JP2010017834A - マテリアルハンド用クランプ機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークの基準孔への差し込み時には、左右のクランプ部の間隔を狭めて挿入するため、ワークズレの発生が少なく、シリンダーロッドを伸長させて内側から左右のクランプ溝によって押圧するため、クランプ力が大きく搬送中にワークの落下することを防止する。
【解決手段】シリンダー1と、支持部20及び支持部に直角方向に設ける頭部21とからなるT字状支持体2と、スライドクランプユニット3とを有し、スライドクランプユニット3は、T字状支持体の頭部に沿って左右に移動可能である左右のクランプ部30と、左右のクランプ部30のそれぞれとシリンダーロッド10との間に2つのリンク32を回動自在に設けてなり、シリンダーロッドの伸長により左右のクランプ部30のクランプ溝31によってワークをクランプ状態にし、シリンダーロッドの縮短によりアンクランプ状態にするマテリアルハンド用クランプ機構による。
【選択図】図3

Description

この発明は、自動車製造工場などの組立工程等において使用されるワーク搬送、ワーク組立などの作業を行う作業用ロボットのマテリアルハンド用クランプ機構に関する。
自動車等の製造工場において、各々の組立工程では多数のマテリアルハンド(マテハン)を有する作業用ロボットが使用されており、それらの作業用ロボットは予め指定された制御装置によってワークに対して、マテリアルハンドによってワークの一定の大きさの基準孔にクランプして、そのワークを一定の定められた位置、場所に搬送し、組立する作業を行っていた。
従来の作業用ロボットが使用していたマテリアルハンド用クランプ機構100は、図8に示すようなピンクランプシリンダータイプと呼ばれるもので、シリンダー本体101にワークWのワーク基準孔Hの内径に近い径のピン102を固定して設けており、そのピン102にシリンダーロッドの伸縮によって開閉するクランプ部103が設けられていた。
そして、図8に示される従来のマテリアルハンド用クランプ機構100は、ピン102がワーク基準孔Hに挿入された後、シリンダーロッドの伸長によって閉じていたクランプ部103が左右に開きシリンダー本体104の端面との間にワークWを挟み込んで、クランプし、ワークWを適宜決められた位置等に搬送していた。
しかし図8に示される従来のマテリアルハンド用クランプ機構100であると、ピン102の外径がワーク基準孔Hの内径に近いため、ピン102の差し込み時に、ワークズレが発生しやすく、ピン102とワークWとの衝突が起こり製品にマイナスの影響がでる課題があった。
また、図8に示される従来のマテリアルハンド用クランプ機構100であると、ワークWは、左右に開いたクランプ部103とシリンダー本体104の端面との間にワークWを挟み込んでいるが、左右のクランプ部103のクランプ面積が広く取れないため、クランプ不良で作業中にワークWが落下してしまうという問題点があった。
上記課題を解決するために、シリンダーロッド及びシリンダー本体からなるシリンダーと、シリンダー本体にシリンダーロッドが伸長する方向に固定されて設けられる支持部及び支持部の先端に直角方向に設ける頭部とからなるT字状支持体と、スライドクランプユニットとを有し、
スライドクランプユニットは、先端部にクランプ溝をそれぞれ設けた左右のクランプ部と、左右のクランプ部のそれぞれとシリンダーロッドとの間に互いに回動可能に設けられる2つのリンクとからなり、左右のクランプ部は、T字状支持体の頭部に沿って左右にスライド移動可能であり、
シリンダーロッドは、T字状支持体の支持部に沿って伸縮可能であり、
シリンダーロッドの伸長により左右のクランプ部の間隔を広げ左右のクランプ溝によってワークをクランプ状態にし、シリンダーロッドの縮短により左右のクランプ部の間隔を狭めワークをアンクランプ状態にすることが可能なことを特徴とするマテリアルハンド用クランプ機構を提案する。
この発明によれば、ワークの基準孔への差し込み時には、左右のクランプ部の間隔を狭めてワーク基準孔Hに挿入することができるため、従来に比較してワークズレが発生することが少なくなるという効果がある。
また、シリンダーロッドを伸長させてワーク基準孔Hの内側から左右のクランプ溝によって押圧するため、従来のクランプ部よりクランプ力が大きく搬送中にワークの落下することを防止することができる。
この発明の実施形態であるマテリアルハンド用クランプ機構を示し、ワークWの基準孔Hをクランプした状態を示す正面図である図1、同じくその平面図である図2,ワークWの基準孔Hからアンクランプした状態を示す正面図である図3、同じくその平面図である図4、この発明の実施形態であるマテリアルハンド用クランプ機構の斜視図である図5、図5のAA線断面図である図6、ワークWの平面図であり、ワークWに2つの基準孔Hがある場合、それぞれ左右のクランプ溝によってクランプする場合のクランプ方向を示す説明図である図7に基づいて説明する。
この発明の実施形態であるマテリアルハンド用クランプ機構は、シリンダーロッド10及びシリンダー本体11からなるシリンダー1と、支持部20及び頭部21とからなるT字状支持体2と、スライドクランプユニット3とを有している。
T字状支持体2の支持部20は、長方形の板状体又は四角筒体又は四角柱体からなり、基端部をシリンダー本体11に固定しており、シリンダーロッド10が伸長する方向に固定されている。支持部20の先端部に、支持部20の長手方向とは直角方向に設ける円柱体からなる頭部21を設け、スライドクランプユニット3の左右のクランプ部30、30をスライド移動可能に設けている。
スライドクランプユニット3は、T字状支持体2の頭部21に沿って左右にスライド移動可能であり、その左右の両先端面に水平方向に形成されているクランプ溝31を有する左右のクランプ部30、30と、その左右クランプ部30、30のそれぞれとシリンダーロッド10の先端部との間に設けられる左右のリンク32L、32Rとからなる。
左右のリンク32L、32Rは、共に下端部でシリンダーロッド10の上端部と回動可能に連結しており、上端部で左右のクランプ部30、30と回動可能に連結している。図6に左右のリンク32L、32Rの下端部とシリンダーロッド10の上端部との連結形態を示しており、シリンダーロッド10に設けた回動軸10aに左右のリンク32L、32Rの下端部が回動可能に連結している。
シリンダー1のシリンダーロッド10は、伸縮可能であり、T字状支持体2の支持部20の長手方向に往復移動する。シリンダーロッド10が、伸長すると2つのリンク32L、32Rは、上端部が左右のクランプ部30,30に回動自在に連結しているので、左右のクランプ部30、30を左右に互いの間隔が広がるように頭部21に沿ってスライド移動する。また逆にシリンダーロッド10が縮短するとリンク32、32を介して左右のクランプ部30、30の互いの間隔が狭まるように頭部21に沿ってスライド移動する。
次に、この発明の実施形態であるマテリアルハンド用クランプ機構の作用について説明する。作業用ロボットに備えられるマテリアルハンド用クランプ機構は、予め定められた使用対称であるワークWの基準孔Hの内径の大きさの違いに対応して左右のクランプ部30、30の互いの間隔や、ワークWの厚さに対応してクランプ溝31の幅を決めておく。
次いで、作業用ロボットはワークWをクランプしていない状態では常にクランプ部30、30をアンクランプ状態にしておく。すなわちシリンダーロッド10を縮短させ、左右のクランプ部30、30の互いの間隔を最小にしておく。この状態で作業用ロボットは決められたワークWの位置まで行き、シリンダーロッド10を伸長させ左右のクランプ部30、30をワークWの基準孔Hへ差し込む。
この状態で、シリンダーロッド10を伸長させる。するとリンク32L、32Rを介して左右のクランプ部30、30が押されて頭部21方向に沿って互いに間隔を離す方向に左右にスライド移動する。そして、左右のクランプ溝31、31によってワークWの基準孔Hを内側から押圧してクランプする。シリンダー1のシリンダーロッド10が伸長する方向に圧力を掛けていることによってクランプ状態が保たれる。ワークWは、このクランプ機構を備えたマテリアルハンドを有する作業用ロボットによって搬送、組立等の作業が行われる。
次に、ワークWを定められた場所まで運搬後アンクランプする場合は、逆にシリンダーロッド10を縮短させる。するとリンク32L、32Rを介して左右のクランプ部30、30が引っ張られ頭部21方向に沿って互いに近づく方向にスライド移動し、左右のクランプ溝31、31はワークWの基準孔Hの内側から離れ、互いの左右のクランプ部30、30の間隔は狭まり、アンクランプ状態となる。
この状態で作業用ロボットが動くことによってスムースにクランプしていたワークWから離れ、次の作用に移ることができる。
また、ワークWが図7のように2つ以上の基準孔Hを有する場合、2つのクランプ部30、30に移動する方向は直交する方向にした方が、作業用ロボットによって搬送、組み立て作業のときに落下しにくい。
この発明は、自動車製造工場などの組立工程等において使用されるワーク搬送用、組立用ロボットのマテリアルハンドに利用する。
この発明の実施形態であるマテリアルハンド用クランプ機構を示し、ワークWの基準孔Hをクランプした状態を示す正面図、 図1の平面図 この発明の実施形態であるマテリアルハンド用クランプ機構を示し、ワークWの基準孔Hからアンクランプした状態を示す正面図 図3の平面図 この発明の実施形態であるマテリアルハンド用クランプ機構の斜視図 図5のAA線断面図 ワークの平面図であり、ワークに2つの基準孔Hがある場合、それぞれ左右のクランプ溝によってクランプする場合のクランプ方向を示す説明図 従来のマテリアルハンド用クランプ機構がワークをクランプした状態の正面図
符号の説明
1 シリンダー
10 シリンダーロッド
10a 回動軸
11 シリンダー本体
2 T字状支持体
20 支持部
21 頭部
3 スライドクランプユニット
30 クランプ部
31 クランプ溝
32 リンク

Claims (1)

  1. シリンダーロッド及びシリンダー本体からなるシリンダーと、シリンダー本体にシリンダーロッドが伸長する方向に固定されて設けられる支持部及び支持部の先端に直角方向に設ける頭部とからなるT字状支持体と、スライドクランプユニットとを有し、
    スライドクランプユニットは、先端部にクランプ溝をそれぞれ設けた左右のクランプ部と、左右のクランプ部のそれぞれとシリンダーロッドとの間に互いに回動可能に設けられる2つのリンクとからなり、左右のクランプ部は、T字状支持体の頭部に沿って左右にスライド移動可能であり、
    シリンダーロッドは、T字状支持体の支持部に沿って伸縮可能であり、
    シリンダーロッドの伸長により左右のクランプ部の間隔を広げ左右のクランプ溝によってワークをクランプ状態にし、シリンダーロッドの縮短により左右のクランプ部の間隔を狭めワークをアンクランプ状態にすることが可能なことを特徴とするマテリアルハンド用クランプ機構。
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