JP4121667B2 - 撥水撥油性を有するシート製品の製造方法 - Google Patents

撥水撥油性を有するシート製品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、防汚性にすぐれ、泥、タバコの灰、水性ペンまたは水性/油性ペン等の汚れが付着した場合に簡単に該汚れを取り除くことが出来、且つ撥水、撥油性が良く、接着により製品化された剥離強力の高い、撥水撥油性を有するシート製品、特に靴や鞄等のように汚れが付着しやすい皮革様シート製品において、撥水撥油性を有しているにもかかわらず、皮革様シート製品の接着されているパーツ間の剥離強度に優れた皮革様シート製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、撥水撥油性を付与する加工方法して、種々の方法が提案されており、例えば特開昭52−144497号公報には、繊維製品の表面に、合成樹脂の有機溶剤液にパーフルオロアルキル基を有する高分子を含有した樹脂を塗布乾燥して、連続被膜を形成して繊維製品に撥水防水性能を付与する方法が、また特開昭54−18991号公報には、基体表面にベースレジン層、スキン層、表面処理層を順次設けてなる合成皮革様製品において、各層の少なくとも一つにフッ素含有高分子材料を含有させる方法などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フッ素樹脂を表面に塗布したシートを衣料用等に縫製したり裏面を接着するような二次製品を製造するものについては接着強力の点で問題は発生しないが、フッ素含有高分子を含有し、十分な撥水撥油性を有する表面仕上層面に、物品を接着して二次製品を製造する場合には、フッ素含有高分子が存在していることが原因で接着強力の低下を招き商品化は困難であった。
本発明者等は、上記従来技術の欠点を解消するために鋭意研究した結果、最表面層がフッ素含有高分子を有しているにもかかわらず、該面に接着により物品が一体化されており、二次製品化された、該表面層と該物品との剥離強力が良好であって、しかも撥水撥油性を有する製品の製造方法を見いだし、本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、基体層の表面に少なくともフッ素含有高分子を有する樹脂からなる最表面層が形成されたシートの最表面層側に該シートまたは他の物品を接着により一体化して製品とする方法において、該最表面層の形成から接着一体化に至るまでの工程を100℃以下の温度で行い、さらに接着一体化した後に130℃以上の温度にて熱処理することを特徴とする撥水撥油性を有するシート製品の製造方法である。
【0005】
以下に本発明について詳述する。本発明に用いられるシートを構成する基体層とは、不織布や織編物等の繊維集合体に弾性重合体が含有されたものが好ましい。すなわちこのような基体層は皮革様シートとして要求される諸性能を有するからである。このような繊維集合体を構成する繊維としては、通常の繊維、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコールなどのポリマーなどからなる合成繊維、再生セルローズなどからなる化学繊維、綿や羊毛等の天然繊維等が挙げられる。合成繊維の場合には、特殊形態の繊維、例えば、ポリエステル、ポリアミドなどのポリマーからなる0.5デニール以下の極細繊維、あるいは繊維を構成する2種以上のポリマーのうちの少なくとも1種のポリマーを溶解除去または分解除去し少なくとも1種のポリマーを残すことにより0.5デニール以下の極細繊維からなる束状繊維や多孔中空繊維等に変性することが出来る多成分繊維、すなわち極細化可能繊維や多孔中空化可能繊維等も使用できる。更には複数のポリマーからなる多成分繊維で、ポリマーの界面で剥離させることにより極細繊維の束状体が得られることとなる多成分系繊維も使用することが出来る。これらの繊維は2種以上のポリマーを混合紡糸または複合紡糸することにより形成される。
【0006】
これらの繊維をニードルパンチや高速流体流により絡合処理して不織布とする。また紡績糸またはマルチフィラメント糸としたのち製編織することにより編織物とすることもできる。さらには不織布と編織物の積層布などの布帛とすることもできる。これら不織布や織編物やこれらの積層布帛(以下これらをまとめて繊維集合体と称す)は弾性重合体溶液を含浸するに先立って、必要に応じてプレスなどの従来公知の方法により表面の平滑化処理をする。繊維集合体の厚さとしては1.0〜3.0mmが好ましい。
【0007】
繊維集合体に含浸される弾性重合体としては、ポリウレタン系重合体、アクリル系重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体などの弾性重合体の群から選ばれた少なくとも1種類の弾性重合体を挙げることができる。風合いや耐久性、表面層との接着強度等の点から特にポリウレタン系重合体が好ましい。
【0008】
ポリウレタン系重合体としては、数平均分子量500〜2500のポリマージオール、例えばポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステル・エーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどの中から選ばれた少なくとも1種類のジオールと、有機ポリイソシアネート、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートで代表される芳香族ジイソシアネート、トリフェニルメタン4,4,4,ートリイソシアネートで代表される芳香族トリイソシアネート、イソホロンジソシアネートで代表される脂環族ジイソシアネート、ヘキシレンジイソシアネートで代表される脂肪族ジイソシアネートなどの群から選ばれた少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートと、エチレングリコールやエチレンジアミン等の活性水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物を鎖伸長剤として反応させて得た熱可塑性ポリウレタンが代表例である。
【0009】
これらのポリウレタンの原料組成は、該皮革様シートの指向する用途分野に応じて、風合い、耐劣化性、耐黄変性、染色性等の各種物性を満足するものの中から適宜選ぶことができる。これら弾性重合体を主体とした重合体は溶液又は分散液の状態で繊維集合体に含浸され、凝固される。凝固方法としては風合いの点で湿式凝固法が好ましい。湿式凝固させると、ポリウレタンが多孔質状態の凝固物となり、ゴム感の少ない、天然皮革調の物性および風合となる。繊維集合体に含浸させる弾性重合体の量としては、弾性重合体固形分で繊維集合体100重量部に対して10〜60重量部である。繊維集合体が変性できる多成分系繊維である場合には、弾性重合体を含浸する前又は後で繊維を構成する一成分を溶解除去、又は分解除去、あるいは繊維構成ポリマーの界面で剥離させる方法が用いられる。
【0010】
このような基体層の表面に最表面層が形成される。もちろん基体層と最表面層との間に他の層が積層されていてもよい。また基体層の裏面側に他の層が積層されていてもよい。最表面層に使用される樹脂としてはポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、天然ゴム、アクリル樹脂、、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の公知の高分子樹脂であれば用いることができるが、より望ましくはポリウレタンで代表される弾性樹脂であり、ポリウレタン樹脂の場合には風合い、外観、加工性、基体層との接着性等の点で望ましい。
【0011】
最表面層に用いられるポリウレタン樹脂としては、前記の基体層に用いられるポリウレタン系重合体と同様で、数平均分子量500〜2500のポリマージオール、例えばポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステル・エーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどの中から選ばれた少なくとも1種類のジオールと、有機ポリイソシアネート、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートで代表される芳香族ジイソシアネート、トリフェニルメタン4,4,4,ートリイソシアネートで代表される芳香族トリイソシアネート、イソホロンジソシアネートで代表される脂環族ジイソシアネート、ヘキシレンジイソシアネートで代表される脂肪族ジイソシアネートなどの群から選ばれた少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートと、エチレングリコールやエチレンジアミン等の活性水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物を鎖伸長剤として反応させて得た熱可塑性ポリウレタンが好ましい。これらのポリウレタン系重合体の組成は該皮革様シートの指向する用途分野に応じて適当なものが選択できる。
【0012】
なかでも最表面層に使用しているポリウレタン樹脂としては、100%モジュラスが10〜80kg/cmである樹脂が特に好ましい。100%モジュラスが10kg/cm 未満の場合には、タック性が非常に高く、且つ表面強度が弱くなる。また100%モジュラスが80kg/cmを越える場合には、表面層が硬くなり過ぎ、耐屈曲性が悪くなる。好ましくは20〜60kg/cmである。表面層を形成させる樹脂は溶液又はエマルジョンの形態で用いられる。
【0013】
該最表面層を形成しているポリウレタン弾性樹脂層にはフッ素含有高分子が含有されており、このようなフッ素含有高分子としては、パーフルオロアルキル基で代表されるフルオロカーボン基を側鎖に有し、ポリアクリル酸エステル系あるいはポリメタクリル酸エステル系の高分子を主鎖にもつ含フッ素重合体である。
【0014】
最表面層におけるフッ素含有高分子の量としては、構成樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部である。0.5重量部未満では、防汚性が不十分で、商品価値が低下する。一方、10重量部を越えると防汚性は非常に良好であるが、耐屈曲性が非常に低下し、基体層で代表される下層との接着性も悪くなり、実用に耐えられない。
【0015】
次に、このような少なくともフッ素含有高分子を含む最表面層を形成する方法として、フッ素含有高分子を含有する弾性重合体溶液を、基体層(またはその表面に着色層等の中間層を設けた基体層)の表面に塗布乾燥する方法が代表的である。塗布する方法としては、フッ素含有高分子を含む樹脂溶液をスプレー法、グラビア印刷法、捺染法、転写法等の公知の方法で塗布する方法が挙げられる。さらに基体層や中間層を設けた基体層の上に直接、フッ素含有高分子を含む樹脂溶液を塗布する方法の他に、離型紙を用いて最表面層及び着色層を形成したフイルムを基体層に貼合わせるいわゆる乾式造面方法で、少なくとも最表面層にフッ素含有高分子を含有させる方法もある。最表面層の厚さとしては1〜100μmが一般的である。本発明において最表面層は、連続した層であっても、不連続な、微細なスポット状で存在する層であってもよい。
【0016】
本発明において、基体層や最表面層として用いられる樹脂層には着色剤が添加されていても良く、添加する着色剤としては顔料および染料が挙げられる。顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料、フエロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系等の有機顔料等公知の顔料が使用出来る。また、染料としては含金錯塩染料、酸性染料、硫化染料、分散染料等が使用されるが、耐光性、堅牢度等の点で含金錯塩染料が望ましい。その添加量としては、樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましい。更に必要により、各種安定剤が添加されていてもよい。
【0017】
さらに本発明において、基体層と最表面層との間に、前記したように、中間層が存在していてもよく、中間層は多孔質層であっても、非多孔質層であってもよく、中間層を構成する樹脂としては、基体層と表面層を構成する樹脂と同系統のポリウレタン樹脂が好ましい。中間層は一層からなるものであっても、また2層以上の多層からなる層であってもよい。またこれらの中間層には染料や顔料等の着色剤が添加されているのが好ましい。
【0018】
本発明方法において最も重要な条件のひとつが、フッ素含有高分子を含有する樹脂溶液を塗布して乾燥により溶剤を除去して最表面層を形成する工程から、得られた皮革様シートを裁断し、裁断したパーツに他の樹脂やシートを接着により一体化する迄の工程を100℃以下の温度条件で行うことである。従来人工皮革の製造工程において、最表面層用の樹脂液を塗布して乾燥する際の乾燥温度として100℃を越える温度が生産速度を高めるために採用されている。本発明においては、このような従来一般に採用されている条件とは異なる100℃以下の条件が採用される。フッ素含有高分子を含有する樹脂液を塗布した後、該樹脂液の溶剤を除去する工程、または溶剤除去の後にフッ素含有樹脂表面に物品を接着させて二次製品化を行う前に100℃を越える温度でシートを熱処理すると最表面層にフッ素含有高分子のフッ素分子鎖が最表面に収れんして目的とする撥水撥油機能が発現するが、本発明の目的とする接着を介して製品化する場合にはこの撥水撥油性が接着性を損ない接着不良をおこして接着強度を有する製品にならない。本発明では、フッ素含有高分子を含有する樹脂液を塗布する工程から物品を接着する工程前までは、100℃以下の温度を保つことが重要であり、この点が本発明の最重要点のひとつである。
【0019】
またフッ素含有高分子を含有する樹脂液から溶剤を除去した後、物品を接着するまでに、必要に応じて、揉み加工、柔軟処理加工等を行うことも可能であるが、この場合に加熱することが必要な場合や発熱を伴う場合には、シート温度を100℃以下に保つ必要がある。
【0020】
次に接着により製品化したあとで130℃以上の温度にて熱処理して撥水撥油性を発現させる。このことも本発明の最重要点のひとつである。たとえば撥水撥油性を有した人工皮革靴を製造する方法において、上記の方法により最表面層を形成して撥水撥油性を発現させることが出来る皮革様シートを甲材に使用して次の工程で行えば目的とする製品が得られる。
[製靴工程の一例]
フッ素含有樹脂を塗布した皮革様シートを裁断−漉きき−縫製(甲皮)−釣り込み−プライマー塗布−低温乾燥−接着剤塗布−乾燥(底材も同様の処理)−底材と接着(以上の工程を全て100℃以下の温度で行う)−ヒートセット(130℃以上で行う)
【0021】
本発明において、接着する部材としては、本発明のシートとは別の樹脂であっても、本発明のシートであってもよい。本発明のシートを接着する場合には、フッ素含有高分子含有樹脂層の表面にシートの裏面を重ね合わせても良いし、また表面同士を重ね合わせてもよい。接着剤としては、ポリウレタン系、クロロプレンゴム系、天然ゴム系の溶液またはエマルジョン液等が用いられる。もちろん接着剤塗布から接着完了までは100℃以下の温度で行うことが必要である。そして接着が完了した後に、130℃以上でヒートセットを行うと、接着部分を除く最表面層のフッ素含有高分子のフッ素分子鎖が最表面に収れんして目的とする撥水撥油機能が発現することとなる。しかも接着された部分のフッ素含有高分子は表面が接着固定されているため130℃以上の熱が加えられても最表面に収れんすることがなく、したがって接着部分の剥離強度が低下することがない。
【0022】
本発明方法により得た二次製品化された皮革様製品は防汚性にすぐれ、泥、タバコの灰、水性ぺんまたは水性ぺん/油性ペン等の汚れが付着した場合、簡単に取り除くことができ、且つ撥水、撥油性が良く、風合いの良好な接着性にすぐれた製品である。これらの皮革様シートからなる二次製品としては、スポーツ靴、鞄、袋物、手袋、一般靴、ボール等が挙げられる。
【0023】
【実施例】
次に本発明の内容を具体的に実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%はことわりのない限り重量に関するものである。
【0024】
実施例1
6−ナイロン60部(島成分)と高流動性低密度ポリエチレン(海成分)40部からなる海島型複合繊維(多成分繊維)を溶融紡糸により得て、これを70℃の温水中で2.5倍に延伸し、繊維油剤を付与し、機械捲縮をかけて乾燥後、51mmにカットして4デニールの太さのステープルとし、この繊維を用いてクロスラップ法で目付500g/mのウェッブを形成、ついで両面から交互に合わせて約500パンチ/cmのニードルパンチングを行い、さらに120℃加熱し、カレンダーロールでプレスすることで表面の平滑な絡合不織布を製造した。この絡合不織布の目付は540g/m、見かけ比重は0.3であった。この絡合不織布にポリテトラメチレンエーテル系ポリウレタンを主体とする18%濃度のポリウレタンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液を含浸し、DMF/水=15/85混合液の中に浸して湿式凝固した後、熱トルエン中で複合繊維中の海成分を溶出除去して太さ0.1デニールの極細繊維を発現させ、厚さが1.3mmの繊維質基体を得た。
【0025】
一方、しぼ付き離型紙(リンテックTP Rー8)の上に次の最表面層用の樹脂溶液(A1)をドライベースで30μmとなるように塗布して80℃の温度で10分間乾燥して、続いて該最表面層の上に、中間層をドライベースで30μmとなるように塗布して80℃の温度で10分間乾燥して積層物を得た。その上に2液硬化型ポリエーテル系ポリウレタン溶液をドライベースで30ミクロンなる様に塗布し、50℃で3分間乾燥した後、前記の繊維質基体層とを貼り合わせ、80℃で2分間乾燥し、その後、40℃、3日間放置した後、離型紙を剥離し皮革様シートを得た。この表面の接触角度を測定した結果、85度であった。
【0026】
[最表面層用樹脂溶液(A1)]
レザミンME8115LP(大日精化工業(株)製ポリウレタン樹脂組成物固形分約30%) 100部フッ素樹脂ポリ(1,1−ジヒドロ−ペルフルオロオクチルアクリレート) 6部[中間層(B1)]
レザミンME8105LP(大日精化工業(株)製ポリウレタン樹脂組成物固形分約30%) 100部セイカセブンDUT4093(大日精化工業(株)着色剤不揮発分59%) 30部[接着層(C1)]
レザミンME8105LP(大日精化工業(株)製ポリウレタン樹脂組成物固形分約30%) 100部セイカセブンCX−1001(大日精化工業(株)着色剤不揮発分55%) 30部
【0027】
この白色の皮革様シートを靴の甲材に裁断−漉き−縫製−釣り込み−プライマー塗布−低温(80℃)接着剤塗布(150g/m,刷毛塗布、接着剤はノーテープ工業株式会社製 No.3080を100部とデスモジュールREを2部混合した液)−乾燥(50℃、10分)−乾燥(50℃10分、底材も同様の接着剤処理)−底材と接着−以上の工程で靴を作製した。この靴を140℃の乾燥機で5分間熱処理を行うと撥水性と撥油性を発現した白いスポーツ靴ができた。また剥離強力を測定するために甲材とソールの境界部分を2.5cmの巾に切断して剥離強力をはかった結果、甲材とソールの剥離強力は平均値で12.5kg/2.5cmであった。
【0028】
実施例2
実施例1で使用の繊維質基材の上に実施例1のしぼ付き離型紙(リンテックTP Rー8)の上に中間層の樹脂(B−1)をドライベースで50μmとなるように塗布して80℃の温度で10分間乾燥して表面層を得た。その上に2液硬化型ポリエーテル系ポリウレタン溶液をドライベースで30ミクロンなる様に塗布し、50℃で3分間乾燥した後、前記の繊維質シート基体層とを貼り合わせ、80℃で2分間乾燥し、その後、40℃、3日間放置した後、離型紙を剥離し皮革様シートを得た。この接触角度を測定した結果80度であった。この皮革様シートの表面に、ポリカーボネート系無黄変ポリウレタン溶液(樹脂分濃度15%、100%モジュラス40kg/cm)100部と実施例1で用いたものと同一のフッ素樹脂6部(固形分50%)の溶液をグラビアで塗布処理し、80℃で乾燥処理した。塗布量は固形分で3g/mで、得られたスポット間の距離が50ミクロン、1スポットのおおきさは400μmであつた。この物の接触角は90℃であった。このシートを用いて実施例1と同様に靴を製靴した。また製靴後の熱条件も実施例1と同じ様に処理した結果、撥水撥油性が良好で剥離強力も強いスポーツ靴が得られた。剥離強力を測定するために甲材とソールの境界部分を2.5cmの巾に切断して剥離強力をはかった結果、甲材とソールの剥離強力は平均値で11.4kg/2.5cmであった。
【0029】
比較例1
実施例1の繊維基材の上に乾式造面を行った後に離型紙を剥離した後に、140℃で4分間乾燥機の中で熱処理を行うと撥水性と撥油性に優れた皮革様シートが得られた。このシートを裁断して実施例1と同じ方法にて製靴して、表面が撥水撥油性の良好な白いスポーツ靴を得た。剥離強力を測定するために甲材とソールの境界部分を2.5cmの巾に切断して剥離強力をはかった結果、甲材とソールの剥離強力は平均値で4.5kg/2.5cmで剥離強力の低いものであった。
【0030】
比較例2
実施例1の繊維基材の上に乾式造面を行った後に離型紙を剥離した後に、140℃で4分間乾燥機の中で熱処理を行うと、撥水性と撥油性に優れた皮革様シートが得られた。このシートを裁断し実施例1と同じ方法にて製靴して、表面が撥水撥油性の良好な白いスポーツ靴を得た。剥離強力を測定するために甲材とソールの境界部分を2.5cmの巾に切断して剥離強力をはかった結果、甲材とソールの剥離強力は平均値で6.2kg/2.5cmで剥離強力の低いものであった。
【0031】
以上の実施例、比較例で得られた皮革様シートの評価結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004121667
【0033】
なお、剥離強力、撥水性、撥油性および風合いは、以下の方法により測定した。剥離強力:製靴後のつま先部分を幅2.5cmで切断し、ソール部を厚さ5mmのゴム板に貼り付け、このゴム板と甲材部をインストロン引張試験機のチャックにそれぞれ固定し、チャック間10cm、引張速度10cm/分で測定し、得られた応力―歪み曲線の剥離開始点から剥離終了点の間の最高点の値と最低点の値の相加平均値を剥離強力とした。
撥水性:JIS L1092
撥油性:AATCC Test Method 118―1992
耐炭化水素テスト方法による。級と組成との関係を表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 0004121667
【0035】
風合い:官能検査で、良好なものを○、不良なものを×、その中間的なものを△とした。
【0036】
【発明の効果】
本発明で得た皮革様シートの製靴後の製品の表面の撥水、撥油性が良好で、泥、タバコの灰、水性マジック、等の汚れが付着した場合、簡単に取り除く事が出来、且つ、風合いの良好な接着性にすぐれた皮革様シート製品である。
本発明方法の皮革様シート製品の製造方法は、スポーツ靴、鞄、袋物、手袋、一般靴等の用途に非常に適している。

Claims (1)

  1. 基体層の表面に少なくともフッ素含有高分子を有する樹脂からなる最表面層が形成されたシートの該最表面層側に該シートまたは他の物品を接着により一体化して製品とする方法において、該最表面層の形成から接着一体化に至るまでの工程を100℃以下の温度で行い、さらに接着一体化した後に130℃以上の温度にて熱処理することを特徴とする撥水撥油性を有するシート製品の製造方法。
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