JP4929991B2 - 内装化粧材 - Google Patents
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Description
(1)熱可塑性樹脂発泡板上に、少なくとも木質系繊維板を積層してなる内装化粧材、
(2)さらに、木質系繊維板上に、化粧シートを積層してなる上記(1)に記載の内装化粧材、
(3)化粧シートの木質系繊維板に接しない表面が表面保護層を有し、該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる上記(2)に記載の内装化粧材、
(4)熱可塑性樹脂発泡板が、一方向に3〜30%の破断伸び特性を有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の内装化粧材、
(5)木質系繊維板がMDF(中密度繊維板)である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の内装化粧材、及び
(6)腰壁に用いられる上記(1)〜(5)に記載の内装化粧材、
を提供するものである。
以下、本発明の好ましい実施形態の一つを示した図1に基づいて、詳細に説明する。
本発明にかかる熱可塑性樹脂発泡板2は、発泡可能であり、クッション性を有する熱可塑性樹脂を用いてなるものであれば特に制限なく用いることができるが、一方向に3〜30%の破断伸び特性を有することが好ましく、3〜20%の破断伸び特性を有することがさらに好ましい。破断伸び特性が、この範囲内にあれば、熱可塑性樹脂発泡板2は、木質系繊維板や、下地材となる石膏ボード等の湿度による伸張や、低温による収縮に十分追従するので、内装化粧材の亀裂、破損を防止することができ、また、クッション性を有するので、耐衝撃性の点で好ましい。
熱可塑性樹脂発泡板としては、例えば、ポリスチレン系発泡体、ポリエチレン系発泡体、ポリプロピレン系発泡体、硬質ポリウレタン系発泡体、フェノール系発泡体、塩化ビニール系発泡体等の各種合成樹脂からなる発泡板を好ましく挙げることができる。中でも、ポリスチレン系発泡体を用いた押出発泡ポリスチレン板、及びポリプロピレン系発泡体を用いた押出発泡ポリプロピレン板が、環境対応、コストの面でも好ましい。
本発明にかかる木質系繊維板4は、JIS A5905−2003に規定される繊維板であれば特に制限なく用いることができる。このように規定される木質系繊維板は、主に木材等の植物繊維を成型したボードであり、一般に表面の硬度が高く、適切な密度のものを選択すれば、物体が衝突した際の凹みに対して強い、有用な材料である。また、材料のコストも、プラスチックと比較して安価に入手可能である。
このような木質系繊維板の中では、密度が0.35〜0.80g/cm2の範囲であるMDF(中密度繊維板)が、比較的安価で表面性が良好であり、化粧シートを平滑にラミネートすることができ、定寸に切断して施工を行う際の切削性も良好であることから、好ましい。
木質系繊維板4の厚みは、特に制限はないが、木質系繊維板の製造上の制限、及び重量の観点から、2.5〜5mmが好ましい。内装化粧材として、木質系繊維板のみを用いた場合、十分な耐衝撃性を得るには10mm以上の厚みを要するため、重量物となり、材料のコストも高価となってしまう。しかし、該木質系繊維板に、熱可塑性樹脂発泡板を組み合わせることにより、木質系繊維板が上記の厚みであっても、十分な耐衝撃性を確保することができ、材料のコストも抑えることが可能となる。
本発明の内装化粧材1において、熱可塑性樹脂発泡板2と木質系繊維板4との間、及び木質系繊維板4と化粧シート5との間には、各々接着剤層31及び32が設けられる。
接着剤層31及び32に用いられる接着剤としては、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、アイオノマー系樹脂、オレフィン−αオレフィン系共重合体樹脂等の易接着樹脂単体等が挙げられ、これらを単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。中でも、初期及び長期の密着性が良好であることから、ポリウレタン系樹脂が好ましい。ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
プライマー層は、通常1〜10μmの厚みを有し、これをなす樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂等を好ましく挙げることができる。
本発明の内装化粧材1は、意匠性を付与する目的で、木質系繊維板4上に、化粧シート5をさらに積層することができる。化粧シートとしては、意匠性を付与できれば特に制限なく使用することができるが、本発明の内装化粧材1にさらに耐摩耗性、耐傷付性や耐汚染性等を付与するために、オーバーコート層を有する化粧シートを用いることが好ましい。このような化粧シートとしては、例えばウレタン系樹脂やアクリル系樹脂等によるコート紙や、電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層を設けた化粧シート等を好ましく挙げることができるが、中でも電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層を有する化粧シートが特に好ましい。このような電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層を有する化粧シートとしては、例えば「WSサフマーレ」(商品名、大日本印刷株式会社製)を挙げることができる。
(評価及び測定方法)
各実施例で得られた化粧内装材、及び各実施例で用いた材料について、以下の方法で評価及び測定した。
(1)破断伸び特性の測定
各実施例で用いた熱可塑性樹脂発泡板の破断伸び特性を、JIS K7127−1999に準じて測定した。
(2)耐衝撃性の評価(内装化粧材表面)
各実施例及び比較例で製造した内装化粧材を下地材の石膏ボードに貼着して得られた試験片を、JIS K7211−1976に準じて落錘衝撃試験を行った。なす型重錘(なす1型)を、高さ75cm及び1m上から内装化粧材に落下させ、該内装化粧材の表面の様子を目視し、下記の基準で評価した。
○ 表面の変化は全くなかった
△ 表面に若干の凹みが生じたが、実用上問題ない
× 表面に著しい凹みが生じた
(3)耐衝撃性の評価(下地材)
上記の落錘衝撃試験を行い、内装化粧材の下地材である石膏ボードの様子を目視し、下記の基準で評価した。
○ 割れは全くなかった
△ 割れが若干生じたが、実用上問題ない
× 割れが著しく生じた
熱可塑性樹脂発泡板2として、ポリスチレン樹脂発泡板(ハッポー化学工業(株)社製、厚み:5.0mm、発泡倍率15倍)を、木質系繊維板4として、中密度繊維板(商品名:NPウッド、住友林業(株)製、厚み:2.5mm)を、化粧シート5としてオレフィンシート(商品名:WSサフマーレ、大日本印刷株式会社製、厚み:0.14mm)を用意した。中密度繊維板(MDF)にポリウレタン系樹脂を主成分とする接着剤を厚さ10μm/dryで塗布し、オレフィンシートを貼着させた。次いで、中密度繊維板(MFD)に上記と同様の接着剤を厚さ10μm/dryで塗布し、ポリスチレン樹脂発泡板を貼着して、本発明の内装化粧材を得た。得られた内装化粧材を、石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。
熱可塑性樹脂発泡板の発泡倍率を18倍とした以外は実施例1と同様にして内装化粧材及び試験片を得た。
熱可塑性樹脂発泡板の厚みを3.0mmとし、発泡倍率を18倍とした以外は実施例1と同様にして内装化粧材及び試験片を得た。
熱可塑性樹脂発泡板をポリプロピレン樹脂発泡板とし、発泡倍率を8倍とした以外は実施例1と同様にして内装化粧材及び試験片を得た。
熱可塑性樹脂発泡板をポリプロピレン樹脂発泡板とし、厚みを3.0mmとし、発泡倍率を8倍とした以外は実施例1と同様にして内装化粧材及び試験片を得た。
熱可塑性樹脂発泡板をポリプロピレン樹脂発泡板とし、厚みを1.0mmとし、発泡倍率を8倍とした以外は実施例1と同様にして内装化粧材及び試験片を得た。
熱可塑性樹脂発泡板を使用せず、木質系繊維板の厚みを9mmとした以外は実施例1と同様にして内装化粧材及び試験片を得た。
壁紙(東リ株式会社製、厚み:1mm)を石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。
ポリエステル化粧板(アイカ工業株式会社製、厚み:2.5mm)を石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。
木粉配合塩ビシート(厚み:2.5mm)を石膏ボード(商品名:タイガーボード、吉野石膏株式会社、厚み:12.5mm)に貼着して試験片を得た。
熱可塑性樹脂発泡板を使用せず、木質系繊維板の厚みを12mmとした以外は実施例1と同様にして内装化粧材及び試験片を得た。
実施例1〜5で得られた内装化粧材を用いた試験片は、全ての点で総合的に高い性能を示した。また、熱可塑性樹脂発泡板が1mmと薄く、かつ発泡倍率が8倍と低い実施例6で得られた内装化粧材を用いた試験片は、下地として用いた石膏ボードに若干の割れを生じたが、実用上問題にはならなかった。
一方、熱可塑性樹脂発泡板を用いない比較例1〜4で得られた内装化粧材を用いた試験片では、表面の凹み、石膏ボードの割れの点で不十分であった。また、参考例1は、熱可塑性樹脂発泡板を用いず、木質系繊維板を厚くして、耐衝撃性の評価が十分となる例であるが、木質系繊維板の厚みとして12mmが必要であり、重量物となり実用とするには十分ではなかった。
2.熱可塑性樹脂発泡板
31.接着剤層
32.接着剤層
33.接着剤層
4.木質系繊維板
5.化粧シート
6.下地材
Claims (5)
- 一方向に3〜20%の破断伸び特性を有する熱可塑性樹脂発泡板上に、少なくとも木質系繊維板を積層してなる内装化粧材。
- さらに、木質系繊維板上に、化粧シートを積層してなる請求項1に記載の内装化粧材。
- 化粧シートの木質系繊維板に接しない表面が表面保護層を有し、該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる請求項2に記載の内装化粧材。
- 木質系繊維板がMDF(中密度繊維板)である請求項1〜3のいずれかに記載の内装化粧材。
- 腰壁に用いられる請求項1〜4のいずれかに記載の内装化粧材。
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