JP4291127B2 - 皮革様シート状物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、皮革様シート状物の製造方法に関し、さらに詳しくは繊維質基材とフィルム層とを接着剤によって接着してなる銀付調の人工皮革に最適な皮革様シート状物の製造方法に関する。
表面に高分子弾性体を有する銀付調の皮革様シート状物は、人工皮革あるいは合成皮革として、靴、ボール、鞄、家具・車両用表皮、衣料などの広い用途に使用されているが、近年各用途において柔軟性を維持しつつ耐摩耗性に優れたものが求められてきている。
そして皮革様シート状物の製造方法の中では、基体上にフィルム層をラミネートして得られる皮革様シート状物が比較的フィルム層が厚く、耐摩耗性に優れているといわれている。このようなラミネート法による皮革様シート状物の耐磨耗性をさらに向上させる手法としては、例えば特許文献1にはフィルム層がシリコーン変性ポリウレタンにより形成された合成皮革が、特許文献2にはフィルム層がポリイソシアネート系硬化剤により架橋されたシリコーン変性ポリウレタン樹脂で接着層が非架橋型ポリウレタン樹脂からなる皮革様シートが提案されている。
だがこれらのものはフィルム層の摩擦係数を下げ耐摩耗性を一見下げるものの、フィルム層と接着層との接着力を低下する傾向にあり、剥離がおきやすくなるという問題があった。また、接着剤が溶剤系であり、繊維質基材中に接着剤を構成する高分子弾性体やその溶剤が侵入しやすく、皮革様シート状物が硬くなるという問題もあった。
特開平9−31862号公報 特開2000−248472号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的はシート状物の耐摩耗性を向上させながら、同時に剥離強力と柔軟性とが優れた皮革様シート状物の製造方法を提供することにある。
本発明の皮革様シート状物の製造方法は、繊維質基材または弾性体フィルム層のいずれか一方の上に、水溶液または水分散液でありかつシリコーン化合物を含むエラストマー系の接着剤を塗布し、次いで繊維質基材とフィルム層とを張り合わせ乾燥させることを特徴とする。
さらには該接着剤がポリウレタン系であること、シリコーン化合物がアミノ変性シリコーン、低分子ジメチルシリコーン、高分子ジメチルシリコーン、反応性H−シリコーンの群から選ばれたいずれか一つを含むこと、繊維質基材を構成する繊維がポリエステルを含むものであることなどが好ましく、さらには、ポリエステルを含む繊維が、ポリエステルとナイロンから構成される分割型繊維であることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、シート状物の耐摩耗性を向上させながら、同時に剥離強力と柔軟性とが優れた皮革様シート状物が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、繊維質基材または弾性体フィルム層のいずれか一方の上に、エラストマー系の接着剤を塗布し、次いで繊維質基材とフィルム層とを張り合わせ乾燥させる、いわゆるラミネート法などによるシート状物の製造方法であって、接着剤が水溶液または水分散液でありかつシリコーン化合物を含むことを必須とする製造方法である。
本発明で用いられるエラストマー系の接着剤としては、ウレタン系、オレフィン系等が挙げられるが、ウレタン系が好ましく、接着性とともに柔軟性や耐磨耗性に優れる皮革様シート状物が得られる。ウレタン系の中でも、ポリカーボネート/ポリエーテル系のポリウレタンが好ましく、皮革様シート状物のフィルム層と接着層からなる表皮層の耐久性や柔軟性に優れている。
さらに本発明の接着剤は、水分散液あるいは水溶液であることが必要であるが、このような水系接着剤であるので、シリコーン化合物を容易に含有することができるのである。一般的に接着剤は極性有機溶剤には溶解するが非極性有機溶剤には溶解し難く、シリコーン化合物は逆に、極性有機溶剤には溶解せず、非極性有機溶剤に溶解する。本発明では接着剤が有機溶剤系ではなく水系であるために、これら溶解性の問題を解決することができる。
また、本発明においては水系接着剤を用いているために、得られる皮革様シート状物の風合いも向上する。従来の皮革様シート状物、例えば人工皮革の製法では、接着剤として有機溶剤で溶解された有機溶剤溶液タイプを使用することが一般的であるが、この方法では有機溶剤が含まれているため繊維質基材への接着剤の浸透厚さの制御が困難であり、風合いにバラツキが発生しやすい。また、有機溶剤が繊維質基材に含まれている高分子弾性体の良溶剤である場合には、その高分子弾性体を膨潤あるいは溶解して再接着し、本来の繊維質基材の風合いを損ねやすい。本発明では水系の接着剤を用いているので、接着の際の有機溶剤による風合いへの悪影響が起こらない。
ただし水系接着剤は一般にその得られる膜が水に対して膨潤あるいは溶解し易いため、これを解決するために架橋反応タイプ、いわゆる2液タイプの接着剤であることが好ましい。ここで用いられる架橋剤としては、メラミン系、ポリイソシアネート系、エポキシ系等があげられるが、中でも作業環境面、柔軟性等の面でポリイソシアネート系が好ましい。
本発明で用いる接着剤はシリコーン化合物を含むものであるが、そのシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーンオイル、高分子ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーンオイル、高分子アミノ変性シリコーン、反応性H−シリコーン、あるいはこれらの変性化合物などを好ましく挙げることができ、またこれらを混合して用いても良い。特に本発明で用いるシリコーン化合物としては反応性H−シリコーンが好ましく、柔軟化、耐磨耗性の向上の効果が大きい。これらシリコーン化合物は、接着剤中でのマイグレーションにより、繊維質基材の表面層の繊維と接着剤表面との間に、固化されたシリコーン膜を形成すると考えられる。そしてこのシリコーン膜が、繊維と接着剤との摩擦係数を低下させ繊維の自由度を高め柔軟にするとともに、柔軟性等が摩擦時の力学的刺激を緩和し耐磨耗性さえも向上させる。
本発明で用いられるシリコーン化合物は乳化剤により水分散液、あるいは水溶液として用いることが好ましい。このようなシリコーン化合物は、水系の接着剤である水分散液、あるいは水溶液に混合されて使用される。
本発明で用いられるシリコーン化合物としては、反応性H−シリコーンが特に好ましく、柔軟化、耐磨耗性をより向上させるが、この理由は、接着剤が塗布され、溶剤あるいは分散媒である水が乾燥される際に、オイル状であるH−シリコーンが接着剤が固化するにしたがって接着剤表面にはじき出され、その後H−シリコーンが反応して固化し、繊維質基材とフィルム層とを張り合わし乾燥して接着された時に、接着剤と繊維質基材を構成する繊維との接着拘束を防ぐことによると考えられる。
本発明の接着剤における接着剤固型分中のシリコーン化合物の存在量は、0.5〜8重量%であることが好ましい。該シリコーン化合物の存在量が少ない場合には、柔軟化効果、耐磨耗性向上効果が減少する傾向にある。また、該シリコーン化合物の存在量が多すぎる場合には、接着層の強度低下による接着強度の低下、耐屈曲性の低下を引き起こす傾向にある。さらに好ましいシリコーン化合物の存在量は、固型分に換算して1.0〜4.0重量%である。
また本発明の接着剤の粘度は3000〜10000mPa・sであることが好ましい。粘度が低すぎると繊維質基材中に接着剤がもぐりこみやすく硬くなる傾向にあり、高すぎると繊維質基材とフィルム層との密着性が低下して接着力が低下する傾向にある。
本発明の皮革様シート状物の製造方法は、繊維質基材またはフィルム層の上に接着剤を塗布し繊維質基材とフィルムとを張り合わせ乾燥させるシート状物の製造方法であるが、ここで用いられる繊維質基材としては繊維を主として構成される基材である。
繊維質基材を構成する繊維としては、例えばナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−12等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びこれらを主成分とする共重合ポリエステル等のポリエステル繊維、あるいはこれらの数種の混合繊維等があげられる。中でもポリエチレンテレフタレートあるいはナイロン−6が生産安定性、コスト等の面から好ましい。特に繊維としてポリエステル繊維を含む場合には本発明の効果をより効率的に発現するためより好ましい。
また、これらの繊維の繊度は細いほど好ましいが、0.0001dtex〜2dtexが一般的に用いられている。さらには0.001〜0.3dtexであることが好ましい。2dtexを超える繊度の繊維の場合、皮革様シート状物としては風合いが硬くなりすぎる傾向にある。風合い面や物性からはさらには繊維質基材を構成する繊維が、分割型繊維であることが、さらにはポリエステルとナイロンから構成される分割型繊維であることが好ましい。これらの繊維は、従来公知の紡糸方法で得ることができ、繊度を細くする場合には、例えば混合紡糸繊維、海島紡糸繊維、剥離分割繊維の製造方法を適用できる。
本発明で用いられる繊維質基材としては、上記のような繊維だけで構成される繊維集合体や、繊維集合体に加えて高分子弾性体を含む繊維集合体と高分子弾性体とで構成される複合体が挙げられる。繊維集合体としては、従来の人工皮革、あるいは合成皮革として用いられている織物、編物、不織布等が好適に用いられる。
繊維集合体と高分子弾性体で構成される複合体としては、上記繊維集合体に高分子弾性体を複合したものであり、例えば繊維集合体に高分子弾性体の溶液、あるいは分散液を含浸、乾燥したいわゆる含浸複合体、あるいはこれらの含浸複合体の表面に同一または異なった高分子弾性体の層が形成されたものである。高分子弾性体としては、例えばSBR、NBR、ポリウレタン、ポリエステルエラストマー、アクリル酸エステル等があげられる。これらの高分子弾性体を繊維集合体と複合化する方法としては、高分子弾性体を溶剤で溶解させた溶液、あるいは高分子弾性体を分散媒で分散させた分散液を繊維集合体に含浸させ、溶剤あるいは分散媒を抽出、あるいは蒸発で除去する方法が一般的である。中でも高分子弾性体の水分散液を使用する方法が作業環境などの面で好ましい。他の方法としては、高分子弾性体の熱溶融物を繊維構造体に含浸させる方法、高分子弾性体の原料、あるいは未反応中間物を含浸させた後高分子弾性体として形成させる方法があげられる。
これらの方法で得られる複合体の表面は、高分子弾性体の溶液、あるいは分散液、あるいは液状物を含浸させた後、高分子弾性体の表面残液のかきとり度合いで、繊維のみで形成されているもの、あるいは繊維と高分子弾性体が混在しているものがあるが、本発明の製造方法は表面繊維がわずかでも存在していれば、いずれの表面にも適用できるが、繊維の存在量が多い方が効果的である。
このような繊維質基材としては0.5〜2mmであることが好ましい。
本発明は、繊維質基材とフィルム層とを接着させるシート状物の製造方法であるが、本発明で用いるフィルム層としては高分子弾性体によって主として構成されるものである。ここで用いられる高分子弾性体としては、例えばSBR、NBR、ポリウレタン、ポリエステルエラストマー、アクリル酸エステル等があげられる。中でも、ポリウレタンが好ましく、さらにはポリカーボネート/ポリエーテル系のポリウレタンが好ましく、または無黄変型のポリウレタンであることが好ましい。これらのフィルム層を採用することにより皮革様シート状物の表面としての耐久性や柔軟性に優れたものとすることができる。
繊維質基材とフィルム層とを接着するためにはこのフィルム層は離型紙上に形成することが好ましい。離型紙上に高分子弾性体のフィルム層を形成させる方法としては、高分子弾性体を溶剤に溶解させた溶液、あるいは高分子弾性体を分散媒に分散させた分散液を離型紙上にコーティングし、溶剤あるいは分散媒を蒸発させる方法をとることができる。中でも高分子弾性体の水分散液を用いる方法が作業環境等の面で好ましい。
フィルム層厚さは、繊維質基材の厚さとのバランスで、風合いに適した厚さに決定すべきであるが、一般には10μm〜70μmであることが好ましい。該厚さが10μmに満たない場合は、皮革様シート状物の表面性能、例えば耐黄変色性、耐加水分解性、接着性等の性能を得にくい傾向にある。また、該厚さが70μmを超えると表面風合いが硬くなりやすく、皮革様シート状物らしい風合いを得にくい傾向にある。
本発明では以上に述べた繊維質基材またはフィルム層の上に接着剤を塗布し、最終的には繊維質基材とフィルム層とを張り合わせ乾燥させて接着させる製造方法である。より具体的には、例えばフィルム層として、離型紙上に高分子弾性体の塗膜を形成し、その上にシリコーン化合物を含む接着剤を塗布し、次いで乾燥後、繊維質基材を重ねて任意の圧力の下で接着させる。この際、特に表面に存在する繊維が多い繊維質基材を用いた場合には、接着剤はその繊維間に浸透し、シリコーン化合物が有効に作用し、柔軟化効果と耐磨耗性向上効果を発揮する。接着剤が繊維間に浸透する際、接着剤の表面に排出されたシリコーン化合物が離型効果を発揮し接着剤と繊維とが密着することを妨げ、繊維の自由度を保ったまま接着するため、柔軟化効果が発現するものと考えられる。
本発明の製造方法により得られた皮革様シート状物は、耐摩耗性が向上しながら、同時に剥離強力と柔軟性とに優れたものであり、スポーツシューズ、婦人・紳士靴などの靴用途、競技用各種ボール用途、家具・車輌等の表皮材、内装材、インテリア材などの産業資材用途、手帳・ノート等の装丁用途、衣料用途などの用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)耐摩耗性
ASTM D−3886法に準じ、サンドペーパーとして、HANDY ROLL P320J(NORTON社製)を使用し、摩耗部位の繊維層が露出した大きさが直径10mmに到達する回数とした。
(2)剥離強力
JIS K6301法に準じ、引張速度50mm/分で100mm剥離させた時の20mm毎のミニマム値5点の平均値をN/cmで表し剥離強力とした。
(3)柔軟性
柔軟度試験片25mm×90mmを準備し、長手方向の下部の20mmを保持具で垂直方向に保持し、保持具より20mmの高さの位置にあるUゲージの測定部に試験片のもう一方の片端の先端から20mmの位置の中央部があたるように、試験片を曲げながら保持具をスライドさせて固定し、固定してから5分後の応力を記録計より読み取り、幅1cm当たりの応力に換算して柔軟度とした。単位はg/cmで表す。
(4)耐屈曲性
JIS K6545法、JIS K6505法に準じたテストを行い、表面に亀裂の入った回数で表し耐屈曲性とした。
[参考例1](繊維質基材1の作成)
120℃で乾燥したナイロン−6(m−クレゾール中の極限粘度1.1)をエクストルーダーに供給し溶融した。別途160℃で乾燥したポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノール中の極限粘度0.64)を、前述とは別個のエクストルーダーにて溶融した。
引き続き、ナイロン−6混合体溶融流は導管ポリマー温度250℃で、ポリエチレンテレフタレート溶融流は300℃で、275℃に保温されたスピンブロックへ導入し、中空形成吐出孔を格子状配列で有する矩形の紡糸口金を用いて両重合体溶融流を合流させ複合し2g/分・孔の量で吐出し、空気圧力0.35MPa(吐出量と複合繊維繊度から換算した紡速で約4860m/分)にて高速牽引した。
牽引された複合繊維は、−30kVで高電圧印加処理し、空気流とともに分散板に衝突させ、開繊し、16分割の多層貼合せ型断面をもつ剥離分割型複合繊維からなるウェブとしてネットコンベアー上に幅1mで補集した。引き続き、得られたフリースを100℃に加熱された上下一対のカレンダーロールに通し熱接着を行った。
得られたフリースをニードルパンチにて交絡処理を施した後、水に浸漬し、軽くマングルで絞った後シート状物打撃式揉み機にて剥離分割処理を行い目付210g/mの極細繊維不織布を得た。次いでこの不織布を70℃の温水中で収縮させ収縮前の面積に対し60%の面積の繊維集合体を得た。
得られた繊維集合体を繊維質基材1とした。この繊維質基材1の目付は350g/m、厚さは1.0mmであり、柔軟度は0.25g/cmであった。なお分割後の各繊維の繊度は0.15dtexであった。
[参考例2](繊維質基材2の作成)
参考例1で得られた繊維集合体である繊維質基材1に、10重量%のポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製;クリスボンTF50P)−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記す。)溶液を含浸させた後、繊維集合体表面の余分な溶液をかきとり水中に浸漬してポリウレタンを凝固させDMFを十分に洗浄除去した後120℃で乾燥して繊維と高分子弾性体からなる複合体を得た。
得られた複合体を繊維質基材2とした。得られた繊維質基材2の表面は繊維とポリウレタンが混在するものであり、目付は455g/cm、厚さは1.0mm、柔軟度0.82g/cmであった。
[実施例1](皮革様シート状物1の作成)
離型紙(リンテック社製R53)上に、1液型エーテル系ポリウレタンの33%水分散液(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランWLS201)100部に着色剤(大日本インキ化学工業(株)製ダイラックブラックHS9530)5部、および増粘剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランアシスターT1)を撹拌しながら添加し、粘度を8000mPa・sに調整した調合液を目付け100g/mでコートし、温度70℃で2分間、110℃で2分間乾燥した。さらにその表面に、エーテル系の2液型ポリウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランA441、45%水分散液)100部に反応性H−シリコーン水分散液(大日本インキ化学工業(株)製ディックシリコーン コンクV)2部、触媒(大日本インキ化学工業株製ディックシリコーン キャタリストSC30)2部、着色剤(大日本インキ化学工業株製ダイラックブラックHS9530)5部、および増粘剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランアシスターT1)を混合して粘度を5000mPa・sに調整した調合液を目付け150g/mでコートした。次いで、温度90℃で2分乾燥後、繊維質基材2を重ね合わせ、温度110℃の加熱シリンダー表面上で0.6mmの間隙のロールに通過させ圧着した。その後、温度60℃の雰囲気下で2日間放置した後、離型紙を剥ぎ取り皮革様シート状物1を得た。
得られた皮革様シート状物1は、柔軟度0.95g/cm、かつ表面がソフトであり、また耐摩耗性は1000回、耐屈曲性は20万回以上、剥離強力は37N/cmであった。
[実施例2]
繊維集合体と高分子弾性体とからなる繊維質基材2の代わりに、参考例1で得られた繊維集合体である繊維質基材1を用い、それ以外は実施例1と同様の操作で皮革様シート状物2を作成した。
得られた皮革様シート状物2は、柔軟度0.55g/cm、かつ表面がソフトであり、また耐摩耗性は920回、耐屈曲性は20万回以上、剥離強力は35N/cmであった。
[実施例3]
離型紙(旭ロール(株)社製AR167M)上に、1液型ポリカーボネート/ポリエーテル系ポリウレタンの33%水分散液(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランTMS236、ポリカーボネート/ポリエーテル=50/50)100部、着色剤(大日本インキ化学工業(株)製ダイラックブラックHS9530)5部に増粘剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランアシスターT1)を攪拌しながら添加し、粘度を8000mPa・sに調整した調合液を目付け100g/m2でコートし、温度70℃で2分間、110℃で2分間乾燥した。さらにその表面に、2液型ポリカーボネート/ポリエーテル系のポリウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランTMA437、カーボネート/エーテル=50/50、45%水分散液)100部にアミノ変性シリコーン水分散液(大日本インキ化学工業(株)製ディックシリコーン A−900)2部、着色剤(大日本インキ化学工業株製ダイラックブラックHS9530)5部、および増粘剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランアシスターT1)を混合して粘度を5000mPa・sに調整した調合液を目付け150g/mでコートした。次いで、温度90℃で2分乾燥後、実施例1と同じ繊維質基材2を重ね合わせ、温度110℃の加熱シリンダー表面上で0.6mmの間隙のロールに通過させ圧着した。その後、温度60℃の雰囲気下で2日間放置した後、離型紙を剥ぎ取り皮革様シート状物3を得た。
得られた皮革様シート状物3は、柔軟度1.15g/cm、かつ表面がソフトであり、また耐摩耗性は850回、耐屈曲性は20万回以上、剥離強力は36N/cmであった。
[実施例4]
実施例1の接着剤を、2液型ポリカーボネート/ポリエーテル系のポリウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランTMA437、45%水分散液)100部に高分子ジメチルシリコーン水分散液(大日本インキ化学工業(株)製ディックシリコーン ソフナー120)2部、着色剤(大日本インキ化学工業株製ダイラックブラックHS9530)5部、および増粘剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランアシスターT1)を混合して粘度を5000mPa・sに調整した調合液に変更した以外は実施例1と同様に行い、皮革様シート状物4を作成した。得られた皮革様シート状物4は、柔軟度1.27g/cm、かつ表面がソフトであり、また耐摩耗性は720回、耐屈曲性は20万回以上、剥離強力は33N/cmであった。
[実施例5]
実施例3の接着剤を、2液型ポリエーテル系のポリウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランA441、45%水分散液)100部にジメチルシリコーンオイル水分散液(大日本インキ化学工業(株)製ディックシリコーン ソフナー300)2部、着色剤(大日本インキ化学工業株製ダイラックブラックHS9530)5部、および増粘剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランアシスターT1)を混合して粘度を5000mPa・sに調整した調合液に変更した以外は実施例3と同様に行い、皮革様シート状物を作成した。
得られた皮革様シート状物5は、柔軟度1.36g/cm、かつ表面がソフトであり、また耐摩耗性は690回、耐屈曲性は20万回以上、剥離強力は32N/cmであった。
[参考例3](繊維質基材3の作成)
参考例1で得られた繊維集合体1に、20重量%のポリウレタン水分散液(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランV2114)と着色剤(大日本インキ化学工業(株)製ダイラックブラックHP9451)を混合した液を含浸させた後、繊維集合体表面の余分な溶液をかきとり、90℃の熱中に浸漬してポリウレタンを凝固させた後120℃で乾燥して複合体を得た。
得られた複合体を繊維質基材3とした。繊維質基材3の表面は繊維とポリウレタンが混在するものであり、目付は470g/cm、厚さは1.0mm、柔軟度0.57g/cmであった。
[実施例6](人工皮革−6の作成)
実施例3の接着剤を、2液型ポリエーテル系のポリウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランA441、45%水分散液)100部に反応性H−シリコーン水分散液(大日本インキ化学工業(株)製ディックシリコーン コンクV)6部、触媒(大日本インキ化学工業株製ディックシリコーン、キャタリストSC30)2部、着色剤(大日本インキ化学工業株製ダイラックブラックHS9530)5部、および増粘剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランアシスターT1)を混合して粘度を5000mPa・sに調整した調合液に変更し、繊維基材シート2の代わりに繊維基材シート3の水系含浸基材を用いた以外は実施例3と同様に行い、皮革様シート状物6を作成した。
得られた皮革様シート状物6は柔軟度0.87g/cm、かつ表面がソフトであり、また耐摩耗性は1050回、耐屈曲性は20万回以上、剥離強力は33N/cmであった。
[比較例1]
実施例1の接着剤をシリコーン化合物を含まない、ポリエーテル系のポリウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランA441、45%水分散液)100部に着色剤(大日本インキ化学工業株製ダイラックブラックHS9530)5部、および増粘剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランアシスターT1)を混合して粘度を5000mPa・sに調整した調合液に変更した以外は、実施例1と同様に行い、シート状物7を得た。
得られたシート状物7は、柔軟度1.51g/cmで表面の硬いものであり、また耐摩耗性は370回、耐屈曲性は18万回、剥離強力は37N/cmであった。
[比較例2]
実施例3の接着剤を、シリコーン化合物を含まない、ポリエーテル系のポリウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランA441、45%水分散液)100部に着色剤(大日本インキ化学工業株製ダイラックブラックHS9530)5部、および増粘剤(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランアシスターT1)を混合して粘度を5000mPa・sに調整した調合液に変更した以外は、実施例3と同様にしてシート状物8を得た。
得られたシート状物8は、柔軟度2.12g/cmで表面の硬いものであり、また耐摩耗性は350回、耐屈曲性は16万回以上、剥離強力は35N/cmであった。
[比較例3]
離型紙(リンテック社製R53)上に、ポリウレタンとして固形分濃度16%のDMF、メチルエチルケトンの混合有機溶剤溶液(大日本インキ化学工業(株)製クリスボンNB130)100部に着色剤(大日本インキ化学工業(株)製ダイラックブラックL1770S)5部を攪拌しながら添加した調合液を目付け170g/mでコートし、温度90℃で2分間、120℃で2分間乾燥した。さらにその表面に、固形分濃度26%のDMF、メチルエチルケトン溶液の接着剤(大日本インキ化学工業(株)製TA290:TA265=50:50)100部に架橋剤6部(大日精化工業(株)製レザミンNE架橋剤)、触媒0.3部(大日本インキ化学工業(株)製クリスボンアクセルT、および着色剤(大日本インキ化学工業(株)製ダイラックブラックSL3430)5部を混合した調合液を目付け130g/mでコートした。次いで、温度90℃で2分乾燥後、参考例2で得られた繊維質基材2を重ね合わせ、温度110℃の加熱シリンダー表面上で0.6mmの間隙のロールに通過させ圧着した。その後、温度60℃の雰囲気下で2日間放置した後、離型紙を剥ぎ取りシート状物9を得た。
得られたシート状物9は、柔軟度1.35g/cmであり、また耐摩耗性は370回、耐屈曲性は14万回、剥離強力は29N/cmであった。

Claims (8)

  1. 繊維質基材または弾性体フィルム層のいずれか一方の上に、水溶液または水分散液でありかつシリコーン化合物を含むエラストマー系の接着剤を塗布し、次いで繊維質基材とフィルム層とを張り合わせ乾燥させることを特徴とする皮革様シート状物の製造方法。
  2. 該接着剤がポリウレタン系である請求項1記載の皮革様シート状物の製造方法。
  3. シリコーン化合物がアミノ変性シリコーン、低分子ジメチルシリコーン、高分子ジメチルシリコーン、反応性H−シリコーンの群から選ばれたいずれか一つを含む請求項1または2に記載の皮革様シート状物の製造方法。
  4. シリコーン含有量が0.5〜8重量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の皮革様シート状物。
  5. 繊維質基材が繊維と高分子弾性体からなる複合体である請求項1〜4のいずれか1項記載の皮革様シート状物。
  6. 繊維質基材を構成する繊維がポリエステルを含むものである請求項1〜5のいずれか1項記載の皮革様シート状物の製造方法。
  7. 繊維質基材を構成する繊維が、ポリエステルとナイロンから構成される分割型繊維である請求項1〜6のいずれか1項記載の皮革様シート状物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の製造方法により得られる皮革様シート状物。
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