JP7331438B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シートに関する。
従来、玄関ドアや建物外装(エクステリア)等に用いられる建材又は造作部材には、一般的に、鋼板等の金属部材、樹脂部材、木質部材を被着材(基材)として、これらの被着材に積層構造の化粧シートを貼り合わせたものが用いられる。層体を貼りあわせて化粧シートを形成する際には、例えばドライラミネート接着剤による接着剤層を設けることがある。接着剤層は一般的にポリエステル系ウレタン樹脂を用いることが多い(例えば、特許文献1)。
建材用途の化粧シートは、特に高温多湿になり得る建物外装材や浴室の壁材等に用いる場合に高温多湿に対する耐久性(耐湿熱性)が要求される。しかしながら、ポリエステル系ウレタン樹脂による接着剤層は、加水分解による接着剤劣化が生じ易く耐湿熱性が十分でない。このため、建物外装や浴室等では端部から化粧シート内部に水分が浸入し、層間剥離を起こすといった問題が生じてしまう。また、耐湿熱性が要求される用途において、接着剤層には、加水分解を起こす官能基のないアクリル樹脂を用いることもできるが、この場合、接着剤層は硬く脆い層となり、化粧シートを加工する際にワレ等が生じ、白化や水分の浸入等の問題が生じてしまう。
特許第4737722号公報
本発明の目的は、耐湿熱性及び加工性に優れた化粧シートを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材層と、絵柄インキ層と、接着剤層と、アンカーコート層と、透明樹脂層と、がこの順に積層されており、前記接着剤層は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレングリコール及びポリイソシアネートを構成要素としたウレタン樹脂を含有し、前記アンカーコート層は、アクリルポリオール及びポリイソシアネートを構成要素としたウレタン樹脂を含有しており、前記アンカーコート層が含有する前記アクリルポリオールは、ガラス転移温度が95℃以上105℃以下の範囲内であり、前記アンカーコート層における前記アクリルポリオールと前記ポリイソシアネートとの比率(前記アクリルポリオール:前記ポリイソシアネート)は、8~12:1である。
本発明の一態様によれば、耐湿熱性及び加工性に優れた化粧シートを提供することができる。
本発明の実施形態に係る化粧シートを表す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る化粧シート及び化粧部材について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識を基に設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた形態も、本発明の範囲に含まれる。また、各図面は、理解を容易にするため適宜誇張して表現している。
(化粧シート)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る化粧シート10は、基材層11と、絵柄インキ層12と、接着剤層13と、アンカーコート層14と、透明樹脂層15と、がこの順で積層されている。具体的には、化粧シート10は、基材層11と、基材層11の表面11a側に設けられた絵柄インキ層12と、絵柄インキ層12の表面12a側に設けられた接着剤層13と、接着剤層13の表面13a側に設けられたアンカーコート層14と、アンカーコート層14の表面14a側、すなわち透明樹脂層15の裏面15b側に設けられた透明樹脂層15とを備える。さらに、化粧シート10は、基材層11の裏面11b側にプライマー層16が設けられている。化粧シート10の厚さは40μm以上300μm以下が好ましい。
また、透明樹脂層15の表面15aには、エンボス加工により形成された凹凸模様25が設けられている。凹凸模様25としては、例えば、絵柄インキ層12の絵柄と同調した模様を用いてもよいし、絵柄と非同調の模様を用いてもよい。凹凸模様25の凹凸の深さは、耐汚染性能や触感性能等の面から、10μm以下が好ましい。
(基材層)
基材層11の材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで基材に使用されている熱可塑性樹脂と同様のものを使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂や、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体金属中和物(アイオノマー)等のオレフィン系共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂等、或いはこれらの2種以上の混合物、共重合体、複合体、積層体等を使用できる。
ポリオレフィン系樹脂としては、既に列挙した多くの種類から、化粧シート10の使用目的等に応じて適宜選択して使用すればよい。特に、一般的な用途に最も好適なのは、ポリプロピレン系樹脂、すなわち、プロピレンを主成分とする単独又は共重合体である。例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂等を単独又は適宜配合したり、それらに更にアタクチックポリプロピレンを適宜配合した樹脂等を使用することができる。また、プロピレン以外のオレフィン系単量体を含む共重合体であってもよく、例えば、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2~20のα-オレフィン、好ましくはエチレン、ブテン-1、4-メチルペンテン-1、ヘキセン-1又はオクテン-1のコモノマーの1種又は2種以上を15モル%以上含有するプロピレン-α-オレフィン共重合体等を例示できる。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に用いられている低密度ポリエチレン、エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン-プロピレン共重合ゴム、エチレン-プロピレン-非共役ジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体又はその水素添加物等の改質剤を適宜添加できる。
また、本実施形態における基材層11は、不透明に着色された着色オレフィン系樹脂層であって隠蔽性を有することが好ましい。これにより、基材層11は、例えば化粧シート10と所定の基板とを貼り合わせて化粧部材を形成する際に、基板表面の色のばらつきや欠陥等を隠蔽することができる。また、基板表面の質感を活かす場合、基材層11は、基板表面を透視可能な程度の透明性を有する着色オレフィン系樹脂層であることが好ましい。
(絵柄インキ層)
絵柄インキ層12は、化粧シート10に絵柄による意匠性を付与するための層である。絵柄インキ層12は、印刷インキやコーティング剤等を用いて形成される。印刷インキ等としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで絵柄インキ層に使用されている印刷インキ等と同様のものを使用できる。例えば、アクリル系インキを用いることができる。アクリル系インキとしては、例えば、アクリルポリオール系ビヒクルにイソシアネート硬化剤を配合してなる2液硬化型ウレタン樹脂をバインダ樹脂に用いたインキを使用することができる。また、絵柄インキ層12には、その他の樹脂成分を必要に応じ添加してもよい。絵柄インキ層12のバインダ樹脂以外の成分としては、例えば、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、光安定剤など各種添加剤などを用いることができる。顔料としては、例えば、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等が挙げられる。
絵柄インキ層12を設ける方法は、特に限定さるものではなく、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インキジェット印刷など通常の印刷方法を用いることができる。また、絵柄インキ層12の絵柄としては、任意の絵柄を用いることができ、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様等、或いはこれらの2種類以上の組み合わせ等を用いることできる。
(接着剤層)
接着剤層13は、基材層11(下台)と透明樹脂層15(上台)とを接着させるための層である。本実施形態において、絵柄インキ層12を積層した基材層11と透明樹脂層15とは、接着剤層13を介して接合されていれば良く、接合手法は、熱ラミネート、押出ラミネート、ドライラミネート、サンドラミネートなどの各種ラミネート手法を用いることができる。ここで、本実施形態による化粧シート10の諸性能を考慮すると、接合手法はドライラミネート手法が好ましい。このため、接着剤層13は、ドライラミネート接着剤を用いたドライラミネート接着剤層であることが好ましい。また、接着剤層13は、例えば、グラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコートなど通常の塗布方法を用いて形成される。
接着剤層13を形成するドライラミネート接着剤としては、特定の構成要素、即ちポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレングリコール及びポリイソシアネートを少なくとも含むウレタン樹脂を用いることが好ましい。上述のウレタン樹脂は、公知技術、即ちポリオールとポリイソシアネートとの付加重合反応により合成できる。当該ウレタン樹脂の末端は、通常は水酸基又はアミンで封止されたイソシアネート基である。当該ウレタン樹脂の末端を水酸基とする場合は、絵柄インキに、例えばイソシアネートなどの硬化剤を配合することで接着剤層13を硬化させることができる。
本実施形態においてドライラミネート接着剤に用いるウレタン樹脂を構成するポリカプロラクトンポリオールは、εカプロラクトンの開環重合で得られる材料であり、内部にエステル結合を有する。このため、基材層11と最表層の透明樹脂層15との密着性、即ち基材密着性が向上する。また、上述のポリカプロラクトンポリオールは、例えばアジピン酸などのジカルボン酸とジオールとの重縮合で得られる汎用ポリエステルポリオールと比べて、一般に耐加水分解性が優れている。
また、本実施形態において上述のウレタン樹脂を構成するポリアルキレングリコールは、ポリエーテル構造を有しており、前述のポリカプロラクトンポリオールに対し耐加水分解性に劣るが、柔軟性に優れている。このため、加工時における曲げ加工密着性が向上され、例えばラッピング加工等の場合に割れや白化が生じにくい。本実施形態では、ドライラミネート接着剤に用いるウレタン樹脂の構成要素として、ポリアルキレングリコールとポリカプロラクトンポリオールとを併用することで、高温多湿環境下での加水分解への耐久性(耐湿熱性)及び加工性を向上させることができる。
ポリアルキレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを用いることができ、疎水性が大きいポリテトラメチレングリコールが高温多湿に対する耐久性(耐湿熱性)の観点から好ましい。
本実施形態において上述のウレタン樹脂は、構成要素として、さらにネオペンチルグリコールを含むことが好ましい。ネオペンチルグリコールを含有させることで耐湿熱性が向上する。
本実施形態のポリカプロラクトンポリオール及びポリアルキレングリコールは、例えば、市販の各種材料から分子量や官能機数(一分子あたりの水酸基数)などの観点より適宜選択して用いることができる。
また、本実施形態において上述のウレタン樹脂を構成するポリイソシアネートは、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート及びその水添物などを用いることができ、耐湿熱性の点でイソホロンジイソシアネートが好適である。
本実施形態のウレタン樹脂の組成は特に限定されるものではないが、塗布形成される接着剤層13の適性や化粧シート10の諸性能を考慮すると、下記構造式に示すウレタン樹脂の構成要素の各単位(カプロラクトンユニット(CLユニット)、アルキレングリコールユニット(AGユニット)、ジイソシアネートユニット(Iユニット)、ネオペンチルグリコールユニット(NPGユニット)の物質量をそれぞれX,Y,Z,Nとしたときに、以下の関係式(式1~3)を満たすことが望ましい。
Figure 0007331438000001
3<(X+Y+Z)/N<50 …(式1)
0.1<X/Y<10 …………(式2)
Z/(X+Y+Z+N)<0.5…(式3)
本実施形態のウレタン樹脂の分子量は特に限定されるものではないが、通常印刷によって形成される接着剤層13の印刷適性や化粧シート10の諸性能を考慮すると、重量平均分子量(Mw)が5,000から100,000の範囲であることが望ましい。
また、本実施形態において上述のウレタン樹脂の硬化に用いる硬化剤は特に限定されるものではく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のポリイソシアネート及びその水添物、あるいはジフェニルメタンジイソシアネート及びその水添物などを含む市販の硬化剤から適宜選択して用いることができる。なお、接着剤層13には上述の成分以外にも、所定の添加物が含有され得る。
(アンカーコート層)
アンカーコート層14は、絵柄インキ層12と接着剤層13との密着性を向上させることにより、基材層11と透明樹脂層15との密着性を向上させるための層である。例えば本実施形態では、上述のように接着剤層13を形成するドライラミネート接着剤として、ポリオールとポリイソシアネートとの付加重合反応により合成されたウレタン樹脂を用いる。この場合、アンカーコート層14は、接着剤層13を形成するウレタン樹脂に合わせた樹脂設計とすることが望ましい。例えば、本実施形態においてアンカーコート層14には、特定の構成要素、即ちアクリルポリオール及びポリイソシアネートを少なくとも含むアクリルウレタン樹脂を用いることができる。これにより、アンカーコート層14は、ラミネート後に架橋効果を奏し、外装用途等における高温の使用条件下でも接着強度を失わずに十分な耐剥離性を維持でき、さらに加工密着性を向上させることができる。アクリルウレタン樹脂としては、例えば、ガラス転移温度が100℃のアクリル系樹脂を主鎖とするアンカー剤を使用できる。アクリル系樹脂(アクリルポリオール)は、密着性及び耐熱性の観点から、ガラス転移温度が95℃~105℃のものが好ましい。ガラス転移温度が低すぎる場合、耐熱性が劣り、温水に浸漬されることで、空隙が発生し、絵柄インキ層12と接着剤層13との密着力が低下する。
アクリルポリオールとイソシアネートとの比率は、密着力を考慮した場合、アクリルポリオール:イソシアネートの比率が、8~12:1が好ましい。特に、アクリルポリオール:イソシアネートの比率が、9~11:1がより好ましい。
(透明樹脂層)
透明樹脂層15は、化粧シート10の耐候性を向上させるための層である。透明樹脂層15は、透明アクリル樹脂を用いて形成される。透明アクリル樹脂としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで透明アクリル樹脂層に使用されている透明アクリル樹脂と同様のものを使用できる。例えば、透明アクリル樹脂フィルムを用いることができる。特に、熱による光沢変化(耐熱性)の観点から、透明樹脂層15は、アクリル系樹脂とフッ素樹脂とが共押出し法にて積層されての最表層側にフッ素樹脂が配置された透明フッ素アクリル共押出しフィルムが好ましい。
また、透明アクリル系樹脂フィルムを構成するアクリル系樹脂としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル等のアクリル酸誘導体を主成分として単独又は共重合して得られるものが使用可能である。特に、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂であって、例えば、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の長鎖アルキルエステルや、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸又はアクリル酸等から選ばれる単量体を共重合成分として添加したり、スチレン-ブタジエンゴム又はメタクリル酸メチル-ブタジエンゴム等のゴム成分をグラフト共重合、ブロック共重合若しくはブレンドして、柔軟性や熱成形性を改善してなる樹脂等を好適に使用することができる。
フッ素樹脂と透明アクリル樹脂との厚さの比率は、物性(耐熱性等)やコストを考慮した場合、フッ素樹脂:透明アクリル樹脂=5:43~47が好ましい。特に、フッ素樹脂:透明アクリル樹脂=5:44~46がより好ましい。なお、透明樹脂層15は、透明樹脂層15の裏面15b側に配置されているシート等を透視可能な程度の透明性を有するものが好ましい。例えば、無色透明、有色透明、半透明とする。
(プライマー層)
プライマー層16は、化粧シート10を所定の基板(不図示)に貼り合わせて化粧部材を形成する際に、基板への接着に用いられる接着剤と化粧シート10との密着性を向上させるために、必要に応じて施される層である。例えば、基板が木質系材料で形成されている場合には、接着剤として、酢酸ビニルエマルジョン系、2液硬化型ウレタン系等の接着剤が使用されるため、プライマー層16は、これらの接着剤に合わせた樹脂設計とすることが望ましい。例えば、プライマー層16には、ウレタン系、アクリル系、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系等を採用することができる。特に、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの配合による2液硬化型ウレタン系のプライマー剤等が好ましい。また、これらの材料にシリカや硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機質粉末を添加してプライマー層16を形成すると、巻取保存時のブロッキングの防止や、投錨効果による接着力の向上に有効である。
(凹凸模様)
凹凸模様25は、化粧シート10の表面に立体的な意匠感を付与するためのものである。凹凸模様25としては、任意の凹凸形状を用いることができる。例えば、木目導管状、石目状、布目状、抽象柄状、和紙状、スウェード状、皮革状、梨地状、砂目状、ヘアーライン状、平行直線群、或いはこれらの組み合わせ等を用いることができる。また、凹凸模様25の形成方法としては、例えば、基材層11の表面11aに対する透明樹脂層15の積層前、積層後又は積層と同時に行われる、ダブリングエンボス法、押出ラミネート同時エンボス法等を採用することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態による化粧シート10は、基材層11と、絵柄インキ層12と、接着剤層13と、アンカーコート層14と、透明樹脂層15と、がこの順に積層されており、接着剤層13は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレングリコール及びポリイソシアネートを構成要素としたウレタン樹脂を含有し、アンカーコート層14は、アクリルポリオール及びポリイソシアネートを構成要素としたウレタン樹脂を含有している。化粧シート10の接着剤層13は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレングリコールと、ポリイソシアネートとを構成要素としたウレタン樹脂を含有しているため、耐加水分解性及び加工性に優れている。さらに、化粧シート10のアンカーコート層14は、アクリルポリオール及びポリイソシアネートを構成要素としたウレタン樹脂を含有しているため、外装用途等における高温の使用条件下でも、接着強度を失わず、十分な耐剥離性を維持可能である。これにより、化粧シート全体において耐湿熱性及び加工性に優れた化粧シートを提供することができる。
また、接着剤層13のウレタン樹脂の構成要素に、ネオペンチルグリコールを含有させることで、化粧シート10の耐湿熱性を向上させることができる。
また、接着剤層13のウレタン樹脂の構成要素であるポリアルキレングリコールをポリテトラメチレングリコールとすることで、化粧シート10の耐湿熱性をさらに向上させることができる。
また、接着剤層13のウレタン樹脂の構成要素であるポリイソシアネートをイソホロンジイソシアネートとすることで、化粧シート10の耐湿熱性をさらに向上させることができる。
また、透明樹脂層15は、アクリル系樹脂とフッ素樹脂とが共押出し法にて積層されて最表層部に前記フッ素樹脂が配置されていることで、化粧シート10の耐熱性を向上し、熱による光沢変化を抑制することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
<実施例1>
ポリオールとして、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコールを用い、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを用いて、公知の付加重合法により、数平均分子量(Mn)が1.0×10の水酸基末端のウレタン樹脂を合成した。当該ウレタン樹脂に硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体)を適量配合し、ドライラミネート接着剤を調整した。
また、ポリオールとしてアクリルポリオール(メチルメタクリレートと2ヒドロキシメタクリレートの共重合体)と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体)とを適量配合し、アンカーコート剤を調整した。
隠蔽性のあるポリエチレン原反(厚さ70μm)に、2液型ウレタンインキ(V180;東洋インキ(株)製)を用い木目柄をグラビア印刷して絵柄インキ層12(厚さ3μm)を設けることで得られた基材層11に、上述したドライラミネート接着剤(東洋インキ(株)製)(厚み6μm)による接着剤層13及び上述したアンカーコート剤(UCクリヤー;DIC(株)製)によるアンカーコート層14を介して、透明アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製「HBS-006」)による透明樹脂層15をドライラミネートし、実施例1記載の化粧シート10を作製した。
<実施例2>
接着剤層13のウレタン樹脂におけるポリオール成分としてネオペンチルグリコールを使用しない点を除いて、実施例1と同様の方法で実施例2の化粧シートを作製した。
<実施例3>
接着剤層13のウレタン樹脂におけるポリオール成分としてポリテトラメチレングリコールをポリプロピレングリコールに置き換えた点を除いては、実施例1と同様の方法で実施例3の化粧シートを作製した。
<実施例4>
接着剤層13のウレタン樹脂におけるポリイソシアネート成分としてイソホロンジイソシアネートをキシリレンジイソシアネートに置き換えた点を除いては、実施例1と同様の方法で実施例4の化粧シートを作製した。
<比較例1>
接着剤層13のウレタン樹脂におけるポリオール成分にポリカプロラクトンポリオールを含まない点を除いては、実施例1と同様の方法で比較例1の化粧シートを作製した。
<比較例2>
接着剤層13のウレタン樹脂におけるポリオール成分にポリアルキレングリコールを含まない点を除いては、実施例1と同様の方法で比較例2の化粧シートを作製した。
<比較例3>
アンカーコート層を設けない点を除いては、実施例1と同様の方法で比較例3の化粧シートを作製した。
<評価>
上記実施例及び比較例で得られた化粧シートについて、以下の方法で耐湿熱性と加工性とを評価した。評価結果を表1に示す。
(a)耐湿熱性
化粧シート10の湿熱処理をHASTチャンバーで実施し(105℃100%RH,192時間)、その後、透明樹脂層15と基材層11間のT字剥離強度を測定した(試料幅:25mm、引張り速度:5mm/sec)。
評価基準
◎:剥離界面ができずに基材が破断
〇:基材変形が生じながら剥離面生成
△:基材変形なく剥離面が生成
×:試料ハンドリング時に剥離が生じ測定不可
なお、本実施例では、評価が「△」以上であれば合格とした。
(b)加工性
建材用接着剤(ノーテープ工業、No5211)を用いアルミ板(厚み0.4mm)に化粧シートを貼り付けた試料を、環境温度5℃にて90°曲げ加工し、曲げ部分の外観を目視観察した。
評価基準
○:絵柄インキ層12に割れが認められない(合格)
×:絵柄インキ層12に割れが認められる(不合格)
Figure 0007331438000002
表1に示すように、実施例1~4に示した化粧シート10は、耐湿熱性及び加工性の評価結果がいずれも合格となった。一方、表1に示すように、比較例1~3の化粧シート10は、耐湿熱性及び加工性のうち少なくとも一方の評価結果に「×」が含まれ、課題を要する点が見受けられた。
具体的には、比較例1の化粧シート10は、接着剤層13のウレタン樹脂に耐加水分解性に優れたポリカプロラクトンポリオールが含有されていないため、試料ハンドリング時に剥離が生じて耐湿熱性の評価結果が不合格であった。
また、比較例2の化粧シート10は、接着剤層13のウレタン樹脂に柔軟性に優れたポリアルキレングリコールが含有されていない。このため、比較例2の化粧シート10は、曲げ加工時において絵柄インキ層12に割れが認められ、加工性の評価結果が不合格であった。
また、比較例3の化粧シート10は、高温でも十分な耐剥離性を維持可能なアンカーコート層14が形成されていないため、試料ハンドリング時に剥離が生じて耐湿熱性が不合格であった。さらに、アンカーコート層14が形成されていない比較例3の化粧シート10は、加工性の評価結果も不合格であった。
これに対し、実施例1~4の化粧シート10は、特定の構成要素(ポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレングリコール及びポリイソシアネート)を含むウレタン樹脂を用いた接着剤層13及びアクリルポリオール及びポリイソシアネートを含むアンカーコート層14を有することで、耐湿熱性及び加工性の何れの評価結果も合格となった。
具体的には、実施形態1,2,4の化粧シート10は、接着剤層13においてポリアルキレングリコールとしてポリテトラメチレングリコールを用いた。これにより、実施形態1,2,4の化粧シート10は、ポリアルキレングリコールをポリプロピレングリコールとした実施形態3の化粧シート10よりも耐湿熱性の評価が優れた結果となった。
さらに、実施例1の化粧シート10は、接着剤層13に用いるウレタン樹脂の構成要素にネオペンチルグリコールを含有し、且つポリイソシアネートをイソホロンジイソシアネートとしたことで、耐湿熱性の評価が特に優れた結果となった。
また、実施例1~4の化粧シート10は、接着剤層13に用いるウレタン樹脂の構成要素にポリアルキレングリコールを含有し、且つアンカーコート層14に用いるウレタン樹脂の構成要素にアクリルポリオール及びポリイソシアネートを含有していることから、加工性の評価結果が全て合格となった。
以上のように、実施例1~4の化粧シート10は、比較例1~3の化粧シート10よりも、耐湿熱性及び加工性が優れていることが確認された。
10 化粧シート
11 基材層
11a、12a、13a、 14a 表面
11b、15b 裏面
13 接着剤層
14 アンカーコート層
15 透明樹脂層
16 プライマー層
25 凹凸模様

Claims (5)

  1. 基材層と、絵柄インキ層と、接着剤層と、アンカーコート層と、透明樹脂層と、がこの順に積層されており、
    前記接着剤層は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレングリコール及びポリイソシアネートを構成要素としたウレタン樹脂を含有し、
    前記アンカーコート層は、アクリルポリオール及びポリイソシアネートを構成要素としたウレタン樹脂を含有しており、
    前記アンカーコート層が含有する前記アクリルポリオールは、ガラス転移温度が95℃以上105℃以下の範囲内であり、
    前記アンカーコート層における前記アクリルポリオールと前記ポリイソシアネートとの比率(前記アクリルポリオール:前記ポリイソシアネート)は、8~12:1である
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記接着剤層が含有する前記ウレタン樹脂の構成要素には、ネオペンチルグリコールが含まれ
    前記接着剤層が含有する前記ポリイソシアネートは、ジイソシアネート及び該ジイソシアネートの水添物のうち少なくとも一方であり、
    前記接着剤層が含有する前記ウレタン樹脂の前記構成要素の各単位としてのカプロラクトンユニット、アルキレングリコールユニット、ジイソシアネートユニット、及び前記ネオペンチルグリコールの物質量をそれぞれX,Y,Z,Nとした場合に、以下の関係式(式1)~(式3)を満たす
    ことを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
    3<(X+Y+Z)/N<50 …(式1)
    0.1<X/Y<10 …………(式2)
    Z/(X+Y+Z+N)<0.5…(式3)
  3. 前記接着剤層が含有する前記ウレタン樹脂の構成要素のうち前記ポリアルキレングリコールは、ポリテトラメチレングリコールであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記接着剤層が含有する前記ウレタン樹脂の構成要素のうち前記ポリイソシアネートは、イソホロンジイソシアネートであること
    を特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記透明樹脂層は、アクリル系樹脂とフッ素樹脂とが共押出し法にて積層されて最表層部に前記フッ素樹脂が配置されていること
    を特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の化粧シート。
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