目的とする中空シリカナノ粒子を得るものである。
共重合体(A)を除去する方法としては、焼成処理や溶剤洗浄の方法で実現できるが、共重合体(A)を完全に除去できる点から、焼成炉中での焼成処理法が好ましい。
焼成処理では、空気、酸素存在下での高温焼成と不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウムの存在下での高温焼成を用いることもできるが、通常、空気中での焼成が好ましい。
焼成する温度としては、共重合体(A)が300℃付近から熱分解するため、300℃以上の温度であれば好適であり、特に300〜1000℃の範囲で行うことが好ましい。
ポリシルセスキオキサンを含有するコア−シェル型シリカナノ粒子の焼成については、ポリシルセスキオキサンが熱分解する温度以下で焼成すれば、特に限定されない。例えば、ポリメチルシルセスキオキサンを含有するコア−シェル型シリカナノ粒子を400℃で焼成すると、共重合体(A)を除去できると共に、ポリメチルシルセスキオキサンを有したままの中空シリカナノ粒子が製造できる。
本発明の製造方法によれば、外径が30〜500nmの範囲であり、シェル層の厚さが1〜20nmである中空構造を有するシリカ粒子を得ることができる。特に、本発明の製造方法によれば、粒子の外径が50〜200nmの範囲であり、シェル層の厚さが1〜20nmの範囲である中空シリカナノ粒子を好適に得ることができる。これは、従来のナノサイズ中空シリカ粒子製造法、例えば、ポリマーラテックスナノ粒子やブロックポリマーミセルをテンプレートとした中空シリカ製造法では簡便に得ることが難しい中空シリカナノ粒子である。また、得られた中空シリカナノ粒子にはポリシルセスキオキサンを含有させておくこともできる。
また、本発明で得られる中空シリカナノ粒子は、粉体としての使用が可能であり、その他の樹脂等の化合物へのフィラーとして用いることもできる。乾燥後の粉体を溶媒に再分散させてなる分散体、又はゾルとして、その他の化合物へ配合することも可能である。
本発明の中空シリカナノ粒子の製造方法は、分子自己組織化に基ついた設計されたテンプレートとバイオシリカを模倣したゾル−ゲル反応とを用いることで、広範に利用されている既知の製造方法に比べて、極めて簡便且つ容易であり、従来のナノ粒子をテンプレートとした中空シリカ製造法では得ることが困難な中空シリカナノ粒子を得ることもできることから、その応用には業種、領域を問わず、大きな期待が寄せられる。特に反射防止、低誘電率、断熱材において有用な材料である。
また、本発明の中空シリカナノ粒子の製造方法は、水中にて短時間で行うことが可能であることから、環境対応型の製造方法である。また、共重合体(A)の会合体の調整、コア−シェル型シリカナノ粒子からの共重合体(A)の除去も汎用の設備を用いて容易に行うことができ、中空シリカナノ粒子の製造方法として有用性が高いものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断わりがない限り、「%」は「質量%」を表わす。
[焼成法]
焼成は、株式会社アサヒ理化製作所製セラミック電気管状炉ARF−100K型にAMF−2P型温度コントローラ付きの焼成炉装置にて行った。
[共重合体(A)のNMR測定による分析]
共重合体(A)の合成に対して、H−NMR測定(日本電子株式会社製、AL300、300Hz)を行い、化学構造を同定した。
[透過電子顕微鏡による観察]
合成した中空シリカナノ粒子もしくはエタノール分散溶液を炭素蒸着された銅グリッドに乗せ、乾燥後、サンプルを日本電子株式会社製、JEM−1400もしくはJEM−2200FSにて観察を行った。
[比表面積測定]
比表面積はマイクロメリティクス社製Tris star 3000型装置にて、窒素ガス吸着/脱着法で測定した。
合成例1
<共重合体(A−1)の合成>
分岐状ポリエチレンイミン(SP200、日本触媒社製、平均分子量10,000)の1.5gとAS−6(東亜合成社製、メタクリロイル末端ポリスチレン、平均分子量6,000)の0.9gを7.6gのDMFに溶解し、60℃で4時間攪拌し反応させた。反応は、H−NMR測定によってAS−6の5.5〜6.5ppmに見られるメタクリロイル基が消失したことを確認し、完全に進行したことを確認した。
合成例2
<コア−シェル型シリカナノ粒子の合成>
合成例1で合成した共重合体(A−1)の反応溶液(24%)を、攪拌させている10gの蒸留水中へその溶液を少量ずつ30分かけて滴下し、会合体の形成を行った。沈殿物が生成していないことを確認し、透析膜(MWCO12,000〜14,000)を用いてDMFを除去した。その後、得られた会合体の溶液の10gに、1.0Mの塩酸を加えてpHを5.0に調整し、1.0mLのMS−51(テトラメトキシシランの4量体)をシリカソースとして加えた。得られた分散溶液を室温にて24時間攪拌した後、遠心分離(10,000rpm/20min)にて回収し、水とエタノールでの洗浄、乾燥を経て、コア−シェル型シリカナノ粒子を得た。収量は0.198gであった。
合成例3
<コア−シェル型シリカナノ粒子の合成>
合成例1で合成した共重合体(A−1)の反応溶液にDMFを10.0g加えて濃度を12%に調整した後に、攪拌させている20gの蒸留水中へその溶液を少量ずつ30分かけて滴下し、会合体の形成を行った。沈殿物が生成していないことを確認し、透析膜(MWCO12,000〜14,000)を用いてDMFを除去した。その後、得られた会合体の溶液の10gに、1.0Mの塩酸を加えてpHを5.0に調整し、1.0mLのMS−51(テトラメトキシシランの4量体)をシリカソースとして加えた。得られた分散溶液を室温にて24時間攪拌した後、遠心分離(10,000rpm/20min)にて回収し、水とエタノールでの洗浄、乾燥を経て、コア−シェル型シリカナノ粒子を得た。収量は0.211gであった。
合成例4
<ポリシルセスキオキサンを有するコア−シェル型シリカナノ粒子の合成>
合成例2で合成した共重合体(A−1)の0.10gと水の10mLとの混合溶液を80℃で24時間攪拌することで、会合体を得た。この会合体の分散溶液にMS51(メトキシシランの4量体)の0.8mLをシリカソースとして加えた。得られた分散溶液を室温にて4時間攪拌した後、トリメチルメトキシシランの0.2mLを加えた。得られた溶液を室温にて24時間攪拌して、エタノールでの洗浄、乾燥を経て、ポリシルセスキオキサンを有するコア−シェル型シリカナノ粒子を得た。
実施例1
<中空シリカナノ粒子の合成>
合成例2で得られたコア−シェル型シリカナノ粒子0.198gをアルミナるつぼに入れ、それを電気炉内にて焼成した。炉内温度は、2時間かけて800℃まで上げ、その温度にて3時間保持した。これを自然冷却し、共重合体(A−1)成分を除去した。収量は0.086gであった。
TEM観察により、得られたシリカナノ粒子が中空構造を有することが確認出来た(図1)。得られた中空シリカナノ粒子は多分散性の球状であり、粒径が50〜200nmの範囲のものが多くみられ、シェル層の厚みは10nm程度であった。これで得た粉末の比表面積は449.7m/gであった。この粉末の等温線を図2に示した。
実施例2
<中空シリカナノ粒子の合成>
合成例3で得られたコア−シェル型シリカナノ粒子0.211gをアルミナるつぼに入れ、それを電気炉内にて焼成した。炉内温度は、2時間かけて800℃まで上げ、その温度にて3時間保持した。これを自然冷却し、共重合体(A−1)成分を除去した。収量は0.060gであった。
TEM観察により、得られたシリカナノ粒子が中空構造を有することが確認出来た(図3)。得られた中空シリカナノ粒子は多分散性の球状であり、100nm以上のものも存在するが、粒径が50〜100nmの範囲のものが多くみられ、シェル層の厚みは10nm程度であった。これで得た粉末の比表面積は425.2m/gであった。
実施例3
<ポリシルセスキオキサンを有する中空シリカナノ粒子の合成>
合成例3で得られたポリシルセスキオキサン含有コア−シェル型シリカナノ粒子をアルミナ坩堝に加え、それを電気炉内にて焼成した。炉内温度は、2時間かけて400℃まで上げ、その温度にて1時間保持した。これを自然冷却し、共重合体(A−1)成分を除去したポリシルセスキオキサン含有の中空シリカナノ粒子を得た。TEM観察により、得られたシリカナノ粒子は、粒径が50〜200nmの範囲のものが多くみられ、シェル層の厚みは10nm程度であり、中空構造を有することを確認した。
合成例5
<共重合体(A−2)の合成及びコア−シェル型シリカナノ粒子の合成>
分岐状ポリエチレンイミン(SP200、日本触媒社製、平均分子量10000)の1.0gとAB−6(東亜合成社製、メタクリロイル末端ポリアクリル酸ブチル、平均分子量6,000)の0.6gを8.4gのDMFに溶解し、60℃で6時間攪拌し反応させた。反応は、H−NMR測定によってAS−6の5.5〜6.5ppmに見られるメタクリロイル基が消失したことを確認し、完全に進行したことを確認した。
得られた共重合体(A−2)の反応溶液を、攪拌させている10gの蒸留水中へその溶液を少量ずつ30分かけて滴下し、会合体の形成を行った。沈殿物が生成していないことを確認し、透析膜(MWCO12,000〜14,000)を用いてDMFを除去した。その後、得られた会合体の溶液に20gの蒸留水と1.0Mの塩酸を加えてpHを5.0に調整し、3.0mLのMS−51(テトラメトキシシランの4量体)をシリカソースとして加えた。得られた分散溶液を室温にて24時間攪拌した後、遠心分離(10,000rpm/20min)にて回収し、水とエタノールでの洗浄、乾燥を経て、コア−シェル型シリカナノ粒子を得た。収量は0.013gであった。
実施例3
合成例5で得られたコア−シェル型シリカナノ粒子の0.013gを実施例1に示した方法で焼成した。収量は0.008gであった。TEM観察により、得られたシリカナノ粒子は粒径が50〜100nmの範囲のものが主に観測され、シェル層の厚みは8nm程度であり、中空構造を有することが確認出来た(図4)。

Claims (9)

  1. (1)一級アミノ基および/または二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン鎖(a1)と疎水性有機セグメント(a2)とを有する共重合体(A)を水と溶剤との混合媒体中で会合体を形成させた後、溶剤の全部または一部を除去し、会合体の分散体を得る工程、
    (2)(1)の工程で得られた会合体の分散液にシリカソース(b)を加え、該会合体をテンプレートとして当該シリカソースのゾルゲル反応を行い、シリカ(B)を析出させることで、コア−シェル型シリカナノ粒子を得る工程、
    (3)(2)の工程で得られたコア−シェル型シリカナノ粒子から共重合体(A)を除去する工程、
    を有することを特徴とする中空シリカナノ粒子の製造方法。
  2. 前記工程(2)の後に、有機シラン(c)のゾルゲル反応を行い、ポロシルセスキオキサン(C)を更に含有するコア−シェル型シリカナノ粒子とする工程を有する請求項1記載の中空シリカナノ粒子の製造方法
  3. 前記脂肪族ポリアミン鎖(a1)が、分岐状ポリエチレンイミン鎖またはポリアリルアミン鎖である請求項1〜2の何れか1項記載の中空シリカナノ粒子の製造方法。
  4. 前記疎水性有機セグメント(a2)が、重合度が5以上のポリスチレンセグメント、ポリアクリル酸エステルセグメント、及びポリメタクリル酸エステルセグメントかからなる群から選ばれる1種以上の疎水性有機セグメントである請求項1〜3の何れか1項記載の中空シリカナノ粒子の製造方法。
  5. 前記工程(3)における共重合体(A)を除去する工程が、焼成によるものである請求項1〜4の何れか1項に記載の中空シリカナノ粒子の製造方法。
  6. 焼成温度が300〜1000℃の範囲である請求項5記載の中空シリカナノ粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の製造方法で得られることを特徴とする中空シリカナノ粒子。
  8. 粒子の平均外径が30〜500nmの範囲である請求項7記載の中空シリカナノ粒子。
  9. 厚みが1〜20nmの範囲であって、且つ多分散性である請求項7又は8記載の中空シリカナノ粒子。
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