JP2010031443A - ヌバック調シート状物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一方の面に非輪奈状のパイル繊維からなるパイル繊維片を有する繊維質基材の当該パイル繊維片を有する側の面に、ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤との反応により形成されるポリウレタン樹脂からなる発泡層が、パイル繊維片と混在する状態で積層され、パイル繊維片の少なくとも一部は先端が発泡層の表面に立毛状に突出しており、突出したパイル繊維片の表面が保護膜で被覆されているヌバック調シート状物。
【選択図】図1
Description
発泡層の表面に立毛状に突出させるパイル繊維片の長さは10〜300μmであることが好ましく、密度は2万5千〜350万本/(25.4mm)2であることが好ましい。
加熱溶融状態にあるホットメルトウレタンプレポリマーと、ウレタン硬化剤とを混合してプレポリマー組成物を調製する工程、
プレポリマー組成物を、(a)離型性基材に塗布し、該塗布面に、少なくとも一方の面に非輪奈状のパイル繊維からなるパイル繊維片を有する繊維質基材の該パイル繊維片を有する側の面を貼り合わせるか、または、(b)少なくとも一方の面に非輪奈状のパイル繊維からなるパイル繊維片を有する繊維質基材の該パイル繊維片を有する側の面に塗布し、該塗布面に、離型性基材を貼り合わせる工程、
エージング処理して、ポリウレタン樹脂からなる発泡層を形成させる工程、
離型性基材を剥離する工程、
発泡層の表面を研削処理して、パイル繊維片の少なくとも一部の先端を発泡層の表面に立毛状に突出させる工程、
突出したパイル繊維片の表面に樹脂組成物を塗布する工程、
熱処理して、突出したパイル繊維片の表面を被覆する保護膜を形成させる工程、
をこの順で含んでなるヌバック調シート状物の製造方法である。
(a)該プレポリマー組成物を、離型性基材に塗布し、該塗布面に、上記繊維質基材のパイル繊維片面を貼り合わせるか、または、
(b)該プレポリマー組成物を、上記繊維質基材のパイル繊維片面に塗布し、該塗布面に、離型性基材を貼り合わせ、
次いでエージング処理することにより、繊維質基材のパイル繊維片面に形成することができる。
式(II)で発生する炭酸ガスにより、樹脂層には多数の孔が形成され、発泡層が形成される。
ホットメルトウレタンプレポリマーとしてホットメルトウレタンポリオールプレポリマーを用いる場合には、ウレタン硬化剤としてポリイソシアネートを用い、ホットメルトウレタンプレポリマーとしてホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーを用いる場合には、ウレタン硬化剤としてポリオールを用いる。
ホットメルトウレタンプレポリマーとしてホットメルトウレタンポリオールプレポリマーを用い、ウレタン硬化剤としてポリイソシアネートを用いる場合のイソシアネート基/水酸基の当量比は、0.95〜2であることが好ましく、1.1〜1.3であることがより好ましい。当量比が0.95未満であると、未反応のプレポリマーが残り、硬化して得られるポリウレタン樹脂において加水分解が起こり易く、強度が関係する物性全般が悪くなる虞がある。当量比が2を超えると、硬化反応が進みすぎて風合いが硬くなる虞がある。このとき、プレポリマー100重量部に対するウレタン硬化剤の使用量は、プレポリマーやウレタン硬化剤の分子量にもよるが、通常の場合3〜50重量部、より好ましくは5〜40重量部である。
かくして、本発明のヌバック調シート状物を得ることができる。
官能評価を行い、下記基準に従って判定した。
○:ヌバック調の繊細な外観である
△:ヌバック調の外観をやや欠く
×:ヌバック調の外観が全くなく、粗い外観である
官能評価を行い、下記の基準に従って判定した。
○:ヌバック調のしっとりとしたヌメリ感のある感触である
△:ヌバック調の感触をやや欠く
×:ヌバック調の感触が全くなく、ざらついてドライな感触である
風合い評価の指標として剛軟度を測定し、下記の基準に従って判定した。なお、剛軟度の測定は、JIS L1096−1999 8.19.1 A法(45度カンチレバー法)に準拠した。また、試験片としては、幅25mm、長さ200mmの大きさで、タテ方向およびヨコ方向からそれぞれ1枚採取したものを用いた。
○:剛軟度が60mm未満であり、風合いに優れる
△:剛軟度が60mm以上、80mm以下であり、やや硬い風合いである
×:剛軟度が80mmを超え、風合いが硬い
シート状物を長手方向が上下に、幅方向が左右になるように水平に置く。指で幅方向に対して60度の角度で上から下へ続いて下から上へ、シート状物の表面を10cmほどなぞる。次に、幅方向に対して45度の角度で同様になぞり、最後に30度の角度で同様になぞる。それぞれの角度におけるライティング効果を確認し、下記の基準に従って判定した。
○:いずれの角度においてもライティング効果が確認できる
△:特定の角度ではライティング効果が十分に確認できない
×:いずれの角度においてもライティング効果がほとんど確認できない
幅70mm、長さ300mmの大きさの試験片をタテ方向から1枚採取し、裏面に幅70mm、長さ300mm、厚さ10mmの大きさのウレタンフォームを添えて、平面摩耗試験機T−TYPE(株式会社大栄科学精器製作所製)に固定する。綿帆布をかぶせた摩擦子に荷重9.8Nを掛けて試験片を摩耗する。摩擦子は試験片の表面上140mmの間を60往復/分の速さで摩耗する。摩耗回数2500回毎に綿帆布を交換し、合計10000回摩耗する。摩耗後の試験片の状態を観察し、下記の基準に従って判定した。
○:亀裂、破れ等が無い
△:亀裂が発生した
×:破れが発生した
[製造例1]
60℃に保温した1リットルの4ツ口フラスコに、数平均分子量が2000のポリエステルポリオール(クラレポリオールP2012:株式会社クラレ製)を80部、数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール(クラレポリオールC2090:株式会社クラレ製)を50部、数平均分子量が1000のポリエーテルポリオール(PTMG1000:三洋化成工業株式会社製)を10部入れて撹拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を15部入れてイソシアネート基が無くなるまで80℃にて撹拌し(当量比(水酸基/イソシアネート基)は1.25)、ホットメルトウレタンポリオールプレポリマー(軟化温度:40℃)を得た。
60℃に保温した1リットルの4ツ口フラスコに、数平均分子量が1000のポリエステルポリオール(クラレポリオールP1012:株式会社クラレ製)を10部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を6部入れて水酸基が無くなるまで80℃にて攪拌し(当量比(イソシアネート基/水酸基)は2.4)、ホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマー(軟化温度:30℃)を得た。
[樹脂組成物]
組成1および組成2の溶液を、塗布直前に混合し(合計430部)、樹脂組成物とした。
HM−183(平滑剤) 5部
HM−4986(平滑剤) 15部
WT−2524(ポリウレタン樹脂) 100部
LA−1688(活性剤) 20部
水 270部
XR−13−436(架橋剤) 10部
水 10部
28ゲージで3枚の筬を有するトリコット編機を使用し、フロント筬にはポリエチレンテレフタレート32dtex/102f(単繊維繊度0.31dtex)のインターレース糸を、ミドル筬、バック筬にはポリエチレンテレフタレート75dtex/36fの糸を用い、組織はフロント筬1−0/3−4、ミドル筬1−0/1−2、バック筬2−3/1−0で、編機上で70コース/25.4mmでトリコット編地を編成した。
得られた編地を、分散染料を用いて液流染色機により130℃で30分間染色後、ヒートセッターにより150℃で2分間熱処理して乾燥した。
不織布の構成繊維として、直接紡糸法による単繊維繊度0.15dtexの極細ポリエチレンテレフタレートを長さ5mmに切断したものと、直接紡糸法による単繊維繊度0.1dtexの極細ポリエチレンテレフタレートを長さ5mmに切断したものを用い、重量比が50:50となるように水中に分散させ、表層用と裏層用の抄造用スラリーを作製した。表層目付110g/m2、裏層目付60g/m2とし、その中間にポリエチレンテレフタレート165dtex/48fの糸からなるガーゼ状の織物を封入し、三層積層構造の不織布を連続抄造により製造した。
得られた不織布に高速水流を噴射し、三次元交絡不織布を得た。高速水流には孔径0.1mmの直進流噴射ノズルを用いて、表層から4.0MPa、裏層から3.0MPaの圧力で噴射処理した。次いで、ヒートセッターにより150℃で1分間熱処理して乾燥した。
次いで、分散染料を用いて液流染色機により130℃で20分間染色後、ヒートセッターにより150℃で2分間熱処理して乾燥し、比較例1のシート状物(乾式法の一形態である)を得た。パイル繊維片の長さの分布は200〜300μm、平均値は250μm、パイル繊維片の密度は106万本/(25.4mm)2であった。また、シート状物の厚さは1.0mmであった。
起毛パイル不織布に含浸させる処理液の水系ポリカーボネート系ポリウレタンエマルジョンの濃度を9重量%とした以外は、比較例1と同様にして、シート状物を得た。該シート状物の厚さは1.0mmであり、パイル繊維片の長さの分布は200〜300μm、平均値は250μm、パイル繊維片の密度は106万本/(25.4mm)2であった。
かかるシート状物を繊維質基材として用い、プレポリマー組成物の塗布厚を100μm、発泡層の研削厚さを35μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のヌバック調シート状物を得た。研削処理前の発泡層の厚さは300μm、パイル繊維片の長さに対する発泡層の厚さの割合は、パイル繊維片の先端より90%であった。また、研削処理により発泡層の表面に突出したパイル繊維片の長さの分布は20〜50μm、平均値は30μm、パイル繊維片の密度は90万本/(25.4mm)2、発泡層の厚さは265μmであった。また、シート状物の厚さは1.0mmであった。
フロント筬にポリエチレンテレフタレート75dtex/144f(単糸繊度0.52dtex)の糸を用い、起毛回数を5回としてフロント糸の約7%がカットされるようにセミカット起毛を施した以外は、実施例1と同様にして起毛パイル編地を得た。得られた起毛パイル編地の編密度は38ウエール/25.4mm、64コース/25.4mm、厚さは1.0mmであった。また、パイル繊維片の長さは0.6mm、パイル繊維片の密度は5万本/(25.4mm)2であった。
かかる起毛パイル編地を繊維質基材として用い、プレポリマー組成物の塗布厚を150μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のヌバック調シート状物を得た。研削処理前の発泡層の厚さは375μm、パイル繊維片の長さに対する発泡層の厚さの割合は、パイル繊維片の先端より110%であった。また、研削処理により発泡層の表面に突出したパイル繊維片の長さの分布は25〜75μm、平均値は50μm、パイル繊維片の密度は43万本/(25.4mm)2、発泡層の厚さは325μmであった。また、シート状物の厚さは1.0mmであった。
フロント筬にポリエチレンテレフタレート125dtex/180f(単繊維繊度0.69dtex)の糸を、ミドル筬、バック筬にポリエチレンテレフタレート33dtex/12fの糸を用い、組織はフロント筬1−0/4−5、ミドル筬1−0/1−2、バック筬2−3/1−0とした以外は、実施例1と同様にして、起毛パイル編地を得た。得られた起毛パイル編地の編密度は30ウエール/25.4mm、70コース/25.4mm、厚さは2.5mmであった。また、パイル繊維片の長さは2.0mm、パイル繊維片の密度は75万本/(25.4mm)2であった。
かかる起毛パイル編地を繊維質基材として用い、プレポリマー組成物の塗布厚を500μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例4のヌバック調シート状物を得た。研削処理前の発泡層の厚さは750μm、パイル繊維片の長さに対する発泡層の厚さの割合は、パイル繊維片の先端より50%であった。また、研削処理により発泡層の表面に突出したパイル繊維片の長さの分布は40〜160μm、平均値は100μm、パイル繊維片の密度は64万本/(25.4mm)2、発泡層の厚さは700μmであった。また、シート状物の厚さは2.5mmであった。
針布起毛機による起毛までは実施例1と同様にして得た起毛パイル編地の起毛面(パイル繊維片面)に、実施例1と同様のプレポリマー組成物を、塗布厚が200μmとなるようにドクターナイフコーターにてシート状に塗布した。次いで、プレポリマー組成物が塗布時の粘度を維持する状態のうちに、シボ調の凹凸模様(高低差:20〜60μm)を有する離型紙DE−146(大日本印刷株式会社製)を貼り合わせ、80℃に調整されたロールにて0.5MPaの荷重で圧締した。
これ以降は、実施例1と同様にして、実施例5のヌバック調シート状物を得た。研削処理前の発泡層の厚さは400μm、パイル繊維片の長さに対する発泡層の厚さの割合は、パイル繊維片の先端より100%であった。また、研削処理により発泡層の表面に突出したパイル繊維片の長さの分布は60〜180μm、平均値は120μm、パイル繊維片の密度は40万本/(25.4mm)2、発泡層の厚さは350μmであった。また、シート状物の厚さは1.0mmであった。
バフ機による起毛までは比較例1と同様にして得た起毛パイル不織布に、ポリビニルアルコールとしてGL−05(日本合成化学株式会社製)を6重量%含む処理液を含浸後、ピックアップ率100重量%(ポリビニルアルコールの固形分付着率6重量%)となるようにマングルで絞り、その後、ヒートセッターにより130℃で3分間熱処理して乾燥した。
次いで、溶剤系ポリエーテル/ポリエステル系ポリウレタン樹脂としてクリスボンMP−145(大日本インキ化学工業株式会社製)を12重量%含む処理液を含浸後、水中に浸漬して凝固させ、ヒートセッターにより150℃で2分間熱処理して乾燥した。
次いで、分散染料を用いて液流染色機により130℃で20分間染色後、ヒートセッターにより150℃で2分間熱処理して乾燥し、比較例2のシート状物(湿式法の一形態である)を得た。パイル繊維片の長さの分布は150〜250μm、平均値は200μm、パイル繊維片の密度は106万本/(25.4mm)2、発泡層の厚さは300μmであった。また、シート状物の厚さは1.0mmであった。
溶剤系ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂としてクリスボンNY−328(大日本インキ化学工業株式会社製)100部に、着色剤として黒色顔料ダイラックL−1770S(大日本インキ化学工業株式会社製)を20部、希釈溶剤としてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を20部、同じく希釈剤としてメチルエチルケトン(MEK)を20部混合した溶液を、ヌバック調の凹凸模様(高低差:20〜60μm)を有する離型紙UM−11E(大日本印刷株式会社製)に、塗布厚が200μmとなるようにコンマコーターにて塗布し、ヒートセッターにより150℃で2分間熱処理して乾燥させて、表皮形成用の厚さ40μmの皮膜を得た。さらにその表面に、接着剤としてポリカーボネート系ポリウレタン樹脂クリスボンTA−205(大日本インキ化学工業株式会社製)100部に、架橋剤としてバーノックDN−950(大日本インキ化学工業株式会社製)を10部、希釈溶剤としてDMFを40部、同じく希釈剤としてMEKを20部混合した溶液を、塗布厚が200μmとなるように塗布し、100℃で2分間熱処理して乾燥した。
次いで、実施例1と同様の繊維質基材と、80℃に調整されたロールにて0.5MPaの荷重で圧締して貼り合せた。次いで、離型紙を剥離して、比較例3のシート状物(厚さ:1.0mm)を得た。
保護膜を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例4のシート状物を得た。
実施例1と同様のトリコット編機を使用し、フロント筬にはポリエチレンテレフタレート84dtex/72f(単糸繊度1.17dtex)のインターレース糸を、ミドル筬にはポリエチレンテレフタレート84dtex/36fの糸を用い、バック筬にはポールバーを配置し、組織はフロント筬0−1/1−0、ミドル筬1−0/1−2、バック筬0−0/1−1で、編機上で50コース/25.4mmでループパイルを有するトリコット編地を編成した。
得られた編地を、分散染料を用いて液流染色機により130℃で30分間染色後、ヒートセッターにより150℃で2分間熱処理して乾燥した。得られたループパイル編地の編み密度は36ウェール/25.4mm、56コース/25.4mm、厚さは1.5mmであった。また、パイル糸の長さ(ループパイルの地組織との係止部分からループの頂点までの長さ)は1.0mm、パイル糸の密度は2016本/(25.4mm)2であった。
かかるループパイル編地を繊維質基材として用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5のシート状物(厚さ:1.5mm)を得た。但し、研削処理が良好に行えず、発泡層の表面にパイル繊維片の先端を立毛状に突出させることができなかった。
針布起毛機による起毛までは実施例1と同様にして得た起毛トリコット編地に、水系ポリカーボネート系ポリウレタンエマルジョンとしてエバファノールAPC−55(日華化学株式会社製)を40重量%、感熱剤として硫酸ナトリウムを3重量%含む処理液を含浸後、ピックアップ率120重量%(水系ポリウレタンの固形分付着率17重量%)になるようにマングルで絞り、その後、ヒートセッターにより130℃で3分間熱処理して乾燥した。
次いで、ハイドリックタイプエンボス機で、80℃×5秒間型押しして、革絞模様を形成した後、実施例1と同様にして研削処理を施し、さらに保護膜を形成して、比較例6のシート状物(厚さ:0.5mm)を得た。但し、研削処理が良好に行えず、発泡層の表面にパイル繊維片の先端を立毛状に突出させることができなかった。
Claims (3)
- 少なくとも一方の面に非輪奈状のパイル繊維からなるパイル繊維片を有する繊維質基材の該パイル繊維片を有する側の面に、ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤との反応により形成されるポリウレタン樹脂からなる発泡層が、パイル繊維片と混在する状態で積層され、パイル繊維片の少なくとも一部は先端が発泡層の表面に立毛状に突出しており、突出したパイル繊維片の表面が保護膜で被覆されているヌバック調シート状物。
- 発泡層の表面に立毛状に突出させるパイル繊維片の長さが10〜300μmであり、密度が2万5千〜350万本/(25.4mm)2である、請求項1に記載のヌバック調シート状物。
- 加熱溶融状態にあるホットメルトウレタンプレポリマーと、ウレタン硬化剤とを混合してプレポリマー組成物を調製する工程、
プレポリマー組成物を、(a)離型性基材に塗布し、該塗布面に、少なくとも一方の面に非輪奈状のパイル繊維からなるパイル繊維片を有する繊維質基材の該パイル繊維片を有する側の面を貼り合わせるか、または、(b)少なくとも一方の面に非輪奈状のパイル繊維からなるパイル繊維片を有する繊維質基材の該パイル繊維片を有する側の面に塗布し、該塗布面に、離型性基材を貼り合わせる工程、
エージング処理して、ポリウレタン樹脂からなる発泡層を形成させる工程、
離型性基材を剥離する工程、
発泡層の表面を研削処理して、パイル繊維片の少なくとも一部の先端を発泡層の表面に立毛状に突出させる工程、
突出したパイル繊維片の表面に樹脂組成物を塗布する工程、
熱処理して、突出したパイル繊維片の表面を被覆する保護膜を形成させる工程、
をこの順で含んでなるヌバック調シート状物の製造方法。
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