JP2010006042A - 内装化粧材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】密度が0.40g/cm2未満の範囲である低密度木質系繊維板の上に、密度が0.70g/cm2以上の範囲である高密度木質系繊維板を積層してなる内装化粧材である。
【選択図】図1
Description
(1)密度が0.40g/cm2未満の範囲である低密度木質系繊維板の上に、密度が0.70g/cm2以上の範囲である高密度木質系繊維板を積層してなる内装化粧材、
(2)前記低密度木質系繊維板の前記高密度木質系繊維板を設けた裏面に、さらに高密度木質系繊維板を積層してなる前記(1)に記載の内装化粧材、
(3)前記高密度木質系繊維板に、化粧シートを積層してなる前記(1)又は(2)に記載の内装化粧材、
(4)前記高密度木質系繊維板が、MDF(中密度繊維板)である前記(1)又は(3)に記載の内装化粧材、
(5)前記高密度木質系繊維板の少なくとも一方が、MDF(中密度繊維板)である前記(2)又は(3)に記載の内装化粧材、
(6)前記低密度木質系繊維板が、インシュレーションボードである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の内装化粧材、及び
(7)腰壁に用いられる前記(1)〜(6)のいずれかに記載の内装化粧材、
を提供するものである。
本発明にかかる高密度木質系繊維板は、JIS A5905−2003に規定される繊維板のうち、密度0.70g/m2以上の木質系繊維板のことをいう。前記JISで規定される木質系繊維板は、主に木材等の植物繊維を成型したボードであり、一般に表面の硬度が高く、適切な密度のものを選択すれば、物体が衝突した際の凹みに対して強い、有用な材料である。また、材料のコストも、プラスチックと比較して安価に入手可能である。
このような高密度木質系繊維板としては、MDF(中密度繊維板)、ハードボードなどが好ましく挙げられる。これらの高密度木質系繊維板は、比較的安価で表面性が良好であり、化粧シートを平滑にラミネートすることができ、定寸に切断して施工を行う際の切削性も良好であることから、好ましい。複数の高密度木質系繊維板を用いる場合には、これらの高密度木質系繊維板は同じであっても、異なっていてもよいが、反りを低減させる観点から同じであることが好ましい。
本発明にかかる低密度木質系繊維板は、JIS A5905−2003に規定される繊維板のうち、密度0.40g/m2未満の木質系繊維板のことをいう。このような低密度木質系繊維板としては、インシュレーションボード、タタミボード、シージングボードなどが挙げられ、反りを低減させる観点からインシュレーションボードが好ましい。
低密度木質系繊維板の厚さは、特に制限はないが、木質系繊維板の製造上の制限、及び重量の観点から、1〜5mmが好ましく、2〜5mmがより好ましく、3〜5mmがさらに好ましい。
本発明の内装化粧材において、高密度木質系繊維板と低密度木質系繊維板との間、及び高密度木質系繊維板と化粧シートとの間には、各々接着剤層が設けられる。
接着剤層に用いられる接着剤としては、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、アイオノマー系樹脂、オレフィン−αオレフィン系共重合体樹脂等の易接着樹脂単体等が挙げられ、これらを単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。なかでも、初期及び長期の密着性が良好であることから、ポリウレタン系樹脂が好ましい。ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
本発明の内装化粧材は、意匠性を付与する目的で、高密度木質系繊維板に、該高密度木質系繊維板が2枚ある場合には、その少なくとも一方に、化粧シートをさらに積層することができる。化粧シートとしては、意匠性を付与できれば特に制限なく使用することができるが、本発明の内装化粧材にさらに耐摩耗性、耐傷付性や耐汚染性等を付与するために、オーバーコート層を有する化粧シートを用いることが好ましい。このような化粧シートとしては、例えばウレタン系樹脂やアクリル系樹脂等によるコート紙や、電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層を設けた化粧シート等を好ましく挙げることができるが、なかでも電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層を有する化粧シートが特に好ましい。このような電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層を有する化粧シートとしては、例えば「WSサフマーレ」(商品名、大日本印刷株式会社製)を挙げることができる。
また、化粧シートを貼着させる積層基材の表面には、密着性を向上させる目的で、プライマー層を設けることができる。該プライマー層は、通常1〜15μmの厚みを有し、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂などの樹脂により形成することが好ましい。
本発明の内装化粧材は、積層基材への水分の浸入による内装化粧材の反りを防止する目的で、高密度木質系繊維板に、該高密度木質系繊維板が2枚ある場合には、その少なくとも一方に、防湿シートを好ましく設けることができる。また、化粧シートが設けられる場合には、化粧シートとは反対の面に設けることができる。
防湿シートとしては、高密度ポリエチレン樹脂の押出コート層の両面に紙層を貼着した3層構造のものが好ましく挙げられる(以下、防湿シートAという。)。ここで、高密度ポリエチレン樹脂とは密度0.941g/m3以上のポリエチレン樹脂のことをいい、低密度ポリエチレン樹脂とは密度0.910〜0.925g/m3のポリエチレン樹脂のことをいう。防湿シートAに用いられる紙層としては、秤量20〜50g/m2の建材用プリント用紙、純白紙などにラテックスや合成樹脂を含浸したもの、あるいは、合成樹脂を混抄させて層間強度を強化した薄葉紙(いわゆる紙間強化紙)などが好ましく使用される。秤量が20〜50g/m2であれば、柔軟すぎないので、貼合せ加工時に皺が起こりにくく、紙層からの剥がれ及び湿気が浸透しにくいので不具合が生じにくくなる。また、難燃性基材2側の紙層には、レーヨン不織布などの化繊紙と一般に呼ばれる化学繊維紙を用いることにより、その層間、あるいは高密度ポリエチレンとの界面の強度を強くすることも可能である。
蒸着層としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物の蒸着層、あるいは酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物の薄膜からなる無機酸化物蒸着層が好ましく挙げられる。この蒸着層は、真空蒸着法、プラズマ活性化化学反応蒸着法などの周知の蒸着法で、上記した合成樹脂製基材層の少なくとも一方の面に薄膜形成される。また、蒸着層の上には、防湿シートの防湿性を向上させる目的で、ポリビニルアルコールあるいはポリビニルアルコールに酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物を添加した組成物をロールコート法、グラビアコート法などの周知の塗布方法でポリビニルアルコール層あるいは当該組成物層を塗布形成することができる。
腰壁として用いられる場合、本発明の内装化粧材は、図3に示されるように、石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板、珪酸カルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中空押出セメント板等のセメント板、パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板等の下地材の上に接着剤層を介して貼着して用いられる。接着剤層に用いられる接着剤は、通常用いられるものを制限なく使用することができる。
(評価及び測定方法)
各実施例で得られた化粧内装材、及び各実施例で用いた材料について、以下の方法で評価及び測定した。
(1)破断伸び特性の測定
各実施例で用いた熱可塑性樹脂発泡板の破断伸び特性を、JIS K7127−1999に準じて測定した。
(2)反りの評価
各実施例及び比較例で製造した内装化粧材を30cm×90cmにカットして、60℃10%の環境下で1週間放置し、次いで50℃90%の環境下で1週間放置した。この内装化粧材の90cmの辺の反りを計測した。
◎ 0以上2mm未満
○ 2mm以上4mm未満
△ 4mm以上10mm未満
× 10mm以上
(3)耐衝撃性の評価(内装化粧材表面)
各実施例及び比較例で製造した内装化粧材を下地材の石膏ボードに貼着して得られた試験片を、JIS K7211−1976に準じて落錘衝撃試験を行った。なす型重錘(なす1型)を、高さ75cm及び1m上から内装化粧材に落下させ、該内装化粧材の表面の様子を目視し、下記の基準で評価した。
○ 表面の変化は全くなかった
△ 表面に若干の凹みが生じたが、実用上問題ない
× 表面に著しい凹みが生じた
(4)耐衝撃性の評価(下地材)
上記の落錘衝撃試験を行い、内装化粧材の下地材である石膏ボードの様子を目視し、下記の基準で評価した。
○ 割れは全くなかった
△ 割れが若干生じたが、実用上問題ない
× 割れが著しく生じた
低密度木質系繊維板として、インシュレーションボード(大建工業(株)製、厚み:4.0mm,密度:0.27g/cm2)を、高密度木質系繊維板として、中密度繊維板(商品名:NPウッド、住友林業(株)製、厚み:2.5mm,密度:0.76g/cm2、以下、MDFと称する。)を、化粧シート5としてオレフィンシート(商品名:WSサフマーレ、大日本印刷株式会社製、厚み:0.14mm)を用意した。まず、MDFにポリウレタン系樹脂を主成分とする接着剤を厚さ10μm/dryで塗布し、オレフィンシートを貼着させた。次いで、低密度木質系繊維板に、上記と同様の接着剤を厚さ10μm/dryで塗布し、MDFを貼着して、本発明の内装化粧材を得た。得られた内装化粧材を、石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。
低密度木質系繊維板として、インシュレーションボード(大建工業(株)製、厚み:4.0mm,密度:0.27g/cm2)を、高密度木質系繊維板として、ハードボード(大建工業(株)製、厚み:2mm,密度:1.01g/cm2)2枚を、化粧シート5としてオレフィンシート(商品名:WSサフマーレ、大日本印刷株式会社製、厚み:0.14mm)を用意した。まず、1枚のハードボードにポリウレタン系樹脂を主成分とする接着剤を厚さ10μm/dryで塗布し、オレフィンシートを貼着させた。次いで、低密度木質系繊維板に、上記と同様の接着剤を厚さ10μm/dryで塗布し、オレフィンシートを貼着させたハードボードのオレフィンシートが最外面となるように貼着して、さらに、もう1枚のハードボードに上記と同様の接着剤を厚さ10μm/dryで塗布し、低密度木質系繊維板を貼着させて、本発明の内装化粧材を得た。得られた内装化粧材を、石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。
秤量20g/m2の紙間強化紙(「FIX−30(商品名)」:三興製紙(株)製)にTダイ押出機から40μmの厚さに密度0.94g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂を押出コーティングし、同時にもう一枚の秤量20g/m2の紙間強化紙(三興製紙(株)製、FIX−30)をラミネートして、チルロールで冷却して紙層が2層構造となる防湿シートAを作製した。
一方の面にシリカ蒸着層を設けた二軸延伸PETフィルム(「ルミラー(商品名)」:東レ株式会社製,厚さ:12μm)の蒸着層面に、2液硬化型ウレタン系接着剤を3g/m2(固形分基準)で塗布・乾燥し、該塗布面にTダイ押出機でポリエチレンを15μm厚さに加熱溶融押出しして積層体(PET/蒸着層/ポリエチレン)を作製した。この積層体の両表出面にコロナ放電処理を施した後、主剤としてウレタン樹脂/硝化綿系樹脂に硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂をグラビア印刷で、各々5g/m2(固形物基準)で塗布して、接着用プライマー層を両面に形成した防湿シートB1を作製した。
一方の面にシリカ蒸着層を設けた二軸延伸PETフィルム(「ルミラー(商品名)」:東レ株式会社製,厚さ:12μm)の蒸着層面に、ポリビニルアルコール溶液を乾燥後に0.2g/m2となるようにグラビア印刷で塗布した後、他方の面にコロナ放電処理を施して、ポリビニルアルコール溶液の塗布面とコロナ放電処理面とに、主剤としてウレタン樹脂//硝化綿系樹脂に硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂をグラビア印刷で、各々2g/m2(固形物基準)で塗布して、接着用プライマー層を両面に形成した防湿シートB2を作製した。
低密度木質系繊維板として、インシュレーションボード(大建工業(株)製、厚み:4.0mm,密度:0.27g/cm2)を、高密度木質系繊維板として、ハードボード(大建工業(株)製、厚み:2mm,密度:1.01g/cm2)2枚を、化粧シート5としてオレフィンシート(商品名:WSサフマーレ、大日本印刷株式会社製、厚み:0.14mm)を用意した。まず、低密度木質系繊維板に、ポリウレタン系樹脂を主成分とする接着剤を厚さ10μm/dryで塗布し、オレフィンシートを貼着させたハードボードのオレフィンシートが最外面となるように貼着して、さらに、もう1枚のハードボードに上記と同様の接着剤を厚さ10μm/dryで塗布し、低密度木質系繊維板を貼着させて、3層の積層基材を得た。次いで、得られた積層基材の一方の高密度木質系繊維板の表面に、ポリウレタン系樹脂を主成分とする接着剤を厚さ10μm/dryで塗布して、製造例1で得られた防湿シートAを貼着し、もう一方の高密度木質系繊維板の表面に、樹脂組成物(ウレタン系樹脂(EX−9)とアクリル系樹脂(SA−95)との混合物で、その質量比は100:10である。EX−9及びSA−95は、いずれも中央理化工業株式会社製である。)を11μmの厚さとなるように塗布し、乾燥させた後、オレフィンシートにウレタン系樹脂を主成分とする接着剤を厚さ10μm/dryで塗布して、積層基材に貼着して、本発明の内装化粧材を得た。得られた内装化粧材を、石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。
実施例3において、オレフィンシートを積層基材の対向する二辺の裏面まで巻き込む二方巻きで貼着した以外は、実施例3と同様にして内装化粧材と試験片を得た。
実施例3において、防湿シートAを各々製造例2で得られた防湿シートB1及び製造例3で得られた防湿シートB2にした以外は、実施例3と同様にして、実施例5及び実施例6の内装化粧材と試験片を得た。
実施例1において、インシュレーションボードを使用せず、MDFの厚みを9mmとした以外は実施例1と同様にして内装化粧材及び試験片を得た。
壁紙(東リ株式会社製、厚み:1mm)を石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。なお、反りの評価は壁紙で行った。
ポリエステル化粧板(アイカ工業株式会社製、厚み:2.5mm)を石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。なお、反りの評価はポリエステル化粧板で行った。
木粉配合塩ビシート(厚み:2.5mm)を石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。なお、反りの評価は木粉配合塩ビシートで行った。
実施例1において、インシュレーションボードを使用せず、MDFの厚みを12mmとした以外は実施例1と同様にして内装化粧材及び試験片を得た。
実施例1で得られた内装化粧材は、全ての点で高い性能が示され、実施例2で得られた内装化粧材は、実施例1と比べて反りの評価がさらに向上した。防湿シートを設けた実施例3、5及び6で得られた内装化粧材は、さらに反りの評価が優れたものとなり、化粧シートを二方巻きで貼着した実施例4で得られた内装化粧材は、反りの評価に加えて側面の美観に優れた化粧材が得られた。また、比較例1〜4では、反りの評価は良好であったが、表面の凹み、石膏ボードの割れの点で不十分であった。また、参考例1は、熱可塑性樹脂発泡板を用いず、木質系繊維板を厚くして、耐衝撃性の評価が十分となる例であるが、木質系繊維板の厚みとして12mmが必要であり、重量物となり実用とするには十分ではなかった。
2.高密度木質系繊維板
21.高密度木質系繊維板
22.高密度木質系繊維板
31.接着剤層
32.接着剤層
33.接着剤層
34.接着剤層
4.低密度木質系繊維板
5.化粧シート
6.下地材
Claims (7)
- 密度が0.40g/cm2未満の範囲である低密度木質系繊維板の上に、密度が0.70g/cm2以上の範囲である高密度木質系繊維板を積層してなる内装化粧材。
- 前記低密度木質系繊維板の前記高密度木質系繊維板を設けた裏面に、さらに高密度木質系繊維板を積層してなる請求項1に記載の内装化粧材。
- 前記高密度木質系繊維板に、化粧シートを積層してなる請求項1又は2に記載の内装化粧材。
- 前記高密度木質系繊維板が、MDF(中密度繊維板)である請求項1又は3に記載の内装化粧材。
- 前記高密度木質系繊維板の少なくとも一方が、MDF(中密度繊維板)である請求項2又は3に記載の内装化粧材。
- 前記低密度木質系繊維板が、インシュレーションボードである請求項1〜5のいずれかに記載の内装化粧材。
- 腰壁に用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の内装化粧材。
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