JP2010046163A - パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバック - Google Patents

パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバック Download PDF

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Abstract

【課題】車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成したパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバックを提供する。
【解決手段】パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造であって、略矩形形状をした平板状のパネルフレームを有し、このパネルフレームは、左右両脇それぞれにおいて、高さ方向全体に亘って高さ方向と直交する向きにこのパネルフレームを閉断面化した閉断面化部を有し、該閉断面化部それぞれの下端には、車両用シートバックの固定用面が形成される、ことを特徴とするパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバックに関し、より詳細には、車両用シートにおける車両用シートバックの強度を確保しつつ、軽量化を達成したパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバックに関する。
従来から、車両用シートは、下部が車室床部に固定されたシートクッションと、シートクッションの後部に下部が支持されたシートバックとを有し、シートバックについて、おもに、前倒し可能なタイプと、直立状態で前倒し不可能なタイプとが採用されてきた。
このような車両用シートバックは、車両用シートバックのフレーム構造をなすシートバックフレームを有し、シートバックフレームを覆うパッドおよび外皮用トリム等がシートバックフレームに設けられている。
シートバックフレーム構造としては、全体が枠組み状に構成されるタイプと、平板状のパネルタイプとに大別される。
前者のタイプの例を説明すれば、車両用シートバックは、図11に示すように、2分割構造とされ、それぞれがパイプ品とプレス品とが組み合わされた構造が採用されている。なお、図11は、分割された一方の枠フレームを示す。たとえば、自動車の後部座席の背もたれ部であるリアシート用のシートバックの枠フレームにおいては、図11に示すように、下部の両側部の2点と、上部のドア側の1点の計3点支持形態とされ、主としてねじれ剛性を確保する観点から、強度部材として、図12に示すように、断面が閉形態のパイプ材Aが用いられ、このようなパイプ材Aを曲げ加工により、パネルフレームの周縁に沿って配置可能な形状とし、一方3点支持位置それぞれにおいて、車両用シートバックをパイプ材Aを通じて車体に固定するために、プレス材としてブラケット材Bが溶接によりパイプ材Aに固定されている。
一方、後者のタイプについて、説明すれば、パネルタイプの場合には、前者のパネルフレームが単なる化粧板として強度部材として機能させていないのとは異なり、パネル自体に強度部材の機能を担わせており、このような意味において、上述のように、別途強度部材としてのパイプ材等を設ける必要がないので、構造を簡略化することが可能である。
しかしながら、このようなパネルタイプには、以下に示すような技術的問題点が存する。
第1に、従来、このようなパネルタイプは、同一板厚の単一パネルを採用しており、それにより車両用シートバック重量の軽量化に対する阻害要因となっていた。
より詳細には、このようなパネルタイプにおいて、特に上述のような3点支持の車両用シートバックの場合、剛性あるいは強度を確保する観点から、パネルの板厚を決定する必要がある。
この場合、車両用シートバックには、通常、シートバックの上部に、重量物のヘッドレストが固定されるため、車両の前後方向に対するねじれ剛性が問題となる。特に、ワゴンタイプの車両の場合には、その構造上の要請から、ヘッドレストが車両用シートバックの左右方向中央からずれた位置に固定されることから、このようなねじれ剛性の確保が重要となる。
この点、パネルの板厚を厚肉化することによりねじれ剛性の確保が可能であるが、パネルの製造効率確保の観点から、板厚を強度上安全側に設定したうえで同一板厚の板材を採用していた。
第2に、従来、このようなパネルタイプは、車両用シートバックを車両に取付固定するのに、取付固定用のブラケットを別途設け、パネルに固定していた。
より詳細には、パネルの下部の左右端それぞれにおいて、別途プレス加工された平板部を有するブラケットがパネルの外表面に溶接され、車両への取付固定用部材としてのブラケットと、強度部材としてパネルとが区別されていたことに伴い、さらなる軽量化への阻害要因となっていた。
昨今、地球温暖化防止の観点から燃費向上が注目され、そのためにエンジン性能の向上とともに、自動車の軽量化が推進されている。
このような軽量化の観点から見た場合、上記構造は、重複した部材を採用しており、さらなる軽量化の余地を残している。
この点、全体が枠組み状に構成されるタイプにおいて、いわゆるテーラードブランク材を採用することにより軽量化を達成したシートバックフレーム構造が知られている(特許文献1)。このフレーム構造は、左右一対で板幅が前後方向に位置するように配設される板状のサイドフレームに対して、上下端それぞれにおいて架け渡されたアッパフレームおよびロアフレームが設けられる構造であり、サイドフレームそれぞれに対していわゆるテーラードブランク材を採用している。ここに、テーラードブランク材とは、溶接により複数の鋼板を目的に応じて組み合わせて仕立てることの可能な公知のプレス素材である。
しかしながら、このタイプは、サイドフレームに対する曲げ剛性確保の観点から、いわゆるテーラードブランク材を採用することにより、サイドフレームの高さ方向に板厚を変えるものであり、ねじれ剛性確保の観点から板厚を変えるものではない。また、強度部材としてのサイドフレームを車両への取付固定用部材として兼用する発想を提示するものではない。
特開2006−51272号
以上の技術的問題に鑑み、本発明の目的は、パネルタイプの車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成した車両用シートバックのフレーム構造及び該構造を有する車両用シートバックを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用シートバックのフレーム構造は、
パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造であって、
略矩形形状をした平板状のパネルフレームを有し、
このパネルフレームは、左右両脇それぞれにおいて、高さ方向全体に亘って高さ方向と直交する向きにこのパネルフレームを閉断面化した閉断面化部を有し、
該閉断面化部それぞれの下端には、車両用シートバックの固定用面が形成される、
構成としている。
このような構成のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造によれば、強度部材として機能する平板状のパネルフレームにおいて、その板厚を平板全体に亘って強度上安全側の一様な厚肉とすることなしに、たとえば、車両の前後方向に作用するねじれ剛性を確保するのに効果的な左右両端部のみその高さ方向全体に亘って、高さ方向と直交する向きに閉断面化した閉断面化部を設けることにより、強度上必要な剛性を確保するのに必要な位置に対応して、断面係数を確保することを通じて、車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成することができる。
また、左右両端部の高さ方向全体に亘る閉断面化部それぞれにおいて、その下端部の平面部を車両用シートバックの車両への取付固定用面として活用することにより、閉断面化部の表面に、別途取付固定用のブラケットを設ける必要なしに、重量化を防止することが可能となる。特に、車両用シートバックの前後方向のねじれ剛性を確保する観点からは、平板状のパネルフレームの左右両脇部を高さ方向全体に亘って閉断面化することが肝要であり、このとき、別途車両への取付固定用ブラケットを付設することなしに、閉断面化部の下端を車両への取付固定用面として活用することが可能である。
また、前記閉断面化部は、矩形形状の断面を有し、平板状のパネルフレームの端部を多段階的にプレス加工することにより、平板状のパネルフレームの端の一方の表面部を平板状のパネルフレームの他方の表面部に突き合わせる形態で形成されるのがよい。
さらに、前記矩形形状の断面の高さおよび幅は、多段階的にプレス加工する際に用いられる金型を選択することにより、互いに独立に調整可能であるのがよい。
さらにまた、前記突き合わせ部において、平板状のパネルフレームの端の一方の表面部を平板状のパネルフレームの他方の表面部に対して、溶接によって固定するのがよい。
加えて、前記閉断面化部それぞれにおいて、パネルフレームの上部に固定されるヘッドレストのパネルフレームの幅方向位置に応じて、閉断面化部の高さおよび/または幅が決定されるのがよい。
さらに、ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置に固定され、
左右両脇の前記閉断面化部は、同様な高さおよび幅を有するのでもよい。
さらにまた、ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置から偏った位置に固定され、
左右両脇の前記閉断面化部において、ヘッドレストの設置位置から遠い方の前記閉断面化部の高さおよび幅が、ヘッドレストの設置位置から近い方の前記閉断面化部の高さおよび幅より大きく設定するのでもよい。
加えて、車両用シートバックは、二分割構造とされ、分割された各車両用シートバックにおいて、パネルフレームは四隅のうち、下部の左右両端、および上部の左右両端のいずれか一方の計3点で車両に対して支持されるのでもよい。
さらに、パネルフレームの前面には、前側に突出することにより所定のパターンを形成する強度確保用のビードが設けられるのがよい。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用シートは、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のフレーム構造を有する車両用シートバックと、下部が車室床部に固定されたシートクッションとを有する構成としている。
このような構成の車両用シートによれば、車両用シートバックに採用されるフレーム構造について、強度部材として機能する平板状のパネルフレームにおいて、その板厚を平板全体に亘って強度上安全側の一様な厚肉とすることなしに、たとえば、車両の前後方向に作用するねじれ剛性を確保するのに効果的な左右脇部のみその高さ方向全体に亘って、高さ方向と直交する向きに閉断面化した閉断面化部を設けることにより、強度上必要な剛性を確保するのに必要な位置に対応して、断面係数を確保することを通じて、車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成することができる。
また、左右両端部の高さ方向全体に亘る閉断面化部それぞれにおいて、その下端部の平面部を車両用シートバックの車両への取付固定用面として活用することにより、閉断面化部の表面に、別途取付固定用のブラケットを設ける必要なしに、重量化を防止することが可能となる。
本発明に係るパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造および該構造を有する車両用シートバックによれば、強度部材として機能する平板状のパネルフレームにおいて、その板厚を平板全体に亘って強度上安全側の一様な厚肉とすることなしに、強度上必要な剛性を確保するのに必要な位置に対応して、断面係数を確保することを通じて、車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成することができる。
本発明に係る車両用シートの実施形態を自動車のリアシートに適用した場合を例として、図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルフレーム構造の正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルフレーム構造の側面図である。図3は、図1のA−A線に沿う断面図である。図4ないし図9はそれぞれ、パネルに閉断面構造を製造するのに用いる金型を示す図である。図10は、本発明の実施形態に係る車両用シートバックが車両に固定される状況を示す部分斜視図である。
図1および図2に示すように、本発明に係る車両用リアシート10は、下部が車室床部12に固定されたシートクッション14と、シートクッション14の後部に下部が支持されたシートバック16とを有し、シートバック16が、後に説明するように、前倒し可能とされている。
車両用シートには、後に説明するパネルフレーム18の前面を全体的に覆うようにパネルフレーム18の前面側に取り付けられる不図示のパッドと、パネルフレーム18とパッドとを全体的に覆う袋状の表皮(図示せず)とが設けられている。
図1に示すように、リアシートバックは、左右二分割とされ、それぞれは、パネルフレーム18を有するシートバックフレームを備え、分割された各車両用シートバックにおいて、パネルフレーム18は四隅のうち、下部の左右両端、および上部の左右両端のいずれか一方の計3点で車両に対して支持される、分割部は、同様な構造であるので、その一方(図1の右分割部)について説明する。
パネルフレーム18Aは、ほぼ矩形形状の鋼製の平板状であり、その前面には、前側に突出した凸部(ビード)20Aが所望のパターンで部分的に形成されており、これにより曲げ強度を確保している。また、パネルフレーム18Aの前面の上部には、幅方向(図1において左右方向)中央よりわずかに左側に寄った位置に、グロメットホルダー固定用のブラケット22が取り付けられ、その右側には、ヘッドレスト固定用のブラケット24が取り付けられ、その直ぐ下方には、ロックユニット固定用のブラケット26が取り付けられ、このブラケット26は、構造上の理由から、ブラケット22と同様に、幅方向(図1において左右方向)中央よりわずかに左側に寄った位置に取り付けられている。さらに、パネルフレーム18Aの前面の下部には、幅方向(図1において左右方向)中央より左側に寄った位置に、アームレスト固定用のブラケット28が取り付けられ、その右側には、小さい開口30が設けられている。
パネルフレーム18Aは、図3に示すように、左右両脇それぞれにおいて、高さ方向全体に延びる閉断面部32A,Bを有する。閉断面部32A,Bそれぞれは、高さ方向に直交する向きに閉断面化されており、より具体的には、矩形形状の断面を有し、平板状のパネルフレームの端部を多段階的にプレス加工することにより、平板状のパネルフレームの端の一方の表面部を平板状のパネルフレームの他方の表面部に突き合わせる形態で形成される。なお、このような閉断面部のより具体的な製造方法については、後に説明する。
閉断面部32A,Bそれぞれの下端には、車両用シートバックの固定用面36A,Bが形成される。閉断面部32A,Bそれぞれにおいて、パネルフレーム18Aの上部に固定されるヘッドレストのパネルフレーム18Aの幅方向位置に応じて、閉断面部32A,Bの高さ(h1、h2)および/または幅(w1、w2)が決定され、それにより必要な断面係数を確保する。この点、必要な断面係数を確保するのに、選択できる設計パラメータとして、高さおよび幅があり、たとえば、閉断面部32A,Bを単に厚肉部として厚みで剛性を確保する場合に比べて、設計パラメータの数が多く、設計の自由度を拡大することが可能である。たとえば、ワゴンタイプの自動車の場合、ヘッドレストがパネルフレーム18Aの幅方向中央位置から偏った位置に固定され、左右両脇の閉断面部32A,Bにおいて、ヘッドレストの設置位置から遠い方の閉断面部の高さおよび幅が、ヘッドレストの設置位置から近い方の閉断面部の高さおよび幅より大きく設定する。
ここで、このような閉断面構造を有するパネルの製造方法について、以下に概略説明する。パネルの製造方法は、絞り工程、第1フランジダウン工程、第2フランジダウン工程、カム曲げ工程および整形工程とからなる。なお、パネルの閉断面化加工は、凸部(ビード)20Aの加工と同時に行い、開口30は後工程で行う。
まず、絞り工程において、図4に示すように、下型90と、押え92と、押え92とスプリング94を介して係合する上型96とを有する絞り用金型98により、下型90と押え92との間にパネルを位置決めした状態で、スプリング94を収縮させつつ、上型96を下型90に向かって下降して、パネルに段部D1を形成する。
次いで、第1フランジダウン工程において、図5に示すように、段部が形成されたパネルを別の第1フランジダウン用金型100に装着する。第1フランジダウン用金型100は、下型102と、下型102に対して上方に設置される押え104と、押え104に対してスプリング106を介して係合し、下型102の斜め部と同様な斜め部を有する上型104とを有する。下型102は、パネルに形成された段部D1に一致する第1斜め部106と、端部に形成された第2斜め部108と、第1斜め部106と第2斜め部108との間に形成される水平部110とを有する。このような第1フランジダウン用金型100を用い、第1斜め部106にパネル部の段部Dを合わせるように、押え104と下型102との間にパネルを位置決めした状態で、スプリング106を収縮させつつ、上型104を下型102に向かって下降して、パネルの端部に斜め部D2を形成する。
次いで、第2フランジダウン工程において、図6に示すように、斜め部D2が形成されたパネルを別の第2フランジダウン用金型112に装着する。第2フランジダウン用金型112は、下型114と、下型114に対して上方に設置される押え116と、押え116に対してスプリング118を介して係合する上型120とを有する。下型114は、第1フランジダウン用金型の下型の第1斜め部106、水平部110、第2斜め部108と同様な構成を有し、さらに端部に第2斜め部108に連続して、垂直部122を有する。一方、上型120は、凹部124を有し、凹部124には、垂直部126が形成されている。このような第2フランジダウン用金型112を用い、第1斜め部、水平部および第2斜め部にパネルを合わせるように、押え116と下型114との間にパネルを位置決めした状態で、スプリング118を収縮させつつ、上型120を下型114に向かって下降して、パネルの端部に垂直部D3を形成する。
次いで、カム曲げ工程において、図7に示すように、垂直部D3が形成されたパネルを別のカム曲げ用金型128に装着する。カム曲げ用金型128は、第1下型130と、第1下型130の上方に設置される押え132と、押え132にスプリング134を介して係合する上型136と、この上型136に係合する第2下型138とを有する。押え132の下表面には、第1斜め部、水平部、第2斜め部と相補する形状が形成される。上型136は、凹部140を有し、この凹部140の垂直部142が、押え132の端部と対向するように配置されている。上型136は、凹部140の垂直部142の下方に斜め部144を有する。第2下型138は、上面146と、上型136の斜め部144と同様な傾斜を有する斜め部148を有し、斜め部同士が面接触をしている。これにより、上型136を下方に移動したときに、斜め部を介して第2下型138は、水平方向に移動するように構成されている。このようなカム曲げ用金型128を用い、第1斜め部、水平部および第2斜め部にパネルを合わせるように、押え132と第1下型130との間にパネルを位置決めした状態で、スプリング134を収縮させつつ、上型136を下方に移動すると、第2下型138が水平方向に移動することにより、パネル端部の垂直部が、第2下型138の右側面によって曲げられる。このように形成された曲げ部を90°曲げに近づけるために、このようなカム曲げ用金型128を用いて2回同様な工程を行う。2回同様な工程を行った場合のパネルの形状を図8に示す。
次いで、整形工程において、図9に示すように、パネルの閉断面形状に合致する形状の下向きに開放する凹部150を有する上型152と、上表面が平面状の下型154とを有する金型156に曲げ部が形成されたパネルを装着して、再度プレスを行い、形を整え、所望の閉断面形状を形成する。
以上で、パネルの片側に閉断面構造が形成される。もう片側に閉断面構造を形成するには、上記と同様な工程を行えばよい。なお、パネルの端の一方の表面と、パネルの他方の表面部との突き合わせ部をたとえば溶接により固定してもよい。以上で、パネルの製造が完了する。
形成される閉断面構造の幅を変更する場合には、第1フランジダウン用金型100の下型102の水平部110の長さおよびそれに対応する形状を有する押え104を変更し、一方形成される閉断面構造の高さを変更する場合には、カム曲げ用金型128の上型136の凹部140の深さを変更すればよく、予め、種々の金型を準備しておき、閉断面構造の幅および高さに応じて、必要な金型を選択するようにすればよい。
以上のように、一様な板厚のパネルフレーム18Aを用いて、左右脇部をそれぞれ閉断面化加工することにより、パネルフレーム18Aに作用するねじりモーメントに対応させて、閉断面部32A,Bの断面係数を調整し、全体の軽量化を図りつつ、必要な強度を確保することを通じて、全体的に板厚の厚肉化を図る必要がなくなることから、最適な板厚の設定を実現することが可能である。このような簡略化構造により必要な剛性あるいは強度を確保することが可能であることから、構造の複雑化あるいは部品点数の増大を回避することが可能であり、それにより、各部の寸法精度や生産性を向上することも可能である。
以上の構成を有する車両用リアシート10について、その作用を以下に説明する。なお、以下では、左半部のパネルフレーム18Bを対象として説明しているが、右半部のパネルフレーム18Aも同様である。
図10に示すように、パネルフレーム18Bは、左下隅部、右下隅部、および上部の幅方向ほぼ中央位置において車体構造に固定され、3点固定とされている。より詳細には、固定用面36Bが、ボディフロア50に設けたセンターヒンジ部52のブラケット部54にボルト固定56され、同様に、固定用面36Aが、ホイルハウス58に設けたサイドヒンジ部60のブラケット部62にボルト固定64され、センターヒンジ部52とサイドヒンジ部60とを結ぶ軸線を中心として、パネルフレーム18Bは、かくしてリアバックシータが前倒し可能とされている。
このように、車両用リアシート10には、車両用リアシート10を前後に回動自在に枢支させる左右一対のヒンジが設けられ、各ヒンジは、パネルフレーム18Bの各下側部を車体に対して枢支させ、ボディフロアに突設されたブラケットと、このブラケットにパネルフレーム18Bを枢支させる枢支軸とを備え、各ヒンジの枢支軸を中心として、起立姿勢の車両用リアシート10がその前方に向かって往復回動自在とされている。
また、ブラケット67が、ロック部品66にボルト固定68され、車体に設けられたストライカー70とこのロック部品66のロックをオンオフすることにより、リアバックシートを直立させたときに、車体に固定するようにしている。なお、二分割されたリアバックシートそれぞれは、互いに独立に前倒し可能としている。
このような車両用リアシート10が直立状態とされているとき、車両用リアシート10に対して荷重が負荷された場合、たとえば荷室に配置された荷物が後方から車両用リアシート10に加わった場合、パネルフレーム18が強度部材として機能し、パネルフレーム18に窪み等の変形を生じさせないようにすることが可能である。また、パネルフレーム18Bが必要なねじり剛性を確保する必要がある場合には、閉断面化部32A,Bの断面係数を増大させることにより、対処することが可能である。
一方、パネルフレーム18Bの左右両脇に設けた閉断面化部32A,Bにおいて、その下端部の平面部をフレームの固定用の表面として活用することにより、強度確保とフレームの固定との両機能を担うことで、固定用部品としてブラケット材を別途設けていたことに伴う板材の重複を回避することが可能であり、車両用シートバック16の必要強度を確保しつつ、軽量化を達成することができる。特に、車両用シートバックの前後方向のねじれ剛性を確保する観点からは、平板状のパネルフレームの左右両脇部を高さ方向全体に亘って断面係数を確保することが肝要であり、このとき、別途車両への取付固定用ブラケットを付設することなしに、閉断面化部32A,Bの下端を車両への取付固定用面として活用することが可能である。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば種々の修正あるいは変更が可能である。たとえば、本実施形態においては、二分割されたリアシートバックに適用される場合を説明したが、それに限定されることなく、たとえば単一のシートバックにおいて、三隅を支持する場合にも有効である。また、本実施形態においては、自動車に適用する車両用シートバック16を説明したが、それに限定されることなく、他の車両に適用される車両用シートバック16のフレーム構造であってもよい。ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置に固定される場合、左右両脇の厚肉部は、同様な厚さおよび幅を有するのでよい。
また、本実施形態においては、パネルフレームの左右両脇部に設ける閉断面化部について、その高さおよび巾について、閉断面化部が矩形状をなすことを前提として説明したが、場合により矩形形状に限定されることなく、たとえば台形形状等も適用可能である。
さらにまた、車両用シートがリアシート10である場合には、荷室に置かれる荷物の移動による荷重に耐えるために、枠フレーム20に固定される補強用フレームを別途設けてもよい。本発明によれば、このような補強用フレームの設置に伴う重量増加分をほぼ相殺することが可能である。
加えて、車両用シートバックの固定用面は、ボルト固定される場合だけでなく、溶接により固定する場合も含む。
本発明に係るパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造および該構造を有する車両用シートバックは、自動車のみならず、鉄道車両、飛行機等人が座席に着座した状態で運搬する一般的な車両に適用可能であり、その際、強度部材として機能する平板状のパネルフレームにおいて、その板厚を平板全体に亘って強度上安全側の一様な厚肉とすることなしに、強度上必要な剛性を確保するのに必要な位置に対応して、閉断面化構造による断面係数を確保することが可能であり、この点で、車両用シートバックの必要強度あるいは必要剛性を確保しつつ、軽量化を達成する。
本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルフレーム構造の正面図である。 本発明の実施形態に係る車両用シートバックのパネルフレーム構造の側面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 パネルの閉断面化に際し、絞り工程に用いられる金型の概略図である。 パネルの閉断面化に際し、第1フランジダウン工程に用いられる金型の概略図である。 パネルの閉断面化に際し、第2フランジダウン工程絞り工程に用いられる金型の概略図である。 パネルの閉断面化に際し、カム曲げ工程に用いられる金型の概略図である。 図7のカム曲げ工程で加工されたパネルの閉断面部である。 パネルの閉断面化に際し、整形工程に用いられる金型の概略図である。 本発明の実施形態に係る車両用シートバックが車両に固定される状況を示す部分斜視図である。 従来の車両用シートバックのフレーム構造の正面図である。 図11のB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
10 車両用シート
12 車室床部
14 シートクッション
16 車両用シートバック
18 パネルフレーム
20 ビード
22 グロメットホルダー固定用ブラケット
24 ヘッドレスト固定用ブラケット
26 ロックユニット固定用ブラケット
28 アームレスト固定用ブラケット
30 開口
32 厚肉部
34 薄肉部
36 固定用面
50 ボディフロア
52 センターヒンジ部
54 ブラケット部
56 ボルト
58 ホイルハウス
60 サイドヒンジ部
62 ブラケット部
64 ボルト
66 ロック部品
67 ブラケット
68 ボルト
70 ストライカー
98 絞り用金型
100 第1フランジダウン用金型
112 第2フランジダウン用金型
128 カム曲げ用金型
156 整形用金型

Claims (10)

  1. パネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造であって、
    略矩形形状をした平板状のパネルフレームを有し、
    このパネルフレームは、左右両脇それぞれにおいて、高さ方向全体に亘って高さ方向と直交する向きにこのパネルフレームを閉断面化した閉断面化部を有し、
    該閉断面化部それぞれの下端には、車両用シートバックの固定用面が形成される、
    ことを特徴とするパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  2. 前記閉断面化部は、矩形形状の断面を有し、平板状のパネルフレームの端部を多段階的にプレス加工することにより、平板状のパネルフレームの端の一方の表面部を平板状のパネルフレームの他方の表面部に突き合わせる形態で形成される、請求項1に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  3. 前記矩形形状の断面の高さおよび幅は、多段階的にプレス加工する際に用いられる金型を選択することにより、互いに独立に調整可能である、請求項2に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  4. 前記突き合わせ部において、平板状のパネルフレームの端の一方の表面部を平板状のパネルフレームの他方の表面部に対して、溶接によって固定する、請求項2または3に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  5. 前記閉断面化部それぞれにおいて、パネルフレームの上部に固定されるヘッドレストのパネルフレームの幅方向位置に応じて、閉断面化部の高さおよび/または幅が決定される、請求項2ないし4のいずれか1項に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  6. ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置に固定され、
    左右両脇の前記閉断面化部は、同様な高さおよび幅を有する、請求項5に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  7. ヘッドレストがパネルフレームの幅方向中央位置から偏った位置に固定され、
    左右両脇の前記閉断面化部において、ヘッドレストの設置位置から遠い方の前記閉断面化部の高さおよび幅が、ヘッドレストの設置位置から近い方の前記閉断面化部の高さおよび幅より大きく設定する、請求項5に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  8. 車両用シートバックは、二分割構造とされ、分割された各車両用シートバックにおいて、パネルフレームは四隅のうち、下部の左右両端、および上部の左右両端のいずれか一方の計3点で車両に対して支持される、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  9. パネルフレームの前面には、前側に突出することにより所定のパターンを形成する強度確保用のビードが設けられる、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のパネルタイプの車両用シートバックのフレーム構造。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のフレーム構造を有する車両用シートバックと、下部が車室床部に固定されたシートクッションとを有することを特徴とする車両用シート。
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JP2017165187A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 マツダ株式会社 シートバックパネル

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