JP2010003998A - 電子部品のはんだ付け装置およびはんだ付け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】錫またははんだ合金液中の不純物の混入蓄積を防止して、劣化したはんだを頻繁な廃棄更新使用することに伴う資源・作業性・品質安定性上および経済的不効率を改善する。
【解決手段】銀2.5重量%、銅0.5重量%、残部錫からなる鉛フリーはんだ合金を貯槽2に入れ溶融させ、溶融鉛フリーはんだ合金液1をノズル4に移送し、多層プリント回路板表面5の銅ランド部およびスルーボール部に溶融鉛フリーはんだ合金液1を噴流吹付けして、その溢流液6を樋7で受け、該溢流液とパルミチン酸5重量%と残部エステル合成からなる液温280℃の溶液8とをそれぞれスタティックミキサー9の上部から内部に送り撹拌混合して、この混合液をパルミチン酸溶液貯槽10に導入し、比重差により該パルミチン酸溶液貯槽底部に堆積した溶融鉛フリーはんだ液11を元の溶融鉛フリーはんだ液貯槽2に戻し循環して連続使用した。
【選択図】図2

Description

本発明は、プリント回路板、半導体パッケージ、電子素子等の電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に溶融錫またははんだ合金を吹き付けて錫またははんだ合金を被覆接合する装置および錫またははんだ付け方法において、貯槽から循環する溶融錫またははんだ合金液中に酸化銅やフラックス成分が不純物として溶解し銅濃度や不純物濃度が経時的に上昇することを回避する技術ならびに装置に関するものである。
近年、電子機器はますます高信頼性化と小型軽量化が要求され、トランジスタ、ダイオード、IC、抵抗器、コンデンサーなどの電子素子、コネクターなどの電子部品やプリント回路板を錫またははんだ接合して電子回路を形成させて、半導体装置や電子装置として広く使用されているが、これら電子素子、電子部品、プリント基板の小型微小化に伴いはんだ接合部も微細化され、ますます高品質信頼性が要求されている。とりわけプリント回路板と電子素子部品間の微小はんだ接合品質には極めて厳しい信頼性が要求されている。
このため、錫またははんだ接合に使用する錫またははんだ合金側にも接合強度、とりわけ電子素子、電子部品のリードの接合面積およびピッチの微小化に伴う錫またははんだ微小接合部の高信頼性が要求されている。
また一方では、近年、環境汚染ならびに人体に対する有害性の問題で鉛の使用禁止または規制化が進み、特に電子部品分野においては鉛を含有しない所謂「鉛フリーはんだ合金」がはんだ付け加工に広く使用されており、特に、錫・銀・銅系はんだ合金、及びそれにアンチモンを添加したはんだ合金(特許文献1)、錫・銀・銅系はんだ合金にニッケルまたはゲルマニウムなどを添加したはんだ合金(特許文献2)などが提案され、実用化されている。このほかにも、錫・亜鉛・ニッケル系はんだ合金及び更に銀、銅、ビスマスなどを添加したはんだ合金(特許文献3)など数多くの各種はんだ合金が提案されている。
一般に、プリント回路板、半導体パッケージ、電子素子等の電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に錫またははんだ合金を接合する方法としては、貯槽内で該錫またははんだ合金を融点以上の温度に加熱して融解させ液状にした後、ポンプで給液しノズルやスリットから該錫またははんだ合金液を噴流させてプリント回路板や電子部品などの被錫またははんだ接合物表面の銅ランドまたは銅リードに吹付けて錫またははんだ付し、その溢液を元の貯槽に戻し循環使用するが、はんだ付時に上記銅ランドまたは銅リード部の表面に存在するフラックスと酸化銅皮膜などが該溶融錫または溶融はんだ合金液の溢流液中に不純物として混入し該溶融錫または溶融はんだ合金液中の銅濃度や不純物濃度が経時的にどんどん高くなり、はんだ組成が変化し物理的物性はもとより化学的物性も変化し、特にはんだぬれ性が悪くなり、接合部に必要以上の容量ではんだが盛り上がる所謂「オーバーボリューム」(ツノ、ツララ)やリード間ピッチが狭小の回路では隣接リードにブリッジオーバーしてリークを生じやすい難点があるばかりか、はんだ未着などの外観的現象を生ずる難点もある(特許文献4)。また、接合はんだの物理的機械的特性の1つである伸びが小さくなるために電子回路として半導体装置などに組み込まれた後、通電on−offを繰返すと、ヒートサイクルによりはんだ接合部が疲労破断して導通不良など生じやすく、微小化した電子機器の接続信頼性を損なうことが広く知られている。従って、連続はんだ付け加工後に銅濃度が一定の上限を超えて上記はんだ特性劣化し異常現象(品質不良)が生じると、一般的には劣化したはんだを比較的頻繁に廃棄し、はんだを更新して使用することになるため、資源上からもまた作業性、品質安定性からも、更には経済的にも極めて効率が悪い。
このため、特に、プリント回路板などの連続加工時の銅濃度上昇を抑制し効率化する方法として、連続加工時には貯液槽内の溶融はんだ液が一定の液面まで低下した際に、銅を除いた合金を主成分とする第2のはんだを補給する方法などが提案され実用化されているが、この方法でも銅の増加をある程度抑制できるが経時的に増加する傾向は変わらず、したがって、はんだ接合品質的にも経時的に劣化傾向にあり、第2のはんだを用意し管理する煩雑さもあり、使用寿命が延びるメリットはあるもが、必ずしも充分満足できる方法とはいえない。
(特許文献4)
特開平5−50286(特許3027441) 特開平11−77366(特許3296289) 特開平9−94688(特許3299091) 特開2001−237536(特許32216709)
本発明は、現在、実用化されている溶融錫または溶融はんだ液循環噴流式自動はんだ付装置および方法における錫またははんだ合金液中のフラックスや酸化銅など不純物が経時的に混入蓄積することを防止することにより、微小リード・極狭リードピッチ回路などの微小部錫またははんだ接合時の難点である上記オーバーボリュームの問題(ツノ、ツララ)、ブリッジオーバーによる隣接リードとのリークの問題、はんだ未着などの外観的現象、更には該接合部の繰返しヒートサイクルによる経時劣化的疲労破断による導通不良の問題を解決し、更に劣化したはんだを比較的頻繁な廃棄更新使用することに伴う資源上・作業性上・品質安定性上および経済的不効率を改善することを目的とし、微小電子部品の微細接合部の接合信頼性を飛躍的に向上させる技術方法および装置を提供するものである。
本発明の装置および方法は、プリント回路板、半導体パッケージ、電子素子等の電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に錫またははんだ合金を接合する装置において、[図2]に示すとおり、被錫またははんだ接合電子部品5の該銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に、溶融した錫またははんだ合金液1を貯槽2から専用ポンプ3により給液してノズルまたはスリット4から噴流状に吹きつけて、溢流した該溶融錫またははんだ合金液6をガイド樋7で受けて撹拌器9の中に移送する。一方、炭素数12〜20の有機脂肪酸を1〜80重量%を含有する温度180〜350℃の溶液8を貯槽(10から専用ポンプ13により撹拌器9の中に移送して、撹拌器内部で溢流した該溶融錫またははんだ合金液6と有機脂肪酸溶液8とを接触させて激しく撹拌混合することにより、被錫またははんだ合金接合電子部品の該銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に存在する酸化銅とフラックス成分により汚染された該溢流溶融錫またははんだ合金液を清浄化し(その際、元々該溶融錫またははんだ合金液中に存在している銅酸化物、錫酸化物、あるいはその他の添加金属の酸化物、および微量混入している鉄、鉛、珪素、カリウムなどの酸化不純物も該有機脂肪酸溶液により除去清浄化される)、しかる後にこの混合液を該有機脂肪酸含有溶液貯槽10に導入し、該有機脂肪酸含有溶液貯槽中において比重差で分離した清浄化溶融錫またははんだ合金液11を該有機脂肪酸含有溶液貯槽の底部からポンプ12で該鉛フリーはんだ液貯槽2に戻すことで、循環噴流する該溶融鉛フリーはんだ液中の銅濃度および不純物濃度の経時的上昇を抑制し、かつ酸化銅やはんだフラックス残渣などの不純物を本液貯槽に持ち込ませないことにより、貯槽内の溶融錫または溶融はんだ合金液の経時的組成変化を抑制し、安定した接合信頼性の高い錫またははんだ付けを長時間にわたり連続して大量の電子部品、プリント回路板について連続生産することが出来る。
これにより、連続錫またははんだ付け加工の際に生ずるロット間の経時的接合品質の劣化防止が可能になり、接合品質のばらつきがきわめて小さい、安定した高接合信頼性の製品が得られる。
更に詳しく言えば、本発明で用いる有機脂肪酸は炭素数12以下でも使用可能ではあるが吸水性があり、高温で使用する関係からあまり好ましくない。また、炭素数21以上の有機脂肪酸では融点が高いこと及び浸透性が悪くまた取扱いし難く、処理後の錫またははんだ合金表面の防錆効果も不充分になる。望ましくは、炭素数16のパルミチン酸、炭素数18のステアリン酸が最適であり、そのいずれが1種を1〜80重量%と残部エステル合成油からなる液温180〜350℃の溶液を用いることにより、該溶液が該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液内部に存在する酸化物やフラックス成分などの不純物を選択的に取り込み、該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液を清浄化することが出来る。
該有機脂肪酸濃度については1重量%以下ではこの効果が低く、補充管理など煩雑なこと、また80重量%以上では液粘度も著しく高くなり300℃以上の高温領域では発煙と悪臭の問題を生ずること、溶融錫またははんだ合金液との撹拌混合性に問題を生じる。従って、好ましくは5〜60重量%の濃度範囲が良い。
液温は使用する錫またははんだ合金の融点で決まり、少なくとも該融点以上の高温領域で有機脂肪酸溶液と溶融した該錫またははんだ合金液を激しく撹拌接触混合させる必要がある。
また上限温度は発煙の問題や省エネの観点から350℃程度であり、望ましくは使用する錫またははんだ合金の融点以上の温度〜300℃である。また、エステル合成油を混合する理由は液粘度を下げて均一な撹拌混合処理を行い易くすること及び有機脂肪酸の高温発煙性抑制にあり、その濃度は有機脂肪酸濃度で決まる。
撹拌器ならびに撹拌方法については、加熱装置のついたステンレス容器に上記有機脂肪酸とエステル合成油を入れて所定の温度に加温しながらバッチ式ステンレス製インペラ撹拌子などを用いて撹拌して均一混合しても良いが、この場合は充分に混合し反応されるためには撹拌時間を長くとる必要がある。従って、好ましくは、スタティックミキサーが最適で、これを使うと短時間で混合撹拌が効率よく出来て該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液中の酸化銅やフラックス成分、あるいはその反応生成物などの不純物の除去が効率的に出来る。
撹拌時間は溶融錫または溶融はんだ合金溢流液の投入量および撹拌機の構造および撹拌条件にもよるが、スタティックミキサーを使用すれば1〜50秒間程撹拌混合すれば充分である。その後はこの撹拌混合された液を有機脂肪酸溶液の貯槽に導入すると、比重差で自然に該有機脂肪酸貯槽底部(下層)に清浄化された溶融錫または溶融はんだ合金液が、その上層に該有機脂肪酸のカルボニル基と反応してケン化物の形で取り込まれた該溢流液中に存在する銅酸化物、錫酸化物、あるいはその他の添加金属の酸化物、および微量混入している鉄、鉛、珪素、カリウムなどの酸化不純物を含有する有機脂肪酸溶液が分離する。この状態で該貯槽底部(下層)の清浄化された溶融錫または溶融はんだ合金液は専用ポンプで元の溶融錫または溶融はんだ合金液貯槽に戻し別の専用ポンプでノズルまたはスリットへ給液して噴流し、溢流液をスタティックミキサー等の撹拌器内部に循環させる。同様に、有機脂肪酸溶液もそれ専用のポンプでスタティックミキサー等の撹拌器内部に循環給液する。
本発明に適用できる錫またははんだ合金の種類は、通常電子部品の接合に使用されるものは全て使用可能であるが、環境問題および接合信頼性の観点から、望ましくは、錫、または錫を主成分とし銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウムのいずれか1種以上の金属を添加した溶融鉛フリーはんだ合金を用いることが好ましい。その中でも特に銀 1〜3重量%、銅 0.1〜1%、ニッケル 0.01〜0.5%、ゲルマニウム 0.001〜0.02%のはんだ合金が良い。
上記の炭素数が12〜20の有機脂肪酸1〜80重量%と残部エステル合成からなる液温180(使用する鉛はんだ合金材料の融点以上の温度)〜300℃の溶液と、現在、広く実用されている通常の溶融錫または溶融はんだ合金液の上記溢流液とをスタティックミキサーなどの撹拌混合器内に注入し撹拌混合処理すると、該溶融錫または溶融はんだ合金溢流液中に存在する銅酸化物、錫酸化物、銀酸化物、あるいはその他の添加金属の酸化物および微量混入している鉄、鉛、珪素、カリウムなどの酸化不純物が有機脂肪酸のカルボニル基と反応して取り込まれケン化物となり、該溢流液内部から分離除去され該溢流液は清浄化される。この撹拌混合液を有機脂肪酸溶液用の貯槽に導入して放置すると、1分内外の短時間で比重差により該貯槽底部(下層)に清浄化された溶融錫または溶融はんだ合金液と、その上層に上記不純物を含有する有機脂肪酸溶液とに自然に分離する([図2])。
従って、底部よりポンプで清浄化された溶融錫または溶融はんだ合金液をはんだ付装置の該溶融錫または溶融はんだ合金液貯槽に戻し、それを別のポンプで錫またははんだ付用ノズルまたはスリットに給液して噴流させ、その溢流液を再びスタティックミキサーなどの撹拌器内部に注入し循環使用することにより、従来の装置では連続錫またははんだ付け加工した場合に生ずるロット間の経時的接合品質の劣化防止が可能になり、接合品質のばらつきが極めて小さく安定した高接合信頼性の錫またははんだ合金接合の長期連続加工が可能になる。
また、電子部品、とりわけスルーホールを多数含む多層プリント回路板のはんだ付け加工では該多層プリント回路板に接合するはんだ量が多いので、連続加工時には貯液槽内の溶融はんだ液面が管理下限レベルにまで低下した際に線棒状または板状のはんだを補給する必要があるが、本発明の場合、単純に初期段階と同一組成のはんだを必要量投入すればよく、従来方法のような連続加工により増加した銅濃度分を調整するために低銅濃度はんだを用意する必要もなく、また著しく銅濃度が上昇してはんだ接合性能が悪化することによる頻繁な廃棄と建浴更新を繰り返す必要もなく、本発明の装置および方法は省資源、省エネルギーの環境的観点からもまた経済的面からも非常に効率的で、工業的に有益である。
上述の条件で処理した本発明の該溶融錫または溶融はんだ合金液貯液中の経時的銅濃度、不純物濃度の変化を調べると、本発明(実施例1、2)の効果は、現在広く使われている噴流循環式連続自動錫またははんだ付装置、即ち、被はんだ付け対象物に溶融錫またははんだ合金液を噴流吹付け後、その溢流液を直接該溶融錫または溶融はんだ液貯槽に戻して循環使用した場合(比較例1、2)に較べて、比較例1および2の銅濃度、フラックス成分および反応生成物、金属酸化物などの混入不純物濃度が経時的に増加するのに対し、本発明の実施例1、2では長期連続使用しても明らかに銅濃度は殆ど変化なく、かつそれ以外の上記不純物濃度が減少する効果があることが知見された。
更に、はんだぬれ性の経時劣化も殆ど見られず、はんだ接合の際のはんだぬれ性も遥かによく、また溶融時の粘性も低く、微小部のはんだ接合に最適であることが確認された。
即ち、リード面積が0.08mmφ、隣接リード間隔が0.08mmの極狭ピッチのプリント回路においてもオーバーボリューム(ツノ、ツララ)、ブリッジオーバーして隣接リードにリークすることもなく、更にははんだの部分未着もなく、また高低温ヒートサイクルに伴う微小はんだ接合部の疲労破断による電子回路の導通不良もなく、本発明装置および方法で錫またははんだ接合部は長期接続信頼性に非常に優れていることが判った。
実施例および比較例
比較例1
〔図1〕の従来の循環噴流式自動連続半田付け装置において、銀2.5重量%、銅0.5重量%、残部錫からなる鉛フリーはんだ合金を貯槽2に入れ溶融させ、ポンプ3で該溶融鉛フリーはんだ合金液1をノズル4に移送し、厚さ0.6mm、幅200mm、長さ150mm、リード面積が0.08mmφ、隣接リード間隔が0.08mmの極狭ピッチの多層(4層)プリント回路板表面5の銅ランド部およびスルーホール部にノズルから該溶融鉛フリーはんだ合金液1を噴流吹付けして、その溢流液(オーバーフロー液)6を全て樋7に受けて、該貯槽2に直接戻し循環して連続使用した。
比較例2
銀2.5重量%、銅0.5重量%、ニッケル0.01重量%、ゲルマニウム0.005重量%、残部錫からなる鉛フリーはんだ合金を比較例1と同じ従来の循環噴流式自動はんだ付け装置〔図1〕の貯槽2に入れ溶融させ、ポンプ3で該溶融鉛フリーはんだ合金液1をノズル4に移送し、上記比較例1と同種同一ロットの多層プリント回路板表面5の銅ランド部およびスルーホール部にノズルから該溶融鉛フリーはんだ合金液1を噴流吹付けして、その溢流液6を全て樋7に受けて、該貯槽2に直接戻し循環して連続使用した。
〔図2〕の改良した本発明の循環噴流式自動連続半田付け装置において、上記比較例1と同じ組成の、銀2.5重量%、銅0.5重量%、残部錫からなる鉛フリーはんだ合金を貯槽2に入れた溶融させ、ポンプ3で該溶融鉛フリーはんだ合金液1をノズル4に移送し、上記比較例1と同種同一ロットの多層プリント回路板表面5の銅ランド部およびスルーボール部にノズルから該溶融鉛フリーはんだ合金液1を噴流吹付けして、その溢流液6を全て樋7で受け、該溢流液とパルミチン酸5重量%と残部エステル合成からなる液温280℃の溶液8とをそれぞれスタティックミキサー9の上部から内部に送り、該スタティックミキサー内で両液を撹拌混合して、該スタティックミキサーの下部からこの混合液をパルミチン酸溶液貯槽10に導入し、比重差により該パルミチン酸溶液貯槽底部に堆積した溶融鉛フリーはんだ液11はその専用ポンプ12で元の溶融鉛フリーはんだ液貯槽2に戻し循環して連続使用すると共に、該パルミチン酸溶液貯槽上部のパルミチン酸溶液8は別のポンプ13でスタティックミキサー9上部に給液し循環して連続使用した。
上記比較例2と同じ組成の、銀2.5重量%、銅0.5重量%、ニッケル0.01重量%、ゲルマニウム0.005重量%、残部錫からなる鉛フリーはんだ合金を実施例1と同じ〔図2〕の改良した本発明の循環噴流式自動連続半田付け装置の貯槽2に入れ溶融させ、ポンプ3で該溶融鉛フリーはんだ合金液1をノズル4に送り、上記比較例1と同種同一ロットの多層プリント回路板表面5の銅ランド部およびスルーホール部にノズルから該溶融鉛フリーはんだ合金液1を噴流吹付けして、その溢流液6を全て樋7で受け、該溢流液6とパルミチン酸5重量%と残部エステル合成からなる液温280℃の溶液8とをスタティックミキサー9上部から内部に送り、該スタティックミキサー内で両液を撹拌混合して、該スタティックミキサーの下部からこの混合液をパルミチン酸溶液貯槽10に導入し、比重差により該パルミチン酸溶液貯槽底部に堆積した溶融鉛フリーはんだ液11はその専用ポンプ12で元の溶融鉛フリーはんだ液貯槽2に戻し循環して連続使用すると共に、該パルミチン酸溶液貯槽上部のパルミチン酸溶液は別のポンプ13でスタティックミキサー9の上部に給液し循環して連続使用した。
上記各比較例および実施例の鉛フリーはんだ中の銅濃度、不純物濃度の経時的変化については、連続使用前(初期状態、ブランク)と上記プリント回路板のはんだ付け加工枚数が通過量で5万枚後と10万枚後に各はんだ液貯槽からサンプリングして、ICP発光分析装置(島津製作所製、7500型)にて定量分析を行った。また、はんだぬれ性については、同様に連続使用前と上記プリント回路板のはんだ付け加工枚数が通過量で5万枚後と10万枚後に各はんだ液貯槽からサンプリングして、それぞれメニスコグラフによるはんだぬれ性試験方法によりそれぞれ繰返し4(n=4)でゼロクロス時間を測定した。その際、測定ピンは0.4mmφの純銅線を使用した。
更に、物理的機械的評価方法は、連続使用前と上記プリント回路板のはんだ付け加工枚数が通過量で5万枚後と10万枚後に各はんだ液貯槽からサンプリングして、それぞれステンレス(SUS 304)製鋳造金型(JIS 6号)を用い、評点間距離 L=50mm、直径 8mmφ、チャッキング部長さ L=20mm、直径 10mmφの試験片を作成し、JIS Z 4421)の試験方法により島津製作所製引張り試験機(AG100型)を用い、室温25℃において、それぞれ繰返し2(n=2)で、荷重負荷速度 5mm/minで試験測定した。
その結果は下記〔表1〕の通り、連続使用前の各特性値では実施例1と比較例1との間、および実施例2と比較例2との間のいずれにも有意差はないが、プリント回路板の連続通過処理量が5万枚後及び10万枚後では比較例1および比較例2においては銅濃度が著しく増加し、はんだぬれ性は劣化し、物理的機械的特性値も経時的に伸びが小さくなり硬く脆弱化し、オーバーボリューム(ツノ、ツララ)、ブリッジオーバー(リーク)、未着が散見されることが判った。
これに対して、本発明の実施例1および実施例2においては、プリント回路板の連続通過処理量が5万枚後及び10万枚後でも銅濃度上昇は殆どなく、はんだぬれ性は逆に好転し、物理的機械的特性値は伸びが若干大きくなるものの、オーバーボリューム(ツノ、ツララ)もブリッジオーバー(リーク)、未着も全く見られず、鉄不純物濃度は逆に減少し、物理的機械的特性のうち伸びがやや大きくなることが判った。
Figure 2010003998
以上の通り、本発明の技術は明らかに従来の鉛フリーはんだ合金にない高い伸びと強靭性、特に微小面積接合部の繰返しヒートサイクル疲労による接合破断リスクが小さく従って微細化する電子機器のはんだ接合の長期高信頼性確保を可能にする鉛フリーはんだ合金として工業的に価値が高い技術である。
従来の電子部品用循環噴流式自動連続はんだ付け装置事例の模式的概略図である。 本発明の電子部品用循環噴流式自動連続はんだ付け装置事例の模式的概略図である。
符号の説明
1 溶融錫またははんだ合金液
2 溶融錫またははんだ合金液の貯槽
3 溶融錫またははんだ合金液移送用ポンプ
4 溶融錫またははんだ合金液を噴流するノズルまたはスリット
5 プリント回路板または電子部品
6 噴流吹付け後の溢流(オーバーフロー)溶融錫またははんだ合金液(溢流液)
7 上記溢流液6を受ける金属製樋
8 有機脂肪酸溶液
9 撹拌器
10 有機脂肪酸溶液の貯槽
11 清浄化された溶融錫またははんだ合金液
12 上記清浄化された溶融錫またははんだ合金液11の移送用ポンプ
13 有機脂肪酸溶液8の移送用ポンプ
本発明は、プリント回路板、半導体パッケージ、電子素子等の電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に溶融錫またははんだ合金を吹き付けて錫またははんだ合金を被覆接合する装置および錫またははんだ付け方法において、貯槽から循環する溶融錫またははんだ合金液中に酸化銅やフラックス成分が不純物として溶解し銅濃度や不純物濃度が経時的に上昇することを回避する技術ならびに装置に関するものである。
近年、電子機器はますます高信頼性化と小型軽量化が要求され、トランジスタ、ダイオード、IC、抵抗器、コンデンサーなどの電子素子、コネクターなどの電子部品やプリント回路板を錫またははんだ接合して電子回路を形成させて、半導体装置や電子装置として広く使用されているが、これら電子素子、電子部品、プリント基板の小型微小化に伴いはんだ接合部も微細化され、ますます高品質信頼性が要求されている。とりわけプリント回路板と電子素子部品間の微小はんだ接合品質には極めて厳しい信頼性が要求されている。
このため、錫またははんだ接合に使用する錫またははんだ合金側にも接合強度、とりわけ電子素子、電子部品のリードの接合面積およびピッチの微小化に伴う錫またははんだ微小接合部の高信頼性が要求されている。
また一方では、近年、環境汚染ならびに人体に対する有害性の問題で鉛の使用禁止または規制化が進み、特に電子部品分野においては鉛を含有しない所謂「鉛フリーはんだ合金」がはんだ付け加工に広く使用されており、特に、錫・銀・銅系はんだ合金、及びそれにアンチモンを添加したはんだ合金(特許文献1)、錫・銀・銅系はんだ合金にニッケルまたはゲルマニウムなどを添加したはんだ合金(特許文献2)などが提案され、実用化されている。このほかにも、錫・亜鉛・ニッケル系はんだ合金及び更に銀、銅、ビスマスなどを添加したはんだ合金(特許文献3)など数多くの各種はんだ合金が提案されている。
一般に、プリント回路板、半導体パッケージ、電子素子等の電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に錫またははんだ合金を接合する方法としては、貯槽内で該錫またははんだ合金を融点以上の温度に加熱して融解させ液状にした後、ポンプで給液しノズルやスリットから該錫またははんだ合金液を噴流させてプリント回路板や電子部品などの被錫またははんだ接合物表面の銅ランドまたは銅リードに吹付けて錫またははんだ付し、その溢液を元の貯槽に戻し循環使用するが、はんだ付時に上記銅ランドまたは銅リード部の表面に存在するフラックスと酸化銅皮膜などが該溶融錫または溶融はんだ合金液の溢流液中に不純物として混入し該溶融錫または溶融はんだ合金液中の銅濃度や不純物濃度が経時的にどんどん高くなり、はんだ組成が変化し物理的物性はもとより化学的物性も変化し、特にはんだぬれ性が悪くなり、接合部に必要以上の容量ではんだが盛り上がる所謂「オーバーボリューム」(ツノ、ツララ)やリード間ピッチが狭小の回路では隣接リードにブリッジオーバーしてリークを生じやすい難点があるばかりか、はんだ未着などの外観的現象を生ずる難点もある(特許文献4)。また、接合はんだの物理的機械的特性の1つである伸びが小さくなるために電子回路として半導体装置などに組み込まれた後、通電on−offを繰返すと、ヒートサイクルによりはんだ接合部が疲労破断して導通不良など生じやすく、微小化した電子機器の接続信頼性を損なうことが広く知られている。従って、連続はんだ付け加工後に銅濃度が一定の上限を超えて上記はんだ特性劣化し異常現象(品質不良)が生じると、一般的には劣化したはんだを比較的頻繁に廃棄し、はんだを更新して使用することになるため、資源上からもまた作業性、品質安定性からも、更には経済的にも極めて効率が悪い。
このため、特に、プリント回路板などの連続加工時の銅濃度上昇を抑制し効率化する方法として、連続加工時には貯液槽内の溶融はんだ液が一定の液面まで低下した際に、銅を除いた合金を主成分とする第2のはんだを補給する方法などが提案され実用化されているが、この方法でも銅の増加をある程度抑制できるが経時的に増加する傾向は変わらず、したがって、はんだ接合品質的にも経時的に劣化傾向にあり、第2のはんだを用意し管理する煩雑さもあり、使用寿命が延びるメリットはある、必ずしも充分満足できる方法とはいえない。(特許文献4)
特開平5−50286(特許3027441) 特開平11−77366(特許3296289) 特開平9−94688(特許3299091) 特開2001−237536(特許32216709)
本発明は、現在、実用化されている溶融錫または溶融はんだ液循環噴流式自動はんだ付装置および方法における錫またははんだ合金液中のフラックスや酸化銅など不純物が経時的に混入蓄積することを防止することにより、微小リード・極狭リードピッチ回路などの微小部錫またははんだ接合時の難点である上記オーバーボリュームの問題(ツノ、ツララ)、ブリッジオーバーによる隣接リードとのリークの問題、はんだ未着などの外観的現象、更には該接合部の繰返しヒートサイクルによる経時劣化的疲労破断による導通不良の問題を解決し、更に劣化したはんだを比較的頻繁な廃棄更新使用することに伴う資源上・作業性上・品質安定性上および経済的不効率を改善することを目的とし、微小電子部品の微細接合部の接合信頼性を飛躍的に向上させる技術方法および装置を提供するものである。
本発明の装置および方法は、プリント回路板、半導体パッケージ、電子素子等の電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に錫またははんだ合金を接合する装置において、[図2]に示すとおり、被錫またははんだ接合電子部品5の該銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に、溶融した錫またははんだ合金液1を貯槽2から専用ポンプ3により給液してノズルまたはスリット4から噴流状に吹きつけて、溢流した該溶融錫またははんだ合金液6をガイド樋7で受けて撹拌器9の中に移送する。一方、炭素数12〜20の有機脂肪酸を1〜80量%を含有する温度180〜350℃の溶液8を貯槽(10から専用ポンプ13により撹拌器9の中に移送して、撹拌器内部で溢流した該溶融錫またははんだ合金液6と有機脂肪酸溶液8とを接触させて激しく撹拌混合することにより、被錫またははんだ合金接合電子部品の該銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に存在する酸化銅とフラックス成分により汚染された該溢流溶融錫またははんだ合金液を清浄化し(その際、元々該溶融錫またははんだ合金液中に存在している銅酸化物、錫酸化物、あるいはその他の添加金属の酸化物、および微量混入している鉄、鉛、珪素、カリウムなどの酸化不純物も該有機脂肪酸溶液により除去清浄化される)、しかる後にこの混合液を該有機脂肪酸含有溶液貯槽10に導入し、該有機脂肪酸含有溶液貯槽中において比重差で分離した清浄化溶融錫またははんだ合金液11を該有機脂肪酸含有溶液貯槽の底部からポンプ12で該鉛フリーはんだ液貯槽2に戻すことで、循環噴流する該溶融鉛フリーはんだ液中の銅濃度および不純物濃度の経時的上昇を抑制し、かつ酸化銅やはんだフラックス残渣などの不純物を本液貯槽に持ち込ませないことにより、貯槽内の溶融錫または溶融はんだ合金液の経時的組成変化を抑制し、安定した接合信頼性の高い錫またははんだ付けを長時間にわたり連続して大量の電子部品、プリント回路板について連続生産することが出来る。
これにより、連続錫またははんだ付け加工の際に生ずるロット間の経時的接合品質の劣化防止が可能になり、接合品質のばらつきがきわめて小さい、安定した高接合信頼性の製品が得られる。
更に詳しく言えば、本発明で用いる有機脂肪酸は炭素数12以下でも使用可能ではあるが吸水性があり、高温で使用する関係からあまり好ましくない。また、炭素数21以上の有機脂肪酸では融点が高いこと及び浸透性が悪くまた取扱いし難く、処理後の錫またははんだ合金表面の防錆効果も不充分になる。望ましくは、炭素数16のパルミチン酸、炭素数18のステアリン酸が最適であり、そのいずれか1種を1〜80量%と残部エステル合成油からなる液温180〜350℃の溶液を用いることにより、該溶液が該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液内部に存在する酸化物やフラックス成分などの不純物を選択的に取り込み、該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液を清浄化することが出来る。
該有機脂肪酸濃度については1量%以下ではこの効果が低く、補充管理など煩雑なこと、また80量%以上では液粘度も著しく高くなり300℃以上の高温領域では発煙と悪臭の問題を生ずること、溶融錫またははんだ合金液との撹拌混合性に問題を生じる。従って、好ましくは5〜60量%の濃度範囲が良い。
液温は使用する錫またははんだ合金の融点で決まり、少なくとも該融点以上の高温領域で有機脂肪酸溶液と溶融した該錫またははんだ合金液を激しく撹拌接触混合させる必要がある。
また上限温度は発煙の問題や省エネの観点から350℃程度であり、望ましくは使用する錫またははんだ合金の融点以上の温度〜300℃である。また、エステル合成油を混合する理由は液粘度を下げて均一な撹拌混合処理を行い易くすること及び有機脂肪酸の高温発煙性抑制にあり、その濃度は有機脂肪酸濃度で決まる。
撹拌器ならびに撹拌方法については、加熱装置のついたステンレス容器に上記有機脂肪酸とエステル合成油を入れて所定の温度に加温しながらバッチ式ステンレス製インペラ撹拌子などを用いて撹拌して均一混合しても良いが、この場合は充分に混合し反応されるためには撹拌時間を長くとる必要がある。従って、好ましくは、スタティックミキサーが最適で、これを使うと短時間で混合撹拌が効率よく出来て該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液中の酸化銅やフラックス成分、あるいはその反応生成物などの不純物の除去が効率的に出来る。
撹拌時間は溶融錫または溶融はんだ合金溢流液の投入量および撹拌機の構造および撹拌条件にもよるが、スタティックミキサーを使用すれば1〜50秒間程撹拌混合すれば充分である。その後はこの撹拌混合された液を有機脂肪酸溶液の貯槽に導入すると、比重差で自然に該有機脂肪酸貯槽底部(下層)に清浄化された溶融錫または溶融はんだ合金液が、その上層に該有機脂肪酸のカルボニル基と反応してケン化物の形で取り込まれた該溢流液中に存在する銅酸化物、錫酸化物、あるいはその他の添加金属の酸化物、および微量混入している鉄、鉛、珪素、カリウムなどの酸化不純物を含有する有機脂肪酸溶液が分離する。この状態で該貯槽底部(下層)の清浄化された溶融錫または溶融はんだ合金液は専用ポンプで元の溶融錫または溶融はんだ合金液貯槽に戻し別の専用ポンプでノズルまたはスリットへ給液して噴流し、溢流液をスタティックミキサー等の撹拌器内部に循環させる。同様に、有機脂肪酸溶液もそれ専用のポンプでスタティックミキサー等の撹拌器内部に循環給液する。
本発明に適用できる錫またははんだ合金の種類は、通常電子部品の接合に使用されるものは全て使用可能であるが、環境問題および接合信頼性の観点から、望ましくは、錫、または錫を主成分とし銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウムのいずれか1種以上の金属を添加した溶融鉛フリーはんだ合金を用いることが好ましい。その中でも特に銀 1〜3量%、銅 0.1〜1質量%、ニッケル 0.01〜0.5質量%、ゲルマニウム0.001〜0.02質量%のはんだ合金が良い。
上記の炭素数が12〜20の有機脂肪酸1〜80量%と残部エステル合成からなる液温180(使用する鉛はんだ合金材料の融点以上の温度)〜300℃の溶液と、現在、広く実用されている通常の溶融錫または溶融はんだ合金液の上記溢流液とをスタティックミキサーなどの撹拌混合器内に注入し撹拌混合処理すると、該溶融錫または溶融はんだ合金溢流液中に存在する銅酸化物、錫酸化物、銀酸化物、あるいはその他の添加金属の酸化物および微量混入している鉄、鉛、珪素、カリウムなどの酸化不純物が有機脂肪酸のカルボニル基と反応して取り込まれケン化物となり、該溢流液内部から分離除去され該溢流液は清浄化される。この撹拌混合液を有機脂肪酸溶液用の貯槽に導入して放置すると、1分内外の短時間で比重差により該貯槽底部(下層)に清浄化された溶融錫または溶融はんだ合金液と、その上層に上記不純物を含有する有機脂肪酸溶液とに自然に分離する([図2])。
従って、底部よりポンプで清浄化された溶融錫または溶融はんだ合金液をはんだ付装置の該溶融錫または溶融はんだ合金液貯槽に戻し、それを別のポンプで錫またははんだ付用ノズルまたはスリットに給液して噴流させ、その溢流液を再びスタティックミキサーなどの撹拌器内部に注入し循環使用することにより、従来の装置では連続錫またははんだ付け加工した場合に生ずるロット間の経時的接合品質の劣化防止が可能になり、接合品質のばらつきが極めて小さく安定した高接合信頼性の錫またははんだ合金接合の長期連続加工が可能になる。
また、電子部品、とりわけスルーホールを多数含む多層プリント回路板のはんだ付け加工では該多層プリント回路板に接合するはんだ量が多いので、連続加工時には貯液槽内の溶融はんだ液面が管理下限レベルにまで低下した際に線棒状または板状のはんだを補給する必要があるが、本発明の場合、単純に初期段階と同一組成のはんだを必要量投入すればよく、従来方法のような連続加工により増加した銅濃度分を調整するために低銅濃度はんだを用意する必要もなく、また著しく銅濃度が上昇してはんだ接合性能が悪化することによる頻繁な廃棄と建浴更新を繰り返す必要もなく、本発明の装置および方法は省資源、省エネルギーの環境的観点からもまた経済的面からも非常に効率的で、工業的に有益である。
上述の条件で処理した本発明の該溶融錫または溶融はんだ合金液貯液中の経時的銅濃度、不純物濃度の変化を調べると、本発明(実施例1、2)の効果は、現在広く使われている噴流循環式連続自動錫またははんだ付装置、即ち、被はんだ付け対象物に溶融錫またははんだ合金液を噴流吹付け後、その溢流液を直接該溶融錫または溶融はんだ液貯槽に戻して循環使用した場合(比較例1、2)に較べて、比較例1および2の銅濃度、フラックス成分および反応生成物、金属酸化物などの混入不純物濃度が経時的に増加するのに対し、本発明の実施例1、2では長期連続使用しても明らかに銅濃度は殆ど変化なく、かつそれ以外の上記不純物濃度が減少する効果があることが知見された。
更に、はんだぬれ性の経時劣化も殆ど見られず、はんだ接合の際のはんだぬれ性も遥かによく、また溶融時の粘性も低く、微小部のはんだ接合に最適であることが確認された。
即ち、リード面積が0.08mmφ、隣接リード間隔が0.08mmの極狭ピッチのプリント回路においてもオーバーボリューム(ツノ、ツララ)、ブリッジオーバーして隣接リードにリークすることもなく、更にははんだの部分未着もなく、また高低温ヒートサイクルに伴う微小はんだ接合部の疲労破断による電子回路の導通不良もなく、本発明装置および方法で錫またははんだ接合部は長期接続信頼性に非常に優れていることが判った。
実施例および比較例
比較例1
[図1]の従来の循環噴流式自動連続半田付け装置において、銀2.5量%、銅0.5量%、残部錫からなる鉛フリーはんだ合金を貯槽2に入れ溶融させ、ポンプ3で該溶融鉛フリーはんだ合金液1をノズル4に移送し、厚さ0.6mm、幅200mm、長さ150mm、リード面積が0.08mmφ、隣接リード間隔が0.08mmの極狭ピッチの多層(4層)プリント回路板表面5の銅ランド部およびスルーホール部にノズルから該溶融鉛フリーはんだ合金液1を噴流吹付けして、その溢流液(オーバーフロー液)6を全て樋7に受けて、該貯槽2に直接戻し循環して連続使用した。
比較例2
銀2.5量%、銅0.5量%、ニッケル0.01量%、ゲルマニウム0.005量%、残部錫からなる鉛フリーはんだ合金を比較例1と同じ従来の循環噴流式自動はんだ付け装置[図1]の貯槽2に入れ溶融させ、ポンプ3で該溶融鉛フリーはんだ合金液1をノズル4に移送し、上記比較例1と同種同一ロットの多層プリント回路板表面5の銅ランド部およびスルーホール部にノズルから該溶融鉛フリーはんだ合金液1を噴流吹付けして、その溢流液6を全て樋7に受けて、該貯槽2に直接戻し循環して連続使用した。
[図2]の改良した本発明の循環噴流式自動連続半田付け装置において、上記比較例1と同じ組成の、銀2.5量%、銅0.5量%、残部錫からなる鉛フリーはんだ合金を貯槽2に入れた溶融させ、ポンプ3で該溶融鉛フリーはんだ合金液1をノズル4に移送し、上記比較例1と同種同一ロットの多層プリント回路板表面5の銅ランド部およびスルーホール部にノズルから該溶融鉛フリーはんだ合金液1を噴流吹付けして、その溢流液6を全て樋7で受け、該溢流液とパルミチン酸5量%と残部エステル合成からなる液温280℃の溶液8とをそれぞれスタティックミキサー9の上部から内部に送り、該スタティックミキサー内で両液を撹拌混合して、該スタティックミキサーの下部からこの混合液をパルミチン酸溶液貯槽10に導入し、比重差により該パルミチン酸溶液貯槽底部に堆積した溶融鉛フリーはんだ液11はその専用ポンプ12で元の溶融鉛フリーはんだ液貯槽2に戻し循環して連続使用すると共に、該パルミチン酸溶液貯槽上部のパルミチン酸溶液8は別のポンプ13でスタティックミキサー9上部に給液し循環して連続使用した。
上記比較例2と同じ組成の、銀2.5量%、銅0.5量%、ニッケル0.01量%、ゲルマニウム0.005量%、残部錫からなる鉛フリーはんだ合金を実施例1と同じ[図2]の改良した本発明の循環噴流式自動連続半田付け装置の貯槽2に入れ溶融させ、ポンプ3で該溶融鉛フリーはんだ合金液1をノズル4に送り、上記比較例1と同種同一ロットの多層プリント回路板表面5の銅ランド部およびスルーホール部にノズルから該溶融鉛フリーはんだ合金液1を噴流吹付けして、その溢流液6を全て樋7で受け、該溢流液6とパルミチン酸5量%と残部エステル合成からなる液温280℃の溶液8とをスタティックミキサー9上部から内部に送り、該スタティックミキサー内で両液を撹拌混合して、該スタティックミキサーの下部からこの混合液をパルミチン酸溶液貯槽10に導入し、比重差により該パルミチン酸溶液貯槽底部に堆積した溶融鉛フリーはんだ液11はその専用ポンプ12で元の溶融鉛フリーはんだ液貯槽2に戻し循環して連続使用すると共に、該パルミチン酸溶液貯槽上部のパルミチン酸溶液は別のポンプ13でスタティックミキサー9の上部に給液し循環して連続使用した。
上記各比較例および実施例の鉛フリーはんだ中の銅濃度、不純物濃度の経時的変化については、連続使用前(初期状態、ブランク)と上記プリント回路板のはんだ付け加工枚数が通過量で5万枚後と10万枚後に各はんだ液貯槽からサンプリングして、ICP発光分析装置(島津製作所製、7500型)にて定量分析を行った。また、はんだぬれ性については、同様に連続使用前と上記プリント回路板のはんだ付け加工枚数が通過量で5万枚後と10万枚後に各はんだ液貯槽からサンプリングして、それぞれメニスコグラフによるはんだぬれ性試験方法によりそれぞれ繰返し4(n=4)でゼロクロス時間を測定した。その際、測定ピンは0.4mmφの純銅線を使用した。
更に、物理的機械的評価方法は、連続使用前と上記プリント回路板のはんだ付け加工枚数が通過量で5万枚後と10万枚後に各はんだ液貯槽からサンプリングして、それぞれステンレス(SUS 304)製鋳造金型(JIS 6号)を用い、評点間距離 L=50mm、直径 8mmφ、チャッキング部長さ L=20mm、直径 10mmφの試験片を作成し、JIS Z 4421)の試験方法により島津製作所製引張り試験機(AG100型)を用い、室温25℃において、それぞれ繰返し2(n=2)で、荷重負荷速度 5mm/minで試験測定した。
その結果は下記[表1]の通り、連続使用前の各特性値では実施例1と比較例1との間、および実施例2と比較例2との間のいずれにも有意差はないが、プリント回路板の連続通過処理量が5万枚後及び10万枚後では比較例1および比較例2においては銅濃度が著しく増加し、はんだぬれ性は劣化し、物理的機械的特性値も経時的に伸びが小さくなり硬く脆弱化し、オーバーボリューム(ツノ、ツララ)、ブリッジオーバー(リーク)、未着が散見されることが判った。
これに対して、本発明の実施例1および実施例2においては、プリント回路板の連続通過処理量が5万枚後及び10万枚後でも銅濃度上昇は殆どなく、はんだぬれ性は逆に好転し、物理的機械的特性値は伸びが若干大きくなるものの、オーバーボリューム(ツノ、ツララ)もブリッジオーバー(リーク)、未着も全く見られず、鉄不純物濃度は逆に減少し、物理的機械的特性のうち伸びがやや大きくなることが判った。
Figure 2010003998
産業上の利用の可能性
以上の通り、本発明の技術は明らかに従来の鉛フリーはんだ合金にない高い伸びと強靭性、特に微小面積接合部の繰返しヒートサイクル疲労による接合破断リスクが小さく従って微細化する電子機器のはんだ接合の長期高信頼性確保を可能にする鉛フリーはんだ合金として工業的に価値が高い技術である。
従来の電子部品用循環噴流式自動連続はんだ付け装置事例の模式的概略図である。 本発明の電子部品用循環噴流式自動連続はんだ付け装置事例の模式的概略図である。
1 溶融錫またははんだ合金液
2 溶融錫またははんだ合金液の貯槽
3 溶融錫またははんだ合金液移送用ポンプ
4 溶融錫またははんだ合金液を噴流するノズルまたはスリット
5 プリント回路板または電子部品
6 噴流吹付け後の溢流(オーバーフロー)溶融錫またははんだ合金液(溢流液)
7 上記溢流液6を受ける金属製樋
8 有機脂肪酸溶液
9 撹拌器
10 有機脂肪酸溶液の貯槽
11 清浄化された溶融錫またははんだ合金液
12 上記清浄化された溶融錫またははんだ合金液11の移送用ポンプ
13 有機脂肪酸溶液8の移送用ポンプ

Claims (8)

  1. プリント回路板、半導体パッケージ、電子素子等の電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に錫またははんだ合金を接合する装置において、被はんだ接合電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面にノズルまたはスリットから溶融錫液または溶融はんだ合金液を噴流状に吹きつけて錫またははんだ合金皮膜を形成させた後、溢流する該溶融錫または溶融はんだ合金液を撹拌器に移送し、該撹拌器内部において循環する炭素数12〜20の有機脂肪酸を1〜80重量%を含有する温度180〜350℃の溶液と接触させながら激しく撹拌混合することにより、該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液中に混入した被錫またははんだ合金接合電子部品の該銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に存在する酸化銅とフラックス成分およびそれらの反応生成物、更には元々該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液中に存在する銅酸化物、錫酸化物、あるいはその他の添加金属の酸化物、および微量混入している鉄、鉛、珪素、カリウムなどの酸化不純物などの汚染物質をも該有機脂肪酸含有液中に取り込ませて、該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液を清浄化し、しかる後にその混合液を該有機脂肪酸含有溶液貯槽に導入し、該有機脂肪酸含有溶液貯槽中において比重差で分離された清浄化溶融錫液または溶融はんだ合金液を該有機脂肪酸含有溶液貯槽の底部からポンプで該溶融錫または溶融はんだ液貯槽に戻して循環使用することを特徴とする電子部品用錫またははんだ付け装置。
  2. 前記請求項1における有機脂肪酸としてはパルミチン酸、ステアリン酸のいずれか1種を3〜60重量%と残部エステル合成油からなる液温180〜300℃の溶液を用いることを特徴とする電子部品用錫またははんだ付け装置。
  3. 前記請求項1における溶融錫またははんだ合金液としては、錫を主成分としこれに銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウムのいずれか1種以上の金属を添加した溶融鉛フリーはんだ合金を用いることを特徴とする電子部品用錫またははんだ付け装置。
  4. 前記請求項1における撹拌器としては、スタティックミキサーを用いることを特徴とする電子部品用錫またははんだ付け装置。
  5. プリント回路板、半導体パッケージ、電子素子等の電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に錫またははんだ合金を接合する方法において、被はんだ接合電子部品の銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面にノズルまたはスリットから溶融錫液または溶融はんだ合金液を噴流状に吹きつけて錫またははんだ合金皮膜を形成させた後、溢流する該溶融錫または溶融はんだ合金液を撹拌器に移送し、該撹拌器内部において循環する炭素数12〜20の有機脂肪酸を1〜80重量%を含有する温度180〜350℃の溶液と接触させながら激しく撹拌混合することにより、該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液中に混入した被錫またははんだ合金接合電子部品の該銅ランド部表面または銅および銅合金リード部表面に存在する酸化銅とフラックス成分およびそれらの反応生成物、更には元々該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液中に存在する銅酸化物、錫酸化物、あるいはその他の添加金属の酸化物、および微量混入している鉄、鉛、珪素、カリウムなどの酸化不純物などの汚染物質をも該有機脂肪酸含有液中に取り込ませて、該溢流溶融錫または溶融はんだ合金液を清浄化し、しかる後にその混合液を該有機脂肪酸含有溶液貯槽に導入し、該有機脂肪酸含有溶液貯槽中において比重差で分離された清浄化溶融錫液または溶融はんだ合金液を該有機脂肪酸含有溶液貯槽の底部からポンプで該溶融錫または溶融はんだ液貯槽に戻して循環使用することを特徴とする電子部品用錫またははんだ付け方法。
  6. 前記請求項5における有機脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸のいずれか1種を3〜60重量%と残部エステル合成油からなる液温180〜300℃の溶液を用いた電子部品用錫またははんだ付け方法。
  7. 前記請求項5における溶融錫またははんだ合金液は、錫を主成分としこれに銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウムのいずれか1種以上の金属を添加した溶融鉛フリーはんだ合金を用いた電子部品用錫またははんだ付け方法。
  8. 前記請求項5における撹拌器はスタティックミキサーであることを特徴とする電子部品用錫またははんだ付け方法。
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