JP2010021137A - 透明導電層のパターニング方法とエッチングペースト、及びパターン透明導電フィルム並びにそれを用いたフレキシブル機能性素子 - Google Patents

透明導電層のパターニング方法とエッチングペースト、及びパターン透明導電フィルム並びにそれを用いたフレキシブル機能性素子 Download PDF

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雅也 行延
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Abstract

【課題】従来のスパッタリングITO層に比べてフレキシビリティに優れる、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層のパターニング方法と、それに用いるエッチングペースト、及び、このパターニング方法を用いたパターン透明導電フィルムを提供する。
【解決手段】 ベースフィルム上に形成された導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層のパターニング方法であって、前記樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤及び溶媒を少なくとも含有する水溶性のエッチングペーストを、前記透明導電層上にパターン塗布し、パターン塗布された部分の前記樹脂バインダーマトリックスを劣化させた後、パターン塗布した前記エッチングペーストを前記樹脂バインダーマトリックスが劣化した透明導電層毎、除去することを特徴とする透明導電層のパターニング方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層のパターニング方法とそれに用いるエッチングペースト、及びそのパターニング方法で得られるパターン透明導電フィルム、並びにそれを用いたフレキシブル機能性素子に関するものであり、特に、フレキシビリティを必要とする携帯電話等のキーパッド用分散型エレクトロルミネッセンス素子やタッチパネルの透明電極フィルム、フレキシブル電子ペーパーやフレキシブル液晶等のフレキシブルディスプレイ等のフレキシブル機能性素子に関するものである。
近年、液晶表示素子を始めとする各種ディスプレイや携帯電話等の電子デバイスにおいては、軽薄短小化の動きが加速しており、それにともなって従来用いられてきたガラス基板をプラスチックフィルムに代替する研究が盛んに行われている。プラスチックフィルムは軽く且つフレキシビリティに優れているため、厚み数μm程度の薄いプラスチックフィルムを、例えば、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」と略称する)、電子ペーパー素子、分散型エレクトロルミネッセンス素子(以下「分散型EL素子」と略称する)、太陽電池、タッチパネル等に適用できれば、極めて軽量で且つ柔軟なフレキシブル機能性素子を得ることが可能となる。
そして、前記機能性素子に適用される透明導電フィルムとしては、一般に、スパッタリングあるいはイオンプレーティング等の物理的成膜法を用いてインジウム錫酸化物(以下「ITO」と略称する)の透明導電層(以下「スパッタリングITO層」と略称する)を形成したプラスチックフィルム(以下「スパッタリングITOフィルム」と略称する)が広く知られている。
例えば、前記スパッタリングITOフィルムは、ベースフィルムとしてのポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透明プラスチックフィルムの上に、無機成分であるITO単独層を前記物理的気相蒸着法で厚みが20〜50nm程度となるように形成したものであり、これにより、表面抵抗値が100〜300Ω/□(オーム・パー・スクエアと読む)程度の低抵抗な透明導電層を得ることが可能となる。
しかし、前記スパッタリングITO層は、無機成分の薄膜であって極めて脆いため、マイクロクラック(割れ)を生じやすいという問題がある。具体的には、ベースフィルムの厚みが50μm未満、例えば25μmのスパッタリングITOフィルムを前記フレキシブル機能性素子に適用する場合、ベースフィルムのフレキシビリティ(柔軟性)が高すぎて、ハンドリング中や機能性素子にした後にスパッタリングITO層に容易にクラックが生じ、膜の導電性を著しく損ねることがある。従って、高いフレキシビリティが要求されるフレキシブル機能性素子には実用化されていないのが現状であった。
このため、スパッタリング等の物理的成膜法を用いてITO層を形成する上述した方法に代えて、例えば特許文献1〜5に記載された発明においてはベースフィルム面に透明導電層形成用塗布液を用いて透明導電層を形成する方法が提案されている。具体的には、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーを主成分とする透明導電層形成用塗布液をベースフィルム上に塗布、乾燥させて塗布層を形成し、次いで、金属ロールによる圧縮(圧延)処理を行った後、前記樹脂バインダー成分を硬化させて透明導電層を有する透明導電フィルムを製造する方法であった。そして、この方法では、金属ロールによる圧延処理により透明導電層中の導電性微粒子の充填密度が高められ、膜の電気(導電)特性、および光学特性を大幅に高めることができるという利点がある。
更に、特許文献6〜8に記載された発明においては、前記特許文献1〜5と同様に透明導電層形成用塗布液を用い、かつ金属ロールによる圧縮(圧延)処理を施した透明導電フィルムであるが、ベースフィルムとの界面で剥離可能な微粘着層を有する裏打ちフィルムが透明導電フィルムのベースフィルム側に貼り合わされた極めて薄いベースフィルムを使用しながらハンドリング性も良好な透明導電フィルムが提案されている。
ところで、透明導電フィルムを用いて前述の各種機能性素子を製造する場合、素子設計の自由度を確保する意味、あるいは、素子の構造上の制約から、パターニングされた透明導電層が必要とされることが少なくない。
ここで、例えば、上述の透明導電層形成用塗布液の塗布と圧縮(圧延)処理を用いて得られる透明導電フィルムにおいて、パターン透明導電層を形成するためには、(1)予め所定のパターン形状に透明導電層形成用塗布液を塗布した後に、金属ロール等の圧縮(圧延)処理を施す方法、(2)ベースフィルム全面に圧縮(圧延)処理された透明導電層形成した後に、エッチング等でパターニングする方法、が考えられる。
ところが、(1)の前者の方法は、パターニング(透明導電層形成用塗布液のパターン塗布)した後に圧縮(圧延)処理を施すため、金属ロール等の圧縮(圧延)処理設備を保有していない場合にはパターン透明導電層を得ることができず、誰もが任意のパターンの透明導電層を容易かつ低コストで得られるとは言い難い。一方、(2)の後者の方法は、圧縮(圧延)処理された透明導電層が全面に形成された透明導電フィルムに対しパターニングを行うため、前記透明導電フィルムが入手できれば、エッチング等のパターニング装置は低価格で広く用いられているため、誰もが容易かつ低コストでパターン透明導電フィルムを得ることが可能である。
更に、透明導電層形成用塗布液のベースフィルムへの塗布に関しても、所定のパターン形状に印刷する方法よりも、ベースフィルムの全面にロール・ツー・ロールでコーティングする方法の方が生産性が高く、かつ、パターニングを最後に行うことで製造工程でのベースフィルムの寸法変形による透明導電層のパターン精度(パターン位置、パターン形状・サイズの正確さ)の低下を抑制できるという面からも、(2)の後者の方法が望ましいと考えられる。
ここで、透明導電層をエッチングしてパターニングするより簡便な方法として、前述の無機成分(ITO)だけで構成されるスパッタリングITO層において、ITOのエッチング成分であるリン酸系や塩酸系(塩化鉄)等の酸をエッチング成分として含有するエッチングペーストを前記スパッタリングITO層上にスクリーン印刷等でパターン印刷した後、該パターン印刷部のITO層だけをエッチング成分でエッチングする方法が提案されている(特許文献9、10参照)。
特開平4−237909号公報 特開平5−036314号公報 特開2001−321717号公報 特開2002−36411号公報 特開2002−42558号公報 特開2006−202738号公報 特開2006−202739号公報 WO2007/039969号公報 WO2007/003255号公報 WO2007/012378号公報
しかしながら、前述の導電性酸化物微粒子(例えば、ITO微粒子等)と樹脂バインダーを主成分とする透明導電層形成用塗布液を用いて得られる透明導電フィルムにおいては、形成された透明導電層が導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスで構成されており(緻密に充填した導電性酸化物微粒子同士の空隙部分を樹脂バインダーマトリックスが埋めた構造)、前記酸を含有するエッチングペーストを適用しても、透明導電層が十分にエッチングできないという問題があった。
これは、仮に導電性酸化物微粒子自体が酸でエッチング(溶解)され易くても、樹脂バインダーマトリックスが通常は酸で劣化しにくく、かつ該樹脂バインダーマトリックスが導電性酸化物微粒子を覆って保護する効果を有しているためである。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、従来のスパッタリングITO層に比べてフレキシビリティに優れる、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層のパターニング方法と、それに用いるエッチングペースト、及び、このパターニング方法を用いたパターン透明導電フィルムの提供を目的とするものである。
本目的の達成のため、本発明が提供する透明導電層のパターニング方法は、ベースフィルム上に形成された導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層のパターニング方法であって、透明導電層上に、樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤及び溶媒を少なくとも含有する水溶性のエッチングペーストをパターン塗布して、パターン塗布された部分の透明導電層の樹脂バインダーマトリックスを劣化させた後、塗布したエッチングペーストを樹脂バインダーマトリックスが劣化した透明導電層ごと除去することを特徴とするものである。
さらに、上記透明導電層のパターンニング方法における上記エッチングペーストは、増粘剤を含まないA成分と増粘剤を含むB成分を混合して形成されるエッチングペースト、または、エッチング成分を含み、かつ増粘剤を含まないA成分と、エッチング成分を含まず、かつ増粘剤を含むB成分を混合して形成されるエッチングペーストであり、このA成分およびB成分は、別個に調合、保管されてパターン塗布前に混合して用いられることを特徴とするものである。
上記透明導電層のパターンニング方法におけるエッチングペーストの粘度(室温)は、300〜100000mPa・sで、かつパターン塗布をスクリーン印刷で行うことが望ましい。
上記透明導電層のパターンニング方法におけるエッチングペーストのエッチング成分濃度は1〜30重量%である。
上記透明導電層のパターニング方法において、エッチングペーストに含まれるエッチング成分が、無機アルカリ成分又は有機アルカリ成分、若しくは無機アルカリ成分と有機アルカリ成分の混合物である。
上記透明導電層のパターニング方法において、ベースフィルムが、プラスチックフィルム、特にはポリエステルフィルムであることが望ましい。
上記透明導電層のパターニング方法において、導電性酸化物及び導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群より選ばれた一種以上を主成分とする。
上記本透明導電層のパターニング方法において、導電性酸化物微粒子が、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分として含有する。
上記透明導電層のパターニング方法において、酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子が、インジウム錫酸化物微粒子であることが好ましい。
上記透明導電層のパターニング方法において、樹脂バインダーマトリックスは、架橋され、有機溶剤耐性を有していることが好ましい。
上記透明導電層のパターニング方法において、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層が、圧縮処理を施されていることが好ましい。
上記透明導電層のパターニング方法において、透明導電層に対する圧縮処理は、金属ロールの圧延処理により行われることが好ましい。
上記透明導電層のパターニング方法において、エッチングペーストのパターン塗布が、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法のいずれかを用いて行なわれることが好ましい。
又、本発明に係るパターン透明導電フィルムは、ベースフィルム、及びそのベースフィルム上に形成されたパターン透明導電層で構成され、該パターン透明導電層は、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層を、樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤及び溶媒を少なくとも含有する水溶性のエッチングペーストを用いてパターニングして形成されていることを特徴とするものである。
更に、本発明に係るフレキシブル機能性素子は、上記パターン透明導電フィルムを用いて製造されることを特徴とするものである。
上記フレキシブル機能性素子は、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子ペーパー素子、分散型エレクトロルミネッセンス素子、太陽電池、タッチパネルから選ばれた1種である。
本発明に係るエッチングペーストは、樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤及び溶媒を少なくとも含有し、水溶性であることを特徴とする。
さらに、上記エッチングペーストにおいて、増粘剤を含まないA成分と、増粘剤を含むB成分の2成分で構成され、それらを混合して形成されるエッチングペースト、またはエッチング成分を含み、かつ増粘剤を含まないA成分と、エッチング成分を含まず、かつ増粘剤を含むB成分の2成分で構成され、それらを混合して形成されるエッチングペーストであり、このA成分及びB成分は別個に調合、保管されてパターン塗布前にA成分およびB成分を混合してエッチングペーストを形成して用いられることを特徴とする。
上記エッチングペーストに含まれるエッチング成分が、無機アルカリ成分又は有機アルカリ成分、若しくは無機アルカリ成分と有機アルカリ成分の混合物からなるエッチングペーストであることを特徴とする。
本発明によれば、ベースフィルム上に塗布法によって形成された導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層上に、該樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤、及び溶媒を少なくとも含有する水溶性のエッチングペーストをパターン塗布した後、前記エッチングペーストを透明導電層ごと洗い流して除去する方法で、透明導電層のパターニングを簡便に行うことが可能となる。また、前記方法で得られるパターン透明導電フィルムは、優れたフレキシビリティを有しており、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子ペーパー素子、分散型エレクトロルミネッセンス素子、太陽電池、タッチパネル等の各種フレキシブル機能性素子のパターンを要する透明電極に適用できるので工業的に有用である。
本発明に係るパターン透明導電フィルムの製造工程の一例を示す模式図である。 実施例1に係るパターン透明導電フィルムのパターン透明導電層の光学顕微鏡写真(暗視野像)である。 実施例1に係るパターン透明導電フィルムのパターン透明導電層のオプティカルプロファイラー観察結果(鳥瞰図、及び断面図)を示す。 実施例8に係るパターン透明導電フィルムのパターン透明導電層の光学顕微鏡写真(暗視野像)である。
本発明者らは、塗布法によって形成されたITO等の導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層をエッチングでパターニングする際に、従来からスパッタリングITO層等のエッチング液に適用されている導電性酸化物を溶解する物質(例えば、塩酸、硝酸、りん酸、ふっ酸、塩化鉄等の酸成分)をエッチング成分として用いる代わりに、樹脂バインダーマトリックスを劣化させる物質をエッチング成分として用いることで、エッチングされた部分の前記透明導電層を完全に除去することが可能となり、導電性酸化物微粒子が残存してエッチングされた部分の絶縁性が低下することを効果的に防止することができることを見出した。
即ち、エッチングにおいて、導電性酸化物微粒子自体を全く溶解させなくても、透明導電層の樹脂バインダーマトリックスを劣化(溶解や膨潤)させれば、劣化した樹脂バインダーマトリックスを導電性酸化物微粒子ごと取り去る(洗い流す)ことで、透明導電層を完全に除去できることが可能であることを、本発明者らは見出した。本発明はこのような技術的発見に基づき完成されている。
[エッチングによる透明導電層のパターニング方法]
これまで、透明導電層が基材の全面に形成されたスパッタリングITOフィルム等の透明導電フィルムにおいて、その透明導電層をエッチングによりパターニングする方法としては、透明導電層上に感光性エッチングレジストのパターンをフォトリソグラフィ(露光・アルカリ現像)で形成し、露出した部分の透明導電層を塩酸等のエッチング液で溶解した後、エッチングレジストを強アルカリ溶液等を用いて剥離除去する方法が一般的であった。しかしながら、前記方法は、得られる透明導電層のパターン精度は高いものの、フォトリソグラフィを含めた工程が多く、煩雑で、コスト的に不利となる同時に、エッチング廃液に加えてフォトリソグラフィ工程での現像廃液も生じ、トータルの廃液量が増加するため、環境面からも好ましいとは言えない。
そこで、より簡便な方法として、前述のような、ITOを溶解する酸をエッチング成分として含有するエッチングペーストをスパッタリングITO層上にスクリーン印刷等でパターン印刷した後、該パターン印刷部のITO層だけをエッチング成分でエッチングする方法が提案されている。しかしながら、透明導電層がITO微粒子等の導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスで構成される場合には、酸をエッチング成分として含有するエッチングペーストでは、樹脂バインダーマトリックスで保護された導電性酸化物微粒子を完全に溶解除去することができない。これは、一般に多くの樹脂バインダーマトリックスが、導電性酸化物微粒子を溶解できる酸成分に対して耐久性を有しているためであり(一部の水溶性樹脂を除いて)、特に架橋した樹脂バインダーマトリックスは更に優れた耐酸性を有するためである。
そこで、本発明では、例えば、図1に示すように、透明導電フィルムの導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層上に、樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤、及び溶媒を少なくとも含有する水溶性のエッチングペーストをパターン塗布し、必要に応じて加熱乾燥処理を施して、パターン塗布された部分の樹脂バインダーマトリックスを劣化させた後、前記エッチングペーストを樹脂バインダーマトリックスが劣化した透明導電層ごと洗い流して除去することで透明導電層のパターニングを行っている。
このようなパターニング方法で用いるエッチングペーストでは、用いるエッチング成分、増粘剤の種類やそれらの組合わせによっては、エッチング成分が増粘剤を徐々に劣化(分解等)し、ペースト粘度を低下させる場合がある。こうなると、エッチングペーストの流動性が高くなりすぎ、塗布したエッチングペーストが流れてパターン印刷部の形状がくずれ、エッチングパターン精度の低下につながってしまう。
その防止には、例えば、常にパターン塗布する直前にエッチングペーストを調合して用いる方法が考えられるが、この方法は作業が煩雑になるため、必ずしも好ましい方法とはいえない。より好ましい方法としては、増粘剤を含まない成分(A成分)と、増粘剤を含む成分(B成分)で構成される2成分系のエッチングペーストを用いる方法で、より具体的には、増粘剤を含まずエッチング成分を含むA成分と、増粘剤を含みエッチング成分を含まないB成分で構成される2成分系エッチングペーストを用いる方法である。
すなわち、A成分とB成分をそれぞれ別々に調合、保管し、パターン塗布前にA成分およびB成分を混合してエッチングペーストを作製し用いる方法で、このようにA成分とB成分を個別に調合、保管するため、エッチング成分による増粘剤の劣化(分解等)を効果的に防止するものである。
エッチングペーストの前記パターン塗布は、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法等で行うことができる。
ここで、エッチングペーストを塗布した後の乾燥加熱処理は、透明導電層の厚みや樹脂バインダーマトリックスの種類等に応じ、必要であれば適宜行えばよい。例えば透明導電層の厚みが0.1μm程度と薄い場合には、エッチングペーストを塗布した後、室温で1〜3分間程度放置するだけで、加熱乾燥させなくても、十分に透明導電層をエッチングできる場合もあるからである。
この乾燥加熱処理を行う場合には、ベースフィルムの材質、樹脂バインダーマトリックスの種類、エッチングペーストの組成にもよるが、例えば、後述のPETフィルムをベースフィルムとして用いる場合には、本発明のエッチングペーストが、通常、水を含有していることを考慮すると、40〜140℃、好ましくは、50〜120℃、更に好ましくは60〜90℃が良い。PETフィルムにおいて、140℃を超えると、ベースフィルムのPET自体が、熱によって変質したり、エッチングペーストによって著しく劣化する可能性があるからである。
エッチングペーストの塗布後の放置時間、又は乾燥加熱処理時間は、透明導電層の厚み、樹脂バインダーマトリックスの種類、エッチングペーストの組成等にもよるが、例えば、透明導電層の厚みが0.5μm程度の場合には、10秒〜15分間、好ましくは、1〜10分間、更に好ましくは2〜5分間が良い。10秒間未満だと、樹脂バインダーマトリックスの劣化が不十分で透明導電層の除去が不完全になる場合があり、逆に15分間を越えても、透明導電層のエッチングに大きな違いは見られず、時間がかかるだけで効率が悪くなるからである。
又、使用するエッチングペーストは水溶性であり、例えば乾燥加熱処理によって、パターン塗布された部分にエッチングペースト乾燥膜が形成された場合でも、その乾燥膜は、水に容易に溶解するため、エッチングペーストは、最終的には、導電性酸化物微粒子と劣化した樹脂バインダーマトリックスからなる透明導電層と共に、水で洗い流されて除去される。尚、水はシャワー状としてエッチングペースト塗布部分に吐出させてもよいし、流水状としてその中に透明導電フィルムをくぐらせてもよい。透明導電フィルムは、エッチングペーストを、まず水で洗い流した後、エッチングペースト成分が残留しないように十分に純水で洗浄(リンス)し、更にエアーブロー等で乾燥させることは言うまでもない。
[透明導電フィルム]
以下、本発明のエッチングペーストを適用してパターニングを行う透明導電フィルムについて説明する。
この透明導電フィルムは、ベースフィルム、およびその上に塗布法によって形成された導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層から構成されている。
(a)ベースフィルム
ここでベースフィルムは、通常は、厚みが3μm以上(例えば3〜188μm)であり、好ましくは6〜125μm、更に好ましくは6〜50μmである。一般的に、ベースフィルムが厚くなると、その剛性が高くなり、透明導電フィルムを適用したフレキシブル機能性素子のフレキシビリティが損なわれる。一方、ベースフィルムが薄くなると、フレキシブル機能性素子のフレキシビリティは向上するが、製造工程において取扱いに困難をきたし易く、生産性が悪化する場合がある。
特に、ベースフィルムの厚みが3μmよりも薄くなると、一般に流通している汎用のフィルムが得られにくくなること、ベースフィルム自体の取扱いが極めて難しくなり、後述する支持フィルムによる裏打ちが困難になること、及びベースフィルム自体の強度が低下するため、フレキシブル機能性素子の透明導電層を含めた素子の構成要素にダメージが生じ得ること、などの問題があるため好ましくない。
ベースフィルムの材質は、透明性又は透光性を有し、且つ、その上に透明導電層が形成できるものであれば特に限定されず、各種材質のプラスチックフィルムを用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ウレタン、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィン樹脂、フッ素系樹脂等のプラスチックフィルムを用いることができる。それらの中でも、安価で且つ強度に優れ、透明性と柔軟性とを兼ね備えている等の観点から、PETフィルムが好ましい。
ベースフィルムの厚みが3〜50μmと薄い場合には、透明導電フィルムの製造工程での取扱い及び生産性を考慮すると、微粘着層を有する支持フィルムを用いてベースフィルムを裏打ち(補強)するのが好ましい。この支持フィルムは、ベースフィルムと密着した状態で透明導電フィルム及びフレキシブル機能性素子の作製工程を経て、最後にベースフィルムから剥離されるので、微粘着層は適度な剥離性を有していることが好ましい。このような微粘着層の材料としては、アクリル系またはシリコン系が挙げられるが、中でもシリコン系の微粘着層は耐熱性に優れる点でより好ましい。
支持フィルムは、その厚みが50μm以上、好ましくは75μm以上、更に好ましくは100μm以上である。支持フィルムの厚みが50μm未満だとフィルムの剛性が低下し、各種フレキシブル機能性素子の製造工程での取扱いに支障をきたし、更に基材の反り(カール)の問題や、機能性素子中の各種機能層の形成時(例えば、分散型EL素子における蛍光体層等の積層印刷時)等に問題を生じやすくなるからである。また、支持フィルムの厚みは、200μm以下であることが好ましい。200μmを超えると、支持フィルムが硬く、且つ重くなって扱いづらくなると同時に、コスト的にも好ましくないからである。
支持フィルムの材質は特に限定せず、各種材質のプラスチックフィルムを用いることができる。具体的には、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ウレタン、シクロオレフィン樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド(PI)等のプラスチックフィルムを用いることができる。その中でも、安価で且つ強度に優れ、柔軟性も兼ね備えている等の観点から、PETフィルムが好ましい。支持フィルムの透明性は、フレキシブル機能性素子に対して要求される透明性には直接関係しないが、支持フィルムを通して製品としての機能性素子の特性検査(輝度、外観、表示性能等)を行う場合があるため、透明な方が好ましく、この点でもPETフィルムが好ましい。
微粘着層は、具体的には、180°剥離試験(引張り速度=300mm/min)において、ベースフィルムとの剥離強度(剥離部における単位長さ当りの剥離に必要な力)が1〜40g/cm、好ましくは2〜20g/cm、更に好ましくは2〜10g/cmの範囲にあることが望ましい。剥離強度が1g/cm未満では、支持フィルムとベースフィルムを接着したとしても、透明導電フィルムやフレキシブル機能性素子の製造工程において剥がれ易くなる場合があるため好ましくない。一方、剥離強度が40g/cmを超えると、支持フィルムとベースフィルムが剥がし難くなって、フレキシブル機能性素子の支持フィルムからの剥離工程の作業性悪化、無理に剥がすことによる素子の伸びや透明導電層の劣化(亀裂等)、ベースフィルム面への微粘着層の一部の付着等が生ずる危険性が高くなる場合があるからである。
ところで、フレキシブル機能性素子によっては、透明導電フィルムに対し、加熱処理工程(例えば120〜140℃程度)を経て製造される場合がある。従って、加熱処理工程を経た後でも剥離強度を維持している必要があり、そのためには、用いる微粘着層の材質には耐熱性が要求される。尚、透明導電フィルムやフレキシブル機能性素子の製造の際に紫外線硬化工程が適用される場合、微粘着層の材質には耐紫外線性が必要となる。
このように透明導電フィルムに対し加熱処理工程を経てフレキシブル機能性素子が製造される場合、これら加熱処理工程の前後で、透明導電フィルムの縦方向(MD)及び横方向(TD)の寸法変化率は共に0.3%以下、好ましくは0.15%以下、更に好ましくは0.1%以下とする必要がある。ここで、プラスチックフィルムにおいては、加熱処理に伴う寸法変化率とは一般的に収縮率を示す。
この寸法変化率が0.3%を超えると、例えば、透明導電フィルム上に、蛍光体層、誘電体層、背面電極層等が順次積層(実際には、絶縁層や電極リード線等のいくつかの印刷又は積層が更に行なわれる)されて製造される分散型EL素子のような機能性素子では、各層の形成毎に形成用ペーストがパターン印刷され、乾燥・加熱硬化する際に、透明導電フィルムの寸法変化(収縮)によって各印刷層間の印刷ずれが生じ、そのずれの大きさが機能性素子の製造における許容範囲を超える可能性があるからである。
このような寸法変化率を低減させる方法としては、予め熱収縮させた低熱収縮タイプのベースフィルム、低熱収縮タイプの支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムを用いる方法、ベースフィルム又は支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムを予め熱収縮させておく方法、或いは透明導電フィルムごと熱収縮させる方法等が考えられる。
(b)透明導電層及びその製造方法
透明導電フィルムの透明導電層の形成は、塗布法により以下の様に行うことができる。
即ち、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスとなる樹脂バインダー成分とを溶剤に分散させて透明導電層形成用塗布液を調製し、この塗布液をベースフィルム上の全面にロールコーターやダイコーター等のコーティング装置を用いて塗布し、乾燥して塗布層を形成する。必要に応じ、この塗布層に後述の圧縮処理を行った後、樹脂バインダー成分を硬化させて、透明導電層を形成する。
尚、ベースフィルム上に、透明導電層との密着力を高めるために、ベースフィルムに易接着処理、具体的には、プラズマ処理、コロナ放電処理、又は短波長紫外線照射処理等を予め施しても良い。
透明導電層形成用塗布液、及びその塗布液で形成される透明導電層に適用される導電性酸化物微粒子としては、酸化インジウム、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群より選ばれた一つ以上を主成分とする導電性酸化物微粒子がある。
例えば、インジウム錫酸化物(ITO)微粒子、インジウム亜鉛酸化物(IZO)微粒子、インジウム−タングステン酸化物(IWO)微粒子、インジウム−チタン酸化物(ITiO)微粒子、インジウムジルコニウム酸化物微粒子、錫アンチモン酸化物(ATO)微粒子、フッ素錫酸化物(FTO)微粒子、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)微粒子、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)微粒子等が挙げられるが、透明性と導電性を具備していれば良く、これらに限定されない。ただし、前記中でもITO微粒子は、最も高特性であるため好ましい。
導電性酸化物微粒子の平均粒径は、1〜500nmが好ましく、5〜100nmが更に好ましい。平均粒径が1nm未満では後述する透明導電層形成用塗布液の製造が困難となり、また得られる透明導電層の抵抗値が高くなる。一方、500nmを超えると、該透明導電層形成用塗布液中で導電性酸化物微粒子が沈降し易くなるため、取扱いが容易でなくなると同時に、透明導電層において高透過率と低抵抗値を同時に達成することが困難になるからである。尚、前記導電性酸化物微粒子の平均粒径は、透過電子顕微鏡(TEM)で観察された値を示している。
透明導電層形成用塗布液の樹脂バインダー成分は、導電性酸化物微粒子同士を結合させ膜の導電性と強度を高める働きや、ベースフィルムとの密着力を高める働きがある。また、フレキシブル機能性素子の各種機能層の形成工程において、各種機能層を積層印刷等で形成する場合に用いる各種機能層形成用印刷ペーストに含まれる有機溶剤による透明導電層の劣化防止のため、透明導電層に耐溶剤性を付与する働きを有している。樹脂バインダーとしては、前記役割を満たすように、透明導電層形成用塗布液が塗布されるベースフィルムの条件等を考慮して、適宜選定することができる。
具体的には、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂も適用できなくはないが、一般的には耐溶剤性を有することが好ましく、そのために架橋可能な樹脂であることが必要であり、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等から選定することができる。例えば、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、フッ素樹脂など、常温硬化性樹脂としては2液性のエポキシ樹脂やウレタン樹脂など、紫外線硬化性樹脂としては各種オリゴマー、モノマー、光開始剤を含有する樹脂など、電子線硬化性樹脂としては各種オリゴマー、モノマーを含有する樹脂などを挙げることができるが、これら樹脂に限定されるものではない。
更に、必要に応じて樹脂バインダーは、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル等を主成分とする無機バインダーや、シリコンカップリング剤等の各種カップリング剤を主成分とするバインダーを配合してハイブリッド樹脂バインダーとすることも可能である。ハイブリッド樹脂バインダーを用いると、得られる透明導電層の耐溶剤性の向上や膜硬度の上昇等の効果が期待できるが、下地となるベースフィルムとの密着力や、透明導電層の柔軟性等が悪化しないように、配合成分(無機バインダーやカップリング剤等)に関しては適宜選定する必要がある。
透明導電層形成用塗布液中の、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダー成分の割合(すなわち、透明導電層中の導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスの割合)は、仮に導電性酸化物微粒子と樹脂バインダー成分の比重をそれぞれ7.2程度(ITOの比重
)と1.2程度(通常の有機樹脂バインダーの比重)と仮定した場合、重量比で、導電性
酸化物微粒子:樹脂バインダー成分=85:15〜97:3、好ましくは87:13〜95:5が好ましい。その理由は、後述する圧延処理を行う際、85:15より樹脂バインダー成分が多いと透明導電層の抵抗が高くなりすぎ、逆に97:3より樹脂バインダー成分が少ないと透明導電層の強度が低下すると同時に、下地となるベースフィルムとの十分な密着力が得られなくなるからである。
次に、透明導電層の形成において、透明導電層形成用塗布液を塗布、乾燥して得られる塗布層に対して施される圧縮処理について説明する。
この塗布層はベースフィルム(又は支持フィルムで裏打ちされたベースフィルム)ごと圧縮処理を行い、次いで圧縮処理された塗布層のバインダー成分を硬化させる。圧縮処理を行うと透明導電層中の導電性微粒子の充填密度が上昇するため、光の散乱を低下させて膜の光学特性を向上させるだけでなく、導電性を大幅に高めることができる。
圧縮処理としては、例えば、透明導電層形成用塗布液が塗布され乾燥された塗布層が形成されているベースフィルムをハードクロムメッキされた金属ロール等により圧延すればよく、この場合のロールの圧延圧力は線圧で29.4〜490N/mm(30〜500kgf/cm)が好ましく、98〜294N/mm(100〜300kgf/cm)がより好ましい。線圧が29.4N/mm(30kgf/cm)未満では、圧延処理による透明導電層の抵抗値改善の効果が不十分で、線圧が490N/mm(500kgf/cm)を超えると、圧延設備が大型化すると同時に、ベースフィルムや支持フィルムが歪んでしまったりする場合がある。
又、ロールの圧延処理における単位面積当りの圧延圧力(N/mm)は、線圧をニップ幅(金属ロールと透明導電層の接触部分においてロールで透明導電層がつぶされる領域の幅)で割った値である。ニップ幅は、ロールの径と線圧にもよるが、150mm程度のロール直径であれば、0.7〜2mm程度である。
厚み3〜50μmと薄いベースフィルムを用いる場合には、支持フィルムを裏打ちした後に圧延処理を施しているため、ベースフィルムの歪みやしわの発生を効果的に防止できる。更に、ハードクロムメッキされた金属ロールによる圧延処理では、その金属ロール表面の凹凸が極めて小さい鏡面ロールを用いることで、圧延処理後に得られる透明導電層の表面を極めて平滑にすることができる。これは、透明導電層形成用塗布液を塗布して得られる塗布層に凸部分があった場合でも、その凸部分を金属ロールによる圧延処理で物理的に平らにできるからである。透明導電層の表面の平滑性が良いと、前述の分散型EL素子等のフレキシブル機能性素子において、電極間のショートや素子の欠陥の発生を防止する効果があり、非常に好ましい。
以上、説明した通り、本発明でパターニングを行う透明導電フィルムは、その透明導電層が、圧延処理により緻密に充填した導電性酸化物微粒子と、その導電性酸化物微粒子同士の空隙部分を埋めた樹脂バインダーマトリックスを主成分としているため、優れた透明性(透過率、ヘイズ)と高い導電性を有する上に、優れたフレキシビリティをも兼ね備えている。
[エッチングペースト]
次に、本発明に係るエッチングペーストについて説明する。
エッチングペーストは、透明導電フィルムの透明導電層の樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤、及び溶媒を、少なくとも含有し、且つ水溶性であることを必要とする。必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、チクソ剤(レオロジー制御剤)等の添加剤を少量配合することができる。
尚、上記エッチング成分、増粘剤の種類やそれらの組み合わせによっては、エッチング成分が増粘剤を徐々に劣化(分解等)し、ペースト粘度を低下させる場合があるが、これを防止する方法として、例えば、常にパターン塗布する直前に必要成分を混合してエッチングペーストを調合して用いる方法、或いは増粘剤を含まずエッチング成分を含む成分(A成分)と、増粘剤を含みエッチング成分を含まない成分(B成分)を混合して得られる2成分系エッチングペーストを用いる方法がある。
後者の2成分系エッチングペーストを用いる方法は、A成分及びB成分をそれぞれ別々に調合、保管しておき、パターン塗布前に混合して用いる方法で、エッチング成分を含む成分と増粘剤を含む成分が別々に調合、保管されることから、エッチング成分による増粘剤の劣化(分解等)を効果的に防止することができ、その結果エッチングペーストのポットライフの延長を可能とし(例えば、室温で1年以上の長期間の保管が可能)、またA成分、B成分を単に混合するという簡便な調製でエッチングペーストを得ることができるため、前者の方法よりも好ましい。
なお、A成分、B成分を混合してエッチングペーストを形成してからパターン塗布するまでの時間は、室温での保管が1週間以内、冷蔵(5℃)保管ならば2週間以内(冷凍(−5℃)保管は成分分離を起こすことがあるので好ましくない)であれば、増粘剤の劣化への影響は殆ど見られない。
このエッチングペーストは、エッチング成分、増粘剤、溶媒、必要に応じて界面活性剤や消泡剤等の添加剤を混合した後、主として増粘剤を均一に溶解させるための均一化処理を施した後、必要に応じて、ろ過を行って調製される。均一化処理としては、超音波処理、ホモジナイザー、3ロールミル、遊星ミル等の汎用の方法を適用することができる。
尚、エッチング成分、増粘剤、溶媒、添加剤の濃度は、透明導電層の厚みや樹脂バインダーマトリックスの種類、用いる塗布方法等に応じて、適宜設定すればよい。
エッチングペーストのパターン塗布は、パターン精度にもよるが、スクリーン印刷で行うのが簡便で好ましく、この場合、エッチングペースト粘度(室温での測定値)は、300〜100000mPa・s、好ましくは1500〜20000mPa・sとなるように増粘剤を調整するのが好ましい。粘度が300mPa・s未満となると、塗布したエッチングペーストの流動性が高くなり、印刷パターン自体の精度が低下すると同時に印刷されたパターン形状を保つことも難しくなり、逆に100000mPa・sを超えると、エッチングペーストの調製が困難になると同時に印刷性も悪化するからである。
(a)エッチング成分
前述のように、一般的に樹脂バインダーマトリックスは、導電性酸化物微粒子を溶解する酸成分に対して耐久性を有しているが、アルカリ成分には劣化しやすい。そこで、エッチング成分としては、無機アルカリ成分又は有機アルカリ成分、若しくは無機アルカリ成分と有機アルカリ成分の混合物が好ましい。
無機アルカリ成分としては、水酸化リチウム(LiOH、式量:23.95)、水酸化ナトリウム(NaOH、式量:40.00)、水酸化カリウム(KOH、式量:56.11)、水酸化ルビジウム(RbOH、式量:102.47)、水酸化セシウム(CsOH、式量:149.91)、アンモニア(NH)等が挙げられるが、価格、及び重量当たりのエッチング能力(強アルカリの水酸化アルカリ金属では、式量の小さいものほどモル換算配合割合が増加するため、単純に重量当たりで考えると、LiOH >NaOH >KOH>RbOH>CsOH、の順に強いことになる)を考慮すると、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)が好ましい。
尚、無機アルカリ成分としの上記水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)、水酸化セシウム(CsOH)の単体は常温で固体であり、エッチングペーストにおいてはその溶媒に溶解した状態で用いられる。アンモニア(NH)の場合は、通常アンモニア水としてエッチングペーストに配合される。
有機アルカリ成分としては、エタノールアミン、エチレンジアミン等のアミン類、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。アミン類は、前記水酸化アルカリ金属に比べてエッチング能力が低く、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドは、前記水酸化アルカリ金属並みにエッチング能力は高いものの、高価なため、エッチング成分として有機アルカリ成分単独で用いるよりは、無機アルカリ成分、特に水酸化アルカリ金属との併用が好ましい。
尚、有機アルカリ成分としの上記エタノールアミン、エチレンジアミン単体は常温で液体で、そのままエッチングペーストに配合される。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド5水和物の形で常温固体であり、エッチングペーストにおいてはその溶媒に溶解した状態で用いられる。
このエッチングペーストにおける、樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分の配合量は、透明導電層の厚み、ベースフィルムの材質、樹脂バインダーマトリックスの種類等にもよるが、1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、更に好ましくは4〜15重量%である。1重量%未満だと、樹脂バインダーマトリックスの劣化が不十分で透明導電層の除去が不完全になる場合があり、逆に30重量%を越えると、エッチング成分で増粘剤や添加剤が徐々に分解されてエッチングペーストが徐々に劣化する可能性が生じると共に、エッチング力が強くなりすぎてベースフィルムの著しい劣化が生じたりする恐れがあるからである。また、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)をエッチング成分に用いる場合には、取扱い易さという観点からすると、可能であれば、劇物に該当しない5重量%以下が好ましい。
なお、B成分におけるエッチング成分の配合量は、5重量%以下であれば、増粘剤や添加剤に影響を及ぼさず、エッチングペーストが劣化する可能性は少ないが、特にはエッチング成分を含まないほうが良い。
(b)増粘剤
増粘剤は、エッチングペーストの粘度やレオロジーを制御することで、塗布性の向上や印刷パターン精度を高める(塗布部分の滲みやハジキの抑制)ために用いられる。
エッチングペーストが水溶性となるように、増粘剤としては水溶性の高分子樹脂が好ましく、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウム等のセルロース樹脂、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、水溶性(メタ)アクリル樹脂等を用いることができる。
エッチングペーストにおける、増粘剤の配合量は、用いるエッチング成分の種類・配合量やエッチングペーストの塗布方法等にもよるが、1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%が良い。1重量%未満だと、塗布性を向上させたり、印刷パターン精度を高める効果が不十分となる場合があり、逆に20重量%を越えると、エッチング成分に対して増粘剤が多くなりすぎて、エッチング能力が低下したり、エッチングペースト乾燥膜において、膜が緻密になりすぎて、水で洗い流されにくくなる可能性があるからである。
(c)溶媒
エッチングペーストに用いる溶媒としては、エッチングペーストの水溶性を著しく阻害するものでなければ特に制限はなく、塗布方法、乾燥条件(加熱条件)、ベースフィルムや樹脂バインダーマトリックスの材質等により適宜に選定することができる。例えば、水、メタノール(MA)、エタノール(EA)、1−プロパノール(NPA)、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等のエステル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体、ホルムアミド(FA)、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1、3−オクチレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ミネラルスピリッツ、ターピネオール等、及びこれらのいくつかの混合液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、水は、エッチングペーストを水溶性にするために必須な成分であり、樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分や増粘剤を溶解する作用を有し、また安全面や環境面で無害な成分であり、例えば水溶性の有機溶媒のようにエッチングペーストの化学的酸素要求量(COD)を上昇させる作用がない面でも必要な溶媒である。また、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)は、水溶性であると同時に、多くの樹脂に対して優れた溶解性を有して樹脂バインダーマトリックスを劣化させる作用が大きいため好ましい溶媒である。
エッチングペーストにおける溶媒の配合量は、前述のエッチング成分、増粘剤、後述の微量の添加剤を除いた残部となるため、通常は、50〜95重量%程度の範囲である。
(d)その他添加剤
エッチングペーストには、エッチングペーストの塗布性を改善したり、レオロジー制御により印刷パターン精度を高める(塗布部分の滲みやハジキの抑制)ために、界面活性剤、消泡剤、チクソ剤(レオロジー制御剤)等を、少量(例えば、0〜2重量%)配合してもよい。
例えば、界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、アセチレングリコール等のノニオン界面活性剤等を挙げることができる。
以上のように、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電フィルムに対し、樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチングペーストを適用することで、本発明におけるパターン透明導電フィルムが完成する。次に、本発明のパターン透明導電フィルムが適用可能なフレキシブル機能性素子について説明する。このようなフレキシブル機能性素子としては、液晶表示素子、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネル等があげられる。
液晶表示素子は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)等のディスプレイに広く用いられている非発光型の電子表示素子であり、単純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式があり、画質や応答スピードの点でアクティブマトリクス方式が優れている。その基本構造は、液晶を透明電極で挟み込み電圧駆動で液晶分子を配向させて表示を行うものであるが、実際の素子は、前記透明電極に加え、更にカラーフィルター、位相差フィルム、偏光フィルム等を積層して用いられている。
有機EL素子は、液晶表示素子と違って自発光素子であり、低電圧駆動で高輝度が得られるためディスプレイ等の表示装置として期待されている。その構造は、アノード電極層としての透明導電層上に、ポリチオフェン誘導体等の導電性高分子からなる正孔注入層(ホール注入層)、有機発光層(蒸着形成される低分子発光層や塗布形成される高分子発光層)、カソード電極層(発光層への電子注入性の良い、仕事関数の低いマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)等の金属層)、ガスバリアコーティング層(あるいは金属やガラスでの封止処理)を順次形成したものである。
分散型EL素子は、蛍光体粒子を含む層に強い交流電界を印加して発光させる自発光素子であり、従来から、携帯電話、リモートコントローラー等の液晶ディスプレイのバックライト等に用いられてきた。また、近年の新しい用途として、例えば、携帯電話、リモートコントローラー、PDA、ラップトップPC等の携帯情報端末等の各種デバイスのキイ入力部品(キーパッド)の光源として組み込まれている。前記キーパッドに適用する場合には、素子をできるだけ薄く、フレキシブルにして、打鍵耐久性やキイ操作の良好なクリック感の確保が求められている。その基本構造は、透明電極としての透明導電層上に、少なくとも蛍光体層、誘電体層、背面電極層がスクリーン印刷等により順次形成されており、実際の機能性素子では、銀等の集電電極や、絶縁保護層等が更に形成されているのが、一般的である。
電子ペーパー素子は、自らは発光しない非発光型の電子表示素子であり、電源を切っても表示がそのまま残るメモリ効果を備えており、文字表示のためのディスプレイとして期待されている。その表示方式には、電気泳動法により着色粒子を電極間の液体中で移動させる電気泳動方式や、二色性を有する粒子を電場で回転させることにより着色させるツイストボール方式、例えばコレステリック液晶を透明電極で挟み込んで表示を行う液晶方式、着色粒子(トナー)や電子粉流体(Quick Response Liquid Powder)を空気中で移動させて表示を行う粉体系方式、電気化学的な酸化・還元作用に基づき発色を行うエレクトロクロミック方式、電気化学的な酸化・還元により金属を析出・溶解させ、これに伴う色の変化で表示を行うエレクトロデポジション方式等を挙げることができる。
太陽電池は、太陽光線を電気エネルギーに変換する発電素子であり、また、太陽電池は、(薄膜型、微結晶型、結晶型)シリコン太陽電池、CIS太陽電池(銅−インジウム−セレン薄膜)、CIGS太陽電池(銅−インジウム−ガリウム−セレン薄膜)、色素増感型太陽電池等があり、例えば、シリコン太陽電池であれば、透明基板上に透明電極、半導体発電層(シリコン)、金属電極を順次形成したものである。
タッチパネルは、位置入力素子であり、抵抗方式や静電容量方式等がある。例えば、抵抗方式タッチパネルでは、座標を検出するための座標検出用抵抗膜としての2枚の透明導電フィルムがドット状の透明スペーサーを介して貼り合わされている構造を有している。透明導電フィルムには打点耐久性が必要とされ、透明導電層はクラックが生じないようなフレキシビリティが求められる。
いずれの機能性素子においても、薄型化、軽量化、及びフレキシビリティ(可撓性)付与がますます重要な課題となっている。これらの課題は、本発明ン係るパターン透明導電フィルムの適用、即ち、本発明のフレキシビリティに優れるパターン透明導電フィルムの透明導電層上に、液晶表示素子、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネル等の機能性素子を形成することによって達成することができる。
このように、本発明に係る液晶表示素子、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネル等の各種フレキシブル機能性素子は、スパッタリングITOフィルムに比べて極めてフレキシビリティに優れているパターン透明導電フィルムを透明電極材料として用いているため、素子の軽量化、薄型化が可能で、取扱いも容易なため、携帯用デバイスを含め種々の用途のデバイスに適用することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例2から実施例5および実施例10におけるA成分とB成分の混合後のパターン塗布までの時間は、室温保管1週間以内である。また、本文中の材料組成の「%」は「重量%」を示す。
平均粒径0.03μmの粒状のITO微粒子(商品名:SUFP−HX、住友金属鉱山製)36gを、溶剤としてのメチルイソブチルケトン(MIBK)24g及びシクロヘキサノン36gと混合し、分散処理を行った。その後、ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂バインダー3.8gと光開始剤(ダロキュアー1173)0.2gを加えて良く攪拌して、平均分散粒径125nmのITO微粒子が分散した透明導電層形成用塗布液を得た。
次に、エッチング成分としての苛性カリ(KOH)、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースのNa塩(CMC−Na;1%水溶液粘度=11mPa・s[25℃]、エーテル化度=0.9)、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水、及びアセチレングリコール系界面活性剤(エアープロダクツジャパン製、ダイノール604)を加えた後、均一となるまで良く混合して、粘度800mPa・s(25℃)の実施例1に係る水溶性のエッチングペースト(KOH:17.4%、CMC−Na:6.7%、NMP:7.0%、水:68.6%、界面活性剤:0.3%)を得た。尚、エッチングペーストの粘度は、B型粘度計(ロータ:No.4、回転数:60rpm)を用いて測定した。
ベースフィルムとして、予め熱収縮処理と易接着処理(コロナ放電処理)が施された厚み100μmのPETフィルム(透過率=89.8%、ヘイズ値=1.9%)上の全面に、透明導電層形成用塗布液をワイヤーバーコーティング(線径:0.10mm)で全面に塗布し、60℃で1分間乾燥した。その後、直径100mmのハードクロムめっきした金属ロールによる圧延処理(線圧:200kgf/cm=196N/mm、ニップ幅:0.9mm)を行い、更に高圧水銀ランプによりバインダー成分の硬化(窒素中、100mW/cm×2秒間)を行って、ベースフィルム全面に緻密に充填されたITO微粒子と架橋した樹脂バインダーマトリックスで構成される透明導電層(膜厚:約0.5μm)を形成し、ベースフィルム/透明導電層からなる透明導電フィルムを得た。
得られた透明導電フィルムの加熱時の寸法変化率(収縮率)は、0.2%であった。
ここで、寸法変化率(収縮率)は、前記透明導電フィルムを加熱処理(150℃×30分)して求めたフィルムの縦方向(MD)と横方向(TD)の寸法変化率(収縮率)の内、値の大きい縦方向(MD)の寸法変化率(収縮率)を示す。
透明導電層の膜特性は、可視光透過率:95.8%、ヘイズ値:2.3%、表面抵抗値:1000Ω/□であった。尚、表面抵抗値は、バインダー硬化時の紫外線照射の影響を受けて、硬化直後は一時的に低下する傾向があるため、透明導電層形成の1日後に測定した。
尚、上述の透明導電層の透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ下記計算式1及び2により求められる。
[計算式1]
透明導電層の透過率(%)=[(透明導電層とベースフィルムとを併せて測定した全体の透過率)/ベースフィルムのみの透過率]×100
[計算式2]
透明導電層のヘイズ値(%)=(透明導電層とベースフィルムとを併せて測定した全体のヘイズ値)−(ベースフィルムのみのヘイズ値)
又、透明導電層の表面抵抗は、三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)を用い測定した。ヘイズ値と可視光透過率は、日本電色製のヘイズメーター(NDH5000)を用いJISK7136に基づいて測定した。
次に、透明導電フィルムの透明導電層上に、実施例1に係る水溶性のエッチングペーストをスクリーン印刷(コンビネーション版:ステンレス180メッシュ)によりパターン(線幅/線間=300μm/600μmのラインパターン)に印刷した後、80℃で3分間加熱処理した。エッチングペーストがパターン印刷された部分には白濁した乾燥物(主としてアルカリ成分やバインダー成分で構成される)が観察され、その部分を純水で軽く洗い流したところ、エッチングペーストがパターン印刷された部分の透明導電層は、白濁した乾燥物ごと除去され、きれいにパターニングされたパターン透明導電層を有する実施例1に係るパターン透明導電フィルムを得た。
図2に、得られたパターン透明導電層の光学顕微鏡写真(暗視野像)を示す。又、図3に、得られたパターン透明導電層をオプティカルプロファイラー(Zygo社製 New
View6200)で観察した場合の鳥瞰図及び断面図を示す。
図2から、透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は約320μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(300μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。
ここで、白濁した乾燥物が観察されたエッチングペーストのパターン印刷部分では、透明導電層の架橋樹脂バインダーマトリックスが劣化(溶解および/または膨潤)し、更に、エッチングペースト成分がベースフィルム面まで到達してベースフィルムの最表面も劣化(溶解および/または膨潤)させるため、透明導電層とベースフィルムの間の密着性が消失して、純水で容易に洗い流されたものと考えられる。図3からも、エッチングされた部分の深さは、透明導電層の厚み(約0.5μm)よりも幾分深くなっており、ベースフィルムとしてのPETフィルムの最表面がエッチングペースト成分で劣化して溶解除去されていることが確認できる。
尚、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
エッチング成分として、実施例1で用いた苛性カリの代わりに苛性ソーダ(NaOH)を用い、A成分:エッチング成分/苛性ソーダ(NaOH)20gと、B成分:増粘剤を含みエッチング成分を含まない溶液(CMC−Na:7.1%、NMP:12.3%、水:80.3%、界面活性剤:0.4%)80gを、透明導電層上にパターン塗布する直前に混合して、粘度300mPa・s(25℃)の実施例2に係る水溶性のエッチングペースト(NaOH:20.0%、CMC−Na:5.7%、NMP:9.8%、水:64.2%、界面活性剤:0.3%)100gを調製した。
この調製した水溶性のエッチングペーストを、スクリーン印刷(コンビネーション版:ステンレス180メッシュ)により、実施例1で得られた透明導電フィルムの透明導電層上にパターン(線幅/線間=300μm/600μmのラインパターン)印刷した後、80℃で3分間加熱処理した。
エッチングペーストがパターン印刷された部分には白濁した乾燥物(主としてアルカリ成分やバインダー成分で構成される)が観察され、その部分を純水で軽く洗い流したところ、エッチングペーストがパターン印刷された部分の透明導電層は、白濁した乾燥物ごと除去され、きれいにパターンニングされた透明電極層を有する実施例2に係るパターン透明導電フィルムを得た。
透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は約340μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(300μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。
尚、エッチングされた部分において、ベースフィルムとしてのPETフィルム表面は、エッチングペースト成分でほとんど劣化していないことが確認された(エッチング部分の深さが、透明導電層の厚みとほぼ等しいことから確認された)。又、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
尚、上記A成分及びB成分をそれぞれ別々に調合後室温で6ヶ月間保管した後、パターン塗布前に混合してエッチングペーストを調製し、上記と同様の方法でパターン透明導電フィルムを得た。このようにA成分及びB成分を室温で6ヶ月間保管して得られたエッチングペースト、及びパターン透明導電フィルムは、A成分及びB成分を室温6ヶ月間保管しなかった場合と同等であった。
エッチング成分として実施例1で用いた苛性カリの代わりに苛性ソーダ(NaOH)、増粘剤としてダイセル化学工業製カルボキシルメチルセルロース(CMCダイセル1330)を用い、A成分:エッチング成分/苛性ソーダ(NaOH)4.5gと、B成分:増粘剤を含みエッチング成分を含まない溶液(CMCダイセル1330:3.8%、NMP:7.3%、水:88.6%、界面活性剤:0.3%)95.5gを、透明導電層上にパターン塗布する直前に混合して、粘度1500mPa・s(25℃)の実施例3に係る水溶性のエッチングペースト(NaOH:4.5%、CMCダイセル1330:3.6%、NMP:7.0%、水:84.6%、界面活性剤:0.3%)100gを調製した。
この調製した水溶性のエッチングペーストをスクリーン印刷(コンビネーション版:ステンレス180メッシュ)により実施例1で得られた透明導電フィルムの透明導電層上に、パターン(線幅/線間=300μm/600μmのラインパターン)印刷した後、80℃で3分間加熱処理した。
エッチングペーストがパターン印刷された部分には白濁した乾燥物(主としてアルカリ成分やバインダー成分で構成される)が観察され、その部分を純水で軽く洗い流したところ、エッチングペーストがパターン印刷された部分の透明導電層は、白濁した乾燥物ごと除去され、パターンニングされた透明電極層を有する実施例3に係るパターン透明導電フィルムを得た。
尚、エッチングペーストの粘度は、B型粘度計(ロータ:No.4、回転数:60rpm)を用いて測定した。
透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は約310μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(300μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。しかし、エッチングされた膜の一部が流れず残存しており、きれいなラインパターンを得ることができないものもあった。
尚、エッチングされた部分において、ベースフィルムとしてのPETフィルム表面は、エッチングペースト成分でほとんど劣化していないことが確認された(エッチング部分の深さが、透明導電層の厚みとほぼ等しいことから確認された)。又、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
尚、上記A成分及びB成分をそれぞれ別々に調合後室温6ヶ月間保管した後、パターン塗布前に混合してエッチングペーストを調製し、上記と同様の方法でパターン透明導電フィルムを得た。このようにA成分及びB成分を室温6ヶ月間保管して得られたエッチングペースト、及びパターン透明導電フィルムは、A成分及びB成分を室温6ヶ月間保管しなかった場合と同等であった。
エッチング成分として実施例1で用いた苛性カリの代わりに苛性ソーダ(NaOH)、増粘剤として日本製紙化学製カルボキシルメチルセルロース(FT−1)を用い、A成分:エッチング成分/苛性ソーダ(NaOH)8gと、B成分:増粘剤を含みエッチング成分を含まない溶液(FT−1:22.8%、NMP:8.2%、水:68.7%、界面活性剤:0.3%)92gを、透明導電層上にパターン塗布する直前に混合して、粘度13000mPa・s(25℃)の実施例4に係る水溶性のエッチングペースト(NaOH:8.0%、FT−1:21.0%、NMP:5.0%、水:63.2%、界面活性剤:0.3%)100gを調製した。
上記実施例1で得られた透明導電フィルムの透明導電層上に、上記実施例4に係るこの調製した水溶性のエッチングペーストをスクリーン印刷(コンビネーション版:ステンレス180メッシュ)により実施例1で得られた透明導電フィルムの透明導電層上に、パターン(線幅/線間=300μm/600μmのラインパターン)印刷した後、80℃で3分間加熱処理した。
エッチングペーストがパターン印刷された部分には白濁した乾燥物(主としてアルカリ成分やバインダー成分で構成される)が観察され、その部分を純水で軽く洗い流したところ、エッチングペーストがパターン印刷された部分の透明導電層は、白濁した乾燥物ごと除去され、きれいにパターンニングされた透明電極層を有する実施例4に係るパターン透明導電フィルムを得た。
尚、エッチングペーストの粘度は、B型粘度計(ロータ:No.4、回転数:12rpm)を用いて測定した。
透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は約305μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(300μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。
尚、エッチングされた部分において、ベースフィルムとしてのPETフィルム表面は、エッチングペースト成分でほとんど劣化していないことが確認された(エッチング部分の深さが、透明導電層の厚みとほぼ等しいことから確認された)。又、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
尚、上記A成分及びB成分をそれぞれ別々に調合後室温6ヶ月間保管した後、パターン塗布前に混合してエッチングペーストを調製し、上記と同様の方法でパターン透明導電フィルムを得た。このようにA成分及びB成分を室温6ヶ月間保管して得られたエッチングペースト、及びパターン透明導電フィルムは、A成分及びB成分を室温6ヶ月間保管しなかった場合と同等であった。
エッチング成分として実施例1で用いた苛性カリの代わりに苛性ソーダ(NaOH)、増粘剤として日本製紙化学製カルボキシルメチルセルロース(F300HC)を用い、A成分:エッチング成分/苛性ソーダ(NaOH)30gと、B成分:増粘剤を含みエッチング成分を含まない溶液(F300HC:2.9%、NMP:7.1%、水:89.6%、界面活性剤:0.4%)70gを、透明導電層上にパターン塗布する直前に混合して、粘度20000mPa・s(25℃)の実施例5に係る水溶性のエッチングペースト(NaOH:30.0%、F300HC:2.0%、NMP:5.0%、水:62.7%、界面活性剤:0.3%)100gを調製した。
この調製した水溶性のエッチングペーストをスクリーン印刷(コンビネーション版:ステンレス180メッシュ)により実施例1で得られた透明導電フィルムの透明導電層上に、パターン(線幅/線間=300μm/600μmのラインパターン)印刷した後、80℃で3分間加熱処理した。
エッチングペーストがパターン印刷された部分には白濁した乾燥物(主としてアルカリ成分やバインダー成分で構成される)が観察され、その部分を純水で軽く洗い流したところ、エッチングペーストがパターン印刷された部分の透明導電層は、白濁した乾燥物ごと除去され、パターンニングされた透明電極層を有する実施例5に係るパターン透明導電フィルムを得た。
尚、エッチングペーストの粘度は、B型粘度計(ロータ:No.4、回転数:12rpm)を用いて測定した。
透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は約310μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(300μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。しかし、スクリーン印刷によりパターンニングされたペーストは、高粘度のために途切れているものがあり、エッチングラインが途切れてしまうことがしばし見られた。
尚、エッチングされた部分において、ベースフィルムとしてのPETフィルム表面は、エッチングペースト成分でほとんど劣化していないことが確認された(エッチング部分の深さが、透明導電層の厚みとほぼ等しいことから確認された)。又、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
尚、上記A成分及びB成分をそれぞれ別々に調合後室温6ヶ月間保管した後、パターン塗布前に混合してエッチングペーストを調製し、上記と同様の方法でパターン透明導電フィルムを得た。このようにA成分及びB成分を室温6ヶ月間保管して得られたエッチングペースト、及びパターン透明導電フィルムは、A成分及びB成分を室温6ヶ月間保管しなかった場合と同等であった。
実施例1で、水溶性のエッチングペーストをスクリーン印刷(ステンレス180メッシュ版)によりパターン(線幅/線間=300μm/600μmのラインパターン)に印刷した後、80℃で3分間加熱処理する代わりに、60℃で3分間放置した以外は、実施例1と同様に行い、きれいにパターニングされたパターン透明導電層を有する実施例6に係るパターン透明導電フィルムを得た。
透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は約320μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(300μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。
尚、エッチングされた部分において、ベースフィルムとしてのPETフィルム表面は、エッチングペースト成分でほとんど劣化していないことが確認された(エッチング部分の深さが、透明導電層の厚みとほぼ等しいことから確認された)。又、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
実施例1で、水溶性のエッチングペーストをスクリーン印刷(ステンレス180メッシュ版)によりパターン(線幅/線間=300μm/600μmのラインパターン)に印刷した後、80℃で3分間加熱処理する代わりに、120℃で3分間放置した以外は、実施例1と同様に行い、きれいにパターニングされたパターン透明導電層を有する実施例7に係るパターン透明導電フィルムを得た。
透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は約310μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(300μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。尚、エッチングされた部分において、ベースフィルムとしてのPETフィルム表面のエッチングペースト成分による劣化は、実用上の支障はほとんどないものの、実施例1に比べて大きいことが確認された(エッチング部分の深さが実施例1に比べても深いこと、及び、エッチングによりベースフィルムが露出した部分の表面凹凸が増加し、その部分のヘイズ[光の散乱]が幾分増加すること、から確認された)。
尚、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
エッチング成分としての苛性ソーダ(NaOH)、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースのNa塩(CMC−Na;1%水溶液粘度=70mPa・s[25℃]、エーテル化度=1.3)、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水、及びアセチレングリコール系界面活性剤(エアープロダクツジャパン製、ダイノール604)を加えた後、均一となるまで良く混合して、粘度3400mPa・s(25℃)の実施例8に係る水溶性のエッチングペースト(NaOH:15.8%、CMC−Na:3.6%、NMP:6.4%、水:73.9%、界面活性剤:0.3%)を得た。尚、エッチングペーストの粘度は、B型粘度計(ロータ:No.4、回転数:60rpm)を用いて測定した。
ベースフィルムとしての厚み16μmのPETフィルム(透過率=89.0%、ヘイズ値=2.5%)に、耐熱性シリコーン微粘着層を介して支持フィルム(PET:厚み100μm)を裏打ちした後、ベースフィルム上の全面に、実施例1の透明導電層形成用塗布液をワイヤーバーコーティング(線径:0.10mm)し、60℃で1分間乾燥した後、直径100mmのハードクロムめっきした金属ロールによる圧延処理(線圧:200kgf/cm=196N/mm、ニップ幅:0.9mm)を行い、更に高圧水銀ランプによりバインダー成分の硬化(窒素中、100mW/cm×2秒間)を行って、ベースフィルム上に緻密に充填されたITO微粒子とバインダーで構成される透明導電層(膜厚:約0.5μm)を形成し、最後に加熱収縮処理を施して、支持フィルム/ベースフィルム/透明導電層からなる透明導電フィルムを得た。尚、透明導電層とベースフィルムとの密着性向上のため、透明導電層形成用塗布液の塗布に先立って、支持フィルムが裏打ちされたベースフィルムにはコロナ放電処理による易接着処理が施してある。
この透明導電フィルムの支持フィルム/ベースフィルム間の剥離強度は、約8g/cmであった。ここで、前記剥離強度は、180°剥離強度(ベースフィルムを300mm/minの引張り速度で180°ピールを実施)である。また、加熱時の寸法変化率(収縮率)は、0.1%であった。
透明導電層の膜特性は、可視光透過率:96.0%、ヘイズ値:2.2%、表面抵抗値:1000Ω/□であった。尚、表面抵抗値は、バインダー硬化時の紫外線照射の影響を受けて、硬化直後は一時的に低下する傾向があるため、透明導電層形成の1日後に測定している。
尚、上述の透明導電層の透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ下記計算式3及び4により求められる。
[計算式3]
透明導電層の透過率(%)=[(透明導電層と支持フィルムが裏打ちされたベースフィルムごと測定した透過率)/支持フィルムが裏打ちされたベースフィルムの透過率]×100
[計算式4]
透明導電層のヘイズ値(%)=(透明導電層と支持フィルムが裏打ちされたベースフ
ィルムごと測定したヘイズ値)−(支持フィルムが裏打ちされたベースフィルムのヘイズ値)
次に、この透明導電フィルムの透明導電層上に、実施例4に係る水溶性のエッチングペーストをスクリーン印刷(コンビネーション版:ステンレス180メッシュ)によりパターン(線幅/線間=100μm/200μmのラインパターン)に印刷した後、80℃で3分間加熱処理した。エッチングペーストがパターン印刷された部分には白濁した乾燥物(主としてアルカリ成分やバインダー成分で構成される)が観察され、その部分を純水で軽く洗い流したところ、そのエッチングペーストがパターン印刷された部分の透明導電層は、白濁した乾燥物ごと除去され、きれいにパターニングされたパターン透明導電層を有する実施例8に係るパターン透明導電フィルムを得た。
図4に、得られたパターン透明導電層の光学顕微鏡写真(暗視野像)を示す。
図4から、透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は85〜115μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(100μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。
エッチングされた部分の深さは、透明導電層の厚み(約0.5μm)よりも幾分深くなっており、ベースフィルムとしてのPETフィルムの最表面がエッチングペースト成分で劣化して溶解除去されていることが確認された。
尚、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
増粘剤として実施例1で用いたカルボキシルメチルセルロースナトリウムの代わりに、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(ダイセル工業製、SP=400)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、実施例9に係る水溶性のエッチングペースト(NaOH:20.0%、:5.7%、NMP:9.8%、水:64.2%、界面活性剤:0.3%)を調製し、きれいにパターンニングされた透明電極層を有する実施例9に係るパターン透明導電フィルムを得た。
透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は約310μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(300μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。
尚、エッチングされた部分において、ベースフィルムとしてのPETフィルム表面は、エッチングペースト成分でほとんど劣化していないことが確認された(エッチング部分の深さが、透明導電層の厚みとほぼ等しいことから確認された)。又、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
[実施例10]
エッチング成分として、実施例1と同様に苛性カリ(KOH)を用い、A成分:エッチング成分/苛性カリ(KOH)13.4gと、B成分:増粘剤を含み少量のエッチング成分を含む溶液(KOH:4.6%、CMC−Na:7.7%、NMP:8.1%、水:79.2%、界面活性剤:0.4%)86.6gを、透明導電層上にパターン塗布する直前に混合して、粘度800mPa・s(25℃)の実施例10に係る水溶性のエッチングペースト(KOH:17.4%、CMC−Na:6.7%、NMP:7.0%、水:68.6%、界面活性剤:0.3%)100gを調製した。
この調製した水溶性のエッチングペーストを、スクリーン印刷(コンビネーション版:ステンレス180メッシュ)により、実施例1で得られた透明導電フィルムの透明導電層上にパターン(線幅/線間=300μm/600μmのラインパターン)印刷した後、80℃で3分間加熱処理した。
エッチングペーストがパターン印刷された部分には白濁した乾燥物(主としてアルカリ成分やバインダー成分で構成される)が観察され、その部分を純水で軽く洗い流したところ、エッチングペーストがパターン印刷された部分の透明導電層は、白濁した乾燥物ごと除去され、きれいにパターンニングされた透明電極層を有する実施例10に係るパターン透明導電フィルムを得た。
透明導電層が除去されてベースフィルムが露出したラインパターン部分の線幅は約320μmとスクリーン印刷版のラインパターン線幅(300μm)とほぼ同程度のパターンが形成できており、その部分は透明導電層の導電性酸化物微粒子が完全に除去されて全く導電性を示さない絶縁性である事が確認された。 尚、エッチングされた部分において、ベースフィルムとしてのPETフィルム表面は、エッチングペースト成分でほとんど劣化していないことが確認された(エッチング部分の深さが、透明導電層の厚みとほぼ等しいことから確認された)。又、パターン透明導電フィルムの透明導電層の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
尚、上記A成分及びB成分をそれぞれ別々に調合後室温2ヶ月間保管した後、パターン塗布前に混合してエッチングペーストを調製し、上記と同様の方法でパターン透明導電フィルムを得た。このようにA成分及びB成分を室温2ヶ月間保管して得られたエッチングペースト、及びパターン透明導電フィルムは、A成分及びB成分を室温2ヶ月間保管しなかった場合と同等であった。
[比較例1]
エッチング成分として塩酸−塩化鉄水溶液(関東化学製ITOエッチング液、S−50278;塩酸:約17%、塩化鉄(III):約5%、水:約78%)、増粘剤としてのポリビニルピロリドン(PVP;関東化学製、K−90)、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水、及びアセチレングリコール系界面活性剤(エアープロダクツジャパン製、ダイノール604)を加えた後、均一となるまで良く混合して、粘度約320mPa・s(25℃)の比較例1に係る水溶性のエッチングペースト(HCl:約11%、FeCl:約3.3%、PVP:10.0%、NMP:8.3%、水:66.8%、界面活性剤:0.6%)を得た。尚、エッチングペーストの粘度は、B型粘度計(ロータ:No.4、回転数:60rpm)を用いて測定したが、エッチングペーストが酸性で粘度計の金属ロータを腐食し易いため、短時間で粘度測定を行っており、粘度の測定誤差は各実施例に比べて幾分大きい。
次に、透明導電フィルムの透明導電層上に、先のエッチングペーストをスクリーン印刷(ポリエステル150メッシュ)によりパターン(線幅/線間=300μm/600μmのラインパターン)した以外は実施例1と同様に行い、パターニングされたパターン透明導電層を有する比較例1に係るパターン透明導電フィルムを得た。
このエッチングペーストがパターン印刷された部分には黄色で透明な乾燥物(主として塩化鉄、酸成分、バインダー成分で構成される)が観察され、その部分を純水で軽く洗い流したところ、黄色で透明な乾燥物はきれいに除去され、透明導電層にラインパターン跡(線幅:約300μm)が認められたが、その部分には耐酸性を有する樹脂バインダーマトリックスが残存し、樹脂バインダーマトリックスで保護された導電性酸化物微粒子も一部残存して完全に除去されていないため、透明導電層の導電性が完全に失われていない事(表面抵抗値=約5×10Ω/□)が確認された。したがって、目視ではパターン印刷されたパターン形状が認められるものの、エッチングされた部分が絶縁性でないため、パターン透明導電層としての機能を有しておらず、パターン透明導電フィルムとして用いることができなかった。
パターン透明導電フィルムの透明導電層(エッチングされていない部分)の膜特性は、エッチングペーストに含まれる塩酸がエッチングペーストの乾燥加熱処理工程において揮発し、エッチングペーストがパターン塗布された周囲の透明導電層を劣化させたため、抵抗値が初期の約2倍に増加していた。膜の光学特性(透過率、ヘイズ値)、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
[比較例2]
実施例1の透明導電フィルムの透明導電層上に、ポジ型エッチングレジストを塗布・乾燥して成膜した後、フォトマスク(幅100μmのラインのネガパターン)を用いて露光・現像して、最終的に幅100μmのライン部分を除いてエッチングレジスト膜を形成した。このエッチングレジスト膜が形成された透明導電フィルムを、塩酸−塩化鉄系のエッチング液(関東化学製ITOエッチング液、S−50278;塩酸:約17%、塩化鉄(III):約5%、水:約78%)に60℃で3分間浸漬して、レジスト膜が形成されていない部分の透明導電層をエッチング処理し、更にエッチングレジストを除去して、パターニングされたパターン透明導電層を有する比較例2に係るパターン透明導電フィルムを得た。
エッチングペーストがパターン印刷された部分には、透明導電層にパターン跡(線幅は約110μmが認められたが、その部分には耐酸性を有する樹脂バインダーマトリックスが残存し、樹脂バインダーマトリックスで保護された導電性酸化物微粒子も一部残存して完全に除去されていないため、透明導電層の導電性が完全に失われていない事(表面抵抗値=約4×10Ω/□)が確認された。したがって、目視ではパターン印刷されたパターン形状が認められるものの、エッチングされた部分が完全な絶縁性でないため、パターン透明導電層としての機能を有しておらず、パターン透明導電フィルムとして用いることができなかった。
パターン透明導電フィルムの透明導電層(エッチングされていない部分)の膜特性、及び加熱時の寸法変化率(収縮率)は、パターニング前後でほぼ変化は見られなかった。
以上、実施例1〜10及び比較例1、2で明らかなように、本発明に係るパターニング方法では、良好なパターン透明導電フィルムを得ることができるのがわかる。
1 透明導電フィルム
2 ベースフィルム
3 塗布法により形成された透明導電層(導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックス)
4 パターン塗布されたエッチングペースト
5 パターン塗布され、更に加熱乾燥されたエッチングペースト
6 パターン透明導電フィルム
7 パターン透明導電層

Claims (21)

  1. ベースフィルム上に形成された導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層のパターニング方法であって、
    前記樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤及び溶媒を少なくとも含有する水溶性のエッチングペーストを、前記透明導電層上にパターン塗布し、パターン塗布された部分の前記樹脂バインダーマトリックスを劣化させた後、パターン塗布した前記エッチングペーストを前記樹脂バインダーマトリックスが劣化した透明導電層毎、除去することを特徴とする透明導電層のパターニング方法。
  2. 前記エッチングペーストが、
    前記増粘剤を含まないA成分と、増粘剤を含むB成分を混合して形成されるエッチングペーストであって、
    前記A成分およびB成分は、別個に調合、保管されてパターン塗布前に混合されることを特徴とする請求項1記載の透明導電層のパターンニング方法。
  3. 前記エッチングペーストが、
    前記エッチング成分を含み、かつ前記増粘剤を含まないA成分と、前記エッチング成分を含まず、かつ前記増粘剤を含むB成分を混合して形成されるエッチングペーストであって、
    前記A成分およびB成分は、別個に調合、保管されてパターン塗布前に混合されることを特徴とする請求項1記載の透明導電層のパターンニング方法。
  4. 前記エッチングペーストの粘度が、300〜100000mPa・sであり、かつ、前記パターン塗布をスクリーン印刷で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電層のパターニング方法。
  5. 前記エッチングペーストのエッチング成分濃度が、1〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電層のパターニング方法。
  6. 前記エッチング成分が、無機アルカリ成分又は有機アルカリ成分、若しくは無機アルカリ成分と有機アルカリ成分の混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電層のパターニング方法。
  7. 前記ベースフィルムが、プラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電層のパターニング方法。
  8. 前記プラスチックフィルムが、ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項7に記載の透明導電層のパターニング方法。
  9. 前記導電性酸化物微粒子が、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分として含有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明導電層のパターニング方法。
  10. 前記酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子が、インジウム錫酸化物微粒子であることを特徴とする請求項9に記載の透明導電層のパターニング方法。
  11. 前記樹脂バインダーマトリックスが、架橋されて、有機溶剤耐性を有していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の透明導電層のパターニング方法。
  12. 前記導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層が、圧縮処理を施されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の透明導電層のパターニング方法。
  13. 前記圧縮処理が、金属ロールの圧延処理により行われることを特徴とする請求項12に記載の透明導電層のパターニング方法。
  14. 前記パターン塗布が、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法のいずれかで行なわれることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の透明導電層のパターニング方法。
  15. ベースフィルム、及びそのベースフィルム上に形成されたパターン透明導電層で構成され、該パターン透明導電層は、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層を、樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤及び溶媒を少なくとも含有する水溶性のエッチングペーストを用いてパターニングして形成されていることを特徴とする透明導電フィルム。
  16. 請求項15に記載のパターン透明導電フィルムを用いて製造されることを特徴とするフレキシブル機能性素子。
  17. 前記フレキシブル機能性素子が、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子ペーパー素子、分散型エレクトロルミネッセンス素子、太陽電池、タッチパネルから選ばれた1種であることを特徴とする請求項16に記載のフレキシブル機能性素子。
  18. 導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層の該樹脂バインダーマトリックスを劣化させるエッチング成分、増粘剤及び溶媒を少なくとも含有し、水溶性であることを特徴とするエッチングペースト。
  19. 前記増粘剤を含まないA成分と、増粘剤を含むB成分の2成分で構成されるエッチングペーストであって、前記A成分及びB成分は別個に調合、保管されてパターン塗布前に前記A成分および前記B成分を混合して用いられることを特徴とする請求項18に記載のエッチングペースト。
  20. 前記エッチングペーストが、前記エッチング成分を含み、かつ前記増粘剤を含まないA成分と、前記エッチング成分を含まず、かつ前記増粘剤を含むB成分の2成分で構成されるエッチングペーストであって、
    前記A成分及びB成分は別個に調合、保管されてパターン塗布前に前記A成分および前記B成分を混合して用いられることを特徴とする請求項18に記載のエッチングペースト。
  21. 前記エッチング成分が、無機アルカリ成分又は有機アルカリ成分、若しくは無機アルカリ成分と有機アルカリ成分の混合物であることを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載のエッチングペースト。
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