JP5726694B2 - 等速ジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、トラック溝が形成されたアウタ部材と、前記トラック溝に摺動自在に係合するローラが回転自在にトラニオンに装着されたインナ部材とを有する等速ジョイントに関する。
自動車は、内燃機関、モータ等の各種のエンジンで発生した回転動力がデファレンシャルギアからハーフシャフトやスプラインシャフト等の複数の伝達軸を介してハブに伝達され、これによりタイヤが回転することに伴って走行する。
ここで、デファレンシャルギアとスプラインシャフト、スプラインシャフトとハブは、それぞれ、等速ジョイントを介して連結される。すなわち、等速ジョイントは、伝達軸同士の間に介在し、一方の伝達軸から他方の伝達軸に回転動力を伝達する役割を果たす。
この種の等速ジョイントとして、図に示すトリポート型のものが知られている。該等速ジョイント10は、一端部に軸部12が突出形成されるとともに有底穴14が形成されたカップ状部16を有するアウタ部材18と、前記有底穴14に挿入される伝達軸20の先端部に位置決め固定されたインナ部材22とを有する。前記軸部12は、例えば、図示しないミッションの回転軸に連結され、その回転駆動力を、カップ状部16及びインナ部材22を介して伝達軸20に伝達する。
カップ状部16の内壁には、互いに120°の間隔で離間する3本のトラック溝24が形成されている。各トラック溝24は、有底穴14の底壁近傍まで延在する。
一方、インナ部材22は、円盤形状体に貫通孔25が形成されることでリング形状をなす円環状部26と、該円環状部26の側壁に突出形成された3本のトラニオン28a〜28cとを有する。なお、前記貫通孔25は、カップ状部16及び伝達軸20の延在方向に沿う方向に延在するように形成される。この貫通孔25の内壁には、該貫通孔25の軸線方向に沿って延在するスプライン30が設けられる。
このスプライン30には、貫通孔25に前記伝達軸20の先端部が通される際、該伝達軸20の側周壁に設けられたスプラインが噛合する。このようにしてスプライン同士が噛合されることにより、伝達軸20とインナ部材22が連結される。
トラニオン28a〜28cは、例えば、図及び図に示すように、高さ方向略中腹部が最も大径で且つ上端部の一部が水平方向に切り欠かれたような略球形状をなす。トラニオン28a〜28c中の隣接するもの同士は互いに120°の等間隔で離間しており、従って、トラニオン28a〜28cの位相は、トラック溝24の位相と一致する。そして、トラニオン28a〜28cの各々は、トラック溝24に向かって延在する。
に示すように、トラニオン28aには、内周側から外周側に向かって、ホルダ32、複数個のニードルベアリング34、ローラ36がこの順序で装着される。具体的には、ホルダ32は、フランジ部38と、該フランジ部38に比して小径な円筒部40とを有し、該円筒部40に、ニードルベアリング34を保持したローラ36が通される。ローラ36は、その中心を回転中心として、円筒部40、ひいてはトラニオン28aに対して回転自在であり、その際には、ニードルベアリング34が円筒部40に摺接する。
なお、ローラ36には、その直径方向内方に向かって突出する1組のフランジ部42、44が形成されている。全てのニードルベアリング34は、これらフランジ部42、44に挟持されることによってローラ36に保持される(図参照)。また、円筒部40には環状溝46が形成され、円筒部40に押さえワッシャ47(図参照)が通された後、この環状溝46にC字形状のクリップ48が係合されることにより、ローラ36の円筒部40からの抜け止めがなされる。
また、図示しないが、カップ状部16から伝達軸20に至るまでは、グリースを封入した継手用ブーツによって囲繞される。
このような構成において、例えば、インナ部材22に係合した伝達軸20が傾斜したときには、トラニオン28a〜28cがトラック溝24の軸線方向に対して傾斜するので、図に示すように、ローラ36の一部がトラック溝24の内壁等に局所的に当接することがある。この当接により、ローラ36がトラック溝24に沿って移動すること、ひいてはインナ部材22が有底穴14から突出又は挿入される方向に移動することに対して抵抗が生じる。すなわち、いわゆる誘起スラスト力が発生する。
この不具合を回避するべく、特許文献1において、ローラの端面にキャップを設け、このキャップにベアリング(ボール)を埋入することが提案されている。この場合、ボールがトラック溝の内壁に当接する。
特開2010−91104号公報
特許文献1に記載される構成では、当接に伴ってボールに荷重が集中する。このため、ボールが短期間で疲労する懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、インナ部材が傾斜したときであってもローラが移動する際の抵抗を低減し得、このために誘起スラスト力が発生することを回避することが可能であり、しかも、優れた耐久性を示す等速ジョイントを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、トラック溝が形成されたアウタ部材と、前記トラック溝に摺動自在に係合するローラが回転自在にトラニオンに装着されたインナ部材とを有する等速ジョイントであって、
前記ローラは、第1のローラ部材と第2のローラ部材とからなり、前記第1のローラ部材と前記第2のローラ部材との間に、複数個の転動体のみが介装され、
前記転動体により、前記第1のローラ部材と前記第2のローラ部材が個別に回転可能であることを特徴とする。
そのような構成の一例としては、第1のローラ部材が内輪を構成し、第2のローラ部材が前記内輪を囲繞する外輪となるものが挙げられる。この場合、内輪と外輪の間に複数個の転動体が介装され、且つトラニオンと内輪(第1のローラ部材)との間に、複数個のころ部材が介在される。さらに、前記ころ部材と前記第1のローラ部材との間にクリアランスが形成される。
先ず、ころ部材によって、一般的な等速ジョイントと同様に回転トルクが伝達される。また、ころ部材と第1のローラ部材との間にクリアランスが形成されるとともに、内輪と外輪との間に転動体が介在しているので、伝達軸が傾斜したときには、これに伴ってインナ部材のトラニオンが傾斜する。さらに、内輪が追従して傾斜した場合には、転動体が回転する。このため、外輪は、傾斜することなく姿勢を保つ。従って、トラック溝の軸線方向に沿って容易に移動することができる。
このような理由から、ローラが移動する際に抵抗が大きくなることが回避されるとともに、大きな誘起スラスト力が発生することを回避することができる。
ころ部材は、トラニオンの側壁に形成されて該トラニオンの軸線方向に沿って延在する凹溝に挿入するようにしてもよい。これによりころ部材を組み合わせるためのスペースが狭小化されるので、内輪の内径、ひいてはローラの直径を小さくすることができる。なお、凹溝に挿入されたころ部材が、内輪(第1のローラ部材)の内周壁に当接することは勿論である。
そして、上記した構では、ボールがトラック溝の壁面に直接接触することはない。このため、ボールに過度の負荷が作用することが回避されるので、ボールの寿命が長期化する。従って、等速ジョイントの耐久性を向上させることができる。
本発明によれば、ローラを構成する第1のローラ部材と第2のローラ部材との間に複数個の転動体を介装するようにしているので、一方のローラ部材がトラック溝に挿入された際の姿勢を保つようになるか、又は、双方のローラ部材がトラック溝の壁面に当接したときであっても、双方のローラ部材が互いに拘束されることなく個別に回転するようになる。以上のような理由から、ローラがトラニオンの軸線に沿って移動する際の抵抗が小さくなり、その結果、大きな誘起スラスト力が発生することを回避することができる。
また、転動体がトラック溝の壁面に直接接触することがないので、転動体が長寿命化する。従って、耐久性に優れた等速ジョイントを構成し得る。
本発明の第1実施形態に係る等速ジョイントを構成するインナ部材と、ローラとを示す要部分解斜視図である。 図1の等速ジョイントの要部縦断面正面図である。 図1の等速ジョイントの要部縦断面側面図である。 図3からトラニオンが傾斜した状態を示す要部縦断面側面図である。 本発明の第実施形態に係る等速ジョイントを構成するインナ部材と、ローラとを示す要部分解斜視図である。 の等速ジョイントの要部縦断面正面図である。 従来技術に係る等速ジョイントの要部概略分解斜視図である。 の等速ジョイントの要部縦断面正面図である。 に示すインナ部材のトラニオンが傾斜した状態を示す要部縦断面側面図である。
以下、本発明に係る等速ジョイントにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図〜図に示した構成は公知であり、従って、これら図〜図に示される構成要素に対応する構成要素については図示及び詳細な説明を省略する。
図1は、第1実施形態に係る等速ジョイントを構成するインナ部材50と、該インナ部材50に装着されるローラとを示す要部分解斜視図である。このインナ部材50は、図に示される等速ジョイント10と同様に、アウタ部材52(図2参照)の有底穴54に挿入されて伝達軸20(図参照)からの駆動力が伝達されるものである。
第1実施形態においては、略円柱体形状をなすトラニオン56aに対し、該トラニオン56aの直径方向内方に向かって陥没するとともに、その軸線方向に沿って延在する断面略半円形状の凹溝58a、58bが形成される。これら凹溝58a、58bは、互いの位相が180°となるように離間している。また、凹溝58a、58bの深さ方向(矢印A方向)は、インナ部材50の貫通孔の深さ方向(図1の紙面に直交する方向)に対して略直交する。
凹溝58a、58bには、それぞれ、略円柱体形状をなすニードルベアリング60(ころ部材)が挿入される。凹溝58a、58bの断面が略半円柱体形状であり、且つ凹溝58a、58bの深さ方向寸法(トラニオン56aの直径方向に沿う方向)は、ニードルベアリング60の直径に比して小さい。従って、図2に示すように、ニードルベアリング60は、その直径方向外方の略半分が凹溝58a、58bから突出する。
その一方で、ニードルベアリング60の高さ方向寸法は、凹溝58a、58bの高さ方向寸法に比して小さく設定されている。ここで、トラニオン56aの側壁には係合溝62(図1参照)が周回して形成されており、この係合溝62にクリップ64が嵌合されることにより、ニードルベアリング60がトラニオン56aの軸線方向に沿って移動することが回避される。すなわち、クリップ64によって、ニードルベアリング60のトラニオン56aからの抜け止めがなされる。
トラニオン56aには、ローラが装着される。従って、トラニオン56aとローラの間には、2本のニードルベアリング60が介装される。
ここで、ローラは、内側ローラ部材66(第1のローラ部材)と、その外周側に配置される外側ローラ部材68(第2のローラ部材)とで構成される。内側ローラ部材66とニードルベアリング60との間には、好適には100μm以下程度の微小なクリアランスが形成される。
内側ローラ部材66は、略円環形状をなすが、内壁及び外壁の双方とも、高さ方向における各端部から略中腹部となるにつれて直径が大きくなっている(図2参照)。すなわち、内側ローラ部材66の内径及び外径は、それぞれ高さ方向略中腹部で最小、最大である。
一方、外側ローラ部材68は、円環部70と、該円環部70に対して一体的に連なる摺動部72とを有する。この中の円環部70には、その内壁に環状溝74が形成されており、該環状溝74には止め輪76が係合されている。
摺動部72の内壁には、第1ボール係止溝78及び第2ボール係止溝80が円環部70に近接する側からこの順序で環状に形成される。これら第1ボール係止溝78及び第2ボール係止溝80には、それぞれ、複数個のボール82(転動体)が摺動可能に挿入される。なお、ボール82における第1ボール係止溝78及び第2ボール係止溝80から露呈した部位は、内側ローラ部材66の外壁に摺動可能に接触する。
以上から諒解されるように、内側ローラ部材66と外側ローラ部材68との間には、複数個のボール82が、トラニオン56aの軸線方向に沿って2列に配置されるようにして介装される。換言すれば、ボール82は、内側ローラ部材66と外側ローラ部材68とで挟持される。
摺動部72の外周壁は、該摺動部72の高さ方向略中腹部で最大径となるように膨出している。図2及び図3に示すように、摺動部72の外周壁は、アウタ部材52の有底穴54に形成されたトラック溝84に摺動可能に係合される。
トラック溝84は、トラニオン56の軸線方向に沿って延在する第1側壁86及び第2側壁88と、これら第1側壁86及び第2側壁88の間に介在し、アウタ部材52の半径方向外方に向かうように若干湾曲した天井壁90とで形成される(図2参照)。なお、第1側壁86及び第2側壁88には、それぞれ、摺動部72の膨出した外周壁を挿入するための摺動溝92が陥没形成される。
残余のトラニオン56b、56cにおいても、トラニオン56aと同様に、上記のようにして構成されたローラが装着される。従って、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1実施形態に係る等速ジョイントは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
自動車が走行する際には、デファレンシャルギアの作用下に、等速ジョイントのアウタ部材52が先ず回転動作する。この回転力は、ローラ、ニードルベアリング60、インナ部材50を介して前記伝達軸20(図参照)に伝達され、最終的にハブを介してタイヤが回転する。
この走行に際し、伝達軸20の軸線方向に沿う力が等速ジョイントに作用したときには、伝達軸20がアウタ部材52(図4参照)の有底溝に対して突出する方向又は挿入する方向にスライドするように変位する。これに伴い、ローラが回転しながらトラック溝84に沿って移動する。
自動車の走行中、伝達軸20の他端部が図4の上方に向かうように傾斜すると、ニードルベアリング60と内側ローラ部材66との間にクリアランスが形成されているために、インナ部材50は、内側ローラ部材66から拘束を受けることなく、該図4に示すように、トラニオン56aがトラック溝84の軸線方向後方側(有底穴54の底壁側)に近接し、且つトラニオン56b、56cがトラック溝84の軸線方向前方側(有底穴54の開口側)に近接するように傾斜する。この過程で、ニードルベアリング60の側壁が内側ローラ部材66の内壁に接触するようになるので、結局、内側ローラ部材66もトラニオン56a〜56cと同一の方向に傾斜する。
内側ローラ部材66がこのように傾斜すると、該内側ローラ部材66に接触したボール82が回転する。この回転のため、外側ローラ部材68には、伝達軸20を傾斜させる方向に作用する力が伝達されない。従って、外側ローラ部材68が傾斜することが回避される。すなわち、外側ローラ部材68は姿勢を保ち、結局、摺動部72の外周壁が摺動溝92に係合した状態を保つ。
このため、外側ローラ部材68は、トラニオン56a〜56cを中心として回転しながら、トラック溝84の軸線方向に沿って移動することが可能である。従って、インナ部材50は、伝達軸20が傾斜しているにも関わらず、トラック溝84に沿って容易に移動することができる。
以上から諒解されるように、第1実施形態においては、内側ローラ部材66と外側ローラ部材68との間にボール82を配置することで、伝達軸20、ひいてはトラニオン56a〜56cが傾斜したときには、ボール82の作用下に内側ローラ部材66のみを傾斜させ且つ外側ローラ部材68の姿勢を保つようにしている。このため、外側ローラ部材68の移動に対して抵抗が生じること、換言すれば、誘起スラスト力が発生することを回避することができる。
しかも、この場合、ボール82がトラック溝84の内壁に当接することはない。従って、ボール82に荷重が集中することが回避されるので、ボール82が短期間で疲労することを回避することもできる。換言すれば、等速ジョイントの耐久性が向上する。
以上のように、第1実施形態に係る等速ジョイントによれば、インナ部材50が傾斜したときに外側ローラ部材68がトラック溝84に沿って移動する場合であっても、その移動に対する抵抗を低減し得る。しかも、該等速ジョイントは、優れた耐久性を示す。
次に、第実施形態に係る等速ジョイントにつき説明する。なお、第1実施形態に係る等速ジョイントの構成要素に対応する構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
は、第実施形態に係る等速ジョイントを構成するインナ部材50と、該インナ部材50に装着されるローラとを示す要部分解斜視図であり、図は、その要部縦断面正面図である。第1実施形態と同様に、インナ部材50は、アウタ部材200(図参照)の有底穴202に挿入されて伝達軸20(図参照)からの駆動力が伝達される。
この場合、図に示すように、略円柱体形状をなすトラニオン56a〜56cの各々に対し、該トラニオン56a〜56cの直径方向内方に向かって陥没するとともに、その軸線方向に沿って延在する断面略半円形状の凹溝58a、58bが形成される。これら凹溝58a、58bには、それぞれ、略円柱体形状をなすニードルベアリング60(ころ部材)が挿入される。図に示すように、ニードルベアリング60は、その直径方向外方の略半分が凹溝58a、58bから突出する。
なお、第実施形態では、トラニオン56a〜56cの側壁にクリップ64が直接嵌合され、これにより、該トラニオン56a〜56cからのニードルベアリング60の抜け止めがなされる。
ニードルベアリング60は、トラニオン56a〜56cにローラが装着された際、トラニオン56a〜56cとローラの間に介装される。ここで、第実施形態においては、第1実施形態と同様に、内側ローラ部材204(第1のローラ部材)と、その外周側に配置される外側ローラ部材206(第2のローラ部材)とでローラが構成される。内側ローラ部材204とニードルベアリング60との間には、好適には100μm以下程度の微小なクリアランスが形成される。
内側ローラ部材204は、略円環形状をなすが、その内壁は、高さ方向における各端部から略中腹部となるにつれて直径が大きくなっている(図2参照)。すなわち、内側ローラ部材204の内径は、高さ方向略中腹部で最小である。その一方で、内側ローラ部材204の外径は略一定に設定される。
外側ローラ部材206は、円環部70と、該円環部70に対して一体的に連なる摺動部208とを有する。この中の円環部70には、その内壁に環状溝74が形成されており、該環状溝74には止め輪76が係合される。
摺動部208の内壁には、環状凹溝210が陥没形成される。この環状凹溝210には、ニードルベアリング60に比して一層小径な複数個の針状ニードルベアリング212(転動体)が回転自在に挿入される。なお、針状ニードルベアリング212における環状凹溝210から露呈した部位は、内側ローラ部材204の外壁に摺動可能に接触する。
すなわち、第実施形態においては、内側ローラ部材204と外側ローラ部材206との間に複数個の針状ニードルベアリング212が介装される。換言すれば、針状ニードルベアリング212は、内側ローラ部材66と外側ローラ部材68とで挟持される。
摺動部208の外周壁は、該摺動部208の高さ方向略中腹部で最大径となるように膨出している。ここで、摺動部208の高さ方向(図の矢印B方向)寸法は、第1実施形態に係る摺動部72(図2参照)の高さ方向寸法に比して若干大きく設定されている。このため、摺動部208においては、その曲率半径が摺動部72に比して大きい。
に示すように、トラック溝214は、トラニオン56の軸線方向に沿って延在する第1側壁86及び第2側壁88と、これら第1側壁86及び第2側壁88の間に介在し、アウタ部材200の半径方向外方に向かうように若干湾曲した天井壁90とで形成される。第1側壁86及び第2側壁88には、それぞれ、摺動部208の膨出した外周壁を挿入するための摺動溝216が陥没形成される。
上記したように、摺動部208の曲率半径は、摺動部72に比して大きい。このため、摺動部208の外周壁と摺動溝216との接触面積は、摺動部72の外周壁と摺動溝92との接触面積に比して大きくなる。
この第実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。伝達軸20の他端部が図の上方に向かうように傾斜することに追従して内側ローラ部材204が傾斜したときには、該内側ローラ部材204に接触した針状ニードルベアリング212が回転するので、外側ローラ部材206に対し、伝達軸20を傾斜させる方向に作用する力が伝達されなくなり、その結果、外側ローラ部材206が傾斜することが回避されるからである。すなわち、外側ローラ部材206は姿勢を保ち、結局、摺動部208の外周壁が摺動溝216に係合した状態を保つ。
従って、外側ローラ部材206は、トラニオン56a〜56cを中心として回転しながら、トラック溝214の軸線方向に沿って移動することが可能である。すなわち、インナ部材50は、伝達軸20が傾斜しているにも関わらず、トラック溝214に沿って容易に移動することができる。
しかも、この場合、内側ローラ部材204と針状ニードルベアリング212とが接触する部分の面圧、針状ニードルベアリング212と外側ローラ部材206とが接触する部分の面圧、さらには、摺動部208の外周壁と摺動溝216とが接触する部分の面圧が、第1実施形態に比して小さくなるという利点がある。このため、針状ニードルベアリング212に荷重が集中することが回避されるので、該針状ニードルベアリング212が短期間で疲労することを回避することができる。同時に、大きな誘起スラスト力が発生することを回避することができるので、等速ジョイントの耐久性を確保することができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10…等速ジョイント 18、52、200…アウタ部材
20…伝達軸 22、5…インナ部材
24、84、214…トラック溝 28a〜28c、56a〜56…トラニオン
…ホルダ 34、6…ニードルベアリング
36…ローラ 58a、58b…凹溝
66、204…内側ローラ部材 68、206…外側ローラ部材
78、80…ボール係止溝 8…ボー
10…環状凹溝 212…針状ニードルベアリング

Claims (3)

  1. トラック溝が形成されたアウタ部材と、前記トラック溝に摺動自在に係合するローラが回転自在にトラニオンに装着されたインナ部材とを有する等速ジョイントであって、
    前記ローラは、第1のローラ部材と第2のローラ部材とからなり、前記第1のローラ部材と前記第2のローラ部材との間に、複数個の転動体のみが介装され、
    前記転動体により、前記第1のローラ部材と前記第2のローラ部材が個別に回転可能であることを特徴とする等速ジョイント。
  2. 請求項1記載の等速ジョイントにおいて、前記第1のローラ部材が内輪を構成するとともに、前記第2のローラ部材が前記内輪を囲繞する外輪を構成し、
    前記トラニオンと前記第1のローラ部材との間に、複数個のころ部材が介在され、
    且つ前記ころ部材と前記第1のローラ部材との間にクリアランスが形成されることを特徴とする等速ジョイント。
  3. 請求項2記載の等速ジョイントにおいて、前記トラニオンの側壁に、該トラニオンの軸線方向に沿って延在する凹溝が形成され、
    前記ころ部材は、前記凹溝に挿入されて前記第1のローラ部材の内周壁に当接することを特徴とする等速ジョイント。
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