JP6231250B1 - 洗浄剤組成物および洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

所定量の水を含むことにより、環境安全性に優れる一方、優れた洗浄性を発揮することができ、かつ、被洗浄物における金属腐食についても効果的に抑制することができる洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法を提供する。白濁状態にて被洗浄物を洗浄するための洗浄剤組成物等であって、第1〜第4の有機溶剤と、水と、を含むとともに、第1の有機溶剤が、所定の疎水性芳香族系化合物等の化合物であり、第2の有機溶剤が、所定の疎水性モノアルコール化合物であり、第3の有機溶剤が、所定の親水性含窒素化合物等であり、第4の有機溶剤が、所定の親水性アミン化合物であり、水の配合量を、有機溶剤の合計量100重量部に対して、50〜3900重量部の範囲内の値とし、かつ、油相と水相とに相分離した際に、油相における水分濃度(測定温度:25℃)を5重量%以下の値とする。

Description

本発明は、洗浄剤組成物および洗浄方法に関する。
特に、所定量の水を含むことにより、環境安全性に優れる一方、優れた洗浄性を発揮することができ、かつ、被洗浄物における金属腐食についても効果的に抑制することができる洗浄剤組成物および洗浄方法に関する。
従来、半導体素子やコンデンサ等をリードフレーム等にハンダ付けする際に、ハンダペーストからフラックスが飛散し、電極の周囲に残渣として付着することが知られている(以下、かかるフラックスの残渣を「フラックス残渣」と称する。)。
かかるフラックス残渣は、ハンダ接合部における腐食等の原因となるほか、ワイヤボンディング工程での接合不良や、樹脂封止工程におけるモールド樹脂との密着不良等の原因となることから、洗浄剤で除去する必要があり、従来、種々の洗浄剤が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
すなわち、特許文献1には、炭素数9〜18の環式飽和炭化水素を70重量%以上含有する洗浄剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、洗浄剤組成物用原液100重量部に対して、50〜1900重量部の水を含むとともに、白濁状態にて、被洗浄物を洗浄するための洗浄剤組成物であって、洗浄剤組成物用原液が、有機溶剤として第1および第2の有機溶剤を含むとともに、第1の有機溶剤が、沸点が140〜190℃の範囲内の値であって、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以下の値である疎水性グリコールエーテル化合物、疎水性炭化水素化合物、疎水性芳香族化合物、疎水性ケトン化合物、および、疎水性アルコール化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であって、第2の有機溶剤が、沸点が140〜190℃の範囲内の値であって、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%を超えた値である親水性アミン化合物であり、第2の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、0.3〜30重量部の範囲内の値とし、かつ、沸点が190℃を超えた値である有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、0重量部または0〜15重量部(但し、0重量部は含まない。)の範囲内の値とすることを特徴とする洗浄剤組成物が開示されている。
特開平3−62896号公報(特許請求の範囲) WO2012/005068号公報(請求の範囲)
しかしながら、特許文献1に記載の洗浄剤組成物は、有機溶剤のみ、もしくは、有機溶剤および界面活性剤のみからなり、水を全く配合しないため、環境安全性が不十分であるという問題が見られた。
また、水を配合して洗浄剤組成物を白濁状態(エマルジョン状態)とすることにより、洗浄性を効果的に向上させることが可能になる点についても何ら意図していなかった。
他方、特許文献2に記載の洗浄剤組成物は、比較的多量の水を配合し、白濁状態で使用することを必須としていることから、優れた環境安全性および洗浄性を両立することができる。
しかしながら、特許文献2に記載の洗浄剤組成物は、親水性アミン化合物を必須としていることから、水相における電気伝導度およびpHが上昇し、被洗浄物において金属腐食が発生しやすいという問題が見られた。
特に、アルミニウムからなるボンディングパッド(以下、「アルミパッド」と称する場合がある。)を形成した半導体素子をハンダ付けしてなるリードフレームを被洗浄物とする場合には、問題が認められた。
すなわち、上述したリードフレームには、半導体素子上に形成されたアルミパッドを構成するアルミニウムの他、同様にパッドを構成する金および銀、リードフレーム本体を構成する銅合金、リードフレーム本体にメッキとして施されるニッケル、ハンダに含まれるスズ、鉛、銀等の異種金属が回路によって接合されている。
従って、このようなリードフレームを導電性の洗浄剤組成物中に浸漬すると、閉回路が形成され、電位のより卑な金属が犠牲的に腐食されることが知られている(以下、このような腐食を「電位差腐食」と称する。)。「電気化学的電位表(電気化学的ポテンシャル表)」によれば、ニッケルとアルミでは0.75V、金とアルミでは1.05Vもの電位差が生じ、情報処理機器等において電位差腐食発生の危険性が生じるとされる0.35V以上の電位差となり、アルミニウムが常にアノード電位で腐食対象となる。
また、金属の腐食においては、電解質の種類による他、上述の電位と、さらにpHが関係することが知られている(以下、このような腐食を「pH腐食」と称する。)。
このような金属の腐食に関しては、様々な「pH−電位図」が報告されており、金属領域、腐食領域等が示されている。
アルミニウムのpH−電位図によれば、金属アルミニウムは、概ねpH9以上のアルカリ性水溶液中で、かつアノード電位状態において、アルミン酸イオン(AlO2−)となって溶解腐食するとされている。
このように、アミン化合物等のアルカリ成分を含有して、pHが9以上の洗浄剤組成物で上述のリードフレームを洗浄した場合、通常、1μm程度であるアルミパッドの膜厚が薄くなったり、極端には溶解して消失することとなったりして、ワイヤボンディング接合性に影響を及ぼすこととなる。
一方、特許文献2に記載の洗浄剤組成物から、単に親水性アミン化合物を除去した場合、エマルジョンの分散性が低下することにより洗浄性が低下するばかりか、親水性アミン化合物自体が有する洗浄性がそのまま差し引かれるため、所望の洗浄性を維持することが著しく困難になるという問題も見られた。
そこで、本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、第1および第2の有機溶剤としての所定の疎水性有機溶剤と、第3の有機溶剤としての所定の親水性有機溶剤と、水と、を所定の割合で配合するとともに、第4の有機溶剤としての親水性アミン化合物を含まないか、含む場合であっても所定未満の範囲とし、かつ、相分離した際の油相における水分濃度を所定以下の範囲とすることにより、上述した問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、環境安全性に優れる一方、優れた洗浄性を発揮することができ、かつ、被洗浄物における金属腐食についても効果的に抑制することができる洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、白濁状態にて被洗浄物を洗浄するための洗浄剤組成物であって、
第1〜第4の有機溶剤と、水と、を含むとともに、
第1の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性芳香族系化合物、疎水性テルペン系化合物、および、疎水性ナフテン系化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
第2の有機溶剤が、第1の有機溶剤とは異なる種類であって、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性モノアルコール化合物であって、1−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブチルアルコール、メチルイソブチルカルビノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、2−ノナノール、ジイソブチルカルビノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、テルピネオールの少なくとも一つであり、
第3の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性含窒素化合物および親水性含硫黄化合物、あるいはいずれか一方であり、
第4の有機溶剤が、第3の有機溶剤とは異なる種類であって、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性アミン化合物であって、N−エチルピペラジン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルアミン、N−アリルピペラジンの少なくとも一つであり、
第2の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とし、
第3の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とし、
第4の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、0.1重量部未満の値とし、
水の配合量を、有機溶剤の合計量100重量部に対して、50〜3900重量部の範囲内の値とし、かつ、
油相と水相とに相分離した際に、油相における水分濃度(測定温度:25℃)を5重量%以下の値とすることを特徴とする洗浄剤組成物が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、本発明の洗浄剤組成物であれば、所定の疎水性有機溶剤と、所定の親水性有機溶剤と、水と、を所定の割合で配合していることから、安定的に油相と水相とに相分離させて、白濁状態で被洗浄物を洗浄することができる。
したがって、洗浄剤組成物における有機溶剤自体に起因した洗浄性と、その白濁状態とが相乗効果を発揮し、優れた洗浄性を得ることができる。
また、比較的多量の水を配合することから、優れた環境安全性を得ることができる。
また、親水性アミン化合物を含まないか、含む場合であっても所定未満の範囲としていることから、アルミニウム等からなる部分を含む被洗浄物を洗浄する場合であっても、金属腐食の発生を効果的に抑制することができる。
一方、親水性アミン化合物の配合量を制限した場合、洗浄性が著しく低下する傾向があるが、所定の配合組成とし、かつ、油相における水分濃度を所定以下の範囲としていることから、優れた洗浄性を効果的に維持することができる。
なお、本発明において「水への溶解度」とは、100重量%の水に対して溶解できる溶剤の重量%を意味する。したがって、100gの水に対して溶解できる溶剤の重量(g)と同じ値となる。
また、第1および第2の有機溶剤のどちらにも属する有機溶剤が存在する場合、第1の有機溶剤に分類するものとし、第3および第4の有機溶剤のどちらにも属する有機溶剤が存在する場合、第4の有機溶剤に分類するものとする。
また、本発明の洗浄剤組成物を構成するにあたり、水相における電気伝導度(測定温度:25℃)を0.1〜300μS/cmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、電位差腐食の発生を、より効果的に抑制することができる。
また、本発明の洗浄剤組成物を構成するにあたり、水相におけるpH(測定温度:25℃)を4.5〜9.5の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、pH腐食の発生を、より効果的に抑制することができる。
また、本発明の洗浄剤組成物を構成するにあたり、第1の有機溶剤の沸点を140〜210℃の範囲内の値とし、第2の有機溶剤の沸点を130〜220℃の範囲内の値とし、第3の有機溶剤の沸点を150〜220℃の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、乾燥性および使用後の洗浄剤組成物の再生効率を効果的に向上させることができる。
また、本発明の洗浄剤組成物を構成するにあたり、第1の有機溶剤としての疎水性芳香族系化合物、疎水性テルペン系化合物および疎水性ナフテン系化合物における炭素数を8〜10の範囲内の値とし、水素数を8〜20の範囲内の値とし、酸素数を0〜1の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、第1の有機溶剤を、より安定的にエマルジョン状態にして、洗浄性をより効果的に向上させることができる。
また、本発明の洗浄剤組成物を構成するにあたり、第2の有機溶剤としての疎水性モノアルコール化合物における炭素数を6〜10の範囲内の値とし、水素数を8〜20の範囲内の値とし、酸素数を1とすることが好ましい。
このように構成することにより、エマルジョン状態となった第1の有機溶剤の、水に対する分散性をより向上させて、洗浄性をさらに向上させることができる。
また、本発明の洗浄剤組成物を構成するにあたり、第3の有機溶剤としての親水性含窒素化合物における炭素数を3〜6の範囲内の値とし、水素数を7〜12の範囲内の値とし、窒素数を1とし、酸素数を1とし、親水性含硫黄化合物における炭素数を2〜3の範囲内の値とし、水素数を6〜10の範囲内の値とし、硫黄数を1とし、酸素数を1とすることが好ましい。
このように構成することにより、フラックス残渣由来の有機酸・塩類等のイオン性化合物や、被洗浄物由来のイオン成分を、水相に対して効果的に溶解させて、洗浄性をさらに向上させることができる。
また、本発明の洗浄剤組成物を構成するにあたり、第4の有機溶剤としての親水性アミン化合物における炭素数を3〜7の範囲内の値とし、水素数を8〜16の範囲内の値とし、窒素数を1〜3の範囲内の値とし、酸素数を1とすることが好ましい。
このように構成することにより、特に高度な洗浄性が求められる場合に、少量の添加であっても、洗浄性をより一段と向上させることができる。
また、本発明の洗浄剤組成物を構成するにあたり、被洗浄物が、マグネシウム、アルミニウム、リン、チタン、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、アンチモン、白金、金、鉛およびビスマスからなる群から選択される少なくとも一種の金属もしくは当該金属を含む合金を、露出面に有することが好ましい。
このような被洗浄物を対象とした場合であっても、金属腐食の発生を効果的に抑制することができる。
また、本発明の別の態様は、上述した洗浄剤組成物を白濁状態にして、被洗浄物を洗浄することを特徴とする洗浄方法である。
すなわち、本発明の洗浄方法であれば、所定の洗浄剤組成物を用いることから、環境安全性に優れる一方、優れた洗浄性を発揮することができ、かつ、被洗浄物における金属腐食についても効果的に抑制することができる。
図1は、第4の有機溶剤の配合量と、水相における電気伝導度およびpHと、の関係を説明するために供する図である。 図2は、第4の有機溶剤の配合量と、耐金属腐食性および洗浄性と、の関係を説明するために供する図である。 図3は、油相における水分濃度と、洗浄性と、の関係を説明するために供する図である。 図4(a)〜(b)は、洗浄装置の一例を説明するために供する図である。 図5(a)〜(b)は、耐金属腐食性評価用のテストピースを説明するために供する図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、白濁状態にて被洗浄物を洗浄するための洗浄剤組成物であって、
第1〜第4の有機溶剤と、水と、を含むとともに、
第1の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性芳香族系化合物、疎水性テルペン系化合物、および、疎水性ナフテン系化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
第2の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性モノアルコール化合物であり、
第3の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性含窒素化合物および親水性含硫黄化合物、あるいはいずれか一方であり、
第4の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性アミン化合物であり、
第2の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とし、
第3の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とし、
第4の有機用剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、0.1重量部未満の値とし、
水の配合量を、有機溶剤の合計量100重量部に対して、50〜3900重量部の範囲内の値とし、かつ、
油相と水相とに相分離した際に、油相における水分濃度(測定温度:25℃)を5重量%以下の値とすることを特徴とする洗浄剤組成物である。
より具体的には、白濁状態にて被洗浄物を洗浄するための洗浄剤組成物であって、第1〜第4の有機溶剤と、水と、を含むとともに、
第1の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性芳香族系化合物、疎水性テルペン系化合物、および、疎水性ナフテン系化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
第2の有機溶剤が、第1の有機溶剤とは異なる種類であって、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性モノアルコール化合物であって、1−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブチルアルコール、メチルイソブチルカルビノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、2−ノナノール、ジイソブチルカルビノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、テルピネオールの少なくとも一つであり、
第3の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性含窒素化合物および親水性含硫黄化合物、あるいはいずれか一方であり、
第4の有機溶剤が、第3の有機溶剤とは異なる種類であって、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性アミン化合物であって、N−エチルピペラジン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルアミン、N−アリルピペラジンの少なくとも一つであり、
第2の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とし、
第3の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とし、
第4の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、0.1重量部未満の値とし、
水の配合量を、有機溶剤の合計量100重量部に対して、50〜3900重量部の範囲内の値とし、かつ、
油相と水相とに相分離した際に、油相における水分濃度(測定温度:25℃)を5重量%以下の値とすることを特徴とする洗浄剤組成物である。
1.第1の有機溶剤
本発明の洗浄剤組成物を構成する第1の有機溶剤は、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性芳香族系化合物、疎水性テルペン系化合物、および、疎水性ナフテン系化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物である。
かかる第1の有機溶剤は、後述する第2および第3の有機溶剤の効果と相まって、エマルジョン状態となり、洗浄剤組成物を白濁状態とすることに寄与する。
また、第1の有機溶剤は、フラックス残渣に対する溶解力に優れることから、洗浄性を効果的に向上させることができる。
したがって、第1の有機溶剤が元来有する優れた洗浄性と、それがエマルジョン状態となることとの相乗効果により、洗浄剤組成物に対して優れた洗浄性を付与する役割を有する。
(1)種類
第1の有機溶剤は、疎水性芳香族系化合物、疎水性テルペン系化合物、および、疎水性ナフテン系化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であることを特徴とする。
より具体的には、例えば、インデン(沸点:182℃、水への溶解度:1重量%以下)、ヘミメリテン(沸点:176℃、水への溶解度:1重量%以下)、プソイドクメン(沸点:169℃、水への溶解度:1重量%以下)、メシチレン(沸点:165℃、水への溶解度:1重量%以下)、クメン(沸点:152℃、水への溶解度:1重量%以下)、サイメン(沸点:177℃、水への溶解度:1重量%以下)、フェネトール(沸点:173℃、水への溶解度:1重量%以下)、リモネン(176℃、水への溶解度:1重量%以下)、α−ピネン(例えば、テレピン油に主成分として含まれる)(沸点:155〜156℃、水への溶解度:1重量%以下)、p−メンタン(沸点:168℃、水への溶解度:1重量%以下)、デカヒドロナフタリン(沸点:186℃、水への溶解度:1重量%以下)、オクタヒドロインデン(沸点:159℃、水への溶解度:1重量%以下)、ピナン(沸点:167℃、水への溶解度:1重量%以下)、p−メンタジエン異性体混合物(例えば、日本テルペン化学(株)製、ジペンテンT)(沸点:168〜182℃、水への溶解度:1重量%以下)、C9アルキルシクロヘキサンの混合物(例えば、丸善石油化学工業(株)製、スワクリーン150)(沸点:145〜170℃、水への溶解度:1重量%以下)等が挙げられる。
また、第1の有機溶剤としての疎水性芳香族系化合物、疎水性テルペン系化合物および疎水性ナフテン系化合物における炭素数を8〜10の範囲内の値とし、水素数を8〜20の範囲内の値とし、酸素数を0〜1の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような化合物であれば、第1の有機溶剤を、より安定的にエマルジョン状態にして、洗浄性をより効果的に向上させることができるためである。
したがって、上述した第1の有機溶剤の中でも、特に、インデン、サイメン、クメン、フェネトール、デカヒドロナフタリンおよびp−メンタンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
(2)溶解度
また、第1の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)を、10重量%以下の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる溶解度が10重量%を超えた値となると、油相における水分濃度を所定以下の範囲に調節することが困難になって、第1の有機溶剤が水分を含まない状態で元来有する優れた洗浄性を十分に発揮することが困難になる場合があるためである。
したがって、第1の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)の上限値を、5重量%以下の値とすることがより好ましく、3重量%以下の値とすることがさらに好ましい。
(3)沸点
また、第1の有機溶剤の沸点を140〜210℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる沸点が140℃未満の値となると、使用時における揮発量が多くなり、液の消費量が多くなるため経済性が悪くなるためである。
一方、かかる沸点が210℃を超えた値となると、乾燥性が悪くなり、乾燥不良が生じ被洗浄物に残留しやすくなるためである。また、乾燥性を上げようとすると乾燥時に過度の熱エネルギーを被洗浄物に与えなければいけなくなるためである。さらに、使用後の洗浄剤組成物を分留により再生する際に、必要となるエネルギーが過度に大きくなったり、再生時に高沸点成分が留出されず、洗浄剤組成物の回収率が低下したり、所定の組成の洗浄剤組成物が得られなくなるなど、再生効率が低下しやすくなる場合があるためである。また、使用後の洗浄剤組成物を分留する際の加熱温度が高くなることから、洗浄剤組成物の構成成分が分解等を起こしやすくなって、再生後の洗浄剤組成物の洗浄性が低下し、十分な洗浄性を有する洗浄剤組成物を安定的に得ることが困難になるためである。
したがって、第1の有機溶剤における沸点の下限値を、145℃以上の値とすることがより好ましく、150℃以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第1の有機溶剤における沸点の上限値を、200℃以下の値とすることがより好ましく、190℃以下の値とすることがさらに好ましい。
(4)配合量
また、第1の有機溶剤の配合量を、洗浄剤組成物の有機溶剤部分(以下、「洗浄剤組成物用原液」と称する場合がある。)全体量(100重量%)に対して、40〜90重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる配合量が40重量%未満の値となると、相分離が生じにくくなって、白濁状態を得ることが困難になり、洗浄性が過度に低下しやすくなる場合があるためである。
一方、かかる配合量が90重量%を超えた値となると、油相と水相との分離が過度に激しくなって、安定的に白濁状態を得ることが困難になり、洗浄性が低下しやすくなる場合があるためである。
したがって、第1の有機溶剤の配合量の下限値を、洗浄剤組成物用原液の全体量(100重量%)に対して、45重量%以上の値とすることがより好ましく、50重量%以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第1の有機溶剤の配合量の上限値を、洗浄剤組成物用原液の全体量(100重量%)に対して、80重量%以下の値とすることがより好ましく、75重量%以下の値とすることがさらに好ましい。
2.第2の有機溶剤
本発明の第2の有機溶剤は、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性モノアルコール化合物である。
かかる第2の有機溶剤は、エマルジョン状態となった第1の有機溶剤と、水との間を油相側から取り持ち、エマルジョンの分散状態を向上させることに寄与するとともに、第2の有機溶剤は、特にロジンに対する溶解性に優れる。
したがって、第2の有機溶剤は、油相側からエマルジョン状態となった第1の有機溶剤を補助し、洗浄剤組成物の洗浄性を向上させる役割を有する。
(1)種類
第2の有機溶剤は、疎水性モノアルコール化合物であることを特徴とする。
より具体的には、例えば、1−ヘキサノール(沸点:157℃、水への溶解度:1重量%以下)、メチルアミルアルコール(沸点:131℃、水への溶解度:1.6重量%)、2−エチルブチルアルコール(沸点:147℃、水への溶解度:1重量%)、メチルイソブチルカルビノール(沸点:131℃、水への溶解度:1.5重量%)、シクロヘキサノール(沸点:161℃、水への溶解度:3.6重量%)、1−ヘプタノール(沸点:175℃、水への溶解度:1重量%以下)、2−ヘプタノール(沸点:160℃、水への溶解度:1重量%以下)、3−ヘプタノール(沸点:156℃、水への溶解度:1重量%以下)、4−ヘプタノール(沸点:156℃、水への溶解度:1重量%以下)、2−メチルシクロヘキサノール(沸点:173℃、水への溶解度:1重量%以下)、ベンジルアルコール(沸点:206℃、水への溶解度:4.3重量%)、1−オクタノール(沸点:195℃、水への溶解度:1重量%以下)、2−オクタノール(沸点:178℃、水への溶解度:1重量%以下)、2−エチルヘキサノール(沸点:184℃、水への溶解度:1重量%以下)、2−ノナノール(沸点:193℃、水への溶解度:1重量%以下)、ジイソブチルカルビノール(沸点:176℃、水への溶解度:1重量%以下)、3,5,5−トリメチルヘキサノール(沸点:194℃、水への溶解度:1重量%以下)、テルピネオール(沸点:217℃、水への溶解度:1重量%以下)等が挙げられる。
また、第2の有機溶剤としての疎水性モノアルコール化合物における炭素数を6〜10の範囲内の値とし、水素数を8〜20の範囲内の値とし、酸素数を1とすることが好ましい。
この理由は、このような化合物であれば、エマルジョン状態となった第1の有機溶剤の、水に対する分散性をより向上させて、洗浄性をさらに向上させることができるためである。
したがって、上述した第2の有機溶剤の中でも、特に、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、ベンジルアルコール、1−オクタノール、ジイソブチルカルビノールおよびテルピネオールからなる群から選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
(2)溶解度
また、第2の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)を、10重量%以下の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる溶解度が10重量%を超えた値となると、エマルジョン状態となった第1の有機溶剤と、水との間を油相側から取り持ち、エマルジョンの分散性を向上させ、ひいては洗浄性を向上させることが困難になる場合があるためである。
また、油相における水分濃度を所定以下の範囲に調節することが困難になって、第1の有機溶剤および第2の有機溶剤が水分を含まない状態で元来有する優れた洗浄性を十分に発揮することが困難になる場合があるためである。
したがって、第2の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)の上限値を、7重量%以下の値とすることがより好ましく、5重量%以下の値とすることがさらに好ましい。
(3)沸点
また、第2の有機溶剤の沸点を130〜220℃の範囲内の値とすることが好ましい。
なお、第2の有機溶剤の沸点を規定する理由は、第1の有機溶剤の沸点を規定した理由と同様である。
したがって、第2の有機溶剤における沸点の下限値を、140℃以上の値とすることがより好ましく、150℃以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第2の有機溶剤における沸点の上限値を、215℃以下の値とすることがより好ましく、210℃以下の値とすることがさらに好ましい。
(4)配合量
また、第2の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる配合量が3重量部未満の値となると、第1の有機溶剤に対する第2の有機溶剤の絶対量が不十分となって、エマルジョン状態となった第1の有機溶剤と、水との間を油相側から取り持ち、エマルジョンの分散性を向上させ、ひいては洗浄性を向上させることが困難になる場合があるためである。
また、第2の有機溶剤が元来有する優れた洗浄性を得ることが困難になる場合があるためである。
一方、かかる配合量が100重量部を超えた値となると、相分離が生じにくくなって、白濁状態を得ることが困難になり、洗浄性が過度に低下しやすくなる場合があるためである。
したがって、第2の有機溶剤の配合量の下限値を、第1の有機溶剤100重量部に対して、7重量部以上の値とすることがより好ましく、10重量部以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第2の有機溶剤の配合量の上限値を、第1の有機溶剤100重量部に対して、90重量部以下の値とすることがより好ましく、80重量部以下の値とすることがさらに好ましい。
3.第3の有機溶剤
本発明の第3の有機溶剤は、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性含窒素化合物および親水性硫黄化合物、あるいはいずれか一方である。
かかる第3の有機溶剤は、水相においてフラックス残渣由来の有機酸・塩類等のイオン性化合物や、被洗浄物由来のイオン成分を十分に溶解することができるとともに、第1および第2の有機溶剤と、水との間を水相側から取り持ち、エマルジョンの分散性を向上させることに寄与する。
したがって、第3の有機溶剤は、水相側からエマルジョン状態となった第1の有機溶剤等を補助し、洗浄剤組成物の洗浄性を向上させる役割を有する。
(1)種類
第3の有機溶剤は、親水性含窒素化合物および親水性含硫黄化合物、あるいはいずれか一方であることを特徴とする。
また、第3の有機溶剤としての親水性含窒素化合物における炭素数を3〜6の範囲内の値とし、水素数を7〜12の範囲内の値とし、窒素数を1とし、酸素数を1とし、親水性含硫黄化合物における炭素数を2〜3の範囲内の値とし、水素数を6〜10の範囲内の値とし、硫黄数を1とし、酸素数を1とすることが好ましい。
この理由は、このような化合物であれば、フラックス残渣由来の有機酸・塩類等のイオン性化合物や、被洗浄物由来のイオン成分を、水相に対して効果的に溶解させて、洗浄性をさらに向上させることができるためである。
より具体的には、N−メチル−2−ピロリドン(沸点:204℃、水への溶解度:100重量%以上)、N−エチル−2−ピロリドン(沸点:218℃、水への溶解度:100重量%以上)、ジメチルスルホキシド(沸点:189℃、水への溶解度:100重量%以上)、ジメチルアセトアミド(沸点:166℃、水への溶解度:100重量%以上)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点:153℃、水への溶解度:100重量%以上)、N,N−ジエチルホルムアミド(沸点:177℃、水への溶解度:100重量%以上)等が好ましい。
(2)溶解度
また、第3の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)を、50重量%以上の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる溶解度が50重量%未満の値となると、水相において被洗浄物由来のイオン成分を十分に溶解することが困難になる場合があるためである。
また、エマルジョン状態となった第1の有機溶剤および第2の有機溶剤と、水との間を水相側から取り持ち、エマルジョンの分散性を向上させ、ひいては洗浄性を向上させることが困難になる場合があるためである。
したがって、第3の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)の下限値を、60重量%以上の値とすることがより好ましく、70重量%以上の値とすることがさらに好ましい。
なお、第3の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)の上限値は、特に制限されるものではなく、無限大(∞)とすることが好ましい。
(3)沸点
また、第3の有機溶剤の沸点を150〜220℃の範囲内の値とすることが好ましい。
なお、第3の有機溶剤の沸点を規定する理由は、第1の有機溶剤の沸点を規定した理由と同様である。
したがって、第3の有機溶剤における沸点の下限値を、155℃以上の値とすることがより好ましく、160℃以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第3の有機溶剤における沸点の上限値を、215℃以下の値とすることがより好ましく、210℃以下の値とすることがさらに好ましい。
(4)配合量
また、第3の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる配合量が3重量部未満の値となると、第1の有機溶剤に対する第3の有機溶剤の絶対量が不十分となって、水相においてフラックス残渣由来の有機酸・塩類等のイオン性化合物や、被洗浄物由来のイオン成分を十分に溶解することが困難になる場合があるためである。
また、エマルジョン状態となった第1の有機溶剤および第2の有機溶剤と、水との間を水相側から取り持ち、エマルジョンの分散性を向上させ、ひいては洗浄性を向上させることが困難になる場合があるためである。
さらに、水相の表面張力が過度に大きくなって、被洗浄物の隙間における洗浄性が低下したり、良好な液切り性、乾燥性を得ることが困難になったりする場合があるためである。
一方、かかる配合量が100重量部を超えた値となると、相分離が生じにくくなって、白濁状態を得ることが困難になり、洗浄性が過度に低下しやすくなる場合があるためである。
したがって、第3の有機溶剤の配合量の下限値を、第1の有機溶剤100重量部に対して、5重量部以上の値とすることがより好ましく、7重量部以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第3の有機溶剤の配合量の上限値を、第1の有機溶剤100重量部に対して、90重量部以下の値とすることがより好ましく、80重量部以下の値とすることがさらに好ましい。
4.第4の有機溶剤
本発明の第4の有機溶剤は、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性アミン化合物である。
かかる第4の有機溶剤は、耐金属腐食性を敢えて低下させつつも、より高度な洗浄性を得るために配合される。
すなわち、第4の有機溶剤を配合した場合、水相の電気伝導度およびpHが高くなってしまうことから、被洗浄物において電位差腐食およびpH腐食が生じやすくなる。
一方、第4の有機溶剤は、エマルジョン状態となった第1の有機溶剤等と、水との間を水相側から取り持ち、エマルジョンの分散性を向上させることに寄与するとともに、水相においてフラックス残渣由来の有機酸・塩類等のイオン性化合物や、被洗浄物由来のイオン成分を効果的に溶解することができる。
したがって、第4の有機溶剤は、実用上問題とならない程度に金属腐食を抑制可能な範囲で配合するという前提の下、特に優れた洗浄性を得ることを可能とする。
(1)種類
第4の有機溶剤は、親水性アミン化合物であることを特徴とする。
より具体的には、N−エチルピペラジン(沸点:157℃、水への溶解度:100重量%以上)、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン(沸点:159℃、水への溶解度:100重量%以上、)、N−メチルエタノールアミン(沸点:160℃、水への溶解度:100重量%以上、)、モノイソプロパノールアミン(沸点:160℃、水への溶解度:100重量%以上)、N,N−ジエチルエタノールアミン(沸点:162℃、水への溶解度:100重量%以上)、N−エチルエタノールアミン(沸点:169℃、水への溶解度:100重量%以上)、N−t−ブチルエタノールアミン(沸点:175℃、水への溶解度:100重量%以上)、1−アミノ−4−メチルピペラジン(沸点:178℃、水への溶解度:100重量%以上)、N−アミノエチルピペラジン(沸点:182℃、水への溶解度:100重量%以上)、ベンジルアミン(沸点:185℃、水への溶解度:100重量%以上)、N−アリルピペラジン(沸点:185℃、水への溶解度:100重量%以上)等が挙げられる。
また、第4の有機溶剤としての親水性アミン化合物における炭素数を3〜7の範囲内の値とし、水素数を8〜16の範囲内の値とし、窒素数を1〜3の範囲内の値とし、酸素数を1とすることが好ましい。
この理由は、このような第4の有機溶剤であれば、特に高度な洗浄性が求められる被洗浄物を洗浄する場合に、少量の添加であっても、洗浄性をより一段と向上させることができるためである。
したがって、上述した第4の有機溶剤の中でも、特に、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ベンジルアミンおよびモノイソプロパノールアミンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を用いることが好ましい。
(2)溶解度
また、第4の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)を50重量%以上の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる溶解度が50重量%未満の値となると、洗浄性をさらに向上させる観点から第4の有機溶剤を敢えて配合したにもかかわらず、油相側に取り込まれてしまい、水相においてフラックス残渣由来の有機酸・塩類等のイオン性化合物や、被洗浄物由来のイオン成分を十分に溶解することが困難になる場合があるためである。
また、エマルジョン状態となった第1の有機溶剤等と、水との間を水相側から取り持ち、エマルジョンの分散性を向上させ、ひいては洗浄性を向上させることが困難になる場合があるためである。
したがって、第4の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)の下限値を、60重量%以上の値とすることがより好ましく、70重量%以上の値とすることがさらに好ましい。
なお、第4の有機溶剤の水への溶解度(測定温度:20℃)の上限値は、特に制限されるものではなく、無限大(∞)とすることが好ましい。
(3)沸点
また、第4の有機溶剤の沸点を、140〜200℃の範囲内の値とすることが好ましい。
なお、第4の有機溶剤の沸点を規定する理由は、第1の有機溶剤の沸点を規定した理由と同様である。
したがって、第4の有機溶剤における沸点の下限値を、145℃以上の値とすることがより好ましく、150℃以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第4の有機溶剤における沸点の上限値を、195℃以下の値とすることがより好ましく、185℃以下の値とすることがさらに好ましい。
(4)配合量
また、第4の有機溶剤の配合量を、第1の有機溶剤100重量部に対して、0.1重量部未満の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる配合量が0.1重量部以上の値となると、水相における電気伝導度およびpHが高くなってしまい、被洗浄物において金属腐食が発生しやすくなる場合があるためである。
特に、アルミパッドを形成した半導体素子をダイボンディングしてなるリードフレームを被洗浄物とした場合、電位差腐食およびpH腐食が同時に発生することから、通常、1μm程度の厚さであるアルミパッドが溶解してしまい、最終製品において安定的に導通を得ることが困難になる場合があるためである。
したがって、第4の有機溶剤の配合量の上限値を、第1の有機溶剤100重量部に対して、0.07重量部以下の値とすることがより好ましく、0.05重量部以下の値とすることがさらに好ましく、0重量部、すなわち配合しないことが最も好ましい。
但し、例えば、高い信頼性を要求される車載用部品や高周波部品、高密度実装の半導体パッケージ基板などのように、特に高度な洗浄性が求められる被洗浄物を洗浄する場合には、実用上問題とならない程度に金属腐食を抑制可能な範囲で、ごく少量の第4の有機溶剤を配合することも好ましい。
この場合、第4の有機溶剤の配合量の下限値を、第1の有機溶剤100重量部に対して、0.01重量部以上の値とすることが好ましく、0.03重量部以上の値とすることがより好ましく、0.05重量部以上の値とすることがさらに好ましい。
次いで、図1を用いて、第4の有機溶剤の配合量と、水相における電気伝導度およびpHと、の関係を説明する。
すなわち、図1には、横軸に、比較例6に準拠した洗浄剤組成物における、プロピレングリコールモノブチルエーテル100重量部に対する第4の有機溶剤の配合量(重量部)を取り、左縦軸に、水相における25℃での電気伝導度(μS/cm)を取った特性曲線Aと、右縦軸に、水相における25℃でのpH(−)を取った特性曲線Bと、が示してある。
なお、水相における電気伝導度およびpHの測定方法の詳細は、実施例において記載する。
また、比較例6は、親水性アミン化合物を必須とした従来の白濁系洗浄剤組成物に相当する。
かかる図1の特性曲線AおよびBより、第4の有機溶剤の配合量が増加するのに伴い、水相における電気伝導度およびpHは単調増加することが分かる。
より具体的には、特性曲線Aに示すように、第4の有機溶剤の配合量が0.1重量部以上の値となると、水相における電気伝導度が120μS/cm以上の値になってしまうことが分かる。
また、特性曲線Bに示すように、第4の有機溶剤の配合量が0.1重量部以上の値となると、水相におけるpHが9.6以上の値にまで増加してしまうことが分かる。
したがって、次に図2を用いて説明するように、第4の有機溶剤の配合量が増加するのに伴って、高電気伝導度に起因した電位差腐食および高pHに起因したpH腐食が発生しやすくなる。
次いで、図2を用いて、第4の有機溶剤の配合量と、耐金属腐食性および洗浄性と、の関係を説明する。
すなわち、図2には、横軸に、比較例6に準拠した洗浄剤組成物における、プロピレングリコールモノブチルエーテル100重量部に対する第4の有機溶剤の配合量(重量部)を取り、左縦軸に、耐金属腐食性(相対値)を取った特性曲線Aと、右縦軸に、洗浄性(相対性)を取った特性曲線Bと、が示してある。
ここで、耐腐食性の評価結果(相対値)は、0〜10の評価点で表しており、その評価基準は、以下の通りである。
評価点10:60分間浸漬後に外観変化が見られない。
評価点9 :45分間浸漬後に外観変化が見られないが、60分間浸漬後に外観変化が見られる。
評価点8 :30分間浸漬後に外観変化が見られないが、45分間浸漬後に外観変化が見られる。
評価点7 :25分環浸漬後に外観変化が見られないが、30分間浸漬後に外観変化が見られる。
評価点6 :20分間浸漬後に外観変化が見られないが、25分間浸漬後に外観変化が見られる。
評価点5 :15分間浸漬後に外観変化が見られないが、20分間浸漬後に外観変化が見られる。
評価点4 :10分間浸漬後に外観変化が見られないが、15分間浸漬後に外観変化が見られる。
評価点3 :5分間浸漬後に外観変化が見られないが、10分間浸漬後に外観変化が見られる。
評価点2 :3分間浸漬後に外観変化が見られないが、5分間浸漬後に外観変化が見られる。
評価点1 :1分間浸漬後に外観変化が見られないが、3分間浸漬後に外観変化が見られる。
評価点0 :1分間浸漬後に外観変化が見られる。
また、洗浄性の評価結果(相対値)は、0〜10の評価点で表しており、その評価基準は、以下の通りである。
評価点10:フラックス洗浄時間が0〜10分未満である。
評価点9 :フラックス洗浄時間が10〜12分未満である。
評価点8 :フラックス洗浄時間が12〜15分未満である。
評価点7 :フラックス洗浄時間が15〜17分未満である。
評価点6 :フラックス洗浄時間が17〜20分未満である。
評価点5 :フラックス洗浄時間が20〜25分未満である。
評価点4 :フラックス洗浄時間が25〜30分未満である。
評価点3 :フラックス洗浄時間が30〜40分未満である。
評価点2 :フラックス洗浄時間が40〜50分未満である。
評価点1 :フラックス洗浄時間が50〜60分未満である。
評価点0 :フラックス洗浄時間が60分以上である。
なお、耐金属腐食性および洗浄性の評価方法等の詳細は、実施例において記載する。
かかる図2の特性曲線AおよびBより、第4の有機溶剤の配合量が増加するのに伴い、耐金属腐食性の評価点が低下する一方、第4の有機溶剤の配合量が増加するのに伴い、洗浄性の評価点が上昇することが分かる。
より具体的には、特性曲線Aに示すように、第4の有機溶剤の配合量が0重量部のときには耐金属腐食性の評価値が10であったものが、第4の有機溶剤の配合量が1重量部以上になると、耐金属腐食性の評価値が急激に1にまで低下してしまうことが分かる。
一方、特性曲線Bに示すように、第4の有機溶剤の配合量が0重量部のときには洗浄性の評価値が0であったものが、第4の有機溶剤の配合量が0.4重量部以上になると、洗浄性の評価値が急激に10にまで上昇することが分かる。
したがって、従来の親水性アミン化合物を必須とする白濁系洗浄剤組成物では、耐金属腐食性と、洗浄性とを両立させることが非常に困難になることが分かる。
他方、図2には、特性曲線AおよびBの他に、実施例1の洗浄剤組成物における耐金属腐食性を示すプロットCと、洗浄性を示すプロットDが示してある。
かかるプロットCおよびDより、本発明の洗浄剤組成物であれば、親水性アミン化合物を全く含まない場合であっても優れた洗浄性を発揮することができるため、優れた耐金属腐食性と、洗浄性とを同時に得ることができることが分かる。
5.その他の化合物
また、本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上述した第1〜第4の有機溶剤以外の化合物を配合してもよい。
このような化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、疎水性グリコールエーテル化合物、疎水性アミン化合物および界面活性剤等が挙げられる。
疎水性グリコールエーテル化合物としては、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
また、疎水性アミン化合物としては、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、トリアリルアミン、ジメチルベンジルアミン等が挙げられる。
また、界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンベンジルアルコール、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
また、特に、第4の有機溶剤を配合した場合には、金属腐食の発生をより効果的に抑制する観点から、pH緩衝材、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤等を配合することも好ましい。
なお、その他の化合物の配合量としては、第1の有機溶剤100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましく、1〜7重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
6.水
本発明の洗浄剤組成物は、上述した有機溶剤の合計量100重量部に対して、50〜3900重量部の範囲内の水を配合することを特徴とする。
この理由は、かかる水の配合量が50重量部未満の値となると、洗浄性が低下するばかりか、洗浄剤組成物が均一化してしまい、白濁状態とすることが困難になる場合があるためである。
一方、かかる水の配合量が3900重量部を超えた値となると、有機溶剤が過度に希釈されて、洗浄性が著しく低下する場合があるためである。
したがって、水の配合量の下限値を、75重量部以上の値とすることがより好ましく、100重量部以上の値とすることがさらに好ましい。
また、水の配合量の上限値を、1900重量部以下の値とすることがより好ましく、900重量部以下の値とすることがさらに好ましい。
7.液特性
(1)油相における水分濃度
本発明の洗浄剤組成物は、油相と水相とに相分離した際に、油相における水分濃度(測定温度:25℃)を5重量%以下の値とすることを特徴とする。
この理由は、金属腐食を抑制する観点から親水性アミン化合物の配合量を制限した場合、洗浄性が著しく低下する傾向があるが、上述した所定の配合組成を前提とし、かつ、油相における水分濃度を所定以下の範囲とすることで、優れた洗浄性を効果的に維持することができるためである。
すなわち、かかる水分濃度が5重量%を超えた値となると、油相を構成する第1の有機溶剤や第2の有機溶剤が、水分を含まない状態で元来有する優れた洗浄性を十分に発揮することが困難になるためである。
より具体的には、油相を構成する第1の有機溶剤や第2の有機溶剤が水分を所定以上含むと、フラックス残渣由来のロジン等の非極性化合物の溶解力が低下し、洗浄性が著しく低下するためである。
したがって、油相における水分濃度(測定温度:25℃)を3重量%以下の値とすることがより好ましく、1.5重量%以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、本発明における「油相における水分濃度」とは、油相における飽和水分濃度を意味する。
次いで、図3を用いて、油相における水分濃度と、洗浄性との関係を説明する。
すなわち、図3には、横軸に、実施例3に準拠した洗浄剤組成物における、油相における25℃での水分濃度(重量%)を取り、縦軸に洗浄性(相対値)を取った特性曲線が示してある。
なお、洗浄性の評価結果における基準等は、図2の場合と同様である。
かかる図3の特性曲線より、油相における水分濃度が増加するのに伴い、洗浄性が低下することが分かる。
より具体的には、油相における水分濃度が0〜5重量%以下の範囲では、洗浄性の評価値が10から8にまで比較的緩やかに低下する一方、油相における水分濃度が5重量%を超えると、洗浄性の評価値が急激に低下し始め、油相における水分濃度が7重量%のときには評価値が5に、油相における水分濃度が10重量%のときには評価値が3に、油相における水分濃度が15重量%のときには評価値が2にまで低下してしまうことが分かる。
よって、優れた洗浄性を得るためには、油相における水分濃度を5重量%以下の値とすべきことが理解される。
(2)水相における電気伝導度
また、水相における電気伝導度(測定温度:25℃)を0.1〜300μS/cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる電気伝導度が0.1μS/cm未満の値となると、金属イオンが溶け込みやすい状態になり、金属影響が生じやすくなるためである。
一方、かかる電気伝導度が300μS/cmを超えた値となると、被洗浄物において電位差腐食が発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、水相における電気伝導度の下限値を、0.3μS/cm以上の値とすることがより好ましく、0.5μS/cm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、水相における電気伝導度の上限値を、250μS/cm以下の値とすることがより好ましく、200μS/cm以下の値とすることがさらに好ましい。
(3)水相におけるpH
また、水相におけるpH(測定温度:25℃)を4.5〜9.5の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるpHが4.5未満の値となると、被洗浄物においてpH腐食が発生しやすく、かつ、フラックスに対する洗浄効果が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかるpHが9.5を超えた値となると、被洗浄物においてpH腐食が発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、水相におけるpHの下限値を、5以上の値とすることがより好ましく、5.5以上の値とすることがさらに好ましい。
また、水相におけるpHの上限値を、9以下の値とすることがより好ましく、8.5以下の値とすることがさらに好ましい。
(4)引火点および燃焼点
本発明の洗浄剤組成物は、引火点を有しないか、あるいは、引火点を有する場合であっても、その温度を40℃以上の値とし、かつ、燃焼点を60℃以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる引火点が40℃以上、かつ、燃焼点が60℃以上の値となると、消防法上の危険物に該当しなくなるためである。
但し、洗浄剤組成物の引火点および燃焼点が過度に高くなると、使用可能な第1〜第4の有機溶剤等の種類や配合量が過度に制限される場合がある。
したがって、洗浄剤組成物が引火点を有する場合であっても、その温度を45〜150℃の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜100℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、洗浄剤組成物の燃焼点を70〜200℃の範囲内の値とすることがより好ましく、80〜150℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、洗浄剤組成物の引火点は、実施例1に記載するように、JIS K 2265−1および4(引火点の求め方)に準じて、測定することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態の洗浄剤組成物を白濁状態にして、被洗浄物を洗浄することを特徴とする洗浄方法である。
1.洗浄剤組成物の準備工程
洗浄剤組成物の準備工程は、第1の実施形態で説明した洗浄剤組成物を準備する工程である。
したがって、洗浄剤組成物が既に調製されている場合はそのまま用いればよいが、例えば、有機溶剤部分(洗浄剤組成物用原液)のみが調製されているような場合は、洗浄剤組成物用原液100重量部に対して、50〜3900重量部の水を混合して洗浄剤組成物を準備する。
2.洗浄工程
(1)洗浄態様
洗浄剤組成物を用いた洗浄方法を実施するにあたり、その洗浄方法は特に制限されるものではなく、例えば、浸漬法、搖動法、超音波振動法、シャワー洗浄法、液中ジェット法などの各種手段を採用することができる。
また、洗浄剤組成物をブラシや洗浄ロール等に含浸させたり、付着させたりした状態で、フラックスを洗浄することも好ましい。
なお、洗浄剤組成物を用いた洗浄方法を実施するにあたり、特に、後述する洗浄装置を使用することが好ましい。
(2)洗浄条件
また、洗浄剤組成物を用いた洗浄方法を実施するにあたり、例えば、30〜80℃、10秒から60分の条件で洗浄することが好ましい。
この理由は、このような条件で所定の洗浄効果が得られるならば、洗浄剤組成物自体の熱劣化や酸化劣化を有効に防止できるためである。
なお、洗浄剤組成物を白濁状態にして優れた洗浄性を発揮させるために、洗浄条件の一つとして、洗浄剤組成物を撹拌状態とすることが好ましい。
より具体的には、プロペラ撹拌装置やマグネットスターラ等を用いて、回転数を30〜1000rpmの範囲として洗浄剤組成物を撹拌状態とすることが好ましい。
3.リンス工程
本発明の洗浄剤組成物は、優れた乾燥性を有していることから、基本的にリンス工程を省略することができる。
但し、電子部品や基板等の洗浄においては、洗浄剤組成物が残留することにより、電子部品や基板等において電気腐食等が発生する場合もあることから、さらにリンス工程を設けることも好ましい。
特に、洗浄剤組成物が親水性アミン化合物を含む場合、リンス液として、アルコール系溶剤を使用することが好ましい。
この理由は、水と比較して、速く乾燥させることができるとともに、親水性アミン化合物が混入した場合の金属影響を抑えることができるためである。
より具体的には、アルコール系溶剤として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、アミノアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等の一種単独または二種以上のアルコールを使用することが好ましい。
また、これらのアルコールに対して、所定量の水を添加したアルコール系溶剤を使用することが好ましく、具体的には、全体量に対して40〜70重量%になるように水を添加したアルコール系溶剤を使用することが好ましい。
なお、リンス条件としては、5〜40℃、1秒から30分の範囲内とし、さらに、二段階でリンス処理を実施することがより好ましい。この理由は、界面活性剤やアミン化合物の残渣をより少なくすることができるためである。
但し、ハンダ処理装置等に付着したフラックスを除去する場合には、残留した界面活性剤等による電子部品や基板等の電気特性劣化の問題が極微であるため、かかるリンス工程を省略したり、簡略化したりすることができる。
4.洗浄装置
洗浄剤組成物を用いた洗浄方法を実施するにあたり、使用するフラックスの洗浄装置10としては、図4(a)に示すように、例えば、超音波洗浄するための超音波振動子29を備えた洗浄槽12と、リンス槽14と、乾燥槽16と、を備えていることが好ましい。
より具体的には、洗浄槽12は、筐体12aと、被洗浄物23の収容部20と、超音波振動子29と、洗浄液の撹拌装置(図示せず)と、サーモスタット付きのヒーター19と、から構成してあり、撹拌および循環している洗浄剤組成物21に対して、超音波振動子29が、超音波振動を付与し、被洗浄物23を効率的に洗浄することが好ましい。
また、図4(b)に示すように、洗浄槽12は、筐体12aと、被洗浄物23の収容部20と、超音波振動子29と、洗浄液の撹拌装置(図示せず)と、サーモスタット付きのヒーター19と、洗浄剤組成物21を循環させるための循環路22と、から構成することも好ましい。
すなわち、ポンプ24によって、一部汚染された洗浄剤組成物21を循環させることができ、その途中の循環路22に設けてあるフィルタ28や、塩形成化合物収容部26において洗浄剤組成物21を再生することができる。
次いで、リンス槽14において、被洗浄物23からフラックス等をさらに除去するとともに、洗浄剤組成物21を除去し、さらに乾燥槽16において、リンス液15等を蒸発させて、完全に除去することが好ましい。
すなわち、このような洗浄装置10を使用することにより、本発明の洗浄剤組成物を用いて、ハンダ処理された電子部品や基板等を洗浄し、金属腐食を効果的に抑制しつつ、それらに付着しているフラックスを効率的に除去することができる。
5.被洗浄物
洗浄剤組成物を用いた洗浄方法を実施するにあたり、洗浄剤組成物を適用する被洗浄物の種類は、特に制限されるものではないが、ハンダ処理された電子部品や基板はもちろんのこと、ハンダ処理されていなくとも、フラックスの影響がある部品等であれば好適に適用することができる。
したがって、例えば、プリント回路基板、セラミック配線基板、半導体素子(BGA、CSP、PGA、LGA等の半導体部品を含む。)、半導体素子搭載基板、バンプ付きTABテープ、バンプ無しTABテープ、半導体素子搭載TABテープ、リードフレーム、コンデンサ、および抵抗等が具体的に挙げられる。
また、被洗浄物が、マグネシウム、アルミニウム、リン、チタン、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、アンチモン、白金、金、鉛およびビスマスからなる群から選択される少なくとも一種の金属もしくは当該金属を含む合金を、露出面に有するものであることが好ましい。
この理由は、本発明の洗浄方法であれば、このような被洗浄物を対象とした場合であっても、金属腐食の発生を効果的に抑制することができるためである。
このような被洗浄物としては、例えば、アルミパッドを使用した半導体素子をダイボンディングしてなるリードフレーム、放熱用のアルミ製ヒートシンクが一体となった実装基板等が挙げられる。
なお、酸化被膜等が形成されることにより、正確には上述した金属、合金が表面に露出していない場合であっても「露出面に有するもの」に含まれるものとする。
また、これらの被洗浄物において使用されるフラックスの種類は特に制限されるものではないが、例えば、通常のハンダフラックスはもちろんのこと、低VOCフラックス、鉛フリーハンダ用フラックス、ハロゲンフリーハンダフラックス、または高融点ハンダフラックス、あるいは無洗浄ハンダフラックスであることが好ましい。
すなわち、これらのハンダフラックスは、通常、ロジンを主成分としており、それに、有機酸塩、グリシジルエーテル化合物、オキシ酸、カルボン酸(ジカルボン酸を含む。)、アニリドおよび熱硬化樹脂(例えば、エポキシ樹脂や熱硬化系アクリル樹脂)の少なくとも一つの化合物が添加してある場合が多いためである。
したがって、本発明の洗浄方法であれば、通常のハンダフラックスはもちろんのこと、これらのハンダフラックスに対しても、優れた洗浄性を示すことができる。
なお、フラックスが添加される通常のハンダ、高融点ハンダ、鉛フリーハンダ、さらには無洗浄ハンダ等の種類についても特に制限されるものではないが、例えば、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn−Zn系、Sn−Bi系、Pb−Sn系等が代表的である。
以下、実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。但し、言うまでもなく、本発明は、以下の記載に何ら制限されるものではない。
[実施例1]
1.洗浄剤組成物用原液の作成
容器内に、第1の有機溶剤としてのサイメン(沸点:177℃、水への溶解度:1重量%以下)100重量部と、第2の有機溶剤としての1−ヘキサノール(沸点:157℃、水への溶解度:1重量%以下)15重量部と、第3の有機溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(沸点:204℃、水への溶解度:100重量%以上)35重量部とを収容し、撹拌装置としてのミキサーを用いて、均一になるように十分に撹拌して、実施例1の洗浄剤組成物用原液とした。
なお、表1に、実施例1の洗浄剤組成物用原液の配合組成を示す。
2.洗浄剤組成物の作成
容器内に、得られた洗浄剤組成物用原液100重量部と、水233.3重量部とを収容し、撹拌装置としてのミキサーを用いて十分に撹拌して、洗浄剤組成物とした。
3.評価
(1)油相における水分濃度評価
得られた洗浄剤組成物200gを300mlのビーカー内部に収容した後、25℃の温度環境下に1時間静置した。
次いで、相分離により形成された油相における水分濃度をカールフィッシャー水分計(京都電子工業(株)製、MKS−500)を用いて測定した。得られた結果を表1に示す。
(2)水相における電気伝導度の評価
得られた洗浄剤組成物200gを300mlのビーカー内部に収容した後、25℃の温度環境下に1時間静置した。
次いで、相分離により形成された油相と水相のうち、水相を取り出し、取り出した水相における電気伝導度を、導電率メータCEH−12((株)コス製)を用いて測定した。得られた結果を表1に示す。
(3)水相におけるpHの評価
得られた洗浄剤組成物200gを300mlのビーカー内部に収容した後、25℃の温度環境下に1時間静置した。
次いで、相分離により形成された油相と水相のうち、水相を取り出した。
次いで、取り出した水相のpHを、pH計(堀場製作所(株)製、M−8)を用いて、測定温度25℃の条件で測定した。得られた結果を表1に示す。
(4)耐金属腐食性評価
得られた洗浄剤組成物200gを300mlのビーカー内部に収容した後、温度を50℃に維持した。
次いで、図5(a)〜(b)に示すアルミニウムを主原料としたボンディングパッド部(アルミパッド)32を有する半導体素子34をハンダ36により固定した銅板38を、テストピース30として200gの洗浄剤組成物入りビーカーの内部に収容し、その状態で、ビーカー内のマグネチックスターラーを回転させて、洗浄剤組成物を白濁状態としながら、所定時間の腐食試験を行った。
次いで、マグネチックスターラーの回転を止めて、テストピース30を洗浄剤組成物から取り出し、100℃に保持された循環オーブンを用いて、所定時間の乾燥を行った。
その後、乾燥させたテストピース30を循環オーブンから取り出して、目視により表面観察し、以下の基準に照らして洗浄剤組成物の耐金属腐食性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
なお、図5(a)は、テストピース30の平面図であり、図5(b)は、図5(a)のテストピース30を点線で切断した断面を、矢印Aの方向に沿って眺めた場合の断面図である。
◎:銅板およびアルミパッドにおいて、60分間浸漬後に外観変化が見られない。
○:銅板およびアルミパッドにおいて、30分間浸漬後に外観変化が見られないが、60分間浸漬後に外観変化が見られる。
△:銅板およびアルミパッドにおいて、15分間浸漬後に外観変化が見られないが、30分間浸漬後に外観変化が見られる。
×:銅板およびアルミパッドにおいて、15分間浸漬後に外観変化が見られた。
(5)洗浄性評価
JIS2型のくし形基板に対して、メタルマスクを介して、市販の鉛フリーハンダペーストとしてのエコソルダーM705−GRN360−K2−V(千住金属工業(株)製)を、印刷塗布した。
次いで、ハンダペーストを印刷塗布したくし型基板を、240℃に温度維持されたカバー付きホットプレートに載置し、市販ハンダペーストをリフローさせ、テストピースとした。
一方、得られた洗浄剤組成物200gを300mlのビーカー内部に収容した後、温度50℃に維持した。
次いで、複数のテストピースを、洗浄剤組成物入りビーカーの内部に収容し、その状態で、マグネチックスターラーを回転させて、洗浄剤組成物を白濁状態としながら、洗浄時間を変えて、ハンダペーストに対する洗浄試験を行った。
すなわち、所定の洗浄時間ごとに、マグネチックスターラーの回転を止めて、いずれかのテストピースを洗浄剤から取り出し、100℃に保持された循環オーブンを用いて、10分間乾燥を行った。
最後に、乾燥させたテストピースを循環オーブンから取り出し、実体顕微鏡(倍率40)を用いて表面観察し、ハンダペーストを完全に洗浄することが可能な時間(洗浄時間)を測定するとともに、以下の基準に照らして洗浄性を評価した。得られた結果を表1に示す。
◎:洗浄時間が10分未満である。
○:洗浄時間が10〜15分未満である。
△:洗浄時間が15〜30分未満である。
×:洗浄時間が30分以上である。
(6)乾燥性評価
得られた洗浄剤組成物200gを300mlのビーカー内部に収容した後、温度を50℃に維持した。
次いで、ガラスエポキシ基板を、200gの洗浄剤組成物入りビーカーの内部に収容し、その状態で、ビーカー内のマグネチックスターラーを回転させて、洗浄剤組成物を白濁状態としながら30分の洗浄試験を行った。
次いで、マグネチックスターラーの回転を止めて、ガラスエポキシ基板を洗浄剤から取り出し、100℃に保持された循環オーブンを用いて、所定時間の乾燥を行った。
その後、乾燥させたガラスエポキシ基板を循環オーブンから取り出し、目視により表面観察し、以下の基準に照らして、洗浄剤組成物の乾燥性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
◎:5分以内で、乾燥可能である。
○:10分以内で、乾燥可能である。
△:10分間の乾燥で、液残りが少々ある。
×:10分間の乾燥で、多くの液残りがある。
(7)引火点
得られた洗浄剤組成物の引火点を、JIS K2265−1:2007(引火点測定法(タグ密閉法))およびJIS K2265−4:2007(引火点測定法(クリーブランド開放法))に準じて、測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例2〜12および比較例1〜9]
実施例2〜12および比較例1〜9では、表1に示すようにして洗浄剤組成物の組成を変えたほかは、実施例1と同様に洗浄剤組成物を作成し、評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0006231250
本発明の洗浄剤組成物によれば、第1および第2の有機溶剤としての所定の疎水性有機溶剤と、第3の有機溶剤としての所定の親水性有機溶剤と、水と、を所定の割合で配合するとともに、第4の有機溶剤としての親水性アミン化合物を含まないか、含む場合であっても所定未満の範囲として、実質的にアミンレスとし、かつ、相分離した際の油相における水分濃度を所定以下の範囲とすることにより、環境安全性に優れる一方、優れた洗浄性を発揮することができ、かつ、被洗浄物における金属腐食についても効果的に抑制できるようになった。
したがって、本発明の洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法によれば、特に、アルミパッドを使用した半導体素子をハンダ付けしてなるリードフレームのような、金属腐食が生じやすく、かつ、それが致命的となる電子部品等の洗浄をする場合であっても、環境問題に配慮しつつも、精度よく、安定的にフラックス残渣を除去することができる。
10:洗浄装置
12:洗浄槽
14:リンス槽
15:リンス液
16:乾燥槽
21:洗浄液
22:循環路
26:塩形成化合物収容部
28:フィルタ
29:超音波振動子
30:耐金属腐食性評価用のテストピース
31:ポリイミド保護膜
32:アルミパッド
34:半導体部品
36:ハンダ
38:銅板

Claims (10)

  1. 白濁状態にて被洗浄物を洗浄するための洗浄剤組成物であって、
    第1〜第4の有機溶剤と、水と、を含むとともに、
    前記第1の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性芳香族系化合物、疎水性テルペン系化合物、および、疎水性ナフテン系化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
    前記第2の有機溶剤が、前記第1の有機溶剤とは異なる種類であって、水への溶解度(測定温度:20℃)が10重量%以下の値である疎水性モノアルコール化合物であって、1−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブチルアルコール、メチルイソブチルカルビノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、2−ノナノール、ジイソブチルカルビノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、テルピネオールの少なくとも一つであり、
    前記第3の有機溶剤が、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性含窒素化合物および親水性含硫黄化合物、あるいはいずれか一方であり、
    前記第4の有機溶剤が、前記第3の有機溶剤とは異なる種類であって、水への溶解度(測定温度:20℃)が50重量%以上の値である親水性アミン化合物であって、N−エチルピペラジン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルアミン、N−アリルピペラジンの少なくとも一つであり、
    前記第2の有機溶剤の配合量を、前記第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とし、
    前記第3の有機溶剤の配合量を、前記第1の有機溶剤100重量部に対して、3〜100重量部の範囲内の値とし、
    前記第4の有機溶剤の配合量を、前記第1の有機溶剤100重量部に対して、0.1重量部未満の値とし、
    前記水の配合量を、有機溶剤の合計量100重量部に対して、50〜3900重量部の範囲内の値とし、かつ、
    油相と水相とに相分離した際に、油相における水分濃度(測定温度:25℃)を5重量%以下の値とすることを特徴とする洗浄剤組成物。
  2. 前記水相における電気伝導度(測定温度:25℃)を0.1〜300μS/cmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 前記水相におけるpH(測定温度:25℃)を4.5〜9.5の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 前記第1の有機溶剤の沸点を140〜210℃の範囲内の値とし、前記第2の有機溶剤の沸点を130〜220℃の範囲内の値とし、前記第3の有機溶剤の沸点を150〜220℃の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  5. 前記第1の有機溶剤としての前記疎水性芳香族系化合物、疎水性テルペン系化合物および疎水性ナフテン系化合物における炭素数を8〜10の範囲内の値とし、水素数を8〜20の範囲内の値とし、酸素数を0〜1の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  6. 前記第2の有機溶剤としての前記疎水性モノアルコール化合物における炭素数を6〜10の範囲内の値とし、水素数を8〜20の範囲内の値とし、酸素数を1とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  7. 前記第3の有機溶剤としての前記親水性含窒素化合物における炭素数を3〜6の範囲内の値とし、水素数を7〜12の範囲内の値とし、窒素数を1とし、酸素数を1とし、前記親水性含硫黄化合物における炭素数を2〜3の範囲内の値とし、水素数を6〜10の範囲内の値とし、硫黄数を1とし、酸素数を1とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  8. 前記第4の有機溶剤としての前記親水性アミン化合物における炭素数を3〜7の範囲内の値とし、水素数を8〜16の範囲内の値とし、窒素数を1〜3の範囲内の値とし、酸素数を1とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  9. 前記被洗浄物が、マグネシウム、アルミニウム、リン、チタン、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、アンチモン、白金、金、鉛およびビスマスからなる群から選択される少なくとも一種の金属もしくは当該金属を含む合金を、露出面に有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物を白濁状態にして、被洗浄物を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
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