JP5880444B2 - 透明面電極、有機エレクトロニクス素子及び透明面電極の製造方法 - Google Patents

透明面電極、有機エレクトロニクス素子及び透明面電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロニクス素子に用いられる電極に関し、特に有機エレクトロニクス素子に用いられる透明面電極及びその製造方法と、それを具備した有機エレクトロニクス素子に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)や有機太陽電池といった有機電子デバイスが注目されており、このようなデバイスにおいて、透明面電極は必須の構成技術となっている。従来、透明面電極は、透明基板上に、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)膜を真空蒸着法やスパッタリング法を用いて製膜したITO透明電極が、その導電性や透明性といった性能の点から、主に使用されてきた。
しかし、真空蒸着法やスパッタリング法を用いて作製した透明電極は、生産性が悪いため製造コストが高いという問題があった。さらに、近年、有機電子デバイスには、大面積化が要求されており、ITO透明電極の抵抗値では不十分となってきている。
そこで、このような大面積の有機電子デバイスにも対応できるよう、金属から構成されるパターン導電層に導電性ポリマー等のポリマー導電層を積層し、高い導電性と高い電流の面内均一性を併せ持つ透明電極が開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。
金属をパターン状に形成する方法としては、例えば、ハロゲン化銀粒子を物理現像して形成する方法や、基板上に金属箔を形成し、それをエッチングする方法や、透明基板上に、グラビア印刷などで金属微粒子をパターン印刷する方法が提案されており(例えば、特許文献3、4参照)、なかでも、印刷方式を用いた金属パターンの形成方法が、経済性、生産性の観点から優れた方法といえる。
しかし、印刷方式で作製した金属パターン導電層に導電性ポリマー等のポリマー導電層を積層した透明電極を、有機電子デバイスに用いると、電流リークの頻度が高いといった課題や、高温雰囲気環境下での保存性に劣る、折り曲げに対する耐性が充分でないといった課題があった。
特開2005−302508号公報 特開2009−87843号公報 特開2010−80692号公報 特開2010−73415号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決する課題は、高い透明性を維持しつつ、電流リークの頻度が少なく、かつ保存性、折り曲げ耐性に優れる透明面電極とその製造方法、及びそれを用いた有機エレクトロニクス素子を提供することにある。
本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.透明な基材上に、平均粒径が5〜100nmの球形金属粒子を含有する金属パターン導電層を有し、該基材及び該金属パターン導電層上に導電性ポリマーを含有する透明なポリマー導電層を有する透明面電極であって、該金属パターン導電層の表面粗さRa(JIS、B0601(1994)に規定される表面粗さ)が20nm以下であり、かつ該ポリマー導電層がヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーを含有することを特徴とする透明面電極。
2.前記ヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーが、下記一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するポリマー(A)であることを特徴とする第1項に記載の透明面電極。
Figure 0005880444
〔式中、R及びRは各々水素原子またはメチル基を表し、Q及びQは各々−C(=O)O−または−C(=O)NRa−を表す。Raは水素原子またはアルキル基を表し、A及びAは各々置換または無置換のアルキレン基または−(CHCHRbO)x−CHCHRb−を表す。Rbは水素原子またはアルキル基を示し、xは平均繰り返しユニット数を表す。yは0または1を表す。Zはアルコキシ基、−O−C(=O)−Rc、−O−SO−Rdまたは−O−SiReを表す。Rc、Rd、Reは各々アルキル基、パーフルオロアルキル基またはアリール基を表す。ポリマー(A)内の一般式(1)の構造単位の構成率をm、一般式(2)の構造単位の構成率をnとすると、m+nの構成率(mol%)は、50≦m+n≦100であり、m/(m+n)≧0.2である。〕
3.前記第1項または第2項に記載の透明面電極を製造する透明面電極の製造方法であって、
明な基材上に、平均粒径が5〜100nmの範囲である金属粒子を含有する金属パターン導電層用塗布液を用い、印刷方式により金属パターンを形成する工程
該金属パターンを形成した後、該金属パターンを、100〜250℃の温度範囲で第一加熱処理と300〜500℃の温度範囲で第二熱処理を施す工程、
金属パターン上にポリマー導電層を湿式法で形成する工程、
を経て透明面電極を製造することを特徴とする透明面電極の製造方法。
4.前記第二熱処理を施す工程と、前記ポリマー導電層を湿式法で形成する工程との間に、金属パターンに化学エッチング処理を施す工程を有することを特徴とする第3項に記載の透明面電極の製造方法。
.前記第1項または第2項に記載の透明面電極を製造する透明面電極の製造方法であって、
明な基材上に、平均粒径が5〜100nmの範囲である金属粒子を含有する金属パターン導電層用塗布液を用い、印刷方式により金属パターンを形成する工程
該金属パターンを形成した後、該金属パターンを100〜250℃の温度範囲で第一加熱処理を施す工程、
該金属パターンに化学エッチング処理を施す工程
該金属パターン上にポリマー導電層を湿式法で形成する工程、
を経て透明面電極を製造することを特徴とする透明面電極の製造方法。
.前記第1項または第2項に記載の透明面電極を具備することを特徴とする有機エレクトロニクス素子。
.前記有機エレクトロニクス素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする前記第項に記載の有機エレクトロニクス素子。
本発明の上記手段により、高い透明性を維持しつつ、電流リークの頻度が少なく、かつ保存性、折り曲げ耐性に優れる透明面電極とその製造方法、及びそれを用いた有機エレクトロニクス素子が提供できる。
金属パターン導電層の表面粗さRaの測定方法を説明するための概略図で、金属パターン導電層の上面図である。 金属パターン導電層の表面粗さRaの測定方法を説明するための概略図で、金属パターン導電層の断面図である。
本発明は、透明な基材上に、金属を含有する金属パターン導電層を有し、該基材及び該金属パターン導電層上に導電性ポリマーを含有するポリマー導電層を有する透明面電極であって、該金属パターン導電層の表面粗さRa(JIS、B601(1994))に規定される表面粗さ)が20nm以下であり、かつ該ポリマー導電層がヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーを含有することを特徴とする。
本発明では特に、透明な基材上に設けられた金属パターン導電層の表面粗さを上記で規定する範囲とすることで、電流リークの頻度が少なく、かつ保存性、折り曲げ耐性に優れる有機エレクトロニクス素子を与える透明面電極が提供できるものである。
以下、本発明の透明面電極の構成要素、その製造方法の詳細について説明する。
〔透明な基材〕
本発明でいう「透明な」とは、JIS K 7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率が70%以上であることをいう。
本発明に係る基材の材料としては、透明な材料であれば特に制限なく、有機エレクトロニクス素子などに用いられ公知のものを使用することができる。
本発明では、例えば、硬度、導電性層の形成のし易さ、軽量性と柔軟性、ロールツーロール生産適性などの観点から、樹脂フィルムまたは可撓性を有する薄膜ガラスが好ましく用いられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができる。
中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及び経済性の観点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
樹脂フィルムを用いる場合、その厚さとしては、1〜1000μmの範囲が好ましく、さらに10〜100μmの範囲であることが好ましい。
本発明に係る透明な基材として好ましく用いられる可撓性を有する薄膜ガラスとしては、例えば、厚さが120μm以下の薄膜ガラスを挙げることができ、より好ましくは、厚さが30〜100μmの範囲の薄膜ガラスが挙げられる。
本発明でいう可撓性を有するとは、ガラス基材に傷や欠陥が無い状態で、曲率半径100mmの曲げが可能な場合をいう。
これらの薄膜ガラスの製造方法や種類に特に制限は無いが、一般に有機電子デバイスに好ましく用いられる無アルカリガラスが好ましく用いられる。
薄膜ガラスは、水や酸素に対するバリア能を有し、また、樹脂フィルムに較べて耐熱温度が高い等のメリットを有しており、水や酸素による性能劣化の影響を受けやすい有機電子デバイスに適用する場合や、透明面電極の製造プロセスや有機電子デバイス作製プロセスにおいて高温の熱処理を行う必要がある場合には、透明な基材として好ましく用いることができる。
透明な基材には、基材と透明面電極との接着性を良好にするために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等から構成される層を挙げることができる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
また、透明な基材が樹脂フィルムの場合には、必要に応じてバリアコート層が予め形成されていてもよいし、ハードコート層が予め形成されていてもよい。バリアコート層は、表面または裏面に無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜として形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性を持つ透明基板であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましい。
バリア層を形成する材料としては、水分や酸素等デバイスの劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
〔金属パターン導電層〕
本発明に係る金属パターン導電層は、金属を含有する層であり、透明な基材上に開口部を有するようにパターン状に形成された層である。
開口部とは、透明な基材のうち、金属パターン導電層を有さない部分であり、金属パターンの透光性部分である。
パターンの形状には特に制限はないが、例えば、ストライプ状、格子状、ハニカム状であることが好ましい。
本発明に係る透明面電極においては、面電極全体の面に対して、開口部が占める割合、即ち、開口率は、透明性の観点から80%以上であることが好ましい。
例えば、導電部がストライプ状であるとき、線幅100μm、線間隔1mmのストライプ状パターンの開口率は、およそ90%である。
パターンの線幅は、透明性、導電性の観点から10〜200μmの範囲が好ましい。
ストライプ状、格子状のパターンにおいて、細線の間隔は0.5〜4mmの範囲が好ましい。
また、ハニカム状のパターンにおいては、一辺の長さが0.5〜4mmの範囲が好ましい。
細線の高さは、導電性、電流リーク防止の観点から0.1〜3.0μmの範囲が好ましい。
(金属パターン導電層の形成方法)
本発明に係る金属パターン導電層は、金属粒子を含有する金属パターン導電層用塗布液を印刷方式により、パターン形成することで得られる。
金属粒子を含有する金属パターン導電層用塗布液は、後述する金属粒子を含有する金属粒子分散液である。
金属粒子分散液は、水、アルコールなどの溶媒中に金属粒子を含有するが、必要に応じバインダー、金属を分散させるための分散剤などを含んでもよい。
金属粒子分散液を用い、印刷方式として、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等を用いて金属パターンを形成することができる。
各印刷方式は、一般的に電極パターン形成に使われる方法が本発明に関しても適用可能である。具体的な例として、グラビア印刷法については、特開2009−295980号、特開2009−259826号、特開2009−96189号、特開2009−90662号等の各公報に記載された方法が、フレキソ印刷法については、特開2004−268319号、特開2003−168560号等の各公報に記載された方法が、スクリーン印刷法については、特開2010−34161号、特開2010−10245号、特開2009−302345号等の各公報に記載された方法が例として挙げられる。
金属パターン導電層の細線部の表面比抵抗は、100Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがより好ましく、さらに大面積化の観点から、5Ω/□以下であることがより好ましい。表面比抵抗は、例えば、JIS K6911、ASTM D257、等に準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
(金属粒子)
金属パターン導電層に用いられる金属粒子を構成する金属としては、導電性に優れていれば特に制限はなく、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等の金属の他に、合金などを挙げることができる。
導電性の観点から銀または銅が好ましく、銀または銅単独でもよいし、それぞれの組み合わせでもよく、銀と銅の合金、銀または銅が一方の金属でめっきされていてもよい。
金属粒子の平均粒径としては、原子スケールから1000nmの範囲のものが好ましく適用できる。
本発明においては、平均粒径が3〜300nmの範囲であるものが好ましく、5〜100nmの範囲であるものがより好ましく用いられる。
上記の中でも、更には、平均粒径が3nm〜100nmの範囲の銀ナノ粒子が好ましく、特には、平均粒径が5nm〜100nmの範囲の銀ナノ粒子が好ましい。
本発明において、平均粒径とは、光散乱方式を用いた市販の測定装置を使用して簡便に計測することが可能である。具体的にはゼータサイザー1000(マルバーン社製)を用いて、レーザドップラー法により、25℃で、サンプル希釈液量1mlにて測定した値をいう。
(表面粗さRa)
本発明においては、金属パターン導電層の表面粗さRaが20nm以下であることを特徴の一つとする。
Raの値は、JIS、B601(1994)に規定される表面粗さであり、本発明においては、下記のように測定した値である。
本発明のRaは、金属パターンの細線上のRaを測定したものであり、金属パターンの細線に対して平行に、長さ10μmの直線上のRaを測定したものである。
本発明においてRaの測定には、市販の原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)を用い、以下の方法で測定する。
AFMとして、セイコーインスツル社製SPI3800Nプローブステーション及びSPA400多機能型ユニットを使用し、ピエゾスキャナー上の水平な試料台上にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際の試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位で捉える。
ピエゾスキャナーは、XYが20μm、Zが2μm走査可能なものを使用する。
カンチレバーは、セイコーインスツル社製シリコンカンチレバーSI−DF20で、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜30nmのものを用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定する。
測定は、CCDカメラを用いて、金属パターンの細線と測定エリアが平行または垂直になるように、探針の先が細線の幅手方向の中心部にくるように調整し、細線の中心部10×10μmを走査周波数0.1Hzで測定した。測定後、細線に平行に0.9μmおきに10ヵ所、長さ10μmの線を引き、その線上のRaを算出し、その平均値をRaの値とする。
図1は、上記の方法を説明するための概略図であり、図1Aは金属パターン導電層の上面図であり、図1Bは金属パターン導電層の断面図である。
1は、透明な基材を、2は金属パターン導電層を、3はAFM測定エリアを、4はRa測定線を表す。
本発明において、折り曲げ耐性の面から、表面粗さRaの値は、20nm以下であることを特徴とするが、1.0nm以上、15nm以下であることが好ましく、1.0nm以上、10nm以下であることがさらに好ましい。
金属パターン導電層の表面粗さRaの値を20nm以下とすることにより、電流リークの発生頻度を抑制することができた他、高温雰囲気下での保存性も改善することができた。
本発明のこのような効果が発現した理由は、明確ではないが、以下のように推測される。
印刷方式で形成された金属パターン表面には、金属粒子自体の微小な凹凸のほかに、金属粒子同士の隙間が孔となり存在する。
金属パターン導電層上にポリマー導電層を塗布方式で形成する際、その孔に微量な空気や溶媒が留まり、高温雰囲気での保存性が劣化したものと推測している。
後述の加熱処理や化学エッチング処理といった、表面粗さRaを本発明で規定する範囲とするための金属パターン導電層に対する処理は、金属パターン導電層上の孔の減少につながり、その結果、保存性の向上を実現することができたものと推測される。
また、フレキシブルな有機電子デバイスの折り曲げを複数回行うと、微小な凹凸により局所的な応力集中が生じ、界面の剥離や有機機能層へのダメージが蓄積し、有機電子デバイスの性能劣化が進行すると推定している。
金属パターン導電層の平滑化は、このような界面の剥離や有機機能層へのダメージを減らすことにつながり、有機電子デバイスの折り曲げによる劣化を低減することが可能となったと推定される。
金属パターン導電層の表面粗さRaを本発明で規定する範囲とするための具体的な方法としては、金属パターン導電層を透明な基材上に印刷した後、高温(300℃以上)での加熱処理を行うか、化学エッチングを行うか、それらを併用する方法を挙げることができる。
透明な基材としてフィルム基板を用いる場合は、高温で加熱すると基板が原型を維持することが難しいため、化学エッチング処理を行うことが好ましい。
また、本発明においては、高温での加熱処理と、化学エッチング処理を併用することがより好ましい態様である。
従来、金属パターン導電層にポリマー導電層を積層した透明面電極を有機電子デバイスに用いた場合、電流リークの主因は、金属パターン導電層自体の大きな凹凸に起因していると考えられてきた。しかし、本発明者が鋭意検討を行った結果、金属パターン表面の平滑性を高めることにより、電流リークの頻度を少なくできることを見出した。このことから、有機電子デバイスの電流リークの主因は、金属パターン導電層自体の大きな凹凸ではなく、印刷方式で形成した金属パターン表面に形成される金属微粒子自体の微小な凹凸に起因していると推定している。これは、金属パターン導電層のように、高くてなだらかな凹凸形状は積層するポリマー導電層により完全に覆われるのに対し、金属微粒子の微小ではあるが、急峻で突起のような凹凸は、ポリマー導電層で完全に埋めることが難しいためではないかと考えている。
(金属パターン導電層の高温での加熱処理)
本発明では、金属パターン導電層用塗布液を、印刷方式によりパターンを形成した後、高温(300℃以上)で加熱することで、金属パターン導電層の表面の粗さを上記の範囲とすることができる。
この場合、高温での加熱処理とは、300℃以上に加熱する処理をいい、高温での加熱処理の前には、100〜250℃の範囲で加熱する第一加熱処理を行うことが好ましい態様である。以下高温での加熱処理を第二加熱加熱処理と呼び、説明する。
本発明においては、金属粒子の凝集防止、断線防止などの面から、第一加熱処理と第二加熱処理を行うことが好ましく、第一加熱処理は100〜250℃の範囲で行い、第二加熱処理として、300〜500℃の範囲で行うことが好ましい。
第一加熱処理により、ペーストに含まれる溶媒が蒸発して、金属微粒子が基板へ接着する。また、金属微粒子を覆っている分散剤が揮発または分解し、金属微粒子同士に接点が生まれ、金属パターン導電層の抵抗が下がる。
そして、金属微粒子の粒子サイズ効果による融点降下により、第二加熱処理の温度範囲でも金属微粒子同士の融着が進み、金属パターンはより密となると同時に表面が平滑になる。
第一加熱処理は、100〜250℃の範囲が好ましいが、150〜250℃の範囲が、基板への接着性、凝集の観点からより好ましい。
加熱処理時間は、温度や使用する金属微粒子の大きさにもよるが、10秒以上、30分以下の範囲であることが好ましく、生産性の観点から、10秒以上、15分以下の範囲であることがより好ましく、10秒以上、5分以下の範囲であることが更に好ましい。
また、前述のような透明な基材として樹脂フィルムを用いる場合や化学エッチング処理を用いる場合は、導電性、基材への接着性の観点から100℃以上、250℃未満の温度範囲で、基材にダメージのない温度で金属粒子を印刷した後に加熱し、下記の化学エッチング処理することが好ましい。
加熱処理方法は、特に制限はなく、公知の処理方法を用いることができる。例えば、ヒータ、IRヒータ、真空加熱などを挙げることができるが、これに限定されない。
(化学エッチング)
本発明では、金属パターン導電層用塗布液を、印刷方式によりパターンを形成した後、化学エッチング処理を施すことで、金属パターン導電層の表面の粗さを本発明で規定する範囲とすることができる。化学エッチング処理とは、金属を腐食することができる溶液を含有するエッチング液を金属パターン導電層に接触させることにより行うことができる。
化学エッチング処理時間は、使用する金属微粒子の粒子径や、処理液の濃度にもよるが、透明面電極の抵抗、折り曲げ耐性などの面から、1〜180秒の範囲で処理することが好ましく、1〜30秒の範囲で処理することがより好ましい。
化学エッチング処理後は水洗を行い、エッチング液を十分に洗い流したのち、100℃以上で加熱し、基板から十分に水分を蒸発させることが好ましい。
上記エッチング液の組成としては、一般的な金属エッチング用処理液を用いることができる。金属微粒子として銀ナノ粒子を用いる場合、取り扱いの安全性及びエッチング性の観点から、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の現像処理に使用する漂白定着液を好ましく用いることができる。
エッチング液は水溶液であることが好ましいが、下記に記載される漂白剤や定着剤等を溶解することができれば、エタノール等の有機溶媒でもよい。
漂白定着液において用いられる漂白剤としては、公知の漂白剤も用いることができ、特に鉄(III)の有機錯塩(例えばアミノポリカルボン酸類の錯塩)、またはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸、過硫酸塩、過酸化水素等が好ましい。
これらのうち、鉄(III)の有機錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から特に好ましい。鉄(III)の有機錯塩を形成するために有用なアミノポリカルボン酸、またはそれらの塩を列挙すると、生分解性のあるエチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸をはじめ、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸等のほか、欧州特許第0789275号明細書に記載の一般式(I)または(II)で表される化合物を挙げることができる。
これらの化合物は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩またはアンモニウム塩のいずれでもよい。これらの化合物の中で、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、メチルイミノ二酢酸はその鉄(III)錯塩が好ましい。これらの第2鉄イオン錯塩は錯塩の形で使用してもよいし、第2鉄塩、例えば硫酸第2鉄、塩化第2鉄、硝酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、燐酸第2鉄等とアミノポリカルボン酸等のキレート剤とを用いて溶液中で第2鉄イオン錯塩を形成させてもよい。また、キレート剤を、第2鉄イオン錯塩を形成する以上に過剰に用いてもよい。鉄錯体の中でもアミノポリカルボン酸鉄錯体が好ましく、その添加量は0.01〜1.0モル/リットル、好ましくは0.05〜0.50モル/リットル、さらに好ましくは0.10〜0.50モル/リットル、特に好ましくは0.15〜0.40モル/リットルの範囲である。
漂白定着液に使用される定着剤は、公知の定着剤、例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム等のチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム等のチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール等のチオエーテル化合物及びチオ尿素類等の水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混合して使用することができる。また、特開昭55−155354号公報に記載された定着剤と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物等の組み合わせからなる特殊な漂白定着剤等も用いることができる。本発明においては、チオ硫酸塩、特にチオ硫酸アンモニウム塩の使用が好ましい。1リットル当たりの定着剤の量は、0.3〜2モルが好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.0モルの範囲である。
本発明に使用される漂白定着液のpH領域は、3〜8の範囲が好ましく、さらには4〜7の範囲が好ましい。pHを調整するためには、必要に応じて塩酸、硫酸、硝酸、重炭酸塩、アンモニア、苛性カリ、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を添加することができる。
〔ポリマー導電性層〕
本発明に係るポリマー導電性層は、導電性ポリマーを含有する透明なポリマー導電性層である。
導電性ポリマーとしては、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んでいる導電性ポリマーが好ましく用いられる。
こうした導電性ポリマーは、後述するπ共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリアニオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
(π共役系導電性高分子)
π共役系導電性高分子として、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。
導電性、透明性、安定性等の観点から、ポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。中でも、ポリエチレンジオキシチオフェンであることが最も好ましい。
(π共役系導電性高分子前駆体モノマー)
前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
(ポリアニオン)
ポリアニオンは、アニオン基を複数有するオリゴマーもしくはポリマーである。
ポリアニオンとしては、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体が好ましく、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものが好ましく用いられる。
ポリアニオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。また、ポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらは単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、化合物内にフッ素原子を有するポリアニオンであっても良い。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)などを挙げることができる。
これらのうち、スルホン酸基を有する化合物であると、ポリマー導電層を塗布、乾燥することによって形成した後に、100℃以上、250℃以下の温度で1分以上の加熱処理を施した場合、この塗布膜の洗浄耐性や溶媒耐性が著しく向上することから、より好ましい。
さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリアニオンは、後述のヒドロキシル基含有非導電性ポリマーとの相溶性が高く、また、得られる導電性ポリマーの導電性をより高くできる。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤または重合触媒の存在下で、酸化重合またはラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。
具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤または重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリアニオン塩である場合には、ポリアニオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
こうした導電性ポリマーは市販の材料も好ましく利用できる。
例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、H.C.Starck社からCLEVIOSシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PSS483095、560598として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。本発明においては、このような化合物も好ましく用いることができる。
第二のドーパントとして水溶性有機化合物を含有してもよい。本発明で用いることができる水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。
本発明に適用可能な酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、ヒドロキシ基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物などが挙げられる。前記ヒドロキシ基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどが挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
(ヒドロキシル基を有する非導電性ポリマー)
本発明では、ポリマー導電層が、導電性ポリマーとヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーとを組み合わせて含有し、さらに金属パターン導電層の表面粗さを上記の範囲とすることで、高い透明性を維持しつつ、電流リークの頻度が少なく、かつ保存性、折り曲げ耐性に優れる有機電子デバイスを与える透明面電極が得られる。
本発明においては、ポリマー導電層がヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーを含有することで、透明性を低下させることなくポリマー導電層を厚くすることができることと、金属パターン導電層の表面粗さRaを上記値の範囲にすることの効果により、透明性、導電性、保存性、折り曲げ耐性を同時に満足する構成になると推測される。
本発明に係るヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーは、水溶性であることが好ましく、25℃の水100gに0.001g以上溶解することが好ましい。溶解性は、ヘイズメーター、濁度計で測定することができる。
本発明に適用可能なヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコールPVA−203、PVA−224、PVA−420(以上、クレハ社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース60SH−06、60SH−50、60SH−4000、90SH−100(以上、信越化学工業社製)、メチルセルロースSM−100(信越化学工業社製)、酢酸セルロースL−20、L−40、L−70(以上、ダイセル化学工業社製)、カルボキシメチルセルロースCMC−1160(ダイセル化学工業社製)、ヒドロキシエチルセルロースSP−200、SP−600(以上、ダイセル化学工業社製)、アクリル酸アルキル共重合体ジュリマーAT−210、AT−510(以上、東亞合成社製)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートなどを挙げることができる。
(ポリマー(A))
本発明においては、特にヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーが、前記一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を含むポリマー(A)である場合が好ましい態様である。
前記一般式(1)、(2)において、R及びRは各々水素原子またはメチル基を表し、Q及びQは各々−C(=O)O−または−C(=O)NRa−を表す。Raは水素原子またはアルキル基を表し、A及びAは各々置換または無置換のアルキレン基または−(CHCHRbO)x−CHCHRb−を表す。Rbは水素原子またはアルキル基を示し、xは平均繰り返しユニット数を表す。yは0または1を表す。Zはアルコキシ基、−O−C(=O)−Rc、−O−SO−Rdまたは−O−SiReを表す。Rc、Rd、Reは各々アルキル基、パーフルオロアルキル基またはアリール基を表す。ポリマー(A)内の一般式(1)の構造単位の構成率をm、一般式(2)の構造単位の構成率をnとしたとき、m+nの構成率(mol%)は、50≦m+n≦100であり、m/(m+n)≧0.2である。
本発明においては、前記一般式(1)、一般式(2)で表される構造単位の成分の合計(m+n)が80〜100mol%の範囲であることがより好ましい。
また、本発明に係るポリマー(A)は、前記一般式(1)で表される構造単位と前記一般式(2)で表される構造単位以外に、その他の構造単位を含有していても良い。
また、ポリマー(A)における一般式(1)の構造単位の成分が20mol%以上であることが、膜の安定性、水洗耐性の観点から好ましい。
本発明に係る一般式(1)で表されるヒドロキシル基を有する構造単位において、Rは水素原子またはメチル基を表す。
また、Qは−C(=O)O−または−C(=O)NRa−を表し、Raは水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基としては、例えば、炭素原子数が1〜5の直鎖、或いは分岐アルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。
また、これらのアルキル基は、置換基で置換されていても良い。これら置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ウレイド基、アラルキル基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アシルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等が挙げられる。これらのうち好ましくは、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基である。
上記ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が含まれる。
上記置換基の例として、アルキル基は分岐を有していてもよく、炭素原子数は、1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることがより好ましく、1〜8の範囲であることが更に好ましい。アルキル基の例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が含まれる。
上記シクロアルキル基の炭素原子数は3〜20の範囲であることが好ましく、3〜12の範囲であることがより好ましく、3〜8の範囲であることが更に好ましい。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が含まれる。上記アルコキシ基は、分岐を有していてもよく、炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることがより好ましく、1〜6の範囲であることが更に好ましく、1〜4の範囲であることが最も好ましい。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−メトキシ−2−エトキシエトキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基及びオクチルオキシ基が含まれ、好ましくはエトキシ基である。上記アルキルチオ基の炭素数は、分岐を有していてもよく、炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることがより好ましく、1〜6の範囲であることが更に好ましく、1〜4の範囲であることが最も好ましい。アルキルチオ基の例としては、メチルチオ基、エチルチオ基等が含まれる。上記アリールチオ基の炭素数は、6〜20の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることが更に好ましい。アリールチオ基の例にはフェニルチオ基及びナフチルチオ基等が含まれる。上記シクロアルコキシ基の炭素原子数は、3〜12の範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜8の範囲である。シクロアルコキシ基の例には、シクロプロポキシ基、シクロブチロキシ基、シクロペンチロキシ基及びシクロヘキシロキシ基が含まれる。上記アリール基の炭素原子数は6〜20の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることが更に好ましい。アリール基の例には、フェニル基及びナフチル基が含まれる。上記アリールオキシ基の炭素原子数は6〜20の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることが更に好ましい。アリールオキシ基の例にはフェノキシ基及びナフトキシ基が含まれる。上記ヘテロシクロアルキル基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましく、3〜5であることが更に好ましい。ヘテロシクロアルキル基の例にはピペリジノ基、ジオキサニル基及び2−モルホリニル基が含まれる。上記ヘテロアリール基の炭素原子数は、3〜20の範囲であることが好ましく、3〜10の範囲であることが更に好ましい。ヘテロアリール基の例にはチエニル基、ピリジル基が含まれる。上記アシル基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることが更に好ましい。アシル基の例にはホルミル基、アセチル基及びベンゾイル基が含まれる。上記アルキルカルボンアミド基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることが更に好ましい。アルキルカルボンアミド基の例にはアセトアミド基等が含まれる。上記アリールカルボンアミド基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることが更に好ましい。アリールカルボンアミド基の例にはベンズアミド基等が含まれる。上記アルキルスルホンアミド基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることが更に好ましい。アルキルスルホンアミド基の例にはメタンスルホンアミド基等が含まれる。上記アリールスルホンアミド基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることが更に好ましい。アリールスルホンアミド基の例には、ベンゼンスルホンアミド基及びp−トルエンスルホンアミドが基含まれる。上記アラルキル基の炭素原子数は7〜20の範囲であることが好ましく、7〜12の範囲であることが更に好ましい。アラルキル基の例にはベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基が含まれる。上記アルコキシカルボニル基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、2〜12の範囲であることが更に好ましい。アルコキシカルボニル基の例にはメトキシカルボニル基が含まれる。上記アリールオキシカルボニル基の炭素原子数は7〜20であることが好ましく、7〜12であることが更に好ましい。アリールオキシカルボニル基の例にはフェノキシカルボニル基が含まれる。上記アラルキルオキシカルボニル基の炭素原子数は8〜20の範囲であることが好ましく、8〜12の範囲であることが更に好ましい。アラルキルオキシカルボニル基の例にはベンジルオキシカルボニル基が含まれる。上記アシルオキシ基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、2〜12の範囲であることが更に好ましい。アシルオキシ基の例にはアセトキシ基及びベンゾイルオキシ基が含まれる。上記アルケニル基の炭素原子数は2〜20の範囲であることが好ましく、2〜12の範囲であることが更に好ましい。アルケニル基の例に、ビニル基、アリル基及びイソプロペニル基が含まれる。上記アルキニル基の炭素原子数は2〜20の範囲であることが好ましく、2〜12の範囲であることが更に好ましい。アルキニル基の例にはエチニル基が含まれる。上記アルキルスルホニル基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることが更に好ましい。アルキルスルホニル基の例に、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基が含まれる。上記アリールスルホニル基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。アリールスルホニル基の例に、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基が含まれる。上記アルキルオキシスルホニル基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることが更に好ましい。アルキルオキシスルホニル基の例に、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基が含まれる。上記アリールオキシスルホニル基の炭素原子数は6〜20の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることが更に好ましい。アリールオキシスルホニル基の例に、フェノキシスルホニル基、ナフトキシスルホニル基が含まれる。上記アルキルスルホニルオキシ基の炭素原子数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜12の範囲であることが更に好ましい。アルキルスルホニルオキシ基の例に、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基が含まれる。
上記アリールスルホニルオキシ基の炭素原子数は6〜20の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることが更に好ましい。アリールスルホニルオキシ基の例に、フェニルスルホニルオキシ基、ナフチルスルホニルオキシ基が含まれる。置換基は同一でも異なっていても良く、これら置換基が更に置換されても良い。
本発明に係る一般式(1)で表されるヒドロキシル基を有する構造単位において、Aは置換または無置換のアルキレン基または−(CHCHRbO)x−CHCHRb−を表す。アルキレン基としては、例えば、炭素原子数1〜5の範囲が好ましく、より好ましくはエチレン基、プロピレン基である。これらのアルキレン基は前述した置換基で置換されていても良い。また、Rbは水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基は、例えば、炭素原子数1〜5の直鎖、或いは分岐アルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。また、これらのアルキル基は前述の置換基で置換されていても良い。更に、xは平均繰り返しユニット数を表し、1〜100の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10の範囲である。繰り返しユニット数は分布を有しており、表記は平均値を示し、小数点以下1桁で表記しても良い。
本発明に係る一般式(2)で表される構造単位において、R、Q、Aは一般式(1)のR、Q、Aで定義した内容と各々同義である。
本発明に係る一般式(2)で表される構造単位において、yは0、または1を表す。また、Zはアルコキシ基、−O−C(=O)−Rc、−O−SO−Rd、または−O−SiReを表し、アルコキシ基としては、例えば、炭素原子数1〜12の範囲が好ましく、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基で、更に好ましくはメトキシ基である。これらのアルコキシ基は、前述した置換基で置換されても良い。
Rc、Rd、Reは各々アルキル基、パーフルオロアルキル基、またはアリール基を表し、アルキル基としては、例えば、炭素原子数1〜12が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基で、更に好ましくはメチル基である。これらのアルキル基は、前述した置換基で置換されても良い。パーフルオロアルキル基としては、例えば、炭素原子数1〜8が好ましく、より好ましくはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基で、更に好ましくはトリフルオロメチル基である。アリール基としては、例えば、フェニル基、トルイル基が好ましく、より好ましくはトルイル基である。更に、これらのアルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基は、前述した置換基で置換されても良い。
本発明に係るポリマー(A)は、主たる共重合成分がそれぞれ前記一般式(1)、(2)で表される構造単位を形成するモノマー(1)、(2)の共重合で得ることができる。
本発明に係るポリマー(A)は、汎用的な重合触媒を用いたラジカル重合により得ることができる。重合様式としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられ、好ましくは溶液重合である。重合温度は、使用する開始剤によって異なるが、一般に−10〜250℃、好ましくは0〜200℃の範囲、より好ましくは10〜100℃の範囲で実施される。
ポリマー(A)の数平均分子量は、3,000〜2,000,000の範囲が好ましく、より好ましくは4,000〜500,000の範囲であり、更に好ましくは5000〜100000の範囲である。
ポリマー(A)の数平均分子量、分子量分布の測定は、一般的に知られているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行うことができる。使用する溶媒は、ポリマー(A)が溶解すれば特に限りはなく、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(塩化メチレン、CHCl)が好ましく、より好ましくはTHF、DMFであり、更に好ましくはDMFである。また、測定温度も特に制限はないが40℃が好ましい。
また、ポリマー(A)は、数平均分子量として分子量が1000以下の含有量が0〜5質量%の範囲であることが好ましい。低分子成分が少ないことで、金属パターン導電層に対して垂直方向に電荷のやりとりがより良くなる。
本発明に係るポリマー(A)の数平均分子量において、分子量1000以下の含有量を0〜5質量%の範囲とする方法としては、再沈殿法、分取GPCに、リビング重合による単分散のポリマーを合成等により、低分子量成分を除去する、または低分子量成分の生成を抑制する方法を用いることができる。再沈殿法は、ポリマーが溶解可能な溶媒へ溶解し、ポリマーを溶解した溶媒より溶解性の低い溶媒中へ滴下することにより、ポリマーを析出させ、モノマー、触媒、オリゴマー等の低分子量成分を除去する方法である。また、分取GPCは、例えば、リサイクル分取GPCLC−9100(日本分析工業社製)、ポリスチレンゲルカラムで、ポリマーを溶解した溶液をカラムに通すことにより分子量で分けることができ、所望の低分子量成分を除去することができる方法である。
リビング重合は、開始種の生成が経時で変化せず、また停止反応等の副反応が少なく、分子量の揃ったポリマーが得られる。分子量はモノマーの添加量により調整できるため、例えば、分子量を2万のポリマーを合成すれば、低分子量体の生成を抑制することができる。生産適性から、再沈殿法、リビング重合が好ましい。
本発明に係るポリマー(A)の分子量分布は1.01〜1.30の範囲が好ましく、より好ましくは1.01〜1.25の範囲である。本発明において、分子量分布は、(重量平均分子量/数平均分子量)の比で表す。
分子量1000以下の含有量は、GPCにより得られた分布において、分子量1000以下の面積を積算し、分布全体の面積で割ることで割合を換算して求めることができる。
本発明に係るポリマー導電層における導電性ポリマーとポリマー(A)との比率は、導電性ポリマーを100質量部とした時、ポリマー(A)が30〜900質量部の範囲であることが好ましく、ポリマー(A)の導電性アシスト効果、透明性の視点からは、ポリマー(A)が100〜900質量部の範囲であることがより好ましい。
(ポリマー導電層の形成)
本発明に係るポリマー導電層は、例えば、π共役系導電性高分子成分とポリアニオン成分とを含む導電性ポリマーと、ヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーと、溶媒とを含むポリマー導電層形成用塗布液を塗布、乾燥することで形成することができる。
溶媒としては、水系溶媒を好ましく用いることができる。ここで、水系溶媒とは、50質量%以上が水である溶媒を表す。もちろん、他の溶媒を含有しない純水であっても良い。水系溶媒の水以外の成分は、水に相溶する溶剤であれば特に制限はないが、アルコール系の溶媒を好ましく用いることができ、中でも、沸点が比較的水に近いイソプロピルアルコールを用いることが、形成する膜の平滑性などには有利であるため好ましい。
ポリマー導電層形成用塗布液の塗布法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法等を、適宜選択して用いることができる。
塗布した後、溶媒を揮発させるために適宜乾燥処理を施す。乾燥処理の条件として特に制限はないが、基材や導電性ポリマー、水溶性ポリマーが損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。
ポリマー導電層の乾燥膜厚は、ポリマー導電層の透過率と後述する金属パターン導電層の開口部の大きさから要求されるシート抵抗率を考慮して適宜選択できる。
ポリマー導電層が架橋膜で構成される場合、前述のようにポリマー(A)に含まれるOH基が導電性ポリマーに含まれるポリアニオンの脱水触媒作用により強固な架橋膜を形成する構成は、好ましい実施形態の一つである。また、架橋剤を併用することで架橋膜を形成しても良い。架橋剤としては、特に制限はなく、公知の架橋剤を使用できるが、例えば、エポキシ系、カルボジイミド系、メラミン系、イソシアネート系、シクロカーボネート系、ヒドラジン系、ホルマリン系等の公知の架橋剤を挙げることができる。また、反応促進するため、触媒を併用することも好ましい。
〔有機エレクトロニクス素子〕
本発明の有機エレクトロニクス素子とは、本発明の透明面電極を具備し、有機機能層及び対向電極を有する。
本発明の有機エレクトロニクス素子は、各種有機電子デバイスに用いることができる。有機機能層としては、有機発光層、有機光電変換層、液晶ポリマー層等が挙げられるが、特に限定されない。本発明では、機能層が薄膜でかつ電流駆動系である有機発光層、有機光電変換層である場合において特に有効で、有機ELデバイス、太陽電池等の有機エレクトロニクス素子に適用できる。本発明においては、有機エレクトロニクス素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
〔フィルム基板の作製〕
(平滑層の形成)
厚み100μmのポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム)に、JSR株式会社製のUV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7501を塗布、乾燥後の平均膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、80℃で、3分間乾燥した後、空気雰囲気下で、高圧水銀ランプを使用して、硬化条件1.0J/cmで硬化を行い、平滑層を形成した。
(ガスバリア層の形成)
次に、平滑層を設けた基板上に、ガスバリア層を以下に示す条件で形成した。
〈ガスバリア層塗布液〉
パーヒドロポリシラザン(PHPS、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ NN320)の20質量%ジブチルエーテル溶液をワイヤレスバーにて、乾燥後の(平均)膜厚が、0.30μmとなるように塗布して、塗布試料を得た。
〈乾燥処理〉
得られた塗布試料を温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で1分間処理して、乾燥試料を得た。
〈除湿処理〉
乾燥試料を、さらに温度25℃、湿度10%RH(露点温度−8℃)の雰囲気下に10分間保持し、除湿処理を行った。
〈改質処理A〉
上記除湿処理を行った試料について、下記の改質処理装置を用いて改質処理を行い、ガスバリア層を形成した。改質処理時の露点温度は−8℃で実施した。
〈改質処理装置〉
株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、
波長:172nm、
ランプ封入ガス:Xe
稼動ステージ上に固定した試料を以下の条件で改質処理を行った。
〈改質処理条件〉
エキシマ光強度 60mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 1mm
ステージ加熱温度 70℃
照射装置内の酸素濃度 1%
エキシマ照射時間 3秒
上記のようにしてガスバリア性を有する透明面電極用のフィルム基板(表1には、PENと記載)を作製し、電極22、23の作製に用いた。
〔金属パターン導電層の形成〕
(インクジェット印刷)
銀ナノ粒子インク(ハリマNPS−J ハリマ化成製、平均粒径15nm)を、圧力印加手段と電界印加手段とを有し、ノズル口径が25μm、駆動周波数が12kHz、ノズル数が128、ノズル密度が180dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)のピエゾ型インクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェットプリント装置に装填し、厚さ100μmの3cm角のガラス基板の3.0cm×3.0cmの範囲に、線幅50μm、高さ0.5μm、間隔1.0mmの細線格子を印刷した。これらの透明電極を電極1〜13、18、24とした。また、インクを金ナノ粒子インク(NPG−J ハリマ化成製、平均粒径15nm)に変更した以外は上記と同様の印刷を行い、電極21とした。
(ダイレクトグラビア印刷)
厚さ100μmの3cm角のガラス基板の3.0cm×3.0cmの範囲に、銀ナノ粒子インク(TEC−PR−020;InkTec社製、平均粒径20nm)を用いて、線幅50μm幅、間隔1.0mm、高さ0.5μmになるように細線格子をダイレクトグラビア印刷方式で印刷した。印刷機はRK Print Coat Instruments Ltd製グラビア印刷試験機K303MULTICOATERを用いた。これらの電極を14、15、19とした。また、上記作製したガスバリア性を有する透明面電極用のフィルム基板(バリア層を積層したポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム)にも、同様の印刷を行い、これを電極22、23とした。
(スクリーン印刷)
厚さ100μmの3cm角のガラス基板の3.0cm×3.0cmの範囲に、銀ナノ粒子インク(TEC−PA−010;InkTec社製、平均粒径60nm)を用いて、線幅50μm幅、間隔1.0mm、高さ0.5μmになるように細線格子をスクリーン印刷方式で印刷した。印刷機は小型厚膜半自動印刷機STF−150IP(東海商事社製)を用い、線径13μmの版(ソノコム社製)を用いた。これらの電極16、17、20とした。
(金属パターン導電層の焼成)
金属パターン導電層を有する電極1〜24を、以下に示す各条件でヒータを用いて加熱して、焼成処理を施した。
電極1、7を、220℃で2分間の加熱を行った(条件1)。
電極14、16、22、23を、150℃で2分間の加熱を行った(条件2)。
電極2を、220℃で2分間の加熱処理を施した後、240℃で2分間の加熱を行った(条件3)。
電極3を、200℃で2分間の加熱処理を施した後、300℃で2分間の加熱を行った(条件4)。
電極4を、220℃で2分間の加熱処理を施した後、350℃で2分間の加熱を行った(条件5)。
電極5、8〜13、15、17、21、24を、150℃で2分間の加熱処理を施した後、400℃で2分間の加熱を行った(条件6)。
電極6を、220℃で2分間の加熱処理を施した後、550℃で2分間の加熱を行った(条件7)。
電極18〜20を、400℃で2分間の加熱の加熱を行った(条件8)。
(金属パターン導電層の化学エッチング)
加熱処理を行った電極7、8、15、17、23について、以下の組成のエッチング液を用いて、化学エッチング処理を行った。電極を銀エッチング液に浸し、超純水で洗浄後、ヒータを用いて150℃,10分間加熱乾燥を行った。エッチング液への浸漬は、電極7、8が3秒、電極15、23が5秒、電極17が10秒で行った。
〈銀エッチング液の調製〉
エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム 60g
エチレンジアミン4酢酸 2.0g
メタ重亜硫酸ナトリウム 15g
チオ硫酸アンモニウム 70g
マレイン酸 5.0g
純水で1Lに仕上げ、硫酸またはアンモニア水でpHを5.5に調整し、エッチング液を調製した。
加熱処理を行った電極21についても金用のエッチング液を用いて、化学エッチング処理を行った。エッチング液は金エッチングAURUM(関東化学社製)を用い、銀のエッチングと同様の方法で行い、処理時間は3秒とした。
(金属パターン導電層の表面粗さRaの測定)
金属パターン導電層の表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(セイコーインスツル社製 SPI3800Nプローブステーション及びSPA400多機能型ユニット)付属のCCDカメラを見ながら、測定エリアが金属パターンの細線に対し平行になり、探針が金属パターン細線の幅手方向の中心部上に来るように操作し、10×10μmの視野で測定した。その後、細線に平行に0.9μmおきに10ヵ所、長さ10μmの線を引き、その線上のRaを算出し、その平均値を表面粗さRa値として、表1に示した。
〔ポリマー導電層の形成〕
加熱処理、または加熱処理及びエッチング処理を施した電極1〜24上に、以下の方法でポリマー導電層を積層し、透明面電極1〜24を作製した。ポリマー導電層は3cm角のガラス基板、またはガスバリア性を有する透明面電極用のフィルム基板(PEN)の3.0cm×3.0cmの範囲に積層した。
電極1〜8、14〜21には下記塗布液Aを、電極9には下記塗布液Bを、電極10には下記塗布液Cを、電極11には下記塗布液Dを、電極12には下記塗布液Eを、電極13には下記塗布液Fを、電極24には下記塗布液Gを、それぞれ押し出し法を用いて、乾燥膜厚300nmになるように押し出しヘッドのスリット間隙を調整して塗布し、250℃で1分間のヒータ加熱を行った。また、電極22、23についても、下記塗布液Aを用いて塗布し、150℃で1分間のヒータ加熱を行った。
(ポリマー導電層形成用の塗布液の調製)
〈塗布液A〉
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、H.C.Starck社製) 1.59g
P−1(固形分20%水溶液) 0.35g
ジメチルスルホキシド(DMSO) 0.08g
〈塗布液B〉
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、H.C.Starck社製) 2.00g
ジメチルスルホキシド(DMSO) 0.08g
〈塗布液C〉
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、H.C.Starck社製) 1.59g
ポリビニルアルコール(PVA)PVA−235(クレハ製)固形分2%水溶液
3.50g
ジメチルスルホキシド(DMSO) 0.20g
〈塗布液D〉
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、H.C.Starck社製) 1.59g
P−2(固形分20%水溶液) 0.35g
ジメチルスルホキシド(DMSO) 0.08g
〈塗布液E〉
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、H.C.Starck社製) 1.59g
P−3(固形分20%水溶液) 0.35g
ジメチルスルホキシド(DMSO) 0.08g
〈塗布液F〉
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、H.C.Starck社製) 1.59g
ポリビニルピロリドン(PVP9(和光純薬)固形分2%水溶液
3.50g
ジメチルスルホキシド(DMSO) 0.20g
〈塗布液G〉
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、H.C.Starck社製) 1.59g
P−4(固形分20%水溶液) 0.35g
ジメチルスルホキシド(DMSO) 0.08g
(ポリマー(A)の合成)
上記塗布液Aの調製に用いたポリマー(A)であるP−1、塗布液Dの調製に用いたポリマー(A)であるP−2、塗布液Eの調製に用いたポリマー(A)であるP−3、及び塗布液Gの調製に用いたポリマー(A)であるP−4のそれぞれの合成方法を以下に示す。
〈合成例1:ポリマー(A)であるP−1の合成〉
500mlの三ツ口フラスコに、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記する)200mlを加え10分間加熱還流させた後、窒素下で室温に冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート(10.0g、86mmol、分子量:116.05)、アゾビスイソブチロニトリル(1.41g、8.5mmol、分子量:164.11、以下、AIBNと略記)を加え、5時間加熱還流した。室温に冷却した後、5000mlのメチルエチルケトン(以下、MEKと略記)中に反応溶液を滴下し、1時間攪拌した。MEKをデカンテーション後、200mlのMEKで3回洗浄後、THFでポリマーを溶解し、100mlフラスコへ移した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量35700、分子量分布2.3のP−1を9.0g(収率90%)得た。
分子量は、GPC(Waters2695、Waters社製)を用い、下記の条件で測定した。
〈GPC測定条件〉
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
〈合成例2:ポリマー(A)であるP−2の合成〉
上記合成例1において、モノマーとして、2−ヒドロキシエチルアクリレートに代えて、ヒドロキシメチルアクリレートを用いた以外は同様の方法により、P−2を得た。
〈合成例3:ポリマー(A)であるP−3の合成〉
200mlの三ツ口フラスコに、THF100mlを加えて10分間加熱還流させた後、窒素下で室温まで冷却した。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート(4.1g、35mmol、分子量:116.05)、ブレンマーPME−900(7.4g、15mmol、分子量:496.29)、AIBN(0.8g、5mmol、分子量:164.11)を加え、5時間加熱還流した。室温に冷却した後、3000mlのMEK中に反応溶液を滴下し、1時間攪拌した。MEKをデカンテーション後、100mlのMEKで3回洗浄後、THFでポリマーを溶解し、100mlフラスコへ移した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量33700、分子量分布2.4のP−3を10.3g(収率90%)得た。
〈合成例4:ポリマー(A)であるP−4の合成〉
上記合成例1において、モノマーとして、2−ヒドロキシエチルアクリレートに代えて、ヒドロキシエチルアクリルアミドを用いた以外は同様の方法により、P−4を得た。
《透明面電極の評価》
上記作製した透明面電極1〜24について、下記の方法に従って透明性の評価を行った。また、合わせて導電性(表面抵抗)の評価を行った。
(透明面電極の透明性の評価)
上記作製した透明面電極1〜24について、東京電色社製のヘイズメーターである HAZE METER NDH5000を用いて、全光線透過率を測定し、下記基準に従って透明性を評価した。有機電子デバイスに用いるためは、全光線透過率が75%以上である評価ランク◎、○であることが好ましい。
◎:全光線透過率が、80%以上である
○:全光線透過率が、75%以上、80%未満である
△:全光線透過率が、70%以上、75%未満である
×:全光線透過率が、70%未満である
以上により得られた結果を、表1に示す。
(透明面電極の導電性の評価)
また、上記作製した透明面電極1〜24について、抵抗率計(ロレスタGP(MCP−T610型、三菱化学アナリテック社製)を用いて表面抵抗値の測定を行った結果、すべての透明面電極が5Ω/□以下であり、優れた導電性も持つ透明面電極であることを確認した。
《有機ELデバイスの作製》
〔ITO基板の作製〕
3cm角のガラス基板と3cm角のガスバリア性を有する透明面電極用のフィルム基板に、ITO(インジウムチンオキシド)をスパッタ法により150nm成膜し、ITO基板を作製し、フォトリソ法により、アノード電極(中央部15mm×15mm)と取り出し部にITOが残るようにパターニングした。また、同様の手法で、取り出し電極にITOをもつガラス基板(アノード電極部分(中央部14mm×15mm)にITOがない)を作製した。
また、透明面電極1〜24については、上記透明面電極の作製と同様にして、表1に記載の条件で、金属パターン導電層を、3cm角のガラス基板、あるいはフィルム基板の中央部15mm×15mmに前述の方法で印刷し、加熱処理、エッチング処理を前述の方法で行い、さらにポリマー導電層を3cm角のガラス基板、あるいはフィルム基板の中央部17mm×17mmの範囲に前述の方法で積層した。さらに、アノード電極側の取り出し用ITO電極をスパッタ法にて作製した。なお、取り出し電極ITOと金属パターン導電層の一部は接点を持つように形成した。
ポリマー導電層を積層した透明面電極1〜24を超純水で洗浄後、アノード電極として、以下の手順でそれぞれ有機ELデバイス1〜24を作製した。正孔輸送層以降は蒸着により形成した。なお,導電性ポリマーを積層しなかった透明面電極9は洗浄を行わなかった。また、ポリビニルピロリドン(塗布液F)を積層した透明面電極13は導電層の一部が洗浄によりはがれてしまうため、洗浄は行わなかった。
〔有機層の形成〕
市販の真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々素子作製に必要量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
まず、正孔輸送層、有機発光層、正孔阻止層、電子輸送層からなる有機EL層を中央部17mm×17mmの範囲に順次形成した。
〈正孔輸送層の形成〉
真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物1の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、厚さ30nmの正孔輸送層を設けた。
〈有機発光層の形成〉
次に、以下の手順で各発光層を設けた。
形成した正孔輸送層上に、化合物2が13.0質量%、化合物3が3.7質量%、化合物5が83.3質量%になるように、化合物2、化合物3及び化合物5を蒸着速度0.1nm/秒で正孔輸送層と同じ領域に共蒸着し、発光極大波長が622nm、厚さ10nmの緑赤色燐光発光の有機発光層を形成した。
次いで、化合物4が10.0質量%、化合物5が90.0質量%になるように、化合物4及び化合物5を蒸着速度0.1nm/秒で緑赤色燐光発光の有機発光層と同じ領域に共蒸着し、発光極大波長が471nm、厚さ15nmの青色燐光発光の有機発光層を形成した。
〈正孔阻止層の形成〉
さらに、形成した有機発光層と同じ領域に、化合物6を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成した。
〈電子輸送層の形成〉
引き続き、形成した正孔阻止層と同じ領域に、CsFを膜厚比で10%になるように化合物6と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
Figure 0005880444
〔カソード電極の形成〕
上記形成した電子輸送層上に、15mm×22mmの陰極形成用材料としてAlを5×10−4Paの真空下にてマスク蒸着し、厚さ100nmの陰極を形成した。
さらに、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように、端部を除き陽極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材としAlを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させ封止膜を形成し、発光エリア15mm×15mmの有機ELデバイス1〜24を作製した。
《有機ELデバイスの評価》
得られた有機ELデバイス1〜24のそれぞれについて、電流リーク耐性、高温雰囲気での保存性、さらに折り曲げ耐性を下記の方法に従って評価した。なお、有機電子デバイス1〜24は均一発光しているのを目視で確認することができた。
(電流リーク耐性の評価)
有機ELデバイス1〜24をそれぞれ10個ずつ準備し、それぞれ10個について、印加電圧を、+3V、−3Vで逆転させながら、それぞれの電流値を測定し、下式に従って整流比を求めた。
整流比=+3V印加時の電流値/−3V印加時の電流値
発光効率の観点からは、上記整流比が1000以上であることが好ましく、10個の有機ELデバイス中、整流比が1000を越えている個体数をカウントし、下記の基準に従って、電流リーク耐性を評価した。大面積化に対応するためには、下記のランクで○以上のレベルであることが必須で、◎のレベルであることが特に好ましい。
◎:整流比が1000以上の個体数が、8個以上である
○:整流比が1000以上の個体数が、5個以上、8個未満である
△:整流比が1000以上の個体数が、3個以上、5個未満である
×:整流比が1000以上の個体数が、3個未満である
(保存性の評価)
有機ELデバイス1〜24について、それぞれ輝度1000cd/mを得るのに要する印加電圧Vを求めた。次いで、各有機ELデバイスを、80℃の恒温槽中で12時間保存した後、電圧Vを印加し、そのときの輝度を測定し、この恒温槽での恒温処理と輝度測定を繰り返しながら、輝度が半減値(500cd/m)に到達するまでの半減時間Tを求めた。
次いで、有機ELデバイスの作製において、アノード電極として、各透明面電極1〜24に代えて、ITOとした比較の有機ELデバイスA(基材:ガラス基材)、有機ELデバイスB(PEN基材)を作製し、これらの比較の有機ELデバイスA、Bについても、同様に半減時間Tを求めた。
次いで、半減時間比=半減時間T/半減時間T×100(%)を求め、これを耐久性の尺度とし、下記の基準に従って、保存性を評価した。
なお、評価に際しては、有機ELデバイス1〜21、24については、比較試料としては有機ELデバイスAを使用し、有機ELデバイス22、23については、比較試料としては有機ELデバイスBを使用した。
下記の評価ランクにおいて、○以上であれば好ましく、◎であれば特に好ましい。
◎:半減時間比が、120%以上である
○:半減時間比が、100%以上、120%未満である
△:半減時間比が、80%以上、100%未満である
×:半減時間比が、80%未満である
(折り曲げ耐性の評価)
上記有機ELデバイス1〜24の封止前のそれぞれの試料を、空気下に晒すことなく、窒素ガス雰囲気下のグローブボックスに入れ、破断応力100MPaで折り曲げを100回繰り返した後、KEITHLEY製のソースメジャーユニット2400型を用いて、各有機EL素子に直流電圧を印加して、輝度が1000cd/mになるよう発光させ、発光状態を目視評価し、下記の基準に従って折り曲げ耐性を評価した。
◎:均一発光しており、問題ない
○:部分的に発光ムラが見られるが、実用上許容範囲にある
△:半分以上が発光していない
×:ほとんど発光しない
以上により得られた各評価結果を、表1に示す。
Figure 0005880444
表1の結果から明らかなように、加熱処理または、化学エッチング処理により、金属パターン導電性の表面粗さRaを20nm以下とすることにより、電流リーク耐性が向上し、高温雰囲気での保存性に優れる有機電子デバイスが作製できることが分かる(有機電子デバイス1〜8の評価結果を参照)。
また、ポリマー導電層にポリマー(A)を用いると、特に、透明性に優れ、保存性にも優れることが分かる。
本発明の透明面電極は、高い透明性を維持しつつ、リーク電流の発生を抑制し、かつ保存性、折り曲げ耐性に優れ、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子に好適に利用できる。
1 透明な基材
2 金属パターン導電層
3 AFM測定エリア
4 Ra測定線

Claims (7)

  1. 透明な基材上に、平均粒径が5〜100nmの金属粒子を含有する金属パターン導電層を有し、該基材及び該金属パターン導電層上に導電性ポリマーを含有する透明なポリマー導電層を有する透明面電極であって、該金属パターン導電層の表面粗さRa(JIS、B0601(1994)に規定される表面粗さ)が20nm以下であり、かつ該ポリマー導電層がヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーを含有することを特徴とする透明面電極。
  2. 前記ヒドロキシル基を有する非導電性ポリマーが、下記一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するポリマー(A)であることを特徴とする請求項1に記載の透明面電極。
    Figure 0005880444
    〔式中、R及びRは各々水素原子またはメチル基を表し、Q及びQは各々−C(=O)O−または−C(=O)NRa−を表す。Raは水素原子またはアルキル基を表し、A及びAは各々置換または無置換のアルキレン基または−(CHCHRbO)x−CHCHRb−を表す。Rbは水素原子またはアルキル基を示し、xは平均繰り返しユニット数を表す。yは0または1を表す。Zはアルコキシ基、−O−C(=O)−Rc、−O−SO−Rdまたは−O−SiReを表す。Rc、Rd、Reは各々アルキル基、パーフルオロアルキル基またはアリール基を表す。ポリマー(A)内の一般式(1)の構造単位の構成率をm、一般式(2)の構造単位の構成率をnとすると、m+nの構成率(mol%)は、50≦m+n≦100であり、m/(m+n)≧0.2である。〕
  3. 請求項1または2に記載の透明面電極を製造する透明面電極の製造方法であって、
    明な基材上に、平均粒径が5〜100nmの範囲である金属粒子を含有する金属パターン導電層用塗布液を用い、印刷方式により金属パターンを形成する工程
    該金属パターンを形成した後、該金属パターンを、100〜250℃の温度範囲で第一加熱処理と300〜500℃の温度範囲で第二熱処理を施す工程、
    該金属パターン上にポリマー導電層を湿式法で形成する工程、
    を経て透明面電極を製造することを特徴とする透明面電極の製造方法。
  4. 前記第二熱処理を施す工程と、前記ポリマー導電層を湿式法で形成する工程との間に、金属パターンに化学エッチング処理を施す工程を有することを特徴とする請求項3に記載の透明面電極の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の透明面電極を製造する透明面電極の製造方法であって、
    透明な基材上に、平均粒径が5〜100nmの範囲である金属粒子を含有する金属パターン導電層用塗布液を用い、印刷方式により金属パターンを形成する工程、
    該金属パターンを形成した後、該金属パターンを100〜250℃の温度範囲で第一加熱処理を施す工程、
    該金属パターンに化学エッチング処理を施す工程、
    該金属パターン上にポリマー導電層を湿式法で形成する工程、
    を経て透明面電極を製造することを特徴とする透明面電極の製造方法
  6. 請求項1または2に記載の透明面電極を具備することを特徴とする有機エレクトロニクス素子。
  7. 前記有機エレクトロニクス素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロニクス素子
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