JP2008115657A - 床用化粧シート - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐汚染性を有しつつ、表面の滑り防止が図られた床用化粧シートを提供すること。
【解決手段】、基材シート上に絵柄層、透明樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に設けてなる化粧シートにおいて、前記表面保護層に粒状シリカを5〜40重量部、シリコーンあるいはシリコーンオイルを1〜10重量部添加してなること、前記粒状シリカの平均粒径が5〜30μmであること、表面の静摩擦係数が0.3〜0.4であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】、基材シート上に絵柄層、透明樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に設けてなる化粧シートにおいて、前記表面保護層に粒状シリカを5〜40重量部、シリコーンあるいはシリコーンオイルを1〜10重量部添加してなること、前記粒状シリカの平均粒径が5〜30μmであること、表面の静摩擦係数が0.3〜0.4であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、住宅等の建築物の内外装や、造作材、建具などの建築資材、家具什器類、住設機器や家電製品などの表面化粧に使用する化粧シートに関するものであって、特には表面の滑りにくさが求められる病院や福祉施設の床用化粧シートに関するものである。
化粧シートに求められる物性として、様々な汚染物があっても染み付いたりしないような耐汚染性がある。表面保護層にシリコーンオイルを添加して防汚層とする方法が知られている。これは、化粧シートの主体がウレタン樹脂などの通常の塗料を用いているので十分な耐磨耗性、耐候性などの表面物性を有すると共に、塗膜中のシリコーンオイルの一部が塗膜の表面に染み出して油膜を形成し、この油膜が汚染物の付着を防ぐことにより耐汚染性を発揮するもので、極めて優れた効果があった。
しかしながら、表面の滑り性が高いものとなるので、転倒して怪我をするというような問題があり、床用の化粧シートとして用いるには不都合があった。
特開2004−17617
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、優れた耐汚染性を有しつつ、表面の滑り防止が図られた床用化粧シートを提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものでありすなわちその請求項1記載の発明は、基材シート上に絵柄層、透明樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に設けてなる化粧シートにおいて、前記表面保護層に粒状シリカを5〜40重量部、シリコーンあるいはシリコーンオイルを1〜10重量部添加してなることを特徴とする床用化粧シートである。
またその請求項2記載の発明は、前記粒状シリカの平均粒径が5〜30μmであることを特徴とする請求項1記載の床用化粧シートである。
またその請求項3記載の発明は、表面の静摩擦係数が0.3〜0.4であることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の床用化粧シートである。
本発明の請求項1記載の発明により、示された量でシリカとシリコーン(オイル)を表面保護層に添加することで、優れた耐汚染性を有しつつ、表面の滑り防止が図られるという優れた作用効果を奏するものとなる。
またその請求項2記載の発明により、添加する粒状シリカの平均粒径を限定することで、床として優れた滑り防止がはかられる上に、シリカにより発生する光沢低下の影響による意匠性の低下がない範囲とすることが可能となるという優れた作用効果を奏するものとなる。
またその請求項3記載の発明により、床材として滑り防止を図りつつ、滑り過ぎないという優れた作用効果を奏するものとなる。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の床用化粧シートの一実施例の断面の構造を示す。基材シート1上に絵柄層2、透明樹脂層3を設け、表面保護層4を設け、表面保護層4に粒状シリカ5、シリコーン(オイル)6を添加してなる。
本発明における基材シート1としては、一般的な化粧材用の基材であれば何でも適用可能である。具体的には、例えば薄葉紙、チタン紙、上質紙、表面処理紙、樹脂含浸紙、樹脂混抄紙、紙間強化紙等の紙類や、織布又は不織布等の繊維質基材、ポリオレフィン系、ポリエステル系、アクリル系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリビニル系等の熱可塑性樹脂フィルムや成形体、繊維強化プラスチック等の合成樹脂系基材、木材単板、合板、集成材、中密度繊維板、パーティクルボード等の木質系基材、ガラス、陶磁器、石膏ボード、珪酸カルシウム板、スラグセメント板、木毛セメント板、軽量気泡コンクリート板、ガラス繊維強化コンクリート板等の無機質系基材、鋼板、真鍮板、ステンレス板、アルミニウム板、ジュラルミン板等の金属系基材等、或いはこれらの複数種の複合体、積層体等、目的とする化粧材の用途に応じて任意に採用することができる。特に、紙又は熱可塑性樹脂フィルムを基材シート1とすれば、巻取り方式による連続大量生産が可能な、可撓性の化粧シートとして、本発明を好適に適用することができる。
本発明における絵柄層2としては、ベタインキ層及び又はその上として柄模様インキ層を、グラビア印刷など、必要に応じて適宜選択して設ければよく、特に限定するものではない。
本発明における透明樹脂層3としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などからなる熱可塑性樹脂シートが使用可能であり、透明であり、接する層との層間接着性に優れたものであれば特に限定するものではないが、各種耐性からポリオレフィン系樹脂が好適である。
本発明における表面保護層4としては、2液硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂などに、本発明で示した粒状シリカを5〜40重量部、およびシリコーンあるいはシリコーンオイルを1〜10重量部添加したものであって、化粧シート表面の保護層として機能するものであればよい。
シリコーンあるいはシリコーンオイルとしては、メタクリル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、あるいは有機樹脂とシリコーンレジンを反応させた変性樹脂などが使用可能であり、特にはアクリルウレタン樹脂の側鎖にオルガノポリシロキシ基が導入されたシリコーン変性アクリルウレタン樹脂からなるものなどが好適に用いられる。
シリコーンあるいはシリコーンオイルとしては、メタクリル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、あるいは有機樹脂とシリコーンレジンを反応させた変性樹脂などが使用可能であり、特にはアクリルウレタン樹脂の側鎖にオルガノポリシロキシ基が導入されたシリコーン変性アクリルウレタン樹脂からなるものなどが好適に用いられる。
本発明で表面保護層4に添加される粒状シリカは、従来耐傷付き性の向上のために添加されているものとは異なり、5〜40重量部添加してなり、好適な平均粒径として5〜30μmのものとして用いられる。これにより、表面の耐滑り性を発揮できるものであり、5重量部以下では耐傷付き性などは良好であっても耐滑り性を発揮できず、40重量部以上ではすべらなさすぎとなる。また前記好適な平均粒径の範囲内であれば、表面光沢への影響も少ないものとなる。平均粒径が5μmより小さすぎると耐滑り性が弱く、30μmより大きすぎると光沢への影響が出るものとなる。
基材シート1として厚さ70μmのポリエチレン樹脂フィルム(リベスターTPO:リケンテクノス(株)製)を用い、これに絵柄層2としてグラビア印刷によってベタ印刷と絵柄印刷を施しその上に2液ウレタン樹脂からなるアンカー剤を乾燥後1g/m2となるように設けた。一方、透明樹脂層3として厚さ90μmのポリプロピレン樹脂を用い、この一面にオゾンにより表面処理を行いつつ、前記アンカー剤を設けた面と共押出しすることで積層した。その後、透明樹脂層3の表面にアクリルウレタン樹脂(大日本インキ(株)製:UCクリヤー)にシリコーン(大日本インキ(株)製)3重量部、平均粒径15μmの粒状シリカ(大日本インキ(株)製)を20重量部添加し、乾燥後6g/m2となるように設けて、本発明の床用化粧シートを得た。その後、前記化粧シートをエチレン・酢酸ビニル系接着剤((株)中央理化製:BA−10L)を厚さ6mmの中密度繊維板に6g塗布して接着し、床用化粧材を得た。
<比較例1>
粒状シリカの添加量を3重量部とした以外は実施例1と同様にした。
粒状シリカの添加量を3重量部とした以外は実施例1と同様にした。
<比較例2>
粒状シリカの添加量を50重量部とした以外は実施例1と同様にした。
粒状シリカの添加量を50重量部とした以外は実施例1と同様にした。
<比較例3>
シリコーン(オイル)の添加量を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にした。
シリコーン(オイル)の添加量を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にした。
<比較例4>
シリコーン(オイル)の添加量を12重量部とした以外は実施例1と同様にした。
以上の結果を以下の測定方法により測定した結果を以下の表1に示す。
シリコーン(オイル)の添加量を12重量部とした以外は実施例1と同様にした。
以上の結果を以下の測定方法により測定した結果を以下の表1に示す。
<光沢度測定>
60°光沢計((株)堀場製作所製:「グロスチェッカーIG−310」)にて光沢度を測定した範囲を示す。
<静摩擦係数測定>
ポータブル摩擦計(新東科学(株)製:「HEIDONトライボギアミューズ TYPE94iII」)の静摩擦検出部にストッキングを被せ、化粧面導管方向の製摩擦係数5点の平均を示す。
<コインスクラッチ>
10円玉を45°に固定し、1〜4kgの荷重をかけてひっかく。シート表面を目視で評価する。
<耐スチールウール>
200gを載せたスチールウール(日本スチールウール(株)製:「ボンスター」)を用い、導管と垂直方向に10、20往復させる。シート表面を目視で評価する。
<対汚染、黒マジック>
2時間放置後、乾拭き、水拭きで拭き取る。シート表面を目視で評価する。○:著しい変化無し。△:やや着色または表面の変化等有。×:顕著な着色、または表面の変化等有
60°光沢計((株)堀場製作所製:「グロスチェッカーIG−310」)にて光沢度を測定した範囲を示す。
<静摩擦係数測定>
ポータブル摩擦計(新東科学(株)製:「HEIDONトライボギアミューズ TYPE94iII」)の静摩擦検出部にストッキングを被せ、化粧面導管方向の製摩擦係数5点の平均を示す。
<コインスクラッチ>
10円玉を45°に固定し、1〜4kgの荷重をかけてひっかく。シート表面を目視で評価する。
<耐スチールウール>
200gを載せたスチールウール(日本スチールウール(株)製:「ボンスター」)を用い、導管と垂直方向に10、20往復させる。シート表面を目視で評価する。
<対汚染、黒マジック>
2時間放置後、乾拭き、水拭きで拭き取る。シート表面を目視で評価する。○:著しい変化無し。△:やや着色または表面の変化等有。×:顕著な着色、または表面の変化等有
表1に示したように、本発明での実施例に比べ各比較例は滑りにくさ、耐汚染性、光沢のいずれかに劣る結果となった。
本発明の床用化粧シートは、特に表面の滑りにくさが求められる病院や福祉施設で利用可能である。
1…基材シート
2…絵柄層
3…透明樹脂層
4…表面保護層
5…粒状シリカ
6…シリコーン(オイル)
2…絵柄層
3…透明樹脂層
4…表面保護層
5…粒状シリカ
6…シリコーン(オイル)
Claims (3)
- 基材シート上に絵柄層、透明樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に設けてなる化粧シートにおいて、前記表面保護層に粒状シリカを5〜40重量部、シリコーンあるいはシリコーンオイルを1〜10重量部添加してなることを特徴とする床用化粧シート。
- 前記粒状シリカの平均粒径が5〜30μmであることを特徴とする請求項1記載の床用化粧シート。
- 表面の静摩擦係数が0.3〜0.4であることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の床用化粧シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009291961A (ja) * | 2008-06-02 | 2009-12-17 | Toppan Cosmo Inc | 化粧シート |
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JP2017024202A (ja) * | 2015-07-16 | 2017-02-02 | 凸版印刷株式会社 | 化粧シート及び化粧板 |
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2006
- 2006-11-07 JP JP2006302159A patent/JP2008115657A/ja active Pending
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