JP2010000235A - パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバック - Google Patents

パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバック Download PDF

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Abstract

【課題】車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成したパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバックを提供する。
【解決手段】パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造であって、略矩形形状をした平板状のパネルフレームを有し、このパネルフレームは、左右両脇それぞれにおいて、高さ方向全体に亘って厚肉部を有し、一方両厚肉部の間には、薄肉部が設けられ、該厚肉部それぞれの下端には、車両用シートバックの固定用面が形成される、ことを特徴とするパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバックに関し、より詳細には、車両用シートにおける車両用シートバックの強度を確保しつつ、軽量化を達成したパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバックに関する。
従来から、車両用シートは、下部が車室床部に固定されたシートクッションと、シートクッションの後部に下部が支持されたシートバックとを有し、シートバックについて、おもに、前倒し可能なタイプと、直立状態で前倒し不可能なタイプとが採用されてきた。
このような車両用シートバックは、車両用シートバックのフレーム構造をなすシートバックフレームを有し、シートバックフレームを覆うパッドおよび外皮用トリム等がシートバックフレームに設けられている。
シートバックフレーム構造としては、全体が枠組み状に構成されるタイプと、平板状のパネルタイプとに大別される。
前者のタイプの例を説明すれば、車両用シートバックは、図5に示すように、2分割構造とされ、それぞれがパイプ品とプレス品とが組み合わされた構造が採用されている。なお、図5は、分割された一方の枠フレームを示す。たとえば、自動車の後部座席の背もたれ部であるリアシート用のシートバックの枠フレームにおいては、図5に示すように、下部の両側部の2点と、上部のドア側の1点の計3点支持形態とされ、主としてねじれ剛性を確保する観点から、強度部材として、図6に示すように、断面が閉形態のパイプ材Aが用いられ、このようなパイプ材Aを曲げ加工により、パネルフレームの周縁に沿って配置可能な形状とし、一方3点支持位置それぞれにおいて、車両用シートバックをパイプ材Aを通じて車体に固定するために、プレス材としてブラケット材Bが溶接によりパイプ材Aに固定されている。
一方、後者のタイプについて、説明すれば、パネルタイプの場合には、前者のパネルフレームが単なる化粧板として強度部材として機能させていないのとは異なり、パネル自体に強度部材の機能を担わせており、このような意味において、上述のように、別途強度部材としてのパイプ材等を設ける必要がないので、構造を簡略化することが可能である。
しかしながら、このようなパネルタイプには、以下に示すような技術的問題点が存する。
第1に、従来、このようなパネルタイプは、同一板厚の単一パネルを採用しており、それにより車両用シートバック重量の軽量化に対する阻害要因となっていた。
より詳細には、このようなパネルタイプにおいて、特に上述のような3点支持の車両用シートバックの場合、剛性あるいは強度を確保する観点から、パネルの板厚を決定する必要がある。
この場合、車両用シートバックには、通常、シートバックの上部に、重量物のヘッドレストが固定されるため、車両の前後方向に対するねじれ剛性が問題となる。特に、ワゴンタイプの車両の場合には、その構造上の要請から、ヘッドレストが車両用シートバックの左右方向中央からずれた位置に固定されることから、このようなねじれ剛性の確保が重要となる。
この点、パネルの板厚を厚肉化することによりねじれ剛性の確保が可能であるが、パネルの製造効率確保の観点から、板厚を強度上安全側に設定したうえで同一板厚の板材を採用していた。
第2に、従来、このようなパネルタイプは、車両用シートバックを車両に取付固定するのに、取付固定用のブラケットを別途設け、パネルに固定していた。
より詳細には、パネルの下部の左右端それぞれにおいて、別途プレス加工された平板部を有するブラケットがパネルの外表面に溶接され、車両への取付固定用部材としてのブラケットと、強度部材としてパネルとが区別されていたことに伴い、さらなる軽量化への阻害要因となっていた。
昨今、地球温暖化防止の観点から燃費向上が注目され、そのためにエンジン性能の向上とともに、自動車の軽量化が推進されている。
このような軽量化の観点から見た場合、上記構造は、重複した部材を採用しており、さらなる軽量化の余地を残している。
この点、全体が枠組み状に構成されるタイプにおいて、いわゆるテーラードブランク材を採用することにより軽量化を達成したシートバックフレーム構造が知られている(特許文献1)。このフレーム構造は、左右一対で板幅が前後方向に位置するように配設される板状のサイドフレームに対して、上下端それぞれにおいて架け渡されたアッパフレームおよびロアフレームが設けられる構造であり、サイドフレームそれぞれに対していわゆるテーラードブランク材を採用している。ここに、テーラードブランク材とは、溶接により複数の鋼板を目的に応じて組み合わせて仕立てることの可能な公知のプレス素材である。
しかしながら、このタイプは、サイドフレームに対する曲げ剛性確保の観点から、いわゆるテーラードブランク材を採用することにより、サイドフレームの高さ方向に板厚を変えるものであり、ねじれ剛性確保の観点から板厚を変えるものではない。また、強度部材としてのサイドフレームを車両への取付固定用部材として兼用する発想を提示するものではない。
特開2006−51272号
以上の技術的問題に鑑み、本発明の目的は、パネルタイプの車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成した車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバックを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用シートバックのフレーム構造は、
パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造であって、
略矩形形状をした平板状のパネルフレームを有し、
このパネルフレームは、左右両脇それぞれにおいて、高さ方向全体に亘って厚肉部を有し、一方両厚肉部の間には、薄肉部が設けられ、
該厚肉部それぞれの下端には、車両用シートバックの固定用面が形成される、
構成としている。
このような構成のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造によれば、強度部材として機能する平板状のパネルフレームにおいて、その板厚を平板全体に亘って強度上安全側の一様な厚肉とすることなしに、たとえば、車両の前後方向に作用するねじれ剛性を確保するのに効果的な左右両端部のみその高さ方向全体に亘って厚肉化を図ることにより、強度上必要な剛性を確保するのに必要な位置に対応して、板厚を設定することを通じて、車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成することができる。
また、左右両端部の高さ方向全体に亘る厚肉部それぞれにおいて、その下端部の平面部を車両用シートバックの車両への取付固定用面として活用することにより、厚肉部の表面に、別途取付固定用のブラケットを設ける必要なしに、重量化を防止することが可能となる。特に、車両用シートバックの前後方向のねじれ剛性を確保する観点からは、平板状のパネルフレームの左右両脇部を高さ方向全体に亘って厚肉化することが肝要であり、このとき、別途車両への取付固定用ブラケットを付設することなしに、厚肉部の下端を車両への取付固定用面として活用することが可能である。
また、パネルフレームは、複数の板材の側端部を車両用シートバックの上下方向に亘って突き当て溶接することにより形成されたテーラードブランク材からなるのがよい。
さらに、パネルフレームは、パネルフレームの左右両脇の厚肉部及び両厚肉部の間の薄肉部それぞれに対応する、3つの同材質からなる板材の側端部を車両用シートバックの上下方向に突き当てて溶接することにより形成されたテーラードブランク材からなるのがよい。
さらにまた、パネルフレームは、パネルフレームの左右両脇の厚肉部及び両厚肉部の間の薄肉部それぞれに対応する、3つの板材の側端部を車両用シートバックの上下方向に突き当てて溶接することにより形成されたテーラードブランク材からなり、両厚肉部に対応する板材と、薄肉部に対応する板材とは、異材質からなるのもよい。
さらにまた、3つの板材はそれぞれ、パネルフレームの高さに相当する一辺の長さを有する矩形状であり、3つの板材の一辺の側縁同士を溶接することにより、パネルフレームを構成するのがよい。
加えて、厚肉部それぞれにおいて、パネルフレームの上部に固定されるヘッドレストのパネルフレームの幅方向位置に応じて、厚肉部の厚さおよび/または幅が決定されるのでよい。
さらに、車両は、セダンタイプの自動車であって、ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置に固定され、
左右両脇の厚肉部は、同様な厚さおよび幅を有するのでもよい。
一方、車両は、ワゴンタイプの自動車であって、ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置から偏った位置に固定され、
左右両脇の厚肉部において、ヘッドレストの設置位置から遠い方の厚肉部の厚さおよび幅が、ヘッドレストの設置位置から近い方の厚肉部の厚さおよび幅より大きく設定するのでもよい。
さらにまた、車両用シートバックは、二分割構造とされ、分割された各車両用シートバックにおいて、パネルフレームは四隅のうち、下部の左右両端、および上部の左右両端のいずれか一方の計3点で車両に対して支持されるのがよい。
加えて、パネルフレームの前面には、前側に突出することにより所定のパターンを形成する強度確保用のビードが設けられるのがよい。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用シートは、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のフレーム構造を有する車両用シートバックと、下部が車室床部に固定されたシートクッションとを有する構成としている。
このような構成の車両用シートによれば、車両用シートバックに採用されるフレーム構造について、強度部材として機能する平板状のパネルフレームにおいて、その板厚を平板全体に亘って強度上安全側の一様な厚肉とすることなしに、たとえば、車両の前後方向に作用するねじれ剛性を確保するのに効果的な左右両端部のみその高さ方向全体に亘って厚肉化を図ることにより、強度上必要な剛性を確保するのに必要な位置に対応して、板厚を設定することを通じて、車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成することができる。
また、左右両端部の高さ方向全体に亘る厚肉部それぞれにおいて、その下端部の平面部を車両用シートバックの車両への取付固定用面として活用することにより、厚肉部の表面に、別途取付固定用のブラケットを設ける必要なしに、重量化を防止することが可能となる。
本発明に係るパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造および該構造を有する車両用シートバックによれば、強度部材として機能する平板状のパネルフレームにおいて、その板厚を平板全体に亘って強度上安全側の一様な厚肉とすることなしに、強度上必要な剛性を確保するのに必要な位置に対応して、板厚を設定することを通じて、車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成することができる。
本発明に係る車両用シートの実施形態をワゴンタイプの自動車のリアシートに適用した場合を例として、図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルフレーム構造の正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルフレーム構造の側面図である。図3は、本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルのテーラードブランク材により構成されている状況を示す正面図である。図4は、本発明の実施形態に係る車両用シートバックが車両に固定される状況を示す部分斜視図である。
図1および図2に示すように、本発明に係る車両用リアシート10は、下部が車室床部12に固定されたシートクッション14と、シートクッション14の後部に下部が支持されたシートバック16とを有し、シートバック16が、後に説明するように、前倒し可能とされている。
車両用シートには、後に説明するパネルフレーム18の前面を全体的に覆うようにパネルフレーム18の前面側に取り付けられる不図示のパッドと、パネルフレーム18とパッドとを全体的に覆う袋状の表皮(図示せず)とが設けられている。
図1に示すように、リアシートバックは、左右二分割とされ、それぞれは、パネルフレーム18を有するシートバックフレームを備え、分割された各車両用シートバックにおいて、パネルフレーム18は四隅のうち、下部の左右両端、および上部の左右両端のいずれか一方の計3点で車両に対して支持される、分割部は、同様な構造であるので、その一方(図1の右分割部)について説明する。
パネルフレーム18Aは、ほぼ矩形形状の鋼製の平板状であり、その前面には、前側に突出した凸部(ビード)20Aが所望のパターンで部分的に形成されており、これにより曲げ強度を確保している。また、パネルフレーム18Aの前面の上部には、幅方向(図1において左右方向)中央よりわずかに左側に寄った位置に、グロメットホルダー固定用のブラケット22が取り付けられ、その右側には、ヘッドレスト固定用のブラケット24が取り付けられ、その直ぐ下方には、ロックユニット固定用のブラケット26が取り付けられ、このブラケット26は、ワゴンタイプの構造上の理由から、ブラケット22と同様に、幅方向(図1において左右方向)中央よりわずかに左側に寄った位置に取り付けられている。さらに、パネルフレーム18Aの前面の下部には、幅方向(図1において左右方向)中央より左側に寄った位置に、アームレスト固定用のブラケット28が取り付けられ、その右側には、小さい開口30が設けられている。
パネルフレーム18Aは、左右両脇それぞれにおいて、高さ方向全体に延びる矩形状の厚肉部32A,B(たとえば、板厚1.2mm)を有し、一方両厚肉部32A,Bの間には、高さ方向全体に延びる矩形状薄肉部34(たとえば、板厚0.7mm)が設けられ、該厚肉部32A,Bそれぞれの下端には、車両用シートバックの固定用面36A,Bが形成される。厚肉部32A,Bそれぞれにおいて、パネルフレーム18Aの上部に固定されるヘッドレストのパネルフレーム18Aの幅方向位置に応じて、厚肉部32A,Bの厚さ(t1、t2)および/または幅(w1、w2)が決定される。ワゴンタイプの自動車の場合、ヘッドレストがパネルフレーム18Aの幅方向中央位置から偏った位置に固定され、左右両脇の厚肉部32A,Bにおいて、ヘッドレストの設置位置から遠い方の厚肉部の厚さおよび幅が、ヘッドレストの設置位置から近い方の厚肉部の厚さおよび幅より大きく設定する。
図3に示すように、パネルフレーム18Aは、テーラードブランク材により構成されている。ここに、テーラードブランク材とは、溶接により複数の鋼板を目的に応じて組み合わせて仕立てることの可能な公知のプレス素材である。特に、パネルフレームは、パネルフレームの左右両脇の厚肉部32A,B及び両厚肉部32A,Bの間の薄肉部34それぞれに対応する、3つの同材質からなる板材の側端部37を車両用シートバックの上下方向に突き当てて溶接することにより形成されたテーラードブランク材からなる。3つの板材はそれぞれ、パネルフレーム18Aの高さに相当する一辺の長さを有する矩形状であり、3つの板材の一辺の側縁37同士を溶接することにより、パネルフレーム18Aを構成する。
なお、変形例として、パネルフレーム18Aは、パネルフレーム18Aの左右両脇の厚肉部32A,B及び両厚肉部32A,Bの間の薄肉部34それぞれに対応する、3つの板材の側端部37を車両用シートバックの上下方向に突き当てて溶接することにより形成されたテーラードブランク材からなり、両厚肉部32A,Bに対応する板材と、薄肉部34に対応する板材とは、異材質からなるのでもよい。
以上のように、パネルフレーム18Aをテーラードブランク材を用いて形成することにより、パネルフレーム18Aに作用するねじりモーメントに対応させて、突き当て溶接される各板材の板厚(t1、t2、t3)を調整し、全体の軽量化を図りつつ、必要な強度を確保する点において、最適な板厚の配置を実現することが可能である。このような簡略化構造により必要な剛性あるいは強度を確保することが可能であることから、構造の複雑化あるいは部品点数の増大を回避することが可能であり、それにより、各部の寸法精度や生産性を向上することも可能である。
以上の構成を有する車両用リアシート10について、その作用を以下に説明する。なお、以下では、左半部のパネルフレーム18Bを対象として説明しているが、右半部のパネルフレーム18Aも同様である。
図4に示すように、パネルフレーム18Bは、左下隅部、右下隅部、および上部の幅方向ほぼ中央位置において車体構造に固定され、3点固定とされている。より詳細には、固定用面36Bが、ボディフロア50に設けたセンターヒンジ部52のブラケット部54にボルト固定56され、同様に、固定用面36Aが、ホイルハウス58に設けたサイドヒンジ部60のブラケット部62にボルト固定64され、センターヒンジ部52とサイドヒンジ部60とを結ぶ軸線を中心として、パネルフレーム18Bは、かくしてリアバックシータが前倒し可能とされている。
このように、車両用リアシート10には、車両用リアシート10を前後に回動自在に枢支させる左右一対のヒンジが設けられ、各ヒンジは、パネルフレーム18Bの各下側部を車体に対して枢支させ、ボディフロアに突設されたブラケットと、このブラケットにパネルフレーム18Bを枢支させる枢支軸とを備え、各ヒンジの枢支軸を中心として、起立姿勢の車両用リアシート10がその前方に向かって往復回動自在とされている。
また、ブラケット67が、ロック部品66にボルト固定68され、車体に設けられたストライカー70とこのロック部品66のロックをオンオフすることにより、リアバックシートを直立させたときに、車体に固定するようにしている。なお、二分割されたリアバックシートそれぞれは、互いに独立に前倒し可能としている。
このような車両用リアシート10が直立状態とされているとき、車両用リアシート10に対して荷重が負荷された場合、たとえば荷室に配置された荷物が後方から車両用リアシート10に加わった場合、パネルフレーム18が強度部材として機能し、パネルフレーム18に窪み等の変形を生じさせないようにすることが可能である。また、パネルフレーム18Bが必要なねじり剛性を確保する必要がある場合には、厚肉部32A,Bの肉厚を増大させることにより、対処することが可能である。
一方、パネルフレーム18Bの左右両脇に設けた厚肉部32A,Bにおいて、その下端部の平面部をフレームの固定用の表面として活用することにより、強度確保とフレームの固定との両機能を担うことで、固定用部品としてブラケット材を別途設けていたことに伴う板材の重複を回避することが可能であり、車両用シートバック16の必要強度を確保しつつ、軽量化を達成することができる。特に、車両用シートバックの前後方向のねじれ剛性を確保する観点からは、平板状のパネルフレームの左右両脇部を高さ方向全体に亘って厚肉化することが肝要であり、このとき、別途車両への取付固定用ブラケットを付設することなしに、厚肉部32A,Bの下端を車両への取付固定用面として活用することが可能である。
変形例として、パネルフレーム18の左右両脇部に加えて、パネルフレーム18の中央部に、テーラードブランク材により、さらに厚肉部を設けてもよい。
より詳細には、自動車規則 ECEにより規定されているように、リアシート用のシートバックにおいて、リアシートが後部荷室の荷物移動により受ける際の耐荷重を規定値以上にするために、パネルフレーム18の略中央を通り、枠フレームに両端が溶接により固定された補強用フレームが設けられたリアシート用のシートバックが、知られている。このような補強用フレームを設けることにより、補強用フレームの中間部分がパネルフレーム18の外力受け部分を通るように補強用フレームが形成されるとともに、両端が高強度の枠フレームに連結されているので、補強用フレームの中間部分が荷物の移動による外力を吸収してパネルフレーム18に窪みが発生するのを抑制でき、外力受け部分に作用する大荷重に対する強度を向上させることが可能となる。
本変形例においては、このような補強用フレームを別途設けることなく、想定される加重に応じて、板厚を設定した厚肉部をテーラードブランク材により設けることにより、外力受け部分に作用する大荷重に対する強度を向上させることが可能となる。特に、このような厚肉部はパネルの中央部、すなわち薄肉部に設けることから、厚肉部を薄肉部の大きさより小さい矩形状とし、この矩形形状に相当する打ち抜き部分を薄肉部を形成するテーラードブランク材に設けることにより、厚肉部の4側縁を薄肉部に対して溶接固定することが可能であり、厚肉部の薄肉部に対する固定を強固なものにすることができる。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば種々の修正あるいは変更が可能である。たとえば、本実施形態においては、二分割されたリアシートバックに適用される場合を説明したが、それに限定されることなく、たとえば単一のシートバックにおいて、三隅を支持する場合にも有効である。また、本実施形態においては、ワゴン用の自動車に適用する車両用シートバック16を説明したが、それに限定されることなく、セダン用の自動車あるいは他の車両に適用される車両用シートバック16のフレーム構造であってもよい。セダンタイプの自動車の場合、ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置に固定されるので、左右両脇の厚肉部は、同様な厚さおよび幅を有するのでよい。この点、ワゴン用の自動車の場合の方がセダン自動車に比して、3点支持する場合において、そのリアシート10の構造上、ねじれ剛性を確保しにくいので、本発明の適用に適している。
また、本実施形態においては、パネルフレームの左右両脇部に設ける厚肉部について、その板厚および巾について、厚肉部が矩形状をなすことを前提として説明したが、場合により矩形形状に限定されることなく、たとえば台形形状等も適用可能である。
さらにまた、車両用シートがリアシート10である場合には、荷室に置かれる荷物の移動による荷重に耐えるために、枠フレーム20に固定される補強用フレームを別途設けてもよい。本発明によれば、このような補強用フレームの設置に伴う重量増加分をほぼ相殺することが可能である。
加えて、車両用シートバックの固定用面は、ボルト固定される場合だけでなく、溶接により固定する場合も含む。
本発明に係るパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造および該構造を有する車両用シートバックは、自動車のみならず、鉄道車両、飛行機等人が座席に着座した状態で運搬する一般的な車両に適用可能であり、その際、強度部材として機能する平板状のパネルフレームにおいて、その板厚を平板全体に亘って強度上安全側の一様な厚肉とすることなしに、強度上必要な剛性を確保するのに必要な位置に対応して、板厚を設定することが可能であり、この点で、車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成する。
本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルフレーム構造の正面図である。 本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルフレーム構造の側面図である。 本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルのテーラードブランク材により構成されている状況を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る車両用シートバックが車両に固定される状況を示す部分斜視図である。 従来の車両用シートバックのフレーム構造の正面図である。 図5のB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
10 車両用シート
12 車室床部
14 シートクッション
16 車両用シートバック
18 パネルフレーム
20 ビード
22 グロメットホルダー固定用ブラケット
24 ヘッドレスト固定用ブラケット
26 ロックユニット固定用ブラケット
28 アームレスト固定用ブラケット
30 開口
32 厚肉部
34 薄肉部
36 固定用面
50 ボディフロア
52 センターヒンジ部
54 ブラケット部
56 ボルト
58 ホイルハウス
60 サイドヒンジ部
62 ブラケット部
64 ボルト
66 ロック部品
67 ブラケット
68 ボルト
70 ストライカー

Claims (11)

  1. パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造であって、
    略矩形形状をした平板状のパネルフレームを有し、
    このパネルフレームは、左右両脇それぞれにおいて、高さ方向全体に亘って厚肉部を有し、一方両厚肉部の間には、薄肉部が設けられ、
    該厚肉部それぞれの下端には、車両用シートバックの固定用面が形成される、
    ことを特徴とするパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  2. パネルフレームは、複数の板材の側端部を車両用シートバックの上下方向に亘って突き当て溶接することにより形成されたテーラードブランク材からなる、請求項1に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  3. パネルフレームは、パネルフレームの左右両脇の厚肉部及び両厚肉部の間の薄肉部それぞれに対応する、3つの同材質からなる板材の側端部を車両用シートバックの上下方向に突き当てて溶接することにより形成されたテーラードブランク材からなる、請求項2に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  4. パネルフレームは、パネルフレームの左右両脇の厚肉部及び両厚肉部の間の薄肉部それぞれに対応する、3つの板材の側端部を車両用シートバックの上下方向に突き当てて溶接することにより形成されたテーラードブランク材からなり、両厚肉部に対応する板材と、薄肉部に対応する板材とは、異材質からなる、請求項2に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  5. 3つの板材はそれぞれ、パネルフレームの高さに相当する一辺の長さを有する矩形状であり、3つの板材の一辺の側縁同士を溶接することにより、パネルフレームを構成する、請求項3または4に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  6. 厚肉部それぞれにおいて、パネルフレームの上部に固定されるヘッドレストのパネルフレームの幅方向位置に応じて、厚肉部の厚さおよび/または幅が決定される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  7. 車両は、セダンタイプの自動車であって、ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置に固定され、
    左右両脇の厚肉部は、同様な厚さおよび幅を有する、請求項6に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  8. 車両は、ワゴンタイプの自動車であって、ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置から偏った位置に固定され、
    左右両脇の厚肉部において、ヘッドレストの設置位置から遠い方の厚肉部の厚さおよび幅が、ヘッドレストの設置位置から近い方の厚肉部の厚さおよび幅より大きく設定する、請求項6に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  9. 車両用シートバックは、二分割構造とされ、分割された各車両用シートバックにおいて、パネルフレームは四隅のうち、下部の左右両端、および上部の左右両端のいずれか一方の計3点で車両に対して支持される、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  10. パネルフレームの前面には、前側に突出することにより所定のパターンを形成する強度確保用のビードが設けられる、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載のフレーム構造を有する車両用シートバックと、下部が車室床部に固定されたシートクッションとを有することを特徴とする車両用シート。
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