JP2009197315A - 鉛フリーはんだ合金の製造方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素数が13〜20の有機脂肪酸5〜80重量%を含有する油からなる液温180〜300℃の溶液中に、錫を主成分としこれに銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウムのいずれか1種以上の金属を添加した溶融鉛フリーはんだ合金を浸漬し撹拌処理し、該鉛フリーはんだ中の酸化物及び不純物を除去することにより、従来にない物理的機械的物性として柔軟で伸び、靭性に優れ、また溶融時の粘性は従来の鉛フリーはんだ合金に較べて明らかに低くはんだぬれ広がり性が良く、微細接合部の接合信頼性の高いはんだ接合を可能にする。
【選択図】図1
Description
このため、はんだ接合に使用するはんだ合金側にもはんだ接合強度、とりわけ電子素子、電子部品のリードの接合面積およびピッチの微小化に伴うはんだ接合部の高信頼性が要求されている。
また一方では、近年、環境汚染ならびに人体に対する有害性の問題で鉛の使用禁止または規制化が進み、特に電子部品分野においては鉛を含有しない所謂「鉛フリーはんだ合金」がはんだ付け加工に広く使用されており、特に、錫・銀・銅系はんだ合金、及びそれにアンチモンを添加したはんだ合金(特許文献1)、錫・銀・銅系はんだ合金にニッケルまたはゲルマニウムなどを添加したはんだ合金(特許文献2)などが提案され、実用化されている。このほかにも、錫・亜鉛・ニッケル系はんだ合金及び更に銀、銅、ビスマスなどを添加したはんだ合金(特許文献3)など数多くの各種はんだ合金が提案されている。
しかしながら、これらの鉛フリーはんだ合金は溶融時のぬれ性が良くないため、はんだ接合部面積が微細になると、接合部に必要以上の容量ではんだが盛り上がる所謂「オーバーボリューム」やリード間ピッチが狭小の回路では隣接リードにブリッジオーバーしてリークを生じやすい難点があるばかりか、凝固時のはんだの物理的機械的特性の1つである伸びが小さいために通電on−offに伴う繰返しヒートサイクルによるはんだ接合部の疲労破断による導通不良など生じやすく、微小化した電子機器の接続信頼性を損なうことも多い。
該有機脂肪酸濃度については10重量%以下でも効果はあるが、補充管理など煩雑なこと、また70重量%以上では液粘度も高くなり、該鉛フリーはんだ合金との撹拌抵抗及び混合浸透性に問題を生じるため、好ましくは10〜70重量%である。液温は使用する鉛フリーはんだ合金の融点で決まり、少なくとも該融点以上の高温領域で有機脂肪酸溶液と溶融した該鉛フリーはんだを激しく撹拌接触させる必要がある。
また上限温度は発煙の問題や省エネの観点から300℃程度であり、望ましくは使用する鉛フリーはんだの融点以上の温度〜270℃である。また、エステル合成油を混合する理由は液粘度を下げて均一な撹拌処理を行うこと及び有機脂肪酸の高温発煙性抑制にあり、その濃度は有機脂肪酸濃度で決まる。
撹拌時間は該鉛フリーはんだ合金の投入量および撹拌機の構造および撹拌条件にもよるが、一般的には10〜60分間程度強撹拌すれば充分である。その後、比重差を利用して反応槽最下部より上記酸化物および大半の不純物が分離除去され清浄化された該鉛フリーはんだ合金を溶融状態で鋳型等に取り出し、凝固させ、通常のはんだ付け装置に投入してはんだ接合すればよい。
また、化学的物性評価方法は、上記比較例1〜3及び実施例1〜3の各鉛フリーはんだ合金をメニスコグラフによるはんだ濡れ性試験方法によりそれぞれ繰返し5(n=5)でゼロクロス時間を測定した。その際、測定ピンは0.4mmφの純銅線を使用した。
このため、はんだ接合に使用するはんだ合金側にもはんだ接合強度、とりわけ電子素子、電子部品のリードの接合面積およびピッチの微小化に伴うはんだ接合部の高信頼性が要求されている。
また一方では、近年、環境汚染ならびに人体に対する有害性の問題で鉛の使用禁止または規制化が進み、特に電子部品分野においては鉛を含有しない所謂「鉛フリーはんだ合金」がはんだ付け加工に広く使用されており、特に、錫・銀・銅系はんだ合金、及びそれにアンチモンを添加したはんだ合金(特許文献1)、錫・銀・銅系はんだ合金にニッケルまたはゲルマニウムなどを添加したはんだ合金(特許文献2)などが提案され、実用化されている。このほかにも、錫・亜鉛・ニッケル系はんだ合金及び更に銀、銅、ビスマスなどを添加したはんだ合金(特許文献3)など数多くの各種はんだ合金が提案されている。
しかしながら、これらの鉛フリーはんだ合金は溶融時のぬれ性が良くないため、はんだ接合部面積が微細になると、接合部に必要以上の容量ではんだが盛り上がる所謂「オーバーボリューム」やリード間ピッチが狭小の回路では隣接リードにブリッジオーバーしてリークを生じやすい難点があるばかりか、凝固時のはんだの物理的機械的特性の1つである伸びが小さいために通電on−offに伴う繰返しヒートサイクルによるはんだ接合部の疲労破断による導通不良など生じやすく、微小化した電子機器の接続信頼性を損なうことも多い。
該有機脂肪酸濃度については10質量%以下でも効果はあるが、補充管理など煩雑なこと、また70質量%以上では液粘度も高くなり、該鉛フリーはんだ合金との撹拌抵抗及び混合浸透性に問題を生じるため、好ましくは10〜70質量%である。液温は使用する鉛フリーはんだ合金の融点で決まり、少なくとも該融点以上の高温領域で有機脂肪酸溶液と溶融した該鉛フリーはんだを激しく撹拌接触させる必要がある。
また上限温度は発煙の問題や省エネの観点から300℃程度であり、望ましくは使用する鉛フリーはんだの融点以上の温度〜270℃である。また、エステル合成油を混合する理由は液粘度を下げて均一な撹拌処理を行うこと及び有機脂肪酸の高温発煙性抑制にあり、その濃度は有機脂肪酸濃度で決まる。
撹拌時間は該鉛フリーはんだ合金の投入量および撹拌機の構造および撹拌条件にもよるが、一般的には10〜60分間程度強撹拌すれば充分である。その後、比重差を利用して反応槽最下部より上記酸化物および大半の不純物が分離除去され清浄化された該鉛フリーはんだ合金を溶融状態で鋳型等に取り出し、凝固させ、通常のはんだ付け装置に投入してはんだ接合すればよい。
また、化学的物性評価方法は、上記比較例1〜3及び実施例1〜3の各鉛フリーはんだ合金をメニスコグラフによるはんだ濡れ性試験方法によりそれぞれ繰返し5(n=5)でゼロクロス時間を測定した。その際、測定ピンは0.4mmφの純銅線を使用した。
Claims (4)
- プリント回路板を炭素数が13〜20の有機脂肪酸5〜80重量%を含有する油からなる液温180〜300℃の溶液中に、錫を主成分としこれに銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウムのいずれか1種以上の金属を添加した溶融鉛フリーはんだ合金を浸漬し撹拌処理することにより、該鉛フリーはんだ中の酸化物及び不純物を除去した電子部品用鉛フリーはんだ合金。
- 前記請求項1における有機脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸のいずれか1種を10〜70重量%と残部エステル合成油からなる液温180〜300℃の溶液に、錫を主成分としこれに銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウムのいずれか1種以上の金属を添加した溶融鉛フリーはんだ合金を浸漬し撹拌処理することにより、該鉛フリーはんだ中の酸化物及び不純物を除去した電子部品用鉛フリーはんだ合金。
- プリント回路板を炭素数が13〜20の有機脂肪酸5〜80重量%を含有する油からなる液温180〜300℃の溶液中に、錫を主成分としこれに銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウムのいずれか1種以上の金属を添加した溶融鉛フリーはんだ合金を浸漬し撹拌処理することにより、該鉛フリーはんだ中の酸化物及び不純物を除去した電子部品用鉛フリーはんだ合金を使用してはんだ接合した半導体装置。
- 前記請求項1における有機脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸のいずれか1種を10〜70重量%と残部エステル合成油からなる液温180〜300℃の溶液に、錫を主成分としこれに銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウムのいずれか1種以上の金属を添加した溶融鉛フリーはんだ合金を浸漬し撹拌処理することにより、該鉛フリーはんだ中の酸化物及び不純物を除去した電子部品用鉛フリーはんだ合金を使用してはんだ接合した半導体装置。
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- 2008-02-22 JP JP2008072364A patent/JP4375485B2/ja active Active
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