JP2022110593A - ソルダペースト - Google Patents

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拓生 原
Takuo Hara
淳 杉本
Atsushi Sugimoto
瞳 勝山
Hitomi Katsuyama
和総 田中
Kazufusa Tanaka
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Abstract

【課題】 はんだぬれ性を確保しつつ、はんだ接合部内やはんだパンプ内におけるボイド発生を抑制し得るソルダペーストの提供。【解決手段】 ロジン系樹脂(A)と、活性剤(B)と、溶剤(C)とを含有し、前記溶剤(C)は、常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を含有するフラックスと、はんだ合金からなる合金粉末(D)とを含むソルダペースト。【選択図】図1

Description

本発明は、ソルダペーストに関する。
従来から、プリント配線板やシリコンウエハといった基板上に形成される電子回路と電子部品とを接合する接合材料として、はんだ合金が広く用いられている。
はんだ合金を用いた接合方法としては、例えばはんだ合金粉末とフラックスとを混合したソルダペーストを用いる方法や、はんだ合金からなるはんだバンプを用いる方法が存在する。なおソルダペーストは、はんだバンプの形成にも用いられることがある。
ソルダペーストを用いたはんだ接合方法、及びソルダペーストを用いたはんだバンプの形成方法の場合、一般的には、基板上にソルダペーストを所定のパターンとなるように印刷し、これを所定の温度にて加熱し(プリヒート及びリフロー)、基板上に形成されたフラックス残渣を洗浄する(ソルダペーストによるはんだ接合の場合には、洗浄は省略されることもある)ことにより行われる。
しかしこの場合、加熱時において、ソルダペーストに含まれるフラックス及びフラックス成分の揮発により発生するガスが、溶融したはんだ合金内に取り込まれたまま排出されないことがある。形成されるはんだ接合部内やはんだバンプ内に取り残されたフラックスやガスはボイドと呼ばれ、はんだ接合部及びはんだバンプの信頼性を低下させる虞がある。またこれを起因として、半導体や電子機器の信頼性の低下にも繋がる虞がある。
はんだ接合部内やはんだバンプ内のボイド発生を抑制し得るフラックスとしては、例えば特許文献1に開示されるはんだ用フラックスのように、有機溶剤の配合量を低減させたものが挙げられる。
当該はんだ用フラックスは、所定の有機溶剤及びチクソトロピック剤を使用することで、ソルダペーストの粘度安定性、印刷性を向上させて有機溶剤の配合量を低減させている。そのため、加熱中に有機溶剤の揮発により発生したガスや有機溶剤自体が溶融したはんだ合金中に取り込まれ難くなるというメリットがある。
特開2017-209690号公報
一方で、フラックスに含まれる溶剤や活性剤の配合量を低減する場合、フラックスの活性やはんだぬれ性が低下する虞がある。そのためこのようなフラックスを用いたソルダペーストでは、十分にはんだ接合ができない、はんだ接合部の信頼性が低下する、はんだバンプが形成できない(ミッシングバンプの発生)といった現象が生じる虞がある。
本発明の解決しようとする課題は、はんだぬれ性を確保しつつ、はんだ接合部内やはんだパンプ内におけるボイド発生を抑制し得るソルダペーストを提供することである。
本発明に係るソルダペーストは、ロジン系樹脂(A)と、活性剤(B)と、溶剤(C)とを含有し、前記溶剤(C)は、常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を含有するフラックスと、はんだ合金からなる合金粉末(D)とを含む。
前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、その構造に水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)と炭素数が12以上22以下の脂肪酸(C-1b)のエステル結合を含むことが好ましい。
前記水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)はトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びポリグリセロールの少なくともいずれかであり、前記炭素数が12以上22以下の脂肪酸(C-1b)はイソステアリン酸であることが好ましい。
前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、前記水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)と前記炭素数が12以上22以下の脂肪酸(C-1b)とのトリエステルまたはテトラエステルであることが好ましい。
前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット及びトリイソステアリン酸ジグリセリルから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
また本発明のはんだバンプは、前記ソルダペーストを用いて形成してなる。
本発明のソルダペーストは、はんだぬれ性を確保しつつ、はんだ接合部内やはんだパンプ内におけるボイド発生を抑制し得る。
基板上にはんだバンプを形成する際の、印刷工程、加熱工程及び洗浄工程それぞれの変化を示す概略断面図である。 基板上にはんだバンプを形成する際にミッシングバンプが発生した場合の、印刷工程、加熱工程及び洗浄工程それぞれの変化を示す概略断面図である。
以下、本発明のソルダペーストの一実施形態について詳細に説明する。なお、本発明がこれらの実施形態に限定されないことは、もとよりである。
1.フラックス
本実施形態のフラックスは、ロジン系樹脂(A)と、活性剤(B)と、溶剤(C)とを含有する。
ロジン系樹脂(A)
前記ロジン系樹脂(A)としては、例えばトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン類、水添ロジン、重合ロジン、不均一化ロジン、アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジン、ホルミル化ロジン等のロジン系変性樹脂、並びにこれらの誘導体等が挙げられる。これらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。
なおロジン系樹脂(A)として、水添ロジンのうち完全水添ロジン、重合ロジンまたはロジン類やロジン系変性樹脂をエステル化したロジンエステル等が好ましく用いられる。
前記ロジン系樹脂(A)の配合量は、フラックス全量に対して15質量%以上50質量%以下であることが好ましい。より好ましいその配合量は18質量%以上45質量%以下であり、22質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。
活性剤(B)
前記活性剤(B)としては、例えば、有機酸、ハロゲンを含む化合物及びアミン系活性剤が挙げられる。これらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。
有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びその他の有機酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、例えばプロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、グリコール酸等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸、アントラニル酸等が挙げられる。
ハロゲンを含む化合物としては、例えば非解離性のハロゲン化合物(非解離型活性剤)及び解離性のハロゲン化合物(解離型活性剤)が挙げられる。
非解離型活性剤としては、ハロゲン原子が共有結合により結合した非塩系の有機化合物が挙げられる。当該有機化合物は、例えば塩素化物、臭素化物、ヨウ素化物、フッ化物のように塩素、臭素、ヨウ素、フッ素の各単独元素が共有結合した化合物でもよく、また2以上の異なるハロゲン原子が共有結合で結合した化合物でもよい。また当該有機化合物は水性溶媒に対する溶解性を向上させるために、例えばハロゲン化アルコールのように水酸基等の極性基を有することが好ましい。
アミン系活性剤としては、例えば有機アミン、有機アミンのハロゲン化水素塩等のアミン塩(無機酸塩や有機酸塩)、有機酸塩、有機アミン塩等が挙げられる。
前記活性剤(B)として、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、1,3-ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、グルタル酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等が好ましく用いられる。
前記活性剤(B)の配合量は、フラックス全量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。より好ましいその配合量は1質量%以上25質量%以下であり、1.5質量%以上22質量%以下であることが特に好ましい。
溶剤(C)
前記溶剤(C)としては、アルコール系、エタノール系、アセトン系、トルエン系、キシレン系、酢酸エチル系、エチルセロソルブ系、ブチルセロソルブ系、グリコールエーテル系、エステル系等が挙げられる。これらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。
本実施形態に係るフラックスは、前記溶剤(C)として、常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を含有することが好ましい。
本明細書において、常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)の「常温」とは、15℃から30℃程度をいい、その粘度は測定温度25℃の条件においてブルックフィールド回転粘度計(5rpm)を用いて計測したものをいう。
本実施形態に係るフラックスは、前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を含むことにより、はんだぬれ性を確保しつつ、はんだ接合部内やはんだパンプ内におけるボイド発生を抑制し得る。
即ち、通常、溶剤ははんだ接合時における加熱により揮発し易い性質を有している。そのため溶剤の配合量によっては加熱時に十分な量の溶剤が残存しておらず、これにより溶融したはんだ合金表面へのフラックスの被覆量が低減し、はんだ合金表面の酸化成分が十分に除去されない虞がある。このような場合、はんだ合金のぬれ性は低下し、基板上の電極とのはんだ接合性が低下する虞がある。
一方、前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、加熱時であっても揮発し難い性質を有する。そのため、これを含むフラックスをソルダペーストに使用した場合、活性剤や溶剤の配合量を増加させなくとも、上述したはんだ接合時(加熱時)における溶融したはんだ合金表面へのフラックスの被覆量の大幅な低減を抑制できる。これによりソルダペースト(フラックス)の粘度(流動性)を一定に保つことができ、良好なはんだぬれ性を発揮し得る。
また前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、フラックスに含まれる他の成分との相溶性にも優れる。そのため、加熱時においてフラックスが一定の流動性を保ち得ることも相まって、仮に溶融したはんだ合金の中に一時的にフラックスが取り込まれた場合であってもこれが排出され易く、これによりはんだ接合部内及びはんだバンプ内のボイドの発生を抑制することができる。
また本実施形態のフラックスは、前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を含むことにより、後述するように、はんだバンプの形成時におけるミッシングバンプの発生を抑制することができる。
前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、その構造に水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)と炭素数が12以上22以下の脂肪酸(C-1b)のエステル結合を含むことが好ましい。
前記水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)は、アルコール性水酸基を3基以上有していることがより好ましく、特にトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びポリグリセロールの少なくともいずれかであることが好ましい。
なお前記水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)は、その水酸基がエステル結合となり、残存していないことが好ましい。
また前記炭素数が12以上22以下の脂肪酸(C-1b)は、その構造に分岐状のアルキル基または分岐状のアルケニル基を有することが好ましく、特にイソステアリン酸であることが好ましい。
前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、前記水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)と前記炭素数が12以上22以下の脂肪酸(C-1b)とのトリエステルまたはテトラエステルであることが好ましい。
前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)としては、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット及びトリイソステアリン酸ジグリセリル等が好ましく用いられる。
なお、前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、単独でまたは複数を組合せて使用することができる。
前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)の配合量は、フラックス全量に対して1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。より好ましいその配合量は2質量%以上10質量%以下であり、4質量%以上8質量%以下であることが特に好ましい。
なお、前記溶剤(C)全体の配合量は、フラックス全量に対して20質量%以上70質量%以下であることが好ましい。より好ましいその配合量は25質量%以上65質量%以下であり、30質量%以上60質量%以下であることが特に好ましい。
前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)以外の溶剤としては、常温での粘度が50mPa・s以下の溶剤が、粘度維持の観点から好ましく併用し得る。このような溶剤としては、アリール基または分岐状のアルキル基を有するアルコール類が好ましい。特にアリール基を有するアルコール類としては、フェニルグリコール等が挙げられる。
また、分岐状のアルキル基を有するアルコール類としては、特に炭素数12以上の高級アルコールとの併用が好ましく、特にイソステアリルアルコールとの併用が望ましい。
こうした分岐状のアルキル基を有する高級アルコールは、前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)との相溶性がよく、フラックス中において前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を均一に分散させる結果、長鎖アルキル鎖間に生じる疎水結合により、はんだ合金粉末の表面を包括することで、リフロー中のはんだ表面の酸化を防ぎ、ミッシングバンプの発生を低減できると考える。
また前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)以外の溶剤は、単独でまたは複数を組合せて使用することができる。
チクソ剤
本実施形態に係るフラックスには、チクソ剤を配合することができる。当該チクソ剤としては、例えば硬化ひまし油、ビスアマイド系チクソ剤(飽和脂肪酸ビスアマイド、不飽和脂肪酸ビスアマイド、芳香族ビスアマイド等)及びジメチルジベンジリデンソルビトール等が挙げられる。これらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。
これらの中でも特に、硬化ひまし油が前記チクソ剤として好ましく用いられる。硬化ひまし油は、他のチクソ剤と比較して軟化点が低いため、はんだ接合時(加熱時)におけるフラックスの流動性を向上し得る。
前記チクソ剤の配合量はフラックス全量に対して3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
本実施形態のフラックスには、はんだ合金からなる合金粉末(D)の酸化を抑える目的で酸化防止剤を配合することができる。
前記酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型酸化防止剤等が挙げられる。これらの中でも特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。
前記酸化防止剤はこれらに限定されるものではなく、またその配合量は特に限定されるものではない。その一般的な配合量は、フラックス全量に対して0.5質量%から5質量%程度である。
本実施形態のフラックスには、更につや消し剤、消泡剤等の添加剤を加えてもよい。前記添加剤の配合量は、フラックス全量に対して10質量%以下であることが好ましく、更に好ましい配合量は5質量%以下である。
また本実施形態のフラックスには、その効果を阻害しない範囲内において、ロジン系樹脂以外の樹脂を配合してもよい。
2.ソルダペースト
本実施形態のソルダペーストは、上記フラックスとはんだ合金からなる合金粉末(D)とを公知の方法にて混合して作製し得る。
はんだ合金からなる合金粉末(D)
前記はんだ合金からなる合金粉末(D)に使用されるはんだ合金としては、例えばSn、Ag、Cu、Bi、Zn、In、Ga、Sb、Au、Pd、Ge、Ni、Cr、Al、P、In及びPb等を複数組合せたものが挙げられる。
前記はんだ合金からなる合金粉末(D)の配合量は、ソルダペースト全量に対して80質量%から94質量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は84質量%から92質量%であり、特に好ましいその配合量は88質量%から90質量%である。
本実施形態のソルダペーストは、上述の通り、フラックスに常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を含むため、はんだ接合時(加熱時)においても溶融したはんだ合金表面へのフラックスの被覆量が大幅に低減することなく、一定の粘度(流動性)を保つことができ、良好なはんだぬれ性を発揮し得る。
また本実施形態のソルダペーストは、仮に加熱時において溶融したはんだ合金の中に一時的にフラックスが取り込まれた場合であってもこれが排出され易く、これによりはんだ接合部内及びはんだバンプ内のボイドの発生を抑制することができる。
3.はんだバンプ
また本実施形態のソルダペーストは、はんだバンプの形成時におけるミッシングバンプの発生を抑制することができる。
即ち通常、はんだバンプは、以下を含む工程を経て形成される(図1も併せて参照)。
1)印刷工程(図1(a))
基板10に形成された電極20上(絶縁層40により形成された開口部内)にソルダペースト30(はんだ合金32(粉末状)とフラックス34)を所定のパターンとなるように印刷する。
2)加熱工程(図1(b))
ソルダペースト30が印刷された基板10を所定の温度にて加熱する(プリヒート及びリフロー)。通常、はんだ合金32は溶融して凝集し、またフラックス34は加熱に伴う粘度の低下により、絶縁層20上に流れ易くなる。
3)洗浄工程(図1(c))
基板10の加熱後、洗浄液を用いて基板10を洗浄することにより、フラックス残渣(図示せず)を除去する。また基板10(電極20)上には、はんだバンプ36が形成されている。
ここで上述の通り、2)加熱工程においては、加熱に伴う粘度の低下により、フラックス34は絶縁層20上に流れ易くなる。そのため、これを抑制するために加熱前のフラックスの粘度を高くする場合や、加熱時のフラックスの粘度低下を抑制する場合、溶融したはんだ合金32内にフラックスがいったん取り込まれてしまうと、そのままはんだ合金32内に残存し易くなる(逆を言えば排出され難くなる)ため、形成されたはんだバンプ36内にボイドが発生し易い。
一方、ボイドの発生を抑制するために加熱前のフラックスの粘度を低くする場合や、加熱時のフラックスの粘度を低下させ易くする場合、図2に示すように、2)加熱工程において、フラックス34は絶縁層20上に流れ出すと共に、溶融したはんだ合金32の下部へ流れ込み易くなる(図2(b))。はんだ合金32の量が多い場合、その自重によってこれが電極20側に沈む場合もあるが、例えば電極間ピッチが微細な半導体チップ等を搭載する場合のように形成されるはんだバンプ自体にも微細性が求められる場合、はんだ合金32は浮き上がり易く、図2(b)のような状態になり易い。
そしてこの場合、溶融したはんだ合金32が電極20にぬれ広がることなく(接合することなく)凝集してしまうため、2)加熱工程後、図2(b)の状態のままはんだ合金が固化すると共に、フラックス残渣が形成されてしまう。
そのため、3)洗浄工程では、固化したはんだ合金はフラックス残渣と共に基板10上から除去されてしまう(所謂ミッシングバンプの発生。図2(c))。
このような現象は、図2に示したように、基板10(電極20)上にめっき、特にSnめっき(Snめっき50)が施されている場合に生じ易い。というのも、Snめっきは酸化し易い性質を有しているため、溶融したはんだ合金がぬれ広がり難い傾向にある。 そのため、2)加熱工程時に溶融したはんだ合金32がSnめっき50上にいったんは接した場合であっても、これが十分にぬれ広がらないうちにフラックス34の流動によってはんだ合金32が浮き上がってしまう虞がある。
しかし上述の通り、本実施形態のソルダペーストは、フラックスに常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を含むため、加熱工程においても溶融したはんだ合金表面へのフラックスの被覆量が大幅に低減することなく、一定の粘度(流動性)を保つことができ、良好なはんだぬれ性を発揮し得ると共に、仮に溶融したはんだ合金の中に一時的にフラックスが取り込まれた場合であっても排出され易く、はんだ接合部内及びはんだバンプ内のボイドの発生を抑制することができる。
このように本実施形態のソルダペーストは、はんだバンプ内のボイドの発生とミッシングバンプの発生とを抑制することができる。
4.電子回路基板
本実施形態の電子回路基板は、上記のように形成されたはんだバンプを有する。
また本実施形態の電子回路実装基板は、上記ソルダペーストを用いて形成されるはんだ接合部や、上記はんだバンプを用いて形成されるはんだ接合部を有する。
このようなはんだ接合部は、例えば以下の方法により形成される。
1)ソルダペーストを用いる場合
電子回路基板上の予め定められた所定の位置に上記ソルダペーストを印刷し、更に当該電子回路基板上の所定の位置に電子部品(大きさ・種類の異なる電子部品を混在してもよい。以下、同じ。)を搭載し、これをリフローすることにより形成される。
2)はんだバンプを用いる場合
電子回路基板上の予め定められた所定の位置に上記はんだバンプを形成し、更に当該はんだバンプ上にフラックスを塗布する。そして、当該電子回路基板上の所定の位置に電子部品を搭載し、これをリフローすることにより形成される。
このように形成されたはんだ接合部は、上記ソルダペーストや当該ソルダーペーストを用いて形成されたはんだバンプを用いて形成されるため、はんだ接合部内のボイドの発生を抑制することができると共に、その信頼性を保つことができる。
そしてこのようなはんだ接合部を有する電子回路実装基板は、高い信頼性を発揮でき、半導体及び電子機器等に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳述する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
溶剤(C)の粘度の測定
表1に記載の各溶剤(C)について、測定温度25℃の条件においてブルックフィールド回転粘度計(5rpm)を用いて計測した結果を表1に併せて記載する。なお、表1に記載の粘度の単位はmPa・sである。
フラックスの作製
表1に示す組成及び配合にて各成分を混練し、実施例及び比較例に係る各フラックスを作製した。なお、表1のうち、組成を表すものに係る数値の単位は、特に断り書きがない限り質量部である。
ソルダペーストの作製
次いで、実施例及び比較例に係るフラックス11.5質量%とSn-0.7Cuはんだ合金粉末(粉末粒径1μmから12μm)88.5質量%とをプラネタリーミキサーにて混練し、実施例及び比較例に係るソルダペーストを得た。
Figure 2022110593000002
※1 完全水添ロジン イーストマン・ケミカル社製
※2 重合ロジン 荒川化学工業(株)製
※3 ロジンエステル ハリマ化成(株)製
※4 トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート 日本化成(株)製
※5 トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン 高級アルコール工業(株)製
※6 テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 高級アルコール工業(株)製
※7 トリイソステアリン酸ジグリセリル 高級アルコール工業(株)製
※8 クエン酸トリブチル 東京化成工業(株)製
※9 12-ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル 高級アルコール工業(株)製
※10 ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 高級アルコール工業(株)製
※11 リンゴ酸ジイソステアリル 高級アルコール工業(株)製
※12 2-ヒドロキシブタン二酸ビス(16-メチルヘプタデシル) 日光ケミカルズ(株)製
※13 イソステアリルアルコール 高級アルコール工業(株)製
※14 12-ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド ケイエフ・トレーディング(株)製
(1)最大ボイド面積率確認試験
以下の用具を用意した。
・プリント配線板(表面処理:Snめっき、ソルダレジスト開口部直径:100μm)
・メタルマスク(厚み:30μm、開口直径:130μm)
・メタルスキージ
1種のソルダペーストにつき6枚の上記プリント配線板を用意し、そのソルダレジスト開口部に各ソルダペーストを上記メタルマスク及びメタルスキージを用いてスクリーン印刷した。次いで、各プリント配線板を以下の条件で窒素雰囲気下でリフローし、各プリント配線板上にはんだ接合部を形成した。
リフロー炉:製品名:TNP-25-538EM、(株)タムラ製作所製
プリヒート:130℃から180℃で40秒間から50秒間
ピーク温度:238℃から240℃
227℃以上の時間:26秒間から30秒間
次いで、各プリント配線板を以下の条件で洗浄し、はんだバンプが形成された各試験基板を作製した。
洗浄液:準水系洗浄液(商品名:クリンスルー750HS、花王(株)製)
洗浄方式:超音波洗浄
洗浄条件:洗浄液(60℃で2分間)で洗浄した後、イオン交換水(60℃2分間)で洗浄
各試験基板について、任意の700個のバンプをX線検査装置(製品名:XD7600 Diamond、Nordson Dage社製)を用いて観察し、最大総ボイド面積率(ボイド総面積率=(ボイドの総面積)/(はんだバンプの面積)×100)が最大のもの)を計測し、以下の基準で評価した(評価試験基板数は1例(実施例・比較例)あたり6枚)。その結果を表2に示す。
○:最大総ボイド面積率が1%超過7%以下
△:最大総ボイド面積率が7%超過10%以下
×:最大総ボイド面積率が10%超過
(2)ミッシングバンプ発生確認試験
上記(1)最大ボイド面積率確認試験にて作製した各試験基板について、X線検査装置(製品名:XD7600 Diamond、Nordson Dage社製)を用いて観察し、ミッシングバンプの発生数を集計し、以下の基準で評価した(評価試験基板数は1例(実施例・比較例)あたり6枚)。その結果を表2に示す。
○:ミッシングバンプの発生数が0個
×:ミッシングバンプの発生数が1個以上
Figure 2022110593000003
以上に示す通り、各実施例に係るソルダペーストは、常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を含むことにより、はんだぬれ性を確保しつつ、はんだ接合部内やはんだパンプ内におけるボイド発生を抑制し得ることが分かる。
10 基板
20 電極
30 ソルダペースト
32 はんだ合金
34 フラックス
40 絶縁層
50 Snめっき

Claims (6)

  1. ロジン系樹脂(A)と、活性剤(B)と、溶剤(C)とを含有し、前記溶剤(C)は、常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)を含有するフラックスと、
    はんだ合金からなる合金粉末(D)とを含むソルダペースト。
  2. 前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、その構造に水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)と炭素数が12以上22以下の脂肪酸(C-1b)のエステル結合を含む請求項1に記載のソルダペースト。
  3. 前記水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)は、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びポリグリセロールの少なくともいずれかであり、
    前記炭素数が12以上22以下の脂肪酸(C-1b)は、イソステアリン酸である請求項2に記載のソルダペースト。
  4. 前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、前記水酸基が2価以上の多価アルコール(C-1a)と前記炭素数が12以上22以下の脂肪酸(C-1b)とのトリエステルまたはテトラエステルである請求項2または請求項3に記載のソルダペースト。
  5. 前記常温での粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下の炭素数が12以上の脂肪酸エステル(C-1)は、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット及びトリイソステアリン酸ジグリセリルから選ばれる少なくとも1つである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のソルダペースト。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のソルダペーストを用いて形成してなるはんだバンプ。

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