JP2009534595A - バランシングシャフト - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1つのアンバランスウェイト部分(21,22;23,24)と少なくとも1つの軸受(16,17)とを有する多気筒エンジン用のバランシングシャフトに関し、少なくとも1つのアンバランスウェイト部分(21,22;23,24)は、軸受(16,17)と関連付けられ、軸受(16,17)は、軸受(16,17)の周囲に部分的にだけ延びるラジアル走行面(18)を有し、バランシングシャフト(11)の回転中に生じる遠心力は、軸受(16,17)の周囲に部分的にだけ延びる走行面(18)によって形成された軸受(16,17)の領域内にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、請求項1の特徴事項の前の記述で請求されているような多気筒エンジン用のバランシングシャフトに関する。
WO2005/093286 A1は、少なくとも2つのアンバランスウェイト部分と少なくとも1つの軸受を有する多気筒エンジン用のバランシングシャフトを開示しており、このアンバランスウェイト部分は、軸受けに対して対称的に配置され、アンバランスウェイト部分の少なくとも1つは、バランシングシャフト用に駆動できる端部として軸受から離れた端部を有する。2つの軸受の間に弾性的で柔軟な結合要素が設けられ、そのアンバランスウェイト部分は、2つの部分が結合されるように結合要素に対して対称的に配置される。アンバランスウェイト部分の形状はほぼ半円である。軸受は、円柱状の円盤として設けられ、円柱状に構成された軸受の半分が、アンバランスウェイト部分に対して自由に突出している。T形支柱が、バランシングシャフトの長手方向に回転軸から円筒形軸受の自由外縁領域まで延び、アンバランス部分に作用し、このバランシングシャフトを補強するように設けられている。これは、バランシングシャフトを長手方向に補強するためである。そのようないくつかのバランシングシャフトは、それらの構成で重量が最適化されるが、多気筒エンジンの回転速度を更に高めるには、運動マスを更に削減しなければならない。更に、エンジンの開発における重量を削減は、性能値を改善するために基本的に重要である。
WO2005/093286 A1
従って、本発明は、全重量と移動マスを減少させ同時に多気筒エンジン内のアンバランスの補償を維持するバランシングシャフトを提供するという目的に基づく。
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の特徴によって達成される。更に他の有利な構成と発展は、更に他の従属請求項に開示される。
軸受の周囲に部分的だけ延び、従って360°の周囲全体に延びないラジアル走行面を備えた軸受を有する本発明によるバランシングシャフトは、軸受自体の重量を大幅に減少させることを可能にする。従って、軸受は、部分領域が切除され、少なくとも走行面が形成されない空間の材料を減少させることができる。軸受自体の重量の減少の他に、軸受又は走行面の切除は、周囲全体に延びないように構成され且つ材料を減少させ、1つ又は複数のアンバランスウェイト部分を減少させることもできるという利点を有する。軸受の周囲に部分的に延びる走行面は、バランシングシャフトの周辺部分に対応し、そこにアンバランスウェイト部分が設けられる。これにより、バランシングシャフトの回転時に、部分走行面によって取り囲まれた軸受の領域に遠心力が生じ、従って、バランシングシャフトの走行面は、エンジンユニットの軸受のこの領域に支持される。これは、バランシングシャフトの機能を維持しながら、従来のバランシングシャフトより重量を20〜40%を削減させることができる。
本発明によるこの走行面の構成は、軸受の周囲に部分的に形成され、長い寿命を有する取り付けを維持するという更に他の利点を有する。バランシングシャフトの回転中に生じた遠心力が働く領域において、走行面はその形状が完結しその近くまで延び、その結果、負荷が最も大きい領域で、支持に対して決められた方式で取り付けるために、軸受は、軸受ブッシュで支持され、ニードルブッシュのローラで支持され、円筒ころ軸受で支持され、又はエンジンユニットの軌道リングで支持される。最も大きい負荷と対向し走行面を一部分だけ備えるか全く備えていない軸受の領域の負荷は、ほとんど又は完全に解放され、従ってこの領域の走行面の欠如は軸受の機能に悪影響を及ぼさない。
本発明の有利な構成によれば、軸受の走行面は、180°〜359°の周囲角を有しまた有利にはこの周囲角以内で連続的に延びるように作成される。少なくとも180°の部分的にだけ形成された走行面の構成により、バランシングシャフトが空中で止まった場合、即ちアンバランスウェイト部分が垂直上方に向けられた場合に、引っ掛かることなく1周りすることができる。走行面の端部領域は、180°よりも大きく延び、このタイプの停止位置で支持機能を有する。部分的に形成された走行面の空間が例えば1°と極めて小さい場合でも、重量を減らすために回転軸の方に延びる領域を切除し、また案内のために単にハーフシェル又はシェル状の環状部分として走行面を形成することができる。
本発明の更に有利な構成によれば、走行面が、軸方向で見て、その形状が球形になるように設けられる。これにより、例えば軸受ブッシュ、軸受リング、ニードルころ、円筒ころ等の軸受の損傷なしに、軸受間の動作中に生じる曲げ応力及び傾き又はトップリングを吸収することができる。
バランシングシャフトの軸受は、長手方向に対する断面で見て、例えば、V形、W形、浴槽形、又はカップ形に形成されたくぼみを有する。このタイプのくぼみは、バランシングシャフトの製造中に、鋳造、鍛造、プレス成形などによって、また機械加工によって簡単に形成することができ、従って、このタイプの軸受を低コストで製造し且つ重量を削減することができる。
軸受のくぼみは、バランシングシャフトの長手方向に関して対称的になるように形成されることが好ましい。これにより、バランシングシャフトを、設計の点で、具体的にはアンバランスウェイト部分の形状の点で、単純に開発することができる。
くぼみの代替形状によれば、前記くぼみは、周囲に部分的のみに延びる軸受の走行面と共に、回転軸が軸受の断面内にある断面を形成するように作成される。この実施態様は、バランシングシャフトを補強することができ、従ってバランシングシャフトを特定の負荷に使用可能にするという利点を有する。そのような場合、二次的に重要なことは、重量が多少減少することである。
本発明の代替構成によれば、断面で見て、バランシングシャフトの回転軸内に少なくとも1つの中央部分があるように軸受のくぼみが作成される。これにより、回転軸を補強することができ、少なくとも1つの更に他のくぼみ部分を中央部分の近くに構成して重量を節減することができる。
軸受の更に他の代替構成は、軸受の走行面とその近くにくぼみを設けて、回転軸が断面外にある断面面を形成する。例えば、このようにして軸受を三日月形断面にすることができる。このタイプの断面は、前記断面が同時に働き且つ潤滑液用のひしゃくとして使用できるという利点を有する。
軸受の更に他の代替実施形態は、軸受の周囲に部分的に延びる走行面によりタービン翼状の断面を形成するためにくぼみを備える。これは、潤滑液の輸送に極めて有利である。
バランシングシャフトの軸受の更に有利な構成は、バランシングシャフトの回転によって生じる遠心力と対称的に構成され周囲に部分的に延びる走行面を形成することである。その結果、軸受自体は、アンバランスウェイト部分として働き、バランシングシャフトの設計に計算に含めることができる。
更に、走行面の端部までの少なくとも特定の部分に徐々に細くなるように軸受の走行面の走行面幅(周囲に部分的に延びる)を形成することが有利である。換言すると、走行面は、生じる遠心力の作用の領域内で、バランシングシャフトの軸の長手方向に最も大きい幅又は拡がりを有し、少なくとも特定の部分において、その幅は、走行面の自由端部に対して時計回りとその逆方向に細くなる。この結果、重量が更に減少し、軸受摩擦が更に減少することになる。また、走行面の幅は、周囲角に沿って複数回変化し、従って幅が交互に狭くなりまた広くなってもよい。
第1の軸受の走行面の周囲角は、本発明の有利な構成によれば、少なくとも1つの更に他の軸受の走行面の周囲角と等しい。これにより、各軸受で同じ軸受状態が実現される。
更に、第1の走行面と少なくとも1つの更に他の軸受の少なくとも1つの更に他の走行面を、バランシングシャフトの軸の長手方向に見て、バランシングシャフトの周囲角に対して同じ向きになるようにすることが好ましい。具体的には、エンジンハウジング内の静的アンバランス用のバランシングシャフトをこのようにすることができる。同時に、これにより、バランシングシャフトの中心面に対して実質的に鏡像対象構成が可能になる。
本発明の代替構成によれば、軸の長手方向において互いに回転された軸受の走行面を設ける。これにより、モーメントのアンバランスとして知られるものを補償することができる。このタイプのバランシングシャフトは、具体的には、V形シリンダ構成又は奇数のシリンダを有するエンジン内で使用される。例えば、2個の軸受を有するバランシングシャフトでは、これらの軸受の走行面を互いに180°回転させて提供することができる。3個以上の軸受を備える場合は、走行面の向きは、モーメントのアンバランスを達成するように適応され、バランシングシャフトの中心面に従って、半径方向の動作で互いにずらされるか又は回転されるよう適応され、従ってこれに対応するモーメントのアンバランスを生成することができる。
バランシングシャフトには、モーメントのアンバランスのために前記バランシングシャフトが中心面に対して実質的に点対称に構成されることが好ましい。これにより、それぞれのレバーアームに従って、決められた力が中心面に対して作用することができ、それによりモーメントのアンバランスが打ち消される力に正確に適応させられる。
更に好ましい構成によれば、軸受の走行面が少なくとも2つある場合、走行面の重なり領域が形成されるように、X軸又はバランシングシャフトの長手方向のまわりに相互に回転させられる。走行面の端部領域は、縦軸に沿った方向で見て、互いにわずかに重なることが好ましい。これにより、低損失の取り付けが可能になる。
本発明の更に好ましい構成によれば、少なくとも1つのアンバランスウェイト部分が、軸受の少なくとも1つの走行面の直径より大きい直径を有する外周部分を有するように形成される。走行面の外周面より突出するそのような不均衡部分は、バランシングシャフトの外側端部に設けられることが好ましく、従って単純な取り付けが維持される。このタイプのバランシングシャフトは、モーメントのアンバランスを補償する働きもする。
本発明の更に有利な構成によれば、軸受の周囲に部分的に延びる走行面の走行面を取り巻く走行リングを有する軸受が提供される。これにより、取り付け部分に特別の要件が課される場合に、そのような要件を満たすために適切な軸受リングを提供することができる。走行リングを使用して、滑り軸受を構成することができる。代替として、走行リングの利用により、転がり軸受(具体的には、ころ軸受)を使用でき、同時に軸受の重量を減少させることができる。
保持される軸受位置を取り囲む走行リングが、軸受に対する押し込み及び/又は非押し込み結合によって形成されると有利である。これにより、走行リングを追加の操作で軸受に容易に固定することができる。特に非押し込み結合の場合は、走行面を確実に受けるために、少なくとも180°の周囲角を有する軸受を形成することが好ましい。代替として、走行リング内の軸受の近くに内方を向く突出部を設けてもよく、これにより、180°未満の走行面の周囲角で非押し込み結合とし、同時に押し込み結合が可能になる。
本発明の更に他の代替構成によれば、材料一体化結合によって軸受上に保持される走行リングが設けられる。このタイプの材料一体化結合は、はんだ付け又は溶接工程によって作成することができる。材料一体化結合では、走行面の部分的周囲角はほとんど周囲を取り囲むことができず、従って、走行面は、アンバランスの結果として負荷が最も大きくなる周囲角で軸受面に対する支持が容易になるように向けられる。更に、代替として、走行リングは、走行面に対して押し込み及び/又は非押し込み及び/又は材料一体化結合によって設けられてもよい。
本発明とその更に他の有利な実施形態及び発展は、図面に示した例に基づいて以下により詳細に説明される。本発明によれば、説明及び図面から推論することができる特徴は、それぞれ個々に又は任意の所望の組み合わせで適用することができる。
図1は、本発明によるバランシングシャフト11の第1の実施形態の斜視図である。このタイプのバランシングシャフト11は、多気筒エンジン用であり、二次マス力(scond order mass force)を補償する働きをする。従来、エンジン回転速度の2倍で逆方向に回転する2本のバランシングシャフトが互いにずらされて配置されていた。
例えばバランシングシャフト11を駆動するチェーンホイールなどの駆動部(詳しく示されていない)が、バランシングシャフトの後端部12(図1に示した)に設けられる。バランシングシャフト11は第1と第2の軸受16、17が設けられた基本要素14を有する。これらの軸受は、バランシングシャフト11をエンジンユニット内に取り付ける働きをする。これらの軸受16、17は、走行面18を有し、その周囲は、基本要素14の他の部分の周囲より大きくなるように構成されている。これにより、片方の端部13が前方にある状態でバランシングシャフト11をエンジンユニット内の軸受又は軸受ブッシュに挿入することができ。
バランシングシャフト11は、実質的にバランシングシャフト11の長手方向の長さ全体に均一な断面を有する基本要素14を有する。アンバランスウェイト部分21から24は、第1と第2の軸受16、17に対して対称的に設けられ、アンバランスウェイト部分22と23は、互いに連続的に結合されている。端部12、13は、前記アンバランスウェイト部分の設計において考慮される。基本要素14は、バランシングシャフト11の回転軸27を通るか回転軸27内にある壁部分26を有する。
第1と第2の軸受16と17は、それらの周囲に部分的に延びている走行面18を有し、走行面18は、180°〜359°の周囲を取り囲む。この構成により、部分軸受として知られているものが形成される。図3による例示的な実施形態では、走行面の周囲角は、例えば190°〜220°の範囲である。更に他の領域は、完全性のために角度360°にされ、走行面なしに本発明に従って構成される。図1から図3に示した本発明による第1と第2の走行面16、17によって、軸受16と17を、当該技術分野で既知の円柱状軸受又は円盤状軸受よりもかなり節減された重量で構成することができる。同時に、180°のラップ角の上に突出する端部領域29によって、エンジンユニットにおける軸受内の静止バランシングシャフト11の接近が簡単になり、特にアンバランスウェイト部分21から24が垂直上方に向いている位置にバランシングシャフトが止まると、傾くことなく確実に接近させることができる。
軸受16と17は、図3による断面で見て、形状がカップ形又は浴槽形のくぼみ31を有する。くぼみ31の中央壁部分32が、回転軸27を通る。中央壁部分32の隣りには、円の弧と徐々に結合しアンバランスウェイト部分21、22、23、24の範囲を定める平坦部が設けられる。
回転軸27内にある、基本要素14の中央壁部分32によって、軸の長手方向にバランシングシャフト11の十分に堅い構成とすることができる。バランシングシャフトの回転によって生じる遠心力は、例示的な実施形態では、バランシングシャフト11の図示した位置により、図3に矢印Fzで示した方向に垂直下方に向く。時計回り方向とその反対方向に延びる部分走行面18を形成するために、走行面の部分が対称的にされる。理想的には、生じる遠心力の向きに対して部分走行面18全体を形成するために、左側と右側の走行面部分の対称構成が設けられる(図3に示した)。代替として、生じる遠心力は、また、例えば4時又は5時の位置、7時又は8時の位置などの向きも含むことができる。代替として、走行面18を最大359°に渡って延びるように設けてもよい。そのような場合、浴槽状のくぼみ31は設けられず、互いの方に向いた端部領域29によって形成される隙間の後ろに延びる空間又は空洞が形成される。
図1から図3に示したバランシングシャフト11では、軸受16と17は、滑り軸受を形成するように構成される。これらの軸受16、17は、エンジンユニット内で転がり軸受を形成するように構成されてもよい。エンジンユニットの軸受は、例えば、ニードルブッシュを有する円筒形ローラ又はローラを有することができる。走行面18を形成するために側面で立ち上がった端部領域29を備えた図3に示した断面は、同時に潤滑液を巻き込み、軸受16、17の潤滑が保証されるという利点を有する。
図1から図3に示したバランシングシャフトは、具体的には、例えば4気筒列形エンジン内で生じるような静的アンバランスを生成するマス力を補償する。これは、例えばZ軸に対して垂直なY軸で作用する静的アンバランスを補償する。
図4から図6は、図1のバランシングシャフト11の更に他の代替実施形態を示す。このバランシングシャフト11では、基本要素14は修正されており、図6に示したように、軸受16と17は、図3と異なるように構成されている。
軸受16と17は、例えば形状が浴槽状のくぼみ31と、くぼみ31及び軸受16、17の周囲に部分的に延びる走行面18と共に回転軸27の外側に断面を形成する中央壁部分32とを有する。このタイプの実施形態では、軸受16と17の重量は、図3の実施形態より更に減少する。これと関連した減少は、1つ又は複数のポイントで回転軸から遠いほどマスが少なくなるという事実の結果として補償される。この原理により、全体のマスが更に減少する。このケースでは、それぞれ端部12、13から軸受16、17の中央壁部分32まで継ぎ目なく移行することが好ましい。そのような継ぎ目のない移行は、残りの作動部分36を有するバランシングシャフト11の中心にも設けられる。端部12、13の先端の間に回転可能に取り付けられるこのタイプのバランシングシャフト11の製造において、バランシングシャフトの機械加工中に走行面18の正確な構成を可能にするために、更に、残りの作動部分36に保持装置又は保持台が作用する。
図4から図6に示したバランシングシャフト11は、最も軽量な構造に設計されている。使用される材料により、バランシングシャフト11の長手方向で最小の剛性と曲げ強さを達成することができる。アンバランスウェイト部分21、22、23、24は、軸受16、17に対して対称的に配置され、それぞれの場合、基本要素14の更に他の経路(例えば、端部12、13の経路と、残りの作動部分36の経路)は、アンバランスウェイト部分21、22、23、24のマスの設計に影響を及ぼす。アンバランスウェイト部分21、22、23、24の円形断面の部分は、アンバランスウェイトを回転軸27から十分に外して偏心的に位置決めすることができるという利点を有する。
図7から図9は、バランシングシャフト11の更に他の代替実施形態を示す。図7から図9によるバランシングシャフト11は、走行面18と共にくぼみ31が、断面の回転軸27が軸受16と17の内部にあるような断面を構成しているという点で、図4から図6によるバランシングシャフト11と異なる。これにより、より小さい不均衡さである程度大きい重量を有するバランシングシャフト11が提供される。同時に、回転軸27を全体として断面と基本要素14に含めることにより、大きな負荷を受けることができ且つそれにも関わらず軸受16と17によって重量が減少したバランシングシャフトが提供される。他の点では、図4から図6に関して述べた説明が該当する。
図10は、図9の代替実施形態としての軸受16、17の概略断面図である。くぼみ31は、走行面18と共に、タービン翼状の断面を形成し、それにより潤滑剤の巻き込みが強化される。
くぼみ31の構成は、形状、サイズ及び/又は幾何学的配置がそれぞれの用途に適応され、多数の構成が可能である。
図11と図12は、バランシングシャフト11の更に他の代替実施形態を示す。このバランシングシャフト11は、アンバランスウェイト部分21、22、23、24、及び軸受16、17が、中心面44に対して実質的に点対称に構成されているという点で前述の図のものと異なる。中心面44は、X軸、バランシングシャフト11の回転軸、又は長手方向軸に垂直である。このタイプのバランシングシャフト11は、図1から図9による前述のバランシングシャフト11と異なり、モーメントのアンバランスを補償するために使用される。
そのようなモーメントのアンバランスの補償は、例えば、V3エンジン、V6エンジン又は奇数個のシリンダを有する直列形エンジンなどのV字形シリンダ構成を有するエンジンで使用される。この実施形態では、各軸受16、17の走行面18の周囲角は、バランシングシャフト11の回転軸方向から見て、走行面18の少なくとも1つの端領域29が重なるように構成される。他の点に関しては前述の図に関して述べた説明が該当する。
図13と図14は、バランシングシャフト11の更に他の代替実施形態を示す。この実施形態は、図11と図12によるバランシングシャフト11の代替である。この実施形態では、アンバランスウェイト部分46は、少なくとも特定部分に直径が走行面18の直径より大きい外周部を有し、バランシングシャフト11の一方の端に設けられる。このアンバランスウェイト部分46は、円盤状アンバランスマスとして、あるいは円盤状アンバランスマスの一部分として構成される。バランシングシャフト11の外側端におけるこのタイプのアンバランスマスの構成は、バランシングシャフト11の単純な取り付けを保持するという利点を有する。他の点では、前述の図に関して述べられた説明が該当する。更に、アンバランスウェイト部分46は、外側端にあるアンバランスウェイト部分21、24を有するように構成されてもよい。
図15から図17は、図7から図9による前述のバランシングシャフト11に対するバランシングシャフト11の更に他の代替実施形態を示す。更に、図7から図9によるバランシングシャフト11に走行面18を取り囲む走行リング39を有する。これにより、エンジンユニットにおいて、バランシングシャフト11を、滑り軸受、具体的にはころ軸受又は転がり軸受として構成された軸受用に修正することができる。それでも、くぼみ31のために、軸受16、17の重量の減少が実現される。1つの実施形態によれば、走行リング39は、バランシングシャフト31の挿入前に走行面18にプレスされる。この実施形態では、走行面18の周囲角が180°より大きくなるように構成されることが好ましい。代替として、内方に突出し、走行面18の一部分又は走行面18の自由端に作用し、従って非押し込み結合及び押し込み結合を生成する突出部を有するように走行リング39を作成してもよい。後の実施形態では、走行面18は、180°未満のラップ角を有してもよい。
走行リング39を備えた軸受16、17を構成するための更に他の代替の実施形態は、軸受面16、17の走行面18に支えられて取り囲む走行リング39と、走行リング39と走行面18の間に設けられる材料一体化結合を提供することができる。このタイプの実施形態では、走行面18の周囲角を大幅に小さくすることができ、従って重量を更に削減することができる。従って、走行面18の小さい部分(少なくともFz方向(図3)に延びる)を構成して支持を保証することができる。
更に、代替として、縁が開いているか完全には閉じていない走行面18を備えるように走行リングを作成してもよい。この実施形態により、特定の要件を満たすためにバランシングシャフト11に特別な軸受材料を使用することができ、同時に重量を削減することができる。以上述べた実施形態による閉じた走行リング39と同じように、縁が開いた走行リングを走行面18に設けて固定することができる。
以上述べたバランシングシャフト11をエンジン内で任意の望みの方式で互いに組み合わせることができる。これは、エンジンの構造に依存し、従って、バランシングシャフトの設計は、補償される静的アンバランス及び/又はモーメントのアンバランスに適応されなければならない。同様に、個々のバランシングシャフト11の個々の特徴を互いに組み合わせることができる。
以上述べた例示的実施形態はすべて、バランシングシャフト11の重心が、遅くとも取り付けた状態で、その長手方向に基づいて多気筒エンジンの中心に重心を有するという事実が共通である。
以上述べたすべての特徴は、それぞれ本質的に、本発明にとって不可欠であり、任意の望ましい方式で互いに組み合わせることができる。
バランシングシャフトの本発明による第1の実施形態の斜視図である。 図1によるバランシングシャフトの概略側面図である。 図2の線III−IIIに沿った概略断面図である。 バランシングシャフトの本発明による第2の実施形態の斜視図である。 図4によるバランシングシャフトの概略側面図である。 図5の線V−Vに沿った概略断面図である。 バランシングシャフトの本発明による第3の実施形態の斜視図である。 図7によるバランシングシャフトの概略側面図である。 図8の線V−Vに沿った概略断面図である。 図9に対する軸受の代替の実施形態の断面図である。 バランシングシャフトの本発明による第4の実施形態の斜視図である。 図11によるバランシングシャフトの概略側面図である。 バランシングシャフトの本発明による第5の実施形態の斜視図である。 図13によるバランシングシャフトの概略側面図である。 バランシングシャフトの本発明による第6の実施形態の斜視図である。 図15によるバランシングシャフトの概略側面図である。 図16の線XIII−XIIIに沿った概略断面図である。

Claims (22)

  1. 少なくとも1つのアンバランスウェイト部分(21,22;23,24)と少なくとも1つの軸受(16,17)を有し、少なくとも1つのアンバランスウェイト部分(21,22;23,24)が軸受(16,17)と関連付けられた多気筒エンジン用のバランシングシャフトであって、軸受(16,17)は、その軸受(16,17)の周囲に部分的にだけ延びるラジアル走行面(18)を有し、バランシングシャフト(11)の回転中に生じる遠心力が、軸受(16,17)の周囲に部分的に延びる走行面(18)によって構成された軸受(16,17)の領域内にあるバランシングシャフト。
  2. 軸受(16,17)の走行面(18)は、180°〜359°の周囲角を有し、有利にはこの周囲角以内で連続的に延びる請求項1に記載のバランシングシャフト。
  3. 走行面(18)は、形状が球状である請求項1に記載のバランシングシャフト。
  4. 軸受(16,17)は、バランシングシャフト(11)の長手方向に対する断面で見て、くぼみ(31)を有し、具体的にはV形、W形、浴槽形、又はカップ形のくぼみを有する請求項1に記載のバランシングシャフト。
  5. くぼみ(31)は、バランシングシャフト(11)の長手方向に関して対称的に構成された請求項4に記載のバランシングシャフト。
  6. 軸受(16,17)の走行面(18)とそれに隣接するくぼみ(31)とで、回転軸(27)がこの断面内にある断面を構成する請求項4に記載のバランシングシャフト。
  7. くぼみ(31)は、バランシングシャフト(11)の回転軸(27)内にある少なくとも1つの中央壁部分(32)を有する請求項4に記載のバランシングシャフト。
  8. 軸受(16,17)の走行面(18)とそれに隣接するくぼみ(31)とで、回転軸(27)がこの断面外にある断面を構成する請求項4に記載のバランシングシャフト。
  9. くぼみ(31)は、軸受(16,17)の走行面(18)と共に、タービン翼状の断面を形成する請求項4に記載のバランシングシャフト。
  10. 軸受(16,17)の部分的に構成された走行面(18)は、バランシングシャフト(11)の回転中に生じる遠心力に対して対称的に延びる請求項1に記載のバランシングシャフト。
  11. 軸受(16,17)の走行面の幅は、部分的に構成された走行面(18)の端部(29)まで少なくとも特定の部分で細くなる請求項1に記載のバランシングシャフト。
  12. 第1の軸受(16;17)の走行面(18)の周囲角は、少なくとも1つの更に他の軸受(16;17)の走行面(18)の周囲角と等しい請求項1に記載のバランシングシャフト。
  13. 軸受(16,17)の第1の走行面と少なくとも1つの更に他の走行面(18)は、軸の長手方向に見て、その周囲角に対して同じ向きのものである、請求項1に記載のバランシングシャフト。
  14. 軸受(16,17)の第1の走行面と少なくとも1つの更に他の走行面(18)は、軸の長手方向に見て、互いに対し回転されて配置された請求項1に記載のバランシングシャフト。
  15. 少なくとも1つの軸受(16,17)、その走行面(18)、アンバランスウェイト部分(21,22;23,24)は、バランシングシャフト(11)の中心面(44)に対して点対称で配置された請求項1に記載のバランシングシャフト。
  16. 第1の軸受と少なくとも1つの更に他の軸受(16,17)の走行面(18)は、互いに回転されて配置され、軸の長手方向に見て重なる領域を有する請求項14に記載のバランシングシャフト。
  17. 軸受(16,17)の少なくとも1つの走行面(18)の直径より大きい直径を有する少なくとも1つの外周部分を有する少なくとも1つのアンバランスウェイト部分(46)が設けられた請求項1に記載のバランシングシャフト。
  18. アンバランスウェイト部分(46)は、基本要素(14)の外側端に設けられる請求項17に記載のバランシングシャフト。
  19. 軸受(16,17)は、軸受(16,17)の部分的に形成された走行面(18)を取り囲む走行リング(39)を有する請求項1に記載のバランシングシャフト。
  20. 走行リング(39)は、軸受(16,17)の部分的に形成された走行面(18)に押し込み結合及び/又は非押し込み結合とされ、具体的にはプレスされた請求項18に記載のバランシングシャフト。
  21. 走行リング(39)は、軸受(16,17)に材料一体化結合され、具体的には溶接又ははんだ付けによって結合された請求項18に記載のバランシングシャフト。
  22. 軸受(16,17)は、走行リング(39)を受け、走行リング(39)は、縁が開き、軸受(16,17)の部分的に構成された走行面(18)を取り囲み、好ましくは押し込み及び/又は非押し込み及び/又は材料一体化結合によって配置された請求項18に記載のバランシングシャフト。
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