JP2009536795A - ノイズリダクションを持つ無線周波数信号の受信及び/又は送信用の装置 - Google Patents

ノイズリダクションを持つ無線周波数信号の受信及び/又は送信用の装置 Download PDF

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Abstract

無線周波数信号の受信及び/又は送信用の装置は、無線周波数信号を捕捉するか、あるいは送信するアンテナ(8)、バンドパスフィルタ(9)、フィルタリングされた信号を増幅する少なくとも1つの低ノイズ増幅器(11)、第1の高周波信号(SVCO)を発生させる発振段(1)、上記第1の高周波信号の周波数をM(ここで、Mは1よりも大きい整数である)で分周して、第2の高周波信号(SD)を発生させる少なくとも1つの周波数分周器(14)、フィルタリングされ、かつ増幅された無線周波数信号(SR)を、上記第1の高周波信号(SVCO)と混合する少なくとも1つの第1のミクサユニット(12)、及び、上記第1のミクサユニットにより供給された中間信号を、上記第2の高周波信号と混合して、ベースバンド信号(IR,QR)を作り出す少なくとも1つの第2のミクサユニット(13)を含む。周波数が、上記バンドパスフィルタの周波数帯外にあって、かつ、1と2の間の係数M/N(ここで、Nは1よりも大きい整数である)だけ受信した無線周波数信号の周波数より高い周波数である第1の高周波信号(SVCO)を発生させるように発振段(1)が構成されている。

Description

本発明は、ノイズリダクションを持つ無線周波数信号の受信及び/又は送信用の小電力装置に関する。この装置では、受信した無線周波数信号の周波数を下げるか、あるいは、送信されるベースバンド信号の周波数を上げるために、デュアル周波数コンバージョン(dual frequency conversion)が実行される。こうするために、この装置は、無線周波数信号の受信又は送信用のアンテナに接続されたバンドパスフィルタ、受信信号又は送信信号を増幅するための少なくとも1つの低ノイズ増幅器、及び発生した高周波信号を用いて発振段と分周器要素によりデュアル周波数コンバージョンを実行する第1のミクサユニットと第2のミクサユニットを含む。
この受信した無線周波数信号をベースバンド周波数まで下げるデュアル周波数コンバージョンが、一般的に必要である。これは、無線周波数信号を受信又は送信するときに、シングル周波数コンバージョン(single frequency conversion)の場合のいくつかの障害の問題を回避する。
米国特許出願第2005/0017887号は、デュアル周波数コンバージョンを実行して、一本のアンテナを用いて受信された無線周波数信号の周波数をベースバンド周波数まで下げることのできるまさに上記の無線周波数信号の受信及び送信用の装置を開示している。デュアル周波数コンバージョンはまた、同一アンテナにより送信される無線周波数信号を、ベースバンド信号に基づいて発生させるためにも実行される。
シングル周波数コンバージョンでは、上記発振段により発生して、上記ミクサユニットに供給される高周波信号は、その無線周波数信号の周波数にほぼ等しい周波数を持たなければならない。これらの無線周波数信号の周波数に、高調波周波数の障害信号が生じることがある。このミクサユニットの分離が制限されるから、これらの高周波信号の逆障害放射(reverse disturbance radiation)が、無線周波数信号の受信モードにおいてアンテナの方向に発生することがある。したがって、この無線周波数信号の周波数に等しい周波数の上記逆障害放射は、入力バンドパスフィルタでもフィルタリングされない。さらに、送信モードにおいて、上記発振段からの高周波信号に相当する周波数で生じる無線周波数信号が、この発振段に影響を及ぼしかねない。これらの送信無線周波数信号からの放射のために、発振段の電圧制御発振器は、所望の値よりも高い周波数の高周波信号を発生させがちである。
無線周波数信号の受信/送信装置での周波数変換中に、ノイズの問題が認められ、その問題が、一方では上記の増幅器及びミクサユニットと結びついており、また、他方では周波数変換中のイメージ周波数と結びついている。このイメージ周波数は、特に高周波数から低周波数への変換中に、有効なデータ信号を妨害して、それらの有効なデータ信号を、捕捉された無線周波数信号から除去しがちである。このミクサユニットの出力部におけるイメージ周波数信号のゲインは、一般に、上記の有効なデータ信号のゲインよりも大きく、これは、捕捉された無線周波数信号に含まれる情報の処理を複雑にすることがある。
特に、捕捉された無線周波数信号の周波数変換中にノイズの一部を低減させるために、無線周波数信号の受信及び/又は送信用の装置のいくつかの実施形態が、以前にすでに提案されている。この点に関しては、周波数が2GHzと5GHzに等しい無線周波数信号を、2つのフィルタ・アンテナを使用して受信し送信するこの種の装置を開示している国際特許出願第03/009483号を引用できる。デュアル周波数コンバージョンの動作中に、上記ミクサユニットの1つに対して特定のアークテクチュアを実装して、これらの変換された信号のイメージ周波数を除去する。電圧制御発振器は、周波数が2GHz〜5GHzである第1の高周波信号を発生させて、第1の周波数変換後に、その中間周波数信号が1.5GHzに近づくように構成されている。
国際特許出願第03/009483号に提案されるこのソリューションは、イメージ周波数の障害信号を除去するか、あるいは減衰させるために、この種の無線周波数信号の受信及び/又は送信用の装置の構造をさらに複雑にする。第1の高周波信号の周波数は、捕捉又は送信される2つの無線周波数信号の周波数の範囲内にだけあるように決められる。この種の無線周波数信号の受信及び/又は送信用の装置は、多量の電気エネルギーを消費する。その結果、この装置は、電池、すなわち電気エネルギー蓄積装置から給電される小型携帯用機器には適合できない。
前の特許文書と同様に、特開平05−244032号公報は、デュアルバンド周波数を持つ無線周波数信号の通信装置を開示している。無線周波数信号を受信するために、この装置は、第1のバンドパスフィルタ(810MHz〜826MHz)と第2のバンドパスフィルタ(1501MHz〜1513MHz)を含む。これらのバンドパスフィルタは、周波数が第1のバンドパスフィルタの周波数帯内にあるか、あるいは第2のバンドパスフィルタの周波数帯内にある無線周波数信号をフィルタリングするために、同一の受信アンテナに接続されている。これらの受信され、かつフィルタリングされた無線周波数信号の第1の周波数変換は、第1のバンドパスフィルタ又は第2のバンドパスフィルタでフィルタリングされた信号の周波数間の平均値に周波数が近いような第1の高周波信号を用いて、第1のミクサユニットによって実行される。このようにして、これらの中間信号の周波数は、344MHzに近い値のものである。
特開平05−244032号公報において提案されるソリューションはまた、特にいくつかのバンドパスフィルタを使用することで、この通信装置の構造を非常に複雑にしている。この通信装置は、そのイメージ周波数と結びついているノイズを低減させるソリューションをまったくもたらさない。これらの受信され、かつフィルタリングされた無線周波数信号と混合される第1の高周波信号の周波数値を選択するだけで、第1のミクサの出力部の中間信号の周波数がつねに同一となるようにする。その結果、このイメージ周波数と結びついているノイズを単に低減させるだけの特定の手段はまったく与えられない。さらに、この種の通信装置は、多量の電気エネルギーを使い、したがって、電池、すなわち電気エネルギー蓄積装置から給電される小型携帯用機器には適合できない。
したがって、本発明の主目的は、従来技術の前述の欠点を克服するために、主として上記変換信号のイメージ周波数と結びついているノイズを容易に低減させる単純設計の無線周波数信号の受信及び/又は送信用の小電力装置を提供することである。さらに、スペースを節約するために、この単純構造の装置の要素をできる限り多く単一の集積回路に組み入れることができなければならない。
それゆえ、本発明は、発振段が第1の高周波信号を発生させるように構成されており、その周波数は、上記バンドパスフィルタの周波数帯外にあって、かつ、受信した無線周波数信号の周波数より1と2の間である係数M/N(ここで、Nは1よりも大きい整数である)だけ高い周波数であることを特徴とする前述の無線周波数信号の受信及び/又は送信用の小電力装置にかかわる。
本発明による無線周波数信号の受信及び/又は送信用の小電力装置の一利点は、周波数が、受信した無線周波数信号の周波数により決まった係数だけ高い周波数である第1の高周波信号を発生させることにより、第1のミクサユニットの入力部におけるイメージ周波数により発生するノイズの大幅な低減が得られるという事実にある。このようにして、後の復調動作を容易ならしめるために、これらの有効な信号への障害を少なくする。
好ましくは、第1の高周波信号の周波数は、捕捉された無線周波数信号の周波数に4/3の係数だけ高い周波数である。したがって、第1の周波数変換後、得られた中間信号は、無線周波数信号の周波数の値の1/3の周波数を持っている。このことは、第1の高周波信号の周波数に対して、周波数が4で分周される第2の高周波信号を用いれば、第2の周波数変換を容易に実行できることを意味している。したがって、2つの周波数変換動作の後で、ベースバンド信号、すなわちキャリア周波数が0に近いものが得られ、それにより、単純構造が用いられ、しかも、このイメージ周波数と結びついているノイズも大幅に低減される。
有利には、無線周波数信号の受信及び/又は送信用の小電力装置の構造は、特定のシールドをまったく用いないで、部品の数を減らして実現される。この小電力装置の大部分は、例えば0.25μmのCMOS技術で作られた単一の集積回路に容易に組み入れることができる。その結果、上記バンドパスフィルタと、上記発振段用の水晶振動子を除き、他の要素のすべてが、この集積回路に組み入れられる。しかしながら、第1のミクサユニットの前にある組み入れられた低ノイズ増幅器は、このイメージ周波数の原因の1つであるから、したがって、上記発振段が、無線周波数信号の周波数よりも高い周波数にて高周波信号を発生させることは得策である。
この無線周波数信号の受信及び/又は送信用の小電力装置の目的、利点、特徴は、以下の図面で示される実施形態の下記説明を読めば、さらに明らかになろう。
以下の説明において、この技術分野の当業者にはよく知られている無線周波数信号を受信及び/又は送信する小電力装置の要素は、簡略化したやり方でのみ関係づけられている。この小電力装置は、例えば電気通信システムにおける携帯電話など、様々な用途に使用されるか、あるいは、ナビゲーション操作用にGPSタイプの信号を受信するためにも、使用されるであろう。
図1は、本発明による無線周波数信号の受信及び/又は送信用の装置を、簡略化したやり方で示しており、特に、捕捉されるか、あるいは送信された信号への周波数変換動作用のための入力段を例示している。上記装置は、まず第1に、無線周波数信号を受信又は送信するアンテナ8と、低ノイズ増幅器(図示されてない)が先行するバンドパスフィルタ9とを含む。バンドパスフィルタ9は、選択SAW(表面弾性波)型のバンドパスフィルタである。バンドパスフィルタ9は、スイッチ要素10に直結されており、スイッチ要素10を制御して、図1に示されるように、この装置を無線周波数信号の受信モードに切り替えるか、あるいは、無線周波数信号ST送信モードに切り替えることができる。
無線周波数信号を受信するために、この装置はまた、スイッチ要素10の後に、バンドパスフィルタ9でフィルタリングされた無線周波数信号を増幅する低ノイズ増幅器LNA11と、第1の周波数変換動作を実行する第1のミクサユニット12とを含む。フィルタリングされ、かつ増幅された信号SRは、第1のミクサユニット12において、発振段1により発生した第1の高周波信号SVCOと混合される。こうして第1のミクサユニット12で作り出された中間信号SINRは、主として、フィルタリングされた無線周波数信号SRのキャリア周波数と、第1の高周波信号SVCOの周波数との差に周波数が等しい信号である。
もちろん、本発明により、第1のミクサユニット12の入力部において、一部、低ノイズ増幅器11に起因するイメージ周波数に関するノイズを低減させるために、発振段1は、フィルタリングされ、かつ増幅された無線周波数信号SRのキャリア周波数よりM/Nの係数だけ高い周波数となるように周波数が決められている第1の高周波信号SVCOを発生させるように構成されている。NとMは整数であり、その場合、係数M/Nが1と2の間となるように、MがNよりも大きいが、ただし2Nよりも小さい。数値Mは、好ましくは2の倍数である。第1の高周波信号の周波数はまた、入力バンドパスフィルタ9の周波数範囲外になければならない。これは、ミクサユニット12では分離が限られているから、受信モードにおいて、入力バンドパスフィルタ9とアンテナを通した高周波信号放射がないようにしている。
この装置の好ましい実施形態により、発振段1は、フィルタリングされ、かつ増幅された信号SRの周波数の4/3に周波数がほぼ等しい第1の高周波信号を発生させるように構成されている。このようにして、第2の周波数変換動作では、第1の高周波信号に基づいて、単純設計のマスタースレーブ分周器14、例えば4の分周器を用いて、第2の高周波同相・直交信号SDを発生させることが可能である。
図2は、第1のミクサユニットの入力部においてイメージ周波数に関係したノイズの影響を少なくするために、受信した無線周波数信号の周波数よりも高い周波数にて第1の高周波信号を発生させるという利点を充分に示している。本発明により、この第1のミクサユニットの入力部において、一部低ノイズ増幅器に起因するイメージ周波数の値は、これらの第1の高周波信号の周波数が受信した無線周波数信号の周波数の4/3に固定されているときに、これらの受信した無線周波数信号の周波数fRの5/3である。しかしながら、これらの第1の高周波信号の周波数が、従来のように、受信した無線周波数信号の周波数の2/3に固定されているときには、この第1のミクサユニットの出力部におけるイメージ周波数の値は、これらの受信した無線周波数信号の周波数fRの1/3である。その結果、本発明により、これらのイメージ周波数信号のゲインとノイズレベルは、捕捉された無線周波数信号の周波数よりも周波数が低い第1の高周波信号を用いる従来のソリューションのものよりもさらに小さいことに留意されよう。
従来のソリューションでは、このイメージ周波数に関する有害ノイズは、4.5dB程度であるが、しかるに、本発明により、この有害ノイズはほんの1.5dBにすぎない。したがって、低ノイズ増幅器により増幅された有効な信号に対して、この有害ノイズに3dBという大幅な低減が得られる。これは、これらの有効な信号に対してノイズを最小限に抑えることが非常に重要である小電力装置において、かなりの強みである。この装置のアーキテクチャがどうであれ、無線周波数信号の受信中に、ノイズを0.5dBでさえ減らすことは、もはや困難である。さらに、部品の数を減らしても、本発明による小電力装置は、捕捉された無線周波数信号に含まれるデータを容易に復調できる。したがって、この小電力装置は、腕時計又は携帯電話などの小型サイズの機器に適合できる。
1と2の間の係数だけ無線周波数信号の周波数より高い周波数である第1の高周波信号用の周波数を選択すると、周波数変換中に高調波周波数が発生しなくなることにも留意されたい。
図1を参照すると、この装置の発振段1は、第1の高周波信号SVCOを発生させるために、主として、電圧制御発振器VCO6を備えた周波数シンセサイザーを含む。この発振段1はさらに、水晶振動子2を備えた基準発振器ユニット3、基準発振器ユニット3の基準信号の周波数を、電圧制御発振器VCO6からの信号の周波数(分周器7において、係数nで分周される)と比較する位相周波数検出器4も含む。位相周波数検出器4から出た制御信号は、ローパスフィルタ5でフィルタリングされて、上記位相周波数検出器4に供給された信号の比較に応じて、電圧制御発振器6用の制御電圧を生じさせる。
基準発振器ユニット3からの基準信号の周波数は、8MHz程度である一方、第1の高周波信号の周波数は、1.2GHz程度である。この高周波は、600MHz程度の従来の周波数と比べて、この装置の電力消費を最小限高めるにすぎない。この装置は、バンドパスフィルタ9で定められる周波数範囲に応じて、キャリア周波数が900MHzに近い無線周波数信号を捕捉できる。
この装置はさらに、中間信号SINRの第2の周波数変換動作を実行する第2のミクサユニット13も含む。この第2のミクサユニット13は、それぞれ同相と直交位相の第2の高周波信号を、中間信号SINRにそれぞれ混合する2つのミクサ(図示されてない)から成っている。第2のミクサユニット13の上記2つのミクサにより作り出された信号は、中間信号SINRの周波数と、第2の高周波信号SDの周波数との差に周波数が等しい信号である。本発明の好ましい実施形態において、第2の高周波信号の周波数が、上記中間信号のキャリア周波数にほぼ等しいので、2つの出力信号、すなわち同相信号IRと直交信号QRは、キャリア周波数が0に近いベースバンド信号である。
もちろん、サンプリングされ、かつ定量化された出力信号(IRとQR)を供給するために、第2のミクサユニット13の出力部には制御利得増幅器(controlled gain amplifier)が設けられ、その後に、アナログ/デジタル変換器が設けられてもよい。
無線周波数信号を送信するために、この装置はまた、第1の周波数変換動作を実行して、ベースバンド信号(ITとQT)の周波数を上げる第3のミクサユニット15を含んでもよい。この第3のミクサユニット15は、第2の高周波同相・直交信号SDをそれぞれ、ベースバンド信号(ITとQT)と混合するために、下記の図3に示されるように、後に加算器が続く2つのミクサから成っている。中間送信信号SINTは、周波数が第2の高周波同相・直交信号SDの周波数に一致する第3のミクサユニット15の加算器の出力部から供給される。これらの中間送信信号の周波数は、好ましくは、送信される無線周波数信号STの周波数の1/3に等しい。
この装置はさらに、発振段1により発生した第1の高周波信号SVCOを用いて、中間送信信号SINTの周波数を高める第4のミクサユニット16も含む。第4のミクサユニット16は無線周波数信号を供給し、また、それらの信号が電力増幅器(パワーアンプ)17により増幅される。増幅された無線周波数信号STは、スイッチ要素10とバンドパスフィルタ9を通って、アンテナ8により送信される。
図3は、無線周波数信号STを送信するこの装置の一部の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態は、この装置が送信モードにある場合に、図1を参照して述べられたものとほぼ同等である。
無線周波数信号を送信するために、この装置は、第1の周波数変換動作を実行する第3のミクサユニット15を含む。この第1の周波数変換動作は、送信されるデータ信号ITとデータ信号QTの周波数を高める。これらの周波数はベースバンドの周波数であり、すなわち、キャリア周波数が0に近いものである。この第3のミクサユニット15は、第1のミクサ15a、第2のミクサ15b、及び、第1のミクサ15aと第2のミクサ15bから出た信号を加算する加算器15cから成っている。
この第1の周波数変換動作では、第2の高周波同相信号SIと第2の高周波直交信号SQを供給するために、第1の高周波信号SVCOの周波数は、第1の2分周器14aと第2のマスタースレーブ2分周器14bにより4で分周されなければならない。第1のミクサ15aは、同相信号ITを、第2の高周波同相信号SIと混合する一方、第2のミクサ15bは、直交信号QTを、第2の高周波直交信号SQと混合する。第1のミクサ15aと第2のミクサ15bから出た信号は、加算器15cにおいて加算されて、これらの第2の高周波信号の周波数に相当する周波数にて、中間送信信号SINTを供給する。
第2の周波数変換動作は、中間信号SINTと第1の高周波信号SVCOを受け取る第4のミクサユニット16を用いて実行される。この第4のミクサユニット16からの有効な出力無線周波数信号のキャリア周波数は、本発明により、これらの第1の高周波信号の周波数より3/4だけ低い周波数である。ミクサユニット16の出力部において、これらの無線周波数信号の周波数の5/3の値である第4の障害信号のイメージ周波数は、ローパスフィルタ18で容易にフィルタリングされる。したがって、これらのフィルタリングされた信号は、この装置のアンテナで送信できる無線周波数信号STを供給するために、電力増幅器17で、まったく障害信号なしに増幅できる。ローパスフィルタ18がなければ、障害信号は、これらの有効な信号と同じやり方で増幅され、それにより、電力増幅器17中でエネルギーが無駄使いされる。
図4は、無線周波数信号STを送信するこの装置の一部の第3の実施形態を示している。
無線周波数信号を送信するために、この装置は、第1の周波数変換動作を実行する第3のミクサユニット15を含む。この第1の周波数変換動作は、送信されるデータ信号ITとデータ信号QTの周波数を高める。これらの周波数はベースバンドの周波数であり、すなわち、キャリア周波数が0に近いものである。この第3のミクサユニット15は、第1のミクサ15aと第2のミクサ15bから成っている。
この第1の周波数変換動作では、第1の高周波信号SVCOの周波数は、第2の実施形態については、4で分周されなければならない。こうするために、この分周は、第3の高周波同相信号SIと第3の高周波直交信号SQを供給する第1のマスタースレーブ2分周器14aと、それに続き、第1のマスタースレーブ2分周器14aから、これらの分周された同相信号を受け取る第2のマスタースレーブ2分周器14bとで行われる。したがって、第2のマスタースレーブ2分周器14bは、第2の高周波同相信号SIと第2の高周波直交信号SQを供給する。第1のミクサ15aは、同相信号ITを、第2の高周波同相信号SIと混合して、第1の中間送信同相信号SINT1を供給する。第2のミクサ15bは、直交信号QTを、第2の高周波直交信号SQと混合して、第2の中間送信直交信号SINT2を供給する。したがって、第1の中間送信同相信号SINT1と第2の中間送信直交信号SINT2の周波数は、これらの第2の高周波信号の周波数に相当する。
第2の周波数変換動作は、第4のミクサユニット19を用いて行われる。この第4のミクサユニット19は、第1のミクサ19a、第2のミクサ19b、及び、第1のミクサ19aと第2のミクサ19bによって供給された信号を加算する加算器19cを含む。第1のミクサ19aは、中間同相信号SINT1を第3の高周波同相信号SI’と混合し、第2のミクサ19bは、中間直交信号SINT2を第3の高周波直交信号SQ’と混合する。第4のミクサユニット19から出た信号は無線周波数信号であって、これらの無線周波数信号が最終的に電力増幅器17で増幅されて、それらの増幅された無線周波数信号STを、この装置のアンテナで送信できるようにしている。
無線周波数信号を送信する装置の一部のこの第3の実施形態では、SSB(単側波帯変調)タイプのデュアル周波数コンバージョン変調を実行できることに留意されたい。この場合に、第4のミクサユニット19の出力部に、フィルタリングされるイメージ周波数がないとすれば、上記の構造から、電力増幅器17の前に、イメージ周波数用のフィルタが省かれる。これら2つの周波数変換を正確に実行するために、第1の分周器14aと第2の分周器14bで周波数を分周しなければならない第1の高周波信号SVCOを供給することも得策である。しかしながら、第3の高周波同相信号と第3の高周波直交信号を直接に供給して、第4のミクサユニット19の中で混合する発振器を提供することは困難であろう。
いま述べた説明から、ノイズリダクションを持って無線周波数信号を受信及び/又は送信する小電力装置の複数の変形例は、併記の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲から逸脱しなければ、当業者で案出できる。捕捉される無線周波数信号の中心周波数を検出すれば、その発振段を校正して、第1の高周波信号を発生させることができるであろう。電力増幅器17と上記2つのミクサユニットによって形成されるアセンブリは、無線周波数信号の受信と送信の両方に対して利用できよう。
本発明による無線周波数信号の受信及び/又は送信用の装置の第1の実施形態を示す。 発振段により発生する第1の高周波信号の周波数の関数として、イメージ周波数での障害信号レベルを示す第1のミクサユニットの出力部における増幅され、かつ変換された信号のゲイン及びノイズの2つのグラフを示す。 本発明により無線周波数信号を送信する装置の一部の第2の実施形態を示す。 本発明により無線周波数信号を送信する装置の一部の第3の実施形態を示す。

Claims (8)

  1. 装置のアンテナ(8)により捕捉されるか、あるいは送信される無線周波数信号をフィルタリングするバンドパスフィルタ(9)と、
    前記バンドパスフィルタによりフィルタリングされた信号を増幅する少なくとも1つの低ノイズ増幅器(11)と、
    第1の高周波信号(SVCO)を発生させる発振段(1)と、
    第2の高周波信号(SD)を発生させるために、前記第1の信号の周波数をM(Mは1よりも大きい整数)で分周する少なくとも1つの周波数分周器(14)と、
    フィルタリングされ、かつ増幅された無線周波数信号(SR)を、前記第1の高周波信号(SVCO)と混合して、前記無線周波数信号のキャリア周波数と前記第1の信号の周波数との差に周波数が等しい中間信号(SINR)を作り出す少なくとも1つの第1のミクサユニット(12)と、
    前記第1のミクサユニットにより供給された前記中間信号を前記第2の高周波信号と混合して、前記中間信号の周波数と、前記第2の高周波信号の周波数との差に周波数が等しい出力信号(IR,QR)を作り出す少なくとも1つの第2のミクサユニット(13)と、
    を含み、
    周波数が、前記バンドパスフィルタの周波数帯外にあって、かつ、1と2の間の係数M/N(ここで、Nは1よりも大きいが、ただし、Mよりも小さい整数である)だけ前記受信した無線周波数信号の周波数より高い周波数である第1の高周波信号(SVCO)を発生させて、これらの変換された信号のイメージ周波数に結びついているノイズを低減させるように前記発振段(1)が構成されていることを特徴とする、無線周波数信号の受信及び/又は送信用の小電力装置。
  2. 前記第1の高周波信号の周波数が、係数M/N(ここで、Mは2の倍数であって、好ましくは4に等しく、Nは好ましくは3に等しく係数を4/3に等しくする)だけ、前記受信した無線周波数信号の周波数より高い周波数であり、かつ前記周波数分周器(14)が4分周器であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記周波数分周器(14)が、第2の高周波同相信号(SI)と第2の高周波直交信号(SQ)を発生させるマスタースレーブ・タイプのものであり、かつ、前記第2のミクサユニット(13)が、前記中間信号(SINR)を前記第2の高周波同相信号と混合して、同相ベースバンド出力信号(IR)を供給する第1のミクサと、前記中間信号(SINR)を前記第2の高周波直交信号と混合して、直交ベースバンド出力信号(QR)を供給する第2のミクサとを含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の装置。
  4. 前記発振段(1)が、水晶振動子(2)を備えた基準発振器ユニット(3)と、前記基準発振器ユニット(3)からの基準信号の周波数を、電圧制御発振器(6)からの信号の周波数(発振用の分周器(7)において、係数nで分周される)と比較する位相周波数検出器(4)と、前記位相周波数検出器(4)に供給された信号の比較に応じて、前記電圧制御発振器(6)用の制御電圧を生じさせて、前記電圧制御発振器が前記第1の高周波信号を発生させるようにするローパスフィルタ(5)とを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の装置。
  5. 前記発振段が、装置のアンテナ(8)により捕捉された無線周波数信号の周波数の検出に基づいて、第1の高周波信号を発生させるように構成されている請求項4に記載の装置。
  6. 前記バンドパスフィルタ(9)と前記低ノイズ増幅器(11)との間にスイッチ要素(11)を含み、それにより、装置が、同一アンテナ(8)を使って、RF受信モードに切り替えられるか、あるいは、RF送信モードに切り替えられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の装置。
  7. 無線周波数信号を送信するために、同相ベースバンド・データ信号(IT)を前記第2の高周波同相信号(SI)と混合する第1のミクサ(15a)、直交ベースバンド・データ信号(QT)を前記第2の高周波直交信号(SQ)と混合する第2のミクサ(15b)、及び、前記第1のミクサ(15a)からの出力信号と前記第2のミクサ(15b)からの出力信号を加算して中間送信信号(SINT)を提供する加算器(15c)を含む第3のミクサユニット(15)を含み、かつ、前記中間送信信号(SINT)を前記第1の高周波信号(SVCO)と混合して無線周波数信号を供給する第4のミクサユニット(16)を含み、さらに、前記無線周波数信号がローパスフィルタ(18)によりフィルタリングされ、かつ第2の電力増幅器(17)により増幅されて、装置のアンテナにより送信されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の装置。
  8. 無線周波数信号を送信するために、同相ベースバンド・データ信号(IT)を前記第2の高周波同相信号(SI)と混合して、中間同相信号(SINT1)を供給する第1のミクサ(15a)と、直交ベースバンド・データ信号(QT)を前記第2の高周波直交信号(SQ)と混合して、中間直交信号(SINT2)を供給する第2のミクサ(15b)とを含む第3のミクサユニット(15)を含み、かつ、前記周波数分周器が、第3の高周波同相信号(SI’)と第3の高周波直交信号(SQ’)を供給するための前記第1の高周波信号用の第1のマスタースレーブ2分周器(14a)と、前記第2の高周波同相信号と前記第2の高周波直交信号を供給するための第2のマスタースレーブ2分周器(14b)とを含み、さらに、前記中間同相信号(SINT1)を前記第3の高周波同相信号(SI’)と混合する第1のミクサ(19a)、前記中間直交信号(SINT2)を前記第3の高周波直交信号(SQ’)と混合する第2のミクサ(19b)、及び、第2の電力増幅器(17)で増幅され、かつ装置のアンテナを介して送信される無線周波数信号を供給するために、前記第4のミクサユニットの前記第1のミクサ(19a)と前記第2のミクサ(19b)からの出力信号を加算する加算器(19c)を含む第4のミクサユニット(19)を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の装置。
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