JP2009540505A - 有機電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

有機電子デバイスの形成方法を提供する。この方法は:導電性材料とフッ素化酸ポリマーとを含む第1の層を形成するステップであって、第1の層が第1の表面エネルギーを有するステップと、第1の層の上に第2の層を形成するステップであって、第2の層が、第1の表面エネルギーよりも高い第2の表面エネルギーを有するステップと、第2の層の選択された部分を除去して、第1の層の非被覆領域を得るステップと、第1の層の非被覆領域上に第3の層を形成するステップとを含む。この方法を使用して製造された電子デバイスも提供する。

Description

本開示は、一般に有機電子デバイスの製造方法に関する。本発明は、さらにその方法によって製造されたデバイスに関する。
有機電子デバイスは、活性層を含む製品の分類の1つとして定義される。このようなデバイスは、電気エネルギーを放射線に変換したり、電子的方法を介して信号を検出したり、放射線を電気エネルギーに変換したり、あるいは、1つまたは複数の有機半導体層を含んだりする。
有機発光ダイオード(OLED)は、エレクトロルミネッセンスが可能な有機層を含む有機電子デバイスである。OLEDは、以下の構成を有することができる:
アノード/緩衝層/EL材料/カソード
通常、アノードは、たとえば、インジウム/スズ酸化物(ITO)などの、透明でありEL材料中に正孔を注入する能力を有するあらゆる材料である。場合により、アノードは、ガラスまたはプラスチックの基体上に支持されている。EL材料としては、蛍光性化合物、蛍光性およびリン光性の金属錯体、共役ポリマー、ならびにそれらの混合物が挙げられる。通常、カソードは、EL材料中に電子を注入する能力を有するあらゆる材料(たとえばCaまたはBaなど)である。緩衝層は、典型的には導電性ポリマーであり、アノードからEL材料層中への正孔の注入を促進する。緩衝層は、デバイス性能を促進する他の性質を有することもできる。
フルカラーOLEDの製造における現在の研究は、費用対効果が大きく高生産性であるカラーピクセル製造方法の開発に向けられている。液処理によるモノクロディスプレイの製造の場合、スピンコーティング法が広く採用されている(たとえば、(非特許文献1)を参照されたい)。しかし、フルカラーディスプレイの製造では、モノクロディスプレイの製造に使用される方法に対してある変更を行う必要がある。たとえば、フルカラー画像を表示するために、各表示ピクセルを3つのサブピクセルに分解され、そのそれぞれがディスプレイの三原色の赤、緑、および青の1つを発する。このようなフルカラーピクセルの3つのサブピクセルへの分割の結果、液体着色材料(すなわちインク)の拡散および色の混合を防止するために現行方法を修正する必要が生じた。
インクを閉じ込めるためのいくつかの方法が文献に記載されている。これらは閉じ込め構造、表面張力の不連続性、およびこれら両方の組み合わせに基づいている。閉じ込め構造は、ピクセルのウェル、バンクなどの拡散の幾何学的な障害物である。効果的にするためには、これらの構造が、堆積される材料の湿潤厚さと同等の大きさとなる必要がある。これらの構造内に発光インクが印刷される場合、そのインクが構造表面をぬらし、そのためその構造付近で厚さの均一性が低下する。したがって、発光「ピクセル」領域の外側に移動させる必要があり、それによって動作中に不均一性が見えなくなる。ディスプレイ(特に高解像度ディスプレイ)上の空間は限られているため、これによってピクセルの利用可能な発光領域が減少する。実際の閉じ込め構造は、一般に、電荷注入層および電荷輸送層の連続層を堆積する場合の品質に悪影響を与える。この結果、すべての層を印刷する必要がある。
米国特許第5,463,005号明細書 米国特許第3,282,875号明細書 米国仮特許出願第60/105,662号明細書 国際公開第9831716(A1)号パンフレット 国際公開第99/52954(A1)号パンフレット 米国仮特許出願第60/176,881号明細書 欧州特許出願公開第1 026 152 A1号明細書 米国特許第4,358,545号明細書 米国特許第4,940,525号明細書 米国特許第4,433,082号明細書 米国特許第6,150,426号明細書 国際公開第03/006537号パンフレット 米国特許出願公開第2004−0094768号明細書 米国特許出願公開第2004−0102577号明細書 米国特許出願公開第2004−0127637号明細書 米国特許第6,670,645号明細書 国際公開第03/063555号パンフレット 国際公開第2004/016710号パンフレット 国際公開第03/008424号パンフレット 国際公開第03/091688号パンフレット 国際公開第03/040257号パンフレット 米国特許第6,303,238号明細書 国際公開第00/70655号パンフレット 国際公開第01/41512号パンフレット
デビッド・ブラウン(David Braun)およびアラン・J・ヒーガー(Alan J.Heeger),Appl.Phys.Letters 58,1982(1991) CRC化学物理ハンドブック第81版(CRC Handbook of Chemistry and Physics,81st Edition)(2000−2001) CRC化学物理ハンドブック第81版(CRC Handbook of Chemistry and Physics,81st Edition)(2000) Science, p1273−1276,vol 305,Aug.27,2004 Macromolecules,34,5746−5747(2001) Macromolecules,35,7281−7286(2002) A.フェイリング(Feiring)ら,J.Fluorine Chemistry 2000,105,129−135 A.フェイリング(Feiring)ら,Macromolecules 2000,33,9262−9271 D.D.デマルト(Desmarteau),J.Fluorine Chem.1995,72,203−208 A.J.アップルビー(Appleby)ら,J.Electrochem.Soc.1993,140(1),109−111 Y.ワン(Wang),カーク・オスマー工業化学百科事典第4版(Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition),Vol.18,p.837−860,1996 Surface Science,316,(1994),P380
このデバイス中の層を形成するための改善された方法が引き続き必要とされている。
有機電子デバイスの形成方法を提供する。この方法は、
導電性材料とフッ素化酸ポリマーとを含む第1の層を形成するステップであって、前記第1の層が第1の表面エネルギーを有するステップと、
第1の層の上に第2の層を形成するステップであって、前記第2の層が、第1の表面エネルギーよりも高い第2の表面エネルギーを有するステップと、
第2の層の選択された部分を除去して、第1の層の非被覆領域を得るステップと、
第1の層の非被覆領域上に第3の層を形成するステップとを含む。
一実施形態においては、第1の層は、5.2eVを超える仕事関数を有する正孔注入層であり、第2の層は正孔輸送層である。
別の一実施形態においては、第1の層は、5.0eVを超える仕事関数を有する正孔注入層であり、pHが2.0を超える組成物から作製され、第2の層は正孔輸送層である。
別の一実施形態においては、上記方法によって製造された電子デバイスを提供する。このデバイスはアノードを有する。このアノードは、5.2eVを超える仕事関数を有する正孔注入層である第1の層に接触している。この正孔注入層は正孔輸送層に接触している。
以上の概要および以下の詳細な説明は、単に例示的および説明的なものであり、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明を限定するものではない。
本明細書において提示される概念の理解をすすめるために、添付の図面において実施形態を説明する。
接触角を説明する図である。 電子デバイスの図である。
当業者であれば理解しているように、図面中の物体は、平易かつ明快にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。たとえば、実施形態を理解しやすいようにするために、図面中の一部の物体の寸法が他の物体よりも誇張されている場合がある。
多数の態様および実施形態を以上に説明してきたが、これらは単に例示的で非限定的なものである。本明細書を読めば、本発明の範囲から逸脱しない他の態様および実施形態が実現可能であることが、当業者には分かるであろう。
いずれか1つまたは複数の本発明の実施形態のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。この詳細な説明では、最初に、用語の定義および説明を扱い、続いて、第1の層、第2および第3の層、方法、電子デバイス、ならびに最後に実施例を扱う。
(1.用語の定義および説明)
以下に説明する実施形態の詳細を扱う前に、一部の用語について定義または説明を行う。
本明細書において使用される場合、用語「導体」およびその変形は、電位が実質的に降下することなく層材料、部材、または構造に電流が流れるような電気的性質を有する層材料、部材、または構造を意味することを意図している。この用語は、半導体を含むことを意図している。一実施形態においては、導体は、少なくとも10-6S/cmの導電率を有する層を形成する。
用語「導電性材料」は、カーボンブラックまたは導電性金属粒子を加えなくても、本来または本質的に導電性となることができる材料を意味する。
用語「仕事関数」は、電子を導電性材料の表面から無限遠点まで引き離すのに必要な最小エネルギーを意味することを意図している。仕事関数は、一般にUPS(紫外光電子分光法)またはケルビンプローブ接触電位差測定によって求められる。
用語「エネルギーポテンシャル」は、導電性試験体とケルビンプローブの振動チップとの間に挟まれた非導電性材料のポテンシャルを意味することを意図している。導電性試験体は、金、インジウム・スズ酸化物、または導電性ポリマーのいずれかであってよいが、これらに限定されるものではない。
層、材料、部材、または構造に関して言及される場合、用語「正孔注入」は、そのような層、材料、部材、または構造が、比較的効率的かつ少ない電荷損失で、そのような層、材料、部材、または構造の厚さを通過する正電荷の注入および移動を促進することを意味することを意図している。
層、材料、部材、または構造に関して言及される場合、「正孔輸送」は、そのような層、材料、部材、または構造が、比較的効率的かつ少ない電荷損失で、そのような層、材料、部材、または構造の厚さを通過する正電荷の移動を促進することを意味することを意図している。発光層が、ある程度正孔輸送特性を有する場合があるが、本明細書において使用される場合、用語「正孔輸送層」は発光層を含まない。
用語「有機溶剤でぬらすことができる」は、フィルムに成形した場合に有機溶剤によってぬらすことができる材料を意味する。この用語は、単独ではフィルム形成性ではないが、ぬらすことができる導電性ポリマー組成物を形成するポリマー酸も含んでいる。一実施形態においては、有機溶剤でぬらすことができる材料は、40°以下の接触角でフェニルヘキサンによってぬらすことができるフィルムを形成する。
用語「フッ素化酸ポリマー」は、酸性基を有し、少なくとも一部の水素がフッ素で置き換えられているポリマーを意味する。用語「酸性基」は、イオン化することによって水素イオンをブレンステッド塩基に供与することができる基を意味する。
用語「表面エネルギー」は、材料から単位面積の表面を形成するために必要なエネルギーである。表面エネルギーの特徴の1つは、ある表面エネルギーを有する液体材料が、それより低い表面エネルギーを有する表面をぬらさないということである。液体材料に関する表面エネルギーという用語は、表面張力と同じ意味を有することを意図している。
用語「層」は、用語「フィルム」と交換可能に使用され、希望する領域を覆うコーティングを意味する。この用語は大きさによって限定されない。この領域は、デバイス全体の大きさであってもよいし、実際の視覚的表示などの特殊な機能の領域の小ささ、または1つのサブピクセルの小ささであってもよい。層およびフィルムは、気相堆積、液相堆積(連続的技術および不連続技術)、および熱転写などの従来のあらゆる堆積技術によって形成することができる。
本明細書において使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなること」、「含む」、「含むこと」、「有する」、「有すること」、またはそれらの他のあらゆる変形は、非排他的な包含を扱うことを意図している。たとえば、ある一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素にのみに必ずしも限定されるわけではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に関して明示されず固有のものでもない他の要素を含むことができる。さらに、反対の意味で明記されない限り、「または」は、包含的なまたはを意味するのであって、排他的なまたはを意味するのではない。たとえば、条件AまたはBが満たされるのは、Aが真であり(または存在し)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)Bが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)のいずれか1つによってである。
また、本発明の要素および成分を説明するために「a」または「an」も使用されている。これは単に便宜的なものであり、本発明の一般的な意味を提供するために行われている。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読むべきであり、明らかに他の意味となる場合を除けば、単数形は複数形も含んでいる。
元素周期表中の縦列に対応する族の番号は、(非特許文献2)に見ることができる「新表記法」(New Notation)の規則を使用している。
特に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料を使用して、本発明の実施形態の実施または試験を行うことができるが、好適な方法および材料については以下に説明する。本明細書において言及されるあらゆる刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、特に明記しない限り、それらの記載内容全体が援用される。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする。さらに、材料、方法、および実施例は、単に説明的なものであって、限定を意図したものではない。
本明細書に記載されていない程度の、具体的な材料、処理行為、および回路に関する多くの詳細は従来通りであり、それらについては、有機発光ダイオードディスプレイ、光源、光検出器、光電池、および半導体要素の技術分野の教科書およびその他の情報源中に見ることができる。
(2.第1の層)
第1の層は、導電性材料とフッ素化酸ポリマー(「FAP」)とを含む。この層の表面エネルギーは一般には低い。ある実施形態においては、この層は、フェニルヘキサンでぬらすことができない。フェニルヘキサンは第1の層上で少なくとも70°の接触角を形成する。
一実施形態においては、第1の層は5.2eVを超える仕事関数を有する。一実施形態においては、第1の層は5.3eVを超える仕事関数を有する。一実施形態においては、第1の層は5.5eVを超える仕事関数を有する。一実施形態においては、第1の層は5.0eVを超える仕事関数を有し、2を超えるpHを有する液体組成物から形成される。用語「液体組成物」は、材料が溶解して溶液が形成された液体媒体、材料が分散して分散液が形成された液体媒体、あるいは材料が懸濁して懸濁液またはエマルジョンが形成された液体媒体を意味することを意図している。用語「液体媒体」は、純液体、複数の液体の組み合わせ、溶液、分散液、懸濁液、およびエマルジョンなどの液体材料を意味することを意図している。液体媒体は、1つまたは複数のいずれの溶媒が存在するかとは無関係に使用される。一実施形態においては、液体媒体は、1つの溶媒または2つ以上の溶媒の組み合わせである。導電性材料の層を形成できるのであれば、あらゆる溶媒または溶媒の組み合わせを使用することができる。液体媒体は、コーティング助剤などの他の材料を含むことができる。
一実施形態においては、導電性材料は、無機酸化物、導電性ポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
(a.無機酸化物)
一実施形態においては、導電性材料は、無機酸化物とフッ素化酸ポリマーとの組み合わせを含む。
ある実施形態においては、無機酸化物は半導体酸化物であり、周期表の2族〜12族から選択される元素の酸化物を含む。一実施形態においては、半導体酸化物材料は、2族および12族から選択される元素の酸化物を含む。元素周期表中の縦列に対応する族の番号は、(非特許文献3)に見ることができる「新表記法」(New Notation)の規則を使用しており、これによると族には左から右に1〜18の番号が付けられている。
一実施形態においては、無機半導体材料は、NixCox-13/4((非特許文献4))、インジウム、ジルコニウム、またはアンチモンをドープした酸化物等の無機酸化物である
(b.フッ素化酸ポリマーを有する無機酸化物組成物の形成)
一実施形態においては、第1の層を形成するための組成物は、少なくとも1つの無機酸化物と少なくとも1つのフッ素化酸ポリマーとを含む。この組成物は、半導体酸化物粒子をFAPとブレンドすることによって形成することができる。ある実施形態においては、これは、半導体酸化物粒子の水性分散体をFAPの水性分散体または水溶液に加えることによって行うことができる。ある実施形態においては、これらの分散体または溶液が半水性または非水性の媒体中で形成される。一実施形態においては、この組成物は、成分を確実に混合するために、音波処理またはマイクロ流動化を使用してさらに処理される。
一実施形態においては、一方または両方の成分が、固体の形態で単離される。この固体材料は、水中、あるいは他の成分の水溶液または分散体の中に再分散させることができる。たとえば、たとえば、半導体酸化物粒子の固体を、FAPの水溶液または分散体の中に分散させることができる。ある実施形態においては、水の代わりに半水性または非水性の媒体が使用される。
一実施形態においては、この組成物は導電性ポリマーをさらに含む。この導電性ポリマーは任意の時点で加えることができる。
一実施形態においては、第1の層を形成するための組成物は、少なくとも1つの無機酸化物と、FAPがドープされた少なくとも1つの導電性ポリマーとを含む。この組成物は、FAP単独の場合に関して前述したように、半導体酸化物粒子を、FAPがドープされた導電性ポリマーとブレンドすることによって形成することができる。しかし、多くの場合、FAPがドープされた導電性ポリマーは、固体として単離された場合に、水溶液に対して再分散性ではない。
(c.導電性ポリマー)
一実施形態においては、導電性材料は、少なくとも1つの導電性ポリマーを含む。用語「ポリマー」は、少なくとも3つの繰り返し単位を有する化合物を意味することを意図しており、ホモポリマーおよびコポリマーを含んでいる。ある実施形態においては、導電性ポリマーは、プロトン化された形態では導電性であり、プロトン化されていない形態では非導電性である。正孔注入層が所望の仕事関数を有する限り、あらゆる導電性ポリマーを使用することができる。
一実施形態においては、導電性ポリマーは、少なくとも1つのフッ素化酸ポリマーでドープされている。用語「ドープした」は、導電性ポリマーが、その導電性ポリマー上の電荷のバランスをとるためにポリマー酸から誘導されるポリマー対イオンを有することを意味することを意図している。
一実施形態においては、導電性ポリマーは、フッ素化酸ポリマーと混合される。一実施形態においては、導電性ポリマーは、少なくとも1つの非フッ素化ポリマー酸でドープされ、少なくとも1つのフッ素化酸ポリマーと混合される。
一実施形態においては、本発明の導電性ポリマーは、少なくとも10-7S/cmの導電率を有する膜を形成する。導電性ポリマーが形成されるモノマーを「前駆体モノマー」と呼ぶ。コポリマーは、2種類以上の前駆体モノマーを有する。
一実施形態においては、本発明の導電性ポリマーは、チオフェン類、ピロール類、アニリン類、および多環式芳香族から選択される少なくとも1つの前駆体モノマーから生成される。これらのモノマーから生成されたポリマーは、本明細書において、それぞれ、ポリチオフェン、ポリセレノフェン、ポリ(テルロフェン)、ポリピロール、ポリアニリン、および多環式芳香族ポリマーと呼ばれる。用語「多環式芳香族」は、2つ以上の芳香環を有する化合物を意味する。これらの環は、1つまたは複数の結合によって連結している場合もあるし、互いに縮合している場合もある。用語「芳香環」は、複素環式芳香環を含むことを意図している。「多環式複素環式芳香族」化合物は、少なくとも1つの複素環式芳香環を有する。一実施形態においては、多環式芳香族ポリマーはポリ(チエノチオフェン)である。
一実施形態においては、本発明の組成物中の導電性ポリマーを形成するために使用が考慮されるチオフェンモノマーは、以下の式Iを含み:
Figure 2009540505
式中:
Qは、S、Se、およびTeからなる群から選択され、
1は、それぞれ同じかまたは異なるように独立して選択され、そして、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキチオ(alkythio)、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択されるか、あるいは両方のR1基が一緒になってアルキレン鎖またはアルケニレン鎖を形成して、3、4、5、6、または7員の芳香環または脂環式環を完成させてもよく、その環は場合により、1つまたは複数の二価の窒素原子、セレン原子、テルル原子、硫黄原子、または酸素原子を含んでもよい。
本明細書において使用される場合、用語「アルキル」は、脂肪族炭化水素から誘導される基を意味し、非置換の場合も置換されている場合もある線状、分岐、および環状の基を含んでいる。用語「ヘテロアルキル」は、アルキル基中の1つまたは複数の炭素原子が窒素、酸素、硫黄などの別の原子で置き換えられているアルキル基を意味することを意図している。用語「アルキレン」は、2つの結合点を有するアルキル基を意味する。
本明細書において使用される場合、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素から誘導される基を意味し、非置換の場合も置換されている場合もある線状、分岐、および環状の基を含んでいる。用語「ヘテロアルケニル」は、アルケニル基中の1つまたは複数の炭素原子が窒素、酸素、硫黄などの別の原子で置き換えられているアルケニル基を意味することを意図している。用語「アルケニレン」は、2つの結合点を有するアルケニル基を意味する。
本明細書において使用される場合、置換基に関する以下の用語は、以下に示す式を意味する:
「アルコール」 −R3−OH
「アミド」 −R3−C(O)N(R6)R6
「アミドスルホネート」 −R3−C(O)N(R6)R4−SO3
「ベンジル」 −CH2−C65
「カルボキシレート」 −R3−C(O)O−Zまたは−R3−O−C(O)−Z
「エーテル」 −R3−(O−R5p−O−R5
「エーテルカルボキシレート」 −R3−O−R4−C(O)O−Zまたは−R3−O−R4−O−C(O)−Z
「エーテルスルホネート」 −R3−O−R4−SO3
「エステルスルホネート」 −R3−O−C(O)−R4−SO3
「スルホンイミド」 −R3−SO2−NH−SO2−R5
「ウレタン」 −R3−O−C(O)−N(R62
式中、すべての「R」基はそれぞれ同じかまたは異なるものであり:
3は単結合またはアルキレン基であり:
4はアルキレン基であり
5はアルキル基であり
6は水素またはアルキル基であり
pは0または1〜20の整数であり
Zは、H、アルカリ金属、アルカリ土類金属、N(R54、またはR5である。
上記基はいずれも、さらに非置換の場合も置換されている場合もあり、いずれの基も、過フッ素化基などのように、1つまたは複数の水素がFで置換されていてもよい。一実施形態においては、上記アルキル基およびアルキレン基は1〜20個の炭素原子を有する。
一実施形態においては、チオフェンモノマー中、両方のR1が一緒になって−O−(CHY)m−O−を形成し、式中、mは2または3であり、Yは、それぞれ同じかまたは異なるものであり、そして、水素、ハロゲン、アルキル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択され、これらのY基は、部分的または完全にフッ素化されていてもよい。一実施形態においては、すべてのYが水素である。一実施形態においては、ポリチオフェンが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。一実施形態においては、少なくとも1つのY基が水素ではない。一実施形態においては、少なくとも1つのY基が、少なくとも1つの水素がFで置換された置換基である。一実施形態においては、少なくとも1つのY基が過フッ素化されている。
一実施形態においては、チオフェンモノマーは式I(a)を有し:
Figure 2009540505
式中:
Qは、S、Se、およびTeからなる群から選択され、
7は、それぞれ同じかまたは異なるものであり、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択され、但し、少なくとも1つのR7が水素ではなく、
mは2または3である。
式I(a)の一実施形態においては、mが2であり、1つのR7が、5個を超える炭素原子のアルキル基であり、他のすべてのR7が水素である。式I(a)の一実施形態においては、少なくとも1つのR7基がフッ素化されている。一実施形態においては、少なくとも1つのR7基が、少なくとも1つのフッ素置換基を有する。一実施形態においては、そのR7基が完全フッ素化されている。
式I(a)の一実施形態においては、チオフェン上の縮合脂環式環上のR7置換基によって、モノマーの水に対する溶解性が改善され、フッ素化酸ポリマーの存在下での重合が促進される。
式I(a)の一実施形態においては、mが2であり、1つのR7が、スルホン酸−プロピレン−エーテル−メチレンであり、他のすべてのR7が水素である。一実施形態においては、mが2であり、1つのR7が、プロピル−エーテル−エチレンであり、他のすべてのR7が水素である。一実施形態においては、mが2であり、1つのR7がメトキシであり、他のすべてのR7が水素である。一実施形態においては、1つのR7が、スルホン酸ジフルオロメチレンエステルメチレン(−CH2−O−C(O)−CF2−SO3H)であり、他のすべてのR7が水素である。
一実施形態においては、本発明の組成物中の導電性ポリマーを形成するために使用が考慮されるピロールモノマーは以下の式IIを含む。
Figure 2009540505
式IIにおいて:
1は、それぞれ同じかまたは異なるように独立して選択され、そして、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキチオ(alkythio)、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、アミドスルホネート、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択されるか、あるいは両方のR1基が一緒になってアルキレン鎖またはアルケニレン鎖を形成して、3、4、5、6、または7員の芳香環または脂環式環を完成させてもよく、その環は場合により、1つまたは複数の二価の窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子、または酸素原子を含んでもよく、
2は、それぞれ同じかまたは異なるように独立して選択され、そして、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アルカノイル、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択される。
一実施形態においては、R1は、それぞれ同じかまたは異なるものであり、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、アミドスルホネート、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、ウレタン、エポキシ、シラン、シロキサン、ならびに、1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、またはシロキサン部分で置換されたアルキルから独立して選択される。
一実施形態においては、R2は、水素、アルキル、ならびに、1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、またはシロキサン部分で置換されたアルキルから選択される。
一実施形態においては、上記ピロールモノマーは置換されておらず、R1およびR2の両方が水素である。
一実施形態においては、両方のR1が一緒になって、アルキル、ヘテロアルキル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択される基でさらに置換された6員または7員の脂環式環を形成する。これらの基は、モノマーおよび結果として得られるポリマーの溶解性を改善することができる。一実施形態においては、両方のR1が一緒になって、アルキル基でさらに置換された6員または7員の脂環式環を形成する。一実施形態においては、両方のR1が一緒になって、少なくとも1つの炭素原子を有するアルキル基でさらに置換された6員または7員の脂環式環を形成する。
一実施形態においては、両方のR1が一緒になって−O−(CHY)m−O−を形成し、式中、mは2または3であり、Yは、それぞれ同じかまたは異なるものであり、水素、アルキル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、アミドスルホネート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択される。一実施形態においては、少なくとも1つのY基が水素ではない。一実施形態においては、少なくとも1つのY基が、少なくとも1つの水素がFで置換された置換基である。一実施形態においては、少なくとも1つのY基が過フッ素化されている。
一実施形態においては、本発明の組成物中の導電性ポリマーを形成するために使用が考慮されるアニリンモノマーは以下の式IIIを含む。
Figure 2009540505
式中:
aは0または1〜4の整数であり、
bは1〜5の整数であり、但しa+b=5であり、
1は、それぞれ同じかまたは異なるように独立して選択され、そして、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキチオ(alkythio)、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択されるか、あるいは両方のR1基が一緒になってアルキレン鎖またはアルケニレン鎖を形成して、3、4、5、6、または7員の芳香環または脂環式環を完成させてもよく、その環は場合により、1つまたは複数の二価の窒素原子、硫黄原子、または酸素原子を含んでもよい。
重合すると、このアニリンモノマー単位は、以下に示す式IV(a)または式IV(b)、あるいは両方の式の組み合わせを有することができる。
Figure 2009540505
式中、a、b、およびR1は前出の定義の通りである。
一実施形態においては、上記アニリンモノマーは置換されておらず、a=0である。
一実施形態においては、aが0ではなく、少なくとも1つのR1がフッ素化されている。一実施形態においては、少なくとも1つのR1が過フッ素化されている。
一実施形態においては、本発明の組成物中の導電性ポリマーを形成するために使用が考慮される縮合多環式複素環式芳香族モノマーは、2つ以上の縮合芳香環を有し、その環の少なくとも1つが複素環式芳香族である。一実施形態においては、この縮合多環式複素環式芳香族モノマーは式Vを有し:
Figure 2009540505
式中:
Qは、S、Se、Te、またはNR6であり、
6は、水素またはアルキルであり、
8、R9、R10、およびR11は、それぞれ同じかまたは異なるように独立して選択され、そして、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキチオ(alkythio)、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択され、
8とR9、R9とR10、およびR10とR11、のうち少なくとも1つがアルケニレン鎖を形成して5または6員の芳香環を完成させ、その環は、場合により1つまたは複数の二価の窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子、または酸素原子を含むことができる。
一実施形態においては、上記縮合多環式複素環式芳香族モノマーは、式V(a)、V(b)、V(c)、V(d)、V(e)、V(f)、およびV(g)を有し:
Figure 2009540505
式中:
Qは、S、Se、Te、またはNHであり、
Tは、それぞれ同じかまたは異なるものであり、S、NR6、O、SiR6 2、Se、Te、およびPR6から選択され、
6は、水素またはアルキルである。
上記縮合多環式複素環式芳香族モノマーは、アルキル、ヘテロアルキル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択される基でさらに置換されていてもよい。一実施形態においては、これらの置換基がフッ素化されている。一実施形態においては、これらの置換基が完全フッ素化されている。
一実施形態においては、上記縮合多環式複素環式芳香族モノマーはチエノ(チオフェン)である。このような化合物は、たとえば、(非特許文献5)、および(非特許文献6)において議論されている。一実施形態においては、このチエノ(チオフェン)は、チエノ(2,3−b)チオフェン、チエノ(3,2−b)チオフェン、およびチエノ(3,4−b)チオフェンから選択される。一実施形態においては、チエノ(チオフェン)モノマーは、アルキル、ヘテロアルキル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択される少なくとも1つの基でさらに置換されている。一実施形態においては、これらの置換基がフッ素化されている。一実施形態においては、これらの置換基が完全フッ素化されている。
一実施形態においては、本発明の組成物中のポリマーを形成するために使用が考慮される多環式複素環式芳香族モノマーは式VIを含み:
Figure 2009540505
式中:
Qは、S、Se、Te、またはNR6であり、
Tは、S、NR6、O、SiR6 2、Se、Te、およびPR6から選択され、
Eは、アルケニレン、アリーレン、およびヘテロアリーレンから選択され、
R6は、水素またはアルキルであり、
12は、それぞれ同じかまたは異なるものであり、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキチオ(alkythio)、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、エステルスルホネート、およびウレタンから選択されるか、あるいは両方のR12基が一緒になってアルキレン鎖またはアルケニレン鎖を形成して、3、4、5、6、または7員の芳香環または脂環式環を完成させてもよく、その環は場合により1つまたは複数の二価の窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子、または酸素原子を含んでもよい。
一実施形態においては、本発明の導電性ポリマーは、前駆体モノマーと少なくとも1つの第2のモノマーとのコポリマーである。コポリマーに望まれる性質に悪影響を及ぼさないのであれば、あらゆる種類の第2のモノマーを使用することができる。一実施形態においては、第2のモノマーが、モノマー単位の総数を基準にしてポリマーの50%以下を構成する。一実施形態においては、第2のモノマーが、モノマー単位の総数を基準にして30%以下を構成する。一実施形態においては、第2のモノマーが、モノマー単位の総数を基準にして10%以下を構成する。
第2のモノマーの代表的な種類としては、アルケニル、アルキニル、アリーレン、およびヘテロアリーレンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。第2のモノマーの例としては、限定するものではないが、フルオレン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾチアジアゾール、フェニレンビニレン、フェニレンエチニレン、ピリジン、ジアジン類、およびトリアジン類が挙げられ、これらすべてがさらに置換されていてもよい。
一実施形態においては、本発明のコポリマーは、最初に構造A−B−Cを有する中間前駆体モノマーを形成することによって製造され、式中、AおよびCは、同じかまたは異なっていてもよい前駆体モノマーを表し、Bは第2のモノマーを表す。このA−B−C中間前駆体モノマーは、ヤマモト(Yamamoto)、スティル(Stille)、グリニャール(Grignard)メタセシス、スズキ(Suzuki)、およびネギシ(Negishi)カップリングなどの標準的な合成有機技術を使用して調製することができる。次に、この中間前駆体モノマー単独で酸化重合させる、または1つまたは複数の別の前駆体モノマーとともに酸化重合させることによって、本発明のコポリマーが形成される。
一実施形態においては、本発明の導電性ポリマーは、2つ以上の前駆体モノマーのコポリマーである。一実施形態においては、これらの前駆体モノマーは、チオフェン、ピロール、アニリン、および多環式芳香族から選択される。
(d.フッ素化酸ポリマー)
本発明のフッ素化酸ポリマーは、フッ素化され、酸性プロトンを有する酸性基を有するあらゆるポリマーであってよい。この用語は、部分フッ素化材料および完全フッ素化材料を含んでいる。一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは高フッ素化されている。用語「高フッ素化」は、炭素に結合した利用可能な水素の少なくとも50%が、フッ素で置き換えられていることを意味する。酸性基は、イオン化可能なプロトンを供給する。一実施形態においては、酸性プロトンは3未満のpKaを有する。一実施形態においては、酸性プロトンは0未満のpKaを有する。一実施形態においては、酸性プロトンは−5未満のpKaを有する。酸性基は、ポリマー主鎖に直接結合していてもよいし、ポリマー主鎖上の側鎖に結合していてもよい。酸性基の例としては、カルボン酸基、スルホン酸基、スルホンイミド基、リン酸基、ホスホン酸基、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。酸性基はすべてが同じものである場合もあるし、ポリマーが2種類以上の酸性基を有することもできる。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは水溶性である。一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは水に対して分散性である。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは有機溶剤でぬらすことができる。用語「有機溶剤でぬらすことができる」は、フィルムに成形した場合に有機溶剤によってぬらすことができる材料を意味する。一実施形態においては、有機溶剤でぬらすことができる材料は、40°以下の接触角でフェニルヘキサンによってぬらすことができるフィルムを形成する。本明細書において使用される場合、用語「接触角」は、図1に示される角度Φを意味することを意図している。液体媒体の液滴の場合、角度Φは、表面の面と、液滴の外側端部から表面までの線との交差部分によって定義される。さらに、角度Φは、液滴が適用された後で表面上で平衡位置に達した後で測定され、すなわち「静的接触角」である。有機溶剤でぬらすことができるフッ素化ポリマー酸のフィルムが、上記表面として示されている。一実施形態においては、接触角が35°以下である。一実施形態においては、接触角が30°以下である。接触角の測定方法は周知である。
一実施形態においては、上記ポリマーの主鎖がフッ素化されている。好適なポリマー主鎖の例としては、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、およびそれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態においては、ポリマー主鎖が高フッ素化されている。一実施形態においては、ポリマー主鎖が完全フッ素化されている。
一実施形態においては、酸性基は、スルホン酸基またはスルホンイミド基である。スルホンイミド基は次式を有し:
−SO2−NH−SO2−R
式中、Rはアルキル基である。
一実施形態においては、酸性基はフッ素化側鎖上にある。一実施形態においては、フッ素化側鎖は、アルキル基、アルコキシ基、アミド基、エーテル基、およびそれらの組み合わせから選択される。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、フッ素化オレフィン主鎖と、ペンダントフッ素化エーテルスルホネート基、ペンダントフッ素化エステルスルホネート基、またはペンダントフッ素化エーテルスルホンイミド基とを有する。一実施形態においては、このポリマーは、1,1−ジフルオロエチレンと2−(1,1−ジフルオロ−2−(トリフルオロメチル)アリルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸とのコポリマーである。一実施形態においては、このポリマーは、エチレンと、2−(2−(1,2,2−トリフルオロビニルオキシ)−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸とのコポリマーである。これらのコポリマーは、対応するフッ化スルホニルポリマーとして製造することができ、後にスルホン酸形態に変換することができる。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、フッ素化および部分フッ素化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)のホモポリマーまたはコポリマーである。このコポリマーはブロックコポリマーであってよい。コモノマーの例としては、ブタジエン、ブチレン、イソブチレン、スチレン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、式VIIを有するモノマーのホモポリマーまたはコポリマーであり:
Figure 2009540505
式中:
bは1〜5の整数であり、
13はOHまたはNHR14であり、
14は、アルキル、フルオロアルキル、スルホニルアルキル、またはスルホニルフルオロアルキルである。
一実施形態においては、上記モノマーは以下に示す「SFS」または「SFSI」であり:
Figure 2009540505
重合後、得られたポリマーを酸形態に変換することができる。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、酸性基を有するトリフルオロスチレンのホモポリマーまたはコポリマーである。一実施形態においては、このトリフルオロスチレンモノマーは式VIIIを有し:
Figure 2009540505
式中:
Wは、(CF2b、O(CF2b、S(CF2b、(CF2bO(CF2bから選択され、
bは独立して1〜5の整数であり
13はOHまたはNHR14であり、
14は、アルキル、フルオロアルキル、スルホニルアルキル、またはスルホニルフルオロアルキルである。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、式IXを有するスルホンイミドポリマーであり:
Figure 2009540505
式中:
fは、フッ素化アルキレン、フッ素化ヘテロアルキレン、フッ素化アリーレン、またはフッ素化ヘテロアリーレンから選択され、
nは少なくとも4である。
式IXの一実施形態においては、Rfはパーフルオロアルキル基である。一実施形態においては、Rfはパーフルオロブチル基である。一実施形態においては、Rfはエーテル酸素を含有する。一実施形態においては、nは10を超える。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、フッ素化ポリマー主鎖および式Xを有する側鎖を含み:
Figure 2009540505
式中:
15は、フッ素化アルキレン基またはフッ素化ヘテロアルキレン基であり、
16は、フッ素化アルキル基またはフッ素化アリール基であり、
aは0または1〜4の整数である。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは式XIを有し:
Figure 2009540505
式中:
16は、フッ素化アルキル基またはフッ素化アリール基であり、
cは独立して0または1〜3の整数であり、
nは少なくとも4である。
フッ素化酸ポリマーの合成は、たとえば、(非特許文献7)、(非特許文献8)、(非特許文献9)、(非特許文献10)、およびデマルト(Desmarteau)の米国特許公報(特許文献1)に記載されている。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、構造(XII)を有するエチレン系不飽和化合物から誘導される少なくとも1つの繰り返し単位を含み:
Figure 2009540505
式中、nは0、1、または2であり、
17〜R20は独立して、H、ハロゲン、1〜10個の炭素原子のアルキルまたはアルコキシ、Y、C(Rf’)(Rf’)OR21、R4Y、あるいはOR4Yであり、
Yは、COE2、SO22、またはスルホンイミドであり、
21は、水素であるかまたは酸に不安定な保護基であり、
f’は、それぞれ同じかまたは異なるものであり、1〜10個の炭素原子のフルオロアルキル基であるか、1つに合わせたものが(CF2eとなるかであり、eは2〜10であり、
4はアルキレン基であり、
2は、OH、ハロゲン、またはOR7であり、
7はアルキル基であり、
但し、R17〜R20の少なくとも1つが、Y、R4Y、またはOR5Yである。
4、R5、およびR17〜R20は、ハロゲンまたはエーテル酸素によって場合により置換されていてもよい。
本明細書に記載の材料の範囲内にある構造(XII)の代表的なモノマーの一部の説明的で非限定的な例が以下に示される(XII−a〜XII−e、左から右へ):
Figure 2009540505
式中、R21は、第3級陽イオンの形成または第3級陽イオンへの転位が可能な基であり、より典型的には1〜20個の炭素原子のアルキル基であり、最も典型的にはt−ブチルである。
d=0の場合の構造(XII)である構造(XII−a)の化合物は、以下の式に示されるような構造(XIII)の不飽和化合物とクアドリシクラン(テトラシクロ[2.2.1.02,63,5]ヘプタン)との付加環化反応によって調製することができる。
Figure 2009540505
この反応は、約0℃〜約200℃の範囲の温度、より典型的には約30℃〜約150℃の範囲の温度において、ジエチルエーテルなどの不活性溶媒の非存在下または存在下で実施することができる。1つまたは複数の試薬または溶媒の沸点以上で実施される反応の場合、揮発性成分の減少を回避するために、通常は密閉反応器が使用される。より大きな値のd(すなわち、d=1または2)を有する式XIIの化合物は、d=0である式XIIの化合物をシクロペンタジエンと反応させることによって調製することができ、このことは当技術分野において周知である。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、エチレン系不飽和炭素に結合した少なくとも1つのフッ素原子を含有する少なくとも1つのエチレン系不飽和化合物から誘導された繰り返し単位も含む。このフルオロオレフィンは2〜20個の炭素原子を含む。代表的なフルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、パーフルオロ−(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、CF2=CFO(CF2tCF=CF2(式中のtは1または2である)、およびRf’’OCF=CF2(式中のRf’’は1〜約10個の炭素原子の飽和フルオロアルキル基である)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態においては、このコモノマーはテトラフルオロエチレンである。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、シロキサンスルホン酸を含むペンダント基を有するポリマー主鎖を含む。一実施形態においては、このシロキサンペンダント基は以下の式を有し:
−OaSi(OH)b-a22 3-b23fSO3
式中:
aは1〜bであり、
bは1〜3であり、
22は、独立してアルキル、アリール、およびアリールアルキルからなる群から選択される非加水分解性基であり、
23は、1つまたは複数のエーテル酸素原子によって置換されていてもよい二座アルキレン基であり、但し、R23は、SiとRfとの間に直線状に配置された少なくとも2つの炭素原子を有し、
fは、1つまたは複数エーテル酸素原子によって置換されていてもよいパーフルオルアルキレン(perfluoralkylene)基である。
一実施形態においては、ペンダントシロキサン基を有する本発明のフッ素化酸ポリマーは、フッ素化主鎖を有する。一実施形態においては、この主鎖は過フッ素化されている。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは、フッ素化された主鎖および式(XIV)によって表されるペンダント基を有し、
−Og−[CF(Rf 2)CF−Ohi−CF2CF2SO3H (XIV)
式中、Rf 2は、F、または、非置換であるか、1つまたは複数のエーテル酸素原子によって置換されているかのいずれかであり1〜10個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり、h=0または1であり、i=0〜3であり、g=0または1である。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーは式(XV)を有し
Figure 2009540505
式中、j≧0、k≧0、および4≦(j+k)≦199であり、Q1およびQ2はFまたはHであり、Rf 2は、F、あるいは、非置換であるか、1つまたは複数のエーテル酸素原子によって置換されているかのいずれかであり1〜10個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり、h=0または1であり、i=0〜3であり、g=0または1である。一実施形態においては、Rf 2は−CF3であり、g=1、h=1、およびi=1である。一実施形態においては、ペンダント基が3〜10mol%の濃度で存在する。
一実施形態においては、Q1はHであり、k≧0であり、Q2はFであり、これは、コナリー(Connolly)らの米国特許公報(特許文献2)の教示により合成することができる。別の好ましい一実施形態においては、Q1はHであり、Q2はHであり、g=0であり、Rf 2はFであり、h=1であり、I=1であり、同時継続中の米国特許公報(特許文献3)により合成することができる。さらに別の実施形態は、ドライスデール(Drysdale)らの(特許文献4)、ならびに同時継続中の米国出願のチェ(Choi)らの(特許文献5)、および米国特許公報(特許文献6)における種々の教示により合成することができる。
一実施形態においては、本発明のフッ素化酸ポリマーはコロイド形成性ポリマー酸である。本明細書において使用される場合、用語「コロイド形成性」は、水に対して不溶性であり、水性媒体中に分散させた場合にコロイドを形成する材料を意味する。コロイド形成性ポリマー酸は、通常、約10,000〜約4,000,000の範囲内の分子量を有する。一実施形態においては、このポリマー酸は約100,000〜約2,000,000の分子量を有する。コロイドの粒度は、通常2ナノメートル(nm)〜約140nmの範囲内である。一実施形態においては、このコロイドは2nm〜約30nmの粒度を有する。酸性プロトンを有するあらゆる完全フッ素化コロイド形成性ポリマー材料を使用することができる。一実施形態においては、コロイド形成性フッ素化ポリマー酸は、カルボン酸基、スルホン酸基、およびスルホンイミド基から選択される酸性基を有する。一実施形態においては、コロイド形成性フッ素化ポリマー酸はポリマースルホン酸である。一実施形態においては、コロイド形成性ポリマースルホン酸は過フッ素化されている。一実施形態においては、コロイド形成性ポリマースルホン酸はパーフルオロアルキレンスルホン酸である。
一実施形態においては、本発明のコロイド形成性ポリマー酸は、高フッ素化スルホン酸ポリマー(「FSAポリマー」)である。「高フッ素化」は、ポリマー中のハロゲン原子および水素原子の総数の少なくとも約50%、一実施形態においては少なくとも約75%、別の一実施形態においては少なくとも約90%がフッ素原子であることを意味する。一実施形態においては、このポリマーは過フッ素化されている。用語「スルホネート官能基」は、スルホン酸基またはスルホン酸基の塩のいずれかを意味し、一実施形態においてはアルカリ金属塩またはアンモニウム塩である。この官能基は、式−SO35で表され、式中のE5は「対イオン」とも呼ばれる陽イオンである。E5は、H、Li、Na、K、またはN(R1)(R2)(R3)(R4)であってよく、R1、R2、R3、およびR4は同じかまたは異なるものであり、一実施形態においては、これらはH、CH3、またはC25である。別の一実施形態においては、E5はHであり、この場合そのポリマーは「酸形態」にあると言われる。E5は、Ca++、およびAl+++などのイオンによって表されるような多価であってもよい。当業者には明らかなように、一般にMx+と表される多価対イオンの場合、対イオン1つ当たりのスルホネート官能基数が価数「x」と等しくなる。
一実施形態においては、FSAポリマーは、主鎖に結合した反復する側鎖を有するポリマー主鎖を含み、これらの側鎖は陽イオン交換基を有する。ポリマーには、ホモポリマー、または2つ以上のモノマーのコポリマーが含まれる。通常、コポリマーは、非官能性モノマーと、後にスルホネート官能基を加水分解できるフッ化スルホニル基(−SO2F)などの陽イオン交換基またはその前駆体を有する第2のモノマーとから形成される。たとえば、第1のフッ素化ビニルモノマーと、フッ化スルホニル基(−SO2F)を有する第2のフッ素化ビニルモノマーとのコポリマーを使用することができる。可能性のある第1のモノマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリジン(vinylidine fluoride)、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。TFEが好ましい第1のモノマーである。
別の実施形態においては、可能性のある第2のモノマーとしては、ポリマー中に所望の側鎖を提供することができるスルホネート官能基または前駆体基を有するフッ素化ビニルエーテルが挙げられる。希望するなら、エチレン、プロピレン、およびR−CH=CH2(式中のRは、1〜10個の炭素原子の過フッ素化アルキル基である)などの追加のモノマーを、これらのポリマー中に組み込むことができる。これらのポリマーは、本明細書においてランダムコポリマーと呼ばれる種類であってよく、すなわち、コモノマーの相対濃度が可能な限り一定に維持され、それによって、ポリマー鎖に沿ったモノマー単位の分布がそれらの相対濃度および相対反応性に従う重合によって製造されるコポリマーであってよい。重合の過程中にモノマーの相対濃度を変化させることによって製造される不規則性のより低いコポリマーを使用することもできる。(特許文献7)に開示されるものなどの、ブロックコポリマーと呼ばれる種類のポリマーを使用することもできる。
一実施形態においては、本発明組成物において使用されるFSAポリマーは、高フッ素化された、一実施形態においては過フッ素化された、炭素主鎖および以下の式で表される側鎖を含み、
−(O−CF2CFRf 3a−O−CF2CFRf 4SO35
式中、Rf 3およびRf 4は独立して、F、Cl、または1〜10個の炭素原子を有する過フッ素化アルキル基から選択され、a=0、1、または2であり、E5は、H、Li、Na、K、またはN(R1)(R2)(R3)(R4)であり、R1、R2、R3、およびR4は同じかまたは異なるものであり、一実施形態においてはこれらはH、CH3、またはC25である。別の一実施形態においてはE5はHである。前述したように、E5は多価であってもよい。
一実施形態においては、本発明のFSAポリマーとしては、たとえば、米国特許公報(特許文献2)、ならびに米国特許公報(特許文献8)および米国特許公報(特許文献9)に開示されているポリマーが挙げられる。好ましいFSAポリマーの一例は、パーフルオロカーボン主鎖および次式で表される側鎖を含み、
−O−CF2CF(CF3)−O−CF2CF2SO35
式中、Xは前出の定義の通りである。この種類のFSAポリマーは、米国特許公報(特許文献2)に開示されており、テトラフルオロエチレン(TFE)と、過フッ素化ビニルエーテルのCF2=CF−O−CF2CF(CF3)−O−CF2CF2SO2F(パーフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド)(PDMOF))との共重合の後、スルホニルフルオリド基の加水分解によってスルホネート基に変換し、必要に応じてイオン交換することによってそれらを所望のイオン形態に変換することによって製造することができる。米国特許公報(特許文献8)および米国特許公報(特許文献9)に開示されている種類のポリマーの一例は、側鎖−O−CF2CF2SO35を有し、式中のE5は前出の定義の通りである。このポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)と、過フッ素化ビニルエーテルのCF2=CF−O−CF2CF2SO2F(パーフルオロ(3−オキサ−4−ペンテンスルホニルフルオリド)(POPF))との共重合の後、加水分解し、さらに必要に応じてイオン交換することによって製造することができる。
一実施形態においては、本発明組成物において使用されるFSAポリマーは、通常、約33未満のイオン交換比を有する。本明細書において、「イオン交換比」または「IXR」は、陽イオン交換基に対するポリマー主鎖中の炭素原子数として定義される。約33未満の範囲内であれば、個別の用途に応じて希望通りにIXRを変動させることができる。一実施形態においてはIXRは約3〜約33であり、別の一実施形態においては約8〜約23である。
ポリマーの陽イオン交換能力は、多くの場合当量(EW)で表現される。本明細書の目的では、当量(EW)は、1当量の水酸化ナトリウムを中和するために必要となる、酸形態のポリマーの重量と定義される。ポリマーがパーフルオロカーボン主鎖を有し、側鎖が−O−CF2−CF(CF3)−O−CF2−CF2−SO3H(またはその塩)であるスルホネートポリマーの場合、約8〜約23のIXRに相当する当量範囲は約750EW〜約1500EWとなる。このポリマーのIXRは、式:50IXR+344=EWを使用して当量と関連づけることができる。米国特許公報(特許文献8)および米国特許公報(特許文献9)に開示されているスルホネートポリマー、たとえば側鎖−O−CF2CF2SO3H(またはその塩)を有するポリマーに対して同じIXR範囲が使用されると、陽イオン交換基を有するモノマー単位の分子量が低いため、その当量はある程度低くなる。約8〜約23の好ましいIXR範囲の場合、その対応する当量範囲は約575EW〜約1325EWとなる。このポリマーのIXRは、式:50IXR+178=EWを使用して当量と関連づけることができる。
FSAポリマーは、コロイド水性分散体として調製することができる。これらは、他の媒体中の分散体の形態であってもよく、そのような媒体の例としては、アルコール、テトラヒドロフランなどの水溶性エーテル、水溶性エーテルの混合物、およびそれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この分散体を製造する際、ポリマーは酸形態で使用することができる。米国特許公報(特許文献10)、米国特許公報(特許文献11)、および(特許文献12)には、水性アルコール性分散体の製造方法が開示されている。分散体を製造した後、濃度と分散させる液体の組成とを、当技術分野において周知の方法によって調整することができる。
FSAポリマーを含むコロイド形成性ポリマー酸の水性分散体は、典型的には、安定なコロイドが形成されるのであれば、可能な限り小さい粒度、および可能な限り小さいEWを有する。
FSAポリマーの水性分散体は、ナフィオン(Nafion)(登録商標)分散体として、本願特許出願人より市販されている。
本明細書において前述したポリマーの一部は、非酸形態、たとえば、塩、エステル、またはフッ化スルホニルとして形成することができる。後述するように、これらは、導電性組成物を調製するために酸形態に変換される。
(e.フッ素化酸ポリマーを有する導電性ポリマー組成物の調製)
本発明の導電性ポリマー組成物は、(i)フッ素化酸ポリマーの存在下で前駆体モノマーを重合させることによって、または(ii)本質的に導電性のコポリマーを最初に形成し、それをフッ素化酸ポリマーと混合することによって調製される。
((i)フッ素化酸ポリマーの存在下での前駆体モノマーの重合)
一実施形態においては、本発明の導電性コポリマー組成物は、フッ素化酸ポリマーの存在下での前駆体モノマーの酸化重合によって形成される。一実施形態においては、前駆体モノマーは、2つ以上の導電性前駆体モノマーを含む。一実施形態においては、これらのモノマーは、構造A−B−Cを有する中間前駆体モノマーを含み、式中、AおよびCは、同じかまたは異なっていてもよい導電性前駆体モノマーを表しており、Bは、非導電性前駆体モノマーを表している。一実施形態においては、この中間前駆体モノマーは、1つまたは複数の導電性前駆体モノマーとともに重合される。
一実施形態においては、上記の酸化重合は均一水溶液中で行われる。別の一実施形態においては、別の一実施形態においては、酸化重合は、水と有機溶剤とのエマルジョン中で行われる。一般に、酸化剤および/または触媒の適切な溶解性を得るために、ある程度の水が存在する。過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの酸化剤を使用することができる。塩化第二鉄、または硫酸第二鉄などの触媒も存在することができる。結果として得られる重合生成物は、フッ素化酸ポリマーと会合した導電性ポリマーの溶液、分散体、またはエマルジョンとなる。一実施形態においては、本来導電性ポリマーが正に帯電しており、フッ素化酸ポリマー陰イオンによって電荷のバランスがとられる。
一実施形態においては、本発明の導電性ポリマー組成物の水性分散体の製造方法は、前駆体モノマーと酸化剤との少なくとも一方が加えられるときに少なくとも一部のフッ素化酸ポリマーが存在するのであれば任意の順序で、水と、前駆体モノマーと、少なくとも1つのフッ素化酸ポリマーと、酸化剤とを混合することによって反応混合物を形成するステップを含む。
一実施形態においては、本発明の導電性ポリマー組成物の製造方法は:
(a)フッ素化酸ポリマーの水溶液または分散体を提供するステップと、
(b)ステップ(a)の溶液または分散体に酸化剤を加えるステップと、
(c)ステップ(b)の混合物に前駆体モノマーを加えるステップとを含む。
別の一実施形態においては、酸化剤を加える前に、フッ素化酸ポリマーの水溶液または分散体に前駆体モノマーが加えられる。これに続いて、酸化剤を加える前述のステップ(b)が行われる。
別の一実施形態においては、通常、約0.5重量%〜約4.0重量%の範囲内の全前駆体モノマーの濃度で、水と前駆体モノマーとの混合物が形成される。この前駆体モノマー混合物がフッ素化酸ポリマーの水溶液または分散体に加えられ、酸化剤を加える前述のステップ(b)が行われる。
別の一実施形態においては、上記水性重合混合物は、硫酸第二鉄、塩化第二鉄などの重合触媒を含むことができる。この触媒は、最終ステップの前に加えられる。別の一実施形態においては、触媒は酸化剤とともに加えられる。
一実施形態においては、重合は、水に対して混和性である共分散液体(co−dispersing liquid)の存在下で行われる。好適な共分散液体の例としては、エーテル、アルコール、アルコールエーテル、環状エーテル、ケトン、ニトリル、スルホキシド、アミド、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態においては、共分散液体はアルコールである。一実施形態においては、共分散液体は、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、およびそれらの混合物から選択される有機溶剤である。一般に、共分散液体の量は約60体積%未満とすべきである。一実施形態においては、共分散液体の量は約30体積%未満である。一実施形態においては、共分散液体の量は5〜50体積%の間である。重合中に共分散液体を使用することによって、粒度が顕著に減少し、分散体の濾過性が改善される。さらに、この方法によって得られた緩衝材料は、粘度の増加が見られ、これらの分散体から作製された膜は高品質となる。
共分散液体は、本発明の方法の任意の時点で反応混合物に加えることができる。
一実施形態においては、重合は、ブレンステッド酸である共酸(co−acid)の存在下で行われる。この酸は、HCl、硫酸などの無機酸、あるいは酢酸またはp−トルエンスルホン酸などの有機酸であってよい。あるいは、この酸は、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸などの水溶性ポリマー酸、または前述の第2のフッ素化酸ポリマーであってよい。複数の酸の組み合わせを使用することもできる。
共酸は、最後に加えられる酸化剤または前駆体モノマーのいずれかが加えられる前の、本発明の方法の任意の時点で反応混合物に加えることができる。一実施形態においては、共酸が加えられた後で、前駆体モノマーとフッ素化酸ポリマーとの両方が加えられ、最後に酸化剤が加えられる。一実施形態においては、共酸が加えられた後で、前駆体モノマーが加えられ、続いてフッ素化酸ポリマーが加えられ、最後に酸化剤が加えられる。
一実施形態においては、重合は、共分散液体と共酸との両方の存在下で行われる。
一実施形態においては、最初に、水と、アルコール共分散剤と、無機共酸との混合物を反応容器に投入する。これに、前駆体モノマー、フッ素化酸ポリマーの水溶液または分散体、および酸化剤をこの順序で加える。混合物を不安定化する可能性のある高イオン濃度局所領域の形成を防止するため、酸化剤はゆっくり滴下する。この混合物を撹拌し、次に、制御された温度において反応を進行させる。重合が完了してから、反応混合物を強酸陽イオン樹脂で処理し、撹拌し、濾過し、続いて、塩基性陰イオン交換樹脂で処理し、撹拌し、濾過する。前述したように、別の添加順序を使用することもできる。
本発明の導電性ポリマー組成物の製造方法において、酸化剤の全前駆体モノマーに対するモル比は、一般に0.1〜2.0の範囲内であり、一実施形態においては0.4〜1.5である。フッ素化酸ポリマーの全前駆体モノマーに対するモル比は、一般に0.2〜5の範囲内である。一実施形態においては、この比は1〜4の範囲内である。全体の固形分は、一般に、重量パーセントの単位で、約1.0%〜10%の範囲内であり、一実施形態においては約2%〜4.5%の範囲内である。反応温度は、一般に約4℃〜50℃の範囲内であり、一実施形態においては約20℃〜35℃の範囲内である。場合により使用される共酸の前駆体モノマーに対するモル比は約0.05〜4である。酸化剤の添加時間は粒度および粘度に影響を与える。したがって、添加速度を遅くすることによって粒度を減少させることができる。同時に、添加速度を遅くすることによって粘度は増加する。反応時間は、一般に約1〜約30時間の範囲内である。
((ii)本質的に導電性のポリマーとフッ素化酸ポリマーとの混合)
一実施形態においては、本質的に導電性のポリマーが、フッ素化酸ポリマーとは別に形成される。一実施形態においては、これらのポリマーは、対応するモノマーを水溶液中で酸化重合させることによって調製される。一実施形態においては、酸化重合は水溶性酸の存在下で行われる。一実施形態においては、この酸は、水溶性非フッ素化ポリマー酸である。一実施形態においては、この酸は、非フッ素化ポリマースルホン酸である。この酸の一部の非限定的な例は、ポリ(スチレンスルホン酸)(「PSSA」)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(「PAAMPSA」)、およびそれらの混合物である。酸化重合によって、正電荷を有するコポリマーが得られる場合、その酸の陰イオンが導電性ポリマーの対イオンとなる。この酸化重合は、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの酸化剤を使用して行われる。
本発明の導電性ポリマー組成物は、本質的に導電性のポリマーをフッ素化酸ポリマーとブレンドすることによって調製される。これは、本質的に導電性のポリマーの水性分散体を、ポリマー酸の分散体または溶液に加えることによって行うことができる。一実施形態においては、この組成物は、成分を確実に混合するために、超音波処理またはマイクロ流動化を使用してさらに処理される。
一実施形態においては、本質的に導電性のポリマーおよびフッ素化酸ポリマーの一方または両方が、固体の形態で分離される。この固体材料は、水中、あるいは他の成分の水溶液または分散体の中に再分散させることができる。たとえば、本質的に導電性のポリマーの固体を、フッ素化酸ポリマー水溶液または分散体の中に分散させることができる。
(iii)pH調整
合成された時点では、本発明の導電性コポリマー組成物の水性分散体は、一般に非常に低いpHを有する。一実施形態においては、デバイスの性質に悪影響を与えずに、pHをより高い値に調整される。一実施形態においては、分散体のpHは約1.5〜約4に調整される。一実施形態においては、pHは3〜4の間に調整される。pHは、イオン交換、または塩基性水溶液を使用した滴定などの周知の技術を使用して調整できることが分かっている。
一実施形態においては、重合反応の完了後、分解した化学種、副反応生成物、および未反応モノマーを除去するため、およびpHを調整するために、好適な条件下で、合成された状態の水性分散体を、少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させることによって、所望のpHを有する安定な水性分散体が生成される。一実施形態においては、合成された状態の水性分散体を、第1のイオン交換樹脂および第2のイオン交換樹脂と任意の順序で接触させる。合成された状態の水性分散体は、第1および第2のイオン交換樹脂の両方で同時に処理することもできるし、一方で処理した後に続いて他方で処理することもできる。
イオン交換は、流体媒体(水性分散体など)中のイオンが、流体媒体に対して不溶性である固定された固体粒子に結合した類似の荷電イオンと交換される可逆的な化学反応である。本明細書においては、あらゆるこのような物質を意味するために用語「イオン交換樹脂」が使用される。イオン交換基が結合するポリマー支持体が架橋性を有するため、この樹脂は不溶性となる。イオン交換樹脂は、陽イオン交換体または陰イオン交換体に分類される。陽イオン交換体は、交換に利用可能な正に帯電した可動イオンを有し、典型的には、プロトンまたはナトリウムイオンなどの金属イオンを有する。陰イオン交換体は、負に帯電した交換可能なイオンを有し、典型的には水酸化物イオンを有する。
一実施形態においては、第1のイオン交換樹脂は、プロトンイオンまたは金属イオンの形態、典型的にはナトリウムイオンの形態であってよい陽イオン酸交換樹脂である。第2のイオン交換樹脂は塩基性陰イオン交換樹脂である。プロトン交換樹脂などの酸性陽イオン交換樹脂と、塩基性陰イオン交換樹脂との両方が、本明細書に記載の方法の実施において使用が考慮されている。一実施形態においては、酸性陽イオン交換樹脂は、スルホン酸陽イオン交換樹脂などの無機酸陽イオン交換樹脂である。本明細書に記載の方法の実施において使用が考慮されるスルホン酸陽イオン交換樹脂としては、たとえば、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋スチレンポリマー、フェノール−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、ベンゼン−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、およびそれらの混合物が挙げられる。別の一実施形態においては、酸性陽イオン交換樹脂は、カルボン酸、アクリル、またはリンの陽イオン交換樹脂などの有機酸陽イオン交換樹脂である。さらに、異なる陽イオン交換樹脂の混合物を使用することができる。
別の一実施形態においては、塩基性陰イオン交換樹脂は、第3級アミン陰イオン交換樹脂である。本明細書に記載の方法の実施において使用が考慮される第3級アミン陰イオン交換樹脂としては、たとえば、第3級アミノ化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、第3級アミノ化架橋スチレンポリマー、第3級アミノ化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、第3級アミノ化ベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂、およびそれらの混合物が挙げられる。さらに別の一実施形態においては、塩基性陰イオン交換樹脂は、第4級アミン陰イオン交換樹脂、あるいはこれらおよびその他の交換樹脂の混合物である。
第1および第2のイオン交換樹脂は、合成された状態の水性分散体に、同時または連続のいずれかで接触させることができる。たとえば、一実施形態においては、両方の樹脂は、合成された状態の導電性コポリマーの水性分散体に同時に加えられ、少なくとも約1時間、たとえば約2時間〜約20時間の間、分散体との接触を維持する。次に、濾過することによって、イオン交換樹脂を分散体から除去することができる。フィルターのサイズは、比較的大きなイオン交換樹脂粒子が除去され、より小さな分散粒子は通過するように選択される。理論によって束縛しようと望むものではないが、イオン交換樹脂は、重合を停止させ、さらに、イオン性および非イオン性の不純物、ならびに大部分の未反応モノマーを合成された状態の水性分散体から効率的に除去すると考えられている。さらに塩基性の陰イオン交換樹脂および/または酸性の陽イオン交換樹脂は、酸性部位をより塩基性にするため、結果として分散体のpHが増加する。一般に、導電性ポリマー組成物1グラム当たり、約1〜5グラムのイオン交換樹脂が使用される。
多くの場合、塩基性イオン交換樹脂を使用することでpHを所望の値に調整することができる。場合によっては、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの溶液などの塩基性水溶液を使用して、pHをさらに調整することができる。
(3.第2および第3の層)
第2および第3の層の厳密な組成は、電子デバイスの意図された使用に依存しうる。
第2の層は、第1の層の表面エネルギーよりも高い表面エネルギーを有する層である。ある実施形態においては、第2の層は、40°未満の接触角でフェニルヘキサンでぬらすことができる表面エネルギーを有する。
一実施形態においては、第2の層は正孔輸送材料を含む。正孔輸送材料は、ポリマー、非ポリマー材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。このような材料の具体例は本明細書において後述する。
一実施形態においては、第3の層は光活性材料を含む。一実施形態においては、第3の層はエレクトロルミネッセンス材料を含む。このような材料の具体例は本明細書において後述する。
(4.方法)
第1の表面エネルギーを有する第1の層が形成される。
一実施形態においては、第1の層は、液体組成物からの液相堆積によって基体上に形成される。用語「基体」は、剛性または可撓性のいずれであってもよく、1つまたは複数の材料の1つまたは複数の層を含むことができる母材を意味することを意図している。基体材料としては、ガラス、ポリマー、金属、またはセラミック材料、あるいはそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。基体は、電子部品、回路、導電性部材、または他の材料の層を含む場合もあるし、含まない場合もある。
連続技術および不連続技術などのあらゆる周知の液相堆積技術を使用することができる。連続液相堆積技術としては、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、および連続ノズルコーティングが挙げられるが、これらに限定されるものではない。不連続液相堆積技術としては、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、およびスクリーン印刷が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態においては、第1の層は、pHが2を超える液体組成物から液相堆積することによって形成される。一実施形態においては、このpHが4を超える。一実施形態においては、このpHが6を超える。
第1の層の厚さは、意図する使用に望ましい厚さであってよい。一実施形態においては、第1の層の厚さは100nm〜200ミクロンの範囲内である。一実施形態においては、第1の層の厚さは50〜500nmの範囲内である。一実施形態においては、第1の層の厚さは50nm未満である。一実施形態においては、第1の層の厚さは10nm未満である。一実施形態においては、第1の層は、第2の層の厚さよりも大きい厚さを有する。
一実施形態においては、第1の層は、液体閉じ込め構造の上に適用される。完全な閉じ込めには不十分であるが、印刷した層の厚さの均一性は依然として調整可能となる構造を使用することが望ましい場合がある。この場合、厚さ調節構造の上のぬれを制御でき、閉じ込めおよび均一性の両方が得られることが望ましい場合がある。その後、発光インクの接触角を調節できることが望ましい。閉じ込めに使用される大部分の表面処理(たとえば、CF4プラズマ)では、このレベルの制御が行えない。
一実施形態においては、第1の層が、いわゆるバンク構造の上に適用される。バンク構造は、典型的にはフォトレジスト、有機材料(たとえば、ポリイミド)、または無機材料(酸化物、窒化物など)から形成される。バンク構造は、液体の形態の第1の層を閉じ込めて色の混合を防止するため、および/または液体の形態から乾燥するときの第1の層の厚さの均一性を改善するため、および/または下にある特徴を液体との接触から保護するために使用することができる。このような下にある特徴としては、導電性トレース、導電性トレース間の間隙、薄膜トランジスタ、電極などを挙げることができる。
第2の層は、第1の層の上に形成され、第1の表面エネルギーよりも高い表面エネルギーを有する。
一実施形態においては、第2の層は、液体組成物からの液相堆積によって第1の層上に直接形成される。
一実施形態においては、第2の層は、気相堆積によって第1の層上に形成される。スパッタリング、熱蒸着、化学蒸着などのあらゆる気相堆積技術を使用することができる。化学蒸着は、プラズマ化学蒸着(「PECVD」)または金属有機化学蒸着(「MOCVD」)として行うことができる。物理蒸着としては、イオンビームスパッタリングなどのスパッタリング、ならびにeビーム蒸発、および抵抗蒸発のあらゆる形態を挙げることができる。物理蒸着の具体的な形態としては、高周波マグネトロンスパッタリング、および誘導結合プラズマ物理蒸着(「IMP−PVD」)が挙げられる。これらの堆積技術は、半導体製造分野においては周知である。
第2の層の厚さは、1つの単層と同じ薄さであってよい。一実施形態においては、厚さは100nm〜200ミクロンの範囲内である。一実施形態においては、厚さ100nm未満である。一実施形態においては、厚さは10nm未満である。一実施形態においては、厚さは1nm未満である。
第2の層を形成した後、選択された部分を除去すると、第1の層の非被覆領域が得られる。
一実施形態においては、第2の層の選択された部分が、フォトレジスト技術を使用して除去される。フォトレジスト技術の使用は当技術分野において周知である。感光性材料の1つであるフォトレジストを、第2の層の表面全体の上に堆積する。このフォトレジストを活性化放射線に像様露光する。次にフォトレジストを現像して、露光部分または未露光部分のいずれかが除去される。ある実施形態においては、可溶性、膨潤性、または分散性がより高いフォトレジストの領域を除去するために溶媒で処理することによって現像が行われる。フォトレジストの領域を除去した後、これによって被覆されていない第2の層の領域が得られる。続いて、制御されたエッチングステップによって、第2の層のこれらの領域が除去される。ある実施形態においては、エッチングは、第2の層を除去するが下にある第1の層は除去しない溶媒を使用して行うことができる。ある実施形態においては、エッチングはプラズマで処理することによって行うことができる。続いて、通常は溶媒で処理することによって、残りのフォトレジストが除去される。
一実施形態においては、放射線で像様処理することによって、第2の層の選択された部分が除去される。用語「放射する」および「放射」は、このような放射が放射線、波、または粒子のいずれの形態であるかとは無関係に、あらゆる形態の熱、電磁スペクトル全体、または亜原子粒子などのあらゆる形態のエネルギーの適用を意味することを意図している。一実施形態においては、第2の層は熱不安定性材料を含み、赤外線で処理することによって一部が除去される。ある実施形態においては、レーザーによって赤外線が照射される。赤外ダイオードレーザーは周知であり、第2の層に像様露光するために使用することができる。一実施形態においては、第2の層の一部は、UV線に露光することによって除去することができる。
一実施形態においては、第2の層の選択された部分は、レーザーアブレーションによって除去される。一実施形態においては、エキシマレーザーが使用される。
一実施形態においては、第2の層の選択された部分は、ドライエッチングによって除去される。本明細書において使用される場合、用語「ドライエッチング」は、ガスを使用して行われるエッチングを意味する。ドライエッチングは、イオン化ガスを使用して行うこともできるし、イオン化ガスを使用せずに行うこともできる。一実施形態においては、少なくとも1つの酸素含有ガスが、使用されるガス中に存在する。代表的な酸素含有ガスとしては、O2、COF2、CO、O3、NO、N2O、およびそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つのハロゲン含有ガスを、少なくとも1つの酸素含有ガスとともに使用することもできる。ハロゲン含有ガスは、フッ素含有ガス、塩素含有ガス、臭素含有ガス、またはヨウ素含有ガス、およびそれらの混合物の任意の1つまたは複数を含むことができる。
続いて、第1の層の非被覆領域上に第3の層が適用される。第3の層は、あらゆる堆積技術によって適用することができる。一実施形態においては、第3の層は液相堆積技術によって適用される。ある実施形態においては、液体媒体中に溶解または分散させた第3の材料を含む液体組成物をパターン化された第2の層上に適用し、乾燥させることで第3の層が形成される。この液体組成物は、第1の層の表面エネルギーより高いが、第2の層の表面エネルギーとほぼ同じかそれ未満である表面エネルギーを有するように選択される。この液体組成物は、残存する領域中の第2の層をぬらすが、第2の層が除去された領域中の第1の層からはじかれる。この液体は、第1の層の領域上に広がることができるが、ぬらさない。このようにして、閉じ込められた第3の層が形成される。
一実施形態においては、第3の層は連続液相堆積技術を使用して適用される。一実施形態においては、第3の層は不連続液相堆積技術を使用して適用される。
第3の層の厚さは、意図する使用に望ましい厚さであってよい。一実施形態においては、第3の層の厚さは100nm〜200ミクロンの範囲内である。一実施形態においては、第3の層の厚さは50〜500nmの範囲内である。一実施形態においては、第3の層の厚さは50nm未満である。一実施形態においては、第3の層の厚さは10nm未満である。
(5.電子デバイス)
別の一実施形態においては、少なくとも一部の層が本明細書に記載の新規方法を使用して作製される電子デバイスを提供する。用語「電子デバイス」は、1つまたは複数の有機半導体層または有機半導体材料を含むデバイスを意味することを意図している。電子デバイスとしては:(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(たとえば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、ダイオードレーザー、または照明パネル)、(2)電子的方法を介して信号を検出するデバイス(たとえば、光検出器、光導電セル、フォトレジスタ、光スイッチ、光トランジスタ、光電管、赤外線(「IR」)検出器、またはバイオセンサー)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(たとえば、光起電力デバイスまたは太陽電池)、(4)1つまたは複数の有機半導体層を含む1つまたは複数の電子部品(たとえば、トランジスタまたはダイオード)を含むデバイス、あるいは項目(1)〜(4)中のデバイスのあらゆる組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の方法を、代表的な電子デバイスとして有機発光デバイス(「OLED」)における使用に関してさらに説明するが、本発明の方法がそのような使用に限定されるものではない。
OLEDの一例を図2に示す。OLEDは、2つの電気接触層の間に配置された少なくとも3つの有機活性層を含む。電子デバイス100は、アノード層110から光活性層140への正孔の注入を促進するための1つまたは複数の層120および130を含む。一般に、2つの層が存在する場合、アノードに隣接する層120は正孔注入層または緩衝層と呼ばれる。光活性層に隣接する層130は正孔輸送層と呼ばれる。場合により電子輸送層150が光活性層140とカソード層160との間に配置される。デバイス100の用途に依存するが、光活性層140は、印加電圧によって励起する発光層(発光ダイオード中または電気化学セル中など)、放射エネルギーに応答し、バイアス電圧の印加を使用してまたは使用せずに信号を発生する材料層(光検出器中など)であってよい。本発明のデバイスは、システム、駆動方法、および利用形態に関しては限定されない。
マルチカラーデバイスの場合、光活性層140は、少なくとも3つの異なる色の異なる領域で構成される。異なる色の領域は、別々の着色領域を印刷することによって形成することができる。あるいは、層全体を形成し、異なる色の発光材料を層の異なる領域にドープすることによって形成することができる。このような方法は、たとえば米国特許公報(特許文献13)に記載されている。
ある実施形態においては、本明細書に記載される新規方法は、正孔注入層(第1の層)を適用し、続いて正孔輸送層(第2の層)を適用し、続いて光活性層(第3の層)を適用するために使用することができる。光活性層の配置を閉じ込めるために正孔輸送層(第2の層)のパターン化が使用され、それによって異なる色のサブピクセル層が重なったり混合されたりしない。
一実施形態においては、アノード110は、平行なストライプのパターンで形成される。正孔注入層120(第1の層)および正孔輸送層130(第2の層)は、アノード110の上に連続層として形成される。少なくとも光活性層140(第3の層)の堆積が希望される領域が覆われた状態で維持されるようなパターンで、正孔輸送層120の領域が除去される。光活性層140(第3の層)を堆積するための液体組成物は、より高い表面エネルギーの正孔輸送材料をぬらすことができるが、より低い表面エネルギーの正孔注入層120が覆われていない領域には広がらずに残存する。
デバイス中の他の層は、そのような層が果たすべき機能を考慮することによってそのような層に有用であることが知られているあらゆる材料でできていてよい。本発明のデバイスは、アノード層110またはカソード層150に隣接することができる支持体または基体(図示せず)を含むことができる。ほとんどの場合、支持体はアノード層110に隣接している。支持体は、可撓性の場合も剛性の場合もあるし、有機の場合も無機の場合もある。一般に、ガラスまたは可撓性有機フィルムが支持体として使用される。アノード層110は、カソード層160よりも正孔の注入が効率的な電極である。アノードは、金属、混合金属、合金、金属酸化物、または混合酸化物を含有する材料を含むことができる。好適な材料としては、2族元素(すなわち、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)の混合酸化物、11族元素、4族、5族、および6族の元素、ならびに8〜10族の遷移元素が挙げられる。アノード層110を光透過性にするためには、インジウム・スズ酸化物などの12族、13族、および14族の元素の混合酸化物を使用することができる。本明細書において使用される場合、語句「混合酸化物」は、2族元素、あるいは12族、13族、または14族の元素から選択される2つ以上の異なる陽イオンを有する酸化物を意味する。アノード層110の材料の一部の非限定的な具体例としては、インジウム・スズ酸化物(「ITO」)、インジウム・亜鉛酸化物、アルミニウム・スズ酸化物、金、銀、銅、およびニッケルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。アノードは、ポリアニリン、ポリチオフェン、またはポリピロールなどの有機材料を含むこともできる。
アノード層110は、化学蒸着法または物理蒸着法、あるいはスピンキャスト法によって形成することができる。化学蒸着は、プラズマ化学蒸着(「PECVD」)または金属有機化学蒸着(「MOCVD」)として行うことができる。物理蒸着としては、イオンビームスパッタリングなどのスパッタリング、ならびにeビーム蒸発、および抵抗蒸発のあらゆる形態を挙げることができる。物理蒸着の具体的な形態としては、高周波マグネトロンスパッタリング、および誘導結合プラズマ物理蒸着(「IMP−PVD」)が挙げられる。これらの堆積技術は、半導体製造分野においては周知である。
通常、アノード層110は、リソグラフィ作業中にパターン化される。このパターンは、希望に応じて変更することができる。これらの層は、第1の電気接触層材料を適用する前に、第1の可撓性複合バリア構造上にパターンニングされたマスクまたはレジストを配置することなどによってパターンを形成することができる。あるいは、これらの層は、全体の層として適用することができ(ブランケット堆積とも呼ばれる)、続いて、たとえば、パターン化されたレジスト層と湿式化学エッチングまたはドライエッチング技術とを使用してパターン化することができる。当技術分野において周知の他のパターニング方法を使用することもできる。電子デバイスがアレイ内に配置される場合、典型的にはアノード層110は、実質的に同方向に延在する長さを有する実質的に平行なストリップに成形される。
正孔注入層120は、光活性層中への正孔の注入を促進し、デバイス中の短絡を防止するためにアノード表面を滑らかにする機能を果たす。この層は、本明細書において前述したように、導電性材料とフッ素化酸ポリマーとを含む組成物から作製される。一実施形態においては、正孔注入層120は、導電性ポリマーとコロイド形成性ポリマー酸との分散体から作製される。このような材料は、たとえば、米国特許公報(特許文献14)および米国特許公報(特許文献15)に記載されている。
正孔注入層120はあらゆる堆積技術によって適用することができる。一実施形態においては、この緩衝層は、前述のような溶液堆積法によって適用される。一実施形態においては、この緩衝層は連続溶液堆積法によって適用される。
任意選択の層130の正孔輸送材料の例は、たとえば、(非特許文献11)にまとめられている。正孔輸送分子および正孔輸送ポリマーの両方を使用することができる。一般に使用される正孔輸送分子としては:4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(TDATA);4,4’,4”−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(MTDATA);N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD);1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC);N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD);テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA);α−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS);p−(ジエチルアミノ)−ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH);トリフェニルアミン(TPA);ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP);1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP);1,2−trans−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB);N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB);N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス−(フェニル)ベンジジン(α−NPB);および銅フタロシアニンなどのポルフィリン系化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。一般に使用される正孔輸送ポリマーとしては、限定するものではないが、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、ポリ(ジオキシチオフェン)、ポリアニリン、およびポリピロールが挙げられ、このようなポリマーは、フッ素化材料がドープされたり混合されたりはしない。ポリスチレンやポリカーボネートなどのポリマー中に上述のものなどの正孔輸送分子をドープすることによって正孔輸送ポリマーを得ることもできる。ある実施形態においては、正孔輸送材料は、架橋性のオリゴマー材料またはポリマー材料を含む。正孔輸送層を形成した後、材料を放射線で処理することで架橋させる。ある実施形態においては、放射線が熱放射である。
正孔輸送層130は、あらゆる堆積技術によって適用することができる。一実施形態においては、正孔輸送層は、前述のような溶液堆積法によって適用される。一実施形態においては、正孔輸送層は連続溶液堆積法によって適用される。一実施形態においては、正孔輸送層は気相堆積によって適用される。
限定するものではないが、小分子有機蛍光化合物、蛍光性およびリン光性の金属錯体、共役ポリマー、およびそれらの混合物などのあらゆる有機エレクトロルミネッセンス(「EL」)材料を、光活性層140中に使用することができる。蛍光化合物の例としては、ピレン、ペリレン、ルブレン、クマリン、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。金属錯体の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq3)などの金属キレート化オキシノイド化合物、ペトロフ(Petrov)らの米国特許公報(特許文献16)、ならびに(特許文献17)および(特許文献18)に開示されるような、フェニルピリジン配位子、フェニルキノリン配位子、またはフェニルピリミジン配位子を有するイリジウムの錯体などのシクロメタレート化イリジウムおよび白金エレクトロルミネッセンス化合物、ならびに、たとえば、(特許文献19)、(特許文献20)、および(特許文献21)に記載されているような有機金属錯体、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。電荷輸送ホスト材料と金属錯体とを含むエレクトロルミネッセンス発光層が、トンプソン(Thompson)らによる米国特許公報(特許文献22)、ならびにバローズ(Burrows)およびトンプソン(Thompson)による(特許文献23)および(特許文献24)に記載されている。共役ポリマーの例としては、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリ(スピロビフルオレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光活性層140は、あらゆる堆積技術によって適用することができる。一実施形態においては、光活性層は、前述のような溶液堆積法によって。一実施形態においては、光活性層は連続溶液堆積法によって適用される。
任意選択の層150は、電子の注入/輸送の両方を促進する機能を果たす場合もあるし、層界面における消光反応を防止する閉じ込め層として機能する場合もある。より具体的には、層150は、電子の移動を促進し、この層がなければ層140および160が直接接触する場合の消光反応の可能性を減少させることができる。任意選択の層150の材料の例としては、金属キレート化オキシノイド化合物(たとえば、Alq3など);フェナントロリン系化合物(たとえば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DDPA」)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DPA」)など);アゾール化合物(たとえば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(「PBD」など)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(「TAZ」など);他の類似の化合物;ならびにそれらの1つまたは複数のあらゆる組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。あるいは、任意選択の層150は無機であってよく、BaO、LiF、Li2Oなどを含むことができる。
カソード層160は、電子または負電荷キャリアの注入に特に有効な電極である。カソード層160は、第1の電気接触層(この場合、アノード層110)よりも低い仕事関数を有するあらゆる金属または非金属であってよい。一実施形態においては、用語「低い仕事関数」は、約4.4eV以下の仕事関数を有する材料を意味することを意図している。一実施形態においては、「高い仕事関数」は、少なくとも約4.4eVの仕事関数を有する材料を意味することを意図している。
カソード層の材料は、1族のアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Rb、Cs,)、2族金属(たとえば、Mg、Ca、Baなど)、12族金属、ランタニド(たとえば、Ce、Sm、Euなど)、およびアクチニド(たとえば、Th、Uなど)から選択することができる。アルミニウム、インジウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせなどの材料を使用することもできる。カソード層160の材料の非限定的な具体例としては、バリウム、リチウム、セリウム、セシウム、ユウロピウム、ルビジウム、イットリウム、マグネシウム、サマリウム、ならびにそれらの合金および組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
通常、カソード層160は、化学蒸着法または物理蒸着法によって形成される。
別の実施形態においては、追加層が有機電子デバイス内に存在することができる。
各構成層の材料の選択は、デバイスの稼働寿命を考慮して高いデバイス効率を有するデバイスを得ること、製造時間、および複雑な要因、ならびに当業者に認識されている他の問題点の目標の釣り合いを取ることによって、好ましくは決定される。最適な構成要素、構成要素の構成、および組成の決定は、当業者の日常的な作業であることは理解できるであろう。
一実施形態においては、種々の層は以下の範囲の厚さを有する:アノード110は、500〜5000Å、一実施形態においては1000〜2000Å、緩衝二重層120は、100〜4000Å、その中の正孔注入層122は、50〜2000Å、一実施形態においては200〜1000Å、および正孔輸送層124は、50〜2000Å、一実施形態においては200〜1000Å;光活性層130は、10〜2000Å、一実施形態においては100〜1000Å;任意選択の電子輸送層140は、50〜2000Å、一実施形態においては100〜1000Å;カソード150は、200〜10000Å、一実施形態においては300〜5000Å。デバイス中の電子−正孔再結合ゾーンの位置、したがってデバイスの発光スペクトルは、各層の相対厚さによって影響されうる。たとえば、電子−正孔再結合ゾーンが発光層中に存在するように、電子輸送層の厚さを選択すべきである。層の厚さの望ましい比は、使用される材料の厳密な性質に依存する。
動作中、適切な電源(図示せず)からの電圧がデバイス100に印加される。それによって、デバイス100の層に電流が流れる。電子が有機ポリマー層に入り、フォトンを放出する。アクティブマトリックスOLEDディスプレイと呼ばれる一部のOLEDでは、光活性有機フィルムの個別の堆積物を、電流の流れによって独立に励起させることができ、それによって個別のピクセルを発光させることができる。パッシブマトリックスOLEDディスプレイと呼ばれる一部のOLEDでは、光活性有機フィルムの堆積物は、電気接触層の横列および縦列によって励起させることができる。
本明細書に記載される概念を以下の実施例でさらに説明するが、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されるものではない。
(フィルム試料作製およびケルビンプローブ測定の一般手順)
ケルビンプローブ測定のフィルム試料は、実施例および比較例に示される水性分散体またはポリマー溶液を30mm×30mmのガラス/ITO基体上にスピンコーティングすることによって作製した。二重層フィルム試料の場合、最初に水性分散体をITO基体上にスピンコーティングした後、正孔輸送ポリマー溶液をトップコーティングした。ITO/ガラス基体は、100〜150nmのITO厚さを有する中心部における15mm×20mmのITO領域からなる。15mm×20mmのITO領域のコーナーの1つにおいて、ガラス/ITOの縁端部に延在するITOフィルム表面は、ケルビンプローブ電極との電気接点として機能する。スピンコーティングの前に、ITO/ガラス基体を清浄にし、続いてそのITO側を、0.3Torrおよび300ワットにおいて酸素/プラズマで15分間処理、またはUV−オゾンで10分間処理する。スピンコーティング後、延在するITOフィルムのコーナー上に堆積した材料は、水またはトルエンのいずれかでぬらしたQチップ(Q−tip)を使用して除去した。露出したITOパッドは、ケルビンプローブ電極と接触させるために使用した。次に、堆積したフィルムは、実施例および比較例に示すように焼き付けした。次に、測定前に、焼き付けしたフィルム試料を、窒素をあふれさせたガラス瓶上に置いた後、蓋を閉めた。
仕事関数、またはエネルギーポテンシャルの測定の場合、試料の測定の前に、基準として周囲雰囲気でエージングした金フィルムの測定を最初に行った。フィルムと同じ大きさのガラス片上の金フィルムを、正方形の鋼製容器の底部に切り取られた空隙の中に入れた。この空隙側には、試料片をしっかりと固定するために4つの保持クリップが存在する。1つの保持クリップには、ケルビンプローブとの接触を形成するための電線が取り付けられる。金フィルムは上向きに配置し、鋼製蓋の中央から突出するケルビンプローブチップを、金フィルム表面の中央の上まで下げた。次に、4つのコーナーにおいて、正方形の鋼製容器上で蓋をしっかりと閉めた。正方形の鋼製容器の側面の孔に、ケルビンプローブセルに窒素を連続的に流すためのチューブを接続し、窒素出口には、周囲圧力を維持するための鋼製針が挿入されている隔壁を有するキャップを取り付けた。次にプローブの設定をそのプローブに最適化させ、チップの高さだけは測定全体で変化させた。以下のパラメータを有するマカリスターKP6500ケルビンプローブメータ(McAllister KP6500 Kelvin Probe meter)にケルビンプローブを接続した:1)振動数:230;2)振幅:20;3)DCオフセット:試料ごとに変動;4)バッキング電位(backing potential)上限:2ボルト;5)バッキング電位下限:−2ボルト;6)走査速度:1;7)トリガー遅延:0;8)取得(A)/データ(D)点:1024;9)A/D比率:19.0サイクルにおいて12405;10)D/A:遅延:200;11)セットポイント勾配:0.2;12)ステップサイズ:0.001;13)最大勾配偏移(maximum gradient deviation):0.001。トラッキング勾配(tracking gradient)が安定した直後に、金フィルム間の接触電位差(「CPD」)をボルトの単位で記録した。次に、この金のCPDを使用して、プローブチップの基準を(4.7−CPD)eVとした。この4.7eV(電子ボルト)は、周囲雰囲気でエージングした金フィルム表面の仕事関数である[(非特許文献12)]。金のCPDを定期的に測定しながら、試料のCPDを測定した。金フィルム試料と同じ方法で、4つの保持クリップで各試料を空隙内に取り付けた。試料と電気接触を形成する保持クリップが、1つのコーナーで露出したITOパッドと良好な電気接触が形成されるように注意を払った。CPD測定中、プローブチップを乱さないようにしながら、少量の窒素をセル内に連続的に流した。試料のCPDを記録した後、試料のCPDを4.7eVと金のCPDとの差に加えることによって、試料のエネルギーポテンシャルを計算した。
概要または実施例において前述したすべての行為が必要なわけではなく、特定の行為の一部は不要である場合があり、1つまたは複数のさらに別の行為が、前述の行為に加えて実施される場合があることに留意されたい。さらに、行為が列挙されている順序は、必ずしもそれらが実施される順序ではない。
以上の明細書において、具体的な実施形態を参照しながら本発明の概念を説明してきた。しかし、当業者であれば、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに種々の修正および変更を行えることが理解できよう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく説明的なものであると見なすべきであり、すべてのこのような修正は本発明の範囲内に含まれることを意図している。
特定の実施形態に関して、利益、その他の利点、および問題に対する解決法を以上に記載してきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、なんらかの利益、利点、または解決法を発生させたり、より顕著にしたりすることがある、あらゆる特徴が、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要、必要、または本質的な特徴であるとして解釈すべきではない。
本明細書において明記される種々の範囲内の数値が使用される場合、記載の範囲内の最小値および最大値の両方の前に単語「約」が付けられているかのように近似値として記載されている。この方法では、記載の範囲よりもわずかに上およびわずかに下のばらつきを使用して、その範囲内の値の場合と実質的に同じ結果を得ることができる。また、これらの範囲の開示は、ある値の一部の成分を異なる値の一部の成分と混合した場合に生じうる分数値を含めて、最小平均値と最大平均値との間のすべての値を含む連続した範囲であることを意図している。さらに、より広い範囲およびより狭い範囲が開示される場合、ある範囲の最小値を別の範囲の最大値と一致させること、およびその逆のことが本発明の意図の範囲内となる。
別々の実施形態の状況において、明確にするために本明細書に記載されている特定の複数の特徴は、1つの実施形態の中で組み合わせても提供できることを理解されたい。逆に、簡潔にするため1つの実施形態の状況において説明した種々の特徴も、別々に提供したり、あらゆる副次的な組み合わせで提供したりすることができる。

Claims (17)

  1. 有機電子デバイスの形成方法であって、
    導電性材料とフッ素化酸ポリマーとを含む第1の層を形成するステップであって、前記第1の層が第1の表面エネルギーを有するステップと、
    前記第1の層の上に第2の層を形成するステップであって、前記第2の層が、前記第1の表面エネルギーよりも高い第2の表面エネルギーを有するステップと、
    前記第2の層の選択された部分を除去して、前記第1の層の非被覆領域を得るステップと、
    前記第1の層の前記非被覆領域上に第3の層を形成するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記第1の層が5.2eVを超える仕事関数を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の層は5.2eVを超える仕事関数を有する正孔注入層であり、前記第2の層は正孔輸送層であり、前記第3の層は光活性層であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の層は、少なくとも1つのフッ素化酸ポリマーがドープされた少なくとも1つの導電性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記導電性ポリマーは、ポリチオフェン、ポリセレノフェン、ポリ(テルロフェン)、ポリピロール、ポリアニリン、多環式芳香族ポリマー、およびそれらのコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記フッ素化酸ポリマーが、過フッ素化炭素主鎖および次式、
    −(O−CF2CFRf 3a−O−CF2CFRf 4SO35
    (式中、Rf 3およびRf 4は独立に、F、Cl、および1〜10個の炭素原子を有する過フッ素化アルキル基から選択され、a=0、1、または2であり、E5はHである)
    で表される側鎖を有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  7. 前記第1の層が、無機酸化物、導電性ポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される導電性材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記導電性ポリマーが少なくとも1つのフッ素化酸ポリマーでドープされていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記導電性ポリマーがフッ素化酸ポリマーと混合されていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 前記導電性ポリマーが少なくとも1つの非フッ素化酸ポリマーでもドープされていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記酸ポリマーがフッ素化オレフィン主鎖を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  12. 前記第2の層が架橋性であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 前記フッ素化酸ポリマーがコロイド形成性酸であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 前記酸ポリマーがFSAポリマーであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記第2の層が、ポリマー材料、非ポリマー材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される正孔輸送材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記第3の層が光活性材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 前記第3の層がエレクトロルミネッセンス材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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