JP2010027948A - キャパシタ、キャパシタ内蔵基板及びキャパシタの製造方法 - Google Patents

キャパシタ、キャパシタ内蔵基板及びキャパシタの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010027948A
JP2010027948A JP2008189431A JP2008189431A JP2010027948A JP 2010027948 A JP2010027948 A JP 2010027948A JP 2008189431 A JP2008189431 A JP 2008189431A JP 2008189431 A JP2008189431 A JP 2008189431A JP 2010027948 A JP2010027948 A JP 2010027948A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
capacitor
copper layer
resist
insulating resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008189431A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010027948A5 (ja
Inventor
Noriyoshi Shimizu
規良 清水
Akio Mutsukawa
昭雄 六川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinko Electric Industries Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinko Electric Industries Co Ltd filed Critical Shinko Electric Industries Co Ltd
Priority to JP2008189431A priority Critical patent/JP2010027948A/ja
Publication of JP2010027948A publication Critical patent/JP2010027948A/ja
Publication of JP2010027948A5 publication Critical patent/JP2010027948A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

【課題】配線基板に埋め込み実装したときに層間絶縁樹脂との密着性を高め、実装信頼性の向上に寄与すること。
【解決手段】キャパシタ10は、誘電体層11を挟んで一方の面に下部電極(第1の導体膜14)が形成され、他方の面に上部電極(第2の導体膜15)が形成された構造を有する。第1の導体膜14は、誘電体層11に接する側のニッケル(Ni)層12とこのNi層上に形成された銅(Cu)層13とからなる。第2の導体膜15は、単一のCu層からなり、又は、誘電体層11に接する側のNi層とこのNi層上に形成されたCu層とからなる。好適には、Cu層13,15の表面が粗化されている。さらに、両面を絶縁樹脂層16,17で被覆した構造のキャパシタ10aとしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板内の層間絶縁樹脂層に埋め込み実装されるキャパシタ、該キャパシタを内蔵したキャパシタ内蔵基板、及び該キャパシタの製造方法に関する。
本発明に係るキャパシタ内蔵基板は、好適には、高速のスイッチング動作が要求される半導体素子(チップ)等の電子部品を搭載する配線基板もしくは回路モジュールのベース基板として用いられる。
ここに、配線基板等は、半導体素子(チップ)等を搭載するパッケージとしての機能を果たす意味で、以下の記述では便宜上、「半導体パッケージ」ともいう。
配線の微細化及び高密度化が要求される半導体パッケージにおいては、各配線パターンが互いに近接しているため、配線間でクロストークノイズが生じたり、また電源ライン等の電位が変動したりする等の問題が起こり得る。特に、高速のスイッチング動作が要求される半導体素子等の電子部品を搭載する半導体パッケージでは、周波数の上昇に伴いクロストークノイズが発生し易くなり、またスイッチング素子が高速にオン/オフすることでスイッチングノイズが発生し、これによって電源ライン等の電位が変動し易くなる。
そこで、電源電圧を安定させ、スイッチングノイズ等を低減させる目的で、半導体パッケージにキャパシタ機能を内蔵させて電源ライン等を「デカップリング」することが行われている。特に、最近の携帯端末やモバイル機器等の電子機器においては、その小型化及び薄型化に伴い、受動部品の基板にキャパシタを内蔵する技術が実用化されている。このように基板内に埋め込み実装されるキャパシタは、高誘電率材料からなる誘電体層を挟んでその上下にキャパシタの上部電極及び下部電極を構成する各導体層が形成された構造を有している。
かかるキャパシタの従来形の一例として、下部電極をニッケル(Ni)で形成したものがある。これは、Ni層(下部電極)上に誘電体層を塗布法、スパッタリング等により成膜し、800〜1000℃の温度で焼成した後、誘電体層上に銅(Cu)の導体層(上部電極)を形成したものである。
かかる従来技術に関連する技術としては、例えば、特許文献1に記載されるように、上部電極(第1導電層)と下部電極(第2導電層)との間に誘電層を備えるプリント配線板のキャパシタ層形成材において、第2導電層を、銅層の表面に純ニッケル層とニッケル−リン合金層とが順次積層された層構成、もしくは銅層の表面にニッケル−リン合金層と純ニッケル層とニッケル−リン合金層とが順次積層された構造としたものがある。また、特許文献2に記載されるように、下部電極(第2導電層)をニッケル層又はニッケル合金層で構成したものがある。
特開2006−80401号公報 特開2006−135036号公報
上述したように従来の技術では、電子機器の小型化等に伴い、またデカップリング効果を有効に機能させる目的から、半導体パッケージ(配線基板)にキャパシタ機能を内蔵する技術が実用化されている。この場合、キャパシタは配線基板内の層間絶縁樹脂層に埋め込み実装され、このキャパシタの下部電極及び上部電極は、その層間絶縁樹脂層に適宜形成されたビア(導体)を介してその上下の各配線層にそれぞれ接続されることになる。従って、上述したような層構造からなるキャパシタを配線基板内(層間絶縁樹脂層)に埋め込むと、各導体層(Ni層、Cu層)は層間絶縁樹脂層に直接接触することになる。
この場合、上部電極を構成する銅(Cu)層については、層間絶縁樹脂(エポキシ系樹脂等)との密着性は比較的良好であるが、下部電極を構成するニッケル(Ni)層については、樹脂との密着性が弱く、剥離し易いといった問題があった。これは、当該キャパシタの配線基板内での実装信頼性の低下につながる。
また、下部電極のニッケル(Ni)層をパターニングする際に、一般的な配線基板のプロセスで用いられているドライフィルムレジスト(DFR)を使用すると、Ni層とDFR樹脂との密着性が悪いため、DFRの開口部付近においてNi層がオーバーエッチングされ易く、場合によっては、電極パターンが剥がれてしまうといった問題もあった。つまり、Ni層をサブトラクティブ法により形成したときに、そのNi層を精度良くエッチングすることができないといった課題があった。
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑み創作されたもので、配線基板に埋め込み実装したときに層間絶縁樹脂との密着性を高め、実装信頼性の向上に寄与することができるキャパシタ、キャパシタ内蔵基板及びキャパシタの製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、下部電極(Ni層)を形成する際のパターニング材としてドライフィルムレジスト樹脂を使用した場合に、当該電極を実質的にオーバーエッチングすることなく精度良くエッチングすることができるキャパシタの製造方法を提供することを目的とする。
上記の従来技術の課題を解決するため、本発明の一形態によれば、誘電体層を挟んで一方の面に下部電極を構成する第1の導体膜が形成され、他方の面に上部電極を構成する第2の導体膜が形成された構造を有し、前記第1の導体膜は、前記誘電体層に接する側のニッケル層と該ニッケル層上に形成された銅層とからなり、前記第2の導体膜は単一の銅層からなることを特徴とするキャパシタが提供される。
この形態に係るキャパシタの構成によれば、下部電極を構成するニッケル(Ni)層の表面(誘電体層に接する側と反対側の面)に、樹脂との密着性が比較的良好な銅(Cu)層が形成されているので、当該キャパシタを配線基板内(層間絶縁樹脂層)に埋め込み実装したときに、このCu層が層間絶縁樹脂層に直接接触することになる。これにより、従来のようにNi層が層間絶縁樹脂層に直接接触する場合と比べて、層間絶縁樹脂との密着性を改善することができる。
つまり、下部電極(Ni層/Cu層)と層間絶縁樹脂層との密着度が高められるので、従来技術に見られたようなNi層(下部電極)の剥離といった不都合は解消され、当該キャパシタの配線基板内での実装信頼性の向上に寄与することができる。
また、上記の形態に係るキャパシタにおいて、前記第1の導体膜のCu層及び前記第2の導体膜のCu層は、各々の表面が粗化されているのが好ましい。この構成によれば、当該キャパシタを配線基板内の層間絶縁樹脂層に埋め込み実装したときに、各Cu層に接する樹脂との密着性を更に高めることができる。
また、本発明の他の形態によれば、上記の形態に係るキャパシタが層間絶縁樹脂層内に設けられ、該キャパシタの上部電極及び下部電極が、それぞれ最外層の配線層に画定された異なるパッド部に電気的に接続されていることを特徴とするキャパシタ内蔵基板が提供される。
また、本発明の更に他の形態によれば、上記の形態に係るキャパシタを製造する方法が提供される。その一形態としての製造方法は、ニッケル層と所要の厚さの誘電体層とシード層とが積層されてなるベース部材を用意する工程と、前記シード層を利用して電解めっきにより所要の厚さの第1の銅層を形成し、該第1の銅層を所要の形状にエッチングして上部電極を形成する工程と、前記ニッケル層を所要の厚さに薄化する工程と、該薄化されたニッケル層上に、電解めっきにより所要の厚さの第2の銅層を形成する工程と、前記第2の銅層上にエッチング用のドライフィルムレジストを形成し、該ドライフィルムレジストを所要の下部電極の形状にパターニングする工程と、該パターニングされたレジストをマスクにしてエッチングにより、前記第2の銅層の露出している部分及びその直下のニッケル層の部分を一括除去する工程と、前記パターニングされたレジストを除去する工程とを含むことを特徴とする。
この形態に係るキャパシタの製造方法によれば、上記の形態に係るキャパシタで得られた効果に加え、さらに以下の利点が得られる。すなわち、下部電極をパターニングする際に、従来のようにNi層に対して直接ドライフィルムレジスト(DFR)樹脂を用いてパターニングを行うのではなく、薄化されたNi層上に第2のCu層を形成後、このCu層に対してDFR樹脂を用いてパターニングを行い、このパターニングされた樹脂層をマスクにして第2のCu層の露出している部分及びその直下のNi層の部分を一括エッチングしているので、下部電極を実質的にオーバーエッチングすることなく精度良くエッチングすることができる。
本発明に係るキャパシタ、キャパシタ内蔵基板及びキャパシタの製造方法の他の構成上の特徴及びそれに基づく有利な利点等については、以下に記述する発明の実施の形態を参照しながら説明する。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る基板内蔵用のキャパシタの構成を断面図の形態で示したものである。図中、(a)はそのキャパシタの基本構造、(b)はキャパシタの誘電体層の劣化対策を意図した構造をそれぞれ示している。本実施形態に係るキャパシタは、後述するように配線基板内の層間絶縁樹脂層に埋め込み実装されて用いられる。
図1(a)に示すキャパシタ10は、誘電体層11を挟んで一方の面(図示の例では下側の面)に下部電極を構成する導体膜14が形成され、他方の面(上側の面)に上部電極を構成する導体膜15が形成された構造を有している。下部電極(導体膜14)は、図示のように内側(誘電体層11に接する側)の導体層12と、外側(キャパシタ10の実装時に配線基板内の層間絶縁樹脂層に接する側)の導体層13とが積層された2層構造からなっている。この導体膜14の内側の導体層12はニッケル(Ni)からなり、外側の導体層13は銅(Cu)からなっている。この外側のCu層13は、本発明を特徴付ける密着層として機能する。また、上部電極(導体膜15)は単一のCu層からなっている。
この基本構造のキャパシタ10は、誘電体層11を挟んでその両面に各電極14,15がそれぞれ所要の形状にパターニング形成されたシート状の形態を有している。このシート状のキャパシタ10は、その完成後に所要の大きさに分割(ダイシング)され、その分割された個々のキャパシタ10が基板内に実装されるようになっている。
一方、図1(b)に示すキャパシタ10aは、図1(a)の基本構造のキャパシタ10に対し、さらにその両面を絶縁樹脂層16,17で被覆した構造を有している。このキャパシタ10aも同様にシート状の形態を有し、完成後に所要の大きさにダイシングされて基板内に実装される。図1(a)の基本構造のように誘電体層11が露出していると、ダイシング処理の際にその影響を受けて誘電体層11が特性劣化する可能性も想定され、かかる不都合に対処するために両面を絶縁樹脂層16,17で被覆している。
本実施形態に係る基板内蔵用のキャパシタ10(10a)を構成する各部材の材料の厚さや形態等については、以下に記述するプロセスの各工程において適宜説明する。
以下、本実施形態のキャパシタ10(10a)を製造する方法について、その製造工程の一例を示す図2〜図4を参照しながら説明する。
先ず最初の工程では(図2(a)参照)、キャパシタ10(10a)を形成するためのシート状のベース部材20を用意する。このベース部材20は、図示のように3層構造からなり、厚さ50μm程度のニッケル(Ni)箔12aと、厚さ450nm程度のBST(BaSrTi03:チタン酸バリウムストロンチウム)膜11と、厚さ2μm程度の銅(Cu)の薄膜15aとが積層されて構成されている。Ni箔12aはキャパシタ10(10a)の下部電極14を形成するための導体層12に相当し、BST膜11はキャパシタの誘電体層を構成し、Cu薄膜15aは電解めっきを行う際のシード層(給電層)として機能する。ベース部材20は、Ni箔12a上に高誘電率材料(BST)を塗布法、MOCVD(有機金属CVD)法、スパッタリング等により成膜し、800〜1000℃の温度で焼成した後、BST膜11上に銅(Cu)をスパッタリングにより堆積させることで(Cu薄膜15aの形成)、形成することができる。
次の工程では(図2(b)参照)、ベース部材20のCu薄膜15a上に、このCu薄膜15aを給電層として用いた電解銅(Cu)めっきにより、厚さ20μm程度のCu層15bを形成する。このCu層15bは、キャパシタ10(10a)の上部電極15を形成するための導体層(膜)に相当する。
次の工程では(図2(c)参照)、両面(Cu層15bが形成されている側の面とNi箔12aが形成されている側の面)にそれぞれパターニング材料を使用してエッチングレジストを形成し、Cu層15bが形成されている側のエッチングレジストの所要の箇所を開口する(開口部OP1を備えたレジスト層R1、及びレジスト層R2の形成)。レジスト層R1の開口部OP1は、形成すべき上部電極15の所要のパターンの形状に従ってパターニング形成される。パターニング材料としては、感光性のドライフィルムが用いられる。
具体的には、先ず両面を洗浄した後、Cu層15b、Ni箔12aの各表面にドライフィルム(厚さ40〜50μm程度)を熱圧着により貼り付け(ラミネーション)、Cu層15bが形成されている側のドライフィルムに対し、所要のパターンの形状にパターニングされたマスク(図示せず)を用いて紫外線(UV)照射による露光を施して硬化させ、さらに所定の現像液(ネガ型の場合は有機溶剤を含む現像液、ポジ型の場合はアルカリ系の現像液)を用いて当該部分をエッチング除去し(開口部OP1の形成)、所要の上部電極15の形状に応じたレジスト層R1を形成する。Ni箔12aが形成されている側のドライフィルムに対しては、露光・現像を行わずにそのままレジスト層R2とする。
次の工程では(図2(d)参照)、そのパターニングされたレジスト層R1をマスクにして、塩化第二銅水溶液もしくは塩化第二鉄水溶液を用いたウエットエッチングにより、Cu層15bの露出している部分を除去する(上部電極15の形成)。このとき、BST膜(誘電体層)11を挟んでCu層(上部電極)15と反対側に形成されているNi箔12aは、ドライフィルム(レジスト層R2)によって保護されている。
次の工程では(図3(a)参照)、エッチングレジストとして使用したドライフィルム(図2(d)のレジスト層R1,R2)を、水酸化ナトリウムやモノエタノールアミン系等のアルカリ性の薬液を用いて除去する。この段階で、BST膜(誘電体層)11を挟んで一方の面にCu層(上部電極)15が露出し、他方の面にNi箔12aが露出した構造体が出来上がる。
次の工程では(図3(b)参照)、露出しているNi箔12a(厚さ50μm程度)を厚さ20μm程度になるまで薄化する(Ni箔12b)。この薄化に先立ち、所要の形状にパターニングされたCu層(上部電極15)が形成されている側の面に、このCu層を覆ってエッチングレジストとしてのドライフィルム(レジスト層R3)を熱圧着により貼り付けておく(ラミネーション)。そして、このドライフィルム(レジスト層R3)によってCu層(上部電極15)を保護しながら、塩化第二銅水溶液もしくは塩化第二鉄水溶液を用いたウエットエッチングにより、露出しているNi箔12aを所要の厚さになるまで薄化(エッチング)して、Ni箔12bを残す。ここで行うNi箔12aのエッチングは、所要の厚さに薄化する目的以外に、レジスト層R2(図2(d))の除去後にNi箔12aの表面に自然形成される酸化膜を除去する(つまり、その表面を完全な金属面とする)ことも意図している。
次の工程では(図3(c)参照)、薄化されたNi箔12b上に、このNi箔12bを給電層として用いた電解銅(Cu)めっきにより、厚さ5μm程度以下のCu層13aを形成する。このCu層13aは、キャパシタ10(10a)の下部電極14の一部を構成し、後述するように密着層として機能する。
次の工程では(図3(d)参照)、Cu層13aが形成されている側の面にパターニング材料を使用してエッチングレジストを形成し、その所要の箇所を開口する(開口部OP2を備えたレジスト層R4の形成)。レジスト層R4の開口部OP2は、形成すべき下部電極14の所要のパターンの形状に従ってパターニング形成される。パターニング材料としては、感光性のドライフィルムが用いられる。図2(c)の工程で行った処理と同様にして、所要の厚さのドライフィルムをラミネートし、このドライフィルムに対して所要の露光・現像を行い、下部電極14の形状に応じたレジスト層R4を形成する。Cu層(上部電極)15が形成されている側のドライフィルム(レジスト層R3)に対しては、露光・現像を行わない。
次の工程では(図4(a)参照)、そのパターニングされたレジスト層R4をマスクにして、塩化第二銅水溶液もしくは塩化第二鉄水溶液を用いたウエットエッチングにより、Cu層13aの露出している部分(図3(d)参照)及びその直下(図示の例では上側)のNi箔12bの部分を一括除去する。このとき、Cu層13a及びNi箔12bと反対側に形成されているCu層(上部電極)15は、ドライフィルム(レジスト層R3)によって保護されている。
次の工程では(図4(b)参照)、図3(a)の工程で行った処理と同様にして、エッチングレジストとして用いたドライフィルム(図4(a)のレジスト層R3,R4)を、水酸化ナトリウムやモノエタノールアミン系等のアルカリ性の薬液を用いて除去する。この段階で、図示のようにBST膜(誘電体層)11を挟んで一方の面に下部電極を構成する導体膜14(Ni箔12及びその表面に形成されたCu層13)が形成され、他方の面に上部電極を構成する導体膜(Cu層)15が形成された構造体が出来上がる。
次の工程では(図4(c)参照)、前の工程で作製された構造体の両面のCu層13,15に対し、その表面に粗化処理を施す。例えば、黒色酸化処理(ブラックオキサイド)やCZ処理等により、各Cu層13,15の表面を粗化することができる。いずれの処理も、銅(Cu)と樹脂との密着性を高めるためのものであり、基本的にはCu箔(層)の表面に凹凸を形成してアンカー効果をもたせるものである。この段階で、図1(a)に示した基本構造のキャパシタ10が作製されたことになる。
最後の工程では(図4(d)参照)、前の工程で作製された構造体(キャパシタ10)の両面に、それぞれCu層15及びCu層13(その直下のNi箔12)を覆うようにして、エポキシ系樹脂等からなる半硬化状態の樹脂フィルム(厚さ45μm程度)をラミネートし、熱硬化させて絶縁樹脂層16,17を形成する。この段階で、図1(b)に示した構造のキャパシタ10aが作製されたことになる。
以上説明したように、本実施形態に係るキャパシタ10(10a)及びその製造方法によれば(図1〜図4参照)、下部電極14を構成するNi層12の表面(誘電体層11に接する側と反対側の面)に、樹脂との密着性が比較的良好なCu層13が形成されているので、当該キャパシタを配線基板内(層間絶縁樹脂層)に埋め込み実装したときに、このCu層13が層間絶縁樹脂層に直接接触することになる。これにより、従来のようにNi層が層間絶縁樹脂層に直接接触する場合と比べて、層間絶縁樹脂との密着性を改善することができる。つまり、下部電極14(Ni層12/Cu層13)と層間絶縁樹脂層との密着度が高められるので、従来技術に見られたようなNi層(下部電極)の剥離といった不都合は解消され、当該キャパシタの配線基板内での実装信頼性の向上に寄与することができる。
また、Cu層13(密着層)の表面及び上部電極を構成するCu層15の表面にそれぞれ粗化処理(図4(c))を施しているので、配線基板内の層間絶縁樹脂層に埋め込み実装したとき、あるいはキャパシタ10aのように両面を絶縁樹脂層16,17で被覆したときに、各Cu層13,15に接する樹脂との密着性を更に高めることができる。
図5は、発明技術の基板内蔵用のキャパシタによって得られる「層間絶縁樹脂との密着性改善」の効果を従来技術の場合と対比させて示したものである。図示の例では、発明技術に係るNi層(50μm)/Cu層(5μm)の幅1cmあたりの、層間絶縁樹脂(45μm)に対する密着度(剥離強度(kgf))を、従来技術に係るNi層(50μm)の幅1cmあたりの、層間絶縁樹脂(45μm)に対する密着度と対比させて比較した結果を示している。ただし、キャパシタの誘電体層及び上部電極(Cu層)は除いて評価している。
図5(c)の評価結果に示すように、層間絶縁樹脂との密着度(剥離強度)は、従来技術では0.16(kgf/cm)であったものが、発明技術によれば、約5倍の0.78(kgf/cm)に改善されている。
また、下部電極(12、13)をパターニングする際に、従来のようにNi層に対して直接ドライフィルムレジスト(DFR)樹脂を用いてパターニングを行うのではなく、密着層として機能するCu層13aをNi箔12b上に形成後(図3(c))、このCu層13aに対してDFR樹脂を用いてパターニングを行い(図3(d))、このパターニングされた樹脂層(レジスト層R4)の開口部におけるCu層13a及びその直下のNi箔12bを一括エッチングしているので(図4(a))、下部電極を実質的にオーバーエッチングすることなく精度良くエッチングすることができる。
図6は、発明技術の基板内蔵用のキャパシタによって得られる「ドライフィルムレジスト樹脂との密着性改善」の効果を従来技術の場合と対比させて示したものである。図示の例では、発明技術に係るNi層(20μm)/Cu層(5μm)の上にドライフィルムレジスト(DFR)樹脂を用いてパターニングを行い、このパターニングされたDFR樹脂層の開口部におけるCu層/Ni層を一括エッチングしたときの状態を、従来技術に係るNi層(20μm)の上にDFR樹脂を用いてパターニングを行い、このパターニングされたDFR樹脂層の開口部におけるNi層をエッチングしたときの状態と対比させて比較した断面構造を示している。
従来技術では(図6(a))、Ni層とDFR樹脂との密着性が悪いため、DFR樹脂の開口部付近においてNi層が40μm程オーバーエッチングされているのに対し、発明技術では(図6(b))、Ni層はCu層(密着層)を介在させてDFR樹脂と接しているので、DFR樹脂の開口部付近においてNi層のオーバーエッチングは15μm程に改善されている。このようにDFR樹脂との密着度が改善されることで、下部電極をサブトラクティブ法により形成する場合のエッチングを精度良く行うことができる。
上述した実施形態では、基本構造のキャパシタ10(図1(a))に対しその両面を絶縁樹脂層16,17で被覆した構造(図1(b)のキャパシタ10a)を例にとって説明したが、かかる絶縁樹脂層は必ずしも両面に形成する必要はなく、一方の面にのみ絶縁樹脂層を設けてもよい。その場合の実施形態を図7〜図9に示す。
図7は本発明の他の実施形態に係る基板内蔵用のキャパシタの構成を断面図の形態で示したものである。本実施形態に係るキャパシタ10bは、上述した実施形態に係るキャパシタ10,10aの場合と同様に、配線基板内の層間絶縁樹脂層に埋め込み実装されて用いられる。
本実施形態のキャパシタ10bは、図1に示したキャパシタ10(キャパシタ10a)と比べて、上部電極15が形成されている側の面を絶縁樹脂層16で被覆した点(下部電極14が形成されている側の面に絶縁樹脂層17を設けていない点)において相違する。他の構成については、図1に示したキャパシタ10(キャパシタ10a)の場合と同じであるのでその説明は省略する。
以下、本実施形態のキャパシタ10bを製造する方法について、その製造工程の一例を示す図8及び図9を参照しながら説明する。
先ず、図2(a)〜(d)の工程で行った処理と同じ工程を経た後、図3(a)の工程で行った処理と同様にして、エッチングレジストとして使用したドライフィルムを除去する。これにより、図8(a)に示すように、BST膜(誘電体層)11を挟んで一方の面にCu層(上部電極)15が露出し、他方の面にNi箔12aが露出した構造体が出来上がる。
次の工程では(図8(b)参照)、前の工程で作製された構造体のCu層(上部電極)15に対し、その表面に粗化処理を施す。この粗化処理に先立ち、Ni箔12aが形成されている側の面に、保護膜としてのドライフィルム(レジスト層R5)を熱圧着により貼り付けておく。そして、このドライフィルム(レジスト層R5)によってNi箔12aを保護しながら、図4(c)の工程で行った処理と同様にして、黒色酸化処理(ブラックオキサイド)やCZ処理等により、Cu層15の表面を粗化する。
粗化処理を終えた後、図3(a)の工程で行った処理と同様にして、保護膜として使用したドライフィルム(レジスト層R5)を除去する。この段階で、BST膜(誘電体層)11を挟んで一方の面にCu層(上部電極)15が露出し、他方の面にNi箔12aが露出した構造体が出来上がる。
次の工程では(図8(c)参照)、前の工程で作製された構造体のCu層(上部電極)15が形成されている側の面に、Cu層15を覆うようにして、エポキシ系樹脂等からなる半硬化状態の樹脂フィルム(厚さ45μm程度)をラミネートし、熱硬化させて絶縁樹脂層16を形成する。
次の工程では(図8(d)参照)、絶縁樹脂層16によってCu層(上部電極)15を保護しながら、塩化第二銅水溶液もしくは塩化第二鉄水溶液を用いたウエットエッチングにより、露出しているNi箔12a(厚さ50μm程度)を厚さ20μm程度になるまで薄化(エッチング)して、Ni箔12bを残す。
次の工程では(図9(a)参照)、図3(c)の工程で行った処理と同様にして、薄化されたNi箔12b上に、このNi箔12bを給電層として用いた電解銅(Cu)めっきにより、密着層として機能するCu層13a(厚さ5μm程度以下)を形成する。
次の工程では(図9(b)参照)、図3(d)の工程で行った処理と同様にして、Cu層13aが形成されている側の面にドライフィルムを使用してエッチングレジストを形成し、その所要の箇所を開口する(開口部OP3を備えたレジスト層R6の形成)。レジスト層R6の開口部OP3は、形成すべき下部電極14の所要のパターンの形状に従ってパターニング形成される。このとき、Cu層(上部電極)15が形成されている側の絶縁樹脂層16(エポキシ系樹脂等)に対しては、ドライフィルム(レジスト層R6)に対して行われる露光・現像の影響が及ぼされることはない。
次の工程では(図9(c)参照)、図4(a)の工程で行った処理と同様にして、そのパターニングされたレジスト層R6をマスクにして、塩化第二銅水溶液もしくは塩化第二鉄水溶液を用いたウエットエッチングにより、Cu層13aの露出している部分及びその直下(図示の例では上側)のNi箔12bの部分を一括除去する。その際、Cu層13a及びNi箔12bと反対側に形成されているCu層(上部電極)15は、絶縁樹脂層16によって保護されている。
最後の工程では(図9(d)参照)、図4(b)の工程で行った処理と同様にして、エッチングレジストとして使用したドライフィルム(図9(c)のレジスト層R6)を除去した後、絶縁樹脂層16によってCu層(上部電極)15を保護しながら、図4(c)の工程で行った処理と同様にして、黒色酸化処理(ブラックオキサイド)やCZ処理等により、露出しているCu層13の表面を粗化する。この段階で、図7に示した構造のキャパシタ10bが作製されたことになる。
本実施形態に係るキャパシタ10b及びその製造方法によれば(図7〜図9参照)、上述した実施形態(図1〜図4)で得られた効果(層間絶縁樹脂との密着性改善、DFR樹脂との密着性改善)に加え、さらに、図1(b)のキャパシタ10aの構造と比べて、下部電極14が形成されている側の面に絶縁樹脂層17が設けられていない分だけ薄型化を図ることができるという利点がある。
上述した各実施形態に係る基板内蔵用のキャパシタ10,10a,10bは、それぞれ配線基板内の層間絶縁樹脂層に適宜埋め込み実装されて用いられる。図10はその実装例を示したものである。
図10に示す例では、キャパシタ10a(図1(b))を内蔵した配線基板(キャパシタ内蔵基板)30の構成を断面図の形態で示しており、さらに、このキャパシタ内蔵基板30に半導体素子等の電子部品(チップ)50がその電極端子51を介して表面実装され得る様子を示している。
このキャパシタ内蔵基板30は、図示のように配線基板のベース基材としてのコア基板31と、このコア基板31の所要の箇所に形成されたスルーホールに充填された導体32と、この導体32に接続されてコア基板31の両面にそれぞれ所要のパターン形状に形成された配線層33及び34と、一方の配線層33を覆って2層に形成され、所要の箇所において当該配線層33のパッド部に達するビアホールが形成された絶縁樹脂層35及び36と、他方の配線層34を覆って形成され、所要の箇所において当該配線層34のパッド部に達するビアホールが形成された絶縁樹脂層37と、各絶縁樹脂層36,37上にそれぞれ所要のパターン形状に、かつ、それぞれ当該ビアホールを充填するように形成された配線層38及び39と、各配線層38,39のそれぞれ所要の箇所に画定されたパッド部38P,39Pを除いて両面を覆うように形成された保護膜としてのソルダレジスト層40及び41とを備えている。導体32及び配線層33,34,38,39の材料としては代表的に銅(Cu)が用いられ、絶縁樹脂層35,36,37の材料としては代表的にエポキシ系樹脂が用いられる。
また、ソルダレジスト層40,41から露出するパッド部38P,39Pには、それぞれ外部接続端子(本基板30に実装されるチップ50の電極端子51、本基板30をマザーボード等の実装用基板に実装する際に使用されるはんだボールやピン等)が接合されるので、各パッド部(Cu)38P,39Pにニッケル(Ni)めっき及び金(Au)めっきをこの順に施しておくのが望ましい。これは、外部接続端子を接合したときのコンタクト性を良くするため(Au層)と、パッド部38P,39Pを構成するCuとの密着性を高め、CuがAu層中へ拡散するのを防止するため(Ni層)である。
また、チップ実装面側のパッド部38Pについては、客先等の便宜を考慮して、図示のようにチップ50を実装する際にその電極端子51と接続し易いようにはんだ42を被着させている。一方、チップ実装面側と反対側のパッド部39Pについては、客先等で必要に応じて外部接続端子を接合できるように露出させた状態のままにしている。あるいは、前もってパッド部39Pにはんだボールやピン等を接合しておいてもよい。
本発明を特徴付けるキャパシタ10aは、図示のように絶縁樹脂層36内に埋め込み実装されている。そして、キャパシタ10aの上部電極15及び下部電極14は、それぞれ最外層の配線層38,39に画定された異なるパッド部38P,39Pに電気的に接続されている。
図示の例では、キャパシタ10aの上部電極15は、絶縁樹脂層36,35を貫通して形成された3つのビアホールのうち右側のビアホール(配線層38)を介して対応するパッド部38Pに接続されると共に、このビアホールから配線層33、導体32、反対側の配線層34及び右側のビアホール(配線層39)を介して対応するパッド部39Pに接続されている。この右側のパッド部38P,39Pは、電源用(又はグランド用)の端子として用いられる。
一方、キャパシタ10aの下部電極14は、真ん中のビアホール(配線層38)を介して対応するパッド部38Pに接続されると共に、このビアホールから配線層33、導体32、反対側の配線層34及び真ん中のビアホール(配線層39)を介して対応するパッド部39Pに接続されている。この真ん中のパッド部38P,39Pは、グランド用(又は電源用)の端子として用いられる。
また、左側のチップ実装面側のパッド部38Pについては、キャパシタ10aを介さずに、反対側のパッド部39Pに接続されている。この左側のパッド部38P,39Pは、信号用の端子として用いられる。
次に、このキャパシタ内蔵基板30を製造する方法について、その製造工程の一例を示す図11〜図13を参照しながら説明する。各図においては、図示の簡略化のため、本発明に関連する部分(埋め込み実装されるキャパシタ10a及びその周辺部分)のみを示している。
先ず最初の工程では(図11(a)参照)、ベース基材としてコア基板31を用意し、その所要の箇所にスルーホールを形成してその内部に導体32を充填し、さらに両面に所要のパターン形状に配線層を形成する(図示の例では、一方の配線層33のみを示している)。例えば、プリント配線板に広く用いられているガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板を用意し、その所要の箇所にドリル加工等によりスルーホールを形成する。次に、積層板の両面の銅箔をシード層(給電層)として利用した電解Cuめっきにより、あるいは銅(Cu)ペーストを用いたスクリーン印刷法やインクジェット法等により、当該スルーホールに導体32を充填する。さらに、スルーホールに充填された導体32に接続されるようにしてコア基板31の両面に、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、インクジェット法等により、所要のパターン形状に配線層33を形成する。セミアディティブ法もしくはインクジェット法を用いた場合には、スルーホールへの導体32の充填と同時に配線層33を形成することができ、工程の簡素化に寄与する。
次の工程では(図11(b)参照)、配線層33及びコア基板31上に、エポキシ系樹脂等からなる半硬化状態の樹脂フィルム35aをラミネートする。ただし、この時点では熱硬化処理を行わない。
次の工程では(図11(c)参照)、半硬化状態の樹脂フィルム35a上の所定の位置にキャパシタ10aを搭載し、この状態で樹脂フィルム35aを熱硬化させて絶縁樹脂層35を形成する。
次の工程では(図12(a)参照)、キャパシタ10aが実装されている側の面に、このキャパシタ10aを覆うようにして、エポキシ系樹脂等からなる半硬化状態の樹脂フィルムをラミネートし、熱硬化させて絶縁樹脂層36を形成する。
次の工程では(図12(b)参照)、キャパシタ10aを覆って形成された絶縁樹脂層36の所要の箇所に、CO2 レーザ、UV−YAGレーザ等を用いた穴あけ処理により、絶縁樹脂層36及び35を順次貫通して配線層33のパッド部に達するビアホール(図示の例では、2つのビアホールVH1,VH2)を形成する。各ビアホールVH1,VH2を形成する位置は、それぞれキャパシタ10aの上部電極15及び下部電極14が形成されている部分に対応する絶縁樹脂層の領域内に選定される。これにより、一方のビアホールVH1の内壁面には上部電極15の側面が露出し、他方のビアホールVH2の内壁面には下部電極14の側面が露出する。
このように絶縁樹脂層36,35に穴あけ加工をすると、各ビアホールVH1,VH2の底部に樹脂の残渣(樹脂スミア)が残ることがある。樹脂スミアが残っていると、この後の工程でめっきを行ったときに、各ビアホールと内層導体(配線層33)との導通不良の原因となるため、スミア除去(デスミア)を行う。デスミアは、過マンガン酸カリウム法などにより行う。
次の工程では(図12(c)参照)、各ビアホールVH1,VH2の内壁面及びその底部を含めて絶縁樹脂層36上に、無電解銅(Cu)めっきにより、後の工程で電解めっきを行う際に利用されるシード層(給電層)38aを形成する。
次の工程では(図13(a)参照)、シード層(Cu)38a上にパターニング材料を使用してめっきレジストを形成し、その所要の箇所を開口する(開口部OP4を備えたレジスト層R7の形成)。レジスト層R7の開口部OP4は、形成すべき配線層38の所要の形状に従ってパターニング形成される。パターニング材料としては、感光性のドライフィルムが用いられる。レジストのパターニング方法は、図2(c)の工程で行った処理と同様である。
次の工程では(図13(b)参照)、めっきレジスト(レジスト層R7)の開口部OP4から露出しているシード層38a上に、このシード層38aを給電層として利用した電解Cuめっきにより、配線層38を形成する。これにより、形成された配線層38の各配線パターンは、それぞれキャパシタ10aの上部電極15及び下部電極14に電気的に接続されたことになる。
次の工程では(図13(c)参照)、めっきレジスト(レジスト層R7)として使用したドライフィルムを、水酸化ナトリウムやモノエタノールアミン系等のアルカリ性の薬液を用いて除去する。さらに、露出しているシード層(Cu)38a(図13(b)参照)をウエットエッチングにより除去する。これによって、除去されたシード層38a直下の絶縁樹脂層36が露出し、隣り合う配線層38は、図示のように相互に絶縁された状態となる。
さらにこの後、特に図示はしていないが、この構造体の両面に、ビルドアップ法により絶縁樹脂層(ビアホールを含む)及び配線層を交互に所要の層数となるまで積み上げていく。図10に示した構成例では、図13(b)の工程で形成した配線層38(コア基板31を挟んで反対側に形成した配線層39)を最外層の配線層としている。さらに、各配線層38,39のパッド部38P,39Pの部分を除いて両面を覆うようにそれぞれソルダレジスト層40,41を形成し、各ソルダレジスト層40,41から露出している各パッド部(Cu)38P,39PにNi/Auめっきを施す。そして、チップ実装面側のパッド部38Pについては、プリソルダを施しておく(はんだ42の被着)。
以上の工程により、図10のキャパシタ内蔵基板30が製造されたことになる。
上述した各実施形態では、下部電極(導体膜14)の一部を構成するCu層13の表面と上部電極(導体膜15)を構成するCu層の表面にそれぞれ粗化処理を施した場合を例にとって説明したが、形成されるCu層の厚さやその表面の状態(粗さ)によっては必ずしも粗化処理を施す必要はない。すなわち、上述したように電解銅(Cu)めっきにより比較的厚く形成されている場合(Cu層15の厚さ:20μm程度、Cu層13の厚さ:5μm程度)は、その形成されたCu層の表面の粗度は比較的小さく平坦に近い状態であるので、このCu層に接する樹脂(層間絶縁樹脂、DFR樹脂)との密着性を高めるためには、そのCu層の表面に粗化処理を施すのが望ましい。これに対し、例えば、Cu層13をフラッシュめっきで比較的薄く(厚さ1〜2μm程度)形成した場合は、その表面がバンプ状に粗い状態となっているので、更にその表面に粗化処理を施さなくても、十分な密着性を確保することができる。
また、上述した各実施形態では、キャパシタ10(10a,10b)の上部電極を構成する導体膜15が単一のCu層からなる場合を例にとって説明したが、必ずしも単一の導体層で形成される必要がないことはもちろんである。例えば、下部電極(導体膜14)と同様に、誘電体層11に接する側のNi層と、配線基板内の層間絶縁樹脂層に接する側のCu層とが積層された2層構造としてもよい。
また、上述した各実施形態では、キャパシタ10(10a,10b)の誘電体層11としてBST(チタン酸バリウムストロンチウム)を用いた場合を例にとって説明したが、誘電体層11を構成する材料がこれに限定されないことはもちろんである。要は、出来るだけ高誘電率の材料であれば十分であり、BST以外の材料として、BTO(BaTi03:チタン酸バリウム)、PZT(PbTi03- PbZr03:チタンジルコン酸鉛)、STO(SrTi03:チタン酸ストロンチウム)、TiOx(酸化チタン)等の金属酸化物、もしくはそれらの金属酸化物のフィラーを含有する樹脂等を使用することも可能である。これらの材料は、上述したBSTの場合と同様に、MOCVD法、スパッタリング等により、基材上に成膜することができる。
本発明の一実施形態に係る基板内蔵用のキャパシタの構成を示したもので、(a)はその基本構造を示す断面図、(b)は誘電体層の劣化対策を意図した構造を示す断面図である。 図1のキャパシタの製造方法の工程(その1)を示す断面図である。 図2の工程に続く工程(その2)を示す断面図である。 図3の工程に続く工程(その3)を示す断面図である。 発明技術の基板内蔵用のキャパシタによって得られる「層間絶縁樹脂との密着性改善」の効果を従来技術の場合と対比させて示した図である。 発明技術の基板内蔵用のキャパシタによって得られる「ドライフィルムレジスト樹脂との密着性改善」の効果を従来技術の場合と対比させて示した図である。 本発明の他の実施形態に係る基板内蔵用のキャパシタの構成を示す断面図である。 図7のキャパシタの製造方法の工程(その1)を示す断面図である。 図8の工程に続く工程(その2)を示す断面図である。 図1(b)のキャパシタを内蔵した配線基板(キャパシタ内蔵基板)の構成を示す断面図である。 図10のキャパシタ内蔵基板の製造方法の工程(その1)を示す断面図である。 図11の工程に続く工程(その2)を示す断面図である。 図12の工程に続く工程(その3)を示す断面図である。
符号の説明
10,10a,10b…(シート状の)キャパシタ、
11…誘電体層、
12…Ni層、
13…Cu層(密着層)、
14…下部電極(第1の導体膜)、
15…上部電極(第2の導体膜)、
16,17…絶縁樹脂層、
20…ベース部材(Ni/BST/Cu)、
30…キャパシタ内蔵基板、
35〜37…絶縁樹脂層。

Claims (9)

  1. 誘電体層を挟んで一方の面に下部電極を構成する第1の導体膜が形成され、他方の面に上部電極を構成する第2の導体膜が形成された構造を有し、
    前記第1の導体膜は、前記誘電体層に接する側のニッケル層と該ニッケル層上に形成された銅層とからなり、前記第2の導体膜は単一の銅層からなることを特徴とするキャパシタ。
  2. 前記第2の導体膜は、前記単一の銅層に代えて、前記誘電体層に接する側のニッケル層と該ニッケル層上に形成された銅層とからなることを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ。
  3. 前記第1の導体膜の銅層及び前記第2の導体膜の銅層は、各々の表面が粗化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャパシタ。
  4. 少なくとも前記第2の導体膜が形成されている側の面に、該第2の導体膜を覆って絶縁樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のキャパシタ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のキャパシタが層間絶縁樹脂層内に設けられ、該キャパシタの上部電極及び下部電極が、それぞれ最外層の配線層に画定された異なるパッド部に電気的に接続されていることを特徴とするキャパシタ内蔵基板。
  6. ニッケル層と所要の厚さの誘電体層とシード層とが積層されてなるベース部材を用意する工程と、
    前記シード層を利用して電解めっきにより所要の厚さの第1の銅層を形成し、該第1の銅層を所要の形状にエッチングして上部電極を形成する工程と、
    前記ニッケル層を所要の厚さに薄化する工程と、
    該薄化されたニッケル層上に、電解めっきにより所要の厚さの第2の銅層を形成する工程と、
    前記第2の銅層上にエッチング用のドライフィルムレジストを形成し、該ドライフィルムレジストを所要の下部電極の形状にパターニングする工程と、
    該パターニングされたレジストをマスクにしてエッチングにより、前記第2の銅層の露出している部分及びその直下のニッケル層の部分を一括除去する工程と、
    前記パターニングされたレジストを除去する工程とを含むことを特徴とするキャパシタの製造方法。
  7. 前記パターニングされたレジストを除去する工程の後に、前記上部電極を構成する第1の銅層及び前記第2の銅層に対し、それぞれの表面に粗化処理を施す工程を含むことを特徴とする請求項6に記載のキャパシタの製造方法。
  8. 前記粗化処理を施す工程の後に、両面にそれぞれ絶縁樹脂層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載のキャパシタの製造方法。
  9. ニッケル層と所要の厚さの誘電体層とシード層とが積層されてなるベース部材を用意する工程と、
    前記シード層を利用して電解めっきにより所要の厚さの第1の銅層を形成し、該第1の銅層を所要の形状にエッチングして上部電極を形成する工程と、
    前記上部電極を構成する第1の銅層の表面に粗化処理を施す工程と、
    該粗化処理が施された第1の銅層を覆うようにして絶縁樹脂層を形成する工程と、
    前記ニッケル層を所要の厚さに薄化する工程と、
    該薄化されたニッケル層上に、電解めっきにより所要の厚さの第2の銅層を形成する工程と、
    前記第2の銅層上にエッチング用のドライフィルムレジストを形成し、該ドライフィルムレジストを所要の下部電極の形状にパターニングする工程と、
    該パターニングされたレジストをマスクにしてエッチングにより、前記第2の銅層の露出している部分及びその直下のニッケル層の部分を一括除去する工程と、
    前記パターニングされたレジストの除去後、前記第2の銅層の表面に粗化処理を施す工程とを含むことを特徴とするキャパシタの製造方法。
JP2008189431A 2008-07-23 2008-07-23 キャパシタ、キャパシタ内蔵基板及びキャパシタの製造方法 Pending JP2010027948A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008189431A JP2010027948A (ja) 2008-07-23 2008-07-23 キャパシタ、キャパシタ内蔵基板及びキャパシタの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008189431A JP2010027948A (ja) 2008-07-23 2008-07-23 キャパシタ、キャパシタ内蔵基板及びキャパシタの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010027948A true JP2010027948A (ja) 2010-02-04
JP2010027948A5 JP2010027948A5 (ja) 2011-07-14

Family

ID=41733473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008189431A Pending JP2010027948A (ja) 2008-07-23 2008-07-23 キャパシタ、キャパシタ内蔵基板及びキャパシタの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010027948A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014007239A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Tdk Corp 薄膜コンデンサ
JP2015056655A (ja) * 2013-09-10 2015-03-23 菱生精密工業股▲分▼有限公司 半導体装置、当該半導体装置を使用した半導体モジュール、及び前記半導体装置の製造方法
JPWO2014118917A1 (ja) * 2013-01-30 2017-01-26 株式会社メイコー 部品内蔵基板の製造方法
US10085343B2 (en) 2016-11-04 2018-09-25 Tdk Corporation Thin-film capacitor and electronic component embedded substrate
CN109473282A (zh) * 2018-12-27 2019-03-15 安徽安努奇科技有限公司 一种贴片式电容及其制作方法
US10943738B2 (en) 2018-03-23 2021-03-09 Tdk Corporation Thin film capacitor, and method of producing thin film capacitor
JP2021129002A (ja) * 2020-02-13 2021-09-02 Tdk株式会社 薄膜キャパシタ及びこれを内蔵する回路基板、並びに、薄膜キャパシタの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH057063A (ja) * 1990-11-22 1993-01-14 Juichiro Ozawa コンデンサ内蔵型配線基板およびその製造方法
JP2001156455A (ja) * 1999-11-26 2001-06-08 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板およびその製造方法。
JP2003332751A (ja) * 2002-05-13 2003-11-21 Asahi Kasei Corp 多層プリント配線板及び多層プリント配線板用基板
JP2006173544A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Shinko Electric Ind Co Ltd 配線基板の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH057063A (ja) * 1990-11-22 1993-01-14 Juichiro Ozawa コンデンサ内蔵型配線基板およびその製造方法
JP2001156455A (ja) * 1999-11-26 2001-06-08 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板およびその製造方法。
JP2003332751A (ja) * 2002-05-13 2003-11-21 Asahi Kasei Corp 多層プリント配線板及び多層プリント配線板用基板
JP2006173544A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Shinko Electric Ind Co Ltd 配線基板の製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014007239A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Tdk Corp 薄膜コンデンサ
JPWO2014118917A1 (ja) * 2013-01-30 2017-01-26 株式会社メイコー 部品内蔵基板の製造方法
JP2015056655A (ja) * 2013-09-10 2015-03-23 菱生精密工業股▲分▼有限公司 半導体装置、当該半導体装置を使用した半導体モジュール、及び前記半導体装置の製造方法
US10085343B2 (en) 2016-11-04 2018-09-25 Tdk Corporation Thin-film capacitor and electronic component embedded substrate
US10943738B2 (en) 2018-03-23 2021-03-09 Tdk Corporation Thin film capacitor, and method of producing thin film capacitor
US11443900B2 (en) 2018-03-23 2022-09-13 Tdk Corporation Thin film capacitor, and method of producing thin film capacitor
CN109473282A (zh) * 2018-12-27 2019-03-15 安徽安努奇科技有限公司 一种贴片式电容及其制作方法
JP2021129002A (ja) * 2020-02-13 2021-09-02 Tdk株式会社 薄膜キャパシタ及びこれを内蔵する回路基板、並びに、薄膜キャパシタの製造方法
US11581148B2 (en) 2020-02-13 2023-02-14 Tdk Corporation Thin film capacitor, circuit board incorporating the same, and thin film capacitor manufacturing method
JP7354867B2 (ja) 2020-02-13 2023-10-03 Tdk株式会社 薄膜キャパシタ及びこれを内蔵する回路基板、並びに、薄膜キャパシタの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9024207B2 (en) Method of manufacturing a wiring board having pads highly resistant to peeling
JP4695192B2 (ja) インターポーザ
US7911038B2 (en) Wiring board, semiconductor device using wiring board and their manufacturing methods
CN109964544B (zh) 电子部件以及电子部件制造方法
US7768116B2 (en) Semiconductor package substrate having different thicknesses between wire bonding pad and ball pad and method for fabricating the same
JP5275401B2 (ja) 配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法
JP2001274034A (ja) 電子部品パッケージ
JP5275400B2 (ja) 配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法
JP2003209366A (ja) フレキシブル多層配線基板およびその製造方法
JP2010027948A (ja) キャパシタ、キャパシタ内蔵基板及びキャパシタの製造方法
JP2004193549A (ja) メッキ引込線なしにメッキされたパッケージ基板およびその製造方法
JP2007208263A (ja) 薄膜キャパシタ内蔵型印刷回路基板の製造方法
JP2001036253A (ja) 多層配線回路基板及びその製造方法
TW201444440A (zh) 配線基板及其製造方法
JP3981227B2 (ja) 多層配線基板とその製造方法
JP2010034430A (ja) 配線基板及びその製造方法
JP4470499B2 (ja) 多層配線基板の製造方法及び多層配線基板
JP3786028B2 (ja) コンデンサ素子を有するプリント基板の製造方法
JP2001185649A (ja) 回路基板、半導体装置、その製造方法および回路基板用材料片
JP2008182071A (ja) 電子部品内蔵配線板及びその製造方法、並びに電子機器
JP4797310B2 (ja) アライメントマーク
JP5062533B2 (ja) 配線基板の製造方法
JP3812392B2 (ja) プリント配線基板構造及びその製造方法
JP4529614B2 (ja) プリント配線板の製造方法
JP3922995B2 (ja) 半導体実装用プリント配線板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110526

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121004

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130219