JP2860062B2 - 床材の製造方法 - Google Patents

床材の製造方法

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JP2860062B2 JP25046694A JP25046694A JP2860062B2 JP 2860062 B2 JP2860062 B2 JP 2860062B2 JP 25046694 A JP25046694 A JP 25046694A JP 25046694 A JP25046694 A JP 25046694A JP 2860062 B2 JP2860062 B2 JP 2860062B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床材、特に、無機質材
を主体とし、製造,加工および施工のいずれの際にも反
りが小さい床材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、木
造家屋の床面を構成する最も簡便なものとしては、床下
地に木質系床板を直貼りしたものがあり、その代表的な
ものとして合板製の床板が用いられているが、合板用木
材は環境保護の見地から入手が困難となり、高価格化す
る傾向にある。しかも、木材からなる合板は吸水性,吸
湿性が大きく、特に、厚さ方向の膨張率が大きいので、
段差が生じやすい。
【0003】このため、合板に代わる板状体としてパー
ティクルボード,中比重繊維板等を用いることが考えら
れているが、パーティクルボード,中比重繊維板は、吸
水による厚さ膨張率,吸湿線膨張率が合板の約2倍であ
る。この結果、パーティクルボードまたは中比重繊維板
を単独で使用した場合、これらに水がかかると、膨潤し
て突き上げが生じたり、あるいは、その後の乾燥によっ
て目透きが生じるという問題点がある。
【0004】このような問題点を解決するため、吸水,
吸湿による膨張,伸縮の小さい無機質板状体からなる床
材が考えられている。このような床材は、一般に、接着
剤を塗布した無機質板状体の表面に化粧単板を載置し、
ついで、熱圧プレスで一体化した後、所望の大きさに切
断し、実加工を施すとともに、化粧単板の表面を研磨
し、塗装して製造される。
【0005】しかしながら、前述の製造方法では、基材
段階で無機質板状体に中央部が低くなる大きな凹反りが
あると、接着剤を均一に塗布できず、化粧単板を美麗に
接着することができない。このため、前記無機質板状体
を上下対称に構成する方法も考えられているが、この方
法によれば、無機質板状体自身に反りは生じないが、そ
の後の処理で含水率の高い化粧単板を貼着し、その化粧
単板を乾燥すると、大きな反りが生じやすい。特に、最
近では生産合理化のため、高含水率の化粧単板を貼着す
る場合が多く、この傾向が強くなっている。このため、
熱圧プレスで化粧単板を一体化すると、接着剤,化粧単
板が乾燥する際に収縮するため、化粧単板の表面が凹面
となる反りが生じやすく、この反りが所定の範囲を越え
ると、真直な実加工が困難となるだけでなく、均一な研
磨が困難となり、塗装ムラが生じて美麗な外観等が得ら
れない。さらに、前述のような反りを生じた床材を現場
で施工すると、その反りの方向により目地部等の端部が
突き上がり、実嵌合が困難になるという問題点がある。
なお、施工現場で許容できる反りの範囲は、例えば、巾
303mm,長さ1818mmの床材では、長さ方向で
20mm以内、巾方向で2mm以内である。なお、一般
的には中央部が高くなる凸反りの方が対応が容易であ
る。
【0006】本発明は、前記問題点に鑑み、製造,加工
および施工のいずれの際にも反りの発生を一定の限度に
抑制でき、しかも、凸反りの方に抑制できる床材の製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、鋭意研究の結果、3層構造を有する無
機質板状体の上層部と下層部との厚さ、および/また
は、それらに添加される結合剤の添加量を異ならしめる
ことにより、製造,加工および施工のいずれの際にも大
きな反りが発生しにくくなること、反りが生じても、凸
反りの方が製造等に都合が良いことを知見し、この知見
に基づいて本発明を完成した。
【0008】本発明にかかる床材の製造方法は、前記目
的を達成するため、図1に示すように、鉱物質繊維、有
機質繊維、無機粉状体、結合剤を成分とする上層部1
と、この上層部1の各成分と同一範囲の組成で、かつ、
前記上層部の厚さの105%ないし115%の厚さを有
する下層部2との間に、無機発泡体,有機質繊維,結合
剤を成分とする中層部3を層状に形成,一体化して板状
体4を得、この板状体4の上層部1の表面に化粧単板5
を貼着一体化する工程からなる。
【0009】また、鉱物質繊維、有機質繊維、無機粉状
体、および、これらに対して結合剤7.5〜45重量%
を成分組成とする上層部と、この上層部の各成分と同一
範囲の組成で、かつ、前記上層部における結合剤添加量
の105%ないし120%の結合剤を添加した上層部の
厚みと等しい下層部との間に、無機発泡体,有機質繊
維,結合剤を成分とする中層部3を層状に形成,一体化
して板状体を得、この板状体の上層部の表面に化粧単板
を貼着一体化する工程であってもよい。
【0010】さらに、鉱物質繊維、有機質繊維、無機粉
状体、および、これらに対して結合剤7.5〜45重量
%を成分組成とする上層部と、この上層部の各成分と同
一範囲の組成で、かつ、前記上層部の厚さの105%な
いし115%の厚さを有し、前記上層部における結合剤
添加量の105%ないし120%の結合剤を添加した下
層部との間に、無機発泡体,有機質繊維,結合剤を成分
とする中層部を層状に形成,一体化した板状体を得、こ
の板状体の上層部の表面に化粧単板を貼着一体化する工
程であってもよい。なお、前記板状体の上層部表面に化
粧単板を貼着一体化する接着剤は、加熱によりガスを出
して収縮を小さくする発泡接着剤であってもよい。
【0011】上下層部1,2を形成する鉱物質繊維は、
所望の曲げ強さを得るとともに、吸水時の厚さ膨張率、
吸湿膨張率を抑制するために添加されるものであり、例
えば、ロックウール,スラグウール,ミネラルウール,
ガラス繊維などを挙げることができ、これらは単独で、
あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
【0012】上下層部1,2を形成する有機質繊維は、
曲げ強さを向上させるために添加されるものであり、単
繊維の強度が大きく、湿潤時における強度の低下が小さ
い天然繊維,合成繊維が好ましい。天然繊維として、例
えば、パルプ,綿の他、亜麻,大麻,ジュート等の靭皮
繊維、サイザル麻,マニラ麻,ニュージーランド麻等の
葉繊維が挙げられ、合成繊維としては、ポリエステル,
ナイロン,アクリル繊維等を挙げることができ、これら
を単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用でき
る。但し、合成繊維は高価格であるので、綿,麻等の天
然繊維と併用することが好ましい。また、天然繊維,合
成繊維は、布その他に使用したリサイクル品でもよい。
【0013】無機粉状体は、硬度を高め、ネジ止め性能
を高めるために添加されるものであり、例えば、炭酸カ
ルシウム,硅砂,マイクロシリカ,水酸化マグネシウ
ム,水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0014】上下層部1,2を形成する結合剤は、前記
鉱物質繊維,有機質繊維および無機粉状体を結合し、所
望の硬度,強度を付与するために添加されるもので、例
えば、ポリビニルアルコール樹脂,フェノール樹脂,ア
クリル樹脂等の合成樹脂やスターチ等が挙げられ、これ
らは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用でき
る。
【0015】また、下層部の結合剤添加量は、上層部に
対する結合剤添加量の105%ないし120%とするの
が好ましい。これは結合剤の硬化,収縮に伴い、下層部
の収縮が大きくなって凸状の反りを生ずるが、結合剤の
添加量が105%未満であると、化粧単板を貼着して製
造した床材の反りが凹方向になり易く、その後の工程に
トラブルが生じ易く、さらに、現場施工に手間がかかる
からであり、120%を越えると、化粧単板を貼着する
前に板状体の反りが大きくなりすぎ、化粧単板の貼着作
業に手間がかかるからである。
【0016】中層部3を形成する無機発泡体は圧縮強度
を維持しつつ、軽量化するためのものであり、例えば、
パーライト,シラス発泡体,シリカフラワー,ガラス発
泡体等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以
上組み合わせて使用できる。
【0017】中層部3を形成する有機質繊維は、前記無
機発泡体同士を連結し、強度の向上を図るために添加す
るものであり、中層部3を形成する有機質繊維として
は、上下層部1,2を形成する有機質繊維の他、例え
ば、熱融着繊維が挙げられる。
【0018】中層部3を形成する結合剤は、前記無機発
泡体および有機質繊維を連結するために添加するもので
あり、結合剤は前述の上下層部1,2を形成するものと
同様であるので、説明を省略する。他は上下層部を形成
するものと同様であるので、説明を省略するが、必ずし
も同一の材質のものを同一量だけ添加する必要はなく、
異なる材質のものを必要に応じて適量使用できる。な
お、繊維および結合剤を兼用するものとして熱融着性繊
維を使用しても効果が大である。
【0019】次に、板状体の製造方法について説明す
る。例えば、鉱物質繊維,有機質繊維,無機粉状体およ
び結合剤を水中に懸濁せしめて水性スラリーを得、これ
を湿式抄造して下層部2および上層部1となる湿潤無機
質マットを得る。なお、上下層部1,2となる湿潤マッ
トは同一の厚さを有するものであってもよいが、化粧単
板を貼着した場合に生じる大きな反りの発生を抑制する
ため、下層部の厚さは上層部の厚さの105%ないし1
15%とするのが好ましい。これは、下層部の有機分総
量を上層部より大きくし、乾燥に伴う収縮を大きくする
ことにより、凸状の反りを生じさせるためである。下層
部の厚さが、105%未満であると、化粧単板を貼着し
て製造した床材の反りが凹反りになり、その後の工程に
トラブルが生じ易く、さらに、現場施工に手間がかかる
からであり、115%を越えると、化粧単板を貼着する
前に板状体の反りが大きくなりすぎ、化粧単板の貼着作
業に手間がかかるからである。また、板状体全体の比重
を合板等の比重と等しい0.6〜0.7とする場合に
は、上下層部1,2の比重は圧締後で0.9以上にする
ことが好ましい。上下層部1,2の比重が0.9未満で
あると、緻密な表面が得られず、吸水量が大きいだけで
なく、パーティクルボードと同程度の強度が確保できな
いからである。さらに、上下層部1,2を湿式抄造で形
成すれば、鉱物質繊維,有機質繊維が相互に絡まり合
い、曲げ強度が向上するという利点がある。
【0020】一方、無機発泡体,有機質繊維および結合
剤を混合して中層部用混合物を得る。そして、この中層
部用混合物を湿式抄造して得た下層部2となる前記湿潤
無機質マットの表面に、均一に散布,堆積して中層部3
を形成し、その上に上層部1となる前記湿潤無機質マッ
トを積層して板状体4となる積層体を得る。なお、板状
体全体の比重を0.6〜0.7とする場合には、中層部
3の比重はプレス後において0.4〜0.5とすること
が好ましい。
【0021】ついで、前記積層体をプレスで加熱,圧締
すると、中層部3の空気が押し出されて一定の密度に達
した後、上下層部1,2の密度が増大する。さらに、加
熱,圧締すると、中層部3の無機発泡体の一部が上下層
部1,2に喰い込み、無機発泡体の薄肉部が破壊されて
中層部3の密度が増大すると同時に、上下層部1,2の
比重が増大した板状体4が得られる。ただし、加熱,圧
締は、全体比重が0.6〜0.7となるまで行う。
【0022】また、前述の製造方法では乾式と湿式とを
組み合わせた製造方法について説明したが、すべて湿式
又は乾式で製造してもよい。
【0023】前記板状体4の上層部1の表面に接着剤で
貼着される化粧単板5は、床材の意匠性を高めるととも
に、床材の表面に傷を付きにくくするために貼着される
ものであり、例えば、ナラ,カバ,チーク等の広葉樹単
板、あるいは、合成樹脂注入処理単板等が挙げられ、厚
さ0.2mm以上のものが使用される。0.2mm未満
であると、少しの傷で基板が露出するからである。な
お、化粧単板5は、その厚みが大の方が好ましいが、厚
みを大にすると、高価格になるので、用途により、その
厚みを適宜選択すべきである。
【0024】化粧単板5を貼着する接着剤は、特に、限
定するものではなく、一般の化粧合板に用いられる酢酸
ビニル−尿素系接着剤等が挙げられる。特に、板状体お
よび化粧単板の種類,厚さによって収縮に差が生じるの
で、これを緩和すべく、ガスを排出して固着する収縮率
の小さい熱分解型の発泡剤を添加したものも反りの発生
防止には効果がある。
【0025】さらに、化粧単板5を貼着した板状体4で
ある床材6は、生産の効率化の為に大判で化粧単板が貼
着された後、適宜の大きさに小割されて製造されるが、
隣接する他の床材6同士の不陸の発生を防止するため、
通常その側端面に実加工が施される。実加工としては、
例えば、図1に示すような雄実7a,雌実7bからなる
本実、または、雇い実など、木質床材と同等の実加工が
挙げられ、その後、塗装等が施される。
【0026】
【実施例】次に、本発明にかかる実施例を説明する。 (実施例1a)鉱物質繊維としてロックウール45重量
部、有機質繊維としてパルプ10重量部、無機粉状体と
して炭酸カルシウム25重量部、結合剤としてスターチ
10重量部および粉末フェノール10重量部、さらに、
若干量の定着剤を清水中に投入,撹拌して濃度2%の水
性スラリーを得、これを長網式抄造機に導いて抄造し、
上層部となる厚さ5.0mmの湿潤無機質マットおよび
下層部となる厚さ5.3mmの湿潤無機質マットをそれ
ぞれ得た。
【0027】一方、無機発泡体としてパーライト70重
量部、有機質繊維としてパルプ10重量部、さらに、結
合剤としてスターチ10重量部および粉末フェノール樹
脂10重量部を、これら固型分100に対して水30の
割合の噴霧下で混合し、中層部用混合物を得た。
【0028】そして、下層部となる湿潤無機質マット上
に前記中層部用混合物を厚さ30mmとなるように均一
に散布,堆積し、その上に上層部となる前記湿潤無機質
マットを配して積層体を得た。ついで、この積層体をホ
ットプレスで加熱,圧締した後、巾910mm、長さ1
820mm、厚さ9mmの板状体を得た。この板状体の
上層部,下層部および中層部の厚さはそれぞれ1.5m
m,1.6mmおよび5.9mmであり、長さ方向にお
いて高さ2.0mmの凸面の反りが生じていたが、巾方
向において反りは生じていなかった。なお、ここに巾方
向の反りとは、木口端面で測定した巾方向の反りを意味
する。以後、同様である。
【0029】次いで、前記板状体の表面に接着剤を16
5g/m2の割合で塗布し、厚さ0.2mmのナラ単板
を載置して熱圧プレスで加熱,圧締した後、自然冷却し
て化粧単板貼板状体(以下、「中間材」という)を得
た。なお、前記接着剤は酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、小
麦粉、および、水を混練して得たものである。そして、
この中間材の反りは、長さ方向において深さ1mmの凹
面を形成しており、巾方向において深さ1mmの凹面を
形成していた。さらに、前記中間材を巾方向に3分割し
て実加工等を施した床材の施工時における反りは、長さ
方向において深さ1.0mmの凹面を形成しており、巾
方向において深さ0.5mmの凹面を形成していた。な
お、施工時は化粧単板貼着時から約10日経過してい
た。
【0030】(実施例1b)前記接着剤の代わりに発泡
接着剤を使用して化粧単板を貼着する点を除き、他は前
述の実施例1aと同様に処理して得た中間材の反りを測
定した。本実施例における発泡接着剤は前記接着剤に、
その樹脂重量の1%に相当する熱分解型発泡剤を添加し
て得たものである。そして、化粧単板を貼着した中間材
は、長さ方向において高さ1.0mmの凸面を形成し、
巾方向において反りは生じていなかった。前記中間材を
巾方向に3分割して得た床材は、長さ方向において高さ
1.0mmの凸面を形成していたが、巾方向において反
りは生じていなかった。
【0031】(実施例2a)実施例1aと同一組成のス
ラリーから抄造して上層部および下層部となる厚さを
5.0mmおよび5.7mmの湿潤無機質マットを得る
一方、中層部用混合物を厚さ29mmとなるように散
布,堆積して積層体を得、この積層体を実施例1aと同
一条件で加熱,圧締することにより、実施例1aの板状
体と巾寸法,長さ寸法が同一で、厚さ8.9mmの板状
体を得、この板状体の反りを測定した。なお、板状体の
上層部,下層部および中層部の厚さはそれぞれ1.5m
m,1.7mmおよび5.7mmであった。この板状体
は、長さ方向において高さ3.0mmの凸面を形成し、
巾方向において0.5mmの凸面を形成していた。次
に、実施例1aと同一の条件で化粧単板を貼着して得た
中間材の反りを測定したところ、長さ方向において深さ
0.5mmの凹面を形成し、巾方向において深さ0.5
mmの凹面を形成していた。前記中間材を巾方向に3分
割して実加工等を施した床材では、長さ方向において深
さ0.5mmの凹面を形成していたが、巾方向の反りは
測定できない程小さくなっていた。
【0032】(実施例2b)前述の実施例2aにおいて
実施例1bの発泡接着剤を使用して化粧単板を貼着した
点を除き、他は前述の実施例2aと同様に処理して得た
中間材の反りを測定した。化粧単板を貼着した中間材
は、長さ方向において高さ1mmの凸面を形成していた
が、巾方向において反りは生じていなかった。この中間
材を巾方向に3分割して実加工等を施した床材にも同様
な結果が生じていた。
【0033】(実施例3a)実施例1aと同一組成のス
ラリーから、上層部となる厚さ5.0mmの湿潤無機質
マットを得た。一方、実施例1aにおいて結合剤の割合
を21重量部としたスラリーから、下層部となる厚さ
5.0mmの湿潤無機質マットをそれぞれ得た。そし
て、下層部となる湿潤無機質マット上に実施例1aで使
用した中層部用混合物を厚さ30mmとなるように均一
に散布,堆積し、その上に上層部となる前記湿潤無機質
マットを配しての積層体を得た。他は前述の実施例1a
と同様に処理して板状体を得、この板状体の反りを測定
した。ついで、この板状体に化粧単板を貼着して得た中
間材の反りを測定した。板状体の反りは、長さ方向にお
いて高さ4mmの凸面を形成しており、巾方向において
反りは生じていなかった。また、化粧単板を貼着した中
間材の反りは、長さ方向において深さ1mmの凹面を形
成しており、巾方向においては深さ0.5mmの凹面が
生じていた。さらに、前記中間材を巾方向に3分割して
実加工等を施した床材4の施工時における反りは、長さ
方向において深さ1mmの凹面であり、巾方向において
反りは生じていなかった。
【0034】(実施例3b)前述の実施例3aにおいて
実施例1bの発泡接着剤を使用して化粧単板を貼着した
点を除き、他は実施例3aと同様に処理して得た床材の
反りを測定した。化粧単板を貼着した中間材は、長さ方
向において高さ0.5mmの凸面を形成していたが、巾
方向において反りは生じていなかった。前記中間材を巾
方向に3分割して実加工等を施した床材も同様であっ
た。
【0035】(実施例4)実施例1aと同様のスラリー
から、上層部となる厚さ5.0mmの湿潤無機質マット
を得た。一方、実施例1aのスラリーにおいて結合剤2
3重量部を添加したスラリーを抄造し、下層部となる厚
さ5.0mmの湿潤無機質マットをそれぞれ得た。そし
て、下層部となる湿潤無機質マット上に実施例1aで使
用した中層部用混合物を厚さ30mmとなるように均一
に散布,堆積し、その上に上層部となる前記湿潤無機質
マットを配して積層体を得た。他は前述の実施例1aと
同様に処理して板状体を得、この板状体の反りを測定し
た。ついで、この板状体に化粧単板を貼着して得た中間
材の反りを測定した。板状体の反りは、長さ方向におい
て高さ8mmの凸面を形成しており、巾方向において高
さ1mmの凸面を形成していた。また、化粧単板を貼着
した中間材の反りは、長さ方向において2mmの凸面を
形成していたが、巾方向において反りは生じていなかっ
た。さらに、前記中間材を巾方向に3分割して実加工等
を施した床材の施工時における反りは、長さ方向におい
て高さ2mmの凸面であり、巾方向において反りは生じ
ていなかった。
【0036】(実施例5)本実施例は前述の実施例1a
と実施例3aとを組み合わせたものである。すなわち、
実施例1aと同様のスラリーから、上層部となる厚さ
5.0mmの湿潤無機質マットを得た。一方、実施例1
aにおいて、結合剤を21重量部添加したスラリーを抄
造し、下層部となる厚さ5.3mmの湿潤無機質マット
をそれぞれ得た。そして、下層部となる湿潤無機質マッ
ト上に実施例1aで使用した中層部用混合物を厚さ30
mmとなるように均一に散布,堆積し、その上に上層部
となる前記湿潤無機質マットを配して積層体を得た。こ
の積層体を実施例1aと同様に処理して板状体を得、こ
の板状体の反りを測定した。ついで、この板状体に化粧
単板を貼着して得た中間材の反りを測定した。板状体の
反りは、長さ方向において高さ6mmの凸面を形成して
おり、巾方向において高さ1mmの凸面を形成してい
た。また、化粧単板を貼着した中間材の反りは、長さ方
向において高さ1mmの凸面を形成していたが、巾方向
において反りは生じていなかった。さらに、前記中間材
を巾方向に3分割して実加工等を施した床材の施工時に
おける反りは、長さ方向において高さ0.5mmの凸面
であり、巾方向において反りは生じていなかった。
【0037】(実施例6)本実施例は実施例2aおよび
実施例4を組み合わせた場合である。すなわち、実施例
1aと同様のスラリーから、上層部となる厚さ5.5m
mの湿潤無機質マットを得た。一方、実施例1aにおい
て、結合剤を23重量部添加して得たスラリーを抄造す
ることにより、下層部となる厚さ6.0mmの湿潤無機
質マットをそれぞれ得た。そして、下層部となる湿潤無
機質マット上に実施例1aで使用した中層部用混合物を
厚さ58mmとなるように均一に散布,堆積し、その上
に上層部となる前記湿潤無機質マットを配して積層体を
得た。この積層体を実施例1aと同様に処理して厚さ1
5mmの板状体を得、この板状体の反りを測定した。つ
いで、この板状体に化粧単板を貼着して得た中間材の反
りを測定した。板状体の反りは、長さ方向において高さ
12mmの凸面を形成しており、巾方向において高さ2
mmの凸面を形成していた。また、化粧単板を貼着した
中間材の反りは、長さ方向において高さ2mmの凸面を
形成しており、巾方向における端面においては高さ1m
mの凸面を形成していた。さらに、前記中間材を巾方向
に3分割して実加工等を施した床材の施工時における反
りは、長さ方向において高さ1mmの凸面であるが、巾
方向において反りは生じていなかった。
【0038】(比較例1a)実施例1aと同一組成のス
ラリーから実施例1aと同様の方法で上下層部となる厚
さ5mmの湿潤無機質マットを得た。そして、下層部と
なる湿潤無機質マット上に実施例1aで使用した中層部
用混合物を厚さ30mmとなるように均一に散布,堆積
し、その上に上層部となる前記湿潤無機質マットを配し
て厚さ40mmの積層体を得た。他は前述の実施例1a
と同様に処理して板状体を得、この板状体の反りを測定
した。ついで、この板状体に接着剤で化粧単板を貼着し
て得た中間材の反りを測定した。板状体の反りは、長さ
方向および巾方向のいずれにおいても生じていなかっ
た。また、化粧単板を貼着した中間材の反りは、長さ方
向において深さ20mmの凹面であり、巾方向における
反りは深さ3.6mmの凹面であった。さらに、前記中
間材を巾方向に3分割し、実加工等を施した床材の施工
時における反りは、長さ方向において深さ18mmの凹
面であり、巾方向において深さ1mmの凹面を形成して
いた。
【0039】(比較例1b)前述の比較例1aにおいて
前記接着剤の代わりに実施例1bの発泡接着剤を使用す
る点を除き、他は前述の実施例1aと同様に処理して得
た中間材の反りを測定した。化粧単板を貼着した中間材
の反りは、長さ方向において深さ10mmの凹面であ
り、巾方向において深さ0.5mmの凹面を形成してい
た。
【0040】説明の便宜上、前述の実施例および比較例
にかかる反りの測定結果を表1に示す。
【表1】
【0041】以上の測定結果から明らかなように、実施
例の化粧単板を貼着した中間材および床材のいずれかの
方向における最大の反りは、比較例のそれらよりも極め
て小さいので、実施例の方が比較例よりも床材の加工、
すなわち実加工,塗装等、および現場施工において手間
がかからないことがわかった。一方、比較例の板状体は
長さ方向において反りが生じないのに対し、実施例の板
状体には凸面の反りが生じており、特に、実施例4,
5,6の反りは極めて大きい。しかし、板状体の長さが
約1820mmであるので、前述の反りは板状体全体か
ら見れば相対的に極めて小さく、しかも、凸状の反りで
あるので、実施例にかかる板状体に接着剤を塗布する場
合はスムーズに塗布機に挿入でき、製造上、特に支障は
ない。そして、化粧単板を接着剤で板状体に貼着した実
施例2a,3aの中間材,床材よりも、化粧単板を発泡
接着剤で板状体に貼着した実施例2b,3bの中間材,
床材の方が長さ方向における反りの変化の度合いが小さ
い。これは発泡接着剤が固着するときの収縮力が小さい
ためであると考えられる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本願発
明の請求項1にかかる床材の製造方法によれば、下層部
の厚さを上層部の厚さよりも厚くしてあるので、板状体
においては若干の反りは生じるが、上層部の表面は凸面
となる。このため、凹状の反りの場合、板状体の先端は
空中に位置する為に塗装機への挿入に支障が出るが、凸
状の反りの場合、板状体の先端は基準面に位置する為に
接着剤の塗布に支障は生じない。そして、凸状の反りを
有する前記板状体の表面に接着剤で化粧単板を貼着して
一体化した場合には、化粧単板,接着剤の収縮で板状体
の凸状反りが相殺され、反りの少ない平らな中間材が得
られるので、床材の加工および現場施工が容易になる。
請求項2によれば、下層部に添加される結合剤の添加量
を上層部のそれよりも多くしてあるので、板状体におい
ては若干の反りは生じるが、上層部の表面は凸面とな
る。このため、前者と同様、化粧単板を貼着する際に特
に支障はない。そして、前記板状体に接着剤で化粧単板
を貼着して一体化した場合には、化粧単板,接着剤の収
縮で板状体の反りが相殺され、反りの少ない平らな中間
材が得られるので、床材の加工および現場施工が容易に
なる。請求項3によれば、下層部を上層部よりも厚く
し、かつ、下層部に添加される結合剤の添加量を上層部
のそれよりも多くしてあるので、請求項1,2に比べ、
板状体には相当大きな凸状の反りが生じる。従って、第
1発明,第2発明では充分に反りが吸収出来ない場合あ
るいは凹状の反りが発生して床材の製造または施工にお
いて支障が出る場合に有効である。請求項4によれば、
固着する際の収縮力が小さい発泡接着剤で板状体に化粧
単板を貼着するので、化粧単板を貼着した場合に生じる
表面側の収縮が小さい為に凹反りの発生が少なく、ま
た、生じてもその値が小さいので、加工および施工の際
における問題の発生を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかる床材の一実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1…上層部、2…下層部、3…中層部、4…板状体、5
…化粧単板、6…床材、7a…雄実、7b…雌実。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱物質繊維、有機質繊維、無機粉状体お
    よび結合剤を成分とする上層部と、この上層部の各成分
    と同一範囲の組成で、かつ、前記上層部の厚さの105
    %ないし115%の厚さを有する下層部との間に、無機
    発泡体、有機質繊維、結合剤を成分とする中層部を層状
    に形成,一体化して板状体を得、この板状体の上層部の
    表面に化粧単板を貼着一体化したことを特徴とする床板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 鉱物質繊維、有機質繊維、無機粉状体、
    および、これらに対して結合剤7.5〜45重量%を成
    分組成とする上層部と、この上層部の各成分と同一範囲
    の組成で、かつ、前記上層部における結合剤添加量の1
    05%ないし120%の結合剤を添加した下層部との間
    に、無機発泡体,有機質繊維,結合剤を成分とする中層
    部を層状に形成,一体化して板状体を得、この板状体の
    上層部の表面に化粧単板を貼着一体化したことを特徴と
    する床材の製造方法。
  3. 【請求項3】 鉱物質繊維、有機質繊維、無機粉状体、
    および、これらに対して結合剤7.5〜45重量%を成
    分組成とする上層部と、この上層部の各成分と同一範囲
    の組成で、かつ、前記上層部の厚さの105%ないし1
    15%の厚さを有し、前記上層部における結合剤添加量
    の105%ないし120%の結合剤を添加した下層部と
    の間に、無機発泡体,有機質繊維,結合剤を成分とする
    中層部を層状に形成,一体化して板状体を得、この板状
    体の上層部の表面に化粧単板を貼着一体化したことを特
    徴とする床材の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載の床材の製
    造方法において、板状体の上層部の表面への化粧単板の
    貼着一体化を発泡接着剤で行なうことを特徴とする床材
    の製造方法。
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