JPH07144308A - 表面化粧木質板 - Google Patents

表面化粧木質板

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JPH07144308A
JPH07144308A JP29220393A JP29220393A JPH07144308A JP H07144308 A JPH07144308 A JP H07144308A JP 29220393 A JP29220393 A JP 29220393A JP 29220393 A JP29220393 A JP 29220393A JP H07144308 A JPH07144308 A JP H07144308A
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JP
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laminated
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adhesive
decorative material
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JP29220393A
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Katsuji Yoshimura
克二 吉村
Hironao Nagashima
宏尚 長島
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Original Assignee
Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 木材薄片集成板3に方向性木材薄片集成板2
を積層した積層木質板5の方向性木材薄片集成板2の表
面に、充填剤を10〜50重量%含む接着剤6で表面化
粧材7を貼付けた表面化粧木質板。接着剤6の充填剤は
ガラス粉、木粉、または炭酸カルシウム粉、展着剤はゴ
ム変性メラミン・ユリア樹脂である。この接着剤6は着
色剤を含む。 【効果】 表面凹凸の大きい方向性木材薄片集成板2を
表層に用いたに係わらず、この表面に表面化粧材7を貼
付けて得られた表面化粧木質板1は、表面が平滑であ
り、木材薄片模様が隠ぺいされて美麗であり、表面化粧
材の剥離や膨れが起こらず、また、耐水・耐湿性も改善
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面化粧木質板に関する
ものであり、特に木材薄片集成板に方向性木材薄片集成
板を積層した積層木質板の方向性木材薄片集成板の表面
に表面化粧材を貼付けたものであって、積層木質板の平
滑性と接着性が優れ、かつ木材薄片模様が表面に表れな
い表面化粧木質板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、森林伐採が抑制され木材資源の入
手が困難になるに伴い、大量の木材資源を消費する合板
などの供給が不安定になり、また価格も上昇の傾向にあ
るため、その代替品が求められている。この観点から、
廃材からつくることができて、しかも針葉樹または広葉
樹合板に匹敵する強度を有する方向性木材薄片集成板が
注目されている。方向性木材薄片集成板は、OSB(Or
iented Strand Board) と呼ばれ、厚みが0.2〜2m
mの範囲でほぼ一定に揃えられた木材薄片(ストラン
ド)を、その木材繊維の方向がほぼ一定となるように配
向して集積し、フェノール樹脂などのバインダーで接着
して一体化成形した木質板であって、住宅の屋根、壁、
床などの下地材として用いられるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方向性木
材薄片集成板は、厚みが普通0.8mm程度と比較的厚
い木材薄片を集積したものであるので表面の凹凸が激し
く、また、独特の木材薄片模様が表れていて、そのまま
表層材として用いることは一般に困難である。また、こ
の方向性木材薄片集成板の表面に化粧単板またはポリ塩
化ビニル化粧シートなどの表面化粧材を貼付けようとし
ても、表面の凹凸が大きいために凹部に空隙を生じて接
着不良となり、また凹凸感はそのまま表面に表れるの
で、貼付前に表面研磨して面を平滑化するなどの煩雑な
処置が必要であった。さらにこのように処置しても、表
面化粧材が薄いと木材薄片模様が透けて表れ、意匠性を
損なうなどの問題があった。また、方向性木材薄片集成
板は一般に湿分を吸収し易いので、日本のように多湿地
域では、吸湿すると表面化粧材との寸法差が大きくな
り、そり、ねじれ、剥離などが発生する虞があり、さら
に表面の凹凸が助長されることにもなる。
【0004】このため、従来は方向性木材薄片集成板を
芯材として用いて、例えばその両面に、表面平滑性に優
れた中質繊維板を積層して三層構造とするなどして用い
られていた。このように、方向性木材薄片集成板の表面
凹凸とその木材薄片模様が、資源的に有利であるに係わ
らず、方向性木材薄片集成板の用途拡大を妨げていた。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであ
り、従ってその目的は、方向性木材薄片集成板を表層と
する積層木質板の表面に表面化粧材を貼付けたときにそ
の表面化粧材の表面が平滑でかつ木材薄片模様が表れ
ず、また良好に接着されていて耐水・耐湿性も改善され
た表面化粧木質板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、木材薄片
集成板の少なくとも片面に方向性木材薄片集成板を積層
した積層木質板の方向性木材薄片集成板の表面に、充填
剤を10〜50重量%含む接着剤で表面化粧材を貼付け
た表面化粧木質板を提供することによって解決できる。
ここで充填剤の重量%は、この充填剤を含む接着剤の総
固形分に対する値である。上記において、充填剤は、ガ
ラス粉、木粉、炭酸カルシウム粉から選ばれたものであ
ることが好ましい。また、この接着剤の展着剤は、ゴム
変性メラミン・ユリア樹脂であることが好ましい。また
上記接着剤は、着色剤を含むものであることが好まし
い。
【0006】
【作用】方向性木材薄片集成板の凹凸ある表面に表面化
粧材を貼付ける際、接着剤として10〜50重量%の充
填剤を含むものを用いると、接着剤中の充填剤が上記凹
凸面の凹部を埋めて平滑面を形成し、接着部に空隙が生
じない。従って貼付けられた表面化粧材の表面にも凹凸
が表れることはない。また接着部に空隙が生じないの
で、接着強度も改善されることになる。充填剤を高割合
で含む接着剤の層は耐水・耐湿被膜を形成して外部から
の水分や湿気を積層木質板にまで浸透させない。従って
この積層木質板の耐水・耐湿性も向上する。充填剤を高
割合で含む接着剤の層は光透過性が少ないから、木材薄
片模様はほとんど表面に表れない。さらに、この接着剤
に着色剤が含まれている場合には、着色剤の隠ぺい作
用、カラーマスキング作用によって、きわめて薄い表面
化粧材を用いても、木材薄片模様が表面に表れることが
ない。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
表面化粧木質板に用いられる接着剤は、好ましくはガラ
ス粉、木粉、炭酸カルシウム粉から選ばれた充填剤を、
その接着剤の固形分総量の10〜50重量%含むもので
ある。充填剤の含有量が10重量%未満では、方向性木
材薄片集成板の表面の凹凸が比較的大きいので、接着剤
を用いて表面化粧材を貼付けて乾燥したときの引けが大
きく、表面化粧材の表面にまで凹凸が表れる。50重量
%を越えると、接着剤の接着力が低下するとともに、固
すぎて表層材の微細な凹部にまで緻密に充填されず、空
隙を生ずる。
【0008】ガラス粉、木粉、炭酸カルシウム粉は、安
価であり、引けも小さく、かつ隠ぺい力もあるので、こ
の目的に好適な充填剤である。充填剤となる粉体の粒度
は特に限定されないが、普通は平均2〜500μmの範
囲のものが用いられる。接着剤の展着剤は、目的に応じ
て好適なものを使用すればよい。例えば、メラミン・ユ
リア樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルジョン、酢
酸ビニル樹脂エマルジョンなどが用いられる。特に、表
面化粧材が薄い化粧単板である場合はゴム変性メラミン
・ユリア樹脂を用いることが好ましい。これは、化粧単
板がきわめて薄い場合でもその表面への浸み出しがない
からである。
【0009】着色剤としては、有機、無機の染料、顔料
のいずれも使用可能であるが、普通は顔料が用いられ
る。この着色剤は、方向性木材薄片集成板の表面に表れ
る木材薄片模様を隠ぺいするばかりでなく、表面化粧材
の色調や深みを調整する作用もある。従って、この着色
剤の色調や濃度は、表面化粧材の光透過性や色調に応じ
て適宜選択される。
【0010】本発明の表面化粧木質板に使用される積層
木質板は、木材薄片集成板の少なくとも一方の表面に方
向性木材薄片集成板を積層したものである。この表層と
なる方向性木材薄片集成板は、木材薄片をその木材繊維
の方向が一方向にほぼ一定となるように配向して集積
し、バインダーで圧着して一体化成形した木材薄片集成
板である。この木材薄片としては、例えばアカマツ、カ
ラマツ、エゾマツ、トドマツ、アスペン、ロッジポール
パインなどの薄片が好適であるが、樹種は特に限定され
るものではない。木材薄片のサイズや形状も特に限定さ
れるものではないが、大部分のサイズが厚さ0.2〜
0.8mm、長さ20〜100mm、幅2〜60mmの
範囲内にあり、木材繊維の方向に細長い形状のものであ
ることが好ましい。この場合には、木材薄片を、その木
材繊維の方向がほぼ一定となるように配向して集積する
ことが容易になるとともに、その繊維方向の曲げ強度が
向上する。特に、積層木質板の表層となる方向性木材薄
片集成板は、組織を緻密にし、また凹凸をできるだけ小
さくして、接着剤の消費量を削減するために、厚さ0.
3mm以下の木材薄片を用いたもの(以下、表面平滑化
方向性木材薄片集成板と称する)が好ましい。また、耐
水・耐湿性、寸法安定性を改善するために、この木材薄
片はアセチル化されていてもよい。
【0011】積層木質板の芯材となる木材薄片集成板
は、木材薄片を不定方向に、または一定方向に集積し、
バインダーで圧着して一体化成形したものである。この
木材薄片としては、上記の方向性木材薄片集成板と同様
のものが使用できる。木材薄片のサイズや形状も特に限
定されるものではないが、積層木質板の強度を確保しな
がら軽量化するために、大部分のサイズが厚さ0.4〜
0.8mm、長さ20〜100mm、幅2〜60mmの
範囲内にあり、木材繊維の方向に細長い形状のものであ
ることが好ましい。なお、芯材となる木材薄片集成板
は、好ましくは、表層の方向性木材薄片集成板の配向方
向と直交するような方向性を持ったものにするとよい。
本願において、単に「木材薄片集成板」というのは、方
向性を持つものも持たないものも含む、より広い意味で
用いられている。また、耐水・耐湿性、寸法安定性を改
善するために、この木材薄片はアセチル化されていても
よい。
【0012】木材薄片を圧着するバインダーとしては、
方向性木材薄片集成板、木材薄片集成板いずれの場合
も、この分野で使用される任意の合成樹脂接着剤が使用
可能である。例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂、非発泡性ポリウレタン樹脂、
またはそれらの混合物などが使用できる。また、適度な
弾性と軽量性が実現できる発泡性バインダーを用いるこ
ともできる。ここで発泡性バインダーとは、木材薄片を
互いに強靱に接着するとともに、それ自体が発泡するも
のであって、この発泡によって樹脂分が木材薄片の微少
な隙間にも浸透し、少量のバインダーで大きい接着面積
を得るとともに、集積物を低密度化することができるも
のである。
【0013】この発泡性バインダーは、自己発泡する樹
脂から構成されていてもよく、または非発泡性の樹脂と
発泡剤とによって構成されていてもよい。自己発泡する
樹脂の例としては、発泡性ポリウレタン樹脂を挙げるこ
とができる。発泡剤によって発泡する非発泡性樹脂の例
としては、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ユリ
ア樹脂またはそれらの混合物を挙げることができる。ま
た、発泡剤としては、揮発性発泡剤、例えばCCl
3 F、CCl2 2 、またはCCl2 F−CClF2
どや、熱分解性発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド、
アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、2,2’−アゾイソ
ブチロニトリル、ベンゼンスルホヒドラジド、または
N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタル
アミドなどを挙げることができる。また、これらの発泡
性バインダーは、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂などの非発泡性バインダーを含んでいてもよい。
これらの混合比は、本発明の表面化粧木質板の用途に応
じて、また方向性木材薄片集成板および/または木材薄
片集成板のそれぞれに要求される強度や密度などに応じ
て適宜調整することができる。
【0014】特に、本発明の表面化粧木質板を床材など
として使用する場合、積層木質板の表層となる方向性木
材薄片集成板は、表面の硬度が要求されるので、非発泡
性バインダーまたは非発泡性バインダーをより多く含む
バインダー混合物を用いることが好ましい。木材薄片に
対するバインダーの割合は、木材薄片100重量部に対
して10〜30重量部とすることが好ましい。10重量
部未満では木材薄片が十分に接着せず、30重量部を越
えると、密度が過大となり重くなるとともに木質感が失
われる。
【0015】方向性木材薄片集成板または木材薄片集成
板を製造するに際しては、まず木材薄片とバインダーと
を、木材薄片の面にバインダーが均一に付着するように
混合し、この混合物を、方向性木材薄片集成板の場合は
木材薄片の木材繊維の方向が一方向にほぼ一定となるよ
うに配向して、また木材薄片集成板の場合は配向せずに
集積する。この配向は、木材薄片が木材繊維の方向に細
長い形状に形成されていれば、その長さ方向を揃えて集
積すればよいので容易である。この集積物に熱圧を加え
て接着し、板状に一体化成形すれば方向性木材薄片集成
板または木材薄片集成板が得られる。
【0016】木材薄片集成板に方向性木材薄片集成板を
積層して積層木質板を製造するには、これらを別個に製
造して接着剤を用いて接着して積層することもできる
が、バインダーを塗布した木材薄片を集積する過程で、
これらの成形材を順次積層集積し、この集積物に熱圧を
加えて同時熱圧成形することが好ましい。特にこの積層
木質板は、積層数を3層とし、両側の表層として表面平
滑化方向性木材薄片集成板を用い、芯材としては、厚さ
が0.4〜0.8mmの木材薄片からなる、表層と繊維
方向が直交する方向性木材薄片集成板を用いることが好
ましい。これによって、表面が緻密でありながら、全体
として軽量でかつ十分な強度、剛性を有する木質板が得
られる。
【0017】本発明の表面化粧木質板に用いられる積層
木質板の厚さは特に限定されるものではないが、例えば
床材として使用する場合には、9mm〜15mm程度と
することが好ましい。9mm未満では床板の構造基材と
しての強度が不足し、また曲げたわみが過大となって不
適当である。15mmを越えると床板としての厚さが過
大となり重量が増加して施工も困難になり、また、床板
に求められる歩行に適した弾性が得られなくなる。ま
た、この密度は、0.40〜0.65g/cm3 とする
ことが好ましい。密度が0.40g/cm3 より小さい
と、積層木質板の強度が不十分になり、逆に密度が0.
65g/cm3 より大きい場合は、全体の重量が増加し
て取扱い難くなる。この積層木質板の曲げヤング係数
は、表層の配向方向に40〜80×102 MPa程度で
あることが好ましい。曲げヤング係数が40×102
Pa未満では、例えば床板としたときの曲げたわみが過
大となり、80×102 MPaを越えると、床板に求め
られる歩行に適した弾性が得られなくなる。
【0018】積層木質板の表面に貼付けることのできる
表面化粧材は、化粧単板、ポリ塩化ビニル化粧シートな
どの化粧シート、化粧布、化粧紙などいずれでもよい。
ここで用いられる化粧単板は特に限定されるものではな
い。ナラ、ヒノキ、チーク、ウォルナット、スプルー
ス、オークなどの突板など、従来から使用されている厚
さ0.2〜0.8mm程度のものが使用できる。特に本
発明の表面化粧木質板においては、充填剤を含む接着剤
で表面が平滑化され、かつ木材薄片模様が隠ぺいされて
いるので、きわめて薄い化粧単板も使用可能である。
【0019】次に、本発明の表面化粧木質板の製法につ
いて説明する。ここで用いられる接着剤は、接着の目的
に加えて方向性木材薄片集成板の表面の凹凸を埋めて平
滑化する目的をも有するものであるから、表面化粧材の
側にではなく、方向性木材薄片集成板の凹凸面に塗布す
ることが好ましい。この接着剤は、例えば手コテを用い
て手作業で塗布することもできるが、生産性と塗布の均
一性を考慮すると、塗工機を用いることが好ましい。こ
の塗工機として、特にナチュラル・リバースコータ(N
Rコータ)が適している。
【0020】このNRコータは、図2に示すような構成
を有するものである。NRコータ10は、一方向に搬送
される積層木質板5の、接着剤が塗布される面に接触し
ながら回転する二つのローラ、Nローラ11およびRロ
ーラ12を有している。このNローラ11は、積層木質
板5の進行方向と同一(ナチュラル)方向に駆動回転さ
れている。積層木質板5の進行方向前方に配置されたR
ローラ12は、積層木質板5の進行方向と逆(リバー
ス)方向に駆動回転されている。このNローラ11、R
ローラ12はそれぞれドクターローラ13、14を有し
ている。また、Nローラ11とドクターローラ13、お
よびRローラ12とドクターローラ14のそれぞれの接
触部の上方にはそれぞれ接着剤槽15および16が設け
られ、これらから所定量の接着剤6が上記の接触部に供
給されるようになっている。Nローラ11とドクターロ
ーラ13との接触部に供給された接着剤6は、その接触
界面を通過することによって量が調節され、Nローラ1
1に付着して送られ、積層木質板5の表面に塗布され
る。塗布された接着剤6は、そのまま積層木質板5に載
ってRローラ12に送られる。Rローラ12は、積層木
質板5と逆方向に回転しているので、この双方の接触部
で接着剤6は積層木質板5の凹部に押し込まれ、空隙を
埋めて充填されると同時に表面が平滑化され、平坦な接
着面を有する接着剤層が形成される。このとき、必要な
ら、接着剤槽16から、Rローラ12とドクターローラ
14との接触部で調節された量の接着剤6をこの接着剤
層に補給することもできる。
【0021】上記のNRコータによって形成された接着
剤層に表面化粧材を圧着して貼付け、接着剤を乾燥固化
させると、本発明の表面化粧木質板が得られる。積層木
質板5の面に対するこの接着剤6の塗布量は、表面の凹
凸の程度に依存するので必ずしも一定しない。一般に
は、凹部を微細な空隙まで埋め、さらに凸部も薄い塗膜
で被うに十分な量を実験によって決定することが好まし
い。普通は20〜100g/m2 程度とされる。
【0022】また、この接着剤塗布に先だって、方向性
木材薄片集成板の表面をサンディングしておけば、毛羽
状に突出した木繊維が除去されるので、接着剤が微細な
凹部にまでよく浸入し、緻密な充填層が得られ、密着
性、耐水性、耐湿性に優れた接着剤層を得ることができ
る。表面化粧材を貼付けた後、得られた表面化粧木質板
の表面の光沢や強度をさらに改善するために、例えば厚
さ40〜60μm程度のウレタン塗装などを施してもよ
い。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。図1に実施例の表面化粧木質板を示す。この
表面化粧木質板1は、方向性木材薄片集成板3に木材繊
維の方向が直交する方向性木材薄片集成板2、4を積層
した積層木質板5の方向性木材薄片集成板2の表面に、
充填剤を10〜50重量%含む接着剤6で表面化粧材7
を貼付けたものである。
【0024】上記の積層木質板5は次のようにして製造
した。まず、シェービングマシン(株式会社岩倉組製)
を用いて、長さ20〜100mm、幅2〜60mm、厚
さ0.15〜0.50mmの木材薄片を製造した。この
木材薄片100重量部を低速で回転する回転ドラム内に
入れ、水性フェノールバインダー10重量部を、ドラム
内で木材薄片が自然落下する間にスプレー散布して均一
に塗布し、表面平滑化方向性木材薄片集成板2および4
となる表層形成材を得た。一方、シェービングマシン
(株式会社岩倉組製)を用いて、長さ20〜100m
m、幅2〜60mm、厚さ平均0.40〜0.80mm
の木材薄片を製造した。この木材薄片100重量部を低
速で回転する回転ドラム内に入れ、発泡性ウレタン樹脂
(住友バイエルウレタン社製の粗MDI)10重量部
を、ドラム内で木材薄片が自然落下する間にスプレー散
布して均一に塗布し、芯層形成材を得た。次いで、表層
形成材の半量を熱圧板上に木材繊維の方向が一定となる
ように散布し、この上に芯層形成材を、木材繊維の方向
が表層と直交するように散布し、さらにこの上に表層形
成材の残量を、木材繊維の方向が先の表層形成材と同一
方向となるように散布して、合計で厚さ250mmの集
積体とし、これを、温度160℃、圧力20kg/cm
2 で20分間熱圧同時成形して積層木質板5を得た。こ
の積層木質板5の両面には、木材薄片に由来する凹凸と
木材薄片模様とが認められた。
【0025】この積層木質板5の一方の表面をサンディ
ングして、突出した木繊維を除去し、次いで、図2に示
したNRコータを用いてこの面に下記配合の接着剤を塗
布した。塗布量は50g/m2 であった。ここで用いた
接着剤は、市販のゴム変性メラミン・ユリア樹脂接着剤
に、胡粉(炭酸カルシウム粉末)を固形分総量の40重
量%となるように加え、さらに酸化鉄系褐色顔料を0.
5重量%加え、十分に混練して調製したものである。
【0026】接着剤を塗布した面に直ちに厚さ0.3m
mのオーク突板からなる表面化粧材7を貼付け、110
℃、圧力10MPaに3分間熱圧処理して接着した。さ
らにこの突板表面を研磨した後、約50μmのウレタン
塗装を施し、光沢・保護膜8を形成して実施例の表面化
粧木質板1を得た。
【0027】この表面化粧木質板1は表面がきわめて平
滑であり、表面化粧材が薄いにも係わらず方向性木材薄
片集成板の木材薄片に由来する木材薄片模様を全く認め
なかった。また、この面を高温高湿の環境に置いても表
面化粧材7に膨れや剥離を認めなかった。これは積層木
質板5の表層をなす方向性木材薄片集成板2と表面化粧
材7とが、接着剤6の層を介して空隙なく緊密に接着さ
れたことを示している。
【0028】
【発明の効果】本発明の表面化粧木質板は、木材薄片集
成板の少なくとも片面に方向性木材薄片集成板を積層し
た積層木質板の方向性木材薄片集成板の表面に、充填剤
を10〜50重量%含む接着剤で表面化粧材を貼付けた
ものであるので、この接着剤が方向性木材薄片集成板の
表面の凹凸を埋め、平坦な貼付け面を形成するととも
に、この凹凸の凹部に空隙が生ずることなく全面に一様
な接着剤層が形成される。従って表面凹凸の大きい方向
性木材薄片集成板を用い、しかも研磨など煩雑な処理を
行わないにも係わらず、表面化粧材を貼付けて得られた
表面化粧木質板は、表面が平滑であり、木材薄片模様が
隠ぺいされて美麗であり、表面化粧材の剥離や膨れが起
こらず、また、耐水・耐湿性も改善されている。
【0029】接着剤中の充填剤がガラス粉、木粉、炭酸
カルシウム粉であれば、これらは充填性がよいので、引
けが少なく、表面感触の良好な、しかも安価な表面化粧
木質板が得られる。接着剤中の展着剤が、ゴム変性メラ
ミン・ユリア樹脂であれば、表面化粧材として特に薄い
化粧単板を用いても接着剤が表面に浸出することがな
い。接着剤が着色剤を含むものであれば、木材薄片模様
が隠ぺいまたはマスキングされ、表面化粧材の表面へ浮
出すことがない。また表面化粧材の色調を補強する効果
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の表面化粧木質板の断面図。
【図2】 接着剤の塗布工程を示す概略図。
【符号の説明】
1…表面化粧木質板、2、4…方向性木材薄片集成板、
3…木材薄片集成板、5…積層木質板、6…接着剤、7
…表面化粧材。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材薄片集成板の少なくとも片面に方向
    性木材薄片集成板を積層した積層木質板の方向性木材薄
    片集成板の表面に、充填剤を10〜50重量%含む接着
    剤で表面化粧材を貼付けた表面化粧木質板。
  2. 【請求項2】 上記充填剤がガラス粉、木粉、炭酸カル
    シウム粉から選ばれたものである請求項1記載の表面化
    粧木質板。
  3. 【請求項3】 上記接着剤の展着剤が、ゴム変性メラミ
    ン・ユリア樹脂である請求項1または2記載の表面化粧
    木質板。
  4. 【請求項4】 上記接着剤が、着色剤を含むものである
    請求項1、2または3記載の表面化粧木質板。
JP29220393A 1993-11-22 1993-11-22 表面化粧木質板 Pending JPH07144308A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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