JP2901868B2 - 床 材 - Google Patents

床 材

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JP2901868B2
JP2901868B2 JP5024594A JP5024594A JP2901868B2 JP 2901868 B2 JP2901868 B2 JP 2901868B2 JP 5024594 A JP5024594 A JP 5024594A JP 5024594 A JP5024594 A JP 5024594A JP 2901868 B2 JP2901868 B2 JP 2901868B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として床下地に直貼
りされる無機質材を基材とする床材に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、木
造家屋の床面を構成するものとしては、各種のものがあ
るが、最も簡便なものとしては、床下地に木質系床板を
直貼りしたものがあり、その代表的なものとして合板製
床板が用いられている。
【0003】しかしながら、合板用木材は環境保護の見
地から入手が困難となり、高価格化する傾向にある。し
かも、合板は表面硬度が低く、打撲等により凹み等の変
形が生じやすいだけでなく、表面の平滑性が悪いため、
薄い化粧単板を直接貼ることができず、肉厚の化粧単板
が必要である。また、木材からなる合板は吸湿性が大き
く、特に、厚さ方向の膨張率が大きいので、段差が生じ
やすい。さらに、合板は、白蟻,腐朽菌に侵されやすい
という問題点がある。
【0004】このため、合板に代わる板状体としてパー
ティクルボード、中比重繊維板等を用いることが考えら
れているが、パーティクルボードは、その密度が合板の
密度よりも高く、曲げ強さが合板の1/3ないし1/2
であり、吸水による厚さ膨張率が合板の2倍であり、吸
湿線膨張率が合板の約2倍という不具合がある。
【0005】一方、中比重繊維板は、その密度が合板の
密度とほぼ同等であるが、曲げ強さが合板の約70%で
あり、吸水による厚さ膨張率が合板の約2倍であり、吸
湿線膨張率が合板の2倍ないし4倍という不具合があ
る。
【0006】したがって、パーティクルボードまたは中
比重繊維板を単独で使用した場合には、これらに水がか
かったときに膨潤して突き上げが生じたり、あるいは、
その後の乾燥によって目透きが生じるという問題点があ
る。
【0007】このような問題点を解決するため、合板と
中比重繊維板等とを組み合わせることにより、両者の欠
点を相殺する方法も考えられているが、この方法では貼
り合わせ作業に手間がかかるという問題点がある。
【0008】本発明は、前記問題点に鑑み、合板を用い
ることなく、吸水による厚さ膨張率,吸湿線膨張率が合
板とほぼ同等で、合板よりも表面性能に優れた床材を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる床材は、
前記目的を達成するため、図1に示すように、鉱物質繊
維30〜50重量%、有機質繊維10〜30重量%、無
機粉状体10〜30重量%、結合剤7〜30重量%を成
分組成とする上下層部1,2間に、無機発泡体55〜7
5重量%,有機質繊維5〜15重量%,結合剤10〜3
0重量%を成分組成とする中層部3を層状に形成一体化
した比重0.6〜0.7の板状体4の表面に、化粧単板
5を貼着一体化した構成としてある。
【0010】上下層部1,2を形成する鉱物質繊維は、
所望の曲げ強さを得るとともに、吸水時の厚さ膨張率、
吸湿膨張率を抑制するために添加されるものであり、例
えば、ロックウール,スラグウール,ミネラルウール,
ガラス繊維などを挙げることができ、これらは単独で、
あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。そして、
上下層部1,2における鉱物質繊維の組成比は30〜5
0重量%とするのが好ましい。30重量%未満である
と、所望の曲げ強さが得られず、吸水による厚さ膨張
率,吸湿線膨張率が抑制できないからである。一方、鉱
物質繊維が50重量%を越えると、後述する有機質繊
維,無機粉状体および結合剤の添加量が相対的に低くな
り、表面硬度およびネジ止め性能を高くできないからで
あり、さらに、抄造時の濾水が悪化し、良好な湿潤マッ
トが得られないからである。
【0011】上下層部1,2を形成する有機質繊維は、
曲げ強さを向上させるために添加されるものであり、単
繊維の強度が大きく、湿潤時における強度の低下が小さ
い天然繊維,合成繊維が好ましい。天然繊維として、例
えば、パルプ,綿の他、亜麻,大麻,ジュート等の靭皮
繊維、サイザル麻,マニラ麻,ニュージーランド麻等の
葉繊維が挙げられ、合成繊維としては、ポリエステル,
ナイロン,アクリル繊維等を挙げることができ、これら
を単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用でき
る。但し、合成繊維は価格が高いので、綿,麻等の天然
繊維と併用することが好ましい。また、天然繊維,合成
繊維は、布その他に使用したリサイクル品でもよい。そ
して、上下層部1,2における有機質繊維の組成比は1
0〜30重量%とするのが好ましい。10重量%未満で
あると、脆い鉱物質繊維の割合が相対的に増加するの
で、板状体全体としては脆く、強度が増大しないからで
あり、30重量%を越えると、吸湿線膨張率が大きくな
りすぎるからである。
【0012】無機粉状体は、硬度を高め、ネジ止め性能
を高めるために添加されるものであり、例えば、炭酸カ
ルシウム,硅砂,マイクロシリカ,水酸化マグネシウ
ム,水酸化アルミニウム等が挙げられる。そして、上下
層部1,2における無機粉状体の組成比は10〜30重
量%とするのが好ましい。10重量%未満では所望の硬
度が得られず、重量物を載置すると、表面に凹みが生じ
るからであり、30重量%を越えると、鉱物質繊維,有
機質繊維および結合剤の添加量が相対的に低下し、所望
の強度が得られないからである。
【0013】上下層部1,2を形成する結合剤は、前記
鉱物質繊維,有機質繊維および無機粉状体を結合し、所
望の硬度,強度を付与するために添加され、例えば、ポ
リビニルアルコール樹脂,フェノール樹脂,アクリル樹
脂等の合成樹脂やスターチ等が挙げられ、これらは単独
で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。ただ
し、スターチは少量で曲げ強さを高めることができる
が、それ単独では湿潤時に接着力が低下するので、フェ
ノール樹脂,アクリル樹脂等を併用することが好まし
い。そして、上下層部1,2における結合剤の組成比は
7〜30重量%とするのが好ましい。7重量%未満では
充分な強度が得られないからであり、30重量%を越え
ると、硬度が高くなりすぎ、加工の際に種々の不都合が
生じるからである。なお、上層部1における結合剤の組
成比を15〜30重量%とし、かつ、下層部2における
結合剤を7〜15重量%とすることにより、上層部1の
硬度が高くなり、所望の表面性能が得られるとともに、
下層部2の硬度が低くなり、床下地になじみやすくなる
という利点がある。
【0014】中層部3を形成する無機発泡体は圧縮強度
を維持しつつ、軽量化するためのものであり、例えば、
パーライト,シラス発泡体,シリカフラワー,ガラス発
泡体等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以
上組み合わせて使用できる。そして、中層部3における
無機発泡体の組成比は55〜75重量%とするのが好ま
しい。55重量%未満であると、中層部3を形成するた
めに添加される有機質繊維,結合剤の割合が相対的に増
加するので、強度は向上するが、釘の保持力が低下する
とともに、比重低下の効果が得られないからであり、7
5重量%を超えると、有機質繊維あるいは結合剤の割合
が低下し、中層部3、ひいては、板状体4全体の強度を
向上させることが困難となるからである。
【0015】中層部3を形成する有機質繊維は、前記無
機発泡体同士を連結し、強度の向上を図るために添加す
るものであり、中層部3を形成する有機質繊維として
は、上下層部1,2を形成する有機質繊維の他、例え
ば、熱融着繊維が挙げられる。そして、中層部3におけ
る有機質繊維の組成比は、5〜15重量%とするのが好
ましい。5重量%未満の添加量では、無機発泡体が主と
して結合剤によってのみ連結されてしまうため、脆く破
壊され易いからであり、15重量%を越えると、比重低
下の効果が小さくなるからである。
【0016】中層部3を形成する結合剤は、前記無機発
泡体および有機質繊維を連結するために添加するもので
あり、結合剤の材質,添加量は前述の上下層部を形成す
るものと同様であるので、説明を省略するが、必ずしも
同一の材質のものを同一量だけ添加する必要はなく、異
なる材質のものを必要に応じて適量使用できる。なお、
繊維および結合剤の代用として熱融着性繊維を使用して
も効果が大である。
【0017】次に、板状体の製造方法について説明す
る。例えば、鉱物質繊維,有機質繊維,無機粉状体およ
び結合剤を水中に懸濁せしめて水性スラリーを得、これ
を湿式抄造して下層部2および上層部1となる湿潤無機
マットを得る。なお、板状体全体の比重を0.6〜0.
7とする場合には、上層部1の比重は圧締後で0.9以
上にすることが好ましい。上層部1の比重が0.9未満
であると、緻密な表面が得られず、吸水量が大きいだけ
でなく、パーティクルボードと同程度の表面硬度および
曲げ強度が確保できないからである。また、上下層部
1,2を湿式抄造で形成することにより、鉱物質繊維,
有機質繊維が相互に絡まり合い、曲げ強度が向上すると
いう利点がある。
【0018】一方、無機発泡体,有機質繊維および結合
剤を、例えば、固形分100に対して水30の割合の噴
霧下で、混合して中層部用混合物を得る。そして、この
混合物を湿式抄造して得た下層部2となる前記湿潤無機
マットの表面に、均一に散布,堆積して中層部3を形成
し、その上に上層部1となる前記湿潤無機マットを積層
して板状体4となる積層体を得る。なお、板状体全体の
比重を0.6〜0.7とする場合には、中層部3の比重
はプレス後において0.4〜0.5とすることが好まし
い。中層部3の比重が0.4未満であると、中層部3が
疎に形成され、載荷時に破壊されることがあるからであ
り、0.5を越えると、一般の床板と同等の9mm厚程
度では木質材の比重0.6〜0.7を超えて重くなるか
らである。また、中層部3を乾式で形成することによ
り、中層部3の厚みを自由に設定でき、全体厚みを調整
できる利点がある。
【0019】ついで、前記積層体をプレスで加熱,圧締
すると、中層部3の空気が押し出されて一定の密度に達
した後、上下層部1,2の密度が増大する。さらに、加
熱,圧締すると、中層部3の無機発泡体の一部が上下層
部1,2に喰い込み、無機発泡体の薄肉部が破壊されて
中層部3の密度が増大すると同時に、上下層部1,2の
比重が増大した板状体4が得られる。ただし、加熱,圧
締は、全体比重が0.6〜0.7となるまで行う。
【0020】なお、生産性の見地より、加熱圧締には連
続プレスを用いるのが好ましいが、連続プレスで板状体
4の乾燥を完了することは得策でなく、一体化した後
に、別途、乾燥機で乾燥する方が好ましい。また、前述
の製造方法では乾式と湿式とを組み合わせた製造方法に
ついて説明したが、すべて湿式で製造してもよい。さら
に、前述の製造方法では、湿潤マット等よりなる積層体
をプレスで加熱,圧締するので、表面の硬度が高く、か
つ、平滑な板状体4を得られるという利点がある。
【0021】前記板状体4の上層部1の表面に貼着され
る化粧単板5は、床材の意匠性を高めるとともに、床材
の表面に傷を付きにくくするために貼着されるものであ
り、例えば、ナラ,カバ,チーク等の広葉樹単板、ある
いは、合成樹脂注入処理単板等が挙げられ、厚さ0.2
mm以上のものが使用される。0.2mm未満である
と、少しの傷で基板が露出するからである。なお、化粧
単板5は、その厚みが大の方が好ましいが、厚みを大に
することは高価格になるので、用途により、その厚みを
適宜設定すべきである。
【0022】前記板状体4の下層部2の裏面には、床下
地へのなじみを良くするため、中層部3に達する複数本
の溝6を並設しておいてもよい。なお、前記溝6は板状
体4全体の硬度が高い程、前記溝6のピッチを小さくす
ることが望ましく、溝6のピッチは50mm〜150m
mの範囲で設定される。
【0023】また、前述と同様、床下地へのなじみを良
くし、床下地に加わる衝撃力を緩和するため、板状体4
の裏面にクッション材7を適宜貼着一体化しておいても
よい。クッション材7としては、例えば、発泡ウレタン
材、発泡ポリエチレン材等の合成樹脂材の他、不織布、
軟質ゴムまたは合成樹脂シートが挙げられ、厚さ1〜5
mmのものが使用される。
【0024】さらに、化粧単板5を貼着した板状体4で
ある床材8は、隣接する他の床材8同士の不陸の発生を
防止するため、その側端面に実加工を施しておいてもよ
い。実加工としては、例えば、図1に示すような雄実9
a,雌実9bからなる本実、または、雇い実など、木質
床材と同等の実加工が挙げられる。
【0025】
【実施例】次に、本発明にかかる実施例を説明する。 (実施例)鉱物質繊維としてロックウール45重量部、
有機質繊維としてパルプ10重量部、無機粉状体として
炭酸カルシウム25重量部、結合剤としてスターチ10
重量部および粉末フェノール10重量部、さらに、若干
量の定着剤を清水中に投入,撹拌して濃度2%の水性ス
ラリーを得、これを長網式抄造機に導いて抄造し、厚さ
5.0mmの下層部,上層部となる湿潤無機質マットを
得た。
【0026】一方、無機発泡体としてパーライト70重
量部、有機質繊維としてパルプ10重量部、さらに、結
合剤としてスターチ10重量部および粉末フェノール樹
脂10重量部を、これら固型分100に対して水30の
割合の噴霧下で混合し、中層部用混合物を得た。
【0027】そして、下層部となる湿潤無機質マット上
に前記中層部用混合物を厚さ30mmとなるように均一
に散布,堆積し、その上に上層部となる湿潤無機マット
を配して厚さ40mmの積層体を得た。ついで、この積
層体を温度180℃、圧力12kg/cm2のプレスで厚さ9
mmまで加圧して板状体とし、これを温度180℃の乾
燥炉内で20分間乾燥した後、適当な長さ,巾に切断し
て実施例1のサンプルを得た。次いで、前記サンプルの
表面に厚さ0.2mmのナラ単板を酢酸ビニル−アクリ
ル接着剤で貼着する一方、前記板状体の裏面に巾1.0
mm,深さ5.0mmの溝を巾方向にピッチ100mm
で設けて実施例2のサンプルを得た。
【0028】(比較例)市販の合板(厚さ9mmのタイ
プI合板)を比較例1のサンプルとした。一方、厚さ9
mmの合板に厚さ0.3mmのナラ単板を実施例2と同
様に貼着した市販の合板製床板を比較例2のサンプルと
した。また、厚さ6mmの合板(タイプI)の表面に厚
さ0.2mmのナラ単板を貼着し、その裏面に厚さ3m
mの中比重繊維板を貼着して得たものを比較例3のサン
プルとした。
【0029】そして、実施例1および比較例1のサンプ
ルの物性に関する測定結果を表1に表示する。
【表1】
【0030】なお、前記測定結果は下記の方式に基づい
て得られたものである。 曲げ強さ: JIS A 5907−1977に基づ
く。 曲げヤング率: JIS Z 2113−63に基づく。 圧縮強度: JIS Z−2111 ブリネル硬度: JIS Z−2448 木ネジ保持力: JIS A 5908に基づく。 吸水率: {(24時間浸漬後重量−浸漬前重量)
/浸漬前重量}×100 吸水厚さ膨張率: JIS A 5908による。 吸湿線膨張率: JIS A 5403に準じて行なった。
【0031】以上の測定結果から明らかなように、実施
例1と比較例1とを比較すると、両者は密度においてほ
ぼ同等であるが、曲げ強さ,曲げヤング率において実施
例1は比較例1よりも劣っており、ほぼ市販のパーティ
クルボードに等しい。このため、実施例1を根太に架け
渡して床面を形成することにより、合板で床面を形成し
た場合と同等の強度を得るためには、実施例1では合板
の約2倍の厚さが必要であるが、床下地に直貼りする場
合には合板とほぼ同等の厚さで使用できるので、床下地
に直貼りする場合には実用上の問題はない。
【0032】また、木ネジ保持力においても、実施例1
は比較例1よりも劣っている。しかし、床下地に直貼り
する場合には、根太に架け渡す場合よりも木ネジに作用
する外力が小さいので、前述と同様、床下地に直貼りす
る場合には実用上の問題はない。
【0033】一方、圧縮強度,ブリネル硬度において実
施例1は比較例1よりも優れている。特に、圧縮強度に
おいて実施例1は比較例1の2倍以上の強度を有してい
る。そして、実施例1の表面状態はプレス加工を施して
あるので、比較例1よりも良好である。このため、比較
例1では厚い化粧単板を用いているが、実施例1では、
肉厚の薄い化粧単板(厚さ0.2mm)を使用しても問
題はない。
【0034】さらに、吸水率,吸水厚さ膨張率において
実施例1は比較例1よりも優れており、吸湿線膨張率に
おいて両者はほぼ同等であった。このため、比較例1を
使用できる水回り領域であれば、実施例1にかかる床材
も使用できることがわかった。
【0035】次に、実施例2および比較例2,3につい
て耐キャスター試験を行った。耐キャスター試験とは、
60Kgの重りを乗せたキャスターを、各サンプル上で
往復移動させた場合に傷が生じるか否かを目視にて観察
する試験をいう。実施例2および比較例2はそれぞれ往
復移動を5万回行っても傷が付かなかったが、比較例3
は約3万回で傷が付いた。
【0036】以上の結果から明らかなように、実施例
1,2にかかる床材によれば、合板と同等の耐水性,耐
湿性を有し、合板よりも表面性能に優れた代替品を得ら
れることがわかった。
【0037】次に、本願発明にかかる板状体に裏打ちす
るクッション材の遮音特性について説明する。すなわ
ち、巾900mm,長さ900mm,厚さ9mmの突板
張り合板単体を参考例1のサンプルとし、前記合板にク
ッション材として厚さ2mmのカルプ(商品名)を裏打
ちして得たものを参考例2のサンプルとし、前記合板に
クッション材として厚さ4mmの発泡ウレタン樹脂を裏
打ちして得たものを参考例3のサンプルとした。そし
て、各サンプルを厚さ150mmのスラブにそれぞれ直
貼りし、JIS A 1418による床衝撃音レベルの測
定に基づく遮音試験を行った。測定結果を図2に示す。
【0038】図2から明らかなように、発泡ウレタン樹
脂を裏打ちした参考例3によれば、その遮音特性がL−
55であったのに対し、合板だけの参考例1の遮音特性
はL−75、カルプを裏打ちした参考例2の遮音特性は
L−70であった。このため、前述のような発泡ウレタ
ン樹脂を裏打ちすれば、遮音特性が著しく向上すること
がわかった。そして、本願発明にかかる床板よりも曲げ
強さ,曲げヤング率が大きい合板であっても、前述のよ
うに良好な遮音特性が得られたことから、本願発明にか
かる床材にクッション材として前記発泡ウレタン樹脂を
裏打ちすれば、より一層良好な遮音特性を有する床材を
得られることが明らかとなった。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本願発
明の請求項1にかかる床材によれば、原材料の取得が合
板よりも比較的容易であるので、環境破壊を招くことな
く、高価格化を回避できる。また、本願発明の床材によ
れば、表面硬度が高いので、運搬中においても傷等が付
きにくく、運搬等に便利である。特に、加熱,圧締して
一体化すれば、表面が平滑で、硬度が高い板状体が得ら
れるので、厚肉の化粧単板が不要となる。そして、本願
発明にかかる板状体は、合板よりも吸水性,吸湿性が小
さく、特に、厚さ方向の膨張率が小さいので、段差が生
じにくい床材が得られる。しかも、中層部の大部が無機
発泡体で構成され、さらに、鉱物質繊維を主成分とする
上下層部で被覆されているので、白蟻,腐菌で侵されに
くい床材が得られる。したがって、本願発明によれば、
吸水による厚さ膨張率,吸湿線膨張率が合板とほぼ同等
で、合板よりも表面性能に優れた床材が得られるという
効果がある。請求項2によれば、上層部に添加される結
合剤の添加量が15〜30重量%であるので、上層部の
硬度が高くなり、表面性能が向上する一方、前記下層部
に添加される結合剤7〜15重量%であるので、下層部
の硬度が低くなり、床下地になじみやすくなって施工性
が向上するとともに、床鳴りを防止できる。請求項3に
よれば、板状体の裏面に、前記中層部に達する複数の溝
を所定のピッチで並設してあるので、床下地へのなじみ
が良くなり、施工が容易になるとともに、床鳴りを防止
できる。請求項4によれば、板状体の裏面にクッション
材を貼着一体化してあるので、衝撃力を吸収緩和でき、
優れた遮音特性を有する床面を形成できる。請求項5に
よれば、板状体の側端面に、隣接する他の板状体に突き
合わせて接続可能な実部を設けてあるので、隣接する床
材同士の間に不陸が生じないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかる床材の実施例を示す断面図
である。
【図2】 本願発明にかかるクッション材の遮音特性を
示すグラフ図である。
【符号の説明】
1…上層部、2…下層部、3…中層部、4…板状体、5
…化粧単板、6…溝、7…クッション材、8…床材、9
a…雄実、9b…雌実。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱物質繊維30〜50重量%、有機質繊
    維10〜30重量%、無機粉状体10〜30重量%、結
    合剤7〜30重量%を成分組成とする上下層部間に、無
    機発泡体55〜75重量%,有機質繊維5〜15重量
    %,結合剤10〜30重量%を成分組成とする中層部を
    層状に形成一体化した比重0.6〜0.7の板状体の表面
    に、化粧単板を貼着一体化したことを特徴とする床板。
  2. 【請求項2】 前記上層部に添加される結合剤の添加量
    が15〜30重量%、前記下層部に添加される結合剤の
    添加量が7〜15重量%であることを特徴とする請求項
    1に記載の床材。
  3. 【請求項3】 前記板状体の裏面に、前記中層部に達す
    る複数の溝を所定のピッチで並設したことを特徴とする
    請求項1または2に記載の床材。
  4. 【請求項4】 前記板状体の裏面にクッション材を貼着
    一体化したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載の床材。
  5. 【請求項5】 前記板状体の側端面に、隣接する他の板
    状体に突き合わせて接続可能な実部を設けたことを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の床材。
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JP2003041758A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Hokuetsu Paper Mills Ltd 床仕上げ材用基材

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