JP2010017034A - 密閉型モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】密閉型モータ10は、カバー22によってグロメット18が筐体12に密着することで、筐体12とグロメット18との密閉性が確保される。又、チューブ20がグロメット18の円管状突起部18bに嵌合することで、グロメット18とチューブ20との密閉性が確保される。このように、グロメット18、チューブ20、カバー22の三体構造によって、従来の如く流動型のシリコンゴムを隙間に流し込んで固める構造や、防水用コネクタヘッダーを用いることなく、密閉型モータ10の筐体12におけるリード線の引き出し部分16の密閉処理が確実になされる。
【選択図】図1
Description
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、モータの筐体の大型化を防ぎつつ、筐体におけるリード線の引き出し部分の密閉性を確保することにある。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。なお、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の密閉型モータは、カバーによってグロメットが筐体に密着することで、筐体とグロメットとの密閉性が確保される。又、チューブがグロメットの円管状突起部に嵌合することで、グロメットとチューブとの密閉性が確保される。
本項に記載の密閉型モータは、グロメットの台座部が筐体に密着することで、筐体とグロメットとの密閉性が確保される。又、チューブの内径がグロメットの円管状突起部の外径以下に形成されていることから、チューブがグロメットの円管状突起部に嵌合することによりチューブ又はグロメットの円管状突起部が弾性変形して互いに密着し、グロメットとチューブとの密閉性が確保される。更に、グロメットの円管状突起部の基端部を囲む環状溝部に、チューブの端部が嵌合することで、グロメットとチューブとの密閉性がより高まり、かつ、両者の位置ずれが防止される。
又、円管状突起部の内孔の断面積は、挿通されるリード線の断面積以上に形成されていることから、リード線が円管状突起部に圧縮されることによるリード線の絶縁層の損傷が回避される。チューブの内孔の断面積についても、リード線の断面積以上に形成されていることから、リード線がチューブに圧縮されることによるリード線の絶縁層の損傷が回避される。
本項に記載の密閉型モータは、カバーが、その貫通孔にグロメットの円管状突起部及び該円管状突起部に嵌合したチューブを挿通した状態で、グロメットに覆い被さり筐体に固定されることで、グロメットは筐体に密着する。
本項に記載の密閉型モータは、カバーが、その貫通孔にグロメットの円管状突起部及び該円管状突起部に嵌合したチューブを挿通した状態で、グロメットに覆い被さり筐体に固定される際に、チューブの端部に形成された大径部が、カバーの貫通孔の通過を防ぐ抜け止めとして機能する。
本項に記載の密閉型モータは、チューブ端部を折り返してなる大径部が、カバーの貫通孔からのチューブの脱落を防ぐ抜け止めとして機能するものである。
本項に記載の密閉型モータは、折り返したチューブ端部を更に半径方向外側に広げてなる大径部が、カバーの貫通孔からのチューブの脱落を防ぐ抜け止めとして機能するものである。
本項に記載の密閉型モータは、チューブ端部を肉厚に形成してなる大径部が、カバーの貫通孔からのチューブの脱落を防ぐ抜け止めとして機能するものである。
本項に記載の密閉型モータは、チューブ端部近傍に別体のリングを固定してなる大径部が、カバーの貫通孔からのチューブの脱落を防ぐ抜け止めとして機能するものである。なお、リングは、チューブ端部に直接固定しても良く、チューブ端部を折り返した上でリングを固定しても良く、折り返したチューブ端部を更に半径方向外側に広げた状態でリングを固定しても良く、チューブ端部を肉厚に形成した上でリングを固定しても良い。
本項に記載の密閉型モータは、グロメットの円管状突起部の外周壁が、基端部から先端部へ向けて縮径していることにより、円管状突起部に対するチューブ端部の嵌合が簡単かつ確実となる。
本項に記載の密閉型モータは、カバーの平板部がグロメットの台座部上面に単に当接した状態では、台座部の厚さより短い脚部は、密閉型モータの筐体に対し離間している。しかしながら、脚部が筐体に当接するように、カバーによってグロメットの台座部を圧縮することで、グロメットは筐体に強く密着し、筐体とグロメットの密閉性が確保される。
本項に記載の密閉型モータは、グロメットおよびカバーに形成された貫通孔にねじを挿通して筐体に締め付け、カバーの脚部が筐体に当接させることで、カバーによりグロメットの台座部を圧縮する。よって、グロメットは筐体に密着して、筐体とグロメットとの密閉性が確保される。
ここで、円管状突起部18bの内孔の断面積は、挿通されるリード線14の断面積以上に形成されている。図示の例では、リード線14は複数本が束になっていることから、円管状突起部18bの内孔の断面積は、全てのリード線の断面積以上となっている。更に、円管状突起部18bの外周壁は、図3に示されるように、基端部から先端部へ向けてD18bからD18t(D18b>D18t)へと縮径している。加えて、台座部18aには、筐体12のねじ穴12bに螺合するねじ24の貫通孔18dが形成されている。
更に、カバー22は、グロメット18に覆い被さり、筐体12に固定されるものであり、図示の例では、冷間圧延軟鋼板からなる板金部品である。カバー22は、図5に示されるように、グロメット18の台座部18aの上面に密着する平板部22bと、グロメット18の台座部18aの側面に沿って折り曲げられた、台座部18aの厚さ(図3(b)の符号T18a参照)より短い脚部22c(図5(b)の符号H22c参照)とを備えている(T18a>H22c)。なお、カバー22の平板部22bには、筐体12のねじ穴12bに螺合するねじ24の貫通孔22dが形成されている。
まず、グロメット18の円管状突起部18bに、筐体12の開口12aから引き出されたリード線14を挿通し、筐体12の開口12aを塞ぐように、筐体12にグロメット18を載置する。この際、筐体12のねじ穴12bにグロメット18の貫通孔18dを一致させる。
次に、グロメット18の円管状突起部18bから引き出されたリード線14をチューブ20に挿通し、チューブ20の端部を折り返して、チューブ20の端部に大径部20aを形成する。
そして、カバー22の貫通孔22aにリード線14及びチューブ20を挿通し、グロメット18の台座部18aの上面に、カバー22の平板部22bを載置する。この際、グロメット18の貫通孔18dに、カバー22の貫通孔22dを一致させる。
最後に、ねじ24をカバー22の貫通孔22d及びグロメット18の貫通孔18dに挿通し、カバー22の脚部22cが筐体12に当接する状態となるまで筐体12のねじ穴12bに締め付けることにより、グロメット18の台座部18aを圧縮変形させ、グロメットの台座部18aを筐体12の表面に密着させる。
すなわち、本発明の実施の形態に係る密閉型モータ10は、カバー22によってグロメット18が筐体12に密着することで、筐体12とグロメット18との密閉性が確保される。又、チューブ20がグロメット18の円管状突起部18bに嵌合することで、グロメット18とチューブ20との密閉性が確保される。このように、グロメット18、チューブ20、カバー22の三体構造によって、従来の如く流動型のシリコンゴムを隙間に流し込んで固める構造や、防水用コネクタヘッダーを用いることなく、密閉型モータ10の筐体12におけるリード線の引き出し部分16の密閉処理が確実になされるものとなる。
しかも、カバー22が、その貫通孔22aにグロメット18の円管状突起部18b及び円管状突起部18bに嵌合したチューブ20を挿通した状態で、グロメット18に覆い被さり筐体12に固定される際に、チューブ端部を折り返して形成された大径部20aが、カバー22の貫通孔22aに対するチューブ20の通過を防ぐ抜け止めとして機能することとなる。
又、カバー22の平板部22bがグロメット18の台座部18aの上面に単に当接した状態では、台座部18aの厚さT18aより短い脚部22cは(H22c)、密閉型モータ10の筐体12に対し離間している。しかしながら、脚部22cが筐体12に当接するように、カバー22によってグロメット18の台座部18aを圧縮することで、グロメット18は筐体12に強く密着し、筐体12とグロメット18の密閉性が確保されることとなる。この際、本発明の実施の形態ではカバー22の脚部22cは長方形の平板部22bの短片にのみ形成されており長辺には形成されていないことから、グロメット18の台座部18aは、カバー22から一部はみ出るようにして変形することも可能である。従って、例えばグロメット18がカバー22によりその四方を密閉されるような構成を想定した場合と比較して、グロメット18が圧縮された状態でもリード線14とグロメット18とが必要以上に密着して過大な圧力がリード線14に加わることにより、リード線14の絶縁層が裂けるといった危険性が少なくなる。その結果、リード線14の絶縁層を硬い樹脂で構成する必要もなくなり、この点からも、筐体12におけるリード線14の引き出し部分の密閉性を確保するための構造を、安価に構成することが可能となる。又、かかる作用効果は、グロメット18の変形時のはみ出し代(開口部)がカバー22に形成されていれば、図示のカバー形状に限定されることなく、同様に得ることが可能である。
なお、本実施の形態では、グロメット18およびカバー22に形成された貫通孔18d、22dにねじを挿通24して筐体12に締め付けることで、カバー22の脚部22cが筐体12に当接するように、カバー22によってグロメット18の台座部18aを圧縮し、グロメット18は筐体12に密着して、筐体12とグロメット18との密閉性が確保されるものである。
図9は、チューブ端部を肉厚に形成した大径部20bと、リング26とを組み合わせたものである。この例では、カバー22の貫通孔22aは、チューブ20よりも大径に形成されているが、リング26が貫通孔22aから抜け落ちることはない。更に、図10に示されたチューブ20の大径部20cは、チューブ端部を折り返し更に半径方向外側に広げたものである。
これら何れの応用例も、図2、図6に示されたチューブ20の大径部20aと同様に機能するものである。
Claims (9)
- 弾性体で構成され、リード線が挿通される貫通孔を有し、モータの筐体に密着し該筐体に形成された開口を塞ぐグロメットと、該グロメットに連結され内部にリード線が挿通される弾性体で構成されチューブと、前記グロメットに覆い被さり前記筐体に固定されるカバーとを備え、
前記グロメットは、前記筐体に密着する台座部と、該台座部から前記筐体の外側に突出しリード線が挿通される貫通孔を構成する円管状突起部と、該円管状突起部の基端部を囲む環状溝部とを備え、前記円管状突起部の内孔の断面積は、挿通されるリード線の断面積以上に形成され、
前記チューブの、内孔の断面積が前記リード線の断面積以上、かつ、内径が前記グロメットの円管状突起部の外径以下に形成され、
前記カバーは、前記グロメットの円管状突起部及び前記チューブを挿通するための、前記チューブの外径以上の直径の貫通穴を備えることを特徴とする密閉型モータ。 - 前記チューブの端部には、前記カバーの貫通孔の直径を越える大径部が構成されていることを特徴とする請求項1記載の密閉型モータ。
- 前記大径部は、チューブ端部を折り返してなる請求項2記載の密閉型モータ。
- 前記大径部は、折り返したチューブ端部を更に半径方向外側に広げてなる請求項3記載の密閉型モータ。
- 前記大径部は、チューブ端部を肉厚に形成してなる請求項2記載の密閉型モータ。
- 前記大径部は、チューブ端部近傍に別体のリングを固定してなる請求項2から5のいずれか1項記載の密閉型モータ。
- 前記グロメットの円管状突起部の外周壁は、基端部から先端部へ向けて縮径していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の密閉型モータ。
- 前記カバーは、前記グロメットの台座部上面に密着する平板部と、前記グロメットの台座部側面に沿って折り曲げられた、前記台座部の厚さより短い脚部とを備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の密閉型モータ。
- 前記グロメットおよび前記カバーには、前記筐体に螺合するねじの貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の密閉型モータ。
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