JP4015822B2 - 等速自在継手 - Google Patents

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    • Y10S464/904Homokinetic coupling
    • Y10S464/905Torque transmitted via radially extending pin

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は等速自在継手に関し、特に、スライド式トリポード型等速自在継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、等速自在継手は駆動側と従動側の二軸を連結して当該二軸間に角度があっても等速で回転力を伝達することのできるユニバーサルジョイントの一種であって、スライド式のものは、継手のプランジングによって二軸間の相対的軸方向変位を可能にしたものであり、トリポード型は、半径方向に突出した三本の脚軸を備えたトリポード部材を一方の軸に結合し、軸方向に延びる三つのトラック溝を備えた中空円筒状の外側継手部材を他方の軸に結合し、外側継手部材のトラック溝内にトリポード部材の脚軸を収容してトルクの伝達を行うようにしたものである。
【0003】
スライド式トリポード型等速自在継手の一例について図14を参照して説明すると、外側継手部材1の内周面の軸方向に三本のトラック溝2を形成し、外側継手部材1内に挿入したトリポード部材4の半径方向に突設した三本の脚軸5の円柱状の外周面に複数の針状ころ6を介して回転可能に外嵌した円環状のローラ7をトラック溝2に挿入して構成される。各トラック溝2の円周方向で対向する一対のローラ案内面3は、外側継手部材1の軸線と平行な凹曲面(部分円筒面)であり、三本の脚軸5に外挿された各ローラ7の外周面は、ローラ案内面3に適合する凸曲面(部分球面)である。各ローラ7は、対応するトラック溝2のローラ案内面3に係合して脚軸5を中心に回転しながらトラック溝2に沿って外側継手部材1の軸線方向に移動可能である。
【0004】
図14(B)に示すように、継手が作動角θをとった状態でトルクを伝達するとき、ローラ7とローラ案内面3とは図14(C)に示すように互いに斜交する関係となる。この場合、ローラ7は図14(B)に矢印tで示す方向に転がり移動しようとするのに対して、ローラ案内面3は外側継手部材1の軸線と平行な部分円筒面であるため、ローラ7はローラ案内面3に拘束されながら移動することになる。その結果、ローラ案内面3とローラ7との相互間に滑り摩擦が発生してスライド抵抗が発生し、さらに、この滑り摩擦が軸方向に誘起スラストを発生させる。このようなスライド抵抗と誘起スラストは、車体の振動や騒音の発生原因となり、自動車のNVH{Noize(騒音),Vibration(振動)and Harshness(粗い乗り心地)}性能に影響を与え、車両の足回りの設計自由度を低くするため、できるだけ低減させることが望まれる。
【0005】
このようなスライド抵抗と誘起スラストの低減を企図したスライド式トリポード型等速自在継手として、たとえば図15に示す構造のものが知られている。すなわち、図示するように、トリポード部材4の脚軸5の外周面を真球面にして、この真球面に円筒状のリング8の円筒形内周面が摺動可能に外嵌している。リング8とローラ7とは針状ころ6を介して相対回転自在のローラ・アセンブリを構成する。針状ころ6は、リング8の円筒形外周面とローラ7の円筒形内周面との間にいわゆる総ころ状態で配置され、円環状の止め輪9で抜け止めがなされる。ローラ7は外側継手部材1のトラック溝2内に収容され、トラック溝2のローラ案内面3上を転動しながら外側継手部材1の軸方向に移動可能である。
【0006】
脚軸5の外周面は脚軸5の軸線上に曲率中心を持つ真球面で、この曲率中心の回りをローラ・アセンブリ(7,8,9)が首振り揺動する。ローラ・アセンブリが首振り揺動自在であるため、外側継手部材1とトリポード部材4が作動角をとった状態でトルク伝達を行うとき、ローラ7は外側継手部材1の軸線と平行な姿勢を保つように外側継手部材1のローラ案内面3によって案内され、そのままの姿勢でローラ案内面3上を正しく転動する。したがって、作動角をとった状態でトルクを伝達する際の滑り摩擦が低減し、スライド抵抗と誘起スラストの発生が抑制される、というものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
自動車のエンジンから車輪にトルクを等速で伝達するためにスライド式トリポード型等速自在継手を使用することが知られている。スライド式トリポード型等速自在継手は、トリポード部材の脚軸に球面ローラを取り付けてあり、脚軸外周面と球面ローラ内周面間に転動体として針状ころが保持器なしの総ころタイプで用いられる。そして、角度をとった状態でトルクを伝達するとき、内部部品間の相互摩擦によって、回転中には誘起スラストが、また、停止状態でも強制的に軸方向に伸縮させるとスライド抵抗がそれぞれ発生する。これら誘起スラストやスライド抵抗が関与する自動車の代表的なNVH現象として、前者との関連では走行中の車体の横振れ、後者との関連ではAT車における停止時Dレンジのアイドリング振動現象がある。
【0008】
自動車のNVH問題は、継手の誘起スラストやスライド抵抗の大きさを小さくすることが解決のポイントである。一般に、継手の誘起スラストやスライド抵抗は作動角の大きさに依存する傾向がある。このため、自動車のドライブシャフトに適用する場合、作動角を大きくできないという設計上の制約につながる。したがって、自動車の足回り設計の自由度を高めるには、誘起スラストやスライド抵抗の低位安定化が課題であった。
【0009】
しかし、従来のスライド式トリポード型等速自在継手では転動体が総ころタイプの針状ころであるため、回転中のころのスキュー等により、転動体面にエッジロードなど偏荷重が作用しやすい。さらには内部のすきまや精度の関係によって接触状態が安定せず、球面ローラが傾いたりしてもエッジロードが作用する。また、構造上球面ローラの端部と脚軸や止め輪との間で相対滑りも発生する。このようなスキュー、エッジロード、相対滑りといった現象が、継手内部の摩擦力の大きさを支配していると考えられる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、これら摩擦力をできるだけなくして誘起スラストやスライド抵抗の一層の低減および安定化を図ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、円周方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する三つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した三つの脚軸を備えたトリポード部材と、前記トラック溝に挿入されたローラと、前記脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支持するリングとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向に移動可能な等速自在継手において、前記ローラが一組の環状ローラ部分からなり、かつ、前記各環状ローラ部分の内周と前記リングの外周のそれぞれに、一列のボールが転動する軌道面を形成し、この軌道面の間にボールを総玉状態で組み込んであり、前記ボールと前記軌道面とが接触角をもって接触し、かつ、前記ローラと前記ローラ案内面とがアンギュラ・コンタクトする等速自在継手である。
【0012】
ここで、一組の環状ローラ部分からなるローラには、二つの環状ローラ部分で構成されるもののみならず、三以上の環状ローラ部分で構成されるもの、さらには隣接する環状ローラ部分間に中間体を介在させたものも含まれる。したがって、二つの環状ローラ部分で構成されるローラの場合、二つの環状ローラ部分にまたがって外側軌道面を有する。三つの環状ローラ部分で構成されるローラの場合、三つの環状ローラ部分にまたがって、あるいは両側に位置する環状ローラ部分に外側軌道面を設ける。
【0013】
ローラが一組の環状ローラ部分からなる分割構造であるため、環状ローラ部分同士の相対回転が可能となり、すべり抵抗、転がり抵抗が減少する。すなわち、外側継手部材とトリポード部材とが作動角をとった状態でトルクを伝達するとき、ローラはローラ案内面に対して弧を描いて揺動するものもある。その際、各環状ローラ部分とローラ案内面との接触位置が脚軸の軸方向で離間していることから、各環状ローラ部分とローラ案内面との接触位置からトリポード部材の軸心までの距離が相違し、両環状ローラ部分の周速度が互いに異なる。周速度が相違する結果、環状ローラ部分の角度位置のずれが生じ得るところ、環状ローラ部分同士の相対回転が可能であるため、上記角度位置のずれが環状ローラ部分の相対回転によって吸収される。したがって、ローラがローラ案内面上を弧状に揺動する際のすべり抵抗、転がり抵抗が減少する。また、ローラを分割構造としたことによって、ボールの組込みが容易となり、入れ溝を設ける必要もない。
【0014】
トリポード部材と外側継手部材との間に介在するローラを、スキュー等の問題がなく常に円滑に低摩擦回転をするボールで支持するようにしたので、外側継手部材のトラック溝内をローラがローラ案内面に沿って転動するとき、低摩擦、低抵抗の転動が実現する。したがって、ローラがトラック溝内を外側継手部材の軸方向にスライドする際のスライド抵抗、延いては外側継手部材とトリポード部材が作動角をとった状態でトルクを伝達するときに発生していた誘起スラストが一層低減し、騒音や振動の少ない高性能なスライド式トリポード型等速自在継手が提供できる。
【0015】
さらに、ローラをボールで支持させることにより、針状ころの場合に比べてモーメント荷重に対する負荷容量が増し、耐久性も向上する。また、環状ローラ部分が同期回転しやすくなると考えられる。
ボールと軌道面とが接触角をもって接触することによって剛性が高まるため、負荷容量のアップ、耐久性の向上に役立つ。
ローラとローラ案内面とがアンギュラ・コンタクトをなすことにより、ローラが振れにくくなってその姿勢が一層安定するため、ローラが外側継手部材の軸方向に移動する際にローラ案内面上をより少ない抵抗で円滑に転動する。かかるアンギュラ・コンタクトを実現するための具体的な構成を例示するならば、ローラの外周面の母線を凸円弧とし、かつ、ローラ案内面の断面形状をテーパ形状またはゴシック・アーチ形状とすることが挙げられる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1に記載の等速自在継手において、前記一組の環状ローラ部分は、前記脚軸の軸方向に当接していることを特徴とするものである。
【0017】
このように、前記一組の環状ローラ部分が、前記脚軸の軸方向に当接していると、一組の環状ローラ部分が一体となって継手の軸方向およびローラ案内面を移動する。もちろん、環状ローラ部分は当接しているだけであるから、相対回転が可能なことは既述のとおりである。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1に記載の等速自在継手において、前記一組の環状ローラ部分は、前記脚軸の軸方向にすきまを有していることを特徴とするものである。
【0019】
このように、前記一組の環状ローラ部分が、前記脚軸の軸方向にすきまを有していると、環状ローラ部分相互間、あるいは環状ローラ部分と外側継手部材のローラ案内面との間に寸法公差の範囲内で寸法ばらつきが存在していても、両者の良好な当たりを確保でき、ローラ・アセンブリが継手の軸方向およびローラ案内面を円滑に移動することができる。また、一組の環状ローラ部分相互間のすきまを介して潤滑剤が流れやすくなり、その結果、ローラとローラ案内面との間の潤滑性能が向上して摩擦抵抗が減少し、発熱、摩耗、フレーキング、凝着などが抑制され、等速自在継手の耐久性向上につながる。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の等速自在継手において、前記リングの内周面が凸円弧状断面を有し、前記脚軸の外周面が、継手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にすきまを形成する断面形状を有することを特徴とする。脚軸の横断面形状について、「継手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にすきまを形成する断面形状」とは、言い換えれば、トリポード部材の軸方向で互いに向き合った面部分が相互方向に、つまり、仮想円筒面よりも小径側に、退避している形状を意味する。その一つの具体例として楕円形が挙げられる(請求項5)。ここで、楕円形とは、字義どおりの楕円に限らず、一般に卵形、小判形等と称される形状を含むものとする。
【0021】
脚軸の横断面形状を上記の形状としたことにより、継手が作動角をとったとき、ローラ・アセンブリの姿勢を変えることなく、脚軸が外側継手部材に対して傾くことができる。しかも、図3と図15(C)を対比すれば明らかなように、脚軸の外周面とリングとの接触楕円が横長から点に近づくため、ローラ・アセンブリを傾けようとする摩擦モーメントが低減する。したがって、ローラ・アセンブリの姿勢が常に安定し、ローラがローラ案内面と平行に保持されるため円滑に転動することができる。これにより、スライド抵抗の低減ひいては誘起スラストの低減に寄与する。さらに、脚軸の根元部の断面係数が増加することによる脚軸の曲げ強度が向上するという利点もある。なお、リングの内周面は全長にわたって円筒形である必要はなく、脚軸と接触する中央部分のみ円筒形とし、両端部は脚軸が傾いたとき干渉を避けるための逃げ部を形成してもよい。
【0022】
ローラ・アセンブリは脚軸と外側継手部材との間に介在してトルクを伝達する役割を果たすものであるが、この種の等速自在継手におけるトルクの伝達方向は常に継手の軸線に直交する方向であるため、当該トルクの伝達方向において脚軸とリングとが接していることでトルクの伝達は可能であり、継手の軸線方向において両者間にすきまがあってもトルク伝達に支障を来すことはない。
【0023】
しかも、リングを傾かせることなく脚軸が傾くことができるため、ローラが傾くことなく円滑にローラ案内面を転動することができる。したがって、ローラの傾きを規制する目的で外側継手部材のトラック溝に設けることのある鍔を省略することができる。鍔を省略することにより、外側継手部材の軽量化、加工の簡素化が図れるばかりでなく、ローラと鍔との滑り接触を原因とするスライド抵抗が皆無となる結果、スライド抵抗の一層の減少と誘起スラストの低減が達成される。
【0024】
本発明は、上述のように脚軸の横断面を略楕円形状としたものに限らず、たとえば次のような構成のものにも適用可能である。すなわち、請求項6の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の等速自在継手において、前記リングの内周面が円筒状で、前記脚軸の外周面が球状であることを特徴とする。請求項7の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の等速自在継手において、前記リングの凹球状内周面と、前記脚軸の円筒状外周面との間に、外周面が凸球面状で内周面が円筒状のブッシュが介在していることを特徴とする。請求項8の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の等速自在継手において、前記ローラの外周面の縦断面が凸円弧形状で、前記ローラ案内面の横断面が凹円弧形状であることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に例示した本発明の実施の形態を説明する。ここで、図1(A)は一部を断面にした継手の端面図であり、図1(B)はローラ部分の合わせ面を含む脚軸に垂直な断面を示す。図2(A)は作動角θをとった状態の継手の縦断面を示す。図示するように、等速自在継手は外側継手部材10とトリポード部材20とを有し、連結すべき二軸の一方が外側継手部材10と接続され、他方がトリポード部材20と接続される。
【0028】
外側継手部材10は有底筒状で、図1(A)および図2(A)に示されるように、内周に軸方向に延びる三本のトラック溝12を有する。各トラック溝12の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面14が形成されている。トリポード部材20は半径方向に突出した三本の脚軸22を有し、各脚軸22にローラ・アセンブリ30(32,34,36)が担持されている。このローラ・アセンブリ30が外側継手部材10のトラック溝12内に収容される。
【0029】
この実施の形態では、脚軸22の外周面は、横断面{図1(B)}で見ると長軸が継手の軸線に直交する楕円形状であり、縦断面{図2(A)}で見ると脚軸22の軸線と平行なストレート形状である。言い換えれば、横断面は脚軸22の軸方向のあらゆる位置で合同になっている。脚軸22の楕円形状は、トリポード部材20の軸方向で見た肉厚を減少させて略円弧状としてある。言い換えれば、脚軸22の横断面形状は、トリポード部材20の軸方向で互いに向き合った面が相互方向に、つまり、仮想円筒面よりも小径側に退避している。
【0030】
ローラ・アセンブリ30は、リング32とローラ34とボール36を含んでいる。脚軸22に外嵌したリング32は、図3に示すように、内周面の縦断面が凸円弧形状となった円環状で、外周に内側軌道面33を備えている。そして、リング32の内周面32aにおける軸方向の両側に逃げ部32bが施してある。ローラ34はここでは二分割構造で、軸線に垂直な面で接した一対の環状ローラ部分34a,34bで構成されている。各環状ローラ部分34a,34bの外周面は、軸線から半径方向に離れた位置にある点を曲率中心とする球面の一部、すなわち部分球面である。各環状ローラ部分34a,34bは内周にそれぞれ略1/4凹球面状の外側軌道面35a,35bを備えている。リング32とローラ34とは複数のボール36を介してユニット化され、相対回転可能なローラ・アセンブリ30を構成している。すなわち、リング32の外周の内側軌道面33と、各ローラ部分34a,34bの内周の外側軌道面35a,35bとの間にボール36が転動自在に介在する。図1(B)に示されるように、ボール36は、できるだけ多くのボールを入れた、保持器のない、いわゆる総玉状態で組み込まれている。ローラ34が二分割構造であるため、入れ溝その他の特別な工夫を要することなく、容易にボール36を組み込むことができる。
【0031】
ローラ・アセンブリ30(32,34,36)を脚軸22に担持させた状態で外側継手部材10のトラック溝12に収容させる。一旦トラック溝12に収容されると、ローラ・アセンブリ30はローラ案内面14と相俟ってばらけることなくユニットを保持する。しかしながら、トラック溝12に収容させるまでの間、あるいは、保守・点検等に際し継手を分解してローラ・アセンブリ30をトラック溝12から取り出すとき、ローラ・アセンブリ30がばらけないようにするのが好ましい。その目的で図4に示すように、リング32の端部外周面に環状溝32’を形成して止め輪38を装着し、環状ローラ部分34a,34bを幅方向に固定するようにしてある。このようにすることによって、ローラ・アセンブリ30のユニット・ハンドリングが可能となり、取り扱いが容易となる。
【0032】
ローラ34の外周面と接する外側継手部材10のローラ案内面14は、ローラ34の外周面と適合する断面形状を有している。たとえば、ローラ案内面14を軸線が外側継手部材10の軸線と平行な円筒面の一部で構成し、その断面形状をローラ34の外周面の母線に対応する円弧とすることもできる。また、ローラ案内面14とローラ34とが後述するようにアンギュラ・コンタクトをなすようにすることもできる。さらに、ローラ34(環状ローラ部分34a,34b)内周の軌道面35a,35bとボール36との接触、およびボール36とリング32外周の軌道面33との接触に、後述するように接触角をもたせることができる。
【0033】
図4は、ローラ案内面14とローラ34との接触部、ローラ34とボール36の軌道面との接触部およびボール36とリング32の軌道面33との接触部の要部拡大断面を示す。凹円筒断面形状のローラ案内面14と凸円弧断面形状のローラ34(環状ローラ部分34a.34b)外周との接触は面接触状である。これに対し、ローラ34(環状ローラ部分34a.34b)の内周の軌道面35a,35bの曲率半径は、ボール36の半径よりも大きく設定されており、軌道面35a,35bとボール36とが接触角をもって接触している。また、リング32の軌道面33の曲率半径がボール36の半径よりも大きい複合曲線で形成されており、ボール36とリング32の軌道面33とが接触角をもって接触している。このような構成とすることによって、剛性が高まるため、負荷容量のアップ、耐久性の向上に役立つ。
【0034】
また、図5は、ローラ案内面14とローラ34とがアンギュラ・コンタクトする場合の一例を示す要部拡大断面図であり、ローラ案内面14aがゴシック・アーチ状断面形状に形成されているのに対して、ローラ34(環状ローラ部分34a,34b)の外周面が凸円弧断面状に形成されている。このように構成することによって、ローラ案内面14とローラ34(環状ローラ部分34a,34b)の外周面とが、アンギュラ・コンタクトしている。このように、ローラ案内面14とローラ34(環状ローラ部分34a,34b)の外周面とが、アンギュラ・コンタクトをなすことによって、ローラ34が振れにくくなってその姿勢が安定するため、ローラ34が外側継手部材10の軸方向に移動する際に、ローラ案内面14上をより少ない抵抗で円滑に転動する。なお、図示は省略するが、ローラ案内面14の断面形状をテーパ形状としても、同様にローラ案内面14とローラ34(環状ローラ部分34a,34b)の外周面とが、アンギュラ・コンタクトをもって接触するようになすことができる。
【0035】
ボール36と環状ローラ部分34a,34bとの当たり点の離間距離が、ローラ部分34a,34bとローラ案内面14との当たり点の離間距離よりも長い場合、外側継手部材10と脚軸22との間でトルクを伝達するとき、図1(A)で下に現われている環状ローラ部分34aは反時計方向の、上に現われている環状ローラ部分34bは時計方向の、モーメント荷重の作用を受けて相互に突っ張り合うこととなる。一方、ボール36と環状ローラ部分34a,34bとの当たり点の離間距離が、環状ローラ部分34a,34bとローラ案内面14との当たり点の離間距離よりも短い場合、外側継手部材10と脚軸22との間でトルクを伝達するとき、図1(A)で下に現われている環状ローラ部分34aは時計方向の、上に現われている環状ローラ部分34bは反時計方向の、モーメント荷重の作用を受けて相互に突っ張り合うこととなる。いずれにしても、環状ローラ部分34a,34bどうしが突っ張り合うことでローラ・アセンブリ30の一体性を維持する上で有利に働く。
【0036】
図3に示されるように、リング32の内周面は円弧状凸断面を有する。すなわち、内周面の母線が半径Rの凸円弧である。このことと、脚軸22の縦断面形状が上述のように略楕円形状であり、脚軸22とリング32との間には所定のすきまが設けてあることから、リング32は脚軸22の軸方向での移動が可能であるばかりでなく、脚軸22に対して首振り揺動自在である。また、上述のとおりリング32とローラ34はボール36を介して相対回転自在にユニット化されているため、脚軸22に対し、リング32とローラ34がユニットとして首振り揺動可能な関係にある。ここで、「首振り」とは、脚軸22の軸線を含む平面内で、脚軸22の軸線に対してリング32およびローラ34の軸線が傾くことをいう{図2(A)参照}。
【0037】
リング32の内周面をほぼ全長にわたって凸円弧とすることも可能であるが、ここでは、リング32の内周面の母線は、中央の円弧部32aとその両側の逃げ部32bとの組合せで形成されている。逃げ部32bは、図2(A)のように作動角θをとったときの脚軸22との干渉を避けるための部分であり、円弧部32aの端からリング32の端部に向かって徐々に拡径した直線または曲線で構成する。ここでは、逃げ部32bを円錐角α=50°の円錐面の一部とした場合を例示してある。
【0038】
トリポード型等速自在継手では、機構上、外側継手部材10が一回転するときトリポード部材20は外側継手部材10の中心に対して三回振れ回る。このとき符号e[図2(A)]で表わされる偏心量は作動角θに比例して増加する。そして、三本の脚軸22は120°ずつ離間しているが、作動角θをとると、図2(B)に示すように、同図の上側に現われている垂直な脚軸22を基本として考えると、他の二本の脚軸22は、二点鎖線で示す作動角0のときのそれらの軸線からわずかに傾く。その傾きは、作動角θがたとえば約23°のとき2〜3°程度となる。この傾きがリング32の内周面の曲率によって無理なく許容されるため、脚軸22とリング32との接触部における面圧が過度に高くなるのを防止することができる。なお、図2(B)は、図2(A)の左側面から見たトリポード部材20の三本の脚軸22を模式的に図示したもので、実線が脚軸を表わしている。
【0039】
図15に示した従来の継手の場合、脚軸5の外周面が全周にわたってリング8の内周面と接するため、接触楕円が図15(C)に破線で示すように円周方向に延びた横長形状を呈する。そのため、外側継手部材1に対して脚軸5が傾くとき、脚軸5の動きに伴ってリング8を、ひいてはローラ7を傾かせるように作用する摩擦モーメントが発生する。これに対し、図1に示した実施の形態では、脚軸22の横断面が楕円形で、リング32の内周面が円筒形であることから、両者の接触楕円は図3に二点鎖線で示すように点に近いものとなり、同時に面積も小さくなる。したがって、作動角をとった状態でトルクを伝達する際、ローラ・アセンブリ30(32,34,36)を傾かせようとする力が従来のものに比べると非常に低減し、ローラ34の姿勢の安定性が一層向上する。
【0040】
さらに、図15の従来の継手では、ローラ7の傾きを規制する目的で、トラック溝2の奥側つまり外側継手部材1の横断面で見て大径側に、ローラ7の端面と対向した鍔を形成してある。しかしながら、上の各実施の形態ならびに以下に述べる実施の形態、さらには後述する実施例にあっては、ローラ34を傾かせる要因が低減されているため、必ずしもそのような鍔を設ける必要はなく、鍔を省略することができる。その結果、ローラ34が何らかの原因で一時的に振れたとしても鍔に接触して滑り摩擦を発生させるといった心配が皆無となる。
【0041】
図1の実施の形態を実施するにあたっては、図1(B)に示されるように、横断面が楕円形の脚軸22と円環状のリング32とが接触してトルクを伝達することから、両者間の接触部における面圧の緩和を図る必要がある。以下、そのための具体的な実施例について説明する。なお、図9(B)ないし図12においては、紙面の上下方向がトルク伝達方向,すなわち負荷側であり、紙面の左右方向が非負荷側となる。
【0042】
継手が作動角θをとった状態でトルクを伝達するとき、図2(A)および図9(A)に示すように、脚軸22はリング32に対して作動角θの範囲内で往復揺動する。このとき、非負荷側については、脚軸22とリング32の間に比較的大きなすきまが存在するため、脚軸22がリング32と干渉することなく揺動することができる。しかしながら、負荷側については、作動角θが大きくなって脚軸22の傾きが大きくなるにつれて図9(B)に二点鎖線で示されているように脚軸22の見かけの曲率が大きくなり、リング32の内径よりも大きな曲率になると脚軸22とリング32とが二点当たりとなるに至る。すると、それ以後は脚軸22のみが自由に傾くことはできず、リング32を、ひいてはローラ・アセンブリ30(32,34,36)を傾かせることとなる。したがって、所定の角度範囲内では、脚軸22のみがリング32と干渉することなく傾くことができるように、脚軸22の横断面形状、とりわけ負荷側の形状を決定する。
【0043】
具体的には、最大作動角θmaxを25°としたとき、図10に示すように、脚軸22の楕円形横断面の長軸半径aと短軸半径bならびにリング32の内周面の曲率半径R(図3参照)を次のように設定すると、継手が最大作動角θmaxをとってもリング32が傾かないようにするとともに、脚軸22とリング32との間の接触楕円を作動角0°の時に円に近づける(最小楕円)ことができる。
b/a=0.841
R=1.369a
曲率半径Rの推奨範囲を0.5R〜1.5Rすなわち0.684a〜2.053aとするならば、そのときの楕円度b/aは0.836〜0.647となる。
【0044】
上述の設定では、しかしながら、形状的には可能であるが自動車実使用になると脚軸22/リング32間の面圧が高すぎる懸念がある。そのため、自動車用途における常用作動角域で低振動を求められるのであれば、ローラ・アセンブリ30(32,34,36)が傾かない程度まで作動角θを下げれば面圧も下がり、実使用可能となる。たとえば、常用作動角θを10°を超え20°未満の範囲とするならば、リング内周面の曲率半径Rおよび楕円b/aの最適値および推奨範囲は表1に示すとおりとなる。
【0045】
【表1】
Figure 0004015822
【0046】
既述のとおり、脚軸22の楕円形横断面の楕円度b/aが小さいほど、より大きな作動角θをとってもローラ・アセンブリ30(32,34,36)を傾かせることなく脚軸22が傾くことができるが、その反面、接触部の面圧が上がり、脚軸22の強度も下がる。そこで、図11に示す実施例は、脚軸22の横断面形状を、リング32と接触する領域,すなわち接触領域βについてだけ楕円度b 1 /a 1 を大きくし、他の非接触領域(180°−β)については、最大作動角θmaxで干渉しない程度の楕円度 2 /a 2 とした複合楕円形状としたものである。例えば、常用作動角θを15°とし、リング32の内周面の曲率半径Rを2.898aとした場合、接触領域の楕円度 1 /a 1 を0.859とし、非接触領域の楕円度 2 /a 2 を0.635とする。なお、図11では図の下側にのみ接触領域βの表示をしてあるが、脚軸22の横断面は対称形であるため図の上側にも接触領域が存在することは言うまでもない。
【0047】
また、図12に示す実施例は、上記接触領域βを単一楕円で構成するのではなく、楕円度(b/a)を連続的に変化させたものである。例えば、上記と同様に常用作動角θを15°とし、リング32の内周面の曲率半径Rを2.898aとした場合、接触領域では、長軸と交わる位置の楕円度を1.0とし、その位置から離れるにつれて楕円度を徐々に下げていき、非接触領域では楕円度を0.635とする。あるいは、接触領域、非接触領域に関係なく長軸側から短軸側に楕円度を1.0から0.635まで徐々に下げた形状としてもよい。図12は、接触領域の長軸と交わる位置では楕円度を1.0とし、その位置から離れるに従って、たとえば図示するように所定の角度ごとに、曲率半径を漸減させる場合を例示している。
【0048】
図6ないし図8、図13は別の実施の形態に係る等速自在継手を示す。図6の等速自在継手は、ボール136を介して相対回転自在のリング132と、一組の環状ローラ部分134a,134bからなるローラ134とで、ローラ・アセンブリ130が構成され、リング132の円筒形内周面がトリポード部材120の脚軸122の球形外周面に外嵌している。脚軸122の軸線に対して垂直な断面で見て、脚軸122の外周面の曲率半径とリング132の内周面の曲率半径を異ならせることにより、両者間にすきまが形成されて摺動面間に潤滑剤が流れやすくなる。その結果、潤滑性能が向上して摩擦抵抗が減少し、摺動面の発熱、摩耗、フレーキング、凝着などが抑制され、等速自在継手の耐久性向上につながる。なお、リング132の端部外周面に環状溝132’を設けて、この環状溝132’に止め輪138を装着し、環状ローラ部分134a,134bを幅方向に固定するようにしてある。このようにすることによって、ローラ・アセンブリ130のユニット・ハンドリングが可能となり、取扱いが容易となる。
【0049】
図7の等速自在継手は、ボール236を介して相対回転自在のリング232と、一組の環状ローラ部分234a,234bからなるローラ234とで、ローラ・アセンブリ230が構成され、リング232の凹球状内周面とトリポード部材220の脚軸222の円柱状外周面との間に、外周面が凸球面状で内周面が円筒状のブッシュ200を介在させてある。なおこの実施の形態では、リング232の一方端部外周面に鍔232aを一体に形成するとともに、他端部外周面に環状溝232’を形成して、ローラ234の一方端部側(図示上側)に止め輪238を当接し、前記環状溝232’にストッパ部材239を装着して、鍔232aと前記止め輪238およびストッパ部材239とで、ローラ234を保持するようにしている。このような構成によれば、ローラ・アセンブリ230のユニット化が容易に行える。
【0050】
図8の等速自在継手では、ボール336を介して相対回転自在のリング332と、一組の環状ローラ部分334a,334bからなるローラ334とで、ローラ・アセンブリ330が構成され、脚軸322の円柱形外周面に摺動可能にリング332が外嵌している。この場合、他の実施の形態と異なり、ローラ・アセンブリ330は脚軸322の軸方向に移動できるのみで、いわゆる首振り運動は行わない。なお、この実施の形態では、ローラ334の両側に止め輪338を配置し、この止め輪338をリング332の端部外周面に形成した環状溝332’に装着したストッパ部材339によって保持するようにしている。
【0051】
図13の等速自在継手では、ボール436を介して相対回転自在のリング432と、一組の環状ローラ部分434a,434bからなるローラ434とで、ローラ・アセンブリ430が構成され、脚軸422の円柱形外周面に摺動可能にリング432が外嵌している。この場合、前記一組の環状ローラ部分434a,434bは、トリポード部材420の脚軸422の軸方向にすきまgを有している。このように、一組の環状ローラ部分434a,434bが、脚軸422の軸方向にすきまgを有していると、このすきまgを介して潤滑剤が流れやすくなって、その結果、潤滑性能が向上して摩擦抵抗が減少し、発熱、摩耗、フレーキング、凝着などが抑制され、等速自在継手の耐久性向上につながる。しかも、一組の環状ローラ部分434a,434bが相互に独立して回転傾斜可能になり、特に、継手が作動角をとる際に、円滑な動作が得られる。なお、このような一組の環状ローラ部分434a,434bが脚軸422の軸方向にすきまgを有する構成は、これまでに述べた図1ないし図8の各実施の形態において採用されてもよい。また、この実施の形態では、リング432の一方端部に鍔432aを一体に形成するとともに、他方端部外周面に環状溝432’を形成し、この環状溝432’に止め輪438を装着して、鍔432aと止め輪438とで、ローラ434を保持するようにしている。さらに、この実施形態では、ローラ案内面14とローラ434とがアンギュラ・コンタクトをなし、ローラ434(環状部分ローラ434a,434b)の軌道面435a,435bとボール436との接触、ボール436とリング432の軌道面433との接触が、接触角を有する場合を示している。このようなローラ案内面14とローラ434とのアンギュラ・コンタクトについては、図5で説明したと同様であり、また、ローラ434とボール436およびボール436とリング432の軌道面433とが接触角を有する点については、図4で説明したと同様である。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、円周方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する三つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した三つの脚軸を備えたトリポード部材と、前記トラック溝に挿入されたローラと、前記脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支持するリングとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向に移動可能な等速自在継手において、前記ローラが一組の環状ローラ部分からなり、かつ、前記各環状ローラ部分の内周に形成した外側軌道面と前記リングの外周に形成した内側軌道面との間にボールを介在させたものであるため、スキュー等の問題がなく常に円滑に低摩擦回転をするボールでローラが支持され、外側継手部材のトラック溝内をローラがローラ案内面に沿って転動するとき、低摩擦、低抵抗の転動が実現する。したがって、ローラがトラック溝内を外側継手部材の軸方向にスライドする際のスライド抵抗、ひいては外側継手部材とトリポード部材が作動角をとった状態でトルクを伝達するときに発生していた誘起スラストが一層低減し、振動や騒音の少ない高性能なスライド式トリポード型等速自在継手が提供できる。
【0053】
内周面が凸円弧状断面を有するリングを、継手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にすきまを形成する断面形状を有する脚軸の外周面に外嵌させることにより、継手が作動角をとったとき、ローラ・アセンブリの姿勢を変えることなく、脚軸が外側継手部材に対して傾くことができる。しかも、脚軸の外周面とリングとの接触楕円が横長から点に近づくため、ローラ・アセンブリを傾けようとする摩擦モーメントが低減する。したがって、ローラ・アセンブリの姿勢が常に安定し、ローラがローラ案内面と平行に保持されるため円滑に転動することができる。これにより、スライド抵抗の低減ひいては誘起スラストの低減に寄与する。さらに、脚軸の根元部の断面係数が増加することによる脚軸の曲げ強度が向上するという利点もある。
【0054】
本発明の等速自在継手は、特に自動車のドライブシャフト用に適用すれば、スライド抵抗や誘起スラストの大きさが関与する自動車のNVH性能の改善に寄与し得、車両足回り設計の自由度も高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施の形態に係る等速自在継手の一部を断面にした端面図、
(B)は脚軸に垂直な断面図である。
【図2】(A)は図1の等速自在継手の縦断面図であって作動角をとった状態を示し、(B)は図2(A)におけるトリポード部材の模式的側面図である。
【図3】図1の等速自在継手におけるリングの拡大断面図である。
【図4】ローラとボール、およびボールとリングとが接触角を有する実施形態の等速自在継手の要部断面図である。
【図5】ローラとローラ案内面とがアンギュラ・コンタクトをなす他の実施形態の等速自在継手の要部断面図である。
【図6】さらに他の実施の形態を示す等速自在継手の要部断面図である。
【図7】他の実施の形態を示す等速自在継手の要部断面図である。
【図8】さらに他の実施の形態を示す等速自在継手の要部断面図である。
【図9】(A)はローラ・アセンブリとトリポード部材の断面図、
(B)は図9(A)におけるローラ・アセンブリの平面図である。
【図10】等速自在継手が作動角をとった場合に対応する実施例を説明するための脚軸の横断面図である。
【図11】等速自在継手が作動角をとった場合に対応する他の実施例を説明するための脚軸の横断面図である。
【図12】等速自在継手が作動角をとった場合に対応するさらに他の実施例を説明するための脚軸の横断面図である。
【図13】本発明の環状ローラ部分が脚軸の軸方向にすきまを有する他の実施の形態に係る等速自在継手の要部断面図である。
【図14】(A)は従来の等速自在継手の横断面図、
(B)は縦断面図、
(C)はローラとローラ案内面との相互関係を示す模式的斜視図である。
【図15】(A)は他の従来の等速自在継手の横断面図、
(B)は脚軸に垂直な断面図、
(C)は接触楕円を説明するためのリングの断面図である。
【符号の説明】
10 外側継手部材
12 トラック溝
14、14a ローラ案内面
20、120、220,320、420 トリポード部材
22、122、222、322、422 脚軸
a 長軸半径
b 短軸半径
R 曲率半径
30、130、230、330、430 ローラ・アセンブリ
32、132、232、332、432 リング
32a 円弧部
32b 逃げ部
32’、132’、232’、332’、432’ 環状溝
33 軌道面
34 ローラ
34a、34b、134a、134b、234a、234b、334a、334b、434a、434b 環状ローラ部分
35a、35b、135a、135b、235a、235b、335a、335b、435a、435b 軌道面
36 ボール
38、138、238、338、438 止め輪
239、339 ストッパ部材
232a、432a 鍔部
g すきま

Claims (8)

  1. 円周方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する三つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した三つの脚軸を備えたトリポード部材と、前記トラック溝に挿入されたローラと、前記脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支持するリングとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向に移動可能な等速自在継手において、
    前記ローラが一組の環状ローラ部分からなり、かつ、前記各環状ローラ部分の内周と前記リングの外周のそれぞれに、一列のボールが転動する軌道面を形成し、この軌道面の間にボールを総玉状態で組み込んであり、
    前記ボールと前記軌道面とが接触角をもって接触し、かつ、前記ローラと前記ローラ案内面とがアンギュラ・コンタクトする
    ことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記一組の環状ローラ部分は、前記脚軸の軸方向に当接していることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記一組の環状ローラ部分は、前記脚軸の軸方向にすきまを有することを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  4. 前記リングの内周面が凸円弧状断面を有し、前記脚軸の外周面が、継手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にすきまを形成する断面形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  5. 前記脚軸の横断面が、継手の軸線と直交する方向を長軸とする楕円形状で、長軸半径をa、短軸半径をbとしたとき、b/aが0.50〜0.95であることを特徴とする請求項4に記載の等速自在継手。
  6. 前記リングの内周面が円筒状で、前記脚軸の外周面が球状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  7. 前記リングの凹球状内周面と、前記脚軸の円筒状外周面との間に、外周面が凸球面状で内周面が円筒状のスリーブが介在していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  8. 前記ローラの外周面の縦断面が凸円弧形状で、前記ローラ案内面の横断面が凹円弧形状であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の等速自在継手。
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