JP2010021059A - 水系炭素材料組成物及びそれを用いた電池用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記課題は、アニオン性樹脂及び/又はノニオン性樹脂で処理された炭素材料と、水系樹脂と、水系媒体と、を含んでなる水系炭素材料組成物により解決される。
【選択図】なし
Description
本発明のアニオン性樹脂及び/又はノニオン性樹脂は、水系樹脂との相溶性に問題なく、炭素材料を水系媒体に安定的に分散できれば特に制限はない。
炭素材料は導電性を有するものであれば特に制限はなく、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、黒鉛、黒鉛化カーボン、炭素繊維、及びフラーレン類等の炭素材料で、体積抵抗値が104Ω・cm以下の導電性が高いものが好ましい。
本発明の水系炭素材料組成物及びそれを用いた電池電極用組成物の調整のしやすさ分散安定性の観点から、本発明で用いる水系樹脂は、ゴムラテックス又は樹脂エマルジョン等の様な水系樹脂組成物として調整して使用するのが好ましい。本発明の水系炭素材料組成物中の水系樹脂は、水に一部溶解するかもしくは溶解しないで、エマルション等の状態で安定した状態を保つものであれば特に制限はない。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のラテックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンーアクリル酸共重合体、及びアクリル酸エステル共重合体等のエマルションが挙げられる。酸変性処理した樹脂を組み合わせて用いてもよい。
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びシトラコン酸等のエチレン性不飽和基を有するジカルボン酸類;
前記ジカルボン酸のアルキル若しくはアルケニルモノエステル類;
(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルイソフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルテレフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びω-カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート類;並びに、
クロトン酸、及びけい皮酸等のその他のエチレン性不飽和基を有するカルボン酸類等が挙げられる。
シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、及びセバシン酸ジヒドラジド等の脂肪族ジヒドラジド、炭酸ポリヒドラジド、脂肪族ビスセミカルバジド、脂環族セミカルバジド、芳香族ビスセミカルバジド、芳香族ジカルボン酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸のポリヒドラジド、芳香族炭化水素のジヒドラジド、ヒドラジン−ピリジン誘導体、並びに、マレイン酸ジヒドラジド等の不飽和ジカルボン酸のジヒドラジドなどが挙げられる。これらの化合物は、エマルションの固形分100重量部に対して0.1〜10.0重量部添加するのが好ましく、1〜5.0重量部添加するのが更に好ましい。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、及びヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキル(メタ)アクリレート類;
イソプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート等の分岐アルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボニル(メタ)アクリレート等の環状のアルキル(メタ)アクリレート類;
ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸アリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジオレフィン類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及び3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル(メタ)アクリレート、及びポリエチレングリコールモノステアリルエーテル(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル(メタ)フタレート、
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、及びグリセロール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート類;
4-ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、及びアリルアルコール等のヒドロキシル基を有するオレフィン類;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリレート類;
ジメチルアミノスチレン、及びジエチルアミノスチレン等の三級アミノ基を有するスチレン類;
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、及びジアルキロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;
N−ビニルホルムアミド等のビニルアミド類;
パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、及びパーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、及びパーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキル基を有するオレフィン類;
(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
ラクトン変性(メタ)アクリレートなどのポリエステル鎖を有するオレフィン類;
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩等の四級アンモニウム塩基を有する(メタ)アクリレート類;
トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、及びトリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩基を有する(メタ)アクリルアミド類;
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、及び1−ヘキサデセン等のα−オレフィン類;
酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸アリル、アリルベンゼン、及びシアン化アリル等のアリル類;
シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトン、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロロスチレンなどのその他のビニル類;
ブタジエン、及びイソプレン等のジエン類;
ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、及びエチレングリコールジ(メタ9アクリレート等の二つのエチレン性不飽和基を有するオレフィン類;並びに、
アセチレン、アセチルアルコール、エチニルベンゼン、及びエチニルトルエン等のエチニル類等が挙げられる。これらを単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。
スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS−120、S−120A、S−180P、S−180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2等);
アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンH−2855A、H−3855B、H−3855C、H−3856、HS−05、HS−10、HS−20、HS−30、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX−222、SDX−223、SDX−232、SDX−233、SDX−259、SE−10N、SE−20N、SE−等);
(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、MS−2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30等);
リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H−3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP−70等)が挙げられる。
アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40等);
(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA−564、RMA−568、RMA−1114等)が挙げられる。
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;
ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、及びソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;
ポリオキシエチレンモノラウレート、及びポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;
オレイン酸モノグリセライド、及びステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー; 並びに、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等を例示することができる。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;
ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;
ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;
モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩、及びその誘導体類;並びに、
ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩類等を例示することができる。
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;並びに、
グアガムなどの天然多糖類等が挙げられ、これらは、単独でも複数種併用の態様でも利用できる。水溶性保護コロイドの使用量としては、エチレン性不飽和単量体の合計100重量部当り0.1〜5重量部であり、更に好ましくは0.5〜2重量%である。
ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、及びジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;並びに、
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び1,1'−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリル等のアゾビス化合物等を挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。これら重合開始剤は、エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0.1〜10.0重量部の量を用いるのが好ましい。
2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びアミノメチルプロパノール等のアルコールアミン類;並びに、
モルホリン等の塩基で中和することができる。ただ、乾燥性に効果が高いのは揮発性の高い塩基であり、好ましい塩基はアミノメチルプロパノール、アンモニアである。
<水系媒体>
本発明の水系炭素材料組成物中の水系媒体は水を含むものであれば特に制限はないが、水に溶解するアルコール系溶剤、エステル系溶剤などがある。
本発明の水系炭素材料組成物中の固形分(不揮発分)は、1〜60重量%、好ましくは、5〜55重量%である。1重量%未満では、安定した塗膜形成が難しく、60重量%を超えると、安定的な塗工液として保持するのが難しくなり、ゲル化など引き起こすなど問題がある。
本発明の水系炭素材料組成物に、電極活物質を配合することによって、電池電極用組成物として使用することができる。本発明の水系炭素材料組成物は、ニッケル水素電池、リチウム電池、ニッケルカドミウム電池、及び鉛蓄電池等の二次電池の正極、及び負極に使用することができ、特にニッケル水素電池の負極に好適に使用することができる。その他、エネルギーデバイス、すなわち、電気二重層キャパシタ、太陽電池等にも使用することができる。
本発明の水系炭素材料組成物を用いた電池電極組成物には、成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調整剤、粘性調整剤等を、必要に応じて配合できる。本発明の水系炭素材料組成物を調整する際、あるいは本発明で用いる水系樹脂組成物を調整する際に、予め配合することもできる。
電池用電極を形成するには、前記電池電極用組成物を集電体に塗布し、加熱し、乾燥する。電池電極用組成物の塗布方法としては、リバースロール法、コンマバー法、グラビヤ法、エアーナイフ法など任意のコーターヘッドを用いることができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できる。また、乾燥後、プレス成形して電池用電極として用いられる。
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部と界面活性剤としてアデカリアソープSR−10(株式会社ADEKA製)0.2部とを仕込み、別途、スチレン10部、2−エチルヘキシルアクリレート60部、メチルメタクリレート10部、シクロヘキシルメタクリレート10部、アクリル酸5部、アクリルアミド1部、グリシジルメタクリレート4部、イオン交換水53部及び界面活性剤としてアデカリアソープSR−10(株式会社ADEKA製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルションのうちの1%を更に加えた。内温を70℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を70℃で5分間保持した後、内温を70℃に保ちながらプレエマルションの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液の残りを3時間かけて滴下し、更に2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却した。25%アンモニア水を添加して、pHを8.5とし、更にイオン交換水で固形分を48%に調整して水系樹脂組成物1(架橋型樹脂エマルション)を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
表1に示す配合組成で、水系樹脂組成物の調整例1と同様の方法で合成し、調整例2〜4の水系樹脂組成物2〜4(架橋型樹脂エマルション)、水系樹脂組成物8〜9(非架橋型樹脂エマルション)を得た。
表1に示す配合組成で、使用する界面活性剤の10%を反応容器に仕込み、残りの90%をプレエマルションの作製に使用する以外は、水系樹脂組成物の調整例1と同様の方法で、乳化重合を行った後に、表1に示したアジピン酸ヒドラジド(カルボニ基と反応しうる官能基を有する化合物)を添加して、水系樹脂組成物5、及び7(架橋型樹脂エマルション)を得た。
表1に示す配合組成で、使用する界面活性剤の10%を反応容器に仕込み、残りの90%をプレエマルションの作製に使用する以外は、水系樹脂組成物の調整例1と同様の方法で、乳化重合を行った後に、表1に示したカルボジライトV−02(カルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物 日清紡績製 カルボジイミド硬化剤)を添加して、水系樹脂組成物6(架橋型樹脂エマルション)を得た。
・アジピン酸ジヒドラジド(カルボニル基と反応しうる官能基を有する化合物)
・アデカリアソープ SR−10:アルキルエーテル系アニオン性界面活性剤(株式会社ADEKA製)
・アデカリアソープ ER−20:アルキルエーテル系ノニオン性界面活性剤(株式会社ADEKA製)
[実施例1−1]
炭素材料に密度1.0g/mlの時の体積抵抗値が3.3×10-2Ω・cmのアセチレンブラックであるHS100(電気化学工業製)を選び、炭素材料100部に対してノニオン性樹脂であるポリビニルピロリドン1.5部およびイオン交換水100部を混合し、0.8mmガラスビーズ200部を入れたのちスキャンデックスで2時間分散処理した。更にビーズを取り除いて、水系樹脂組成物1 208部とイオン交換水を加えて調整し、固形分30%の水系炭素材料組成物1−1を得た。
水系樹脂組成物1を水系樹脂組成物2〜9に替える以外は、実施例1−1と同様にして、水系炭素系組成物1−2〜1−9を得た。
炭素材料に密度1.0g/mlの時の体積抵抗値が3.3×10-2Ω・cmのアセチレンブラックであるHS100(電気化学工業製)を選び、炭素材料100部に対して中和アニオン性樹脂であるナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合樹脂1.5部およびイオン交換水100部を混合し、0.8mmガラスビーズ200部を入れたのちスキャンデックスで2時間分散処理した。更にビーズを取り除いて、水系樹脂組成物5 208部とイオン交換水を加えて調整し、固形分30%の水系炭素材料組成物2を得た。
炭素材料に密度1.0g/mlの時の体積抵抗値が3.3×10-2Ω・cmのアセチレンブラックであるHS100(電気化学工業製)を選び、炭素材料100部に対してノニオン性樹脂であるポリビニルピロリドン1.5部およびイオン交換水100部を混合し、0.8mmガラスビーズ200部を入れたのちスキャンデックスで2時間分散処理した。更にビーズを取り除いて、水系樹脂組成物5 208部とイオン交換水を加えて調整し、固形分30%の水系炭素材料組成物3を得た。
炭素材料に密度1.0g/mlの時の体積抵抗値が3.3×10-2Ω・cmのアセチレンブラックであるHS100(電気化学工業製)を選び、炭素材料100部に対して中和アニオン性樹脂であるナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合樹脂1.5部およびイオン交換水100部を混合し、0.8mmガラスビーズ200部を入れたのちスキャンデックスで2時間分散処理した。更にビーズを取り除いて、水系樹脂組成物1 208部とイオン交換水を加えて調整し、固形分30%の水系炭素材料組成物4を得た。
炭素材料に密度1.0g/mlの時の体積抵抗値が3.3×10-2Ω・cmのアセチレンブラックであるHS100(電気化学工業製)を選び、炭素材料100部に対してノニオン性樹脂であるポリビニルピロリドン1.5部およびイオン交換水100部を混合し、0.8mmガラスビーズを200部を入れたのちスキャンデックスで2時間分散処理した。更にビーズを取り除いて、水系樹脂組成物1 208部とイオン交換水を加えて調整し、固形分30%の水系炭素材料組成物5を得た。
炭素材料に密度1.0g/mlの時の体積抵抗値が3.3×10-2Ω・cmのアセチレンブラックであるHS100(電気化学工業製)を選び、炭素材料100部に対してノニオン性樹脂であるポリビニルピロリドン1.5部およびイオン交換水100部を混合し、0.8mmガラスビーズを200部を入れたのちスキャンデックスで2時間分散処理した。更にビーズを取り除いて、ナルスターSR−130(日本エイ アンド エル製 スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 固形分49%)204部とイオン交換水を加えて調整し、固形分30%の水系炭素材料組成物6を得た。
ノニオン性樹脂であるポリビニルピロリドン1.5部をカチオン性樹脂であるポリアリルアミン(MW=1.5万)1.5部に変えた以外は実施例1−1と同様にして、水系炭素材料組成物7を得た。
上記得られた水系炭素材料組成物2部に対して、平均粒径37μmの水素吸蔵合金粉末100部、併用する他のバインダーとしてカルボキシメチルセルロース0.5部を添加し全固形分が50%になるように適量のイオン交換水を加えて、本発明の電池電極用組成物として、負極用スラリー(塗液)を調整した。このスラリー(塗液)をパンチングメタル(厚み60μm)に塗布し、120℃1時間乾燥した後ロールプレスを行って負極を得た。生成した負極の厚みは160μmであった。
負極表面にナイフを用いて、合材層から集電体に達する深さまでの切込みを2mm間隔で縦横それぞれ6本入れて碁盤目の切込みを入れた。この切り込みに粘着テープを貼り付けて直ちに引き剥がし、活物質の脱落の程度を目視判定で判定した。評価結果を表1に示す。評価基準を下記に示す。
○△:「ごく1部剥離」
△:「ほとんどの部分で剥離」
×:「完全に剥離」
(塗液安定性)
作成した負極電極用ペースト(電池電極用組成物)を40℃1週間放置して、相溶性の評価を活物質の沈降や溶液のゲル化、白濁の程度を目視判定で判定した。評価結果を表1に示す。評価基準を下記に示す。
○△:「ごく1部ゲル化又は白濁」
△:「ほとんどの部分でゲル化」
×:「完全にゲル化もしくは沈降」
(電池特性評価)
水系炭素材料組成物1−1〜1−9、2〜6を用いて調整した正極、負極と電解液として6規定の水酸化カリウム水溶液およびセパレーターを組み込んだニッケル水素二次電池の充放電サイクル試験を行った。1回目の放電容量を100%として100サイクルでの放電容量を測定し変化率とした(100%に近いほど良好)。評価結果を表1に示す。
△:放電容量95%以上から98%未満を保持
×:95%未満
評価結果を表2に示す。
Claims (7)
- アニオン性樹脂及び/又はノニオン性樹脂で処理された炭素材料と、水系樹脂と、水系媒体と、を含んでなる水系炭素材料組成物。
- アニオン性樹脂及び/又はノニオン性樹脂が、炭素材料に対して0.01〜50重量%である請求項1記載の水系炭素材料組成物。
- 水系樹脂が、全エチレン性不飽和単量体に対して、
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体、アルコキシシリル基を有するエチレン性不飽和単量体、及びN−メチロール基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群から選ばれる1種類以上の単量体0.1〜5重量%と、
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体、及びターシャリーブチル基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群から選ばれる1種類以上の単量体0.2〜5.0重量%と、
その他の1種類以上のエチレン性不飽和単量体90.0〜99.7重量%と、
を含むエチレン性不飽和単量体を乳化重合してなる水系樹脂である請求項1又は2記載の水系炭素材料組成物。 - 水系樹脂が、全エチレン性不飽和単量体に対して、
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体、及びターシャリーブチル基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群から選ばれる1種類以上の単量体0.5〜10.0重量%と、
その他の1種類以上のエチレン性不飽和単量体90.0〜99.5重量%と、
を含むエチレン性不飽和単量体を乳化重合してなる水系樹脂であって、
更に、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物とを含んでなる請求項1又は2記載の水系炭素材料組成物。 - 水系樹脂が、全エチレン性不飽和単量体に対して、
カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体0.5〜10.0重量%と、
その他の1種類以上のエチレン性不飽和単量体90.0〜99.5重量%と、
を含むエチレン性不飽和単量体を乳化重合してなる水系樹脂であって、
更に、カルボニル基と反応しうる官能基を有する化合物とを含んでなる請求項1又は2記載の水系炭素材料組成物。 - その他の1種類以上のエチレン性不飽和単量体が、スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート、及びシクロヘキシルメタクリレートからなる群選ばれる1種類以上を含む請求項3〜5いずれか記載の水系炭素材料組成物。
- 請求項1〜6のいずれか記載の水系炭素材料組成物を使用した電池電極用組成物。
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