JPH0752319A - 化粧板 - Google Patents

化粧板

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JPH0752319A
JPH0752319A JP21797693A JP21797693A JPH0752319A JP H0752319 A JPH0752319 A JP H0752319A JP 21797693 A JP21797693 A JP 21797693A JP 21797693 A JP21797693 A JP 21797693A JP H0752319 A JPH0752319 A JP H0752319A
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Tomiyasu Honda
多 富 泰 本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板と化粧材との間の接着力に優れ、耐水
性、耐久性、耐日割れ性、耐衝撃性、表面強度等各種特
性に優れた化粧板を、低コストにて提供すること。 【構成】 少なくとも表面に高比重の硬質層2を有する
木質繊維板1を基板とし、その表面に接着剤を介して化
粧単板等の任意化粧材3を積層貼着する。硬質層2は、
JIS−A−1433に規定される建築材料及び建築構
成部分の摩耗試験方法による摩耗深さが0.25mm以
下、好ましくは0.20mm以下とされる。このような
表面硬質層2の存在のゆえに接着剤が過剰に基板内部に
浸透することが防止され、接着剤の一部が化粧材の裏面
から浸透するので、これらの間に十分な接着強度が得ら
れる。硬質層により表面強度が向上され、また、水分の
吸放出による膨張収縮が抑制される等、表面性に優れた
ものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板の表面に任意化粧
材が貼着されてなる化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】合板を基板とし、その表面に任意下地処
理(目止め処理、シーラー処理等)を施した後、接着剤
を介して任意化粧材(化粧紙、化粧樹脂シート、化粧樹
脂含浸紙、化粧単板等)を貼着してなる化粧板は公知で
ある。
【0003】化粧板には必要に応じてその木口部に実加
工(本実、相決まり、やとい実等)が施され、家屋の壁
材、床材、天井材等に用いられる。
【0004】基板として常用される合板は、複数枚の単
板を繊維方向が互いに直交するように積層接着してな
り、吸放湿に伴う膨張収縮が小さく、寸法安定性に優れ
たものとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、合板を
構成する単板、特にその最表層に位置する表面単板が表
面性に与える影響は決して小さなものではない。すなわ
ち、表面単板は、その裏面に繊維方向の直交する単板が
接着されているため、表面単板の繊維方向と直交する方
向の膨張収縮は抑制されるが、表面単板自体が有する導
管溝や割れ等の凹部が吸放湿に伴って開閉し、表面単板
の表層部において該凹部間に扇状の動きが生ずる。この
ため、その表面に貼着される化粧材に割れや膨れ、皺等
が発生してしまうという問題があった。
【0006】また、合板は0.5以下の比重のものが多
く、表面強度が不十分で、特に耐衝撃性、耐押圧性等に
問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記
した従来技術における問題を解消し、表面性に優れた化
粧板を提供することを目的とする。
【0008】すなわち、本発明は、基板の表面に任意化
粧材が貼着されてなる化粧板において、該基板は少なく
ともその表面側に内層部よりも比重の高い硬質層を有す
る木質繊維板よりなり、かつ、該硬質層はJIS−A−
1433に規定される建築材料及び建築構成部分の摩耗
試験方法による摩耗深さが0.25mm以下であること
を特徴とする。
【0009】すなわち本発明の主たる特徴は、化粧板に
用いられる基板に関するもので、その表面側に内層部よ
りも比重の高い硬質層を有する木質繊維板を基板として
用いるものである。ただし、該木質繊維板は単独で用い
られる他、合板、木削片板、集成材、単板積層材等の木
質板や、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板等の無機質
板、その他の異質材の表面に該木質繊維板を積層接着し
て基板としても良い。また、比重の低い他の木質繊維板
の表面に積層接着して基板として用いることもできる。
【0010】木質繊維板の少なくとも表面側には比重の
高い硬質層が形成され、そのJIS−A−1433に規
定される建築材料及び建築構成部分の摩耗深さ試験方法
による摩耗深さは0.25mm以下である。硬質層の摩
耗深さが0.25mmを越えるものであると、たとえば
化粧板を床材として用いた場合の重量物の衝撃や押圧に
よって表面に著しい窪みができてしまい、表面性が低下
する。硬質層の摩耗深さは、より好ましくは0.20m
m以下とされる。
【0011】硬質層は木質繊維板の内層部よりも比重が
高いものであるため、木質繊維板自体が引っ張り強度、
圧縮強度および曲げ強度に優れ、曲げたわみ量の非常に
小さなものとなり、化粧板の強度向上がなされる。ま
た、表面の硬質層により非透水性が付与される。
【0012】基板として用いられる木質繊維板は全体比
重が0.4以上であることが好ましく、その片面または
両面にはより比重の高い硬質層が露出形成される。この
硬質層は0.8〜1.4の比重を有する。
【0013】以上に述べたような、0.25mm以下、
好ましくは0.20mm以下の摩耗深さを有する高比重
の硬質層を少なくとも表面側に有する木質繊維板は、以
下のようにして製造可能である。すなわち、例えば乾式
法による製造工程において、松、杉、桧等の針葉樹材や
カポール、ラワン、栗、ポプラ等の広葉樹材等による木
材チップないしは建築等の廃材チップを解繊し、あるい
はサンダーダスト、ソーダスト等の木粉を適宜混合して
木質繊維を得、この木質繊維に接着剤、サイズ剤等を添
加した後乾燥し、この木質繊維をフォーミング装置によ
りスクリーンコンベア上に堆積し、仮圧締して木質繊維
マットとし、次いで一定寸法に裁断して定尺木質繊維マ
ットとした後、これを加熱圧締することによって木質繊
維板が得られる。
【0014】この製造工程において、定尺木質繊維マッ
トの上面および/または下面に水を塗布し、あるいは不
織布、紙、布等の保水性のあるシート状物に含水させた
ものを該木質繊維マットの上面および/または下面に載
置し、この状態で加熱圧締する。これにより、表裏部の
含水率が高められた状態で加熱圧締されることとなるた
め、水の塗布面またはシート状物の載置面側に硬質層が
形成される。
【0015】この場合において、水の塗布量や、シート
状物への含水量を適宜調整し、あるいは木質繊維に対す
る接着剤の添加量や木質繊維の含水率を適宜調整するこ
とによって、硬質層に所望の比重や層厚を与えることが
できる。
【0016】このようにして、表面側(または表裏両
面)に比重の高い硬質層が所望の摩耗深さに形成された
木質繊維板が得られる。
【0017】この木質繊維板においては、加熱圧締時の
接着剤のプレキュアによる低比重の薄表層が形成される
ことがあるため、必要に応じて少なくとも表面側をサン
ディングして該低比重薄表層を除去し、硬質層を表面に
露出させる。
【0018】かかる木質繊維板の表面硬質層上に、必要
に応じて目止め処理、シーラー処理、耐摩処理等の下地
処理を施した後、塗装装置(ロールコーター、フローコ
ーター、カーテンコーター、スプレッダー、スプレー
等)を用いて接着剤を塗布する。
【0019】接着剤としては、酢酸ビニル樹脂、ユリア
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、イソシアネー
ト、SBR、MBR等の合成樹脂あるいはゴム系の接着
剤が好適であり、それらを単独でまたは任意混合して用
いられる。また、これらの合成樹脂接着剤を任意変性し
たものを用いても良い。
【0020】接着剤が塗布された木質繊維板の表面に、
化粧単板(スライス単板、ソード単板、ロータリー単
板、ハーフランド単板、人工突板等)、化粧紙、化粧樹
脂含浸紙、化粧合成樹脂シート等の任意化粧材を載置
し、貼着する。化粧単板においては、その裏面に不織
布、薄葉紙、クラフト紙等のシート状物を貼着したもの
を用いても良い。
【0021】次に、化粧材が載置された木質繊維板を圧
締装置(ロールプレス、平盤プレス等)に投入して熱圧
または冷圧圧締し、接着剤を介して化粧材を木質繊維板
表面に貼着する。このとき、基板として少なくとも表面
に比重の高い硬質層が形成された木質繊維板が用いられ
ているため、圧締装置による熱圧あるいは冷圧圧締にお
いても接着剤が木質繊維板の表面から内部に向けて必要
以上に含浸されることがなく、少ない接着剤塗布量であ
っても、その一部を有効に化粧材の裏面側から圧入含浸
させることができる。かくして、化粧材と基板表面との
間には十分な接着強度が得られる。
【0022】以上により、本発明による化粧板が得られ
る。更に、この化粧板の表面に塗装装置を用いて透明合
成樹脂塗料を塗布し、化粧材の表面に透明保護被膜を形
成することができる。
【0023】
【作用】少なくとも表面に比重の高い硬質層が形成され
てなる木質繊維板が基板として用いられ、該硬質層が存
在するために、その表面に塗布される接着剤が過剰に基
板の内部に浸透することがない。したがって、塗布され
る接着剤のうちの十分な量が、接着剤を介して基板表面
に貼着される化粧材に含浸され、大きな接着強度発揮す
る。
【0024】
【実施例】図1は本発明による化粧板の構成例を示し、
基板である木質繊維板1の表面側には内層部より比重の
高い硬質層2が形成されている。硬質層2は、JIS−
A−1433に規定される建築材料及び建築構成部分の
摩耗試験方法による摩耗深さが0.25mm以下とされ
ている。硬質層2の上には接着剤(図示せず)を介して
化粧単板等の任意化粧材3が積層貼着されて、本発明の
化粧板をなしている。なお、本例においては、木質繊維
板の裏面側にも硬質層2’が形成されており、これによ
り裏面側からの吸放湿による膨張収縮も抑制されてい
る。ただし、かかる裏面側硬質層2’は本発明に必須の
構成ではない。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、表面に硬質層を有する
木質繊維板が基板として用いられるため、化粧材を貼着
するために基板表面に塗布される接着剤が少ない量であ
っても十分な接着力がこれらの間に得られ、剥離強度に
優れた化粧板を低コストにて提供することができる。
【0026】また、基板である木質繊維板の表面側に硬
質層が形成されるため、水分の吸収が行われにくく、膨
張収縮の小さいものであるので、化粧材に割れや膨れ、
皺等を発生させることがない。
【0027】更に、表面硬質層により表面強度が向上さ
れ、化粧板としての耐衝撃性、耐押圧性に優れたものと
なり、特に床材として用いるに好適なものとされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧板の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 木質繊維板(基板) 2 硬質層 3 化粧材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に任意化粧材が貼着されて
    なる化粧板において、該基板は少なくともその表面側に
    内層部よりも比重の高い硬質層を有する木質繊維板より
    なり、かつ、該硬質層はJIS−A−1433に規定さ
    れる建築材料及び建築構成部分の摩耗試験方法による摩
    耗深さが0.25mm以下であることを特徴とする化粧
    板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010006042A (ja) * 2008-05-28 2010-01-14 Dainippon Printing Co Ltd 内装化粧材

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0585627U (ja) * 1992-04-21 1993-11-19 株式会社ノダ 化粧板

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